コントロールケーブルの端末支持装置
【課題】ねじによる結合を用いることなく、コントロールケーブルの端末をブラケットに取付けることを可能とする。
【解決手段】端末支持装置10は、インナーケーブルが挿通される本体40と、本体の一端に取付けられ、本体に対して進退動可能とされているホルダ60と、その一端がホルダと本体のうちの一方に回動可能に取付けられると共に、その他端がホルダと本体の他方にスライド移動可能に取付けられているバックル20を有している。ホルダと本体の一方に対してバックルが回動すると、ホルダは本体に対して進退動すると共に、バックルの他端は開放位置とクランプ位置との間をスライド移動する。バックルの他端がクランプ位置となると、本体とホルダによってブラケットが挟持可能となり、バックルの他端が開放位置となると、本体とホルダからブラケットが解放可能となる。
【解決手段】端末支持装置10は、インナーケーブルが挿通される本体40と、本体の一端に取付けられ、本体に対して進退動可能とされているホルダ60と、その一端がホルダと本体のうちの一方に回動可能に取付けられると共に、その他端がホルダと本体の他方にスライド移動可能に取付けられているバックル20を有している。ホルダと本体の一方に対してバックルが回動すると、ホルダは本体に対して進退動すると共に、バックルの他端は開放位置とクランプ位置との間をスライド移動する。バックルの他端がクランプ位置となると、本体とホルダによってブラケットが挟持可能となり、バックルの他端が開放位置となると、本体とホルダからブラケットが解放可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、コントロールケーブル(例えば、自動車のシフトレバーとトランスミッションとの間に配索されるコントロールケーブル等)の端末をブラケットに取付けて支持する装置(以下、端末支持装置という)に関する。
【背景技術】
【0002】
コントロールケーブルは、通常、筒状のアウターケーブルと、そのアウターケーブルに挿通されたインナーケーブルを有している。アウターケーブルの一端は、入力機器のブラケット等に取付けられ、アウターケーブルの他端は、出力機器のブラケット等に取付けられる。アウターケーブルによって、インナーケーブルは、入力機器から出力機器まで案内される。インナーケーブルの一端には、入力機器に入力された操作者の操作(例えば、押し引き操作等)が入力される。インナーケーブルの一端に入力された操作は、インナーケーブルの他端から出力機器に伝達される。
【0003】
特許文献1は、コントロールケーブルの端末をブラケットに取付けて支持する端末支持装置を開示する。この端末支持装置は、外周面に雄ねじが形成された本体と、本体の雄ねじに螺合する雌ねじが形成されたソケットを備えている。本体には、コントロールケーブルが挿通されており、また、ソケットと対向するようにストッパが固定されている。ソケットには、リコイルバネによってストッパに接近する方向の回転力が付与されている。ソケットがストッパ側に付勢されることで、ソケットとストッパの間にブラケットを挟持する。これによって、コントロールケーブルの端末が端末支持装置によってブラケットに取付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−133020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の端末支持装置では、本体に雄ねじを形成すると共に、その雄ねじに螺合する雌ねじをソケットに形成しなければならない。したがって、これらの部品を樹脂の射出成形で成形しようとすると、成形品にねじを形成するための構造を金型に設けなければならず、金型の構造が複雑になるという問題を有している。
【0006】
本明細書は、ねじによる結合を用いることなく、コントロールケーブルの端末をブラケットに取付けることができる端末支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される端末支持装置は、アウターケーブルと、そのアウターケーブルに挿通されたインナーケーブルとを有するコントロールケーブルの端末をブラケットに取付けて支持する。この端末支持装置は、インナーケーブルが挿通される本体と、本体の一端に取付けられ、本体に対して進退動可能とされているホルダと、その一端がホルダと本体のうちの一方に回動可能に取付けられると共に、その他端がホルダと本体の他方にスライド移動可能に取付けられているバックルを有している。ホルダと本体の一方に対してバックルが回動すると、ホルダは本体に対して進退動すると共に、バックルの他端は開放位置とクランプ位置との間をスライド移動する。そして、バックルの他端がクランプ位置となると、本体とホルダによってブラケットが挟持可能となり、バックルの他端が開放位置となると、本体とホルダからブラケットが解放可能となる。
【0008】
この端末支持装置では、バックルを回動すると、ホルダが本体に対して進退動すると共に、バックルの他端が開放位置とクランプ位置との間をスライド移動する。そして、バックルの他端がクランプ位置に移動すると、本体とホルダによってブラケットが挟持される。これによって、端末支持装置がブラケットに取付けられ、コントロールケーブルがブラケットに支持される。この端末支持装置では、ブラケットの両端をホルダと本体に取付けることで、ホルダと本体とを連結する。このため、本体とホルダをねじにより結合する必要はなく、また、本体とホルダの結合にねじ結合を用いなくても、本体とホルダによってブラケットを挟持し、コントロールケーブルの端末をブラケットに取付けることができる。
【0009】
