コンバインの伝動装置
【課題】コンバインの伝動装置を安価に構成する。
【解決手段】走行装置(2)を駆動する油圧式無段変速装置(7)と刈取装置(3)を駆動する刈取用油圧式無段変速装置(9)とを走行伝動装置(6)に一体的に備え、前記油圧式無段変速装置(7)の作動用のオイルとして走行伝動装置(6)の走行用ギヤーボックス(8)内の潤滑用のオイルを共用する構成とし、該走行用ギヤーボックス(8)内のオイルを、刈取用油圧式無段変速装置(9)の入力軸(10)に設けたチャージポンプ(12)で吸引して、油圧式無段変速装置(7)のチャージ回路と刈取用油圧式無段変速装置(9)のチャージ回路とに分流して送油する構成とする。
【解決手段】走行装置(2)を駆動する油圧式無段変速装置(7)と刈取装置(3)を駆動する刈取用油圧式無段変速装置(9)とを走行伝動装置(6)に一体的に備え、前記油圧式無段変速装置(7)の作動用のオイルとして走行伝動装置(6)の走行用ギヤーボックス(8)内の潤滑用のオイルを共用する構成とし、該走行用ギヤーボックス(8)内のオイルを、刈取用油圧式無段変速装置(9)の入力軸(10)に設けたチャージポンプ(12)で吸引して、油圧式無段変速装置(7)のチャージ回路と刈取用油圧式無段変速装置(9)のチャージ回路とに分流して送油する構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの伝動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインの走行伝動装置の構成では、油圧式無段変速装置の作動用のオイルと、走行用ギヤーボックス内の潤滑用のオイルとは独立している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−5835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記走行伝動装置の従来の構成においては、油圧式無段変速装置の作動用のオイルは、走行用のギヤーボックス内の潤滑用のオイルと、該油圧式無段変速装置内に注入されるオイルとに独立しており、構成が複雑であると共に、注油に時間を要してコストアップになることがったが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
このために、この発明は、走行装置(2)を駆動する油圧式無段変速装置(7)と刈取装置(3)を駆動する刈取用油圧式無段変速装置(9)とを走行伝動装置(6)に一体的に備え、前記油圧式無段変速装置(7)の作動用のオイルとして走行伝動装置(6)の走行用ギヤーボックス(8)内の潤滑用のオイルを共用する構成とし、該走行用ギヤーボックス(8)内のオイルを、刈取用油圧式無段変速装置(9)の入力軸(10)に設けたチャージポンプ(12)で吸引して、油圧式無段変速装置(7)のチャージ回路と刈取用油圧式無段変速装置(9)のチャージ回路とに分流して送油する構成としたことを特徴とするコンバインの伝動装置としたものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明によると、チャージポンプ(12)が単一のものですみ、油圧式無段変速装置(7)の作動用のオイルと、刈取用油圧式無段変速装置(9)の作動用のオイルと、走行用ギヤーボックス(8)内の潤滑用のオイルとを共用でき、油圧回路自体をも安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの走行用ギヤーボックスの一部断面した正面図
【図2】チャージポンプ部の断面図
【図3】コンバインの左側全体側面図
【図4】刈取サイドカバー部の全体側面図
【図5】刈取サイドカバー部の全体正面図
【図6】注油タンクの全体側断面図(図4のA−A断面図)
【図7】刈取サイドカバーの上下部の側面図
【図8】サイドカバー上・下の断面図
【図9】走行クローラとキャビンオープンフレームとの左側側面図
【図10】走行車台とキャビンオープンフレームとの左側側面図
【図11】キャビンオープンフレームの下枠側面図
【図12】スライドガイド取付部の正面図
【図13】スライドローラ部の取付側面図
【図14】スライドローラ部の取付側面図
【図15】スライドガイドの取付正面図
【図16】走行クローラ部の内面構成図
【図17】HSTレバー、及びHSTトラニオンアームのフローチャート図
【図18】HSTレバー、及びHSTトラニオンアームのフローチャート図
【図19】左右スプロケットの結合図
【図20】オイルスプロケットにスプロケット歯の取付図
【図21】HSTレバーを減速側にしても減速しない時のフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行装置2の上側には走行車台5を設け、該走行車台5の前側に設けた刈取装置3で立毛穀稈を刈取り、該刈取装置3から刈取り穀稈の供給を受け、この刈取り穀稈を脱穀して選別する脱穀装置4を、該走行車台5の上側面上に載置して設けている。該走行車台5の前側部には、図1に示す走行伝動装置6を設けている。該走行伝動装置6を設けた構成において、走行装置2駆動用の油圧式無段変速装置7の作動用のオイル(イ)は、該走行用ギヤーボックス8内に注入されたオイル(イ)を共用使用する構成にすると共に、該走行用ギヤーボックス8内の該オイル(イ)を、刈取装置3駆動用の刈取駆動用油圧式無段変速装置9の入力軸10に設けた該刈取駆動用油圧式無段変速装置9用のチャージポンプ12で吸引して、その後に該両無段変速装置7、9等のチャージ回路13に分流送油すべく構成したものであり、該走行用ギヤーボックス8の下部には、走行入力軸8cを軸支している。12aはブーストポンプである。該走行用ギヤーボックス8内のオイル(イ)は上下同じ該オイル(イ)を使用する構成である。
