説明

コンデンサ素子の製造方法、及び、それに使用される配列装置

【課題】コンデンサ素子を製造する過程において陽極体に反りが発生し難い製造方法を提供することである。
【解決手段】本発明に係る製造方法は、コンデンサ素子を製造する方法である。ここで、該製造方法は、配置工程と、焼成工程とを有している。配置工程は、金属粉末から形成された直方体状の粉末成形体21と、該粉末成形体21の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面211,212とは異なる外周面213に植立された陽極リード12とを有する陽極形成体20を、焼成台40の載置面41上に、該載置面41に接触させ又は該載置面41から離間させて配置する工程であって、該配置工程では、陽極形成体20を、その粉末成形体21の平面211,212を載置面41に対して略垂直に立てた姿勢で該載置面41上に配置する。焼成工程では、配置工程の実行後、陽極形成体20を焼成して陽極焼結体を作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサ素子の製造方法、及び、それに使用される配列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサ素子の内、リードタイプのコンデンサ素子は、直方体状の陽極体に陽極リードを植立して構成された陽極焼結体と、該陽極焼結体の陽極体の外周面に形成された誘電体層と、該誘電体層の外周面に形成された電解質層と、該電解質層の外周面に形成された陰極層とを具えている(例えば、特許文献1参照)。陽極リードは、陽極体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立されている。
【0003】
陽極焼結体は、図15に示す陽極形成体(300)を焼成することにより作製されるものである。ここで、陽極形成体(300)は、図15に示す様に、金属粉末から形成された直方体状の粉末成形体(310)と、該粉末成形体(310)の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面(311)(312)とは異なる外周面(313)に植立された陽極リード(320)とから構成されている。
【0004】
陽極形成体(300)を焼成する場合、図15に示す様に、陽極形成体(300)は、焼成装置内に配備されている焼成台(340)の載置面(341)に載置される。従来、陽極形成体(300)は、粉末成形体(310)の2つの平面(311)(312)の内、一方の平面(312)を焼成台(340)の載置面(341)に面接触させた姿勢で載置面(341)に配置されていた。
【0005】
しかしながら、図15に示す態様(以下、態様1という)では、載置面(341)への陽極形成体(300)の配列に手間がかかり、又、載置面(341)に配列することが出来る陽極形成体(300)の数が少なくなる。このため、コンデンサ素子の製造コストが増大していた。そこで、将棋崩しの駒の如く、載置面(341)に数十〜数百個の陽極形成体(300)をランダムに重ねた状態で配置(以下、態様2という)して、陽極形成体(300)を焼成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−91784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
陽極形成体(300)を上記態様1の如く配置して焼成した場合、陽極形成体(300)の粉末成形体(310)において、焼成台(340)の載置面(341)に接触した平面(312)に与えられる熱量と、焼成装置内の雰囲気に接する平面(311)に与えられる熱量との間に差が生じる。このため、2つの平面(311)(312)の熱収縮率が互いに異なり、その結果、図16に示す様に、粉末成形体(310)が焼結して形成された陽極体(350)に、平面(351)(352)が湾曲した反りが発生していた。
【0008】
又、陽極形成体(300)を上記態様2の如く配置して焼成した場合、陽極形成体(300)がランダムに積み重なっているため、粉末成形体(310)の2つの平面(311)(312)に与えられる熱量に差が生じ、又、陽極形成体(300)の粉末成形体(310)の平面(311)(312)には、その上に積み重なった別の陽極形成体(300)の重力が不均一に加わる。このため、粉末成形体(310)が焼結して形成された陽極体(350)には、上記態様1の配置で作製された陽極体(350)よりも大きな反りが発生していた。
更に、陽極形成体(300)の陽極リード(320)が、別の陽極形成体(300)の粉末成形体(310)や陽極リード(320)と接触するため、陽極リード(320)に曲がりが発生していた。
【0009】
従来、コンデンサ素子に使用される陽極焼結体の陽極体は、その厚さ寸法が0.8mm以上であり、上記態様2の配置で作製された陽極体の反り量は5μm程度であった。このため、陽極体の厚さ寸法に対する反り量の比率(反り率)は0.6%程度であった。
【0010】