上記の端末支持装置は、ホルダとブラケットの間に配置される第1クッションと、本体とブラケットの間に配置される第2クッションをさらに有していてもよい。この場合に、バックルの他端がクランプ位置となると、ホルダとブラケットによって第1クッションが押圧されてホルダとブラケットの間にガタ(遊び)が無くなると共に、本体とブラケットによって第2クッションが押圧されて本体とブラケットの間にガタ(遊び)が無くなることが好ましい。このような構成によると、第1クッションと第2クッションを押圧することによる変形量によって、各部品のバラツキを吸収することができる。その結果、端末支持装置とブラケットの間にガタ(遊び)が生じることを防止できる。
【0010】
また、上記のホルダと本体の一方には、その一方の部材がブラケットから外れることを防止する抜け止めが形成されていてもよい。このような構成によると、端末支持装置がブラケットから脱落することが防止され、コントロールケーブルを好適にブラケットに支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る端末支持装置の斜視図。
【図2】図1に示す端末支持装置の分解斜視図。
【図3】図1に示す端末支持装置の他の斜視図(ブラケットに端末支持装置を取付ける途中の状態)。
【図4】図1に示す端末支持装置の斜視断面図。
【図5】本体の正面図。
【図6】本体の左側面図。
【図7】本体の右側面図。
【図8】図5のVIII−VIII線断面図。
【図9】ホルダの正面図。
【図10】ホルダの右側面図。
【図11】図9のXI−XI線断面図。
【図12】バックルの正面図。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図。
【図14】図12のXIV−XIV線断面図。
【図15】バックルのガイド部32を図14の矢印Aの方向に見た図。
【図16】図12のXVI−XVI線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を具現化した一実施形態に係る端末支持装置10について説明する。端末支持装置10は、アウターケーブルと、そのアウターケーブルに挿通されたインナーケーブルとを有するコントロールケーブル(例えば、自動車のシフトレバーとオートマチック・トランスミッションの間に配索されるコントロールケーブル等)の端部(端末)を支持する。図1〜4に示すように、端末支持装置10は、インナーケーブル82が挿通される本体40と、本体40の一端に取付けられるホルダ60と、本体40とホルダ60とを連結するバックル20とを有している。
【0013】
図5〜8に示すように、本体40は、一端に設けられた大径部44と、他端に設けられた小径部48を有している。大径部44と小径部48は、樹脂材料によって一体に成形されている。小径部48は、大径部44より径が小さく、その外周面にはねじ溝が形成されていない。
【0014】
大径部44の外周面には、突起46とストッパ50と取付部(抜け止め)52が形成されている。突起46は、大径部44の一端側に設けられており、周方向に180°の間隔を空けて配置されている(図6,8参照)。すなわち、突起46は大径部44の軸心に対して対称な位置に配置されている。
【0015】
ストッパ50は、大径部44の他端側に設けられている。ストッパ50は、大径部44の外周面より径方向に突出している(図6,7参照)。ストッパ50には、周方向の一部に切欠き56が形成されている。切欠き56が形成された部分には、バックル20が配置される。大径部44のストッパ50より一端側には、取付部52が形成されている。取付部52には、ブラケット12(図1等参照)が取付けられる。
【0016】
図5に示すように、取付部52にはガイド部54が形成されている(図5参照)。取付部52は、端末支持装置10がブラケット12から離脱することを防止する。ガイド部54は、端末支持装置10がブラケット12に取付けられる際に、ブラケット12を案内するガイド54a,54bである。図1,3に示すように、ブラケット12の取付孔14は、上端開口部12aの幅が下方よりも狭く形成されている。ガイド54a,54bの幅は、ブラケット12の上端開口部12aの幅に対して通過可能な幅(略同一の幅)に形成されている(図5,7参照)。ガイド54a、54bは、ブラケット12の上端開口部12aから取付孔14に端末支持装置10を装着するためのスリットである。ブラケット12の取付孔14に端末支持装置10を装着した後に、端末支持装置10をケーブル軸方向に移動させることで、取付部(抜け止め)52がブラケット12の取付孔14に係合し、端末支持装置10が取付孔14から離脱することが防止される。すなわち、取付部52が端末支持装置10がブラケット12の取付孔14から離脱することを防止する抜け止めとして機能する。
【0017】
図2に示すように、ストッパ50には第2クッション92が取付けられ、ストッパ66には第1クッション94が取付けられている。第1クッション92及び第2クッション94は、ストッパ50と同様に周方向の一部が切り欠かれている。第1クッション92及び第2クッション94の切り欠かれた部分には、バックル20が位置する。端末支持装置10がブラケット12に取付けられると、ホルダ60とブラケット12の間に第1クッション94が位置し、本体40とブラケット12の間に第2クッション92が位置するようになっている。
【0018】
図8に示すように、本体40には、ハブ42が取付けられている。ハブ42には、アウターケーブル84(図1等参照)が取付けられる。ハブ42は、インナーケーブル82が挿通される貫通孔42aを有している。また、本体40には、貫通孔42aと連通し、インナーケーブル82が挿通する挿通孔(49a,49b)が形成されている。挿通孔(49a,49b)は、ガイドパイプ86(図1等参照)が取付けられる取付部49bと、取付部49bから小径部48側の端部に向かって徐々に拡径する拡径部49aを有している。ガイドパイプ86は、拡径部49aに案内され、取付部49bに対して首振り動作が可能となっている。なお、大径部44と小径部48とハブ42は、インサート成形によって一体に成形されている。
