説明

コンテンツ配信サーバ、コンテンツ配信プログラム、及びコンテンツ配信システム

【課題】別個に制作された映像コンテンツと楽曲コンテンツとをユーザ側で簡便に同期再生可能にコンテンツを配信し、コンテンツ利用のバリエーションを増加させる。
【解決手段】コンテンツ配信サーバ10が、ユーザ端末31にて再生される楽曲コンテンツと同期再生可能な同期情報が対応付けされた映像コンテンツを記憶する映像DB11を備え、ユーザ端末31からの楽曲コンテンツの指定内容を示す楽曲指定データを受信し、映像DB11に記憶されている映像コンテンツであって受信した楽曲指定データが示す楽曲コンテンツと同期して再生可能な映像コンテンツをユーザ端末31に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末からの依頼に応じて通信ネットワークを介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ、コンテンツ配信プログラム、及びコンテンツ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、音楽データに他のデータを対応付けして配信するシステムが提案されている(特許文献1)。この特許文献1には、音楽データの特定部分にあらかじめ広告データを同期再生可能に対応付けしておき、その広告データが対応付けされた音楽データを配信することが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−73050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されているシステムでは、事前に広告データを対応付けした固定的な音楽データが生成され配信されるため、ユーザ側での再生の際にバリエーションを持たせることはできなかった。例えば様々な音楽と映像とを任意に対応付けして再生しようとする場合には、様々な編集ソフトを用いて所望の映像と音楽とが同期するようにユーザ側で編集する必要がある。ところが、その編集作業は容易でなく、場合によってはファイルフォーマットの制約などから編集できない場合もあるなど、音楽と映像とを任意に対応付けして再生することによってコンテンツ利用を簡便に楽しむことはできなかった。
【0005】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、別個に制作された映像コンテンツと楽曲コンテンツとをユーザ側で簡便に同期再生可能にコンテンツを配信することができ、コンテンツ利用のバリエーションを増加させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンテンツ配信サーバは、ユーザ端末からの依頼に応じて通信ネットワークを介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバであって、前記ユーザ端末にて再生される第1コンテンツと同期再生可能な同期情報が対応付けされた第2コンテンツを記憶する第2コンテンツ記憶データベースと、前記ユーザ端末からの第1コンテンツの指定内容を示す第1コンテンツ指定データを受信する第1コンテンツ指定データ受信手段と、前記第2コンテンツ記憶データベースに記憶されている前記第2コンテンツであって前記第1コンテンツ指定データ受信手段が受信した第1コンテンツ指定データが示す第1コンテンツと同期して再生可能な前記第2コンテンツを前記ユーザ端末に送信する第2コンテンツ送信手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
このように構成されることにより、別個に制作された第2コンテンツ(例えば映像コンテンツ)と第1コンテンツ(例えば楽曲コンテンツ)とをユーザ側で簡便に同期再生可能にコンテンツを配信することができ、コンテンツ利用のバリエーションを増加させることができる。
【0008】
前記第2コンテンツ記憶データベースには、前記第1コンテンツと同期再生可能な複数種類の第2コンテンツが記憶されており、前記第1コンテンツ指定データ受信手段が受信した第1コンテンツ指定データが示す第1コンテンツと同期再生可能な複数種類の第2コンテンツの一覧を示す第2コンテンツ一覧を作成して送信する一覧作成送信手段と、前記第2コンテンツ一覧に含まれている複数種類の第2コンテンツの中から指定された指定内容を示す第2コンテンツ指定データを受信する第2コンテンツ指定データ受信手段とを含み、前記第2コンテンツ送信手段は、前記第2コンテンツ指定データ受信手段が受信した第2コンテンツ指定データが示す第2コンテンツを前記第2コンテンツ記憶データベースから読み出して前記ユーザ端末に送信する構成とされていてもよい。
【0009】
前記同期情報は、例えば、対応する前記第1コンテンツとの同期タイミングを識別するための同期タイミングデータが書き込まれたヘッダ情報である。
【0010】
