コンバインの刈取排稈処理装置
【課題】未刈稈条の中間部にコンバインを割込ませるようにして刈取作業を行う中割作業形態にあっては、右端分草杆を外側へ移動させて、刈取幅をクローラの右端よりも外側に広くするように設定するが、この右端分草杆によって分草された跡の未刈杆は、分草杆の通過後に刈取跡地面側へ倒れ込んだり、傾斜し易くなる。そして、右端分草杆が外側へ移動されても、排稈カッタの拡散幅域が変わらないときは、隣接地や、未刈稈への切断わらの降りかかりが行われ易い状態となる。
【解決手段】運転席３から操作可能の切替レバー８によって、前記刈取装置６右端部の分草杆５を刈取幅の内側方向へ移動することにより、前記排稈カッタ７右端部のサイドカバー９を切断わら拡散幅の外側方向へ移動し、又、前記分草杆５を外側方向へ移動することにより、サイドカバー９を内側方向へ移動するように切替連動操作可能に設けたことを特徴とする刈取排稈処理装置の構成とする。
【解決手段】運転席３から操作可能の切替レバー８によって、前記刈取装置６右端部の分草杆５を刈取幅の内側方向へ移動することにより、前記排稈カッタ７右端部のサイドカバー９を切断わら拡散幅の外側方向へ移動し、又、前記分草杆５を外側方向へ移動することにより、サイドカバー９を内側方向へ移動するように切替連動操作可能に設けたことを特徴とする刈取排稈処理装置の構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、コンバインの刈取排稈処理装置に関し、コンバイン後端部の排稈カッタから切断排出される切断わらが、隣接地や、未刈稈上に降りかからないようにして、コンバインの周り刈や、中割作業形態を行い易くするものである。
【背景技術】
【０００２】
刈取装置の右端部に配置する右側分草杆を、操作レバーで左右方向へ移動操作する技術（例えば、特許文献１参照）が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０１０−４８２０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
未刈稈条の中間部にコンバインを割込ませるようにして刈取作業を行う中割作業形態にあっては、右端分草杆を外側へ移動させて、刈取幅をクローラの右端よりも外側に広くするように設定するが、この右端分草杆によって分草された跡の未刈杆は、分草杆の通過後に刈取跡地面側へ倒れ込んだり、傾斜し易くなる。そして、右端分草杆が外側へ移動されても、排稈カッタの拡散幅域が変わらないときは、隣接地や、未刈稈への切断わらの降りかかりが行われ易い状態となる。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
請求項１に記載の発明は、左右一対のクローラ１を有して走行する車体２上に、右側前部の運転席３と、左側部の脱穀装置４を配置して、これら運転席３、及び脱穀装置４の前側下部には分草杆５を有して複数条刈の刈取装置６を配置して、この刈取装置６で刈取られる穀稈を挟持搬送して脱穀装置４へ搬送供給しながら脱穀し、車体２の後端部には、この脱穀装置４から送出される脱穀済排稈を左右横方向に向けた姿勢にして受けて短く切断処理する排稈カッタ７を配置して、切断わらを刈取幅域にわたって拡散排出しながら刈取処理するコンバインの刈取排稈処理装置において、前記運転席３から操作可能の切替レバー８によって、前記刈取装置６右端部の分草杆５を刈取幅の内側方向へ移動することにより、前記排稈カッタ７右端部のサイドカバー９を切断わら拡散幅の外側方向へ移動し、又、前記分草杆５を外側方向へ移動することにより、サイドカバー９を内側方向へ移動するように切替連動操作可能に設けたことを特徴とする刈取排稈処理装置の構成とする。
【０００６】
コンバイン作業において、右側を既刈取跡地として刈取作業する時は、切替レバー８により分草杆５を内側へ移動させる。これにより排稈カッタ７のサイドカバー９が外側へ移動される。このとき、右端分草杆５の外側には未刈稈は無いため、この右側のクローラ１が走行しても未刈稈条を踏み倒す恐れはない。又、脱穀装置４で脱穀された脱穀済排稈が排稈カッタ７で短く切断されて落下排出されるときは、前記隣接の未刈稈条が存在しないため切断わらが降りかかることはなく、この外側へ切替移動されたサイドカバー９に案内されて、右側外側へ広幅域に拡散されて、走行跡地面に薄層に散布されて、切断わらの乾燥し易い状態になる。
【０００７】
コンバイン作業が中割形態として行われるときは、切替レバー８を操作して分草杆５を外側へ移動すると、これに連動して排稈カッタ７のサイドカバー９が、これとは反対側の内側へ移動される。このため、刈取装置６による刈取幅は右側へ広くなって、右側クローラ１による未刈稈条の踏付や、機体による未刈稈条の押倒し等を少なくすることができ、又、排稈カッタ７部では、切断わらの排出拡散幅域が内側へ狭く制限されて、右外側の隣接未刈稈条から内側へ離間された位置に排出されるため、切断わらがこの隣接未刈稈条に降りかかり難くなる。
【０００８】