【0019】
次に、ホルダ60について説明する。図2等に示すように、ホルダ60は、本体40の小径部48に進退動可能に取付けられている。図9〜11に示すように、ホルダ60は、円筒状に形成された円筒部62と、円筒部62の一端側に形成されたストッパ66と、円筒部62の他端側に形成された一対の突起64を有している。円筒部62とストッパ66と突起64は、樹脂によって一体に成形されている。円筒部62の内壁68の径は、本体40の小径部48の外径よりもわずかに大きくされている。また、内壁68には、ねじ溝が形成されていない。
【0020】
ストッパ66は、円筒部62の外周面より径方向に突出している(図10,11参照)。ストッパ66には、上述したストッパ50と同様、周方向の一部に切欠き70が形成されている。切欠き70が形成された部分には、バックル20が配置される。一対の突起64は、円筒部62の外周面に形成されており、周方向に180°の間隔を空けて配置されている(図10,11参照)。すなわち、突起64は円筒部62の軸心に対して対称な位置に配置されている。
【0021】
次に、バックル20について説明する。図12〜14に示すように、バックル20は、プレート部22と、プレート部22の一端に設けられた第2連結部30と、プレート部22の他端に設けられた第1連結部26を備えている。プレート部22の一端(第2連結部30側の端部)には操作部24が形成されている。操作部24は、端末支持装置10をブラケット12に取付ける際に、作業者によって押圧される部分である。
【0022】
図13に示すように、第1連結部26は、プレート部22の両縁(プレート部22の短手方向の両端)から下方に突出している。第1連結部26の下端部には、貫通孔28が形成されている。貫通孔28には、ホルダ60の突起64が嵌合する。突起64は、貫通孔28に回転可能に支持されている。このため、バックル20は、ホルダ60に対して突起64を中心に回転可能となっている。なお、次に詳述するように、バックル20の第2連結部30は本体40に取付けられており、それによって、バックル20の回転角が規制される。すなわち、バックル20は、ホルダ60に対して所定の角度範囲を回動可能となっている。
【0023】
図14に示すように、第2連結部30は、プレート部22の両縁(プレート部22の短手方向の両端)から下方に突出している。図12に示すように、第2連結部30の下端部は、プレート部22の一端側(操作部24側)に向かって屈曲している。第2連結部30の下端部にはガイド部32が形成されている。ガイド部32は、本体40の突起46と係合し、突起46をスライド可能に案内する。したがって、バックル20は、その一端が本体40に対してスライド移動可能となっている。
【0024】
図15,16に示すように、ガイド部32は、第2連結部30の形状に倣って屈曲している。ガイド部32の上端(請求項でいうクランプ位置に相当)には、位置決め孔34が形成されている。位置決め孔34に突起46が嵌合すると、後述するように端末支持装置10がブラケット12に取付けられる。ガイド部32の下端(請求項でいう開放位置に相当)には、位置決め凹部38が形成されている。位置決め凹部38は、プレート部22の短手方向外側に突出している。位置決め孔34と位置決め凹部38とを接続する案内面36は、位置決め凹部32に対して、プレート部22の短手方向内側に位置している。したがって、突起46が位置決め凹部38から位置決め孔34に移動するためには、バックル20にある程度の力を作用させて、第2連結部30を外側に曲げ変形させる必要がある。そして、突起46が位置決め孔34に嵌合すると、第2連結部30が元の形状に復元する。その結果、突起46が位置決め孔34から容易に離脱することが防止される。
【0025】
上述した本体40とホルダ60とバックル20とは、下記のように組立てることができる。すなわち、図2に示すように、まず、円筒状のホルダ60の内側に本体40の小径部48を挿し込み、本体40にホルダ60を取付ける。ホルダ60の内壁68にはねじ溝が形成されておらず、本体40の小径部48の外周面にもねじ溝が形成されていない。このため、本体40にホルダ60を取付ける際は、ホルダ60に本体40を挿し込むだけでよい。なお、本体40のストッパ50には第2クッション94が取付けられ、ホルダ60のストッパ66には第1クッション92が取付けられている。このため、第1クッション92と第2クッション94は、本体40のストッパ50とホルダ60のストッパ66の間に位置している。
【0026】
本体40にホルダ60を取付けると、次に、バックル20を本体40とホルダ60に取付ける。すなわち、バックル20の第1連結部26の貫通孔28にホルダ60の突起64を嵌合させる。また、バックル20の第2連結部30のガイド部32に本体40の突起46を係合させる。これによって、本体40とホルダ60とをバックル20によって連結する。この状態では、バックル20は、ホルダ60に対して回動可能となる一方で、本体40に対してガイド部32に案内されてスライド移動可能となっている。
【0027】
