説明

コンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信装置

【課題】 TV受信機毎にデータ放送の表示内容を設定することが可能なコンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信装置を提供する。
【解決手段】 複数のTV受信機40−1〜40−mをそれぞれ識別する識別情報を複数のグループに分類したTV受信機分類情報と、グループごとに設定された表示対象のデジタル表示情報の項目である表示項目情報と、デジタル表示情報の項目ごとの表示内容とを記憶した設定情報記憶部113と、これらの情報を複数のTV受信機40−1〜40−mに配信する配信部13とを備えたコンテンツ配信装置10と、配信された情報に基づいて自TV受信機が該当するグループを特定し、この特定したグループに対応するデータ放送の表示情報の項目を特定し、この特定した表示情報の項目に対応する表示内容を抽出するデータ放送内容特定部43と、抽出した表示内容を表示する表示部45とを備えたTV受信機40−1〜40−mとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TV受信機に表示するデータ放送の表示内容を制御するコンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送システムのデジタル化により、TV番組情報に静止画や文字などを多重化して配信し、これらをデータ放送としてTV受信機で表示する多重放送が普及している。
【0003】
このデータ放送として表示する情報には、気象情報など地域ごとに特化した情報があり、特許文献1では地域毎にデータ放送の表示内容を変える技術が記載されている。
【0004】
この特許文献1の技術によれば、TV受信機が設置されている地域毎に特定した情報を出力することができ、ユーザに必要な情報を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3082820号公報
【特許文献2】特開2006−352463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の技術では、郵便番号等により識別された地域ごとに表示内容を変更させることはできるが、TV受信機ごとに必要な表示項目が異なる場合等、個々のTV受信機ごとに表示内容を設定することができないという問題があった。
【0007】
一方特許文献2には、TV受信機毎または視聴するユーザ毎に出力状態を変更する技術が記載されているが、これはコンテンツの表示状態や音声出力状態、あるいはコンテンツ内容の制限等を変更するのみであり、文字等を含むデータ放送の表示内容を制御できるものではなかった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、TV受信機毎にデータ放送の表示内容を設定することが可能なコンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明のコンテンツ配信システムは、コンテンツ配信装置と複数のTV受信機とが放送ネットワークを介して接続され、前記コンテンツ配信装置は、前記複数のTV受信機をそれぞれ識別する識別情報を、データ放送として表示させるデジタル表示情報の項目に基づいて複数のグループに分類したTV受信機分類情報と、前記グループごとに設定された表示対象の前記デジタル表示情報の項目である表示項目情報と、前記デジタル表示情報の項目ごとの表示内容とを記憶した記憶部と、前記記憶部から前記TV受信機分類情報、前記表示項目情報、および前記項目ごとの表示内容を取得し、前記ネットワークを介して前記複数のTV受信機に配信する配信部とを備え、TV受信機は、自TV受信機の識別情報を記憶する識別情報記憶部と、前記配信部から配信されたTV受信機分類情報に基づいて前記識別情報記憶部に記憶した自TV受信機の識別情報が該当するグループを特定した後、この特定したグループに対応するデータ放送の表示情報の項目を、前記配信部から配信された表示項目情報に基づいて特定し、この特定した表示情報の項目に対応する表示内容を、前記配信部から配信された項目ごとの表示内容から抽出するデータ放送内容特定部と、前記データ放送内容特定部で抽出した表示内容を表示させるための表示情報を生成する表示情報生成部と、前記表示情報生成部で生成した表示情報を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のコンテンツ配信装置は、複数のTV受信機に放送ネットワークを介して接続され、前記複数のTV受信機をそれぞれ識別する識別情報を、データ放送として表示させるデジタル表示情報の項目に基づいて複数のグループに分類したTV受信機分類情報と、前記グループごとに設定された表示対象の前記デジタル表示情報の