請求項２に記載の発明は、前記サイドカバー９の下端部には、ゴム製等の弾性体からなる下縁カバー１０を設けて、排稈カッタ７の後側下部を覆うリヤカバー１１よりも下方へ垂下して、下端縁を刈取跡地面に接近するように形成することを特徴とする。
【０００９】
前記のようにサイドカバー９は、切替レバー８の操作によって刈取装置６の右端分草杆５の切替移動と連動して行われるが、このサイドカバー９の外側、又は内側への切替移動においては、下端縁部に弾性体からなる下縁カバー１０を設けて、刈取跡地面に対してより接近させることができるために、この下縁カバー１０が刈株や、畦等の障害物に接触することがあっても、この衝撃力や、歪みを吸収緩和して、これら下縁カバー１０自体の損傷を防止すると共に、サイドカバー９の変形、切替位置姿勢の偏倚を防止することができる。切断わらの拡散排出を的確に規制して、隣接未刈稈条への降りかかりを防止し、コンバインの刈取走行の抵抗を少なくして円滑な切断わらの排出処理を行わせる。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１に記載の発明は、刈取装置６の右端分草杆５と、このコンバイン機体後端に装着する排稈カッタ７のサイドカバー９とは、切替移動方向が内側、外側に相反する方向となっていて、誤認し易いものであるが、これら分草杆５とサイドカバー９との切替操作は、単一の切替レバー８で連動するため、誤操作なく、簡単で、正確、的確に切替えることができ、作業性を高めることができる。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、前記サイドカバー９下端縁の下縁カバー１０がゴム板の如き弾性体から構成されているため、下端縁をできるだけ走行地面に接近させた位置に設定して、切断わらの拡散排出を的確に案内させることができ、この下縁カバー１０の衝撃力等の吸収、緩和作用によって、サイドカバー９の各切替移動位置における切断わらの拡散案内作用を安定維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】刈取装置の分草杆と排稈カッタのサイドカバーとの連動機構図。
【図２】排稈カッタ部の背面図。
【図３】その右側面図。
【図４】刈取形態を示すコンバインの平面図。
【図５】刈取形態を示すコンバインの平面図。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
図面に基づいて、コンバインは、左右一対のクローラ１を配置した車体２上に、進行方向に向って左側に脱穀装置４を搭載し、右側には前端部から後端部にわたって操縦台１２、運転席３、エンジン１３、及びグレンタンク１４等をこれらの順序で配置する。刈取装置６は、刈刃装置１５の前側に刈取穀稈条を案内する分草杆５を配置し、穀稈を刈取姿勢に引起す引起装置を配置し、この後側部には刈取られた穀稈を集送して挟持搬送する搬送装置１６を設けて、脱穀装置４の左外側の搬送口に沿って前後方向に張設するフィードチェン１７へ送込んで受継ぎ搬送させる。この脱穀装置４は扱胴軸１８を脱穀室１９の前後方向に向けて軸装し、この脱穀室１９の前側の供給口２０から送込ませた穀稈を後側の排稈室２１へ搬送しながら脱穀する。
【００１４】
前記排稈室２１には、脱穀物を吸引選別する吸引ファン２２をフィードチェン１７の後端下方部に設けて、選別排塵を後方下部に向けて排出する形態である。この排稈室２１の上部には、前記フィードチェン１７の後端部側から、右側に搭載のグレンタンク１４の後側に向けて、斜め方向に排稈チェン２３を張設して、前記排稈室２１に送出される脱穀済排稈を受継いで、右寄り後方（排稈の穂先側）へ搬送する形態としている。脱穀装置４の後端部で、この排稈室２１の後側に取付ける排稈カッタ７は、箱形のカッタケース２４を主体として、内部に平行な一対のカッタ軸２５，２６を、左右横方向に向けて水平に軸装し、各軸長方向に沿って適宜切断間隔毎にカッタディスク２７，２８を配置して、各カッタディスク２７，２８の対向回転する切断供給部３１に、前記排稈チェン２３から搬送される排稈を受けて前記各切断間隔毎に短く切断する形態である。このカッタケース２４の上側排稈口３２には切替板２９を、後端部の切替軸３０周りに上下回動可能に設け、この切替板２９を上側へ回動することにより前記排稈チェン２３からこの排稈口３２へ送出される排稈を、下部の切断供給部３１に案内し、又、この切替板２９を下側へ回動することにより、排稈をこの切替板２９の上面を後方へ排出案内して、未切断の状態で排出させるものである。
【００１５】
前記カッタケース２４の下側部には、短く切断された切断わらをコンバインの刈取走行跡地面Ｓに拡散排出する拡散室３３が、リヤカバー１１、右端穂先側のサイドカバー９、及び左端株元側の案内板３４等から形成されて、この拡散室３３の前側上部に、前記脱穀装置４の吸引ファン２２の排風口を開口させる。この吸引ファン２２の排風によって、拡散室３３を落下される切断わらが、排稈の株元部側から穂先部側へ向けて拡散されて、コンバインの走行跡地面Ｓ幅にわたって均等層Ｇ，Ｈに落下される。又、前記カッタケース２４の左端株元側には伝動ケース３５を設け、右端穂先側には伝動ケース３６を設けて、脱穀装置４の一部から連動してカッタ軸２５，２６を駆動回転することができる。
