コンバインの排ワラ処理装置
【課題】排ワラ搬送装置の挟持レールの伸縮作動と排ワラ細断装置の排ワラ投入口の開閉操作とを、電動モータの駆動力を利用して軽快に行え、かつ、構造の簡素化及び低コスト化を図る。
【解決手段】排ワラ搬送装置による排ワラ放出位置を変更するように、伸縮レール部35を伸縮作動させて挟持レール31の長さを変更するレール操作用電動モータ20と、そのレール操作用電動モータ20に駆動及び停止指令を出力するレール用人為操作具と、伸縮レール部35の放出端位置を検出するリミットスイッチ8と、そのリミットスイッチ8で検出された排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段とを備えた。
【解決手段】排ワラ搬送装置による排ワラ放出位置を変更するように、伸縮レール部35を伸縮作動させて挟持レール31の長さを変更するレール操作用電動モータ20と、そのレール操作用電動モータ20に駆動及び停止指令を出力するレール用人為操作具と、伸縮レール部35の放出端位置を検出するリミットスイッチ8と、そのリミットスイッチ8で検出された排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀処理後の排ワラを搬送する排ワラ搬送装置と、その排ワラ搬送装置から供給された排ワラを切断する排ワラ細断装置とを備え、前記排ワラ搬送装置を、搬送排ワラの株元を挟持する挟持チェーンと挟持レールとで構成し、前記挟持レールを挟持チェーンの移動方向に沿って伸縮移動させて排ワラ放出位置を変更可能に構成してあるコンバインの排ワラ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このように排ワラ搬送装置からの排ワラ放出位置を変更調節可能なコンバインの排ワラ処理装置としては、下記[1]及び[2]に記載のものが知られている。
[1]人為操作可能な操作レバーを、排ワラ搬送装置の挟持レール、及び排ワラ細断装置の排ワラ投入口の開閉蓋と機械的に連係させて、前記操作レバーによる人為操作力によって、排ワラ搬送装置の挟持レールの伸縮作動と排ワラ細断装置の開閉蓋の開閉操作とを行うように構成したもの(特許文献1参照)。
[2]挟持レールの伸縮作動、及び排ワラ細断装置の排ワラ投入口の開閉蓋の開閉操作を行う電動モータを備え、この電動モータの作動を、人為操作可能な切換スイッチの操作による操作指令と、前記電動モータによる作動結果を検出する検出装置のフィードバック信号とが入力される制御装置により制御して、挟持レールの伸縮及び開閉蓋の開閉操作を電動モータの駆動力で行えるようにしたもの(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−47322号公報(段落〔0017〕、〔0019〕、図4、図12、図13)
【特許文献2】特開平5−49337号公報(段落〔0013〕、〔0014〕、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記[1]のように、排ワラ搬送装置の挟持レールの伸縮作動と排ワラ細断装置の排ワラ投入口の開閉操作とを、操作レバーによる人為操作力によって行うように構成した構造のものでは、操作レバーの操作量に対する挟持レールの伸縮移動量が比較的大きいものであるため、操作レバーの操作量を増幅して伝える必要から、比較的操作が重くなりやすい傾向があった。操作レバーのレバー長さを十分に長くすれば操作を軽快に行う上で有効ではあるが、そのためには操作レバーの操作空間を大きく要するという別の不具合が生じることになる。
また、操作レバーの操作を挟持レールと開閉蓋の双方に伝えるには、挟持レールと開閉蓋とが互いに操作タイミングも操作量も異なる作動状態で操作されるものであるため、操作タイミングのズレを吸収するための融通や、操作量の相違を吸収するための融通など、種々の融通が的確に機能するように設定された操作機構が必要となり、機械的な構造の複雑さを招き易いものであった。
【0005】
上記[2]のように、挟持レールの伸縮及び開閉蓋の開閉操作を電動モータの駆動力で行えるように、電動モータによる作動結果をポテンショメータなどの検出装置で検出して、そのフィードバック信号に基づいて電動モータの作動を制御するようにした構造のものでは、ポテンショメータやマイクロコンピュータなどの比較的高価な構成部品が必要となり、コスト低減を行い難いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、排ワラ搬送装置の挟持レールの伸縮作動と排ワラ細断装置の排ワラ投入口の開閉操作とを、電動モータの駆動力を利用して軽快に行うことができ、かつ、構造の簡素化及び低コスト化を図り得るコンバインの排ワラ搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために講じた本発明の技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
〔解決手段1〕
本発明は、脱穀処理後の排ワラを搬送する排ワラ搬送装置と、その排ワラ搬送装置から供給された排ワラを切断する排ワラ細断装置とを備え、
前記排ワラ搬送装置を、搬送排ワラの株元を挟持する挟持チェーンと挟持レールとで構成するとともに、前記挟持レールを、前記挟持チェーンの移動方向に沿って伸縮する伸縮レール部と、この伸縮レール部の伸縮移動を許容しながらその伸縮レール部を保持する本体レール部とで構成して、
前記排ワラ搬送装置による排ワラ放出位置を、前記排ワラ細断装置に対して排ワラを供給する切断排出位置と、その切断排出位置を越えて排ワラを長ワラのままで排出する長ワラ排出位置とに排ワラ搬送形態を切換操作可能に構成してあるコンバインの排ワラ処理装置であって、
前記排ワラ搬送装置による排ワラ放出位置を変更するように、伸縮レール部を伸縮作動させて挟持レールの長さを変更するレール操作用電動モータと、そのレール操作用電動モータに駆動及び停止指令を出力するレール用人為操作具と、前記伸縮レール部の放出端位置を検出するリミットスイッチと、そのリミットスイッチで検出された排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段とを備えた点に構成上の特徴がある。
【0008】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1で示した構成によると、挟持レールの伸縮レール部を、レール操作用電動モータの駆動力を利用して軽快に伸縮移動させることができる。このため、伸縮レール部を大きく移動させるための大きな操作レバーなどは必要なく、小型の装置で軽快に操作することができる。
しかも、そのレール操作用電動モータによる操作指令は、マイクロコンピュータを利用した制御装置から出力されるのではなく、伸縮レール部の放出端位置を検出するリミットスイッチで検出された排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段での表示結果に基づいて、人為的に操作できるレール用人為操作具による駆動指令と停止指令とによって行われる。
したがって、レール操作用電動モータで伸縮操作される挟持レール側の動作を検出するための検出手段や、その検出結果のフィードバック信号に基づいて制御を行うための制御装置を必要とせず、装置の低コスト化を促進し易いという利点がある。
【0009】
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項2に記載のように、排ワラ放出位置のうち、長ワラ排出位置を排ワラ搬送方向での複数箇所に設定し、それぞれの長ワラ排出位置に対応する伸縮レール部の放出端位置を検出するリミットスイッチ、及び表示手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
〔解決手段2にかかる作用及び効果〕