項目である表示項目情報と、前記デジタル表示情報の項目ごとの表示内容とを記憶した記憶部と、前記記憶部から前記TV受信機分類情報、前記表示項目情報、および前記項目ごとの表示内容を取得し、各前記TV受信機において自身で記憶している自TV受信機の識別情報に該当するグループを特定させ、この特定されたグループに対応するデータ放送の表示情報の項目を前記表示項目情報に基づいて特定させ、この特定された表示情報の項目に対応する表示内容を前記項目ごとの表示内容から抽出させ、この表示内容に基づいた表示情報を生成して表示させるために、前記複数のTV受信機に配信する配信部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のコンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信装置によれば、TV受信機毎にデータ放送の表示内容を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態によるコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるコンテンツ配信システムに利用されるTV受信機の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるコンテンツ配信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の一実施形態によるコンテンツ配信システムに利用されるコンテンツ配信装置の設定情報記憶部に記憶される、(a)TV受信機分類テーブル、(b)表示項目格納テーブル、(c)表示観測局格納デーブル、および(d)お知らせ情報格納テーブルの一例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態によるコンテンツ配信システムに利用されるコンテンツ配信装置のデータ放送情報生成部で生成されるデータ放送情報を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態によるコンテンツ配信システムに利用されるTV受信機の表示部に放送番組情報およびデータ放送が表示された状態を示す画面表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〈一実施形態によるコンテンツ配信システムの構成〉
本発明の一実施形態によるコンテンツ配信システムの構成を、図1を参照して説明する。
【0014】
本実施形態によるコンテンツ配信システム1は、コンテンツ配信装置10と、コンテンツ配信装置10に接続された操作端末20と、コンテンツ配信装置10に放送ネットワーク30を介して接続された各TV受信機40−1〜40−mとから構成される。TV受信機40−1〜40−mは、データ放送として表示させたいデジタル表示情報の項目に基づいてグループに分類されており、ここではTV受信機40−1および40−2がクループAに分類され、TV受信機40−3および40−4がグループBに分類され、TV受信機40−mがグループNに分類されるものとする。
【0015】
コンテンツ配信装置10は、データ放送情報管理部11と、放送番組情報取得部12と、配信部13とを有する。
【0016】
データ放送情報管理部11は、データ放送の画面表示を制御するBMLプログラム情報を記憶したBMLプログラム記憶部111と、上述したグループごとの設定情報を外部の操作端末20から取得する設定情報取得部112と、設定情報取得部112で取得された設定情報を記憶する設定情報記憶部113と、外部の観測局に設置されたテレメータ等から河川に関する観測情報や道路に関する観測情報等の環境に関する情報を取得する観測情報取得部114と、BMLプログラム記憶部111に記憶したBMLプログラムと設定情報記憶部113に記憶したグループごとの設定情報と観測情報取得部114で取得した観測情報とからデータ放送に関するデータ放送情報を生成するデータ放送情報生成部115とを有する。
【0017】
ここで設定情報取得部112で取得される設定情報には、上述したように複数のTV受信機をグループ別に分類した情報であるTV受信機分類情報、これらのグループごとに設定された、表示対象のデジタル表示情報の項目である表示項目情報、これらのグループごとに設定された、表示対象の観測局を示す情報である表示観測局情報、グループごとの警報や注意報などの表示情報であるお知らせ情報、グループごとのデータ放送の背景に用いる背景画像情報等が含まれる。また、観測情報取得部114で取得される河川に関する観測情報としては、河川における雨量、水位、積雪量、潮位などがあり、道路に関する観測情報としては、道路における雨量、積雪量、風向、風速、気温、路温などがある。
【0018】
放送番組情報取得部12は、放送番組の本編の表示情報である放送番組コンテンツ情報を取得する。