【００１６】
前記拡散室３３後側のリヤカバー１１は、カッタケース２４の左右横方向の幅と同幅にして垂下状態に形成している。又、この株元側の案内板３４は、カッタケース２４の左端直下の位置から内側下方に向けて下り傾斜させて設け、前記吸引ファン２２から吹出す排塵風をこの拡散室３３の中央部へ向けるように案内する。前記穂先側に位置するサイドカバー９は、この拡散室３３の上半部の穂先側サイドパネル３７を、垂下状に固定して前記リヤカバー１１と一体的に構成とし、このサイドパネル３７の下端部にサイドカバー９が、拡散室３３の内側Ａへ向けて適宜の傾斜角度ａに回動したり、又は外側Ｂへ向けて適宜の傾斜角度ｂに回動でき、かつ、これら各回動位置に維持することができる。このサイドカバー９はヒンジ３８を有して、サイドパネル３７に対してこのヒンジ３８の周りに内側Ａ、外側Ｂへ回動して傾斜角度ａ，ｂに切替可能の形態とするが、又、これに代えて、上下一枚の合成樹脂製のパネルに、前記ヒンジ３８部に代える折目を形成して、上半部分をサイドパネル３７とし、下半部分をサイドカバー９として、このサイドカバー９をこの折目の周りに内、外側へ折曲回動して、傾斜角度ａ，ｂを切替える形態とすることもできる。
【００１７】
ここにおいて、左右一対のクローラ１を有して走行する車体２上に、右側前部の運転席３と、左側部の脱穀装置４を配置して、これら運転席３、及び脱穀装置４の前側下部には分草杆５を有して複数条刈の刈取装置６を配置して、この刈取装置６で刈取られる穀稈を挟持搬送して脱穀装置４へ搬送供給しながら脱穀し、車体２の後端部には、この脱穀装置４から送出される脱穀済排稈を左右横方向に向けた姿勢にして受けて短く切断処理する排稈カッタ７を配置して、切断わらを刈取幅域にわたって拡散排出しながら刈取処理するコンバインの刈取排稈処理装置において、前記運転席３から操作可能の切替レバー８によって、前記刈取装置６右端部の分草杆５を刈取幅の内側方向へ移動することにより、前記排稈カッタ７右端部のサイドカバー９を切断わら拡散幅の外側方向へ移動し、又、前記分草杆５を外側方向へ移動することにより、サイドカバー９を内側方向へ移動するように切替連動操作可能に設けたことを特徴とする刈取排稈処理装置の構成とする。
【００１８】
コンバイン作業において、右側を既刈取跡地として刈取作業する時は（図４）、切替レバー８により分草杆５を内側Ｃへ移動させる。これにより排稈カッタ７のサイドカバー９が外側Ｂへ移動される。このとき、右端分草杆５の外側には未刈稈は無いため、この右側のクローラ１が走行しても未刈稈条を踏み倒す恐れはない。又、脱穀装置４で脱穀された脱穀済排稈が排稈カッタ７で短く切断されて落下排出されるときは、前記隣接の未刈稈条が存在しないため切断わらが降りかかることはなく、この外側へ切替移動されたサイドカバー９に案内されて、右側外側へ広幅域に拡散されて、走行跡地面Ｓに薄層Ｇに散布されて、切断わらの乾燥し易い状態になる。
【００１９】
コンバイン作業が中割形態（図５，Ｎ）として行われるときは、切替レバー８を操作して分草杆５を外側Ｄへ移動すると、これに連動して排稈カッタ７のサイドカバー９が、これとは反対側の内側Ａへ移動される。このため、刈取装置６による刈取幅は右側へ広くなって、右側クローラ１による未刈稈条Ｙの踏付や、機体による未刈稈条Ｙの押倒し等を少なくすることができ、又、排稈カッタ７部では、切断わらの排出拡散幅域が内側へ狭く制限されて、右外側の隣接未刈稈条Ｙから内側へ離間された位置に排出されるため、切断わらがこの隣接未刈稈条Ｙに降りかかり難くなる。
【００２０】
又、前記サイドカバー９の下端部には、ゴム製等の弾性体からなる下縁カバー１０を設けて、排稈カッタ７の後側下部を覆うリヤカバー１１よりも下方へ垂下して、下端縁を刈取跡地面に接近するように形成することを特徴とする。
【００２１】
前記のようにサイドカバー９は、切替レバー８の操作によって刈取装置６の右端分草杆５の切替移動と連動して行われるが、このサイドカバー９の外側Ｂ、又は内側Ａへの切替移動においては、下端縁部に弾性体からなる下縁カバー１０を設けて、刈取跡地面Ｓに対してより接近させることができるために、この下縁カバー１０が刈株Ｘや、畦等の障害物に接触することがあっても、この衝撃力や、歪みを吸収緩和して、これら下縁カバー１０自体の損傷を防止すると共に、サイドカバー９の変形、切替位置姿勢の偏倚を防止することができる。切断わらの拡散排出を的確に規制して、隣接未刈稈条への降りかかりを防止し、コンバインの刈取走行の抵抗を少なくして円滑な切断わらの排出処理を行わせる。
【００２２】