一方、近年では、薄型化されたコンデンサ素子の需要が高まっている。このため、該コンデンサ素子に使用する陽極焼結体として、陽極体の厚さ寸法が小さいものを作製する必要が生じている。
【0011】
しかしながら、陽極体の厚さ寸法が小さい陽極焼結体を従来の製造方法を用いて作製すると、陽極体の反り量が大きくなって、陽極体の反り率が大きくなる問題があった。具体的には、陽極体の厚さ寸法が0.65mm以下であって上記態様2の配置で作製された陽極焼結体においては、陽極体の反り量が45μm以上となり、従って陽極体の反り率が7%を超えていた。
【0012】
陽極焼結体の陽極体の反り率が大きくなると、陽極焼結体をパーツフィーダによって搬送する場合、パーツフィーダの搬送路に陽極焼結体が詰まる虞がある。
又、コンデンサ素子の陰極層を導電性接着剤等により陰極リードフレームに電気的に接続した場合、陰極層と陰極リードフレームとの間に接着不良が生じ、このためESR(等価直列抵抗)が増大する虞がある。更に、陽極リードフレーム、陰極リードフレーム、コンデンサ素子を外装樹脂によって被覆するモールド工程において、陽極リードフレーム、陰極リードフレーム、コンデンサ素子を金型内に入れて、溶融している外装樹脂液を金型に注入して固化させた場合、コンデンサ素子の反りが原因で誘電体層が外装樹脂液によって損傷し、LC(漏れ電流)が悪化する虞がある。
【0013】
そこで本発明の目的は、コンデンサ素子用の陽極焼結体を製造する過程において陽極体に反りが発生し難い製造方法、及び該製造方法に使用される配列装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る第1の製造方法は、コンデンサ素子を製造する方法である。コンデンサ素子は、直方体状の陽極体に陽極リードを植立して構成された陽極焼結体と、前記陽極体の外周面に形成された誘電体層と、該誘電体層の外周面に形成された電解質層とを具え、前記陽極リードは、前記陽極体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立されている。
ここで、上記第1の製造方法は、配置工程と、焼成工程とを有している。配置工程は、金属粉末から形成された直方体状の粉末成形体と、該粉末成形体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立された陽極リードとを有する陽極形成体を、焼成台の載置面上に、該載置面に接触させ又は該載置面から離間させて配置する工程であって、該配置工程では、前記陽極形成体を、その粉末成形体の前記平面を前記載置面に対して略垂直に立てた姿勢で該載置面上に配置する。焼成工程では、前記配置工程の実行後、前記陽極形成体を焼成して前記陽極焼結体を作製する。
【0015】
上記第1の製造方法においては、陽極形成体は、その粉末成形体の平面を焼成台の載置面に対して略垂直に立てた姿勢で焼成される。従って、焼成工程において粉末成形体の2つの平面に与えられる熱量の差が小さくなる。よって、陽極形成体において、粉末成形体の2つの平面の熱収縮率の差が小さくなり、その結果、粉末成形体が焼結して形成された陽極体には、前記平面が湾曲した反りが発生し難い。
【0016】
本発明に係る第2の製造方法は、コンデンサ素子を製造する方法である。コンデンサ素子は、直方体状の陽極体に陽極リードを植立して構成された陽極焼結体と、前記陽極体の外周面に形成された誘電体層と、該誘電体層の外周面に形成された電解質層とを具え、前記陽極リードは、前記陽極体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立されている。
ここで、上記第2の製造方法は、配置工程と、焼成工程とを有している。配置工程は、金属粉末から形成された直方体状の粉末成形体と、該粉末成形体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立された陽極リードとを有する陽極形成体を、焼成台の載置面上に配置する工程であって、該配置工程では、前記焼成台の載置面に接触させ又は該載置面から離間させて配置することが可能であって且つ前記陽極形成体を複数収容することが可能な収容具を用いて、該収容具に陽極形成体を複数装填して配列することにより、該陽極形成体を、その粉末成形体の前記平面を前記収容具の素子載置面に対して略垂直に立てた姿勢で配置する。焼成工程では、前記配置工程の実行後、前記陽極形成体を焼成して前記陽極焼結体を作製する。
【0017】
上記第2の製造方法においては、陽極形成体は、その粉末成形体の平面を収容具の素子載置面に対して略垂直に立てた姿勢で焼成される。従って、焼成工程において粉末成形体の2つの平面に与えられる熱量の差が小さくなる。よって、陽極形成体において、粉末成形体の2つの平面の熱収縮率の差が小さくなり、その結果、粉末成形体が焼結して形成された陽極体には、前記平面が湾曲した反りが発生し難い。
【0018】
上記第2の製造方法の具体的構成において、前記収容具は、前記陽極形成体の粉末成形体を形成する金属粉末と同じ金属から形成されている。
該具体的構成によれば、該粉末成形体を形成している金属粉末とは別の種類の金属が、焼成時に収容具から粉末成形体へ侵入することが防止される。
