コンテンツ管理装置
【課題】コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値を正確に特定する。
【解決手段】記憶手段2は、コンテンツと、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値との組合せを記憶し、記憶手段3は、コンテンツに含まれるオブジェクトに対応付けて、オブジェクトの属性値の候補と、候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶し、記憶手段4は、利用者名に対応付けて影響度を記憶する。登録手段5は、利用者から、コンテンツに含まれるオブジェクトについて、属性値の候補と、候補を提示した利用者名とを含む認識情報を受信し、該受信した認識情報を記憶手段3に記憶する。更新手段6は、記憶手段3から認識情報を読み出し、前記オブジェクトについて前記属性値の候補を提示した利用者の影響度を考慮して、前記属性値の候補のポイントを算出し、算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを記憶手段2に追加する。
【解決手段】記憶手段2は、コンテンツと、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値との組合せを記憶し、記憶手段3は、コンテンツに含まれるオブジェクトに対応付けて、オブジェクトの属性値の候補と、候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶し、記憶手段4は、利用者名に対応付けて影響度を記憶する。登録手段5は、利用者から、コンテンツに含まれるオブジェクトについて、属性値の候補と、候補を提示した利用者名とを含む認識情報を受信し、該受信した認識情報を記憶手段3に記憶する。更新手段6は、記憶手段3から認識情報を読み出し、前記オブジェクトについて前記属性値の候補を提示した利用者の影響度を考慮して、前記属性値の候補のポイントを算出し、算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを記憶手段2に追加する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを、そのコンテンツに含まれるオブジェクトの属性値に対応付けて管理するコンテンツ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンテンツをそのコンテンツに含まれるオブジェクトの属性値に対応付けて管理することが行われている。例えば、コンテンツとして画像ファイルを、オブジェクトとして画像に写っている顔画像を、その属性値として人物名を例にすると、画像ファイルを一意に識別する画像名などの識別子と、その画像に写っている顔画像をその画像内で一意に識別する顔番号などの識別子と、その顔画像が誰の顔であるかを示す人物名とを対応付けて記憶することが行われている。さらに、画像ファイルをその画像に顔が写っている人物に対応するフォルダの配下にリンク付けして管理することも行われている。このような管理方法を採用する場合、画像に写っている人物を如何にして正確に特定するかが重要になる。
【0003】
画像に写っている人物を特定する技術の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載される技術では、システムの顔認識技術による認識結果にユーザの認識結果を反映させることにより、画像に写っている人物を特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−231744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される技術では、特定の一人のユーザが認識結果を入力する前提としているため、認識結果を入力したユーザによって精度が変化する。多くの人物の顔を正確に把握しているユーザが認識結果を入力した場合には精度は高くなるが、そうでない場合には精度が低下する。これは、コンテンツを個人的に管理する場合には問題にならなくても、マスメディアなどの企業内において複数のユーザが画像を共有するような状況では問題が多い。このことは、画像ファイル中の顔画像の特定だけでなく、一般にコンテンツをそのコンテンツに含まれるオブジェクトの属性値に対応付けて管理する場合に問題となる。
【0006】
本発明の目的は、上述したような課題、すなわち、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値をユーザの認識結果に基づいて特定する際には精度のバラツキが発生する、という課題を解決するコンテンツ管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態にかかるコンテンツ管理装置は、
コンテンツと該コンテンツに含まれるオブジェクトと該オブジェクトの属性値との組合せを記憶する第1の記憶手段と、
上記コンテンツに含まれる上記オブジェクトに対応付けて、上記オブジェクトの属性値の候補と、上記候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶する第2の記憶手段と、
上記利用者名に対応付けて影響度を記憶する第3の記憶手段と、
利用者から、上記コンテンツに含まれる上記オブジェクトについて、上記属性値の候補と、上記候補を提示した利用者名とを含む上記認識情報を受信し、該受信した上記認識情報を上記第2の記憶手段に記憶する登録手段と、
上記第2の記憶手段から上記認識情報を読み出し、同じコンテンツの同じオブジェクトについて同じ属性値の候補を提示した利用者の上記影響度を考慮して、上記属性値の候補のポイントを算出し、該算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを上記第1の記憶手段に追加する更新手段と
を備える、といった構成を採る。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述したような構成を有するため、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値をユーザの認識結果に基づいて特定する際の精度のバラツキを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるコンテンツ管理装置のブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかるコンテンツ管理装置のブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態において登録者が登録する画像の例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における登録者による画像登録後のリンク付けの状況を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における人物認識テーブルの例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における認識判定結果テーブルの例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるユーザ管理テーブルの例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における認識結果更新条件設定ファイルの例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるリンク付け更新判定の計算結果の例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における人物認識テーブルの更新例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における認識結果の更新イメージを示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における画像リンク付けの更新後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態にかかるコンテンツ管理装置1は、サーバなどの情報処理装置であり、第1の記憶手段2と、第2の記憶手段3と、第3の記憶手段と、登録手段5と、更新手段6とを備えている。