【0009】
前記コンバイン1の前記走行車台5の下側には、図2で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ2aを張設した走行装置2を配設し、該走行車台5の上側面に脱穀装置4を載置している。該走行車台5の前方部の該刈取装置3で立毛穀稈を刈取りして、後方上部に移送し、該脱穀装置4のフィードチェン4aと、挟持杆4bとで引き継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、該脱穀装置4の右横側へ配設した穀粒貯留タンク15内へ移送供給されて、一時貯留される。
【0010】
前記走行車台5の前方部には、図2で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド16、及び分草体17と、立毛穀稈を引起す引起装置18と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置19の各掻込装置19aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置20と、刈取りされた穀稈を挟持移送して該脱穀装置4のフィードチェン4aと、挟持杆4bとへ受渡しする穀稈掻込移送装置19の根元・穂先移送装置19b・19c等からなる刈取装置3を設けている。該刈取装置3は、油圧駆動による伸縮しリンダ21により、土壌面に対して昇降する。
【0011】
前記刈取装置3の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆22aの上端部に設ける支持パイプ杆22bを、前記走行車台5の上側面に設けた支持装置23で回動自在に支持させている。該伸縮シリンダ21を作動させると支持杆22aと共に、該刈取装置3が上下回動する構成としている。
【0012】
前記刈取装置3の該穀稈掻込移送装置19によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、該脱穀装置4への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ24を設けている。
【0013】
前記穀粒貯留タンク15側の前部には、図2で示すように、該コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置25と、操縦席26とを設け、この操縦席26の下側には、エンジンプーリ27aを軸支したエンジン27を載置している。
【0014】
前記伝動機構8aを内装して設けた、該走行用ギヤーボックス8等よりなる走行伝動装置6の構成では、図1で示すように、油圧式無段変速装置7の作動用のオイル(イ)は、該走行用ギヤーボックス8内に注入されたギヤー潤滑用のオイル(イ)を共用使用する構成にすると共に、該走行用ギヤーボックス8内の該オイル(イ)を、刈取駆動用油圧式無段変速装置9の入力軸10に設けた油圧式無段変速装置7のチャージポンプ12で吸引して、その後に該刈取駆動用油圧式無段変速装置9のチャージ回路13aに分流送油する構成にして、該チャージポンプ12が単一構成で、該刈取駆動用油圧式無段変速装置9と、該走行用ギヤーボックス8との該オイル(イ)を共用使用できる。又、該刈取駆動用油圧式無段変速装置9の油圧回路を安価で容易に作成できる構成である。
【0015】
前記走行伝動装置6の該走行用ギヤーボックス8の両サイド面のそれぞれに、HST11(油圧式無段変速装置7,刈取駆動用油圧式無段変速装置9)を一体的に設けた構成である。
【0016】
これにより、前記走行用ギヤーボックス8の両サイドに、該HST11を構成したことにより、メンテナンスが容易になり、又、構成を簡単にすることができる。
油圧式無段変速装置7の入力軸から刈取駆動用油圧式無段変速装置9の入力軸を同軸で駆動する構成としている。
【0017】
上述の構成により、単一の走行用ギヤーボックス8に、走行用のHST11と、前記刈取装置3部、又は該刈取装置3部と該フィードチェン4aを駆動するHST11を一体構成に形成し、両該HST11のポンプ軸を同一直線上に配置し、エンジン27からの動力で走行用の該HST11を駆動することで他方の該HST11を同時に駆動する構成である。
【0018】
これにより、単一の該走行用ギヤーボックス8に、走行用HST11と前記刈取装置3部、又は該刈取装置3部とフィードチェン4aを駆動する該HST11を一体構成し、単一のエンジン27入力で同時に2個の該HST11が駆動でき、安価な伝動構成となる。又、刈取フィードチェンを車速同調可能とすることができ、作業性の向上を図ることができる。
【0019】
前記コンバイン1の該刈取装置3の刈取サイドカバー3aを、従来の使用材料である鉄板材を、樹脂材等に変更すると共に、製作方法は、ブロー成型に変更して、図3で示す如く、該刈取サイドカバー3aの内部全体に中空部3bを形成して、この中空部3bを注油タンク3cとして使用する構成である。
【0020】