上記の解決手段2にかかる本発明のコンバインの排ワラ処理装置では、長ワラ排出位置を排ワラ搬送方向での複数箇所に設定し、それぞれの長ワラ排出位置に対応する伸縮レール部の放出端位置を検出するようにしたものであるから、長ワラの排出位置を挟持チェーンの移動方向で複数箇所に設定することができる。
したがって、挟持チェーンの移動方向を機体の左右幅方向で一方側から他方側へ向けて設定してあると、搬送排ワラの排出位置を機体の左右方向で異ならせた状態に設定して排出することができる。これによって走行機体の幅方向での中央寄り位置に排出したり、走行機体の幅方向での右寄りに排出するなど、適宜の排出状態を選択し易い。
【0011】
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項3に記載のように、排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段は、それぞれの排ワラ放出位置の中間に位置する状態の伸縮レール部の位置を表示するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
〔解決手段3にかかる作用及び効果〕
上記のように、解決手段3にかかる本発明のコンバインの排ワラ処理装置では、排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段が、それぞれの排ワラ放出位置の中間に位置する状態の伸縮レール部の位置をも表示するので、レール操作用電動モータを駆動させてから、そのレール操作用電動モータに停止指令を出力して伸縮レール部の伸縮移動を停止させる操作を行い易くなる。
つまり、表示手段が排ワラ放出位置のみを表示するものであると、伸縮レール部を移動させる前の排ワラ放出位置から次の排ワラ放出位置に達するまで表示状態が変わらないので、どの時点で停止させればよいのかが分かり難い。これに比べて本発明では、それぞれの排ワラ放出位置の中間に位置する状態の伸縮レール部の位置をも表示させるものであるから、伸縮レール部の伸縮移動を停止させるタイミングの目安を、その中間位置の表示状態から得られるので、より適切に伸縮レール部を停止させ易いという利点がある。
【0013】
〔解決手段4〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項4に記載のように、排ワラ細断装置は排ワラ投入口に開閉蓋を備えているとともに、その開閉蓋を開閉駆動する蓋開閉用電動モータと、その蓋開閉用電動モータに対して開閉操作を指令する蓋操作用人為操作具とを備え、前記蓋操作用人為操作具が開閉蓋の開放側へ操作されると、レール操作用電動モータによって挟持レールの伸縮レール部を切断排出位置に収縮移動させるとともに、蓋開閉用電動モータが開閉蓋を開放操作し、かつ、開閉蓋が開放された排ワラ細断状態でレール用人為操作具による挟持レールの伸縮作動が指令されると、前記レール操作用電動モータ及び蓋開閉用電動モータが非作動状態となるように、前記レール操作用電動モータと蓋開閉用電動モータとの作動を連係させてあることを特徴とする。
【0014】
〔解決手段4にかかる作用及び効果〕
上記のように、解決手段4にかかる本発明のコンバインの排ワラ処理装置では、レール操作用電動モータと蓋開閉用電動モータとの作動を互いに連係させてあり、排ワラ細断の必要が生じて蓋操作用人為操作具を開閉蓋の開放側へ操作すると、その開閉蓋の作動に伴ってレール操作用電動モータが挟持レールの伸縮レール部を切断排出位置に収縮移動させる。
つまり、蓋操作用人為操作具での開閉蓋の開放操作を行うだけで、レール用人為操作具による操作を要することなく、開閉蓋の開放動作と伸縮レール部の切断排出位置への移動操作との両操作を行うことができ、操作の簡便さを図ることができる。
また、蓋操作用人為操作具を開閉蓋の開放側へ操作しながらも、挟持レールの伸縮レール部が長ワラ排出位置に操作されたままの状態となるような、操作忘れによる誤操作なく排ワラ細断作業を現出させ易い点でも有利である。
【0015】
そして、開閉蓋が開放された排ワラ細断状態では、レール用人為操作具による挟持レールの伸縮作動が指令されても、前記レール操作用電動モータ及び蓋開閉用電動モータは非作動状態のままで、開閉蓋が開放された排ワラ細断状態が続行される。
つまり、排ワラ細断装置の排ワラ投入口に多量の排ワラが滞留しているような状況で開閉蓋が閉じ側へ操作されると、その滞留排ワラを排ワラ細断装置側の奥側へ押し付けて排ワラ詰まりが生じ易くなる虞があるが、開閉蓋の開放中にはそのような閉じ側への強制操作を抑止できるので、このような誤操作による排ワラ詰まりの発生を回避し易いという利点がある。したがって、誤ってレール用人為操作具に触れても、予期せず開閉蓋が閉じ側へ操作されることを避けられる点でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】排ワラ処理装置を示す平面図
【図3】排ワラ処理装置を示す側面図
【図4】挟持レールとレール操作装置を示す側面図
【図5】挟持レールとレール操作装置を示す側面図
【図6】挟持レールとレール操作装置を示す側面図
【図7】レール操作装置を示す断面図
【図8】開閉蓋と蓋操作装置を示す説明図
【図9】蓋操作装置を示す断面図
【図10】レール操作用電動モータと蓋開閉用電動モータとの動作回路図
【図11】人為操作具と表示手段を示す平面図
【図12】リミットスイッチと表示手段との関係を示す図表
【図13】他の実施形態における動作回路図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
〔コンバインの全体構成〕
まず、本発明を適用したコンバインの全体構成について説明する。
図1には自脱形コンバインの全体側面が示されている。このコンバインは、機体フレーム1の下部に左右一対のクローラ式走行装置10を装備し、機体フレーム1の前方及び左前部には昇降揺動可能に連結した刈取前処理装置11が設けられている。
前記刈取前処理装置11で刈り取られた穀稈は機体フレーム1の左後部に設けられた脱穀装置12で脱穀処理され、脱穀された穀粒が穀粒タンク13に回収され、脱穀処理後の排ワラは後方の排ワラ処理装置2に受け渡されるように構成されている。前記機体フレーム1の右前部には原動部(図示せず)が設けられ、原動部の上方側に搭乗運転部15が備えられている。
【0018】
脱穀装置12は、刈取前処理装置11から受け渡された刈取穀稈の株元側を挟持して前後方向に搬送するフィードチェーン16を備え、そのフィードチェーン16で株元側を挟持搬送される穀稈の穂先側を扱き処理する扱胴(図示せず)、ならびに脱穀処理後の処理物を選別する選別装置(図示せず)などを備えた周知の構造によって構成されている。
【0019】
〔排ワラ処理装置〕
図1乃至図3に示すように、脱穀フィードチェーン16の後端側には、脱穀フィードチェーン16が脱穀装置12から後方に搬出した脱穀排ワラを受け取って挟持し、横倒れ状態で穂先側に寄せながら機体後方に搬送する排ワラ搬送装置3が配設されている。
この排ワラ搬送装置3と、その下方側に位置して、排ワラ搬送装置3の端部から落下供給された排ワラを切断する排ワラ細断装置4とから前記排ワラ処理装置2が構成されている。
【0020】
〔排ワラ搬送装置〕
脱穀済みの排ワラを挟持して機体後方側へ搬送する排ワラ搬送装置3は、図2に示すように、排ワラの株元側を挟持する挟持搬送装置3Aと、穂先側に係止する係止用突起を備えて排ワラの穂先側を係止搬送する係止搬送装置3Bとを備えて構成されている。
【0021】
挟持搬送装置3Aについて説明する。
図4に示すように、挟持搬送装置3Aは、搬送始端側のガイドスプロケット30aと、搬送終端側の駆動スプロケット30bとにわたって巻回した突起付きの無端回動チェーン(挟持チェーンの一例)30と、この無端回動チェーン30の搬送作用箇所である下方向きの面に対向して位置する挟持レール31とによって構成してある。