【0011】
第1の記憶手段2は、コンテンツと、そのコンテンツに含まれるオブジェクトと、そのオブジェクトの属性値との組合せを記憶する機能を有する。コンテンツは、例えば画像ファイルである。オブジェクトは、コンテンツが画像ファイルの場合、例えばその画像に写っている顔画像である。オブジェクトの属性値は、オブジェクトが顔画像の場合、例えば人物名である。
【0012】
第2の記憶手段3は、コンテンツに含まれるオブジェクトに対応付けて、そのオブジェクトの属性値の候補と、その候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶する機能を有する。
【0013】
第3の記憶手段4は、利用者名に対応付けて、影響度を記憶する機能を有する。影響度は数値で表現される。コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値を良く知っている利用者ほど、影響度の数値はより大きな値に予め設定されている。
【0014】
登録手段5は、利用者7から、コンテンツに含まれるオブジェクトについて、その属性値の候補と、利用者7の利用者名とを含む認識情報を受信し、第2の記憶手段3に記憶する機能を有する。複数の利用者7は、登録手段5の機能を介して、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値の候補をコンテンツ管理装置1の第2の記憶手段3に登録することができる。
【0015】
更新手段6は、第2の記憶手段3から認識情報を読み出し、コンテンツのオブジェクトについて属性値の候補を提示した利用者の影響度を考慮して、属性値の候補のポイントを算出する機能を有する。また、更新手段6は、上記算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを第1の記憶手段2に追加することにより、コンテンツをそのコンテンツに含まれるオブジェクトの属性値に対応付けて管理する機能を有する。
【0016】
次に本実施形態の動作を説明する。
【0017】
利用者7が、或るコンテンツに含まれる或るオブジェクトについて、その属性値の候補と、利用者7の利用者名とを含む認識情報を入力すると、登録手段5は、この認識情報を第2の記憶手段3に記憶する。利用者7による入力は、コンテンツ管理装置1にローカルに接続されたキーボード等の入力装置から行ってもよいし、コンテンツ管理装置1にネットワークを介して接続された端末から行ってもよい。同様に他の利用者7が、或るコンテンツに含まれる或るオブジェクトについて、その属性値の候補と、利用者7の利用者名とを含む認識情報を入力すると、登録手段5は、この認識情報を第2の記憶手段3に記憶する。
【0018】
更新手段6は、例えば一定周期あるいは管理者から起動される毎に、以下の動作を実行する。
【0019】
まず更新手段6は、第2の記憶手段3から認識情報を読み出し、コンテンツのオブジェクトについて属性値の候補を提示した利用者の影響度を考慮して、属性値の候補のポイントを算出する。或る利用者の影響度は、第3の記憶手段4から利用者名で検索して取得する。次に更新手段6は、この算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを第1の記憶手段2に追加する。
【0020】
例えば、コンテンツCがあり、それにオブジェクトO1、O2、O3の3つのオブジェクトが含まれているとする。また、コンテンツCに関して認識情報を入力した利用者はU1、U2の2名とし、利用者U1の影響度は100、利用者U2の影響度は10であるとする。さらに、利用者U1は、オブジェクトO1について属性値Z1を認定し、オブジェクトO3について属性値Z3を指定し、オブジェクトO2については属性値は認定していないとする。また、利用者U2は、オブジェクトO2について属性値Z2を認定し、オブジェクトO3について属性値Z3を指定し、オブジェクトO1については属性値は認定していないとする。また、第1の閾値を55とする。
【0021】
このとき、更新手段6は、属性値Z1のポイントとして、100を算出し、第1の閾値(=55)と比較する。そして、更新手段5は、25>第1の閾値なので、コンテンツCとオブジェクトO1と属性値Z1との組合せを第1の記憶手段2に追加する。
【0022】
また、更新手段6は、属性値Z2のポイントとして、10を算出し、第1の閾値(=55)と比較する。そして、更新手段5は、10≦第1の閾値なので、コンテンツCとオブジェクトO2と属性値Z2との組合せは第1の記憶手段2に追加しない。
【0023】
また、更新手段6は、属性値Z3のポイントとして、100+10=110を算出し、第1の閾値(=55)と比較する。そして、更新手段5は、110>第1の閾値なので、コンテンツCとオブジェクトO3と属性値Z3との組合せを第1の記憶手段2に追加する。
【0024】
このように本実施形態によれば、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値をユーザの認識結果に基づいて特定する際の精度のバラツキを小さくすることができる。その理由は、利用者毎の影響度を考慮して、その属性値の候補を採用するか否かを判断するためのポイントを算出しているためである。
【0025】
また本実施形態によれば、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値をより正確に特定することができる。その理由は、同じ属性値を認定する利用者が複数存在した場合、それら複数の利用者による認識情報に基づいて、その属性値の候補を採用するか否かを判断するためのポイントを算出しているためである。
【0026】
本実施形態は、以下のような各種の付加変更が可能である。
【0027】
利用者から入力される認識情報および第2の記憶手段3に記憶する認識情報は、属性値の候補の信頼度が含まれていてもよい。信頼度は数値で表される。信頼度がより高いほど、数値は大きくなる。この場合、更新手段6は、属性値の候補の信頼度を考慮して、上記属性値の候補のポイントを算出するようにしてもよい。例えば上述したコンテンツCのオブジェクトO3の場合で、利用者U1が属性値Z3について付加した信頼度は0.5、利用者U2が属性値Z3について付加した信頼度は1とすると、更新手段6は、属性値Z3のポイントとして、100×0.5+10×1=60を算出し、第1の閾値と比較する。
【0028】
また、更新手段6は、上記ポイントの算出に使用した認識情報を入力した利用者の総数が、第2の閾値を超えない場合には、上記算出したポイントが上記第1の閾値を超える場合であっても第1の記憶手段2への上記組合せの追加を行わないようにしてもよい。例えば第2の閾値を1名とすると、上述した例の場合、コンテンツCのオブジェクトO1、O2の属性値の候補を入力した利用者は、それぞれ利用者U1と利用者U2の1名であるので、第2の閾値である1名を超えないため、属性値Z1、Z2を追加する操作は実行しない。他方、コンテンツCのオブジェクトO3の属性値の候補を入力した利用者は、利用者U1、U2の2名であるので、第2の閾値である1名を超え、さらにポイントも第1の閾値を超えるために属性値Z3を追加する操作が実行される。