又、図3〜5で示す如く、給油口3dを設け、この給油口3dには、キャップ(図示せず)を設ける。又、給油口3dの反対側には、電磁ポンプ3e等を設けた構成であり、ホース3fで各注油セクション部へ注油可能な構成である。更に、該給油口3dを該注油タンク3cと一体に形成した構成とするもよい。
【0021】
これにより、従来のような特別に注油タンク3cを設ける必要がなく、又、経済的であり、且つ前記刈取サイドカバー3aの重心を低くすることができると共に、コスト低減を図ることができる。
【0022】
図5で示す如く前記刈取サイドカバー3aの前記注油タンク3cに一体的に、前記電磁ポンプ3eを装着した構成である。
これにより、前記刈取サイドカバー3aを取り外すことにより、前記電磁ポンプ3eも一体的に取り外すことができることにより、前記刈取装置3部のメンテナンスが容易であり、又、メンテナンスが向上する。
【0023】
図6、及び図7で示す如く前記刈取サイドカバー3aを、上下に2分割し、下方部側を略4角形状の箱状のサイドカバー下30aに形成して注油タンク3cにすると共に、上下部側の上下端部の所定長さを折曲させた略直線状のサイドカバー上30bとした構成である。又、該サイドカバー下30aは、注油タンク3cとして使用可能な構成にしている。
【0024】
これにより、下部側の前記サイドカバー下30aを注油タンク3cとすることにより、取り外すことなく、前記サイドカバー上30bを外すだけでよく、これにより、刈取面のメンテナンスが可能になる。
【0025】
図8〜図11で示すように、走行クローラ2aの上側には、走行車台5を設け、この走行車台5の上側には、箱形状のキャビンオープンフレーム5aを上下方向に回動自在に載置して設けるべく、該走行車台5の上側面には、受パイプ5cを設け、又、該キャビンオープンフレーム5aを上下方向に回動自在に設けると共に、パイプ形状の該受パイプ5cを上下方向に設け、下端部を該走行車台5の上側面に固定して設け、該受パイプ5cの内径部孔と、該走行車台5に設けた貫通孔5dとは連通させた構成である。
【0026】
前記キャビンオープンフレーム5aの下側部には、支持杆5eを設け、この支持杆5eは、該走行車台5と、上側部に設けた、受パイプ5cの内側の貫通孔5d内へ挿入した構成である。
【0027】
前記キャビンオープンフレーム5aの一方側には、受具5fを設けると共に、前記走行車台5に設けた支持杆5eにより、該受具5fを支持させた構成であり、該キャビンオープンフレーム5aを回動自在に設けた構成である。
【0028】
前記支持杆5e部は、前記走行車台5側の固定ねじ部である。又、図9で示すように、該キャビンオープンフレーム5a内には、スライドローラ5hを設けている。又、スライドガイド5kの該スライドローラ5h部には、オープン操作用5jを設けた構成である。
【0029】
これにより、前記オープン操作用ネジ5j回転させることにより、開閉操作ができるので、力を要せずに容易に開閉ができる。又、開閉が勝手に行われることを防止できて安全である。
【0030】
前記スライドローラ5hは、図9〜図14で示すように、スライドガイド5hの溝内を移動する構成である。該スライドローラ5hの下側には、オープン作用ネジ5jを設けている。又、オープン操作用ネジ5jが回転することにより、開閉操作ができて、操作が容易である。
【0031】
これにより、前記オープン操作用ネジ5jを回転させることにより、開閉操作ができるので、開閉操作の力が必要なく、開閉操作ができる。又、ネジにより、キャビンフレームと走行フレームとが連結されているために、勝手に開閉することなく、安全である。
【0032】
前記コンバイン1の該走行装置2の該走行クローラ2aが運転作業中に、圃場内で外れることが発生していたが、これを防止するために、図15で示す如く構成とする。
外側の外周部に長方形状のアーム挿入用角チューブ31bを設け、このアーム挿入用角チューブ31bの上下両側の内側面には、中央部に所定隙間(L)を設け、所定長さの各ガイド31c、31cを左右両側に設けている。該アーム挿入用角チューブ31bの内側面には、長方形状で左右両側と中央部とには、所定の隙間を設け、上下両側に該各ガイド31c、31cを所定の隙間で設けると共に、左右両側に所定の隙間(隙間大)と、上下両側に隙間(隙間小)とを設けて、長方形状のアイドルローラアーム34を設け、このアイドルローラアーム34の外周部の上下中央部には、所定巾のガイドレール34aを設け、このガイドレール34aが、該アーム挿入用角チューブ31bに設けた各ガイド31c、31c間を通過する構成にして、はずれの防止を図っている。
【0033】
これにより、前記走行クローラ2aの脱輪、該走行クローラ2aのハ字形状の変形防止、アイドルクローラー部の轍間距離増加、アイドルローラアームのスライド時の引っかかり防止ができる。
【0034】
前記走行クローラ2a用のホイルスプロケット2bは、図8で示すように、スプロケット本体(外側)2cと、スプロケット本体(根元側)2cとの2個により形成している。
前記ホイルスプロケット本体(外側)、(根元側)2c、2c共に先端部側には、スプロケット歯2dを受けて支持すべく、両内側面部に切欠部2eを設けると共に、位置決め用のノックピン2fを挿入するノックピン穴2hを設けている。又、円形状の中心部には、支持軸2jを設けて、該支持軸2jの外周部に該スプロケット本体(外側)、(根元側)2c、2cを挿入後に、座金、スプリングワッシャ、ナット等により、固定した構成である。
【0035】
前記スプロケット本体(外側)、(根元側)2c、2c間の該切欠部2e、2e間には、該スプロケット歯2dを挿入し、ピン等により、締付けて支持した構成である。