【0019】
配信部13は、データ放送情報生成部115で生成されたデータ放送情報を、放送番組情報取得部12から放送番組コンテンツ情報に多重化し、これらを放送規格によるフォーマットに変換して配信情報として放送ネットワーク30を介して各TV受信機40−1〜40−4に配信する。
【0020】
操作端末20は、放送する情報を管理する管理者により操作されるものであり、各グループの設定情報を入力して設定情報取得部112に送信する。
【0021】
放送ネットワーク30は、当該コンテンツ配信システム1がビル内の共聴システムで利用される場合にはRF信号分配器と同軸ケーブルで構成され、一般ユーザが視聴するTV受信機に対しては地上波の電波が利用されて構成される。
【0022】
各TV受信機40−1〜40−mの詳細な構成を図2に示す。TV受信機40−1〜40−mは、識別情報記憶部41と、配信情報取得部42と、データ放送内容特定部43と、表示情報生成部44と、表示部45とを有する。
【0023】
識別情報記憶部41は、自TV受信機の識別情報を記憶する。この識別情報としては、B−CADカードID、TV受信機毎に設定されたU−REGの値等が利用可能である。
【0024】
配信情報取得部42は、コンテンツ配信装置10の配信部13から配信された配信情報を、放送ネットワーク30を介して取得する。
【0025】
データ放送内容特定部43は、配信情報取得部42で取得した配信情報のデータ放送情報から、識別情報記憶部41に記憶した自TV受信機の識別情報に該当するグループを特定した後、この特定したグループに対応するデジタル表示情報の項目を特定し、さらにこの特定したグループおよびデジタル表示情報の項目に対応する観測情報を抽出する。またデータ放送内容特定部43は、配信情報取得部42で取得した配信情報のデータ放送情報から、特定したグループに対応するお知らせ情報および背景画像情報を特定する。
【0026】
表示情報生成部44は、データ放送内容特定部43で特定したデジタル表示情報の項目および抽出した観測情報、お知らせ情報、および背景画像情報と、放送番組情報とから、BMLプログラムに基づいて表示情報を生成する。
【0027】
表示部45は、モニタであり、表示情報生成部44で生成された表示情報を表示する。
【0028】
〈一実施形態によるコンテンツ配信システムの動作〉
次に、本実施形態によるコンテンツ配信システム1により、各TV受信機にデータ放送を表示するときの処理動作について図3のシーケンス図を参照して説明する。
【0029】
まず、管理者により操作端末20が用いられ、データ放送として表示させたいデジタル表示情報の項目に基づいてTV受信機40−1〜40−mをグループA〜Nに分類する分類情報と、これらのグループごとのデータ放送の表示情報項目と、グループごとの表示観測局情報と、グループごとの警報や注意報などの表示情報であるお知らせ情報と、グループごとのデータ放送の背景に用いる背景画像情報とが入力される。
【0030】
このとき、TV受信機40−1〜40−mをグループ別に分類する分類情報は、各TV受信機に予め設定された識別情報を用いて入力される。本実施形態においては、TV受信機40−1には識別情報a-1、TV受信機40−2には識別情報a-2、TV受信機40−3には識別情報b-1、TV受信機40−4には識別情報b-2、TV受信機40−mには識別情報nが予め設定されているものとする。
【0031】
操作端末20から入力されたTV受信機40−1〜40−mの分類情報、グループごとのデータ放送の表示情報項目、表示観測局情報、お知らせ情報、および背景画像情報は、コンテンツ配信装置10に送信される。
【0032】
コンテンツ配信装置10では、操作端末20から送信されたTV受信機40−1〜40−mの分類情報およびグループごとのデータ放送の表示情報項目、表示観測局情報、お知らせ情報、および背景画像情報が設定情報取得部112で受信され(S1)、設定情報記憶部113に記憶される(S2)。
【0033】
設定情報記憶部113では、TV受信機40−1〜40−mの分類情報は(a)TV受信機分類テーブルに格納され、グループごとのデータ放送の表示情報項目は(b)表示項目格納テーブルに格納され、グループごとの表示観測局情報は(c)表示観測局格納デーブルに格納され、グループごとのお知らせ情報は(d)お知らせ情報格納テーブルに格納されることで記憶される。これらの(a)TV受信機分類テーブル、(b)表示項目格納テーブル、(c)表示観測局格納デーブル、(d)お知らせ情報格納テーブルの一例を、図4に示す。
【0034】
図4(a)はTV受信機分類テーブルの一例であり、TV受信機40−1(識別情報a-1)およびTV受信機40−2(識別情報a-2)がクループAに分類され、TV受信機40−3(識別情報b-1)およびTV受信機40−4(識別情報b-2)がグループBに分類され、TV受信機40−m(識別情報n)がグループNに分類された情報が格納されている。