【0019】
本発明に係る配列装置は、金属粉末から形成された直方体状の粉末成形体と、該粉末成形体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立された陽極リードとを有する陽極形成体を、該陽極形成体を複数収容することが可能な収容具に複数装填して配列する装置である。
ここで、上記配列装置は、搬送装置と、下流側シャッタと、上流側シャッタと、収容装置とを具えている。搬送装置は、前記陽極形成体を所定の方向へ搬送する搬送面を有し、該搬送面の下流域には下流側へ低く傾斜した傾斜面が形成されており、該傾斜面上を滑り落ちた陽極形成体を搬送面の下流端から排出する。下流側シャッタは、前記傾斜面上に設置され、前記陽極形成体が傾斜面に沿って移動することを阻止する閉じ位置と、前記陽極形成体を通過させる開き位置との間で移動可能である。上流側シャッタは、前記傾斜面上であって且つ前記下流側シャッタの上流側に設置され、前記陽極形成体が傾斜面に沿って移動することを阻止する閉じ位置と、前記陽極形成体を通過させる開き位置との間で移動可能である。収容装置は、前記収容具を、搬送面の下流端側にて一方向に移動させる。
【0020】
上記配列装置においては、陽極形成体は、搬送装置によって搬送されて傾斜面に到達した後、傾斜面を滑り落ちることにより搬送面の下流端から排出される。このとき、上流側シャッタの開閉と下流側シャッタの開閉とを交互に実行することにより、搬送面の下流端からは、陽極形成体が1つずつ排出されることになる。よって、搬送面の下流端から排出された陽極形成体は、収容具に1つずつ装填されることになる。ここで、収容装置において収容具を一方向に移動させることにより、収容具には、該収容具のスライド方向(一方向)とは逆側に複数の陽極形成体が1つずつ順次装填されていき、その結果、複数の陽極形成体が一列に配列されることになる。
【0021】
上記配列装置の具体的構成において、前記搬送面には、前記陽極形成体の姿勢を該陽極形成体の陽極リードの先端部を上流側に向けた姿勢に規定するガイド溝が形成されている。
該具体的構成によれば、搬送面上の複数の陽極形成体は、各陽極形成体の陽極リードの先端部を上流側に向けて一列に並ぶことになる。従って、収容具には、陽極形成体が同じ姿勢で1つずつ装填されることになる。よって、収容具に装填された複数の陽極形成体は、同じ姿勢で一列に配列されることになる。
【0022】
より具体的な構成において、前記上流側シャッタは一対の突起部を有し、該一対の突起部は、上流側シャッタが閉じ位置に設定されたとき、下流側シャッタによって傾斜面に沿って移動することが阻止された陽極形成体の陽極リードの両側に設置されるべき位置を有する。
上記配列装置において下流側シャッタが閉じ位置に設定されると、該下流側シャッタによって陽極形成体の移動が阻止されると共に、該陽極形成体の陽極リードには、上流側に位置する陽極形成体の粉末成形体が接触することになる。この様な状況において上流側シャッタが閉じ位置に設定された場合でも、下流側シャッタによって移動が阻止された陽極形成体の陽極リードには、その両側に上流側シャッタの一対の突起部が位置することになるので、上流側シャッタが接触することがない。従って、陽極形成体の陽極リードは、上流側シャッタによって傷付けられることがない。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るコンデンサ素子の製造方法によれば、陽極焼結体を製造する過程において陽極体に反りが発生し難い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法によって作製される陽極焼結体を示す斜視図である。
【図2】図2は、該陽極焼結体を用いて作製されるコンデンサ素子を示す断面図である。
【図3】図3は、上記製造方法の形成体作製工程を説明する斜視図である。
【図4】図4は、上記製造方法の配列工程を説明する斜視図である。
【図5】図5は、上記製造方法の配置工程を説明する斜視図である。
【図6】図6は、上記配列工程において使用される配列装置を示す上面図である。
【図7】図7は、図6に示されるA−A線に沿う断面図であり、上流側及び下流側シャッタの第1設定状態を説明する図である。
【図8】図8は、図6に示されるA−A線に沿う断面図であり、上流側及び下流側シャッタの第2設定状態を説明する図である。
【図9】図9は、図6に示されるA−A線に沿う断面図であり、上流側及び下流側シャッタの第3設定状態を説明する図である。
【図10】図10は、図6に示されるA−A線に沿う断面図であり、上流側及び下流側シャッタの第4設定状態を説明する図である。
【図11】図11は、図6に示されるA−A線に沿う断面図であり、上流側及び下流側シャッタの第1設定状態を説明する図である。
【図12】図12は、上記配列工程において使用することが可能な金属製ジグを示す斜視図である。
【図13】図13は、上記配列工程実行後の金属製ジグの状態を説明する斜視図である。
【図14】図14は、上記配置工程の変形例を説明する断面図である。
