説明

コンテンツ記録システム、及び、コンテンツ記録方法

【課題】 受信装置によって受信される放送データを正常に記憶媒体に記録できない場合であっても、正常に放送データを記憶媒体に記録する。
【解決手段】 PC10Aは、正常に記録できなかった放送データ部分を特定し、サーバ1に通知する。サーバ1は、正常に記録できなかった放送データ部分と同じ放送データ部分を記録している他のPC10Bを特定する。他のPC10Bは、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分をPC10Aに送信する。PC10Aは、正常に記録できなかった放送データ部分を、受信した正常に記録できている放送データ部分に置き換えてHDD13に記録させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ記録システム、及び、コンテンツ記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PCやHDDレコーダ等のコンテンツ記録装置は、ラジオ(FM/AM)チューナによって受信されたラジオ放送データを、HDD(又はブルーレイディスク)等の記憶媒体に録音コンテンツとして記録する。ラジオ放送データを常に良好な電界強度でチューナが受信できるとは限らず、受信したラジオ放送データにノイズが混入する場合には、記憶媒体に記録した録音コンテンツにノイズが含まれてしまう。なお、TVチューナによってTV放送データを受信して記憶媒体に記録する場合にも同様の問題が生じる。
【0003】
下記特許文献1には、以下の内容が記載されている。再生装置10において、音割れ区間検出部13は、記録媒体11上の信号の音割れ区間を検出し、音割れ区間修復部14は、例えばその音割れ区間を波形が欠落した信号として考え、その信号欠落区間を補間技術によって補間する。コンプレッション部15は、音割れが修復された信号に対してコンプレッション処理を行い、コンプレッション処理後の信号を音割れ修復部12の出力信号として出力する。
しかし、この技術によると高度な補間技術が必要であり、CPUの負荷が増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−100598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、受信装置によって受信される放送データを正常に記憶媒体に記録できない場合であっても、正常に放送データを記憶媒体に記録することができるコンテンツ記録システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記録システムは、サーバと、前記サーバに接続可能な複数のコンテンツ記録装置とを備え、前記コンテンツ記録装置が、受信装置によって受信された放送データを記憶媒体に記録させる手段と、前記記憶媒体に記録している放送データに関する情報を前記サーバに通知する手段と、正常に記録できなかった放送データ部分を特定する手段と、正常に記録できなかった放送データ部分の情報を前記サーバに送信する手段と、前記サーバによって特定された他の前記コンテンツ記録装置から、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分を受信する手段と、正常に記録できなかった放送データ部分を、受信した正常に記録できている放送データ部分に置き換えて前記記憶媒体に記録させる手段とを有し、前記サーバが、前記各コンテンツ記録装置が記録している放送データに関する情報を受信して管理する手段と、正常に記録できなかった放送データ部分の情報を前記コンテンツ記録装置から受信する手段と、正常に記録できなかった放送データ部分と同じ放送データ部分を記録している他の前記コンテンツ記録装置を特定する手段と、前記サーバによって特定された他の前記コンテンツ記録装置が、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分を前記記憶媒体から読み出して、正常に記録できなかった放送データ部分を記録している前記コンテンツ記録装置に送信する手段を有する。
【0007】
コンテンツ記録装置は、記憶媒体に正常に記録できなかった放送データ部分を特定し、その情報をサーバに送信する。これに応じて、サーバは、正常に記録できなかった放送データ部分と同じ放送データ部分を記録している他のコンテンツ記録装置を特定する。他のコンテンツ記録装置は、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分をコンテンツ記録装置に送信する。コンテンツ記録装置は、正常に記録できなかった放送データ部分を、受信した正常に記録できている放送データ部分に置き換えて記憶媒体に記録させる。従って、受信装置によって受信される放送データを正常に記憶媒体に記録できない場合であっても、正常に放送データを記憶媒体に記録することができる。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記録方法は、受信装置によって受信された放送データをコンテンツ記録装置の記憶媒体に記録させるステップと、前記記憶媒体に正常に記録できなかった放送データ部分を特定するステップと、正常に記録できなかった放送データ部分と同じ放送データ部分を記録している他のコンテンツ記録装置を特定するステップと、前記他のコンテンツ記録装置から前記コンテンツ記録装置に、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分を送信するステップと、正常に記録できなかった放送データ部分を、受信した正常に記録できている放送データ部分に置き換えて前記記憶媒体に記録させるステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