これにより、前記スプロケット歯2dのみの交換が可能になると共に、交換が容易である。又、全機種に使用可能で量産効果の向上を図ることができる。更に、該スプロケット歯2dの材質のみを強度アップ材を使用することにより、耐摩性の向上を図ることができる。又、コストアップを押さえることができる。
【0036】
本発明は、図16で示す如く、前記コンバイン1には、HSTレバー31、及びHSTトラニオンアーム32を設けた構成において、該HSTレバー31の操作でセンサ31aが作動する構成とすると共に、該HSTトラニオンアーム32の操作でセンサ32aが作動する構成である。
【0037】
図17で示す如く、前記HSTレバー31を減速側に動かせると、該センサ31aで検出できる。イエースなら該HSTレバー31を減速側に動かしているか検出される。イエースならば該HSTレバー31位置と該HSTトラニオンアーム32位置とが比較される。又、HSTトラニオンアーム32位置が追従しているか検出され、なにもしていないと、該HSTトラニオンアーム32位置が追従していないと、前記エンジン27の回転をアイドリングまで減速し、更に該エンジン27の回転を停止させる。又、該エンジン27の回転をアイドリングまで減速と、該エンジン27の回転を停止させるまでの、この間に回避行動を行う構成である。
【0038】
これにより、前記HSTレバー31操作で減速する意思に対し、HST側がついてきていない場合は、自動で前記エンジン27の回転数を下げることによって減速させ、一定の時間で回避行動を行う余地を持たせ、その後該エンジン27を停止させることにより、走行を停止させるので、安全な回避行動を取ることができる。
【0039】
図17で示す如く、前記HSTレバー31側にセンサ31aを設け、又、前記HSTトラニオンアーム32側にセンサ32aを設けた構成において、該センサ31aにおいて、該HSTレバー31を減速側に動かしているか検出され、イエースの時は、該HSTレバー31位置と、該HSTトラニオンアーム32との位置が比較され、該HSTトラニオンアーム32位置が追従している。又は、なにもしていない時は、該エンジン27の回転をアイドリングまで減速する。又、その後に該エンジン27の回転を停止制御すると、この間は回避行動を行う。又、該HSTレバー31位置と該HSTトラニオンアーム32位置との比較で、該HSTトラニオンアーム32位置が追従していないと判定される。
【0040】
これにより、前記HSTレバー31の操作で減速する意思に対して該HST11側がついてきていない場合は、自動で前記エンジン27の回転を下げることにより減速させ、一定の時間で回避行動を行う余地を持たせ、その後に該エンジン27を停止させるので安全な回避行動を取ることができる。
【0041】
前記HSTレバー31の操作で走行速度を可変可能である。前記エンジン27の回転制御機構を有している。駆車ブレーキ33に位置検出センサ33aを有している。該HSTレバー31の操作を減速側に動かした時に、減速できない場合に該駆車ブレーキ33を踏むことにより、踏み込み代に合った該エンジン27の回転制御を行う構成である。
【0042】
図20で示す如く、前記HSTレバー31を減速側に操作しても、減速しない時は、次に駆車ブレーキ33(緊急ブレーキ)を踏む。この時には該駆車ブレーキ33の踏み代をセンサーで読み取り敷居値と比較する。第1に設定した敷居値は、前記エンジン27の回転数を70%減速すべく設定している。第2に設定した敷居値は、該エンジン27の回転数をアイドリング回転まで減速する設定である。第3に設定した敷居値は、該エンジン27の回転を停止させるべく設定した構成にしている。
【0043】
これにより、前記HSTレバー31の操作で減速する意思に対し、減速でない場合は駆車ブレーキ(緊急ブレーキ)を踏むことで踏み代に合った制御により、該エンジン27の回転数を下げ、HST速度を減速し、最大踏み代時には、該エンジン27を停止させることで、走行を停止させるので、安全な回避行動が取れる。
【0044】
前記穀粒貯留タンク15内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク15の後側には、図2で示すように、縦移送螺旋28aを内装した排出支持筒28を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒28の上端部には、その全長が該コンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋29aを伸縮自在に内装した排出オーガ29を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【符号の説明】
【0045】
2 走行装置
3 刈取装置
6 走行伝動装置
7 油圧式無段変速装置
8 走行用ギヤーボックス
9 刈取用油圧式無段変速装置
10 入力軸
12 チャージポンプ
13 チャージ回路