【図15】図15は、陽極焼結体となる陽極形成体を焼成するときの該陽極形成体の従来の姿勢を示す斜視図である。
【図16】図16は、陽極体に反りが発生した陽極焼結体を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るコンデンサ素子の製造方法、及び、それに使用される配列装置の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1は、本実施形態に係る製造方法によって作製される陽極焼結体を示す斜視図である。図1に示す様に、陽極焼結体(10)は、直方体状の陽極体(11)と、該陽極体(11)の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面(111)(112)とは異なる外周面(113)に植立された陽極リード(12)とから構成されている。
【0026】
陽極体(11)は、弁作用金属の粉末から形成された多孔質焼結体により構成されている。ここで、弁作用金属にはタンタルが使用されている。陽極体(11)を形成する弁作用金属には、タンタル以外の金属、例えば、ニオブ、チタン、アルミニウム等、種々の金属を使用することが可能である。陽極体(11)の厚さ寸法、即ち2つの平面(111)(112)間の距離は、0.65mm以下である。
【0027】
陽極リード(12)は、その基端部(122)が陽極体(11)内に埋設される一方、先端部(121)が陽極体(11)の外周面(113)から外部に引き出されている。陽極リード(12)は、弁作用金属から形成されて陽極体(11)に電気的に接続されている。陽極リード(12)を形成する弁作用金属には、陽極体(11)を形成する弁作用金属と同種の金属、即ちタンタルが使用されている。陽極リード(12)を形成する弁作用金属には、陽極体(11)を形成する弁作用金属とは別の種類の金属が使用されてもよい。
【0028】
図2は、上記陽極焼結体(10)を用いて作製されるコンデンサ素子を示す断面図である。図2に示す様に、コンデンサ素子(1)は、陽極焼結体(10)と、該陽極焼結体(10)の陽極体(11)の外周面に形成された誘電体層(13)と、該誘電体層(13)の外周面に形成された電解質層(14)と、該電解質層(14)の外周面に形成された陰極層(15)とを具えている。
【0029】
誘電体層(13)は、陽極体(11)の6つの外周面に形成された酸化被膜から構成されている。該酸化被膜は、陽極体(11)をリン酸水溶液やアジピン酸水溶液等の電解溶液に浸漬させて、陽極体(11)の表面を電気化学的に酸化させることにより形成される。
【0030】
電解質層(14)は、誘電体層(13)の外周面に、二酸化マンガン等の導電性無機材料、TCNQ(Tetracyano-quinodimethane)錯塩、導電性ポリマー等の導電性有機材料を用いて形成されている。
【0031】
図示していないが、陰極層(15)は、電解質層(14)の外周面に形成されたカーボン層と、該カーボン層上に形成されてカーボン層に電気的に接続された銀ペースト層とを含んでいる。
【0032】
次に、上記陽極焼結体(10)の製造方法について説明する。
図3は、陽極焼結体の製造方法の形成体作製工程を説明する斜視図である。図3に示す様に、先ず形成体作製工程において、陽極焼結体(10)と成る陽極形成体(20)を作製する。ここで、陽極形成体(20)は、タンタル粉末から形成された直方体状の粉末成形体(21)と、該粉末成形体(21)の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面(211)(212)とは異なる外周面(213)に植立された陽極リード(12)とから構成されている。粉末成形体(21)は、タンタル粉末を金型内に充填して押し固めることによって成形される。
【0033】
図4は、陽極焼結体の製造方法の配列工程を説明する斜視図である。該配列工程は、形成体作製工程の後に実行される。図4に示す様に、配列工程では、先ず陽極形成体(20)を複数収容することが可能な金属製トレイ(3)を用意する。ここで、金属製トレイ(3)は、陽極形成体(20)の粉末成形体(21)を形成する金属粉末と同じ金属、即ちタンタルから形成されている。
【0034】
続いて、金属製トレイ(3)にその入口(32)から、複数の陽極形成体(20)〜(20)を、それらの陽極リード(12)〜(12)を金属製トレイ(3)の底部(31)とは逆側に向けて装填する。このとき、複数の陽極形成体(20)〜(20)は、平面(211)(212)どうしを対向させて金属製トレイ(3)に並べられる。
これにより、図4に示す様に、金属製トレイ(3)には、複数の陽極形成体(20)〜(20)が同じ姿勢を維持した状態で一列に並ぶことになる。その結果、各陽極形成体(20)は、その粉末成形体(21)の2つの平面(211)(212)を金属製トレイ(3)の素子載置面(35)に対して略垂直に立てた姿勢で配置されることになる。
【0035】