次に、上述した端末支持装置10をブラケット12に取付ける際の動作を、図1、3等を参照して説明する。端末支持装置10をブラケット12に取付ける際は、まず、本体40の突起46をガイド部32の位置決め凹部38に位置させる。したがって、バックル20は、本体40に対して傾斜し、操作部24側が第1連結部26側に対して斜め上方に位置した状態となる(図3に示す状態)。次に、図3に示すように、第1クッション92と第2クッション94の間にブラケット12が位置するように、端末支持装置10をブラケット12に位置決めする。次いで、端末支持装置10をブラケット12に向かって下方に押圧し、端末支持装置10をブラケット12の取付孔14に取付ける。さらに、バックル20の操作部24を同時に下方に押圧することで、バックル20がホルダ60に対して回動する(図3の状態→図1の状態)。これによって、本体40の突起46が位置決め凹部38から位置決め孔34まで移動する(図15,16のx1→x2→x3→x4と移動する)。このとき、ガイド部32が屈曲しているため、突起46がガイド部32のx3の位置からx4の位置まで移動する際は、ホルダ60が本体40に向かって接近する方向に移動する。このため、第1クッション92は、ブラケット12とストッパ66によって押圧され、また、第2クッション94は、ブラケット12とストッパ50によって押圧される。これによって、ブラケット12とストッパ66(ホルダ60)の間のガタ(遊び)が無くなると共に、ブラケット12とストッパ50(本体40)の間のガタ(遊び)が無くなり、ブラケット12が本体40のストッパ50とホルダ60のストッパ66とによって挟持され、第1クッション92及び第2クッション94の付勢力によって、端末支持装置10がブラケット12に強固に取付けられる。
【0028】
突起46が位置決め孔34に移動すると、突起46が位置決め孔34に嵌合し、位置決め孔34から突起46が離脱することが防止される。また、本体40の取付部52によって、本体40がブラケット12の取付孔14から離脱することが防止される。したがって、端末支持装置10がブラケット12に取付けられると、端末支持装置10がブラケット12から意図せずに離脱してしまうことを防止することができる。
【0029】
なお、端末支持装置10をブラケット12から分離する際は、ブラケット20の操作部24を上方に向かって引き、ブラケット20をホルダ60に対して回動させる。これによって、本体40の突起46が位置決め孔34から位置決め凹部38まで移動する(図15,16のx4→x3→x2→x1と移動する)。突起46が位置決め凹部38に移動すると、ブラケット12が取付部52から外れるように本体40を操作しながら、ブラケット12から端末支持装置10を取り外す。
【0030】
上述したように、本実施形態の端末支持装置10では、本体40とホルダ60とをブラケット20で連結することで、従来技術で必要とされた本体40とホルダ60とのねじ結合を無くすことができる。このため、本体40の形状とホルダ60の形状を単純化することができ、本体40とホルダ60の成形に用いる金型の構造を単純化することができる。
【0031】
また、端末支持装置10をブラケット12に取付ける際は、端末支持装置10をブラケット12に向かって押圧するだけでよい。すなわち、ブラケット20の操作部24を下方に押圧するだけでよい。一方向の操作を行うだけでよいため、組み付け作業を容易に行うことができ、また、組付け装置を用いて自動化することも可能となる。
【0032】
また、本実施形態では、ブラケット12とホルダ60によって第1クッション92を押圧し、ブラケット12と本体40によって第2クッション94を押圧することで、端末支持装置10がブラケット12に取付けられる。このため、第1クッション92と第2クッション94を押圧することによる変形量によって、各部品のバラツキを吸収することができる。また、第1クッション92及び第2クッション94により防振効果も得ることができる。その結果、端末支持装置10とブラケット12の間にガタ(遊び)が生じることを好適に防止できる。
【0033】
以上、本実施形態の端末支持装置を詳細に説明したが、これは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。例えば、上述した実施形態では、バックル20がホルダ60に対して回動可能となり、本体40に対してスライド移動可能となっていたが、このような例に限られず、バックルがホルダに対してスライド移動可能とし、本体に対して回動可能としてもよい。また、上述した実施形態では、本体40に取付部(抜け止め)52とガイド部54を形成したが、このような例に限られず、ホルダ側に取付部とガイド部を形成してもよい。
【0034】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0035】
10:端末支持装置
20:バックル
40:本体
60:ホルダ
【技術分野】
【0001】
本願は、コントロールケーブル(例えば、自動車のシフトレバーとトランスミッションとの間に配索されるコントロールケーブル等)の端末をブラケットに取付けて支持する装置(以下、端末支持装置という)に関する。
【背景技術】
【0002】
コントロールケーブルは、通常、筒状のアウターケーブルと、そのアウターケーブルに挿通されたインナーケーブルを有している。アウターケーブルの一端は、入力機器のブラケット等に取付けられ、アウターケーブルの他端は、出力機器のブラケット等に取付けられる。アウターケーブルによって、インナーケーブルは、入力機器から出力機器まで案内される。インナーケーブルの一端には、入力機器に入力された操作者の操作(例えば、押し引き操作等)が入力される。インナーケーブルの一端に入力された操作は、インナーケーブルの他端から出力機器に伝達される。
【0003】