【0029】
[第2の実施形態]
[概要]
本実施形態は、複数の人物が写っている画像に対して、その画像に写っている人物の仮想フォルダ配下に画像をリンク付けして管理するコンテンツ管理装置において、複数のユーザの画像使用情報を活用することによって、顔画像を適切な仮想フォルダ配下に自動的にリンク付けし、かつ、ユーザの負担を最低限にとどめる手段を提供するものである。
【0030】
そのために本実施形態は、複数のユーザが認識作業に参加する仕組みを導入することで負荷を分散した上で、画像のフォルダへの振り分けを自動化する。
【0031】
具体的には、本実施形態は、以下のような画像登録プロセス、手動認識プロセス、バッチ自動更新プロセスを有する。
【0032】
はじめに、登録者が、複数の人物が写っている画像の登録時に使用する画像登録プロセスについて説明する。
【0033】
画像登録プロセスは、複数の人物が写った画像の登録および、顔情報に対する登録者自身による認識結果を入力できるインターフェースを提供し、登録者はそのインターフェース上にて、画像の登録および画像に写っている人物の認識結果を入力する。ただし、判断がつかない人物に対しては人物の認識結果を入力する必要はない。
【0034】
画像登録プロセスは、登録者が入力した画像および人物の認識結果を、記憶装置および人物認識テーブルにそれぞれ登録して処理を完了する。
【0035】
次に、利用者が画像を使用する際の手動認識プロセスについて説明する。
【0036】
手動認識プロセスは、利用者が画像を使用する際に、認識結果が得られていない顔情報に対して認識結果を入力できるインターフェースを提供する。利用者はそのインターフェース上にて、利用する画像の認識結果を登録する。
【0037】
利用者はすべての顔情報の認識結果を入力する必要はなく、認識ができた人物のみを登録するものとする。これは、すべての人物を1人で認識する必要はないという考えに基づくものである。また、認識結果と合わせて、利用者はその認識結果に対する信頼度を入力する。インターフェース上にて、信頼度を数段階に分けて選ぶプルダウンメニューなどを用意する。例えば、認証結果に「自信がある」の場合は信頼度を1、「やや自信がない」の場合は0.5、「自信なし」の場合は0.1が登録できるようにする。信頼度は0から1の間の値で入力が可能であり、1に近づくにつれて利用者が認識結果に対して自信をもっていることを示し、0に近づくにつれ、利用者が認識結果に自信をもっていないことを示している。利用者が登録した信頼度は、後述するリンク付けの更新の際に使用する。
【0038】
手動認識プロセスは、入力した人物認識結果および信頼度を認識判定結果テーブルに登録し、処理を完了する。
【0039】
最後に、管理者が画像のリンク付け更新のために使用するバッチ自動更新プロセスについて説明する。
【0040】
未認識状態の顔情報に対するリンク付け更新のための判断基準として、認識結果更新条件設定ファイルを用意し、「認識結果登録の実施人数」と「ユーザのもつ重み和」の2つの条件を設定する。
【0041】
ユーザがもつ重み和は、未認識状態の顔情報ごとに算出し、該当する顔情報の認識結果を登録した利用者について、利用者の影響度と認識結果の信頼度の積を足し合わせることで求められる。
【0042】
バッチ自動更新プロセスは、管理者よりプロセス実行の指示があると、認識判定結果テーブルより、利用者が登録した認識結果を取得し、未認識の顔情報に対して、ユーザのもつ重み和をそれぞれ求める。その結果、認識結果の登録人数およびユーザの重みの和が認識結果更新条件設定ファイルに設定されている条件を満たしている場合、バッチ自動更新プロセスは人物認識テーブルの認識結果を更新した後、仮想フォルダのリンク付けを更新する。
【0043】
管理者はこのプロセスを定期的に使用し、リンク付けの更新を行う。
【0044】
[構成の説明]
本実施形態は、図2に示すように、アクター100、サーバ200、データベース300、および記憶装置400から構成される。サーバ200とデータベース300と記憶装置400とでコンテンツ管理装置が構成される。
【0045】
アクター100は、登録者101、利用者102、および管理者103から構成される。
【0046】
サーバ200は、コンピュータであり、その内に構成されるプロセスは、画像登録プロセス201、手動認識プロセス202、およびバッチ自動更新プロセス203から構成される。
【0047】
データベース300は、人物認識テーブル301、認識判定結果テーブル302、およびユーザ管理テーブル303から構成される。
【0048】
記憶装置400は、登録画像401および認識結果更新条件設定ファイル402から構成される。
【0049】
[動作の説明]
本実施形態の動作について、図2乃至図12を参照して説明する。
【0050】
まずは、登録者101が画像登録プロセス201を用いて、顔画像および認識結果を登録する動作を説明する。
【0051】
図3は、登録者101が入力情報として登録する画像の例である。画像0001は5名の人物が写っており、顔番号をそれぞれ顔001、顔002、顔003、顔004、顔005とする。これらの顔番号に対する登録者101の認識結果は、顔001、顔002、顔003についてはそれぞれ、岩手三郎、青森花子、北海太郎であり、顔004および顔005については、登録者101が何らかの理由で、認識結果を登録しなかったことを示している。
【0052】
画像0002は6名の人物が写っており、顔番号をそれぞれ顔001、顔002、顔003、顔004、顔005、顔006とする。これらの顔番号に対する登録者101の認識結果は、顔001、顔002、顔004、顔005についてはそれぞれ、福岡一郎、大分陽子、長崎大介、新潟美紀であり、顔003および顔006については、登録者101が何らかの理由で、認識結果を登録しなかったことを示している。
【0053】
図4は、画像0001の登録完了時点での、画像管理アプリケーションによる仮想フォルダを用いた画像ファイルの管理イメージを表している。記憶装置400に登録された画像から仮想フォルダに対してリンク付けを行うことで、認識された人物の仮想フォルダ配下に対応する画像が利用できるようになっている。
【0054】
画像0001については、岩手三郎、青森花子、北海太郎の3名が認識できているので、それら3名の仮想フォルダ配下に画像0001がリンク付けされる。
【0055】
図4には図示していないが、画像0002については、福岡一郎、大分陽子、長崎大介、新潟美紀の4名が認識できているので、それら4名の仮想フォルダ配下に画像0002がリンク付けされる。
【0056】
図5は、認識結果を格納する人物認識テーブル301の具体例であり、画像0001および画像0002における登録者101の認識結果を格納している。認識結果の列には、登録者101が判断できた人物が顔番号ごとに登録されている。認識情報が入っていない顔情報については、空欄となっている。
【0057】
次に、利用者102が手動認識プロセス202を用いて画像利用時に認識結果を登録する動作を説明する。
【0058】
図6は、画像0001および画像0002について、利用者102が画像利用時の認識結果を認識判定結果テーブル302に登録した例である。この例の中で、画像0001については、山田さん、山下さん、佐藤さん、坂本さん、鈴木さんの5名の利用者が画像利用時に認識結果を登録している。画像0002については、高橋さん、山田さんの2名の利用者が画像利用時に認識結果を登録している。信頼度の列については、利用者102が登録した認証結果の信頼度が示されている。
【0059】