前記刈取装置６の右端分草杆５は、操縦台１２部の前下部に位置していて、刈取装置６の機枠に対して支持軸４０の周りに、内側Ｃ、又は外側Ｄへ回動して、刈取穀稈を案内する穀稈条案内幅を狭Ｅ１、広Ｅ２に変更することができる。通常の刈取行程Ｔでは、運転席３、及び操縦台１２が刈取進行方向Ｆの右側に位置する状態で刈取作業を行うため（図４）、各刈取行程の終端部で操向旋回するときは、左周り旋回をしながら作業する。このため、右端分草杆５を内側Ｃに位置させた状態で、刈取条幅を狭くＥ１しても外側には未刈杆条の存在しない状態で刈取走行することができる。
【００２３】
又、刈取装置６を刈取穀稈条Ｚの右端に沿わせて刈取走行する際刈り行程Ｋでは、右端分草杆５を外側Ｄへ回動させて、刈取穀稈の案内条Ｚをできるだけ広くＥ２して、刈取作業を行い易くすることができる。そして、このような刈取作業形態では、コンバインを圃場の中央部側に位置させて走行しながら、未刈稈条の右端をこの右端分草杆５で内側へ案内して刈取ることができ、刈取作業を行い易くする。又、中割り行程Ｎにおいても、同様に左端分草杆５を外側Ｄに移動させた状態で、刈取作業を行うものである。
【００２４】
このように、際刈り行程Ｋや、中割り行程Ｎ等の作業では、操縦台１２の切替レバー８をレバー軸４１周りに前後に回動することによって、ワイヤー４２を介して連動する。右端分草杆５は、戻りスプリング４５によって常時内側Ｃに復帰するように弾発してあり、ワイヤー４２はスプリング４３を介して、前記戻りスプリング４５に抗して外側Ｄへ回動することができ、しかも、この切替レバー８には支点越スプリング４４が設けられていて、この切替レバー８の前後切替回動位置を保持するように構成している。
【００２５】
前記切替レバー８は、排稈カッタ７のサイドカバー９をワイヤー４６、カバーアーム４８を介して連結し、戻りスプリング４７に抗して引くことによって、このサイドカバー９をヒンジ３８周りに外側Ｂへ回動し、又、切替レバー８を操作してこのワイヤー４６の引きを緩めると、戻りスプリング４７によってサイドカバー９を内側Ａへ回動するように切替作動する。このサイドカバー９の後端部を内側へ折曲げてリヤカバー１１の後側に重合させる案内片５１を形成し、この案内片５１には円弧状のガイド穴５０を形成し、リヤカバー１１側に設けたロックナット４９を嵌合案内し、このロックナット４９を締付けることによってサイドカバー９の内側Ａ、外側Ｂの回動位置を固定できる。そして、このロックナット４９を緩めた状態では、前記切替レバー８を前側５へ操作すると、右端分草杆５が外側Ｄへ回動されると共に、サイドカバー９が内側Ａへ回動される。又、切替レバー８を後側ｒへ操作すると、右端分草杆５は内側Ｃへ回動されると共に、サイドカバー９は外側へ回動される。
【００２６】
前記サイドカバー９は内側Ａへ切替えられることによって、この排稈カッタ７で切断されて排出拡散される切断わらが、コンバイン機体走行跡地面Ｓの走行幅の内側位置に案内排出されて、切断わらの拡散排出層が若干厚くＨ形成される。又、外側Ｂへ切替えられたときは、この切断わらの右側走行跡地面Ｓへの拡散排出量が多くなって、全体としては拡散排出層が薄くＧ形成される。
【００２７】
前記サイドカバー９は、内側Ａ、外側Ｂに回動操作されるが、このサイドカバー９の下端部に、ゴム板製の下縁カバー１０が延長垂下形態に形成されて、下端縁を前記リヤカバー１１よりも下方へ突出させて、刈取跡の走行地面Ｓ上に接近させる。この下縁カバー１０、前後端縁に沿って内側へ直角状に曲げた曲り縁５２を形成し、この曲り縁５２の上端部を、前記サイドカバー９の下端部に重合させて、ビス５３止めして取付固定する。このように下縁カバー１０がゴム板製等の弾性体から成形されていても、前後端縁に曲り縁５２を形成することによって、適宜の弾性を保持して、切断わらの拡散案内を安定して行わせる。
【符号の説明】
【００２８】
１ クローラ
２ 車体
３ 運転席
４ 脱穀装置
５ 分草杆
６ 刈取装置
７ 排稈カッター
８ 切替レバー
９ サイドカバー
１０ 下縁カバー
１１ リヤカバー
【技術分野】
【０００１】
この発明は、コンバインの刈取排稈処理装置に関し、コンバイン後端部の排稈カッタから切断排出される切断わらが、隣接地や、未刈稈上に降りかからないようにして、コンバインの周り刈や、中割作業形態を行い易くするものである。
【背景技術】
【０００２】
刈取装置の右端部に配置する右側分草杆を、操作レバーで左右方向へ移動操作する技術（例えば、特許文献１参照）が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０１０−４８２０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
未刈稈条の中間部にコンバインを割込ませるようにして刈取作業を行う中割作業形態にあっては、右端分草杆を外側へ移動させて、刈取幅をクローラの右端よりも外側に広くするように設定するが、この右端分草杆によって分草された跡の未刈杆は、分草杆の通過後に刈取跡地面側へ倒れ込んだり、傾斜し易くなる。そして、右端分草杆が外側へ移動されても、排稈カッタの拡散幅域が変わらないときは、隣接地や、未刈稈への切断わらの降りかかりが行われ易い状態となる。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