【0022】
前記挾持レール31は、図4に示すように、搬送始端側の本体レール部32と、この本体レール部32に保持された状態でその本体レール部32の軸線方向に沿ってスライド伸縮する伸縮レール部35とで構成してある。
【0023】
挟持レール31の搬送始端側の本体レール部32は、両端部分において支持ロッド33,33によって無端回動チェーン30に対して遠近方向に移動自在に支持され、支持ロッド33,33に外嵌された付勢バネ34によって、前記無端回動チェーン30に近付く側である上向き方向に付勢されている。
【0024】
前記本体レール部32の終端位置には、この伸縮レール部35の円滑な移動を行なわせるガイドローラ36が設けてあり、一方、伸縮レール部35の前後両端位置には、伸縮レール部35をスライド移動させるための二本の伸縮駆動用ワイヤー37が夫々ビス連結してある。その二本の伸縮駆動用ワイヤー37の他端は、レール操作用電動モータ20に連動駆動される駆動プーリ24に巻き掛けされて、一本のワイヤーとして繋がっており、前記したガイドローラ36に襷掛け状態で案内支持されている。
【0025】
前記駆動プーリ24は、図4乃至図7に示すように、駆動プーリ24と一体に形成された伝動ギヤ23、及びその伝動ギヤ23に噛合する出退操作ギヤ22、並びに、その出退操作ギヤ22に駆動力を伝達する原動ギヤ21を介してレール操作用電動モータ20に連係されている。
【0026】
上記のレール操作用電動モータ20、原動ギヤ21、出退操作ギヤ22、伝動ギヤ23、駆動プーリ24、及び伸縮駆動用ワイヤー37が、伸縮レール部35をスライド移動させて挟持レール31の終端位置を位置変更操作するためのレール操作装置Aを構成している。
このレール操作装置Aは、図4乃至図7に示すように、取付枠体18を介して脱穀装置12の横側壁12aに取り付けられている。
【0027】
〔排ワラ細断装置〕
前記排ワラ細断装置4は、供給刃と切断刃の組み合わせからなる多数の円板刃42を取り付けた一対のカッター軸41,41によって構成された周知の構造のものである。
前記一対のカッター軸41,41を内装するカッターケース40の上方箇所に設けた投入口43に開閉蓋44が備えられ、この開閉蓋44を開放姿勢にすると、排ワラ搬送装置3の搬送終端から落下供給される排ワラは、前記投入口43から前記一対のカッター軸41,41の間に供給され、細断されて下方から機外へ放出される細断放出状態となる。
前記開閉蓋44を前記投入口43の上方を覆う閉塞姿勢に切り換えると、排ワラ搬送装置3の搬送終端から落下供給される排ワラは、開閉蓋44の上方側を滑落して長ワラのまま機体後方側の機外へ放出される長ワラ放出状態となる。
【0028】
上記排ワラ細断装置4の投入口43に設けられた開閉蓋44は、蓋操作装置Bを介して、前記レール操作用電動モータ20とは別の蓋開閉用電動モータ25で駆動されるように構成されている。
すなわち、前記開閉蓋44は、図8に実線で示す閉じ姿勢と、仮想線で示す開放姿勢との2位置に開閉自在に構成され、閉じ姿勢側に軽くバネ(図示せず)付勢されている。そして、開閉蓋44の揺動軸44aと一体のアーム部44bが、蓋操作装置Bの連係ワイヤー45で引き操作されることにより、図8の仮想線で示すように開放姿勢に操作される。
【0029】
前記蓋操作装置Bは、前記連係ワイヤー45と、その連係ワイヤー45を巻回する駆動プーリ28と、駆動プーリ28と一体に形成された扇形伝動ギヤ27、その扇形伝動ギヤ27に駆動力を伝達する原動ギヤ26、及び蓋開閉用電動モータ25を備えて構成されている。
【0030】
前記扇形伝動ギヤ27には、蓋操作装置Bを取り付けた取付ブラケット19に形成された円弧状長孔19a内に係入する突起27aが一体形成されていて、前記円弧状長孔19a内における角度範囲内で扇形伝動ギヤ27の回動操作を許容するように構成してある。
【0031】
〔連係操作手段〕
前記レール操作装置Aと蓋操作装置Bとは、次の連係操作手段Cによって互いに連係作動するように構成されている。
【0032】
図4乃至図7に示すように、レール操作装置A側では、出退操作ギヤ22の作動位置を検出するためのリミットスイッチ8を、取付枠体18に固定してある。
前記リミットスイッチ8は、レール操作用電動モータ20で駆動される出退操作ギヤ22が、伸縮レール部35を最も短縮させた状態での排ワラ放出位置である「細断用位置」を検出する第1検出スイッチSW1と、前記伸縮レール部35を最も伸長させた状態で長ワラのままで放出する「最長排出用位置」を検出する第3検出スイッチSW3と、その第1検出スイッチSW1と第3検出スイッチSW3との中間で排ワラを長ワラのままで放出する「中間排出用位置」を検出する第2検出スイッチSW2とで構成されている。
【0033】
前記出退操作ギヤ22は、原動ギヤ21及び伝動ギヤ23に噛合する歯部22aが周方向で部分的(3/4周程度)に形成され、他の部分が扇形に切り欠かれた形状の変形ギヤによって構成されている。この出退操作ギヤ22の、前記伸縮レール部35を最も短縮させた側に相当する箇所における変形ギヤの外周部で、かつ前記扇形に切り欠かれた切欠部22bの一端部に隣接する箇所に、前記歯部22aよりも半径方向外方側へ突出する突出部22cを形成してある。
【0034】
前記第1検出スイッチSW1は、前記出退操作ギヤ22が前記伸縮レール部35を最も短縮させた側に相当する箇所である「細断用位置」に位置した状態では、図4に示すように、前記突出部22cに接触してON状態となる。このとき、第2検出スイッチSW2は、前記切欠部22bの存在箇所に位置してOFF状態となり、前記第3検出スイッチSW3は、前記切欠部22bからは外れているが、前記歯部22aよりも半径方向外方側に位置してOFF状態となっている。
【0035】
前記出退操作ギヤ22が図4に示す「細断用位置」に相当する箇所から離れるように、図中時計回りに回転すると、前記第1検出スイッチSW1は前記突出部22cとの接触状態を解除されてOFF状態となる。
そして、図5に示すように、出退操作ギヤ22が第2検出スイッチSW2の存在箇所にまで回動すると、第2検出スイッチSW2が出退操作ギヤ22の側面に接触してON状態となり、出退操作ギヤ22が第2検出スイッチSW2の存在箇所にまで到達したこと、つまり、前記伸縮レール部35を「中間排出用位置」に位置させる箇所に相当する位置に達したことが検出される。このとき、前記第3検出スイッチSW3は、前記歯部22aよりも半径方向外方側に位置してOFF状態となっている。
【0036】
前記出退操作ギヤ22が図5に示す「中間排出用位置」に相当する箇所から離れるように、さらに時計回りに回転すると、前記第1検出スイッチSW1は前記突出部22cとの接触状態を解除されてOFF状態となったままであり、前記歯部22aよりも半径方向内方側に位置する第2検出スイッチSW2は、出退操作ギヤ22の側面に接触したON状態のままに維持されている。
そして、図6に示すように、出退操作ギヤ22が第3検出スイッチSW3の存在箇所にまで回動すると、第3検出スイッチSW3が出退操作ギヤ22の前記突出部22cに接触してON状態となり、出退操作ギヤ22が第3検出スイッチSW3の存在箇所にまで到達したこと、つまり、前記伸縮レール部35を「最長排出用位置」に位置させる箇所に相当する位置に達したことが検出される。
【0037】
図8及び図9に示すように、蓋操作装置B側では、扇形伝動ギヤ27に一体形成された突起27aの位置を検出するためのリミットスイッチ9を、取付ブラケット19に形成された円弧状長孔19aの両端部に固定してある。
前記リミットスイッチ9は、蓋開閉用電動モータ25で駆動される扇形伝動ギヤ27が、開閉蓋44を開放姿勢に操作した開姿勢位置を検出する第4検出スイッチSW4と、開閉蓋44を閉塞姿勢に操作した閉姿勢位置を検出する第5検出スイッチSW5とで構成されている。
【0038】