利用者102の情報については、ユーザ管理テーブル303に格納されている。図7は、認識結果を登録した、山田さん、佐藤さん、山下さん、坂本さん、鈴木さん、高橋さんのユーザ情報を格納したユーザ管理テーブル303の例を示している。影響値の列については、登録した認証結果の影響の程度を数値で示したものである。影響値が大きいほど、リンク付け更新の影響力が高いユーザであることを示している。
【0060】
最後に、管理者103がバッチ自動更新プロセス203を用いて画像のリンク付けを更新する動作を説明する。
【0061】
図8は、認識結果更新条件設定ファイル402の例を示している。ここでは、認識登録実施ユーザ数が2人以上であること、かつ、重み和が21以上であることをリンク付けの更新の条件としている。
【0062】
図9は画像0001および画像0002で未認識の状態にある顔情報について、リンク付け更新判定の計算結果を示したものである。重みの和は、顔情報について、認識結果を登録した利用者の影響度と、その顔情報の認識結果に対する信頼度の積の総和によって求めることができる。画像0001の顔004については、2つの条件を満たしているので、人物認識テーブル301の認識結果を「古川隼人」に更新し、リンク付けを更新する。画像0001の顔005については、重み和がしきい値の条件を満たしていないので更新しない。画像0001の顔003については、2つの条件を満たしているので、人物認識テーブル301の認識結果を「八戸太郎」に更新し、リンク付けを更新する。画像0002の顔006については、認識登録実施人数がしきい値の条件を満たしていないので更新しない。
【0063】
図10は、人物認識テーブル301の更新例であり、画像0001の顔004および画像0002の顔003の認識結果が更新されたことを示している。
【0064】
図11は、図3に対応した画像0001および画像0002の更新イメージを示している。
【0065】
図12は、人物認識テーブル301の更新に伴う、プロセス203実行後の画像管理アプリケーションにおける画像リンク付けの更新後の状態である。ここでは、古川隼人の人物仮想フォルダ配下に画像0001が新たにリンク付けされたことを示している。
【0066】
[効果の説明]
本実施形態によれば、画像使用時に利用者の情報をフィードバックすることで、人物単位の仮想フォルダにて画像管理するアプリケーションのユーザビリティを向上させることができる。
【0067】
本実施形態では、顔画像を例に挙げたが、建物やキャラクターなどを対象とした画像コンテンツについても同様の手法によるフォルダ振り分けが可能である。
【0068】
[その他の実施形態]
本発明は以上の実施形態にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、コンテンツは静止画ファイルに限定されず、動画ファイルや音声ファイルであっても良い。また、本発明のコンテンツ管理装置で提供する機能はコンピュータとプログラムとで実現することができる。プログラムは、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各実施の形態におけるコンテンツ管理装置の登録手段5、更新手段6、画像登録プロセス201、手動認識プロセス202、バッチ自動更新プロセス203として機能させる。
【符号の説明】
【0069】
1…コンテンツ管理装置
2…第1の記憶手段
3…第2の記憶手段
4…第3の記憶手段
5…登録手段
6…更新手段
7…利用者
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを、そのコンテンツに含まれるオブジェクトの属性値に対応付けて管理するコンテンツ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンテンツをそのコンテンツに含まれるオブジェクトの属性値に対応付けて管理することが行われている。例えば、コンテンツとして画像ファイルを、オブジェクトとして画像に写っている顔画像を、その属性値として人物名を例にすると、画像ファイルを一意に識別する画像名などの識別子と、その画像に写っている顔画像をその画像内で一意に識別する顔番号などの識別子と、その顔画像が誰の顔であるかを示す人物名とを対応付けて記憶することが行われている。さらに、画像ファイルをその画像に顔が写っている人物に対応するフォルダの配下にリンク付けして管理することも行われている。このような管理方法を採用する場合、画像に写っている人物を如何にして正確に特定するかが重要になる。
【0003】
画像に写っている人物を特定する技術の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載される技術では、システムの顔認識技術による認識結果にユーザの認識結果を反映させることにより、画像に写っている人物を特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−231744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される技術では、特定の一人のユーザが認識結果を入力する前提としているため、認識結果を入力したユーザによって精度が変化する。多くの人物の顔を正確に把握しているユーザが認識結果を入力した場合には精度は高くなるが、そうでない場合には精度が低下する。これは、コンテンツを個人的に管理する場合には問題にならなくても、マスメディアなどの企業内において複数のユーザが画像を共有するような状況では問題が多い。このことは、画像ファイル中の顔画像の特定だけでなく、一般にコンテンツをそのコンテンツに含まれるオブジェクトの属性値に対応付けて管理する場合に問題となる。
【0006】
本発明の目的は、上述したような課題、すなわち、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値をユーザの認識結果に基づいて特定する際には精度のバラツキが発生する、という課題を解決するコンテンツ管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態にかかるコンテンツ管理装置は、
コンテンツと該コンテンツに含まれるオブジェクトと該オブジェクトの属性値との組合せを記憶する第1の記憶手段と、
上記コンテンツに含まれる上記オブジェクトに対応付けて、上記オブジェクトの属性値の候補と、上記候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶する第2の記憶手段と、
上記利用者名に対応付けて影響度を記憶する第3の記憶手段と、
利用者から、上記コンテンツに含まれる上記オブジェクトについて、上記属性値の候補と、上記候補を提示した利用者名とを含む上記認識情報を受信し、該受信した上記認識情報を上記第2の記憶手段に記憶する登録手段と、
上記第2の記憶手段から上記認識情報を読み出し、同じコンテンツの同じオブジェクトについて同じ属性値の候補を提示した利用者の上記影響度を考慮して、上記属性値の候補のポイントを算出し、該算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを上記第1の記憶手段に追加する更新手段と