受信装置によって受信される放送データを正常に記憶媒体に記録できない場合であっても、正常に放送データを記憶媒体に記録することができるコンテンツ記録システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記録システムを示すブロック図である。
【図2】録音管理テーブルを示す図である。
【図3】コンテンツ記録システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】コンテンツ記録システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】コンテンツ記録システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0012】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記録システムを示すブロック図である。コンテンツ記録システムは、サーバ1と、コンテンツ記録装置の一例である複数のPC(パーソナルコンピュータ)10A、10Bとを含む。これらは、インターネット等の任意の電気通信回線を介して相互に接続されている。コンテンツは、ラジオ(FM/AM/IP)放送データ、TV(地上波/衛星/ケーブル)放送データ等であるが、本例ではラジオ放送データを例に説明する。従って、「コンテンツの記録」のことを「放送データの録音」として説明する。
【0013】
PC10は、受信装置によって受信された放送データを記憶媒体に記録させる。PC10は、記憶媒体に記録している放送データに関する情報をサーバ1に通知する。サーバ1は、各PC10が記録している放送データに関する情報を受信して管理する。PC10は、正常に記録できなかった放送データ部分を特定し、正常に記録できなかった放送データ部分の情報をサーバ1に送信する。正常に記録できないとは、本例では、放送データの電界強度が低く、記録された放送データにノイズが含まれていることを意味する。しかし、これに限定されず、停電や故障等によって記録している放送データの一部が欠落していること等の意味も含む。
【0014】
サーバ1は、正常に記録できなかった放送データ部分の情報をPC10から受信する。サーバ1は、正常に記録できなかった放送データ部分と同じ放送データ部分を記録している他のPC10を特定する。
【0015】
サーバ1によって特定された他のPC10は、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分を記憶媒体から読み出して、正常に記録できなかった放送データ部分を記録しているPC10に送信する。PC10は、サーバ1によって特定された他のPC10から、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分を受信し、正常に記録できなかった放送データ部分を、受信した正常に記録できている放送データ部分に置き換えて記憶媒体に記録させる。
【0016】
PC10A(PC10Bも同様であるので、説明を援用する。)は、制御部11と、メモリ(ROM、RAM等)12と、HDD13等の記憶媒体と、チューナ14と、再生部15と、操作部16と、表示部17と、通信部18とを備える。なお、HDD13を内蔵せずに、ブルーレイディスク、フラッシュメモリ等の可搬型記憶媒体を駆動するための駆動装置を備えていてもよい。また、チューナ14、操作部16、表示部17もPC10Aの外部に接続可能なものでもよい。
【0017】
制御部11は、ROM又はHDD13に記録されているプログラムをRAMに読み出して実行することによって、PC10Aの各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。
【0018】
チューナ14は、放送データを受信し、受信した放送データをHDD13に供給する。HDD13は、チューナ14によって受信された放送データを録音コンテンツ(以下、単にコンテンツという。)として、記録する。
【0019】
HDD13に記録されるコンテンツは、所定のサイズ(時間)毎、又は、ユーザ操作によって指示された任意の範囲で、コンテンツファイルとして記録される。HDD13には、コンテンツファイル毎に、位置情報(HDD13上のアドレス)に対応付けて、放送局情報(例えば、放送局名)と録音(放送)日時情報とをテーブルで管理する。後述するように、ノイズを含む放送データ部分を他のPC10から受信したノイズを含まない放送データ部分に置き換える際に、データ位置を特定するためである。同様に、ノイズを含む放送データ部分に対応するノイズを含まない放送データ部分を読み出して、他のPC10に送信するためである。