請求項１に記載の発明は、左右一対のクローラ１を有して走行する車体２上に、右側前部の運転席３と、左側部の脱穀装置４を配置して、これら運転席３、及び脱穀装置４の前側下部には分草杆５を有して複数条刈の刈取装置６を配置して、この刈取装置６で刈取られる穀稈を挟持搬送して脱穀装置４へ搬送供給しながら脱穀し、車体２の後端部には、この脱穀装置４から送出される脱穀済排稈を左右横方向に向けた姿勢にして受けて短く切断処理する排稈カッタ７を配置して、切断わらを刈取幅域にわたって拡散排出しながら刈取処理するコンバインの刈取排稈処理装置において、前記運転席３から操作可能の切替レバー８によって、前記刈取装置６右端部の分草杆５を刈取幅の内側方向へ移動することにより、前記排稈カッタ７右端部のサイドカバー９を切断わら拡散幅の外側方向へ移動し、又、前記分草杆５を外側方向へ移動することにより、サイドカバー９を内側方向へ移動するように切替連動操作可能に設けたことを特徴とする刈取排稈処理装置の構成とする。
【０００６】
コンバイン作業において、右側を既刈取跡地として刈取作業する時は、切替レバー８により分草杆５を内側へ移動させる。これにより排稈カッタ７のサイドカバー９が外側へ移動される。このとき、右端分草杆５の外側には未刈稈は無いため、この右側のクローラ１が走行しても未刈稈条を踏み倒す恐れはない。又、脱穀装置４で脱穀された脱穀済排稈が排稈カッタ７で短く切断されて落下排出されるときは、前記隣接の未刈稈条が存在しないため切断わらが降りかかることはなく、この外側へ切替移動されたサイドカバー９に案内されて、右側外側へ広幅域に拡散されて、走行跡地面に薄層に散布されて、切断わらの乾燥し易い状態になる。
【０００７】
コンバイン作業が中割形態として行われるときは、切替レバー８を操作して分草杆５を外側へ移動すると、これに連動して排稈カッタ７のサイドカバー９が、これとは反対側の内側へ移動される。このため、刈取装置６による刈取幅は右側へ広くなって、右側クローラ１による未刈稈条の踏付や、機体による未刈稈条の押倒し等を少なくすることができ、又、排稈カッタ７部では、切断わらの排出拡散幅域が内側へ狭く制限されて、右外側の隣接未刈稈条から内側へ離間された位置に排出されるため、切断わらがこの隣接未刈稈条に降りかかり難くなる。
【０００８】
請求項２に記載の発明は、前記サイドカバー９の下端部には、ゴム製等の弾性体からなる下縁カバー１０を設けて、排稈カッタ７の後側下部を覆うリヤカバー１１よりも下方へ垂下して、下端縁を刈取跡地面に接近するように形成することを特徴とする。
【０００９】
前記のようにサイドカバー９は、切替レバー８の操作によって刈取装置６の右端分草杆５の切替移動と連動して行われるが、このサイドカバー９の外側、又は内側への切替移動においては、下端縁部に弾性体からなる下縁カバー１０を設けて、刈取跡地面に対してより接近させることができるために、この下縁カバー１０が刈株や、畦等の障害物に接触することがあっても、この衝撃力や、歪みを吸収緩和して、これら下縁カバー１０自体の損傷を防止すると共に、サイドカバー９の変形、切替位置姿勢の偏倚を防止することができる。切断わらの拡散排出を的確に規制して、隣接未刈稈条への降りかかりを防止し、コンバインの刈取走行の抵抗を少なくして円滑な切断わらの排出処理を行わせる。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１に記載の発明は、刈取装置６の右端分草杆５と、このコンバイン機体後端に装着する排稈カッタ７のサイドカバー９とは、切替移動方向が内側、外側に相反する方向となっていて、誤認し易いものであるが、これら分草杆５とサイドカバー９との切替操作は、単一の切替レバー８で連動するため、誤操作なく、簡単で、正確、的確に切替えることができ、作業性を高めることができる。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、前記サイドカバー９下端縁の下縁カバー１０がゴム板の如き弾性体から構成されているため、下端縁をできるだけ走行地面に接近させた位置に設定して、切断わらの拡散排出を的確に案内させることができ、この下縁カバー１０の衝撃力等の吸収、緩和作用によって、サイドカバー９の各切替移動位置における切断わらの拡散案内作用を安定維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】刈取装置の分草杆と排稈カッタのサイドカバーとの連動機構図。
【図２】排稈カッタ部の背面図。
【図３】その右側面図。
【図４】刈取形態を示すコンバインの平面図。
【図５】刈取形態を示すコンバインの平面図。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