【0035】
また図4(b)は表示項目格納テーブルの一例であり、下記の表1に示す大項目の「河川に関する観測情報」および「道路に関する観測情報」の中の中項目および小項目から選択された項目が格納されている。
【表1】

【0036】
図4(b)においては、各グループのデータ放送が表Iおよび表IIの2つの表で表示される場合の情報が格納されており、グループAの河川に関する観測情報を表示する表Iの中項目として「水位」、小項目(1)として「河川水位」、小項目(2)として「上昇下降」、表IIの中項目として「雨量」、小項目(1)として「10分雨量」、小項目(2)として「時間雨量」が格納され、グループBの河川に関する観測情報を表示する表Iの中項目として「ダム諸量」、小項目(1)として「貯水量」、小項目(2)として「放流量」、表IIの中項目として「水位」、小項目(1)として「河川水位」、小項目(2)として「上昇下降」が格納され、グループNの道路に関する観測情報を表示する表Iの中項目として「規制」、小項目(1)として「路線名称」、表IIの中項目として「気温」、小項目(1)として「路面状態」が格納されている。
【0037】
また図4(c)は表示観測局格納デーブルの一例であり、グループごとにデータ放送で表示対象となる観測局が「1」で示され、グループAのデータ放送で表示対象となる観測局が観測局(1)および観測局(2)であり、グループBのデータ放送で表示対象となる観測局が観測局(2)であり、グループNのデータ放送で表示対象となる観測局が観測局(1)および観測局(2)である情報が格納されている。
【0038】
また図4(d)はお知らせ情報格納テーブルの一例であり、グループごとにデータ放送で表示されるテキスト情報によるお知らせ情報が格納されており、グループAのお知らせ情報として「○○○にご注意ください。」、グループBのお知らせ情報として「×××にご注意ください。」、グループCのお知らせ情報として「△△△にご注意ください。」が格納されている。
【0039】
また、コンテンツ配信装置10では、データ放送情報管理部11の観測情報取得部114において、外部の複数の観測局に設置されたテレメータ等から、河川や道路に関する上記の表1の小項目に示す観測情報が、所定時間間隔(例えば1分間隔)で取得される(S3)。
【0040】
次にコンテンツ配信装置10のデータ放送情報管理部11のデータ放送情報生成部115において、設定情報記憶部113に記憶されたTV受信機40−1〜40−mの分類情報およびグループごとのデータ放送の表示情報項目、表示観測局情報、お知らせ情報、および背景画像情報と、観測情報取得部114において取得された最新の観測情報とから、データ放送を表示させるためのデータ放送情報が生成される(S4)。
【0041】
データ放送情報生成部115において生成されたデータ放送情報の一例を、図5に示す。このデータ放送情報には、BMLプログラム記憶部111に記憶したBMLプログラムと、設定情報記憶部113に記憶したTV受信機分類テーブル、表示項目格納テーブル、表示観測局格納テーブル、各グループの背景画像データ、およびお知らせ情報格納テーブルと、観測情報取得部114で取得した各観測局における各項目ごとの最新の観測情報とが含まれている。
【0042】
次にコンテンツ配信装置10の配信部13において、放送番組情報取得部12で取得された放送番組の本編の表示情報である放送番組コンテンツ情報にデータ放送情報生成部115で生成されたデータ放送情報が多重化され、これらが配信情報として放送ネットワーク30を介して各TV受信機40−1〜40−mに配信される(S5)。
【0043】
このときデータ放送情報は、各放送局においてデータ放送用に割り当てられている帯域を利用して配信される。またデータ放送情報は一度配信されれば完了というわけではなく、観測情報やお知らせ情報がいつでも表示可能となるように一定周期で配信し続けられる。
【0044】
このようにしてコンテンツ配信装置10から放送ネットワーク30を介して配信された配信情報は、各TV受信機40−1〜40−mの配信情報取得部42において取得される(S6)。
【0045】
各TV受信機40−1〜40−mの配信情報取得部42において配信情報が取得されると、データ放送内容特定部43においてこの配信情報のデータ放送情報に含まれるTV受信機分類テーブルが参照され、自TV受信機の識別情報記憶部41に記憶されている識別情報に該当するグループが特定される。
【0046】
例えば、TV受信機40−1のデータ放送内容特定部43においては、図4(a)のTV受信機分類テーブルが参照されることにより、識別情報記憶部41に記憶されている識別情報a-1に該当するグループとしてグループAが特定される。
【0047】
自TV受信機の識別情報に該当するグループが特定されると、データ放送内容特定部43においてさらに配信情報のデータ放送情報に含まれる表示項目格納テーブルが参照され、特定されたグループに該当する表示項目が特定される。