【0020】
再生部15は、HDD13に記録されている放送データをHDD13から読み出して再生(デコード等)する。再生部15によって再生された放送データは、図示しないアンプで増幅され、図示しないスピーカーから音声が出力される。
【0021】
操作部16は、ユーザ操作を受け付けるものであり、PCの筐体に設けられた操作ボタンや、マウス、キーボード、リモコン送受信機等である。表示部17は、選択されたコンテンツに関するコンテンツ情報や、選択されている放送局名等を表示する。通信部18は、インターネット経由でサーバ1や他のPC10Bと通信し、コマンドやデータを送受信する。
【0022】
制御部11は、チューナ14によって受信された放送データをHDD13に録音開始する際、及び、録音終了する際に、サーバ1にPC10Aの機器IDと、放送局情報(放送局名)と、録音開始日時(又は録音終了日時)の情報とを送信する。PC10の機器IDは、メモリ12に予め格納されている。
【0023】
チューナ14は、受信する放送データの電界強度を検知し、受信する放送データにノイズが含まれるか否かを検知する。チューナ14は、放送データにノイズが含まれていると判断している間、放送データにノイズが含まれていることを示す情報を、制御部11に継続的に送信する。制御部11は、チューナ14からの放送データにノイズが含まれていることを示す情報に基づいて、ノイズが含まれている放送データの範囲(以下単に「ノイズ混入時間」という。)を特定する。
【0024】
制御部11は、特定したノイズ混入時間の情報をサーバ1に送信することにより、他のPC10からサーバ1経由で(又は他のPC10から直接)、ノイズ混入時間に対応する正常に録音されている(つまりノイズを含まない)放送データを受信し、ノイズ混入時間の放送データと置換してHDD13に記録させる。
【0025】
サーバ1は、制御部2、メモリ(ROM、RAM等)3と、HDD4等の記憶媒体と、通信部5とを備える。制御部11は、ROM又はHDD4に記録されているプログラムをRAMに読み出して実行することによって、サーバ1の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。通信部5は、インターネット経由でPC10A、10Bの制御部11と通信し、コマンドやデータを送受信する。
【0026】
HDD4には、図2に示す録音管理データベース(以下、「録音管理DB」という。)が格納されている。録音管理DBは、各PC10が録音した放送データに関する情報を管理するものであり、PC10の機器IDと、録音コンテンツの放送局情報(放送局名)と、録音開始日時と、録音終了日時とが登録される。例えば、図2によると、PC10Aが、2010年10月1日15時00分〜16時00分まで放送局Aの放送データを録音したことを示す。
【0027】
制御部2は、PC10からノイズ混入時間の情報を受信すると、ノイズ混入時間に対応する放送データを録音していた他のPC10を録音管理DBを参照して特定する。制御部2は、特定したPC10から、ノイズ混入時間の情報を送信してきたPC10に、ノイズ混入時間に対応する正常に録音できている放送データを送信させる。
【0028】
以上の構成を有するコンテンツ記録システムの動作について図面を参照して詳細に説明する。図3は、PC10が放送データを録音する際に、サーバ1が録音管理DBに録音情報を登録する処理を示すフローチャートである。
【0029】
PC10(例えばPC10A)の制御部11は、ユーザ操作に応じて、チューナ14によって受信された放送データをHDD13に録音開始するか否かを判断している(S101)。録音開始する場合(S101でYES)、制御部11は、PC10Aの機器IDと、録音開始した放送データの放送局情報(放送局名)と、録音開始日時とをインターネット経由でサーバ1に送信する(S102)。機器IDはメモリ12に予め格納されており、録音開始日時は図示しない時計部によって計時されている日時が使用される。
【0030】
サーバ1の制御部2は、PC10Aから、機器IDと、録音開始した放送データの放送局情報と、録音開始日時とをインターネット経由で受信したか否かを判断している(S201)。受信した場合(S201でYES)、制御部2は、録音管理DBに、受信した機器IDに対応付けて、放送局情報と、録音開始日時とを登録する(S202)。
【0031】
PC10Aの制御部11は、ユーザ操作に応じて、チューナ14によって受信された放送データをHDD13に録音終了するか否かを判断している(S103)。録音終了する場合(S103でYES)、制御部11は、PC10Aの機器IDと、録音終了した放送データの放送局情報(放送局名)と、録音終了日時とをインターネット経由でサーバ1に送信する(S104)。
【0032】
サーバ1の制御部2は、PC10Aから、機器IDと、録音終了した放送データの放送局情報と、録音終了日時とをインターネット経由で受信したか否かを判断している(S203)。受信した場合(S203でYES)、制御部2は、録音管理DBに、受信した機器IDと、放送局情報とに対応付けて、受信した放送終了日時を登録する(S204)。