図面に基づいて、コンバインは、左右一対のクローラ１を配置した車体２上に、進行方向に向って左側に脱穀装置４を搭載し、右側には前端部から後端部にわたって操縦台１２、運転席３、エンジン１３、及びグレンタンク１４等をこれらの順序で配置する。刈取装置６は、刈刃装置１５の前側に刈取穀稈条を案内する分草杆５を配置し、穀稈を刈取姿勢に引起す引起装置を配置し、この後側部には刈取られた穀稈を集送して挟持搬送する搬送装置１６を設けて、脱穀装置４の左外側の搬送口に沿って前後方向に張設するフィードチェン１７へ送込んで受継ぎ搬送させる。この脱穀装置４は扱胴軸１８を脱穀室１９の前後方向に向けて軸装し、この脱穀室１９の前側の供給口２０から送込ませた穀稈を後側の排稈室２１へ搬送しながら脱穀する。
【００１４】
前記排稈室２１には、脱穀物を吸引選別する吸引ファン２２をフィードチェン１７の後端下方部に設けて、選別排塵を後方下部に向けて排出する形態である。この排稈室２１の上部には、前記フィードチェン１７の後端部側から、右側に搭載のグレンタンク１４の後側に向けて、斜め方向に排稈チェン２３を張設して、前記排稈室２１に送出される脱穀済排稈を受継いで、右寄り後方（排稈の穂先側）へ搬送する形態としている。脱穀装置４の後端部で、この排稈室２１の後側に取付ける排稈カッタ７は、箱形のカッタケース２４を主体として、内部に平行な一対のカッタ軸２５，２６を、左右横方向に向けて水平に軸装し、各軸長方向に沿って適宜切断間隔毎にカッタディスク２７，２８を配置して、各カッタディスク２７，２８の対向回転する切断供給部３１に、前記排稈チェン２３から搬送される排稈を受けて前記各切断間隔毎に短く切断する形態である。このカッタケース２４の上側排稈口３２には切替板２９を、後端部の切替軸３０周りに上下回動可能に設け、この切替板２９を上側へ回動することにより前記排稈チェン２３からこの排稈口３２へ送出される排稈を、下部の切断供給部３１に案内し、又、この切替板２９を下側へ回動することにより、排稈をこの切替板２９の上面を後方へ排出案内して、未切断の状態で排出させるものである。
【００１５】
前記カッタケース２４の下側部には、短く切断された切断わらをコンバインの刈取走行跡地面Ｓに拡散排出する拡散室３３が、リヤカバー１１、右端穂先側のサイドカバー９、及び左端株元側の案内板３４等から形成されて、この拡散室３３の前側上部に、前記脱穀装置４の吸引ファン２２の排風口を開口させる。この吸引ファン２２の排風によって、拡散室３３を落下される切断わらが、排稈の株元部側から穂先部側へ向けて拡散されて、コンバインの走行跡地面Ｓ幅にわたって均等層Ｇ，Ｈに落下される。又、前記カッタケース２４の左端株元側には伝動ケース３５を設け、右端穂先側には伝動ケース３６を設けて、脱穀装置４の一部から連動してカッタ軸２５，２６を駆動回転することができる。
【００１６】
前記拡散室３３後側のリヤカバー１１は、カッタケース２４の左右横方向の幅と同幅にして垂下状態に形成している。又、この株元側の案内板３４は、カッタケース２４の左端直下の位置から内側下方に向けて下り傾斜させて設け、前記吸引ファン２２から吹出す排塵風をこの拡散室３３の中央部へ向けるように案内する。前記穂先側に位置するサイドカバー９は、この拡散室３３の上半部の穂先側サイドパネル３７を、垂下状に固定して前記リヤカバー１１と一体的に構成とし、このサイドパネル３７の下端部にサイドカバー９が、拡散室３３の内側Ａへ向けて適宜の傾斜角度ａに回動したり、又は外側Ｂへ向けて適宜の傾斜角度ｂに回動でき、かつ、これら各回動位置に維持することができる。このサイドカバー９はヒンジ３８を有して、サイドパネル３７に対してこのヒンジ３８の周りに内側Ａ、外側Ｂへ回動して傾斜角度ａ，ｂに切替可能の形態とするが、又、これに代えて、上下一枚の合成樹脂製のパネルに、前記ヒンジ３８部に代える折目を形成して、上半部分をサイドパネル３７とし、下半部分をサイドカバー９として、このサイドカバー９をこの折目の周りに内、外側へ折曲回動して、傾斜角度ａ，ｂを切替える形態とすることもできる。
【００１７】
ここにおいて、左右一対のクローラ１を有して走行する車体２上に、右側前部の運転席３と、左側部の脱穀装置４を配置して、これら運転席３、及び脱穀装置４の前側下部には分草杆５を有して複数条刈の刈取装置６を配置して、この刈取装置６で刈取られる穀稈を挟持搬送して脱穀装置４へ搬送供給しながら脱穀し、車体２の後端部には、この脱穀装置４から送出される脱穀済排稈を左右横方向に向けた姿勢にして受けて短く切断処理する排稈カッタ７を配置して、切断わらを刈取幅域にわたって拡散排出しながら刈取処理するコンバインの刈取排稈処理装置において、前記運転席３から操作可能の切替レバー８によって、前記刈取装置６右端部の分草杆５を刈取幅の内側方向へ移動することにより、前記排稈カッタ７右端部のサイドカバー９を切断わら拡散幅の外側方向へ移動し、又、前記分草杆５を外側方向へ移動することにより、サイドカバー９を内側方向へ移動するように切替連動操作可能に設けたことを特徴とする刈取排稈処理装置の構成とする。
【００１８】