【0048】
例えば、TV受信機40−1のデータ放送内容特定部43においては、図4(b)の表示項目格納テーブルが参照されることにより、グループAの河川に関する観測情報を表示する表示項目として、表Iの中項目「水位」、小項目(1)「河川水位」、小項目(2)「上昇下降」、表IIの中項目「雨量」、小項目(1)「10分雨量」、小項目(2)「時間雨量」が特定される。
【0049】
特定されたグループに該当する表示項目が特定されると、データ放送内容特定部43においてさらに配信情報のデータ放送情報に含まれる表示観測局格納テーブルが参照されて特定されたグループに該当する表示対象の観測局が特定され、データ放送情報の中から既に特定された表示項目のうち当該観測局で観測された情報が抽出される。
【0050】
例えば、TV受信機40−1のデータ放送内容特定部43においては、図4(c)の表示観測局格納テーブルが参照されてグループAの表示対象の観測局として観測局(1)および観測局(2)が特定され、データ放送の中から既に特定された河川に関する観測情報の中項目「水位」の小項目(1)「河川水位」、小項目(2)「上昇下降」、中項目「雨量」の小項目(1)「10分雨量」、小項目(2)「時間雨量」の観測情報のうち観測局(1)および観測局(2)で観測された観測情報が抽出される。
【0051】
またデータ放送内容特定部43においてさらに、配信情報のデータ放送情報に含まれるお知らせ情報格納テーブルが参照され、特定されたグループに該当する表示対象のお知らせ情報が特定される。
【0052】
例えば、TV受信機40−1のデータ放送内容特定部43においては、図4(d)のお知らせ情報格納テーブルが参照されてグループAの表示対象のお知らせ情報「○○○にご注意ください。」が特定される。
【0053】
またデータ放送内容特定部43においてさらに、配信情報のデータ放送情報に含まれる背景画像情報の中から、特定されたグループに該当する背景画像情報が特定される(S7)。
【0054】
このようにして観測情報が抽出され、またお知らせ情報および背景画像情報が特定されると、表示情報生成部44においてデータ放送情報に含まれるBMLプログラムに基づいて、これらの情報から表示情報が生成される(S8)。生成された表示情報は、ユーザによりデータ放送情報の表示が指示されると表示部45に表示される(S9)。
【0055】
表示部45に表示された表示情報の一例として、グループAに該当するTV受信機の表示部45に表示された表示情報を図6に示す。図6において表示部45の表示画面450には、特定されたグループAの背景画像情報に基づいて放送番組情報を表示する放送番組表示エリア451と、表Iを表示する表I表示エリア452と、表IIを表示する表II表示エリア453と、お知らせ情報を表示するお知らせ情報表示エリア454が配置されて表示情報が表示されている。
【0056】
表I表示エリア452には、グループAの表Iに表示させる観測情報としてデータ放送内容特定部43で抽出された、観測局(1)および観測局(2)の「水位」の「河川水位」および「上昇下降」の観測情報が表示される。
【0057】
また、表II表示エリア453には、グループAの表IIに表示させる観測情報としてデータ放送内容特定部43で抽出された、観測局(1)および観測局(2)の「雨量」の「10分雨量」および「時間雨量」の観測情報が表示される。
【0058】
また、お知らせ情報表示エリア454には、グループAのお知らせ情報として特定された「○○○にご注意ください。」が表示される。
【0059】
以上説明したように、予め表示したいデータ放送の内容に基づいてTV受信機をグループ別に分類し、このグループごとにデータ放送の表示内容を設定しておくことで、TV受信機ごとにデータ放送の表示内容を設定することができ、またTVを視聴するユーザは何の設定操作も行うことなく所望の内容のデータ放送を表示させることができる。
【0060】
このコンテンツ配信システムを利用することにより、例えばドライブインに設置するTV受信機において近隣の道路状況を表示させたりすることができる。
【符号の説明】
【0061】
1…コンテンツ配信システム
10…コンテンツ配信装置
11…データ放送情報管理部
12…放送番組情報取得部
13…配信部
20…操作端末
30…放送ネットワーク
40−1〜40−m…TV受信機
41…識別情報記憶部
42…配信情報取得部
43…データ放送内容特定部
44…表示情報生成部
45…表示部
111…BMLプログラム記憶部
112…設定情報取得部
113…設定情報記憶部
114…観測情報取得部
115…データ放送情報生成部
450…表示画面
451…放送番組表示エリア
452…表示エリア
453…表示エリア