を備える、といった構成を採る。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述したような構成を有するため、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値をユーザの認識結果に基づいて特定する際の精度のバラツキを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるコンテンツ管理装置のブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかるコンテンツ管理装置のブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態において登録者が登録する画像の例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における登録者による画像登録後のリンク付けの状況を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における人物認識テーブルの例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における認識判定結果テーブルの例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるユーザ管理テーブルの例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における認識結果更新条件設定ファイルの例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるリンク付け更新判定の計算結果の例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における人物認識テーブルの更新例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における認識結果の更新イメージを示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における画像リンク付けの更新後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態にかかるコンテンツ管理装置1は、サーバなどの情報処理装置であり、第1の記憶手段2と、第2の記憶手段3と、第3の記憶手段と、登録手段5と、更新手段6とを備えている。
【0011】
第1の記憶手段2は、コンテンツと、そのコンテンツに含まれるオブジェクトと、そのオブジェクトの属性値との組合せを記憶する機能を有する。コンテンツは、例えば画像ファイルである。オブジェクトは、コンテンツが画像ファイルの場合、例えばその画像に写っている顔画像である。オブジェクトの属性値は、オブジェクトが顔画像の場合、例えば人物名である。
【0012】
第2の記憶手段3は、コンテンツに含まれるオブジェクトに対応付けて、そのオブジェクトの属性値の候補と、その候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶する機能を有する。
【0013】
第3の記憶手段4は、利用者名に対応付けて、影響度を記憶する機能を有する。影響度は数値で表現される。コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値を良く知っている利用者ほど、影響度の数値はより大きな値に予め設定されている。
【0014】
登録手段5は、利用者7から、コンテンツに含まれるオブジェクトについて、その属性値の候補と、利用者7の利用者名とを含む認識情報を受信し、第2の記憶手段3に記憶する機能を有する。複数の利用者7は、登録手段5の機能を介して、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値の候補をコンテンツ管理装置1の第2の記憶手段3に登録することができる。
【0015】
更新手段6は、第2の記憶手段3から認識情報を読み出し、コンテンツのオブジェクトについて属性値の候補を提示した利用者の影響度を考慮して、属性値の候補のポイントを算出する機能を有する。また、更新手段6は、上記算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを第1の記憶手段2に追加することにより、コンテンツをそのコンテンツに含まれるオブジェクトの属性値に対応付けて管理する機能を有する。
【0016】
次に本実施形態の動作を説明する。
【0017】
利用者7が、或るコンテンツに含まれる或るオブジェクトについて、その属性値の候補と、利用者7の利用者名とを含む認識情報を入力すると、登録手段5は、この認識情報を第2の記憶手段3に記憶する。利用者7による入力は、コンテンツ管理装置1にローカルに接続されたキーボード等の入力装置から行ってもよいし、コンテンツ管理装置1にネットワークを介して接続された端末から行ってもよい。同様に他の利用者7が、或るコンテンツに含まれる或るオブジェクトについて、その属性値の候補と、利用者7の利用者名とを含む認識情報を入力すると、登録手段5は、この認識情報を第2の記憶手段3に記憶する。
【0018】
更新手段6は、例えば一定周期あるいは管理者から起動される毎に、以下の動作を実行する。
【0019】
まず更新手段6は、第2の記憶手段3から認識情報を読み出し、コンテンツのオブジェクトについて属性値の候補を提示した利用者の影響度を考慮して、属性値の候補のポイントを算出する。或る利用者の影響度は、第3の記憶手段4から利用者名で検索して取得する。次に更新手段6は、この算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを第1の記憶手段2に追加する。
【0020】
例えば、コンテンツCがあり、それにオブジェクトO1、O2、O3の3つのオブジェクトが含まれているとする。また、コンテンツCに関して認識情報を入力した利用者はU1、U2の2名とし、利用者U1の影響度は100、利用者U2の影響度は10であるとする。さらに、利用者U1は、オブジェクトO1について属性値Z1を認定し、オブジェクトO3について属性値Z3を指定し、オブジェクトO2については属性値は認定していないとする。また、利用者U2は、オブジェクトO2について属性値Z2を認定し、オブジェクトO3について属性値Z3を指定し、オブジェクトO1については属性値は認定していないとする。また、第1の閾値を55とする。
【0021】
このとき、更新手段6は、属性値Z1のポイントとして、100を算出し、第1の閾値(=55)と比較する。そして、更新手段5は、25>第1の閾値なので、コンテンツCとオブジェクトO1と属性値Z1との組合せを第1の記憶手段2に追加する。
【0022】
また、更新手段6は、属性値Z2のポイントとして、10を算出し、第1の閾値(=55)と比較する。そして、更新手段5は、10≦第1の閾値なので、コンテンツCとオブジェクトO2と属性値Z2との組合せは第1の記憶手段2に追加しない。
【0023】
また、更新手段6は、属性値Z3のポイントとして、100+10=110を算出し、第1の閾値(=55)と比較する。そして、更新手段5は、110>第1の閾値なので、コンテンツCとオブジェクトO3と属性値Z3との組合せを第1の記憶手段2に追加する。
【0024】
このように本実施形態によれば、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値をユーザの認識結果に基づいて特定する際の精度のバラツキを小さくすることができる。その理由は、利用者毎の影響度を考慮して、その属性値の候補を採用するか否かを判断するためのポイントを算出しているためである。
【0025】
また本実施形態によれば、コンテンツに含まれるオブジェクトの属性値をより正確に特定することができる。その理由は、同じ属性値を認定する利用者が複数存在した場合、それら複数の利用者による認識情報に基づいて、その属性値の候補を採用するか否かを判断するためのポイントを算出しているためである。
【0026】
本実施形態は、以下のような各種の付加変更が可能である。
【0027】
利用者から入力される認識情報および第2の記憶手段3に記憶する認識情報は、属性値の候補の信頼度が含まれていてもよい。信頼度は数値で表される。信頼度がより高いほど、数値は大きくなる。この場合、更新手段6は、属性値の候補の信頼度を考慮して、上記属性値の候補のポイントを算出するようにしてもよい。例えば上述したコンテンツCのオブジェクトO3の場合で、利用者U1が属性値Z3について付加した信頼度は0.5、利用者U2が属性値Z3について付加した信頼度は1とすると、更新手段6は、属性値Z3のポイントとして、100×0.5+10×1=60を算出し、第1の閾値と比較する。