【0033】
なお、PC10が放送データをHDD13に録音し続ける場合には、HDD13に記録する放送局が変更されたときに、録音終了する放送局情報と録音終了時刻、及び、録音開始する放送局情報と録音開始時刻が同時にサーバ1に送信されるとよい。
【0034】
図4は、ノイズを含む放送データ部分を、他のPCによって録音されたノイズを含まない放送データ部分に置き換える処理を示すフローチャートである。ここでは、便宜上、PC10Aのノイズを含む放送データ部分を、PC10Bのノイズを含まない放送データ部分に置き換えることとする。
【0035】
PC10Aの制御部11は、チューナ14から放送データにノイズが含まれることを示す情報を受信した否かを判断する(S111)。受信した場合(S111でYES)、制御部11は、ノイズ混入時間を特定する(S112)。つまり、制御部11は、チューナ14からノイズが含まれることを示す情報を受信し始めた時刻から、ノイズが含まれることを示す情報を受信しなくなった時刻までの時間を、ノイズ混入時間として特定する。制御部11は、自身の機器IDと、放送局情報と、ノイズ混入時間とをインターネット経由でサーバ1に送信する(S113)。
【0036】
サーバ1の制御部2は、PC10Aから、機器IDと、放送局情報と、ノイズ混入時間とをインターネット経由で受信する(S211)。制御部2は、ノイズ混入時間に対応する放送データを録音していた他のPC10を、録音管理DBを参照して特定する(S212)。例えば、図2を参照すると、PC10Aから受信した情報が、放送局A、ノイズ混入時間が2010年10月1日15時10分〜15時20分である場合、この放送データ部分をPC10Bも録音していたことが分かる。従って、PC10Bが特定される。
【0037】
制御部2は、ノイズ混入時間の放送データを正常に録音できているか否かをインターネット経由でPC10Bに問い合わせる(S213)。つまり、制御部2は、PC10Bに、放送局情報と、ノイズ混入時間とを送信する。
【0038】
PC10Bの制御部11は、サーバ1からの問い合わせを受信すると(S311)、ノイズ混入時間に対応する放送データをHDD13に正常に録音できているか否かを判断する(S312)。PC10Aと同様に、PC10Bでも、受信する放送データにノイズが含まれている場合、チューナ14から制御部11にノイズが含まれていることを示す情報が送信される。従って、制御部11は、ノイズが含まれていることを示す情報を受信すると、録音日時に対応付けてノイズが含まれることを示す情報をテーブルで管理する。従って、当該テーブルを参照することによって、ノイズ混入時間に対応する放送データをHDD13に正常に録音できているか否かを判断することができる。
【0039】
ここで、ノイズ混入時間に対応する放送データ部分の少なくとも一部にノイズが含まれていれば正常に録音できていないと判断してもよく、ノイズ混入時間に対応する放送データ部分の全部にノイズが含まれている場合のみ正常に録音できていないと判断してもよい。
【0040】
ノイズ混入時間に対応する放送データをHDD13に正常に録音できていない場合(S312でNO)、制御部11は、その旨を示す情報をインターネット経由でサーバ1に送信する(S313)。一方、ノイズ混入時間に対応する放送データをHDD13に正常に録音できている場合(S312でYES)、制御部11は、正常に録音できている旨の情報と、PC10Bのネットワーク上のアドレス情報(例えばURL)とをインターネット経由でサーバ1に送信する(S314)。なお、事前にURLをサーバ1に通知している場合には、改めて通知する必要がない。
【0041】
サーバ1の制御部2は、正常に録音できている旨の情報をPC10Bから受信したか否かを判断している(S214)。正常に録音できていない旨の情報を受信した場合(S214でNO)、ノイズ混入時間の放送データ部分を正常に録音できている放送データ部分に置換することができないので、制御部2は、エラー情報をPC10Aに送信する(S215)。PC10Aの制御部11は、エラー情報を受信すると、ノイズ混入時間の放送データ部分を正常に録音できている放送データ部分に置換できない旨を表示部17に表示させる(図示せず)。
【0042】
なお、複数の他のPC10がノイズ混入時間に対応する放送データを録音している場合には、別のPC10にノイズ混入時間に対応する放送データ部分を正常に録音できているかを問い合わせてもよい。
【0043】
正常に録音できている旨の情報を受信した場合(S214でYES)、制御部2は、PC10BのURLをインターネット経由でPC10Aに送信し、PC10Bと接続するように要求する(S216)。PC10Aの制御部11は、PC10BのURLを受信すると(S114)、PC10Bとインターネット経由で接続する(S115、S315)。PC10Bの制御部11は、PC10Aに自身の時計部で計時している現在の時刻情報を送信する(S315)。PC10Aの制御部11は、PC10Bから時刻情報を受信すると、自身の時計部で計時している現在の時刻と比較することによって、双方の時計部の時刻の誤差を計算する(S115)。