前記第2コンテンツ送信手段が送信した前記第2コンテンツに広告情報が含まれているか否かを確認する広告確認手段と、該広告確認手段により広告情報が含まれていることが確認された場合に広告主に課金するための課金情報を蓄積する課金情報蓄積手段とを含む構成とされていてもよい。
【0011】
例えば、前記第1コンテンツと前記第2コンテンツのいずれか一方が楽曲データであり、他方が映像データである。
【0012】
本発明に係るコンテンツ配信プログラムは、ユーザ端末からの依頼に応じて通信ネットワークを介してコンテンツを配信させるためのコンテンツ配信プログラムであって、コンピュータに、前記ユーザ端末からの第1コンテンツの指定内容を示す第1コンテンツ指定データを受信する第1コンテンツ指定データ受信処理と、前記ユーザ端末にて再生される第1コンテンツと同期再生可能な同期情報が対応付けされた第2コンテンツを記憶する第2コンテンツ記憶データベースに記憶されている前記第2コンテンツであって、前記第1コンテンツ指定データ受信処理にて受信した第1コンテンツ指定データが示す第1コンテンツと同期して再生可能な前記第2コンテンツを前記ユーザ端末に送信する第2コンテンツ送信処理とを実行させるためのものである。
【0013】
本発明に係るコンテンツ配信システムは、通信ネットワークに接続されたユーザ端末と、該ユーザ端末からの依頼に応じて通信ネットワークを介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバとを備えたコンテンツ配信システムであって、前記コンテンツ配信サーバは、前記ユーザ端末にて再生される第1コンテンツと同期再生可能な同期情報が対応付けされた第2コンテンツを記憶する第2コンテンツ記憶データベースと、前記ユーザ端末からの第1コンテンツの指定内容を示す第1コンテンツ指定データを受信する第1コンテンツ指定データ受信手段と、前記第2コンテンツ記憶データベースに記憶されている前記第2コンテンツであって前記第1コンテンツ指定データ受信手段が受信した第1コンテンツ指定データが示す第1コンテンツと同期して再生可能な前記第2コンテンツを前記ユーザ端末に送信する第2コンテンツ送信手段とを含み、前記ユーザ端末は、前記第1コンテンツ指定データを送信する第1コンテンツ指定データ送信手段と、前記コンテンツ配信サーバから第2コンテンツを受信する第2コンテンツ受信手段と、前記第1コンテンツ指定データにより指定した前記第1コンテンツと前記第2コンテンツ受信手段が受信した第2コンテンツとを、当該第2コンテンツに対応付けされている同期情報に従って同期して再生するコンテンツ再生手段とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、別個に制作された第2コンテンツ(例えば映像コンテンツ)と第1コンテンツ(例えば楽曲コンテンツ)とをユーザ側で簡便に同期再生可能にコンテンツを配信することができ、コンテンツ利用のバリエーションを増加させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係るコンテンツ配信システムの実施の形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、コンテンツ配信システム100は、コンテンツ配信サーバ10と、コンテンツ提供ユーザ端末20と、ユーザ端末31〜3N(Nは任意の自然数)とを備えている。なお、コンテンツ提供ユーザ端末は、いくつ設けられていてもよい。
【0017】
コンテンツ配信サーバ10、コンテンツ提供ユーザ端末20、及びユーザ端末31〜3Nは、それぞれ、インターネット、イントラネット、LAN、専用通信回線、無線通信回線などの通信ネットワーク40に接続されている。この通信ネットワーク40は、特定の端末装置のみが利用可能な閉鎖網、全ての端末装置が利用可能な開放網、閉鎖網と開放網とからなる一部開放(閉鎖)網のいずれであってもよい。
【0018】
コンテンツ配信サーバ10は、例えば本システム100のシステム管理者によって管理され、WWWサーバやワークステーションサーバなどのサーバ装置によって構成される。コンテンツ配信サーバ10は、通信ネットワーク40上に開設されているコンテンツ配信用のウェブサイトを運用するためのサーバ装置である。
【0019】
コンテンツ配信サーバ10は、複数種類の映像コンテンツを記憶する映像DB11を備えている。映像DB11には、例えば後述する映像コンテンツ登録テーブル(図2参照)が格納されている。
【0020】
コンテンツ提供ユーザ端末20は、例えば映像コンテンツを制作してコンテンツ配信サーバ10に提供するユーザ(例えば映像制作アーティスト)によって管理され、例えばパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成される。
【0021】