【0028】
また、更新手段6は、上記ポイントの算出に使用した認識情報を入力した利用者の総数が、第2の閾値を超えない場合には、上記算出したポイントが上記第1の閾値を超える場合であっても第1の記憶手段2への上記組合せの追加を行わないようにしてもよい。例えば第2の閾値を1名とすると、上述した例の場合、コンテンツCのオブジェクトO1、O2の属性値の候補を入力した利用者は、それぞれ利用者U1と利用者U2の1名であるので、第2の閾値である1名を超えないため、属性値Z1、Z2を追加する操作は実行しない。他方、コンテンツCのオブジェクトO3の属性値の候補を入力した利用者は、利用者U1、U2の2名であるので、第2の閾値である1名を超え、さらにポイントも第1の閾値を超えるために属性値Z3を追加する操作が実行される。
【0029】
[第2の実施形態]
[概要]
本実施形態は、複数の人物が写っている画像に対して、その画像に写っている人物の仮想フォルダ配下に画像をリンク付けして管理するコンテンツ管理装置において、複数のユーザの画像使用情報を活用することによって、顔画像を適切な仮想フォルダ配下に自動的にリンク付けし、かつ、ユーザの負担を最低限にとどめる手段を提供するものである。
【0030】
そのために本実施形態は、複数のユーザが認識作業に参加する仕組みを導入することで負荷を分散した上で、画像のフォルダへの振り分けを自動化する。
【0031】
具体的には、本実施形態は、以下のような画像登録プロセス、手動認識プロセス、バッチ自動更新プロセスを有する。
【0032】
はじめに、登録者が、複数の人物が写っている画像の登録時に使用する画像登録プロセスについて説明する。
【0033】
画像登録プロセスは、複数の人物が写った画像の登録および、顔情報に対する登録者自身による認識結果を入力できるインターフェースを提供し、登録者はそのインターフェース上にて、画像の登録および画像に写っている人物の認識結果を入力する。ただし、判断がつかない人物に対しては人物の認識結果を入力する必要はない。
【0034】
画像登録プロセスは、登録者が入力した画像および人物の認識結果を、記憶装置および人物認識テーブルにそれぞれ登録して処理を完了する。
【0035】
次に、利用者が画像を使用する際の手動認識プロセスについて説明する。
【0036】
手動認識プロセスは、利用者が画像を使用する際に、認識結果が得られていない顔情報に対して認識結果を入力できるインターフェースを提供する。利用者はそのインターフェース上にて、利用する画像の認識結果を登録する。
【0037】
利用者はすべての顔情報の認識結果を入力する必要はなく、認識ができた人物のみを登録するものとする。これは、すべての人物を1人で認識する必要はないという考えに基づくものである。また、認識結果と合わせて、利用者はその認識結果に対する信頼度を入力する。インターフェース上にて、信頼度を数段階に分けて選ぶプルダウンメニューなどを用意する。例えば、認証結果に「自信がある」の場合は信頼度を1、「やや自信がない」の場合は0.5、「自信なし」の場合は0.1が登録できるようにする。信頼度は0から1の間の値で入力が可能であり、1に近づくにつれて利用者が認識結果に対して自信をもっていることを示し、0に近づくにつれ、利用者が認識結果に自信をもっていないことを示している。利用者が登録した信頼度は、後述するリンク付けの更新の際に使用する。
【0038】
手動認識プロセスは、入力した人物認識結果および信頼度を認識判定結果テーブルに登録し、処理を完了する。
【0039】
最後に、管理者が画像のリンク付け更新のために使用するバッチ自動更新プロセスについて説明する。
【0040】
未認識状態の顔情報に対するリンク付け更新のための判断基準として、認識結果更新条件設定ファイルを用意し、「認識結果登録の実施人数」と「ユーザのもつ重み和」の2つの条件を設定する。
【0041】
ユーザがもつ重み和は、未認識状態の顔情報ごとに算出し、該当する顔情報の認識結果を登録した利用者について、利用者の影響度と認識結果の信頼度の積を足し合わせることで求められる。
【0042】
バッチ自動更新プロセスは、管理者よりプロセス実行の指示があると、認識判定結果テーブルより、利用者が登録した認識結果を取得し、未認識の顔情報に対して、ユーザのもつ重み和をそれぞれ求める。その結果、認識結果の登録人数およびユーザの重みの和が認識結果更新条件設定ファイルに設定されている条件を満たしている場合、バッチ自動更新プロセスは人物認識テーブルの認識結果を更新した後、仮想フォルダのリンク付けを更新する。
【0043】
管理者はこのプロセスを定期的に使用し、リンク付けの更新を行う。
【0044】
[構成の説明]
本実施形態は、図2に示すように、アクター100、サーバ200、データベース300、および記憶装置400から構成される。サーバ200とデータベース300と記憶装置400とでコンテンツ管理装置が構成される。
【0045】
アクター100は、登録者101、利用者102、および管理者103から構成される。
【0046】
サーバ200は、コンピュータであり、その内に構成されるプロセスは、画像登録プロセス201、手動認識プロセス202、およびバッチ自動更新プロセス203から構成される。
【0047】
データベース300は、人物認識テーブル301、認識判定結果テーブル302、およびユーザ管理テーブル303から構成される。
【0048】
記憶装置400は、登録画像401および認識結果更新条件設定ファイル402から構成される。
【0049】
[動作の説明]
本実施形態の動作について、図2乃至図12を参照して説明する。
【0050】
まずは、登録者101が画像登録プロセス201を用いて、顔画像および認識結果を登録する動作を説明する。
【0051】
図3は、登録者101が入力情報として登録する画像の例である。画像0001は5名の人物が写っており、顔番号をそれぞれ顔001、顔002、顔003、顔004、顔005とする。これらの顔番号に対する登録者101の認識結果は、顔001、顔002、顔003についてはそれぞれ、岩手三郎、青森花子、北海太郎であり、顔004および顔005については、登録者101が何らかの理由で、認識結果を登録しなかったことを示している。
【0052】
画像0002は6名の人物が写っており、顔番号をそれぞれ顔001、顔002、顔003、顔004、顔005、顔006とする。これらの顔番号に対する登録者101の認識結果は、顔001、顔002、顔004、顔005についてはそれぞれ、福岡一郎、大分陽子、長崎大介、新潟美紀であり、顔003および顔006については、登録者101が何らかの理由で、認識結果を登録しなかったことを示している。
【0053】
図4は、画像0001の登録完了時点での、画像管理アプリケーションによる仮想フォルダを用いた画像ファイルの管理イメージを表している。記憶装置400に登録された画像から仮想フォルダに対してリンク付けを行うことで、認識された人物の仮想フォルダ配下に対応する画像が利用できるようになっている。
【0054】
画像0001については、岩手三郎、青森花子、北海太郎の3名が認識できているので、それら3名の仮想フォルダ配下に画像0001がリンク付けされる。
【0055】
図4には図示していないが、画像0002については、福岡一郎、大分陽子、長崎大介、新潟美紀の4名が認識できているので、それら4名の仮想フォルダ配下に画像0002がリンク付けされる。
【0056】