搭乗運転部15における運転座席(図外)の近く位置には、図11に示すように、連係操作手段Cの入力手段であるレール用人為操作具としての操作ボタン5及び蓋操作用人為操作具としての押しボタン6、ならびに操作結果を表示する表示手段7を設けてある。
【0039】
図10及び図11に示すように、レール用人為操作具としての操作ボタン5は、レール操作用回路50を作動させてレール操作用電動モータ20を正転、逆転、停止の3状態に操作し、伸縮レール部35を伸長させる伸長位置と、伸縮レール部35を収縮させる収縮位置と、伸縮レール部35の伸縮作動を停止させる停止位置とを現出できるように構成されている。
つまり、操作ボタン5がシーソー状に揺動切換自在で、手を離すと中立の停止位置に復元して非通電状態となるように復帰付勢して構成してあり、「伸びる」側に押し操作すると、押し操作されている間だけ伸縮レール部35を伸長させる伸長位置に切り換えられ、「縮む」側に押し操作すると、押し操作されている間だけ伸縮レール部35を収縮させる収縮位置に切り換えられ、手を離すと伸縮レール部35の伸縮作動を停止させる停止位置となるように構成されている。
【0040】
図10及び図11に示すように、前記蓋操作用人為操作具である押しボタン6は、蓋開閉用回路60を作動させて蓋開閉用電動モータ25を、正転、及び逆転の2状態に操作して、開閉蓋44が投入口43の上方を覆う閉塞姿勢と、投入口43を開くように開閉蓋44を開放姿勢とするように構成されている。
つまり、押し込み状態と、押し込み解除状態との2状態にトグル切り換え操作される押しボタン6が、その押し操作毎に蓋開閉用電動モータ25を、正転状態と逆転状態とに交互に切り換えて、開閉蓋44の開閉操作が人為的に行われるように構成してある。
【0041】
上記のように、前記リミットスイッチ8、リミットスイッチ9、レール操作用電動モータ20を回転駆動するレール操作用回路50、及び蓋開閉用電動モータ25を駆動する側の蓋開閉用回路60、ならびに、これらを接続する回路によって前記連係操作手段Cを構成している。
【0042】
前記表示手段7は、図11に示されるように、挟持レール31による排ワラ放出端位置を示すための3個の表示ランプ71〜73が直線的に配設してある。
これらの表示ランプ71〜73は、左から順に、挟持レール31が最も短縮された「細断用位置」、細断用位置と最長排出用位置との中間での長ワラの排出位置に相当する「中間排出用位置」、挟持レール31が最も伸長された長ワラの排出位置に相当する「最長排出用位置」を示している。
【0043】
前記表示ランプ71〜73は、「細断用位置」を検出する第1検出スイッチSW1と、前記伸縮レール部35を最も伸長させた状態で長ワラのままで放出する「最長排出用位置」を検出する第3検出スイッチSW3と、その第1検出スイッチSW1と第3検出スイッチSW3との中間で排ワラを長ワラのままで放出する「中間排出用位置」を検出する第2検出スイッチSW2との検出結果に基づいて表示されるものであり、図12に示すようにように構成されている。
すなわち、表示ランプ71は第1検出スイッチSW1に、表示ランプ72は第2検出スイッチSW2に、表示ランプ73は第3検出スイッチSW3の検出の有無に対応して、同様にON/OFF状態が切り換えられるように構成してある。
【0044】
したがって、図12に示すように、第1検出スイッチSW1がON状態となり、第2検出スイッチSW2と第3検出スイッチSW3とがOFF状態となる「細断用位置」では、表示ランプ71〜73のうち、表示ランプ71がON状態となり、表示ランプ72、及び表示ランプ73がOFF状態となる。
前記「中間排出用位置」では、第2検出スイッチSW2がON状態となり、第1検出スイッチSW1と第3検出スイッチSW3とがOFF状態となり、表示ランプ71〜73のうち、表示ランプ72がON状態となり、表示ランプ71、及び表示ランプ73がOFF状態となる。
前記「最長排出用位置」では、第2検出スイッチSW2と第3検出スイッチSW3とがON状態となり、第1検出スイッチSW1がOFF状態となり、表示ランプ71〜73のうち、表示ランプ72、及び表示ランプ73がON状態となり、表示ランプ71がOFF状態となる。
【0045】
図12では、「細断用位置」と「中間排出用位置」との間、及び「中間排出用位置」と「最長排出用位置」との間に「中間位置」を示している。
この中間位置は、表示ランプ71、表示ランプ72、及び表示ランプ73で直接的に表示している訳ではないが、例えば、「細断用位置」と「中間排出用位置」との間の「中間位置」では、伸縮レール部35の移動中に、全ての表示ランプ71、表示ランプ72、及び表示ランプ73がOFF状態となって、全てが一時的に消灯された状態となるので、伸縮レール部35が、その中間位置を移動中であることが間接的に表示されたことになる。
【0046】
上記の例では、「中間排出用位置」と「最長排出用位置」との間の「中間位置」では、表示ランプ72がON状態に維持されていて点灯したままなので、この中間位置を表示することはできない。しかしながら、例えば、出退操作ギヤ22に、図5及び図6に仮想線で図示した領域eに相当する箇所に窪みを設けるなどして、一時的に第2検出スイッチSW2がOFFになる状態を構成すれば、前述の「細断用位置」と「中間排出用位置」との間の「中間位置」の場合と同様に、表示ランプ72が一時的に消灯された状態とすることができるので、伸縮レール部35が、その中間位置を移動中であることを間接的に表示できる。
【0047】
前記表示手段7には、図11に示されるように、開閉蓋44の開閉状態を示すための2個の表示ランプ74,75が配設してある。
この表示ランプ74,75は、扇形伝動ギヤ27が、開閉蓋44を開放姿勢に操作した開姿勢位置を検出する第4検出スイッチSW4と、開閉蓋44を閉塞姿勢に操作した閉姿勢位置を検出する第5検出スイッチSW5との検出結果に基づいて、「開」位置と「閉」位置とを、それぞれ表示するように構成されている。
【0048】
〔動作回路〕
図10は、レール操作用電動モータ20と、蓋開閉用電動モータ25との動作回路を示している。図中、上部の端末が電源に接続され、下部の端末がグランドに接続されている。この動作回路について説明する。
【0049】
まず、蓋開閉用電動モータ25を駆動する側の蓋開閉用回路60との関係を無視して、レール用人為操作具としての操作ボタン5を、伸び側、もしくは縮み側へ操作した場合を説明すると、操作ボタン5の「伸」側、もしくは「縮」側への操作によって、レール操作用回路50がレール操作用電動モータ20を回転駆動し、レール操作装置Aの出退操作ギヤ22を駆動する。
これに伴って、出退操作ギヤ22の動きを検出する第1検出スイッチSW1、第2検出スイッチSW2、第3検出スイッチSW3が順に検出作動する。これらの各リミットスイッチ8の検出結果が、図11に示す表示ランプ71、表示ランプ72、表示ランプ73によって表示される。
【0050】
前記蓋開閉用電動モータ25を駆動する側の蓋開閉用回路60では、蓋操作用人為操作具としての押しボタン6を、開閉蓋44がカッターケース40の投入口43を開放する「細断」位置と、開閉蓋44が投入口43を閉塞した「長ワラ」位置とに切り換え操作すると、前記蓋開閉用回路60が蓋開閉用電動モータ25を正・逆方向に回転駆動する。
この蓋開閉用電動モータ25が正転側の所定位置まで駆動されたことを、扇形伝動ギヤ27の突起27aの位置を検出する第4検出スイッチ74で検出し、蓋開閉用電動モータ25が逆転側の所定位置まで駆動されたことを前記突起27aの位置を検出する第5検出スイッチ75で検出するように構成されている。これらの各リミットスイッチ9の検出結果が、図11に示す表示ランプ74、表示ランプ75によって表示される。
【0051】
上記の動作回路では、蓋操作用人為操作具としての押しボタン6における2連の「細断」位置のうち、蓋開閉用回路60に接続されていない側の「細断」位置と、レール用人為操作具としての操作ボタン5の「縮」側とレール操作用回路50との接続箇所とが結線されている。