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの伝動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインの走行伝動装置の構成では、油圧式無段変速装置の作動用のオイルと、走行用ギヤーボックス内の潤滑用のオイルとは独立している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−5835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記走行伝動装置の従来の構成においては、油圧式無段変速装置の作動用のオイルは、走行用のギヤーボックス内の潤滑用のオイルと、該油圧式無段変速装置内に注入されるオイルとに独立しており、構成が複雑であると共に、注油に時間を要してコストアップになることがったが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
このために、この発明は、走行装置(2)を駆動する油圧式無段変速装置(7)と刈取装置(3)を駆動する刈取用油圧式無段変速装置(9)とを走行伝動装置(6)に一体的に備え、前記油圧式無段変速装置(7)の作動用のオイルとして走行伝動装置(6)の走行用ギヤーボックス(8)内の潤滑用のオイルを共用する構成とし、該走行用ギヤーボックス(8)内のオイルを、刈取用油圧式無段変速装置(9)の入力軸(10)に設けたチャージポンプ(12)で吸引して、油圧式無段変速装置(7)のチャージ回路と刈取用油圧式無段変速装置(9)のチャージ回路とに分流して送油する構成としたことを特徴とするコンバインの伝動装置としたものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明によると、チャージポンプ(12)が単一のものですみ、油圧式無段変速装置(7)の作動用のオイルと、刈取用油圧式無段変速装置(9)の作動用のオイルと、走行用ギヤーボックス(8)内の潤滑用のオイルとを共用でき、油圧回路自体をも安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの走行用ギヤーボックスの一部断面した正面図
【図2】チャージポンプ部の断面図
【図3】コンバインの左側全体側面図
【図4】刈取サイドカバー部の全体側面図
【図5】刈取サイドカバー部の全体正面図
【図6】注油タンクの全体側断面図(図4のA−A断面図)
【図7】刈取サイドカバーの上下部の側面図
【図8】サイドカバー上・下の断面図
【図9】走行クローラとキャビンオープンフレームとの左側側面図
【図10】走行車台とキャビンオープンフレームとの左側側面図
【図11】キャビンオープンフレームの下枠側面図
【図12】スライドガイド取付部の正面図
【図13】スライドローラ部の取付側面図
【図14】スライドローラ部の取付側面図
【図15】スライドガイドの取付正面図
【図16】走行クローラ部の内面構成図
【図17】HSTレバー、及びHSTトラニオンアームのフローチャート図
【図18】HSTレバー、及びHSTトラニオンアームのフローチャート図
【図19】左右スプロケットの結合図
【図20】オイルスプロケットにスプロケット歯の取付図
【図21】HSTレバーを減速側にしても減速しない時のフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行装置2の上側には走行車台5を設け、該走行車台5の前側に設けた刈取装置3で立毛穀稈を刈取り、該刈取装置3から刈取り穀稈の供給を受け、この刈取り穀稈を脱穀して選別する脱穀装置4を、該走行車台5の上側面上に載置して設けている。該走行車台5の前側部には、図1に示す走行伝動装置6を設けている。該走行伝動装置6を設けた構成において、走行装置2駆動用の油圧式無段変速装置7の作動用のオイル(イ)は、該走行用ギヤーボックス8内に注入されたオイル(イ)を共用使用する構成にすると共に、該走行用ギヤーボックス8内の該オイル(イ)を、刈取装置3駆動用の刈取駆動用油圧式無段変速装置9の入力軸10に設けた該刈取駆動用油圧式無段変速装置9用のチャージポンプ12で吸引して、その後に該両無段変速装置7、9等のチャージ回路13に分流送油すべく構成したものであり、該走行用ギヤーボックス8の下部には、走行入力軸8cを軸支している。12aはブーストポンプである。該走行用ギヤーボックス8内のオイル(イ)は上下同じ該オイル(イ)を使用する構成である。
【0009】
前記コンバイン1の前記走行車台5の下側には、図2で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ2aを張設した走行装置2を配設し、該走行車台5の上側面に脱穀装置4を載置している。該走行車台5の前方部の該刈取装置3で立毛穀稈を刈取りして、後方上部に移送し、該脱穀装置4のフィードチェン4aと、挟持杆4bとで引き継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、該脱穀装置4の右横側へ配設した穀粒貯留タンク15内へ移送供給されて、一時貯留される。
【0010】
前記走行車台5の前方部には、図2で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド16、及び分草体17と、立毛穀稈を引起す引起装置18と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置19の各掻込装置19aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置20と、刈取りされた穀稈を挟持移送して該脱穀装置4のフィードチェン4aと、挟持杆4bとへ受渡しする穀稈掻込移送装置19の根元・穂先移送装置19b・19c等からなる刈取装置3を設けている。該刈取装置3は、油圧駆動による伸縮しリンダ21により、土壌面に対して昇降する。