図5は、陽極焼結体の製造方法の配置工程を説明する斜視図である。該配置工程は、配列工程の後に実行される。図5に示す様に、配置工程では、先ず金属製トレイ(3)を複数収容することが可能な金属製の焼成用ケース(4)を用意する。続いて、焼成用ケース(4)内に、複数の陽極形成体(20)〜(20)が収容された金属製トレイ(3)を、その底部(31)を焼成用ケース(4)の底部(42)に面接触させた姿勢で複数配置する。
【0036】
その後、焼成用ケース(4)を、焼成装置内に配備されている焼成台(40)の載置面(41)に載置する。このとき、焼成用ケース(4)は、その底部(42)を載置面(41)に面接触させた姿勢で配置される。ここで、載置面(41)は、略鉛直上方を向いて水平方向に拡がっている。従って、各陽極形成体(20)は、その粉末成形体(21)の2つ平面(211)(212)を載置面(41)に対して略垂直に立てると共に陽極リード(12)の先端部(121)を略鉛直上方に向けた姿勢で、該載置面(41)上に配置されることになる。
【0037】
配置工程の実行後、焼成工程が実行される。焼成工程では、焼成台(40)の載置面(41)上の雰囲気温度を1200℃〜1400℃まで上昇させて、載置面(41)上に配置されている複数の陽極形成体(20)〜(20)を焼成する。これにより、粉末成形体(21)が焼結して陽極体(11)が形成され、その結果、陽極体(11)と陽極リード(12)を有する陽極焼結体(10)が完成することになる。
【0038】
上記製造方法においては、各陽極形成体(20)は、その粉末成形体(21)の2つ平面(211)(212)を焼成台(40)の載置面(41)に対して略垂直に立てた姿勢で焼成される。又、各陽極形成体(20)は、その粉末成形体(21)の2つ平面(211)(212)を金属製トレイ(3)の素子載置面(35)に対して略垂直に立てた姿勢で焼成される。従って、焼成工程において粉末成形体(21)の2つの平面(211)(212)に与えられる熱量の差が小さくなる。よって、各陽極形成体(20)において、粉末成形体(21)の2つの平面(211)(212)の熱収縮率の差が小さくなり、その結果、粉末成形体(21)が焼結して形成された陽極体(11)には、平面(111)(112)が湾曲した反りが発生し難い。
【0039】
又、上記製造方法においては、各陽極形成体(20)は、その陽極リード(12)を略鉛直上方に向けた姿勢で焼成されるので、各陽極形成体(20)の陽極リード(12)が、別の陽極形成体(20)の粉末成形体(21)や陽極リード(12)と接触することがない。従って、陽極リード(12)には曲がりが生じ難い。
【0040】
更に、上記製造方法においては、金属製トレイ(3)が、陽極形成体(20)の粉末成形体(21)を形成する金属粉末と同じ金属、即ちタンタルから形成されている。従って、タンタルとは別の種類の金属が、焼成時に金属製トレイ(3)から粉末成形体(21)へ侵入することが防止される。
【0041】
次に、上記配列工程において使用される配列装置について説明する。
図6は、配列装置を示す上面図である。図7〜図11は、図6に示されるA−A線に沿う断面図であり、配列装置の動作を説明している。図6及び図7に示す様に、配列装置は、振動フィーダ等の搬送装置(61)と、下流側シャッタ(62)と、上流側シャッタ(63)と、収容装置(64)とを具えている。
【0042】
搬送装置(61)は、複数の陽極形成体(20)〜(20)を所定の方向(91)へ搬送する搬送面(611)を有し、該搬送面(611)の下流域には下流側へ低く傾斜した傾斜面(612)が形成されている。ここで、搬送面(611)には、所定の方向(91)に延びるガイド溝(613)が形成されており、搬送面(611)上の陽極形成体(20)は、ガイド溝(613)内を所定の方向(91)に移動する。このとき、陽極形成体(20)の姿勢は、ガイド溝(613)によって、該陽極形成体(20)の陽極リード(12)の先端部(121)を上流側に向けた姿勢に規定される。
従って、搬送面(611)上を所定の方向(91)に移動する複数の陽極形成体(20)〜(20)は、各陽極形成体(20)の陽極リード(12)の先端部(121)を上流側に向けて一列に並ぶことになる。
【0043】
搬送面(611)上を所定の方向(91)に移動する各陽極形成体(20)は、傾斜面(612)に到達した後、該傾斜面(612)に沿って滑り落ちて、陽極リード(12)の先端部(121)を上流側に向けた姿勢のまま搬送面(611)の下流端(614)から排出される。
【0044】
上記搬送装置(61)において、搬送面(611)の下流端(614)には、ガイド溝(613)の略中央位置に、上流側へ延びる切り欠き(615)が形成されている。従って、各陽極形成体(20)が搬送面(611)の下流端(614)から排出されるとき、上流側を向いた陽極リード(12)は切り欠き(615)の内側を通過することになる。よって、陽極リード(12)は、陽極形成体(20)の排出時に搬送面(611)に衝突することがなく、その結果、陽極リード(12)の破損や曲がりが防止されることになる。
【0045】
下流側シャッタ(62)は、傾斜面(612)上に設置され、陽極形成体(20)が傾斜面(612)に沿って移動することを図7に示す様に阻止する閉じ位置と、図8に示す様に陽極形成体(20)を通過させる開き位置との間で移動可能である。