454…情報表示エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ配信装置と複数のTV受信機とが放送ネットワークを介して接続されたコンテンツ配信システムにおいて、
前記コンテンツ配信装置は、
前記複数のTV受信機をそれぞれ識別する識別情報を、データ放送として表示させるデジタル表示情報の項目に基づいて複数のグループに分類したTV受信機分類情報と、前記グループごとに設定された表示対象の前記デジタル表示情報の項目である表示項目情報と、前記デジタル表示情報の項目ごとの表示内容とを記憶した記憶部と、
前記記憶部から前記TV受信機分類情報、前記表示項目情報、および前記項目ごとの表示内容を取得し、前記ネットワークを介して前記複数のTV受信機に配信する配信部と、
を備え、
TV受信機は、
自TV受信機の識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
前記配信部から配信されたTV受信機分類情報に基づいて前記識別情報記憶部に記憶した自TV受信機の識別情報が該当するグループを特定した後、この特定したグループに対応するデータ放送の表示情報の項目を、前記配信部から配信された表示項目情報に基づいて特定し、この特定した表示情報の項目に対応する表示内容を、前記配信部から配信された項目ごとの表示内容から抽出するデータ放送内容特定部と、
前記データ放送内容特定部で抽出した表示内容を表示させるための表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報生成部で生成した表示情報を表示する表示部と
を備えることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
前記コンテンツ配信装置は、前記デジタル表示情報の項目ごとの表示内容として、複数の観測局における環境に関する観測情報を所定時間間隔で取得する観測情報取得部をさらに有し、
前記コンテンツ配信装置の記憶部は、前記表示項目情報において前記デジタル表示情報の項目として前記観測情報の項目を記憶するとともに、前記グループごとに設定された表示対象の観測局を示す表示観測局情報をさらに記憶し、
前記コンテンツ配信装置の配信部は、前記表示観測局情報をさらに取得して前記複数のTV受信機に配信し、
前記TV受信機のデータ放送内容特定部は、前記特定したグループに対応する観測局を前記表示観測局情報から特定し、前記表示情報の項目として特定された観測情報の項目のうち、特定された観測局の観測情報を前記表示内容として抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項3】
複数のTV受信機に放送ネットワークを介して接続されたコンテンツ配信装置において、
前記複数のTV受信機をそれぞれ識別する識別情報を、データ放送として表示させるデジタル表示情報の項目に基づいて複数のグループに分類したTV受信機分類情報と、前記グループごとに設定された表示対象の前記デジタル表示情報の項目である表示項目情報と、前記デジタル表示情報の項目ごとの表示内容とを記憶した記憶部と、
前記記憶部から前記TV受信機分類情報、前記表示項目情報、および前記項目ごとの表示内容を取得し、
各前記TV受信機において自身で記憶している自TV受信機の識別情報に該当するグループを特定させ、この特定されたグループに対応するデータ放送の表示情報の項目を前記表示項目情報に基づいて特定させ、この特定された表示情報の項目に対応する表示内容を前記項目ごとの表示内容から抽出させ、この表示内容に基づいた表示情報を生成して表示させるために、前記複数のTV受信機に配信する配信部と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項4】
前記デジタル表示情報の項目ごとの表示内容として、複数の観測局における環境に関する観測情報を所定時間間隔で取得する観測情報取得部をさらに有し、
前記記憶部は、前記表示項目情報において前記デジタル表示情報の項目として前記観測情報の項目を記憶するとともに、前記グループごとに設定された表示対象の観測局を示す表示観測局情報をさらに記憶し、
前記配信部は、前記表示観測局情報をさらに取得して、各前記TV受信において前記特定したグループに対応する観測局を前記表示観測局情報から特定させ、前記表示情報の項目として特定された観測情報の項目のうち、特定された観測局の観測情報を前記表示内容として抽出させるために、前記複数のTV受信機に配信する
ことを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−192970(P2010−192970A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32472(P2009−32472)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】