【0011】
前記刈取装置3の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆22aの上端部に設ける支持パイプ杆22bを、前記走行車台5の上側面に設けた支持装置23で回動自在に支持させている。該伸縮シリンダ21を作動させると支持杆22aと共に、該刈取装置3が上下回動する構成としている。
【0012】
前記刈取装置3の該穀稈掻込移送装置19によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、該脱穀装置4への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ24を設けている。
【0013】
前記穀粒貯留タンク15側の前部には、図2で示すように、該コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置25と、操縦席26とを設け、この操縦席26の下側には、エンジンプーリ27aを軸支したエンジン27を載置している。
【0014】
前記伝動機構8aを内装して設けた、該走行用ギヤーボックス8等よりなる走行伝動装置6の構成では、図1で示すように、油圧式無段変速装置7の作動用のオイル(イ)は、該走行用ギヤーボックス8内に注入されたギヤー潤滑用のオイル(イ)を共用使用する構成にすると共に、該走行用ギヤーボックス8内の該オイル(イ)を、刈取駆動用油圧式無段変速装置9の入力軸10に設けた油圧式無段変速装置7のチャージポンプ12で吸引して、その後に該刈取駆動用油圧式無段変速装置9のチャージ回路13aに分流送油する構成にして、該チャージポンプ12が単一構成で、該刈取駆動用油圧式無段変速装置9と、該走行用ギヤーボックス8との該オイル(イ)を共用使用できる。又、該刈取駆動用油圧式無段変速装置9の油圧回路を安価で容易に作成できる構成である。
【0015】
前記走行伝動装置6の該走行用ギヤーボックス8の両サイド面のそれぞれに、HST11(油圧式無段変速装置7,刈取駆動用油圧式無段変速装置9)を一体的に設けた構成である。
【0016】
これにより、前記走行用ギヤーボックス8の両サイドに、該HST11を構成したことにより、メンテナンスが容易になり、又、構成を簡単にすることができる。
油圧式無段変速装置7の入力軸から刈取駆動用油圧式無段変速装置9の入力軸を同軸で駆動する構成としている。
【0017】
上述の構成により、単一の走行用ギヤーボックス8に、走行用のHST11と、前記刈取装置3部、又は該刈取装置3部と該フィードチェン4aを駆動するHST11を一体構成に形成し、両該HST11のポンプ軸を同一直線上に配置し、エンジン27からの動力で走行用の該HST11を駆動することで他方の該HST11を同時に駆動する構成である。
【0018】
これにより、単一の該走行用ギヤーボックス8に、走行用HST11と前記刈取装置3部、又は該刈取装置3部とフィードチェン4aを駆動する該HST11を一体構成し、単一のエンジン27入力で同時に2個の該HST11が駆動でき、安価な伝動構成となる。又、刈取フィードチェンを車速同調可能とすることができ、作業性の向上を図ることができる。
【0019】
前記コンバイン1の該刈取装置3の刈取サイドカバー3aを、従来の使用材料である鉄板材を、樹脂材等に変更すると共に、製作方法は、ブロー成型に変更して、図3で示す如く、該刈取サイドカバー3aの内部全体に中空部3bを形成して、この中空部3bを注油タンク3cとして使用する構成である。
【0020】
又、図3〜5で示す如く、給油口3dを設け、この給油口3dには、キャップ(図示せず)を設ける。又、給油口3dの反対側には、電磁ポンプ3e等を設けた構成であり、ホース3fで各注油セクション部へ注油可能な構成である。更に、該給油口3dを該注油タンク3cと一体に形成した構成とするもよい。
【0021】
これにより、従来のような特別に注油タンク3cを設ける必要がなく、又、経済的であり、且つ前記刈取サイドカバー3aの重心を低くすることができると共に、コスト低減を図ることができる。
【0022】
図5で示す如く前記刈取サイドカバー3aの前記注油タンク3cに一体的に、前記電磁ポンプ3eを装着した構成である。
これにより、前記刈取サイドカバー3aを取り外すことにより、前記電磁ポンプ3eも一体的に取り外すことができることにより、前記刈取装置3部のメンテナンスが容易であり、又、メンテナンスが向上する。
【0023】
図6、及び図7で示す如く前記刈取サイドカバー3aを、上下に2分割し、下方部側を略4角形状の箱状のサイドカバー下30aに形成して注油タンク3cにすると共に、上下部側の上下端部の所定長さを折曲させた略直線状のサイドカバー上30bとした構成である。又、該サイドカバー下30aは、注油タンク3cとして使用可能な構成にしている。
【0024】
これにより、下部側の前記サイドカバー下30aを注油タンク3cとすることにより、取り外すことなく、前記サイドカバー上30bを外すだけでよく、これにより、刈取面のメンテナンスが可能になる。
【0025】
図8〜図11で示すように、走行クローラ2aの上側には、走行車台5を設け、この走行車台5の上側には、箱形状のキャビンオープンフレーム5aを上下方向に回動自在に載置して設けるべく、該走行車台5の上側面には、受パイプ5cを設け、又、該キャビンオープンフレーム5aを上下方向に回動自在に設けると共に、パイプ形状の該受パイプ5cを上下方向に設け、下端部を該走行車台5の上側面に固定して設け、該受パイプ5cの内径部孔と、該走行車台5に設けた貫通孔5dとは連通させた構成である。