特許文献1は、コントロールケーブルの端末をブラケットに取付けて支持する端末支持装置を開示する。この端末支持装置は、外周面に雄ねじが形成された本体と、本体の雄ねじに螺合する雌ねじが形成されたソケットを備えている。本体には、コントロールケーブルが挿通されており、また、ソケットと対向するようにストッパが固定されている。ソケットには、リコイルバネによってストッパに接近する方向の回転力が付与されている。ソケットがストッパ側に付勢されることで、ソケットとストッパの間にブラケットを挟持する。これによって、コントロールケーブルの端末が端末支持装置によってブラケットに取付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−133020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の端末支持装置では、本体に雄ねじを形成すると共に、その雄ねじに螺合する雌ねじをソケットに形成しなければならない。したがって、これらの部品を樹脂の射出成形で成形しようとすると、成形品にねじを形成するための構造を金型に設けなければならず、金型の構造が複雑になるという問題を有している。
【0006】
本明細書は、ねじによる結合を用いることなく、コントロールケーブルの端末をブラケットに取付けることができる端末支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される端末支持装置は、アウターケーブルと、そのアウターケーブルに挿通されたインナーケーブルとを有するコントロールケーブルの端末をブラケットに取付けて支持する。この端末支持装置は、インナーケーブルが挿通される本体と、本体の一端に取付けられ、本体に対して進退動可能とされているホルダと、その一端がホルダと本体のうちの一方に回動可能に取付けられると共に、その他端がホルダと本体の他方にスライド移動可能に取付けられているバックルを有している。ホルダと本体の一方に対してバックルが回動すると、ホルダは本体に対して進退動すると共に、バックルの他端は開放位置とクランプ位置との間をスライド移動する。そして、バックルの他端がクランプ位置となると、本体とホルダによってブラケットが挟持可能となり、バックルの他端が開放位置となると、本体とホルダからブラケットが解放可能となる。
【0008】
この端末支持装置では、バックルを回動すると、ホルダが本体に対して進退動すると共に、バックルの他端が開放位置とクランプ位置との間をスライド移動する。そして、バックルの他端がクランプ位置に移動すると、本体とホルダによってブラケットが挟持される。これによって、端末支持装置がブラケットに取付けられ、コントロールケーブルがブラケットに支持される。この端末支持装置では、ブラケットの両端をホルダと本体に取付けることで、ホルダと本体とを連結する。このため、本体とホルダをねじにより結合する必要はなく、また、本体とホルダの結合にねじ結合を用いなくても、本体とホルダによってブラケットを挟持し、コントロールケーブルの端末をブラケットに取付けることができる。
【0009】
上記の端末支持装置は、ホルダとブラケットの間に配置される第1クッションと、本体とブラケットの間に配置される第2クッションをさらに有していてもよい。この場合に、バックルの他端がクランプ位置となると、ホルダとブラケットによって第1クッションが押圧されてホルダとブラケットの間にガタ(遊び)が無くなると共に、本体とブラケットによって第2クッションが押圧されて本体とブラケットの間にガタ(遊び)が無くなることが好ましい。このような構成によると、第1クッションと第2クッションを押圧することによる変形量によって、各部品のバラツキを吸収することができる。その結果、端末支持装置とブラケットの間にガタ(遊び)が生じることを防止できる。
【0010】
また、上記のホルダと本体の一方には、その一方の部材がブラケットから外れることを防止する抜け止めが形成されていてもよい。このような構成によると、端末支持装置がブラケットから脱落することが防止され、コントロールケーブルを好適にブラケットに支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る端末支持装置の斜視図。
【図2】図1に示す端末支持装置の分解斜視図。
【図3】図1に示す端末支持装置の他の斜視図(ブラケットに端末支持装置を取付ける途中の状態)。
【図4】図1に示す端末支持装置の斜視断面図。
【図5】本体の正面図。
【図6】本体の左側面図。
【図7】本体の右側面図。
【図8】図5のVIII−VIII線断面図。
【図9】ホルダの正面図。
【図10】ホルダの右側面図。
【図11】図9のXI−XI線断面図。
【図12】バックルの正面図。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図。
【図14】図12のXIV−XIV線断面図。
【図15】バックルのガイド部32を図14の矢印Aの方向に見た図。
【図16】図12のXVI−XVI線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を具現化した一実施形態に係る端末支持装置10について説明する。端末支持装置10は、アウターケーブルと、そのアウターケーブルに挿通されたインナーケーブルとを有するコントロールケーブル(例えば、自動車のシフトレバーとオートマチック・トランスミッションの間に配索されるコントロールケーブル等)の端部(端末)を支持する。図1〜4に示すように、端末支持装置10は、インナーケーブル82が挿通される本体40と、本体40の一端に取付けられるホルダ60と、本体40とホルダ60とを連結するバックル20とを有している。
【0013】
図5〜8に示すように、本体40は、一端に設けられた大径部44と、他端に設けられた小径部48を有している。大径部44と小径部48は、樹脂材料によって一体に成形されている。小径部48は、大径部44より径が小さく、その外周面にはねじ溝が形成されていない。