ユーザ端末31〜3Nは、それぞれ、コンテンツ配信サーバ10から映像コンテンツを取得して利用するユーザによって管理され、例えばパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成される。本例では、ユーザ端末31〜3Nは、それぞれ、楽曲コンテンツが格納された楽曲DBを備えている。この楽曲コンテンツは、例えばユーザによるファイル形式の変換処理などによって、所定のファイル形式(本例では映像コンテンツと同様のファイル形式である後述する「FLV」)とされているものとする。
【0022】
ユーザ端末31〜3Nは、それぞれ、映像コンテンツ及び楽曲コンテンツを共に読み込み可能なプラットフォーム(例えば、Adobe apollo)を搭載しているものとする。そして、ユーザ端末31〜3Nは、それぞれ、搭載されているプラットフォーム上にて、映像コンテンツに付加されているヘッダ情報に含まれている同期情報(例えばXMLにより記述された同期命令プログラム)に従って、その映像コンテンツと対応付けされている楽曲コンテンツとを同期再生する機能を有している。
【0023】
コンテンツ提供ユーザ端末20及びユーザ端末31〜3Nは、それぞれ、通信機能や必要なコンテンツ処理機能を有していれば、例えばPDA、携帯電話、携帯式オーディオ、ディジタルカメラ、テレビジョンなど、どのような情報処理装置によって構成されていてもよい。
【0024】
図2は、映像コンテンツ登録テーブルにおけるデータ格納状態の例を示す説明図である。図2に示すように、映像コンテンツ登録テーブルには、複数種類の映像コンテンツが登録されている。各映像コンテンツには、各映像コンテンツを一意に特定するための映像コンテンツ番号と、映像コンテンツのタイトルと、対応楽曲コンテンツのタイトルと、対応楽曲コンテンツの歌手名あるいは演奏者名とが対応付けされて登録されている。各映像コンテンツは、所定のファイル形式(本例ではフラッシュ動画配信を行うためのファイル形式である「FLV」)で制作されているものとする。
【0025】
本例では、コンテンツ配信サーバ10は、コンテンツ提供ユーザ端末20からFLVで制作された映像コンテンツや、その付随情報(制作者によって付与された映像コンテンツのタイトル、制作者によって指定された対応楽曲コンテンツのタイトル、制作者によって指定された対応楽曲コンテンツの歌手名あるいは演奏者名)を取得し、映像コンテンツ番号を付与して、付与した映像コンテンツ番号とともに取得した映像コンテンツと付随情報とを映像コンテンツ登録テーブルに登録する。
【0026】
映像コンテンツには、制作者によって、対応する楽曲コンテンツと同期再生されるようにするための同期情報を含むヘッダ情報が付加されているものとする。同期情報には、映像表示の開始タイミング、切替タイミング、終了タイミングなどの各種の再生タイミングが、対応する楽曲コンテンツの再生タイミングにマッチするように、映像コンテンツの制作者によって設定されている。具体的には、例えば、楽曲コンテンツの再生操作がなされたときに映像表示を開始することが設定され、その再生開始からの時間によって切替タイミングや終了タイミングが設定される。
【0027】
次に、本実施形態のコンテンツ配信システムの動作について説明する。
図3は、コンテンツ配信処理の例を示すフローチャートである。なお、図3では、本例のコンテンツ配信制御に関係しない処理は省略されている場合があるものとする。ここでは、コンテンツ配信サーバ10が、ユーザXに管理されているユーザ端末31からの要求に応じて、映像コンテンツを配信する場合を例に説明する。
【0028】
コンテンツ配信処理において、ユーザ端末31は、ユーザXの操作に応じて、自己が備える楽曲DBに格納されている楽曲コンテンツの一覧を、自己が備える表示装置に表示する(ステップS101)。次いで、ユーザ端末31は、ユーザXによる楽曲コンテンツの指定を受け付け(ステップS102)、受け付けた楽曲コンテンツを示す楽曲指定データ(例えば楽曲のタイトルと歌手名/演奏者名)を通信ネットワーク40を介して送信する(ステップS103)。
【0029】
コンテンツ配信サーバ10は、楽曲指定データを受信すると(ステップS201)、楽曲指定データが示す楽曲に対応付けされている映像コンテンツを映像コンテンツ登録テーブルから探索し、探索した映像コンテンツの一覧を示す利用可能映像一覧を作成する(ステップS202)。そして、コンテンツ配信サーバ10は、作成した利用可能映像一覧を送信する(ステップS203)。
【0030】
ユーザ端末31は、利用可能映像一覧を受信すると(ステップS104)、受信した利用可能映像一覧を含む利用映像指定画面を自己が備える表示装置に表示する(ステップS105)。
【0031】
利用映像指定画面は、例えば図4に示すように、楽曲指定データの内容を表示する指定楽曲表示領域51と、利用可能映像一覧を示す利用可能映像一覧表示領域52と、決定ボタン53とが設けられている。利用可能映像一覧表示領域52は、ユーザXが利用する映像を指定するための利用映像指定領域でもある。本例では、ユーザXは、利用可能映像一覧表示領域52に一覧表示されている映像コンテンツのタイトルの中から、利用を希望する1つのタイトルに対応付けされている映像コンテンツ番号をユーザ端末31が備える入力装置を操作することにより選択(例えばマウスクリックにより選択)する。図4には、映像コンテンツ番号「00001」が選択された状態が示されている。そして、ユーザXは、ユーザ端末31が備える入力装置を操作して、決定ボタン53を押下する。