【0026】
前記キャビンオープンフレーム5aの下側部には、支持杆5eを設け、この支持杆5eは、該走行車台5と、上側部に設けた、受パイプ5cの内側の貫通孔5d内へ挿入した構成である。
【0027】
前記キャビンオープンフレーム5aの一方側には、受具5fを設けると共に、前記走行車台5に設けた支持杆5eにより、該受具5fを支持させた構成であり、該キャビンオープンフレーム5aを回動自在に設けた構成である。
【0028】
前記支持杆5e部は、前記走行車台5側の固定ねじ部である。又、図9で示すように、該キャビンオープンフレーム5a内には、スライドローラ5hを設けている。又、スライドガイド5kの該スライドローラ5h部には、オープン操作用5jを設けた構成である。
【0029】
これにより、前記オープン操作用ネジ5j回転させることにより、開閉操作ができるので、力を要せずに容易に開閉ができる。又、開閉が勝手に行われることを防止できて安全である。
【0030】
前記スライドローラ5hは、図9〜図14で示すように、スライドガイド5hの溝内を移動する構成である。該スライドローラ5hの下側には、オープン作用ネジ5jを設けている。又、オープン操作用ネジ5jが回転することにより、開閉操作ができて、操作が容易である。
【0031】
これにより、前記オープン操作用ネジ5jを回転させることにより、開閉操作ができるので、開閉操作の力が必要なく、開閉操作ができる。又、ネジにより、キャビンフレームと走行フレームとが連結されているために、勝手に開閉することなく、安全である。
【0032】
前記コンバイン1の該走行装置2の該走行クローラ2aが運転作業中に、圃場内で外れることが発生していたが、これを防止するために、図15で示す如く構成とする。
外側の外周部に長方形状のアーム挿入用角チューブ31bを設け、このアーム挿入用角チューブ31bの上下両側の内側面には、中央部に所定隙間(L)を設け、所定長さの各ガイド31c、31cを左右両側に設けている。該アーム挿入用角チューブ31bの内側面には、長方形状で左右両側と中央部とには、所定の隙間を設け、上下両側に該各ガイド31c、31cを所定の隙間で設けると共に、左右両側に所定の隙間(隙間大)と、上下両側に隙間(隙間小)とを設けて、長方形状のアイドルローラアーム34を設け、このアイドルローラアーム34の外周部の上下中央部には、所定巾のガイドレール34aを設け、このガイドレール34aが、該アーム挿入用角チューブ31bに設けた各ガイド31c、31c間を通過する構成にして、はずれの防止を図っている。
【0033】
これにより、前記走行クローラ2aの脱輪、該走行クローラ2aのハ字形状の変形防止、アイドルクローラー部の轍間距離増加、アイドルローラアームのスライド時の引っかかり防止ができる。
【0034】
前記走行クローラ2a用のホイルスプロケット2bは、図8で示すように、スプロケット本体(外側)2cと、スプロケット本体(根元側)2cとの2個により形成している。
前記ホイルスプロケット本体(外側)、(根元側)2c、2c共に先端部側には、スプロケット歯2dを受けて支持すべく、両内側面部に切欠部2eを設けると共に、位置決め用のノックピン2fを挿入するノックピン穴2hを設けている。又、円形状の中心部には、支持軸2jを設けて、該支持軸2jの外周部に該スプロケット本体(外側)、(根元側)2c、2cを挿入後に、座金、スプリングワッシャ、ナット等により、固定した構成である。
【0035】
前記スプロケット本体(外側)、(根元側)2c、2c間の該切欠部2e、2e間には、該スプロケット歯2dを挿入し、ピン等により、締付けて支持した構成である。
これにより、前記スプロケット歯2dのみの交換が可能になると共に、交換が容易である。又、全機種に使用可能で量産効果の向上を図ることができる。更に、該スプロケット歯2dの材質のみを強度アップ材を使用することにより、耐摩性の向上を図ることができる。又、コストアップを押さえることができる。
【0036】
本発明は、図16で示す如く、前記コンバイン1には、HSTレバー31、及びHSTトラニオンアーム32を設けた構成において、該HSTレバー31の操作でセンサ31aが作動する構成とすると共に、該HSTトラニオンアーム32の操作でセンサ32aが作動する構成である。
【0037】
図17で示す如く、前記HSTレバー31を減速側に動かせると、該センサ31aで検出できる。イエースなら該HSTレバー31を減速側に動かしているか検出される。イエースならば該HSTレバー31位置と該HSTトラニオンアーム32位置とが比較される。又、HSTトラニオンアーム32位置が追従しているか検出され、なにもしていないと、該HSTトラニオンアーム32位置が追従していないと、前記エンジン27の回転をアイドリングまで減速し、更に該エンジン27の回転を停止させる。又、該エンジン27の回転をアイドリングまで減速と、該エンジン27の回転を停止させるまでの、この間に回避行動を行う構成である。
【0038】
これにより、前記HSTレバー31操作で減速する意思に対し、HST側がついてきていない場合は、自動で前記エンジン27の回転数を下げることによって減速させ、一定の時間で回避行動を行う余地を持たせ、その後該エンジン27を停止させることにより、走行を停止させるので、安全な回避行動を取ることができる。