このため、前記蓋操作用人為操作具としての押しボタン6が「細断」位置に操作されると、蓋開閉用回路60が蓋開閉用電動モータ25を回転駆動して開閉蓋44を開放姿勢に操作し、同時的にレール操作用回路50にも「縮」側と同じ信号が入力されて、レール操作用電動モータ20が縮み側に回転駆動されることになる。
【0052】
前記蓋操作用人為操作具としての押しボタン6が「長ワラ」位置に操作されると、レール操作用回路50側への信号は遮断され、蓋開閉用回路60が蓋開閉用電動モータ25を回転駆動して開閉蓋44を閉塞姿勢に操作する。
前記蓋開閉用回路60との関係を無視して、レール用人為操作具としての操作ボタン5を、伸び側、もしくは縮み側へ操作した場合の動作とは、この状態での動作である。
【0053】
そして、前記蓋操作用人為操作具としての押しボタン6が「細断」位置に操作されている場合(挟持レール31の伸縮レール部35は最も短縮した「細断用位置」にある)に、レール用人為操作具としての操作ボタン5が、「伸」側、もしくは「縮」側へ操作されても、レール操作用回路50はレール操作用電動モータ20に対して回転駆動の指令を出力しないように構成されている。
つまり、操作ボタン5が、「縮」側へ操作されても、既に入力されている蓋開閉用回路60からの「縮」側への指令と同じ指令であり、挟持レール31の伸縮レール部35は最も短縮した「細断用位置」にあるので、この指令は無視される。
また、前記操作ボタン5が、「伸」側へ操作された場合には、レール操作用回路50には、前記蓋開閉用回路60からの「縮」側への指令が入力されている状態であり、これとは全く逆の指令が同時に入力された状態となる。「伸」、「縮」が同時に指令されると、レール操作用回路50は操作用電動モータ20に対して回路駆動の指令を出力しないように回路構成されている。
【0054】
上記のように、前記蓋操作用人為操作具としての押しボタン6が「細断」位置に操作された状態で、レール用人為操作具としての操作ボタン5が、「伸」側、もしくは「縮」側へ操作された場合には、その操作ボタン5の操作が行われる都度、適宜警報を鳴らすなど、報知手段(図外)を連係作動させて、蓋操作用人為操作具としての押しボタン6を「長ワラ」位置に操作することを促すようにするとよい。
【0055】
〔別実施形態の1〕
レール操作用電動モータ20と、蓋開閉用電動モータ25との動作回路としては、前記図10に示すように、蓋開閉用回路60とレール操作用回路50との接続及び入力をスイッチ操作で行うようにした構造のものに限らず、図13に示すように、リレーを利用した動作回路としてもよい。
【0056】
図13に示す構造のものでは、蓋操作用人為操作具である押しボタン6として、押し込み操作された「閉」状態と、押し込み解除された「開」状態との2状態にトグル切り換え操作される開閉操作式のスイッチを用いるとともに、蓋開閉用回路60に対して信号を入力可能な第1リレー61と、レール操作用回路50に対して信号を入力可能な第2リレー62を備えている。
その他の構成は前述した図10に示す実施形態のものと同様である。
【0057】
したがって、前記押しボタン6を押し操作すると、第1リレー61及び第2リレー62が「長ワラ」位置に切り換え操作され、押しボタン6の押し操作を解除すると、第1リレー61及び第2リレー62が「細断」位置に切り換え操作され、前述の実施形態で示した構造のものと同様に作用する。
【0058】
〔別実施形態の2〕
排ワラ処理装置として、排ワラ搬送装置3と排ワラ細断装置4とを備える構成を示したが、これに限らず、前記排ワラ搬送装置3と排ワラ細断装置4との他に、排ワラ搬送装置3から圃場へ直接的に落下させず、ドロッパー装置(図示せず)を用いて、所定量毎にまとめて放出する構造を採用してもよい。
また、前記排ワラ搬送装置3と排ワラ細断装置4との他に、結束装置(図示せず)を用いて排ワラを結束してから圃場へ放出する構造を採用してもよい。
【0059】
〔別実施形態の3〕
表示手段7の各表示ランプ71〜75としては、LED等の適宜表示手段を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、コンバインの排ワラ処理装置に関するものであり、その排ワラ処理装置としては種々のものを用いることができる
【符号の説明】
【0061】
3 排ワラ搬送装置
4 排ワラ細断装置
5 レール用人為操作具
6 蓋開閉用人為操作具
7 表示手段
8,9 リミットスイッチ
20 レール操作用電動モータ
22 出退操作ギヤ
25 蓋開閉用電動モータ
27 扇形伝動ギヤ
30 無端回動チェーン(挟持チェーン)
31 挟持レール
32 本体レール部
35 伸縮レール部
43 排ワラ投入口
44 開閉蓋
A レール操作装置
B 蓋操作装置
C 連係操作手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀処理後の排ワラを搬送する排ワラ搬送装置と、その排ワラ搬送装置から供給された排ワラを切断する排ワラ細断装置とを備え、前記排ワラ搬送装置を、搬送排ワラの株元を挟持する挟持チェーンと挟持レールとで構成し、前記挟持レールを挟持チェーンの移動方向に沿って伸縮移動させて排ワラ放出位置を変更可能に構成してあるコンバインの排ワラ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このように排ワラ搬送装置からの排ワラ放出位置を変更調節可能なコンバインの排ワラ処理装置としては、下記[1]及び[2]に記載のものが知られている。
[1]人為操作可能な操作レバーを、排ワラ搬送装置の挟持レール、及び排ワラ細断装置の排ワラ投入口の開閉蓋と機械的に連係させて、前記操作レバーによる人為操作力によって、排ワラ搬送装置の挟持レールの伸縮作動と排ワラ細断装置の開閉蓋の開閉操作とを行うように構成したもの(特許文献1参照)。
[2]挟持レールの伸縮作動、及び排ワラ細断装置の排ワラ投入口の開閉蓋の開閉操作を行う電動モータを備え、この電動モータの作動を、人為操作可能な切換スイッチの操作による操作指令と、前記電動モータによる作動結果を検出する検出装置のフィードバック信号とが入力される制御装置により制御して、挟持レールの伸縮及び開閉蓋の開閉操作を電動モータの駆動力で行えるようにしたもの(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−47322号公報(段落〔0017〕、〔0019〕、図4、図12、図13)
【特許文献2】特開平5−49337号公報(段落〔0013〕、〔0014〕、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記[1]のように、排ワラ搬送装置の挟持レールの伸縮作動と排ワラ細断装置の排ワラ投入口の開閉操作とを、操作レバーによる人為操作力によって行うように構成した構造のものでは、操作レバーの操作量に対する挟持レールの伸縮移動量が比較的大きいものであるため、操作レバーの操作量を増幅して伝える必要から、比較的操作が重くなりやすい傾向があった。操作レバーのレバー長さを十分に長くすれば操作を軽快に行う上で有効ではあるが、そのためには操作レバーの操作空間を大きく要するという別の不具合が生じることになる。
また、操作レバーの操作を挟持レールと開閉蓋の双方に伝えるには、挟持レールと開閉蓋とが互いに操作タイミングも操作量も異なる作動状態で操作されるものであるため、操作タイミングのズレを吸収するための融通や、操作量の相違を吸収するための融通など、種々の融通が的確に機能するように設定された操作機構が必要となり、機械的な構造の複雑さを招き易いものであった。
【0005】