【0046】
上流側シャッタ(63)は、傾斜面(612)上であって且つ下流側シャッタ(62)の上流側に設置され、陽極形成体(20)が傾斜面(612)に沿って移動することを図8に示す様に阻止する閉じ位置と、図10に示す様に陽極形成体(20)を通過させる開き位置との間で移動可能である。
ここで、上流側シャッタ(63)は、下流側シャッタ(62)との間に陽極形成体(20)の粉末成形体(21)が1つだけ収まる位置に設置されている。又、上流側シャッタ(63)は一対の突起部(631)(631)を有している。図6に示す様に、該一対の突起部(631)(631)は、上流側シャッタ(63)が閉じ位置に設定されたとき、下流側シャッタ(62)によって傾斜面(612)に沿って移動することが阻止された陽極形成体(20)の陽極リード(12)の両側に設置されるべき位置を有している。
【0047】
収容装置(64)は、金属製トレイ(3)を、搬送面(611)の下流端(614)側にて一方向に移動させる。具体的には図7に示す様に、収容装置(64)は、金属製トレイ(3)を、その入口(32)を搬送装置(61)の搬送面(611)の下流端(614)へ向けると共にその長手方向を鉛直斜め上方向(92)に向けた姿勢で支持する。又、収容装置(64)は、金属製トレイ(3)を、鉛直斜め上方向(92)とは逆方向に所定のタイミングで一定の距離L0(図9参照)ずつ移動させる。
【0048】
次に上記配列装置の下流側シャッタ(62)及び上流側シャッタ(63)の動作、並びに収容装置(64)の動作について説明する。
先ず、図7に示す様に、下流側シャッタ(62)及び上流側シャッタ(63)を何れも閉じ位置に設定する(第1設定状態)。この設定により、下流側シャッタ(62)の上流側直上に位置する1つの陽極形成体(20)の移動が、下流側シャッタ(62)によって阻止される。これに伴って、該陽極形成体(20)の上流側に並んでいる複数の陽極形成体(20)〜(20)の移動が阻止されることになる。このとき、各陽極形成体(20)の陽極リード(12)には、上流側に位置する陽極形成体(20)の粉末成形体(21)が接触することになる。
【0049】
第1設定状態においては、この様な状況において上流側シャッタ(63)が閉じ位置に設定されることになる。しかし、下流側シャッタ(62)によって移動が阻止されている陽極形成体(20)の陽極リード(12)には、その両側に上流側シャッタ(63)の一対の突起部(631)(631)が位置することになるので、上流側シャッタ(63)が接触することがない。従って、陽極形成体(20)の陽極リード(12)は、上流側シャッタ(63)によって傷付けられることがない。
【0050】
又、第1設定状態においては、上記陽極リード(12)の先端部が、上流側シャッタ(63)から上流側に長さ(突出長さ)Lだけ突出することになる。従って、上流側シャッタ(63)の上流側直上に位置する1つの陽極形成体(20)は、上流側シャッタ(63)から突出した陽極リード(12)の先端部に接触することにより、上流側シャッタ(63)から上流側へ突出長さLだけ離間した位置に留まることになる。
【0051】
続いて、図8に示す様に、下流側シャッタ(62)を開き位置に設定する(第2設定状態)。この設定により、下流側シャッタ(62)によって移動が阻止されていた陽極形成体(20)は、傾斜面(612)に沿って滑り落ちて、陽極リード(12)の先端部(121)を上流側に向けた姿勢のまま搬送面(611)の下流端(614)から排出される。排出された陽極形成体(20)は、その陽極リード(12)を金属製トレイ(3)の底部(31)とは逆側に向けて、金属製トレイ(3)に装填される。その結果、陽極形成体(20)は、その粉末成形体(21)の2つの平面(211)(212)を金属製トレイ(3)の素子載置面(35)に対して略垂直に立てた姿勢で配置されることになる。
【0052】
これに対し、上流側シャッタ(63)の上流側直上に位置する陽極形成体(20)は、突出長さLだけ下流側に移動して、上流側シャッタ(63)の一対の突起部(631)(631)によって移動が阻止されることになる。これに伴って、該陽極形成体(20)の上流側に並んでいる複数の陽極形成体(20)〜(20)の移動が阻止されることになる。
【0053】
次に、図9に示す様に、下流側シャッタ(62)を閉じ位置に設定すると共に、収容装置(64)によって、金属製トレイ(3)を鉛直斜め上方向(92)とは逆方向に一定の距離L0だけ移動させる(第3設定状態)。これにより、搬送面(611)の下流端(614)から排出される次の陽極形成体(20)を収容すべきスペースが、陽極形成体(20)の装填位置Pに設定されることになる。
【0054】
続いて、図10に示す様に、上流側シャッタ(63)を開き位置に設定する(第4設定状態)。この設定により、上流側シャッタ(63)によって移動が阻止されていた陽極形成体(20)は、傾斜面(612)に沿って滑り落ちた後、下流側シャッタ(62)によって再び移動が阻止されることになる。
【0055】