【0044】
PC10Aの制御部11は、計算した時刻の誤差に基づいて、PC10Bに放送データ部分を送信要求するノイズ混入時間を再度特定し直す(S116)。例えば、PC10Bの時計の方がPC10Aの時計よりも5秒進んでいる場合には、S112で特定したノイズ混入時間を5秒進めることによって、PC10Bから放送データ部分を取得する範囲を正確に特定することができる。PC10Aの制御部11は、特定し直したノイズ混入時間をインターネット経由でPC10Bに送信し、ノイズ混入時間に対応する放送データ部分を送信するように要求する(S116)。
【0045】
PC10Bの制御部11は、PC10Aからノイズ混入時間の情報を受信すると、ノイズ混入時間に対応する正常に録音できている放送データ部分をHDD13から読み出して、インターネット経由でPC10Aに送信する(S316)。詳細には、PC10BもPA10Aと同様に、コンテンツファイルの位置情報と放送局情報と録音日時との関係をテーブルで管理しているので、このテーブルを参照することによって、ノイズ混入時間に対応する正常に録音できている放送データ部分をHDD13から特定することができる。
【0046】
PC10Aの制御部11は、PC10Bから、ノイズ混入時間に対応する正常に録音できている放送データ部分を受信すると、ノイズ混入時間の放送データ部分を、受信した正常に録音できている放送データ部分に置換して記録させる(S117)。同様に、ノイズ混入時間の放送データ部分の特定は、コンテンツファイルの位置情報と放送局情報と録音日時との関係を管理するテーブルを参照すればよい。
【0047】
なお、必要に応じて、ノイズ混入時間の放送データ部分を、正常に録音できている放送データ部分に置換して記録する際に、双方のデータの録音レベル(音量レベル)をチェックし、録音レベルを調整した上で、記録するとよい。
【0048】
以上のように、本実施形態によると、ノイズ混入時間の放送データ部分を、他のPCが正常に録音していた放送データ部分に置き換えることによって、ノイズを含まない放送データを記録することができる。
【0049】
図5は、別の好ましい実施形態による動作を説明するフローチャートであり、図4と同じ処理について同じ符号を付し、説明を援用する。本例では、PC10AがPC10Bからノイズ混入時間に対応する正常に録音できている放送データ部分を直接受信するのではなく、サーバ1経由で受信する。
【0050】
サーバ1の制御部2は、PC10Bから、ノイズ混入時間に対応する放送データを正常に録音できている旨の情報を受信した場合(S214でYES)、PC10AおよびPC10Bから時計部で計時している現在の時刻情報を取得し、時刻の誤差を計算する(S221)。制御部2は、計算した時刻の誤差に基づいて、PC10Bに放送データ部分を送信要求するノイズ混入時間を特定し直す(S222)。例えば、PC10Bの時計の方がPC10Aの時計よりも5秒進んでいる場合には、ノイズ混入時間を5秒進める。制御部2は、特定し直したノイズ混入時間をインターネット経由でPC10Bに送信し、ノイズ混入時間に対応する放送データ部分を送信するように要求する(S222)。
【0051】
PC10Bの制御部11は、サーバ1からノイズ混入時間の情報を受信すると、ノイズ混入時間に対応する正常に録音できている放送データ部分をHDD13から読み出して、インターネット経由でサーバ1に送信する(S322)。サーバ1の制御部2は、ノイズ混入時間に対応する放送データ部分を受信すると、PC10Aにそれを転送する(S223)。
【0052】
PC10Aの制御部11は、サーバ1から、ノイズ混入時間に対応する正常に録音できている放送データ部分を受信すると、ノイズ混入時間の放送データ部分を、受信した正常に録音できている放送データ部分によって上書き記録する(S122)。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。上記のサーバ1、PC10を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、PC等のコンテンツ記録装置を含むコンテンツ記録システムに好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0055】
1 サーバ
2 制御部
3 メモリ
4 HDD
5 通信部
10 PC(コンテンツ記録装置)
11 制御部
12 メモリ
13 HDD
14 チューナ
15 再生部
16 操作部
17 表示部
18 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、前記サーバに接続可能な複数のコンテンツ記録装置とを備え、
前記コンテンツ記録装置が、
受信装置によって受信された放送データを記憶媒体に記録させる手段と、
前記記憶媒体に記録している放送データに関する情報を前記サーバに通知する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分を特定する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分の情報を前記サーバに送信する手段と、