【0014】
大径部44の外周面には、突起46とストッパ50と取付部(抜け止め)52が形成されている。突起46は、大径部44の一端側に設けられており、周方向に180°の間隔を空けて配置されている(図6,8参照)。すなわち、突起46は大径部44の軸心に対して対称な位置に配置されている。
【0015】
ストッパ50は、大径部44の他端側に設けられている。ストッパ50は、大径部44の外周面より径方向に突出している(図6,7参照)。ストッパ50には、周方向の一部に切欠き56が形成されている。切欠き56が形成された部分には、バックル20が配置される。大径部44のストッパ50より一端側には、取付部52が形成されている。取付部52には、ブラケット12(図1等参照)が取付けられる。
【0016】
図5に示すように、取付部52にはガイド部54が形成されている(図5参照)。取付部52は、端末支持装置10がブラケット12から離脱することを防止する。ガイド部54は、端末支持装置10がブラケット12に取付けられる際に、ブラケット12を案内するガイド54a,54bである。図1,3に示すように、ブラケット12の取付孔14は、上端開口部12aの幅が下方よりも狭く形成されている。ガイド54a,54bの幅は、ブラケット12の上端開口部12aの幅に対して通過可能な幅(略同一の幅)に形成されている(図5,7参照)。ガイド54a、54bは、ブラケット12の上端開口部12aから取付孔14に端末支持装置10を装着するためのスリットである。ブラケット12の取付孔14に端末支持装置10を装着した後に、端末支持装置10をケーブル軸方向に移動させることで、取付部(抜け止め)52がブラケット12の取付孔14に係合し、端末支持装置10が取付孔14から離脱することが防止される。すなわち、取付部52が端末支持装置10がブラケット12の取付孔14から離脱することを防止する抜け止めとして機能する。
【0017】
図2に示すように、ストッパ50には第2クッション92が取付けられ、ストッパ66には第1クッション94が取付けられている。第1クッション92及び第2クッション94は、ストッパ50と同様に周方向の一部が切り欠かれている。第1クッション92及び第2クッション94の切り欠かれた部分には、バックル20が位置する。端末支持装置10がブラケット12に取付けられると、ホルダ60とブラケット12の間に第1クッション94が位置し、本体40とブラケット12の間に第2クッション92が位置するようになっている。
【0018】
図8に示すように、本体40には、ハブ42が取付けられている。ハブ42には、アウターケーブル84(図1等参照)が取付けられる。ハブ42は、インナーケーブル82が挿通される貫通孔42aを有している。また、本体40には、貫通孔42aと連通し、インナーケーブル82が挿通する挿通孔(49a,49b)が形成されている。挿通孔(49a,49b)は、ガイドパイプ86(図1等参照)が取付けられる取付部49bと、取付部49bから小径部48側の端部に向かって徐々に拡径する拡径部49aを有している。ガイドパイプ86は、拡径部49aに案内され、取付部49bに対して首振り動作が可能となっている。なお、大径部44と小径部48とハブ42は、インサート成形によって一体に成形されている。
【0019】
次に、ホルダ60について説明する。図2等に示すように、ホルダ60は、本体40の小径部48に進退動可能に取付けられている。図9〜11に示すように、ホルダ60は、円筒状に形成された円筒部62と、円筒部62の一端側に形成されたストッパ66と、円筒部62の他端側に形成された一対の突起64を有している。円筒部62とストッパ66と突起64は、樹脂によって一体に成形されている。円筒部62の内壁68の径は、本体40の小径部48の外径よりもわずかに大きくされている。また、内壁68には、ねじ溝が形成されていない。
【0020】
ストッパ66は、円筒部62の外周面より径方向に突出している(図10,11参照)。ストッパ66には、上述したストッパ50と同様、周方向の一部に切欠き70が形成されている。切欠き70が形成された部分には、バックル20が配置される。一対の突起64は、円筒部62の外周面に形成されており、周方向に180°の間隔を空けて配置されている(図10,11参照)。すなわち、突起64は円筒部62の軸心に対して対称な位置に配置されている。
【0021】
次に、バックル20について説明する。図12〜14に示すように、バックル20は、プレート部22と、プレート部22の一端に設けられた第2連結部30と、プレート部22の他端に設けられた第1連結部26を備えている。プレート部22の一端(第2連結部30側の端部)には操作部24が形成されている。操作部24は、端末支持装置10をブラケット12に取付ける際に、作業者によって押圧される部分である。
【0022】
図13に示すように、第1連結部26は、プレート部22の両縁(プレート部22の短手方向の両端)から下方に突出している。第1連結部26の下端部には、貫通孔28が形成されている。貫通孔28には、ホルダ60の突起64が嵌合する。突起64は、貫通孔28に回転可能に支持されている。このため、バックル20は、ホルダ60に対して突起64を中心に回転可能となっている。なお、次に詳述するように、バックル20の第2連結部30は本体40に取付けられており、それによって、バックル20の回転角が規制される。すなわち、バックル20は、ホルダ60に対して所定の角度範囲を回動可能となっている。
【0023】
図14に示すように、第2連結部30は、プレート部22の両縁(プレート部22の短手方向の両端)から下方に突出している。図12に示すように、第2連結部30の下端部は、プレート部22の一端側(操作部24側)に向かって屈曲している。第2連結部30の下端部にはガイド部32が形成されている。ガイド部32は、本体40の突起46と係合し、突起46をスライド可能に案内する。したがって、バックル20は、その一端が本体40に対してスライド移動可能となっている。