その後、図11に示す様に、上流側シャッタ(63)を閉じ位置に設定して、再び下流側シャッタ(62)及び上流側シャッタ(63)を第1設定状態に戻す。そして、第1設定状態から第4設定状態までの動作を繰り返し実行することにより、複数の陽極形成体(20)〜(20)が、搬送装置(61)の搬送面(611)の下流端(614)から所定のタイミングで1つずつ排出されることになる。このとき、排出される陽極形成体(20)は何れも、陽極リード(12)の先端部(121)を上流側に向けた姿勢のまま排出される。
【0056】
又、収容装置(64)によって、金属製トレイ(3)を、複数の陽極形成体(20)〜(20)が排出されるタイミングと同じタイミングで一定の距離L0ずつ移動させることにより、金属製トレイ(3)には、該金属製トレイ(3)のスライド方向とは逆側に複数の陽極形成体(20)〜(20)が同じ姿勢で1つずつ順次装填されていくことになる。その結果、金属製トレイ(3)に装填された複数の陽極形成体(20)〜(20)は、それらの陽極リード(12)〜(12)を金属製トレイ(3)の底部(31)とは逆側に向けた同じ姿勢で、一列に配列されることになる。又、各陽極形成体(20)は、その粉末成形体(21)の2つの平面(211)(212)を金属製トレイ(3)の素子載置面(35)に対して略垂直に立てた姿勢で配置されることになる。
【0057】
尚、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
上記製造方法の配列工程においては、金属製トレイ(3)を使用して、複数の陽極形成体(20)〜(20)を一列に配列していたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図12に示す様に、複数列の溝(51)〜(51)が凹設された金属製ジグ(5)を使用してもよい。この場合、図13に示す様に、金属製ジグ(5)の各溝(51)に複数の陽極形成体(20)〜(20)が収容されて、複数の陽極形成体(20)〜(20)が複数列に配列されることになる。金属製ジグ(5)は、金属製トレイ(3)と同様、陽極形成体(20)の粉末成形体(21)を形成する金属粉末と同じ金属から形成されることが好ましい。
【0058】
上記製造方法の配列工程には、金属製トレイ(3)や金属製ジグ(5)に限らず、複数の陽極形成体(20)〜(20)を一列又は複数列に配列することが可能な収容具を使用してもよい。
【0059】
上記製造方法の配置工程においては、焼成用ケース(4)の底部(42)が載置面(41)に面接触していたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、焼成用ケース(4)の底部(42)は、載置面(41)に点接触或いは線接触していてもよい。
又、図14に示す様に、焼成用ケース(4)の底部(42)を載置面(41)から離間させてもよい。具体的には、焼成用ケース(4)の両側に左右一対の支持部(45)(45)を設け、該一対の支持部(45)(45)によって焼成用ケース(4)を載置面(41)上に支持する。ここで、各支持部(45)は、焼成用ケース(4)と一体に形成されて、焼成用ケース(4)の側面壁(46)の上端から該側面壁(46)に沿って下方へ延びており、該支持部(45)は、側面壁(46)の高さ寸法T0より大きい高さ寸法Tを有している。この様に焼成用ケース(4)の底部(42)を載置面(41)から離間させた場合でも、金属製トレイ(3)内の各陽極形成体(20)は、その粉末成形体(21)の2つの平面(211)(212)を金属製トレイ(3)の素子載置面(35)に対して略垂直に立てた姿勢で配置されている。
【0060】
上記製造方法の配置工程においては、陽極形成体(20)は、その粉末成形体(21)の2つの平面(211)(212)を載置面(41)に対して略垂直に立てると共に陽極リード(12)を略鉛直上方に向けた姿勢で、該載置面(41)上に配置されていたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、陽極形成体(20)は、その粉末成形体(21)の2つの平面(211)(212)を載置面(41)に対して略垂直に立てると共に陽極リード(12)を略鉛直下方に向けた姿勢で、該載置面(41)上に配置されてもよい。
上記配置によれば、焼成工程において陽極リード(12)に曲がりが生じ難い。又、陽極リード(12)が略鉛直下方に向けられているので、陽極形成体(20)は陽極リード(12)の荷重を受け難い。従って、陽極形成体(20)の内部には応力が生じ難く、その結果、陽極形成体(20)の内部にクラック等が生じ難くなる。
【0061】
陽極形成体(20)は、その粉末成形体(21)の2つの平面(211)(212)を載置面(41)に対して略垂直に立てると共に陽極リード(12)を略水平方向に向けた姿勢で、該載置面(41)上に配置されてもよい。
【0062】
上記実施形態においては、陽極形成体(20)の粉末成形体(21)はタンタル粉末から形成され、該粉末成形体(21)には陽極リード(12)が植立されていたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、陽極形成体(20)の粉末成形体(21)は、ニオブ粉末、チタン粉末、アルミニウム粉末等、種々の金属粉末から形成されてもよい。又、粉末成形体(21)には、ニオブ製リード、チタン製リード、アルミニウム製リード等、種々の陽極リードが植立されてもよい。