コンバイン作業において、右側を既刈取跡地として刈取作業する時は（図４）、切替レバー８により分草杆５を内側Ｃへ移動させる。これにより排稈カッタ７のサイドカバー９が外側Ｂへ移動される。このとき、右端分草杆５の外側には未刈稈は無いため、この右側のクローラ１が走行しても未刈稈条を踏み倒す恐れはない。又、脱穀装置４で脱穀された脱穀済排稈が排稈カッタ７で短く切断されて落下排出されるときは、前記隣接の未刈稈条が存在しないため切断わらが降りかかることはなく、この外側へ切替移動されたサイドカバー９に案内されて、右側外側へ広幅域に拡散されて、走行跡地面Ｓに薄層Ｇに散布されて、切断わらの乾燥し易い状態になる。
【００１９】
コンバイン作業が中割形態（図５，Ｎ）として行われるときは、切替レバー８を操作して分草杆５を外側Ｄへ移動すると、これに連動して排稈カッタ７のサイドカバー９が、これとは反対側の内側Ａへ移動される。このため、刈取装置６による刈取幅は右側へ広くなって、右側クローラ１による未刈稈条Ｙの踏付や、機体による未刈稈条Ｙの押倒し等を少なくすることができ、又、排稈カッタ７部では、切断わらの排出拡散幅域が内側へ狭く制限されて、右外側の隣接未刈稈条Ｙから内側へ離間された位置に排出されるため、切断わらがこの隣接未刈稈条Ｙに降りかかり難くなる。
【００２０】
又、前記サイドカバー９の下端部には、ゴム製等の弾性体からなる下縁カバー１０を設けて、排稈カッタ７の後側下部を覆うリヤカバー１１よりも下方へ垂下して、下端縁を刈取跡地面に接近するように形成することを特徴とする。
【００２１】
前記のようにサイドカバー９は、切替レバー８の操作によって刈取装置６の右端分草杆５の切替移動と連動して行われるが、このサイドカバー９の外側Ｂ、又は内側Ａへの切替移動においては、下端縁部に弾性体からなる下縁カバー１０を設けて、刈取跡地面Ｓに対してより接近させることができるために、この下縁カバー１０が刈株Ｘや、畦等の障害物に接触することがあっても、この衝撃力や、歪みを吸収緩和して、これら下縁カバー１０自体の損傷を防止すると共に、サイドカバー９の変形、切替位置姿勢の偏倚を防止することができる。切断わらの拡散排出を的確に規制して、隣接未刈稈条への降りかかりを防止し、コンバインの刈取走行の抵抗を少なくして円滑な切断わらの排出処理を行わせる。
【００２２】
前記刈取装置６の右端分草杆５は、操縦台１２部の前下部に位置していて、刈取装置６の機枠に対して支持軸４０の周りに、内側Ｃ、又は外側Ｄへ回動して、刈取穀稈を案内する穀稈条案内幅を狭Ｅ１、広Ｅ２に変更することができる。通常の刈取行程Ｔでは、運転席３、及び操縦台１２が刈取進行方向Ｆの右側に位置する状態で刈取作業を行うため（図４）、各刈取行程の終端部で操向旋回するときは、左周り旋回をしながら作業する。このため、右端分草杆５を内側Ｃに位置させた状態で、刈取条幅を狭くＥ１しても外側には未刈杆条の存在しない状態で刈取走行することができる。
【００２３】
又、刈取装置６を刈取穀稈条Ｚの右端に沿わせて刈取走行する際刈り行程Ｋでは、右端分草杆５を外側Ｄへ回動させて、刈取穀稈の案内条Ｚをできるだけ広くＥ２して、刈取作業を行い易くすることができる。そして、このような刈取作業形態では、コンバインを圃場の中央部側に位置させて走行しながら、未刈稈条の右端をこの右端分草杆５で内側へ案内して刈取ることができ、刈取作業を行い易くする。又、中割り行程Ｎにおいても、同様に左端分草杆５を外側Ｄに移動させた状態で、刈取作業を行うものである。
【００２４】
このように、際刈り行程Ｋや、中割り行程Ｎ等の作業では、操縦台１２の切替レバー８をレバー軸４１周りに前後に回動することによって、ワイヤー４２を介して連動する。右端分草杆５は、戻りスプリング４５によって常時内側Ｃに復帰するように弾発してあり、ワイヤー４２はスプリング４３を介して、前記戻りスプリング４５に抗して外側Ｄへ回動することができ、しかも、この切替レバー８には支点越スプリング４４が設けられていて、この切替レバー８の前後切替回動位置を保持するように構成している。
【００２５】
前記切替レバー８は、排稈カッタ７のサイドカバー９をワイヤー４６、カバーアーム４８を介して連結し、戻りスプリング４７に抗して引くことによって、このサイドカバー９をヒンジ３８周りに外側Ｂへ回動し、又、切替レバー８を操作してこのワイヤー４６の引きを緩めると、戻りスプリング４７によってサイドカバー９を内側Ａへ回動するように切替作動する。このサイドカバー９の後端部を内側へ折曲げてリヤカバー１１の後側に重合させる案内片５１を形成し、この案内片５１には円弧状のガイド穴５０を形成し、リヤカバー１１側に設けたロックナット４９を嵌合案内し、このロックナット４９を締付けることによってサイドカバー９の内側Ａ、外側Ｂの回動位置を固定できる。そして、このロックナット４９を緩めた状態では、前記切替レバー８を前側５へ操作すると、右端分草杆５が外側Ｄへ回動されると共に、サイドカバー９が内側Ａへ回動される。又、切替レバー８を後側ｒへ操作すると、右端分草杆５は内側Ｃへ回動されると共に、サイドカバー９は外側へ回動される。
【００２６】