【0039】
図17で示す如く、前記HSTレバー31側にセンサ31aを設け、又、前記HSTトラニオンアーム32側にセンサ32aを設けた構成において、該センサ31aにおいて、該HSTレバー31を減速側に動かしているか検出され、イエースの時は、該HSTレバー31位置と、該HSTトラニオンアーム32との位置が比較され、該HSTトラニオンアーム32位置が追従している。又は、なにもしていない時は、該エンジン27の回転をアイドリングまで減速する。又、その後に該エンジン27の回転を停止制御すると、この間は回避行動を行う。又、該HSTレバー31位置と該HSTトラニオンアーム32位置との比較で、該HSTトラニオンアーム32位置が追従していないと判定される。
【0040】
これにより、前記HSTレバー31の操作で減速する意思に対して該HST11側がついてきていない場合は、自動で前記エンジン27の回転を下げることにより減速させ、一定の時間で回避行動を行う余地を持たせ、その後に該エンジン27を停止させるので安全な回避行動を取ることができる。
【0041】
前記HSTレバー31の操作で走行速度を可変可能である。前記エンジン27の回転制御機構を有している。駆車ブレーキ33に位置検出センサ33aを有している。該HSTレバー31の操作を減速側に動かした時に、減速できない場合に該駆車ブレーキ33を踏むことにより、踏み込み代に合った該エンジン27の回転制御を行う構成である。
【0042】
図20で示す如く、前記HSTレバー31を減速側に操作しても、減速しない時は、次に駆車ブレーキ33(緊急ブレーキ)を踏む。この時には該駆車ブレーキ33の踏み代をセンサーで読み取り敷居値と比較する。第1に設定した敷居値は、前記エンジン27の回転数を70%減速すべく設定している。第2に設定した敷居値は、該エンジン27の回転数をアイドリング回転まで減速する設定である。第3に設定した敷居値は、該エンジン27の回転を停止させるべく設定した構成にしている。
【0043】
これにより、前記HSTレバー31の操作で減速する意思に対し、減速でない場合は駆車ブレーキ(緊急ブレーキ)を踏むことで踏み代に合った制御により、該エンジン27の回転数を下げ、HST速度を減速し、最大踏み代時には、該エンジン27を停止させることで、走行を停止させるので、安全な回避行動が取れる。
【0044】
前記穀粒貯留タンク15内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク15の後側には、図2で示すように、縦移送螺旋28aを内装した排出支持筒28を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒28の上端部には、その全長が該コンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋29aを伸縮自在に内装した排出オーガ29を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【符号の説明】
【0045】
2 走行装置
3 刈取装置
6 走行伝動装置
7 油圧式無段変速装置
8 走行用ギヤーボックス
9 刈取用油圧式無段変速装置
10 入力軸
12 チャージポンプ
13 チャージ回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)を駆動する油圧式無段変速装置(7)と刈取装置(3)を駆動する刈取用油圧式無段変速装置(9)とを走行伝動装置(6)に一体的に備え、前記油圧式無段変速装置(7)の作動用のオイルとして走行伝動装置(6)の走行用ギヤーボックス(8)内の潤滑用のオイルを共用する構成とし、該走行用ギヤーボックス(8)内のオイルを、刈取用油圧式無段変速装置(9)の入力軸(10)に設けたチャージポンプ(12)で吸引して、油圧式無段変速装置(7)のチャージ回路と刈取用油圧式無段変速装置(9)のチャージ回路とに分流して送油する構成としたことを特徴とするコンバインの伝動装置。
【請求項1】
走行装置(2)を駆動する油圧式無段変速装置(7)と刈取装置(3)を駆動する刈取用油圧式無段変速装置(9)とを走行伝動装置(6)に一体的に備え、前記油圧式無段変速装置(7)の作動用のオイルとして走行伝動装置(6)の走行用ギヤーボックス(8)内の潤滑用のオイルを共用する構成とし、該走行用ギヤーボックス(8)内のオイルを、刈取用油圧式無段変速装置(9)の入力軸(10)に設けたチャージポンプ(12)で吸引して、油圧式無段変速装置(7)のチャージ回路と刈取用油圧式無段変速装置(9)のチャージ回路とに分流して送油する構成としたことを特徴とするコンバインの伝動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−135791(P2011−135791A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296491(P2009−296491)
【出願日】平成21年12月26日(2009.12.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月26日(2009.12.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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