【0024】
図15,16に示すように、ガイド部32は、第2連結部30の形状に倣って屈曲している。ガイド部32の上端(請求項でいうクランプ位置に相当)には、位置決め孔34が形成されている。位置決め孔34に突起46が嵌合すると、後述するように端末支持装置10がブラケット12に取付けられる。ガイド部32の下端(請求項でいう開放位置に相当)には、位置決め凹部38が形成されている。位置決め凹部38は、プレート部22の短手方向外側に突出している。位置決め孔34と位置決め凹部38とを接続する案内面36は、位置決め凹部32に対して、プレート部22の短手方向内側に位置している。したがって、突起46が位置決め凹部38から位置決め孔34に移動するためには、バックル20にある程度の力を作用させて、第2連結部30を外側に曲げ変形させる必要がある。そして、突起46が位置決め孔34に嵌合すると、第2連結部30が元の形状に復元する。その結果、突起46が位置決め孔34から容易に離脱することが防止される。
【0025】
上述した本体40とホルダ60とバックル20とは、下記のように組立てることができる。すなわち、図2に示すように、まず、円筒状のホルダ60の内側に本体40の小径部48を挿し込み、本体40にホルダ60を取付ける。ホルダ60の内壁68にはねじ溝が形成されておらず、本体40の小径部48の外周面にもねじ溝が形成されていない。このため、本体40にホルダ60を取付ける際は、ホルダ60に本体40を挿し込むだけでよい。なお、本体40のストッパ50には第2クッション94が取付けられ、ホルダ60のストッパ66には第1クッション92が取付けられている。このため、第1クッション92と第2クッション94は、本体40のストッパ50とホルダ60のストッパ66の間に位置している。
【0026】
本体40にホルダ60を取付けると、次に、バックル20を本体40とホルダ60に取付ける。すなわち、バックル20の第1連結部26の貫通孔28にホルダ60の突起64を嵌合させる。また、バックル20の第2連結部30のガイド部32に本体40の突起46を係合させる。これによって、本体40とホルダ60とをバックル20によって連結する。この状態では、バックル20は、ホルダ60に対して回動可能となる一方で、本体40に対してガイド部32に案内されてスライド移動可能となっている。
【0027】
次に、上述した端末支持装置10をブラケット12に取付ける際の動作を、図1、3等を参照して説明する。端末支持装置10をブラケット12に取付ける際は、まず、本体40の突起46をガイド部32の位置決め凹部38に位置させる。したがって、バックル20は、本体40に対して傾斜し、操作部24側が第1連結部26側に対して斜め上方に位置した状態となる(図3に示す状態)。次に、図3に示すように、第1クッション92と第2クッション94の間にブラケット12が位置するように、端末支持装置10をブラケット12に位置決めする。次いで、端末支持装置10をブラケット12に向かって下方に押圧し、端末支持装置10をブラケット12の取付孔14に取付ける。さらに、バックル20の操作部24を同時に下方に押圧することで、バックル20がホルダ60に対して回動する(図3の状態→図1の状態)。これによって、本体40の突起46が位置決め凹部38から位置決め孔34まで移動する(図15,16のx1→x2→x3→x4と移動する)。このとき、ガイド部32が屈曲しているため、突起46がガイド部32のx3の位置からx4の位置まで移動する際は、ホルダ60が本体40に向かって接近する方向に移動する。このため、第1クッション92は、ブラケット12とストッパ66によって押圧され、また、第2クッション94は、ブラケット12とストッパ50によって押圧される。これによって、ブラケット12とストッパ66(ホルダ60)の間のガタ(遊び)が無くなると共に、ブラケット12とストッパ50(本体40)の間のガタ(遊び)が無くなり、ブラケット12が本体40のストッパ50とホルダ60のストッパ66とによって挟持され、第1クッション92及び第2クッション94の付勢力によって、端末支持装置10がブラケット12に強固に取付けられる。
【0028】
突起46が位置決め孔34に移動すると、突起46が位置決め孔34に嵌合し、位置決め孔34から突起46が離脱することが防止される。また、本体40の取付部52によって、本体40がブラケット12の取付孔14から離脱することが防止される。したがって、端末支持装置10がブラケット12に取付けられると、端末支持装置10がブラケット12から意図せずに離脱してしまうことを防止することができる。
【0029】
なお、端末支持装置10をブラケット12から分離する際は、ブラケット20の操作部24を上方に向かって引き、ブラケット20をホルダ60に対して回動させる。これによって、本体40の突起46が位置決め孔34から位置決め凹部38まで移動する(図15,16のx4→x3→x2→x1と移動する)。突起46が位置決め凹部38に移動すると、ブラケット12が取付部52から外れるように本体40を操作しながら、ブラケット12から端末支持装置10を取り外す。
【0030】
上述したように、本実施形態の端末支持装置10では、本体40とホルダ60とをブラケット20で連結することで、従来技術で必要とされた本体40とホルダ60とのねじ結合を無くすことができる。このため、本体40の形状とホルダ60の形状を単純化することができ、本体40とホルダ60の成形に用いる金型の構造を単純化することができる。
【0031】