前記サーバによって特定された他の前記コンテンツ記録装置から、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分を受信する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分を、受信した正常に記録できている放送データ部分に置き換えて前記記憶媒体に記録させる手段とを有し、
前記サーバが、
前記各コンテンツ記録装置が記録している放送データに関する情報を受信して管理する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分の情報を前記コンテンツ記録装置から受信する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分と同じ放送データ部分を記録している他の前記コンテンツ記録装置を特定する手段と、
前記サーバによって特定された他の前記コンテンツ記録装置が、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分を前記記憶媒体から読み出して、正常に記録できなかった放送データ部分を記録している前記コンテンツ記録装置に送信する手段を有する、コンテンツ記録システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ記録システムにおける前記サーバであって、
前記各コンテンツ記録装置が記録している放送データに関する情報を受信して管理する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分の情報を前記コンテンツ記録装置から受信する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分と同じ放送データ部分を記録している他の前記コンテンツ記録装置を特定する手段とを有する、サーバ。
【請求項3】
請求項2に記載のサーバの各手段をコンピュータに実行させる、サーバプログラム。
【請求項4】
請求項1に記載のコンテンツ記録システムにおける前記コンテンツ記録装置であって、
受信装置によって受信された放送データを記憶媒体に記録させる手段と、
前記記憶媒体に記録している放送データに関する情報を前記サーバに通知する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分を特定する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分の情報を前記サーバに送信する手段と、
前記サーバによって特定された他の前記コンテンツ記録装置から、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分を受信する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分を、受信した正常に記録できている放送データ部分に置き換えて前記記憶媒体に記録させる手段とを有する、コンテンツ記録装置。
【請求項5】
請求項1に記載のコンテンツ記録システムにおける前記コンテンツ記録装置であって、
受信装置によって受信された放送データを記憶媒体に記録させる手段と、
前記記憶媒体に記録している放送データに関する情報を前記サーバに通知する手段と、
正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分を前記記憶媒体から読み出して、正常に記録できなかった放送データ部分を記録している前記コンテンツ記録装置に送信する手段とを有する、コンテンツ記録装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載のコンテンツ記録装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ記録プログラム。
【請求項7】
受信装置によって受信された放送データをコンテンツ記録装置の記憶媒体に記録させるステップと、
前記記憶媒体に正常に記録できなかった放送データ部分を特定するステップと、
正常に記録できなかった放送データ部分と同じ放送データ部分を記録している他のコンテンツ記録装置を特定するステップと、
前記他のコンテンツ記録装置から前記コンテンツ記録装置に、正常に記録できなかった放送データ部分に対応する正常に記録できている放送データ部分を送信するステップと、
正常に記録できなかった放送データ部分を、受信した正常に記録できている放送データ部分に置き換えて前記記憶媒体に記録させるステップとを含む、コンテンツ記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−99164(P2012−99164A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243210(P2010−243210)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】