【符号の説明】
【0063】
(1) コンデンサ素子
(10) 陽極焼結体
(11) 陽極体
(111) 平面
(112) 平面
(113) 外周面
(12) 陽極リード
(13) 誘電体層
(14) 電解質層
(20) 陽極形成体
(21) 粉末成形体
(211) 平面
(212) 平面
(213) 外周面
(3) 金属製トレイ(収容具)
(40) 焼成台
(41) 載置面
(5) 金属製ジグ(収容具)
(51) 溝
(61) 搬送装置
(611) 搬送面
(612) 傾斜面
(613) ガイド溝
(614) 下流端
(62) 下流側シャッタ
(63) 上流側シャッタ
(631) 突起部
(64) 収容装置
(91) 所定の方向



【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体状の陽極体に陽極リードを植立して構成された陽極焼結体と、前記陽極体の外周面に形成された誘電体層と、該誘電体層の外周面に形成された電解質層とを具え、前記陽極リードは、前記陽極体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立されているコンデンサ素子を製造する方法であって、
金属粉末から形成された直方体状の粉末成形体と、該粉末成形体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立された陽極リードとを有する陽極形成体を、焼成台の載置面上に、該載置面に接触させ又は該載置面から離間させて配置する工程であって、前記陽極形成体を、その粉末成形体の前記平面を前記載置面に対して略垂直に立てた姿勢で該載置面上に配置する配置工程と、
前記配置工程の実行後、前記陽極形成体を焼成して前記陽極焼結体を作製する焼成工程
とを有するコンデンサ素子の製造方法。
【請求項2】
直方体状の陽極体に陽極リードを植立して構成された陽極焼結体と、前記陽極体の外周面に形成された誘電体層と、該誘電体層の外周面に形成された電解質層とを具え、前記陽極リードは、前記陽極体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立されているコンデンサ素子を製造する方法であって、
金属粉末から形成された直方体状の粉末成形体と、該粉末成形体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立された陽極リードとを有する陽極形成体を、焼成台の載置面上に配置する工程であって、前記焼成台の載置面に接触させ又は該載置面から離間させて配置することが可能であって且つ前記陽極形成体を複数収容することが可能な収容具を用いて、該収容具に陽極形成体を複数装填して配列することにより、該陽極形成体を、その粉末成形体の前記平面を前記収容具の素子載置面に対して略垂直に立てた姿勢で配置する配置工程と、
前記配置工程の実行後、前記陽極形成体を焼成して前記陽極焼結体を作製する焼成工程
とを有するコンデンサ素子の製造方法。
【請求項3】
前記収容具は、前記陽極形成体の粉末成形体を形成する金属粉末と同じ金属から形成されている請求項2に記載のコンデンサ素子の製造方法。
【請求項4】
金属粉末から形成された直方体状の粉末成形体と、該粉末成形体の6つの外周面の内、最も大きな面積を有する2つの平面とは異なる面に植立された陽極リードとを有する陽極形成体を、該陽極形成体を複数収容することが可能な収容具に複数装填して配列する配列装置であって、
前記陽極形成体を所定の方向へ搬送する搬送面を有し、該搬送面の下流域には下流側へ低く傾斜した傾斜面が形成されており、該傾斜面上を滑り落ちた陽極形成体を搬送面の下流端から排出する搬送装置と、
前記傾斜面上に設置され、前記陽極形成体が傾斜面に沿って移動することを阻止する閉じ位置と、前記陽極形成体を通過させる開き位置との間で移動可能な下流側シャッタと、
前記傾斜面上であって且つ前記下流側シャッタの上流側に設置され、前記陽極形成体が傾斜面に沿って移動することを阻止する閉じ位置と、前記陽極形成体を通過させる開き位置との間で移動可能な上流側シャッタと、
前記収容具を、搬送面の下流端側にて一方向に移動させる収容装置
とを具える配列装置。
【請求項5】
前記搬送面には、前記陽極形成体の姿勢を該陽極形成体の陽極リードの先端部を上流側に向けた姿勢に規定するガイド溝が形成されている請求項4に記載の配列装置。
【請求項6】
前記上流側シャッタは一対の突起部を有し、該一対の突起部は、上流側シャッタが閉じ位置に設定されたとき、下流側シャッタによって傾斜面に沿って移動することが阻止された陽極形成体の陽極リードの両側に設置されるべき位置を有する請求項5に記載の配列装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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