また、端末支持装置10をブラケット12に取付ける際は、端末支持装置10をブラケット12に向かって押圧するだけでよい。すなわち、ブラケット20の操作部24を下方に押圧するだけでよい。一方向の操作を行うだけでよいため、組み付け作業を容易に行うことができ、また、組付け装置を用いて自動化することも可能となる。
【0032】
また、本実施形態では、ブラケット12とホルダ60によって第1クッション92を押圧し、ブラケット12と本体40によって第2クッション94を押圧することで、端末支持装置10がブラケット12に取付けられる。このため、第1クッション92と第2クッション94を押圧することによる変形量によって、各部品のバラツキを吸収することができる。また、第1クッション92及び第2クッション94により防振効果も得ることができる。その結果、端末支持装置10とブラケット12の間にガタ(遊び)が生じることを好適に防止できる。
【0033】
以上、本実施形態の端末支持装置を詳細に説明したが、これは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。例えば、上述した実施形態では、バックル20がホルダ60に対して回動可能となり、本体40に対してスライド移動可能となっていたが、このような例に限られず、バックルがホルダに対してスライド移動可能とし、本体に対して回動可能としてもよい。また、上述した実施形態では、本体40に取付部(抜け止め)52とガイド部54を形成したが、このような例に限られず、ホルダ側に取付部とガイド部を形成してもよい。
【0034】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0035】
10:端末支持装置
20:バックル
40:本体
60:ホルダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウターケーブルと、そのアウターケーブルに挿通されたインナーケーブルとを有するコントロールケーブルの端末をブラケットに取付けて支持する端末支持装置であって、
インナーケーブルが挿通される本体と、
本体の一端に取付けられ、本体に対して進退動可能とされているホルダと、
その一端がホルダと本体のうちの一方に回動可能に取付けられると共に、その他端がホルダと本体の他方にスライド移動可能に取付けられているバックルと、を有しており、
ホルダと本体の一方に対してバックルが回動すると、ホルダは本体に対して進退動すると共に、バックルの他端は開放位置とクランプ位置との間をスライド移動し、
バックルの他端がクランプ位置となると、本体とホルダによってブラケットが挟持可能となり、
バックルの他端が開放位置となると、本体とホルダからブラケットが解放可能となる、端末支持装置。
【請求項2】
ホルダとブラケットの間に配置される第1クッションと、本体とブラケットの間に配置される第2クッションをさらに有しており、
バックルの他端がクランプ位置となると、ホルダとブラケットによって第1クッションが押圧されてホルダとブラケットの間にガタが無くなると共に、本体とブラケットによって第2クッションが押圧されて本体とブラケットの間にガタが無くなる、請求項1に記載の端末支持装置。
【請求項3】
ホルダと本体の一方に、その一方の部材がブラケットから外れることを防止する抜け止めが形成されている、請求項1又は2に記載の端末支持装置。
【請求項1】
アウターケーブルと、そのアウターケーブルに挿通されたインナーケーブルとを有するコントロールケーブルの端末をブラケットに取付けて支持する端末支持装置であって、
インナーケーブルが挿通される本体と、
本体の一端に取付けられ、本体に対して進退動可能とされているホルダと、
その一端がホルダと本体のうちの一方に回動可能に取付けられると共に、その他端がホルダと本体の他方にスライド移動可能に取付けられているバックルと、を有しており、
ホルダと本体の一方に対してバックルが回動すると、ホルダは本体に対して進退動すると共に、バックルの他端は開放位置とクランプ位置との間をスライド移動し、
バックルの他端がクランプ位置となると、本体とホルダによってブラケットが挟持可能となり、
バックルの他端が開放位置となると、本体とホルダからブラケットが解放可能となる、端末支持装置。
【請求項2】
ホルダとブラケットの間に配置される第1クッションと、本体とブラケットの間に配置される第2クッションをさらに有しており、
バックルの他端がクランプ位置となると、ホルダとブラケットによって第1クッションが押圧されてホルダとブラケットの間にガタが無くなると共に、本体とブラケットによって第2クッションが押圧されて本体とブラケットの間にガタが無くなる、請求項1に記載の端末支持装置。
【請求項3】
ホルダと本体の一方に、その一方の部材がブラケットから外れることを防止する抜け止めが形成されている、請求項1又は2に記載の端末支持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−108515(P2013−108515A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251548(P2011−251548)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000210986)中央発條株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000210986)中央発條株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
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