【0032】
決定ボタン53が押下されると、ユーザ端末31は、選択されていた映像コンテンツ番号を利用映像の指定として受け付け(ステップS106)、受け付けた利用映像を示す利用映像指定データ(映像コンテンツ番号)を送信する(ステップS107)。
【0033】
コンテンツ配信サーバ10は、利用映像指定データを受信すると(ステップS205)、映像コンテンツ登録テーブルを参照して、受信した利用映像指定データに対応付けされている映像コンテンツを映像DB11から読み出して送信する(ステップS206)。
【0034】
ユーザ端末31は、映像コンテンツを受信すると(ステップS108)、ステップS102にて指定を受け付けた楽曲コンテンツに対応付けして、受信した映像コンテンツを自己が備えるDBに格納する。そして、ユーザ端末31は、ユーザXによる楽曲コンテンツの再生操作に応じて、その楽曲コンテンツと、その楽曲コンテンツに対応付けされている映像コンテンツとの再生処理を実行する(ステップS109)。ステップS109では、楽曲コンテンツが再生されるとともに、映像コンテンツが付加されている同期情報に従って再生されるので、楽曲コンテンツによる楽曲と映像コンテンツによる映像とが同期して再生されることになる。
【0035】
コンテンツ配信サーバ10は、映像コンテンツを送信すると、映像コンテンツの配信サービスの対価として課金するための課金金額の算出に用いられる映像配信課金データを自己が備えるDBに保存する(ステップS206)。映像配信課金データは、例えば、配信した映像コンテンツのタイトル、配信先のユーザ名、配信時刻などを含むデータである。
【0036】
さらに、コンテンツ配信サーバ10は、送信した映像コンテンツが、広告映像が含まれているコンテンツであるか否か確認する(ステップS207)。なお、本例では、映像コンテンツのヘッダ情報に、広告映像の有無や広告主名などの広告に関する各種の情報が含まれているものとする。そして、コンテンツ配信サーバ10は、広告映像が含まれているコンテンツであれば、広告サービスの対価として課金するための課金金額の算出に用いられる広告課金データを自己が備えるDBに保存する(ステップS208)。広告課金データは、例えば、広告主名、配信した映像コンテンツのタイトル、配信先のユーザ名、配信時刻などを含むデータである。
【0037】
上記のようにして、楽曲コンテンツが示す楽曲と同期再生可能な映像の映像コンテンツがユーザ端末31に配信される。なお、上記の例と同様にして、映像コンテンツが示す映像と同期再生可能な楽曲の楽曲コンテンツがユーザ端末31に配信されるようにしてもよい。
【0038】
以上述べたように、本実施形態のコンテンツ配信システム100によれば、コンテンツ配信サーバ10が、ユーザ端末31にて再生される第1コンテンツ(例えば楽曲コンテンツ)と同期再生可能な同期情報が対応付けされた第2コンテンツ(例えば映像コンテンツ)を記憶する第2コンテンツ記憶データベース(例えば映像DB11)を備え、ユーザ端末31からの第1コンテンツの指定内容を示す第1コンテンツ指定データ(例えば楽曲指定データ)を受信し、第2コンテンツ記憶データベースに記憶されている第2コンテンツであって受信した第1コンテンツ指定データが示す第1コンテンツと同期して再生可能な第2コンテンツをユーザ端末31に送信するように構成したので、別個に制作された第2コンテンツと第1コンテンツとをユーザ側で簡便に同期再生可能にコンテンツを配信することができ、コンテンツ利用のバリエーションを増加させることができる。
【0039】
すなわち、上述した実施の形態によれば、映像と音楽を任意の組み合わせで楽しむことができるようになり、映像のファンは音楽、音楽のファンは映像と、これまで取り込めなかったニーズを取り込むことができる。このため、コンテンツとしての魅力を向上させることができ、映像や音楽に対する購買意欲を向上させることができるようになる。
【0040】
また、上述した実施の形態によれば、コンテンツ利用のバリエーションを増加させることができるので、コンテンツの制作者にとっては自己の作品を提供する場を増加させることができるようになり、コンテンツの制作意欲を向上させることができる。
【0041】
また、上述した実施の形態によれば、ユーザが保有しているコンテンツと同期再生可能な他の種のコンテンツをユーザに提供し、ユーザ端末31において同期再生させるようにしているので、私的利用のバリエーションを増加させることができ、映像や音楽の購買意欲を向上させることができるようになる。
【0042】