上記[2]のように、挟持レールの伸縮及び開閉蓋の開閉操作を電動モータの駆動力で行えるように、電動モータによる作動結果をポテンショメータなどの検出装置で検出して、そのフィードバック信号に基づいて電動モータの作動を制御するようにした構造のものでは、ポテンショメータやマイクロコンピュータなどの比較的高価な構成部品が必要となり、コスト低減を行い難いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、排ワラ搬送装置の挟持レールの伸縮作動と排ワラ細断装置の排ワラ投入口の開閉操作とを、電動モータの駆動力を利用して軽快に行うことができ、かつ、構造の簡素化及び低コスト化を図り得るコンバインの排ワラ搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために講じた本発明の技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
〔解決手段1〕
本発明は、脱穀処理後の排ワラを搬送する排ワラ搬送装置と、その排ワラ搬送装置から供給された排ワラを切断する排ワラ細断装置とを備え、
前記排ワラ搬送装置を、搬送排ワラの株元を挟持する挟持チェーンと挟持レールとで構成するとともに、前記挟持レールを、前記挟持チェーンの移動方向に沿って伸縮する伸縮レール部と、この伸縮レール部の伸縮移動を許容しながらその伸縮レール部を保持する本体レール部とで構成して、
前記排ワラ搬送装置による排ワラ放出位置を、前記排ワラ細断装置に対して排ワラを供給する切断排出位置と、その切断排出位置を越えて排ワラを長ワラのままで排出する長ワラ排出位置とに排ワラ搬送形態を切換操作可能に構成してあるコンバインの排ワラ処理装置であって、
前記排ワラ搬送装置による排ワラ放出位置を変更するように、伸縮レール部を伸縮作動させて挟持レールの長さを変更するレール操作用電動モータと、そのレール操作用電動モータに駆動及び停止指令を出力するレール用人為操作具と、前記伸縮レール部の放出端位置を検出するリミットスイッチと、そのリミットスイッチで検出された排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段とを備えた点に構成上の特徴がある。
【0008】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1で示した構成によると、挟持レールの伸縮レール部を、レール操作用電動モータの駆動力を利用して軽快に伸縮移動させることができる。このため、伸縮レール部を大きく移動させるための大きな操作レバーなどは必要なく、小型の装置で軽快に操作することができる。
しかも、そのレール操作用電動モータによる操作指令は、マイクロコンピュータを利用した制御装置から出力されるのではなく、伸縮レール部の放出端位置を検出するリミットスイッチで検出された排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段での表示結果に基づいて、人為的に操作できるレール用人為操作具による駆動指令と停止指令とによって行われる。
したがって、レール操作用電動モータで伸縮操作される挟持レール側の動作を検出するための検出手段や、その検出結果のフィードバック信号に基づいて制御を行うための制御装置を必要とせず、装置の低コスト化を促進し易いという利点がある。
【0009】
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項2に記載のように、排ワラ放出位置のうち、長ワラ排出位置を排ワラ搬送方向での複数箇所に設定し、それぞれの長ワラ排出位置に対応する伸縮レール部の放出端位置を検出するリミットスイッチ、及び表示手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
〔解決手段2にかかる作用及び効果〕
上記の解決手段2にかかる本発明のコンバインの排ワラ処理装置では、長ワラ排出位置を排ワラ搬送方向での複数箇所に設定し、それぞれの長ワラ排出位置に対応する伸縮レール部の放出端位置を検出するようにしたものであるから、長ワラの排出位置を挟持チェーンの移動方向で複数箇所に設定することができる。
したがって、挟持チェーンの移動方向を機体の左右幅方向で一方側から他方側へ向けて設定してあると、搬送排ワラの排出位置を機体の左右方向で異ならせた状態に設定して排出することができる。これによって走行機体の幅方向での中央寄り位置に排出したり、走行機体の幅方向での右寄りに排出するなど、適宜の排出状態を選択し易い。
【0011】
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項3に記載のように、排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段は、それぞれの排ワラ放出位置の中間に位置する状態の伸縮レール部の位置を表示するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
〔解決手段3にかかる作用及び効果〕
上記のように、解決手段3にかかる本発明のコンバインの排ワラ処理装置では、排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段が、それぞれの排ワラ放出位置の中間に位置する状態の伸縮レール部の位置をも表示するので、レール操作用電動モータを駆動させてから、そのレール操作用電動モータに停止指令を出力して伸縮レール部の伸縮移動を停止させる操作を行い易くなる。
つまり、表示手段が排ワラ放出位置のみを表示するものであると、伸縮レール部を移動させる前の排ワラ放出位置から次の排ワラ放出位置に達するまで表示状態が変わらないので、どの時点で停止させればよいのかが分かり難い。これに比べて本発明では、それぞれの排ワラ放出位置の中間に位置する状態の伸縮レール部の位置をも表示させるものであるから、伸縮レール部の伸縮移動を停止させるタイミングの目安を、その中間位置の表示状態から得られるので、より適切に伸縮レール部を停止させ易いという利点がある。
【0013】
〔解決手段4〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項4に記載のように、排ワラ細断装置は排ワラ投入口に開閉蓋を備えているとともに、その開閉蓋を開閉駆動する蓋開閉用電動モータと、その蓋開閉用電動モータに対して開閉操作を指令する蓋操作用人為操作具とを備え、前記蓋操作用人為操作具が開閉蓋の開放側へ操作されると、レール操作用電動モータによって挟持レールの伸縮レール部を切断排出位置に収縮移動させるとともに、蓋開閉用電動モータが開閉蓋を開放操作し、かつ、開閉蓋が開放された排ワラ細断状態でレール用人為操作具による挟持レールの伸縮作動が指令されると、前記レール操作用電動モータ及び蓋開閉用電動モータが非作動状態となるように、前記レール操作用電動モータと蓋開閉用電動モータとの作動を連係させてあることを特徴とする。
【0014】
〔解決手段4にかかる作用及び効果〕
上記のように、解決手段4にかかる本発明のコンバインの排ワラ処理装置では、レール操作用電動モータと蓋開閉用電動モータとの作動を互いに連係させてあり、排ワラ細断の必要が生じて蓋操作用人為操作具を開閉蓋の開放側へ操作すると、その開閉蓋の作動に伴ってレール操作用電動モータが挟持レールの伸縮レール部を切断排出位置に収縮移動させる。
つまり、蓋操作用人為操作具での開閉蓋の開放操作を行うだけで、レール用人為操作具による操作を要することなく、開閉蓋の開放動作と伸縮レール部の切断排出位置への移動操作との両操作を行うことができ、操作の簡便さを図ることができる。
また、蓋操作用人為操作具を開閉蓋の開放側へ操作しながらも、挟持レールの伸縮レール部が長ワラ排出位置に操作されたままの状態となるような、操作忘れによる誤操作なく排ワラ細断作業を現出させ易い点でも有利である。
【0015】
そして、開閉蓋が開放された排ワラ細断状態では、レール用人為操作具による挟持レールの伸縮作動が指令されても、前記レール操作用電動モータ及び蓋開閉用電動モータは非作動状態のままで、開閉蓋が開放された排ワラ細断状態が続行される。