図5は、認識結果を格納する人物認識テーブル301の具体例であり、画像0001および画像0002における登録者101の認識結果を格納している。認識結果の列には、登録者101が判断できた人物が顔番号ごとに登録されている。認識情報が入っていない顔情報については、空欄となっている。
【0057】
次に、利用者102が手動認識プロセス202を用いて画像利用時に認識結果を登録する動作を説明する。
【0058】
図6は、画像0001および画像0002について、利用者102が画像利用時の認識結果を認識判定結果テーブル302に登録した例である。この例の中で、画像0001については、山田さん、山下さん、佐藤さん、坂本さん、鈴木さんの5名の利用者が画像利用時に認識結果を登録している。画像0002については、高橋さん、山田さんの2名の利用者が画像利用時に認識結果を登録している。信頼度の列については、利用者102が登録した認証結果の信頼度が示されている。
【0059】
利用者102の情報については、ユーザ管理テーブル303に格納されている。図7は、認識結果を登録した、山田さん、佐藤さん、山下さん、坂本さん、鈴木さん、高橋さんのユーザ情報を格納したユーザ管理テーブル303の例を示している。影響値の列については、登録した認証結果の影響の程度を数値で示したものである。影響値が大きいほど、リンク付け更新の影響力が高いユーザであることを示している。
【0060】
最後に、管理者103がバッチ自動更新プロセス203を用いて画像のリンク付けを更新する動作を説明する。
【0061】
図8は、認識結果更新条件設定ファイル402の例を示している。ここでは、認識登録実施ユーザ数が2人以上であること、かつ、重み和が21以上であることをリンク付けの更新の条件としている。
【0062】
図9は画像0001および画像0002で未認識の状態にある顔情報について、リンク付け更新判定の計算結果を示したものである。重みの和は、顔情報について、認識結果を登録した利用者の影響度と、その顔情報の認識結果に対する信頼度の積の総和によって求めることができる。画像0001の顔004については、2つの条件を満たしているので、人物認識テーブル301の認識結果を「古川隼人」に更新し、リンク付けを更新する。画像0001の顔005については、重み和がしきい値の条件を満たしていないので更新しない。画像0001の顔003については、2つの条件を満たしているので、人物認識テーブル301の認識結果を「八戸太郎」に更新し、リンク付けを更新する。画像0002の顔006については、認識登録実施人数がしきい値の条件を満たしていないので更新しない。
【0063】
図10は、人物認識テーブル301の更新例であり、画像0001の顔004および画像0002の顔003の認識結果が更新されたことを示している。
【0064】
図11は、図3に対応した画像0001および画像0002の更新イメージを示している。
【0065】
図12は、人物認識テーブル301の更新に伴う、プロセス203実行後の画像管理アプリケーションにおける画像リンク付けの更新後の状態である。ここでは、古川隼人の人物仮想フォルダ配下に画像0001が新たにリンク付けされたことを示している。
【0066】
[効果の説明]
本実施形態によれば、画像使用時に利用者の情報をフィードバックすることで、人物単位の仮想フォルダにて画像管理するアプリケーションのユーザビリティを向上させることができる。
【0067】
本実施形態では、顔画像を例に挙げたが、建物やキャラクターなどを対象とした画像コンテンツについても同様の手法によるフォルダ振り分けが可能である。
【0068】
[その他の実施形態]
本発明は以上の実施形態にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、コンテンツは静止画ファイルに限定されず、動画ファイルや音声ファイルであっても良い。また、本発明のコンテンツ管理装置で提供する機能はコンピュータとプログラムとで実現することができる。プログラムは、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各実施の形態におけるコンテンツ管理装置の登録手段5、更新手段6、画像登録プロセス201、手動認識プロセス202、バッチ自動更新プロセス203として機能させる。
【符号の説明】
【0069】
1…コンテンツ管理装置
2…第1の記憶手段
3…第2の記憶手段
4…第3の記憶手段
5…登録手段
6…更新手段
7…利用者
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツと該コンテンツに含まれるオブジェクトと該オブジェクトの属性値との組合せを記憶する第1の記憶手段と、
前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトに対応付けて、前記オブジェクトの属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記利用者名に対応付けて影響度を記憶する第3の記憶手段と、
利用者から、前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトについて、前記属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む前記認識情報を受信し、該受信した前記認識情報を前記第2の記憶手段に記憶する登録手段と、
前記第2の記憶手段から前記認識情報を読み出し、前記コンテンツの前記オブジェクトについて前記属性値の候補を提示した利用者の前記影響度を考慮して、前記属性値の候補のポイントを算出し、該算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを前記第1の記憶手段に追加する更新手段と
を備えることを特徴とするコンテンツ管理装置。
【請求項2】
前記認識情報は、さらに、前記属性値の候補の信頼度を含み、
前記更新手段は、前記属性値の候補の信頼度を考慮して、前記属性値の候補のポイントを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ管理装置。
【請求項3】
前記更新手段は、前記ポイントの算出に使用した前記認識情報を入力した前記利用者の総数が第2の閾値を超えない場合には、前記算出したポイントが前記第1の閾値を超える場合であっても前記第1の記憶手段への前記組合せの追加は行わない
ことを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ管理装置。
【請求項4】
前記更新手段は、前記第1の記憶手段に前記組合せの追加を行った場合、追加した前記組合せに含まれる前記属性値に対応するフォルダの配下に前記組合せに含まれる前記コンテンツをリンク付ける
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のコンテンツ管理装置。
【請求項5】
前記コンテンツは画像ファイルであり、前記オブジェクトは顔画像であり、前記属性値は人物名である
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のコンテンツ管理装置。
【請求項6】
コンテンツと該コンテンツに含まれるオブジェクトと該オブジェクトの属性値との組合せを記憶する第1の記憶手段と、前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトに対応付けて、前記オブジェクトの属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶する第2の記憶手段と、前記利用者名に対応付けて影響度を記憶する第3の記憶手段と、登録手段と、更新手段とを有するコンテンツ管理装置が実行するコンテンツ管理方法であって、