また、上述した実施の形態によれば、コンテンツ配信サーバ10が、受信した第1コンテンツ指定データ(例えば楽曲指定データ)が示す第1コンテンツと同期再生可能な複数種類の第2コンテンツの一覧を示す第2コンテンツ一覧(例えば利用可能映像一覧)を作成して送信し、その第2コンテンツ一覧に含まれている複数種類の第2コンテンツの中から指定された指定内容を示す第2コンテンツ指定データ(例えば利用映像指定データ)を受信し、受信した第2コンテンツ指定データが示す第2コンテンツを第2コンテンツ記憶データベースから読み出してユーザ端末31に送信する構成としているので、第1コンテンツと同期再生可能な複数種類の第2コンテンツから選択された第2コンテンツを配信することができる。
【0043】
また、上述した実施の形態によれば、第2コンテンツに付加される同期情報が、対応する第1コンテンツとの同期タイミングを識別するための同期タイミングデータが書き込まれたヘッダ情報であるものとしているので、このヘッダ情報に従って再生することで、同期再生することが可能となる。
【0044】
また、上述した実施の形態によれば、コンテンツ配信サーバ10が、送信した第2コンテンツに広告情報が含まれているか否かを確認し、広告情報が含まれていることが確認された場合に広告主に課金するための課金情報を蓄積する構成としたので、広告を含むコンテンツのコンテンツ利用のバリエーションを増加させることができる。よって、第2コンテンツ(例えば映像コンテンツ)の中に含まれる広告の伝達効果を高めることができ、広告メディアとしての価値を高めることができる。
【0045】
なお、本実施形態で説明したコンテンツ配信処理は、例えば、あらかじめ用意されたコンテンツ配信処理に関するプログラム(コンテンツ配信プログラム)をコンピュータ(コンテンツ配信サーバ10、ユーザ端末31)で実行することにより実現することができる。すなわち、コンテンツ配信サーバ10やユーザ端末31は、上述したコンテンツ配信処理を、例えば自己が備えるメモリに格納されたコンテンツ配信プログラムに従って実行している。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行されるものでもよい。また、このプログラムは、例えば、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0046】
また、上述した実施の形態では、楽曲コンテンツが示す楽曲と同期再生可能な映像の映像コンテンツ、あるいは映像コンテンツが示す映像と同期再生可能な楽曲の楽曲コンテンツがユーザ端末31に配信される構成としていたが、同期再生可能な楽曲コンテンツ及び映像コンテンツがユーザ端末31に配信されるようにしてもよい。この場合、同期再生可能な楽曲コンテンツと映像コンテンツの組み合わせをユーザに選択させるようにすればよい。
【0047】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、映像コンテンツが示す映像は、制作者によって制作されたCG(Computer Graphics)、実写映像、着信ビデオ(携帯通信端末における着信時に再生される映像)、留守番ビデオ(留守番電話の応答音声メッセージに変わる応答ビデオメッセージ)、アニメーションなど、どのような映像であってもよい。
【0048】
なお、上述した実施の形態では、コンテンツ配信サーバ10とユーザ端末31〜3Nとがインターネットなどの通信ネットワーク40に接続される構成としていたが、ユーザ端末31〜3Nの内部に格納されたソフトウェアによってコンテンツ配信サーバ10の機能を構成することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明は、別個に制作された第2コンテンツと第1コンテンツとをユーザ側で簡便に同期再生可能にコンテンツを配信し、コンテンツ利用のバリエーションを増加させるためのサーバ装置やシステムに適用するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成の例を示すブロック図である。
【図2】映像コンテンツ登録テーブルのデータ格納状態の例を示す説明図である。
【図3】コンテンツ配信処理の例を示すフローチャートである。
【図4】利用映像指定画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10 コンテンツ配信サーバ
11 映像DB
20 コンテンツ提供ユーザ端末
31〜3N ユーザ端末
40 通信ネットワーク
100 コンテンツ配信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末からの依頼に応じて通信ネットワークを介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバであって、
前記ユーザ端末にて再生される第1コンテンツと同期再生可能な同期情報が対応付けされた第2コンテンツを記憶する第2コンテンツ記憶データベースと、
前記ユーザ端末からの第1コンテンツの指定内容を示す第1コンテンツ指定データを受信する第1コンテンツ指定データ受信手段と、