つまり、排ワラ細断装置の排ワラ投入口に多量の排ワラが滞留しているような状況で開閉蓋が閉じ側へ操作されると、その滞留排ワラを排ワラ細断装置側の奥側へ押し付けて排ワラ詰まりが生じ易くなる虞があるが、開閉蓋の開放中にはそのような閉じ側への強制操作を抑止できるので、このような誤操作による排ワラ詰まりの発生を回避し易いという利点がある。したがって、誤ってレール用人為操作具に触れても、予期せず開閉蓋が閉じ側へ操作されることを避けられる点でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】排ワラ処理装置を示す平面図
【図3】排ワラ処理装置を示す側面図
【図4】挟持レールとレール操作装置を示す側面図
【図5】挟持レールとレール操作装置を示す側面図
【図6】挟持レールとレール操作装置を示す側面図
【図7】レール操作装置を示す断面図
【図8】開閉蓋と蓋操作装置を示す説明図
【図9】蓋操作装置を示す断面図
【図10】レール操作用電動モータと蓋開閉用電動モータとの動作回路図
【図11】人為操作具と表示手段を示す平面図
【図12】リミットスイッチと表示手段との関係を示す図表
【図13】他の実施形態における動作回路図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
〔コンバインの全体構成〕
まず、本発明を適用したコンバインの全体構成について説明する。
図1には自脱形コンバインの全体側面が示されている。このコンバインは、機体フレーム1の下部に左右一対のクローラ式走行装置10を装備し、機体フレーム1の前方及び左前部には昇降揺動可能に連結した刈取前処理装置11が設けられている。
前記刈取前処理装置11で刈り取られた穀稈は機体フレーム1の左後部に設けられた脱穀装置12で脱穀処理され、脱穀された穀粒が穀粒タンク13に回収され、脱穀処理後の排ワラは後方の排ワラ処理装置2に受け渡されるように構成されている。前記機体フレーム1の右前部には原動部(図示せず)が設けられ、原動部の上方側に搭乗運転部15が備えられている。
【0018】
脱穀装置12は、刈取前処理装置11から受け渡された刈取穀稈の株元側を挟持して前後方向に搬送するフィードチェーン16を備え、そのフィードチェーン16で株元側を挟持搬送される穀稈の穂先側を扱き処理する扱胴(図示せず)、ならびに脱穀処理後の処理物を選別する選別装置(図示せず)などを備えた周知の構造によって構成されている。
【0019】
〔排ワラ処理装置〕
図1乃至図3に示すように、脱穀フィードチェーン16の後端側には、脱穀フィードチェーン16が脱穀装置12から後方に搬出した脱穀排ワラを受け取って挟持し、横倒れ状態で穂先側に寄せながら機体後方に搬送する排ワラ搬送装置3が配設されている。
この排ワラ搬送装置3と、その下方側に位置して、排ワラ搬送装置3の端部から落下供給された排ワラを切断する排ワラ細断装置4とから前記排ワラ処理装置2が構成されている。
【0020】
〔排ワラ搬送装置〕
脱穀済みの排ワラを挟持して機体後方側へ搬送する排ワラ搬送装置3は、図2に示すように、排ワラの株元側を挟持する挟持搬送装置3Aと、穂先側に係止する係止用突起を備えて排ワラの穂先側を係止搬送する係止搬送装置3Bとを備えて構成されている。
【0021】
挟持搬送装置3Aについて説明する。
図4に示すように、挟持搬送装置3Aは、搬送始端側のガイドスプロケット30aと、搬送終端側の駆動スプロケット30bとにわたって巻回した突起付きの無端回動チェーン(挟持チェーンの一例)30と、この無端回動チェーン30の搬送作用箇所である下方向きの面に対向して位置する挟持レール31とによって構成してある。
【0022】
前記挾持レール31は、図4に示すように、搬送始端側の本体レール部32と、この本体レール部32に保持された状態でその本体レール部32の軸線方向に沿ってスライド伸縮する伸縮レール部35とで構成してある。
【0023】
挟持レール31の搬送始端側の本体レール部32は、両端部分において支持ロッド33,33によって無端回動チェーン30に対して遠近方向に移動自在に支持され、支持ロッド33,33に外嵌された付勢バネ34によって、前記無端回動チェーン30に近付く側である上向き方向に付勢されている。
【0024】
前記本体レール部32の終端位置には、この伸縮レール部35の円滑な移動を行なわせるガイドローラ36が設けてあり、一方、伸縮レール部35の前後両端位置には、伸縮レール部35をスライド移動させるための二本の伸縮駆動用ワイヤー37が夫々ビス連結してある。その二本の伸縮駆動用ワイヤー37の他端は、レール操作用電動モータ20に連動駆動される駆動プーリ24に巻き掛けされて、一本のワイヤーとして繋がっており、前記したガイドローラ36に襷掛け状態で案内支持されている。
【0025】
前記駆動プーリ24は、図4乃至図7に示すように、駆動プーリ24と一体に形成された伝動ギヤ23、及びその伝動ギヤ23に噛合する出退操作ギヤ22、並びに、その出退操作ギヤ22に駆動力を伝達する原動ギヤ21を介してレール操作用電動モータ20に連係されている。
【0026】
上記のレール操作用電動モータ20、原動ギヤ21、出退操作ギヤ22、伝動ギヤ23、駆動プーリ24、及び伸縮駆動用ワイヤー37が、伸縮レール部35をスライド移動させて挟持レール31の終端位置を位置変更操作するためのレール操作装置Aを構成している。
このレール操作装置Aは、図4乃至図7に示すように、取付枠体18を介して脱穀装置12の横側壁12aに取り付けられている。
【0027】
〔排ワラ細断装置〕
前記排ワラ細断装置4は、供給刃と切断刃の組み合わせからなる多数の円板刃42を取り付けた一対のカッター軸41,41によって構成された周知の構造のものである。
前記一対のカッター軸41,41を内装するカッターケース40の上方箇所に設けた投入口43に開閉蓋44が備えられ、この開閉蓋44を開放姿勢にすると、排ワラ搬送装置3の搬送終端から落下供給される排ワラは、前記投入口43から前記一対のカッター軸41,41の間に供給され、細断されて下方から機外へ放出される細断放出状態となる。
前記開閉蓋44を前記投入口43の上方を覆う閉塞姿勢に切り換えると、排ワラ搬送装置3の搬送終端から落下供給される排ワラは、開閉蓋44の上方側を滑落して長ワラのまま機体後方側の機外へ放出される長ワラ放出状態となる。
【0028】
上記排ワラ細断装置4の投入口43に設けられた開閉蓋44は、蓋操作装置Bを介して、前記レール操作用電動モータ20とは別の蓋開閉用電動モータ25で駆動されるように構成されている。
すなわち、前記開閉蓋44は、図8に実線で示す閉じ姿勢と、仮想線で示す開放姿勢との2位置に開閉自在に構成され、閉じ姿勢側に軽くバネ(図示せず)付勢されている。そして、開閉蓋44の揺動軸44aと一体のアーム部44bが、蓋操作装置Bの連係ワイヤー45で引き操作されることにより、図8の仮想線で示すように開放姿勢に操作される。
【0029】
前記蓋操作装置Bは、前記連係ワイヤー45と、その連係ワイヤー45を巻回する駆動プーリ28と、駆動プーリ28と一体に形成された扇形伝動ギヤ27、その扇形伝動ギヤ27に駆動力を伝達する原動ギヤ26、及び蓋開閉用電動モータ25を備えて構成されている。
【0030】
前記扇形伝動ギヤ27には、蓋操作装置Bを取り付けた取付ブラケット19に形成された円弧状長孔19a内に係入する突起27aが一体形成されていて、前記円弧状長孔19a内における角度範囲内で扇形伝動ギヤ27の回動操作を許容するように構成してある。
【0031】
〔連係操作手段〕
前記レール操作装置Aと蓋操作装置Bとは、次の連係操作手段Cによって互いに連係作動するように構成されている。
【0032】
図4乃至図7に示すように、レール操作装置A側では、出退操作ギヤ22の作動位置を検出するためのリミットスイッチ8を、取付枠体18に固定してある。