前記登録手段が、利用者から、前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトについて、前記属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む前記認識情報を受信し、該受信した前記認識情報を前記第2の記憶手段に記憶し、
前記更新手段が、前記第2の記憶手段から前記認識情報を読み出し、前記コンテンツの前記オブジェクトについて前記属性値の候補を提示した利用者の前記影響度を考慮して、前記属性値の候補のポイントを算出し、該算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを前記第1の記憶手段に追加する
ことを特徴とするコンテンツ管理方法。
【請求項7】
コンテンツと該コンテンツに含まれるオブジェクトと該オブジェクトの属性値との組合せを記憶する第1の記憶手段と、前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトに対応付けて、前記オブジェクトの属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶する第2の記憶手段と、前記利用者名に対応付けて影響度を記憶する第3の記憶手段とを有するコンピュータを、
利用者から、前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトについて、前記属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む前記認識情報を受信する毎に、該受信した前記認識情報を前記第2の記憶手段に記憶する登録手段と、
前記第2の記憶手段から前記認識情報を読み出し、前記コンテンツの前記オブジェクトについて前記属性値の候補を提示した利用者の前記影響度を考慮して、前記属性値の候補のポイントを算出し、該算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを前記第1の記憶手段に追加する更新手段と
して機能させるためのプログラム。
【請求項1】
コンテンツと該コンテンツに含まれるオブジェクトと該オブジェクトの属性値との組合せを記憶する第1の記憶手段と、
前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトに対応付けて、前記オブジェクトの属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記利用者名に対応付けて影響度を記憶する第3の記憶手段と、
利用者から、前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトについて、前記属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む前記認識情報を受信し、該受信した前記認識情報を前記第2の記憶手段に記憶する登録手段と、
前記第2の記憶手段から前記認識情報を読み出し、前記コンテンツの前記オブジェクトについて前記属性値の候補を提示した利用者の前記影響度を考慮して、前記属性値の候補のポイントを算出し、該算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを前記第1の記憶手段に追加する更新手段と
を備えることを特徴とするコンテンツ管理装置。
【請求項2】
前記認識情報は、さらに、前記属性値の候補の信頼度を含み、
前記更新手段は、前記属性値の候補の信頼度を考慮して、前記属性値の候補のポイントを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ管理装置。
【請求項3】
前記更新手段は、前記ポイントの算出に使用した前記認識情報を入力した前記利用者の総数が第2の閾値を超えない場合には、前記算出したポイントが前記第1の閾値を超える場合であっても前記第1の記憶手段への前記組合せの追加は行わない
ことを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ管理装置。
【請求項4】
前記更新手段は、前記第1の記憶手段に前記組合せの追加を行った場合、追加した前記組合せに含まれる前記属性値に対応するフォルダの配下に前記組合せに含まれる前記コンテンツをリンク付ける
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のコンテンツ管理装置。
【請求項5】
前記コンテンツは画像ファイルであり、前記オブジェクトは顔画像であり、前記属性値は人物名である
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のコンテンツ管理装置。
【請求項6】
コンテンツと該コンテンツに含まれるオブジェクトと該オブジェクトの属性値との組合せを記憶する第1の記憶手段と、前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトに対応付けて、前記オブジェクトの属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶する第2の記憶手段と、前記利用者名に対応付けて影響度を記憶する第3の記憶手段と、登録手段と、更新手段とを有するコンテンツ管理装置が実行するコンテンツ管理方法であって、
前記登録手段が、利用者から、前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトについて、前記属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む前記認識情報を受信し、該受信した前記認識情報を前記第2の記憶手段に記憶し、
前記更新手段が、前記第2の記憶手段から前記認識情報を読み出し、前記コンテンツの前記オブジェクトについて前記属性値の候補を提示した利用者の前記影響度を考慮して、前記属性値の候補のポイントを算出し、該算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを前記第1の記憶手段に追加する
ことを特徴とするコンテンツ管理方法。
【請求項7】
コンテンツと該コンテンツに含まれるオブジェクトと該オブジェクトの属性値との組合せを記憶する第1の記憶手段と、前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトに対応付けて、前記オブジェクトの属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む認識情報を記憶する第2の記憶手段と、前記利用者名に対応付けて影響度を記憶する第3の記憶手段とを有するコンピュータを、
利用者から、前記コンテンツに含まれる前記オブジェクトについて、前記属性値の候補と、前記候補を提示した利用者名とを含む前記認識情報を受信する毎に、該受信した前記認識情報を前記第2の記憶手段に記憶する登録手段と、
前記第2の記憶手段から前記認識情報を読み出し、前記コンテンツの前記オブジェクトについて前記属性値の候補を提示した利用者の前記影響度を考慮して、前記属性値の候補のポイントを算出し、該算出したポイントが第1の閾値を超える候補の属性値とコンテンツとオブジェクトとの組合せを前記第1の記憶手段に追加する更新手段と
して機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−198830(P2012−198830A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63475(P2011−63475)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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