前記第2コンテンツ記憶データベースに記憶されている前記第2コンテンツであって前記第1コンテンツ指定データ受信手段が受信した第1コンテンツ指定データが示す第1コンテンツと同期して再生可能な前記第2コンテンツを前記ユーザ端末に送信する第2コンテンツ送信手段とを含む
ことを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項2】
前記第2コンテンツ記憶データベースには、前記第1コンテンツと同期再生可能な複数種類の第2コンテンツが記憶されており、
前記第1コンテンツ指定データ受信手段が受信した第1コンテンツ指定データが示す第1コンテンツと同期再生可能な複数種類の第2コンテンツの一覧を示す第2コンテンツ一覧を作成して送信する一覧作成送信手段と、
前記第2コンテンツ一覧に含まれている複数種類の第2コンテンツの中から指定された指定内容を示す第2コンテンツ指定データを受信する第2コンテンツ指定データ受信手段とを含み、
前記第2コンテンツ送信手段は、前記第2コンテンツ指定データ受信手段が受信した第2コンテンツ指定データが示す第2コンテンツを前記第2コンテンツ記憶データベースから読み出して前記ユーザ端末に送信する
請求項1記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項3】
前記同期情報は、対応する前記第1コンテンツとの同期タイミングを識別するための同期タイミングデータが書き込まれたヘッダ情報である
請求項1または請求項2記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項4】
前記第2コンテンツ送信手段が送信した前記第2コンテンツに広告情報が含まれているか否かを確認する広告確認手段と、
該広告確認手段により広告情報が含まれていることが確認された場合に広告主に課金するための課金情報を蓄積する課金情報蓄積手段とを含む
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項5】
前記第1コンテンツと前記第2コンテンツのいずれか一方が楽曲データであり、他方が映像データである
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項6】
ユーザ端末からの依頼に応じて通信ネットワークを介してコンテンツを配信させるためのコンテンツ配信プログラムであって、
コンピュータに、
前記ユーザ端末からの第1コンテンツの指定内容を示す第1コンテンツ指定データを受信する第1コンテンツ指定データ受信処理と、
前記ユーザ端末にて再生される第1コンテンツと同期再生可能な同期情報が対応付けされた第2コンテンツを記憶する第2コンテンツ記憶データベースに記憶されている前記第2コンテンツであって、前記第1コンテンツ指定データ受信処理にて受信した第1コンテンツ指定データが示す第1コンテンツと同期して再生可能な前記第2コンテンツを前記ユーザ端末に送信する第2コンテンツ送信処理とを
実行させるためのコンテンツ配信プログラム。
【請求項7】
通信ネットワークに接続されたユーザ端末と、該ユーザ端末からの依頼に応じて通信ネットワークを介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバとを備えたコンテンツ配信システムであって、
前記コンテンツ配信サーバは、
前記ユーザ端末にて再生される第1コンテンツと同期再生可能な同期情報が対応付けされた第2コンテンツを記憶する第2コンテンツ記憶データベースと、
前記ユーザ端末からの第1コンテンツの指定内容を示す第1コンテンツ指定データを受信する第1コンテンツ指定データ受信手段と、
前記第2コンテンツ記憶データベースに記憶されている前記第2コンテンツであって前記第1コンテンツ指定データ受信手段が受信した第1コンテンツ指定データが示す第1コンテンツと同期して再生可能な前記第2コンテンツを前記ユーザ端末に送信する第2コンテンツ送信手段とを含み、
前記ユーザ端末は、
前記第1コンテンツ指定データを送信する第1コンテンツ指定データ送信手段と、
前記コンテンツ配信サーバから第2コンテンツを受信する第2コンテンツ受信手段と、
前記第1コンテンツ指定データにより指定した前記第1コンテンツと前記第2コンテンツ受信手段が受信した第2コンテンツとを、当該第2コンテンツに対応付けされている同期情報に従って同期して再生するコンテンツ再生手段とを含む
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−17417(P2009−17417A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−179183(P2007−179183)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(507231068)株式会社シンク (1)
【Fターム(参考)】