前記サイドカバー９は内側Ａへ切替えられることによって、この排稈カッタ７で切断されて排出拡散される切断わらが、コンバイン機体走行跡地面Ｓの走行幅の内側位置に案内排出されて、切断わらの拡散排出層が若干厚くＨ形成される。又、外側Ｂへ切替えられたときは、この切断わらの右側走行跡地面Ｓへの拡散排出量が多くなって、全体としては拡散排出層が薄くＧ形成される。
【００２７】
前記サイドカバー９は、内側Ａ、外側Ｂに回動操作されるが、このサイドカバー９の下端部に、ゴム板製の下縁カバー１０が延長垂下形態に形成されて、下端縁を前記リヤカバー１１よりも下方へ突出させて、刈取跡の走行地面Ｓ上に接近させる。この下縁カバー１０、前後端縁に沿って内側へ直角状に曲げた曲り縁５２を形成し、この曲り縁５２の上端部を、前記サイドカバー９の下端部に重合させて、ビス５３止めして取付固定する。このように下縁カバー１０がゴム板製等の弾性体から成形されていても、前後端縁に曲り縁５２を形成することによって、適宜の弾性を保持して、切断わらの拡散案内を安定して行わせる。
【符号の説明】
【００２８】
１ クローラ
２ 車体
３ 運転席
４ 脱穀装置
５ 分草杆
６ 刈取装置
７ 排稈カッター
８ 切替レバー
９ サイドカバー
１０ 下縁カバー
１１ リヤカバー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
左右一対のクローラ（１）を有して走行する車体（２）上に、右側前部の運転席（３）と、左側部の脱穀装置（４）を配置して、これら運転席（３）、及び脱穀装置（４）の前側下部には分草杆（５）を有して複数条刈の刈取装置（６）を配置して、この刈取装置（６）で刈取られる穀稈を挟持搬送して脱穀装置（４）へ搬送供給しながら脱穀し、車体（２）の後端部には、この脱穀装置（４）から送出される脱穀済排稈を左右横方向に向けた姿勢にして受けて短く切断処理する排稈カッタ（７）を配置して、切断わらを刈取幅域にわたって拡散排出しながら刈取処理するコンバインの刈取排稈処理装置において、前記運転席（３）から操作可能の切替レバー（８）によって、前記刈取装置（６）右端部の分草杆（５）を刈取幅の内側方向へ移動することにより、前記排稈カッタ（７）右端部のサイドカバー（９）を切断わら拡散幅の外側方向へ移動し、又、前記分草杆（５）を外側方向へ移動することにより、サイドカバー（９）を内側方向へ移動するように切替連動操作可能に設けたことを特徴とする刈取排稈処理装置。
【請求項２】
前記サイドカバー（９）の下端部には、ゴム製等の弾性体からなる下縁カバー（１０）を設けて、排稈カッタ（７）の後側下部を覆うリヤカバー（１１）よりも下方へ垂下して、下端縁を刈取跡地面に接近するように形成することを特徴とする請求項１に記載のコンバインの刈取排稈処理装置。
【請求項１】
左右一対のクローラ（１）を有して走行する車体（２）上に、右側前部の運転席（３）と、左側部の脱穀装置（４）を配置して、これら運転席（３）、及び脱穀装置（４）の前側下部には分草杆（５）を有して複数条刈の刈取装置（６）を配置して、この刈取装置（６）で刈取られる穀稈を挟持搬送して脱穀装置（４）へ搬送供給しながら脱穀し、車体（２）の後端部には、この脱穀装置（４）から送出される脱穀済排稈を左右横方向に向けた姿勢にして受けて短く切断処理する排稈カッタ（７）を配置して、切断わらを刈取幅域にわたって拡散排出しながら刈取処理するコンバインの刈取排稈処理装置において、前記運転席（３）から操作可能の切替レバー（８）によって、前記刈取装置（６）右端部の分草杆（５）を刈取幅の内側方向へ移動することにより、前記排稈カッタ（７）右端部のサイドカバー（９）を切断わら拡散幅の外側方向へ移動し、又、前記分草杆（５）を外側方向へ移動することにより、サイドカバー（９）を内側方向へ移動するように切替連動操作可能に設けたことを特徴とする刈取排稈処理装置。
【請求項２】
前記サイドカバー（９）の下端部には、ゴム製等の弾性体からなる下縁カバー（１０）を設けて、排稈カッタ（７）の後側下部を覆うリヤカバー（１１）よりも下方へ垂下して、下端縁を刈取跡地面に接近するように形成することを特徴とする請求項１に記載のコンバインの刈取排稈処理装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１２−１０６６８（Ｐ２０１２−１０６６８Ａ）
【公開日】平成２４年１月１９日（２０１２．１．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１５２６６５（Ｐ２０１０−１５２６６５）
【出願日】平成２２年７月５日（２０１０．７．５）
【出願人】（０００１４４９８０）株式会社アテックス (111)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１月１９日（２０１２．１．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年７月５日（２０１０．７．５）
【出願人】（０００１４４９８０）株式会社アテックス (111)
【Ｆターム（参考）】
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