前記リミットスイッチ8は、レール操作用電動モータ20で駆動される出退操作ギヤ22が、伸縮レール部35を最も短縮させた状態での排ワラ放出位置である「細断用位置」を検出する第1検出スイッチSW1と、前記伸縮レール部35を最も伸長させた状態で長ワラのままで放出する「最長排出用位置」を検出する第3検出スイッチSW3と、その第1検出スイッチSW1と第3検出スイッチSW3との中間で排ワラを長ワラのままで放出する「中間排出用位置」を検出する第2検出スイッチSW2とで構成されている。
【0033】
前記出退操作ギヤ22は、原動ギヤ21及び伝動ギヤ23に噛合する歯部22aが周方向で部分的(3/4周程度)に形成され、他の部分が扇形に切り欠かれた形状の変形ギヤによって構成されている。この出退操作ギヤ22の、前記伸縮レール部35を最も短縮させた側に相当する箇所における変形ギヤの外周部で、かつ前記扇形に切り欠かれた切欠部22bの一端部に隣接する箇所に、前記歯部22aよりも半径方向外方側へ突出する突出部22cを形成してある。
【0034】
前記第1検出スイッチSW1は、前記出退操作ギヤ22が前記伸縮レール部35を最も短縮させた側に相当する箇所である「細断用位置」に位置した状態では、図4に示すように、前記突出部22cに接触してON状態となる。このとき、第2検出スイッチSW2は、前記切欠部22bの存在箇所に位置してOFF状態となり、前記第3検出スイッチSW3は、前記切欠部22bからは外れているが、前記歯部22aよりも半径方向外方側に位置してOFF状態となっている。
【0035】
前記出退操作ギヤ22が図4に示す「細断用位置」に相当する箇所から離れるように、図中時計回りに回転すると、前記第1検出スイッチSW1は前記突出部22cとの接触状態を解除されてOFF状態となる。
そして、図5に示すように、出退操作ギヤ22が第2検出スイッチSW2の存在箇所にまで回動すると、第2検出スイッチSW2が出退操作ギヤ22の側面に接触してON状態となり、出退操作ギヤ22が第2検出スイッチSW2の存在箇所にまで到達したこと、つまり、前記伸縮レール部35を「中間排出用位置」に位置させる箇所に相当する位置に達したことが検出される。このとき、前記第3検出スイッチSW3は、前記歯部22aよりも半径方向外方側に位置してOFF状態となっている。
【0036】
前記出退操作ギヤ22が図5に示す「中間排出用位置」に相当する箇所から離れるように、さらに時計回りに回転すると、前記第1検出スイッチSW1は前記突出部22cとの接触状態を解除されてOFF状態となったままであり、前記歯部22aよりも半径方向内方側に位置する第2検出スイッチSW2は、出退操作ギヤ22の側面に接触したON状態のままに維持されている。
そして、図6に示すように、出退操作ギヤ22が第3検出スイッチSW3の存在箇所にまで回動すると、第3検出スイッチSW3が出退操作ギヤ22の前記突出部22cに接触してON状態となり、出退操作ギヤ22が第3検出スイッチSW3の存在箇所にまで到達したこと、つまり、前記伸縮レール部35を「最長排出用位置」に位置させる箇所に相当する位置に達したことが検出される。
【0037】
図8及び図9に示すように、蓋操作装置B側では、扇形伝動ギヤ27に一体形成された突起27aの位置を検出するためのリミットスイッチ9を、取付ブラケット19に形成された円弧状長孔19aの両端部に固定してある。
前記リミットスイッチ9は、蓋開閉用電動モータ25で駆動される扇形伝動ギヤ27が、開閉蓋44を開放姿勢に操作した開姿勢位置を検出する第4検出スイッチSW4と、開閉蓋44を閉塞姿勢に操作した閉姿勢位置を検出する第5検出スイッチSW5とで構成されている。
【0038】
搭乗運転部15における運転座席(図外)の近く位置には、図11に示すように、連係操作手段Cの入力手段であるレール用人為操作具としての操作ボタン5及び蓋操作用人為操作具としての押しボタン6、ならびに操作結果を表示する表示手段7を設けてある。
【0039】
図10及び図11に示すように、レール用人為操作具としての操作ボタン5は、レール操作用回路50を作動させてレール操作用電動モータ20を正転、逆転、停止の3状態に操作し、伸縮レール部35を伸長させる伸長位置と、伸縮レール部35を収縮させる収縮位置と、伸縮レール部35の伸縮作動を停止させる停止位置とを現出できるように構成されている。
つまり、操作ボタン5がシーソー状に揺動切換自在で、手を離すと中立の停止位置に復元して非通電状態となるように復帰付勢して構成してあり、「伸びる」側に押し操作すると、押し操作されている間だけ伸縮レール部35を伸長させる伸長位置に切り換えられ、「縮む」側に押し操作すると、押し操作されている間だけ伸縮レール部35を収縮させる収縮位置に切り換えられ、手を離すと伸縮レール部35の伸縮作動を停止させる停止位置となるように構成されている。
【0040】
図10及び図11に示すように、前記蓋操作用人為操作具である押しボタン6は、蓋開閉用回路60を作動させて蓋開閉用電動モータ25を、正転、及び逆転の2状態に操作して、開閉蓋44が投入口43の上方を覆う閉塞姿勢と、投入口43を開くように開閉蓋44を開放姿勢とするように構成されている。
つまり、押し込み状態と、押し込み解除状態との2状態にトグル切り換え操作される押しボタン6が、その押し操作毎に蓋開閉用電動モータ25を、正転状態と逆転状態とに交互に切り換えて、開閉蓋44の開閉操作が人為的に行われるように構成してある。
【0041】
上記のように、前記リミットスイッチ8、リミットスイッチ9、レール操作用電動モータ20を回転駆動するレール操作用回路50、及び蓋開閉用電動モータ25を駆動する側の蓋開閉用回路60、ならびに、これらを接続する回路によって前記連係操作手段Cを構成している。
【0042】
前記表示手段7は、図11に示されるように、挟持レール31による排ワラ放出端位置を示すための3個の表示ランプ71〜73が直線的に配設してある。
これらの表示ランプ71〜73は、左から順に、挟持レール31が最も短縮された「細断用位置」、細断用位置と最長排出用位置との中間での長ワラの排出位置に相当する「中間排出用位置」、挟持レール31が最も伸長された長ワラの排出位置に相当する「最長排出用位置」を示している。
【0043】
前記表示ランプ71〜73は、「細断用位置」を検出する第1検出スイッチSW1と、前記伸縮レール部35を最も伸長させた状態で長ワラのままで放出する「最長排出用位置」を検出する第3検出スイッチSW3と、その第1検出スイッチSW1と第3検出スイッチSW3との中間で排ワラを長ワラのままで放出する「中間排出用位置」を検出する第2検出スイッチSW2との検出結果に基づいて表示されるものであり、図12に示すようにように構成されている。
すなわち、表示ランプ71は第1検出スイッチSW1に、表示ランプ72は第2検出スイッチSW2に、表示ランプ73は第3検出スイッチSW3の検出の有無に対応して、同様にON/OFF状態が切り換えられるように構成してある。
【0044】
したがって、図12に示すように、第1検出スイッチSW1がON状態となり、第2検出スイッチSW2と第3検出スイッチSW3とがOFF状態となる「細断用位置」では、表示ランプ71〜73のうち、表示ランプ71がON状態となり、表示ランプ72、及び表示ランプ73がOFF状態となる。
前記「中間排出用位置」では、第2検出スイッチSW2がON状態となり、第1検出スイッチSW1と第3検出スイッチSW3とがOFF状態となり、表示ランプ71〜73のうち、表示ランプ72がON状態となり、表示ランプ71、及び表示ランプ73がOFF状態となる。
前記「最長排出用位置」では、第2検出スイッチSW2と第3検出スイッチSW3とがON状態となり、第1検出スイッチSW1がOFF状態となり、表示ランプ71〜73のうち、表示ランプ72、及び表示ランプ73がON状態となり、表示ランプ71がOFF状態となる。
【0045】
図12では、「細断用位置」と「中間排出用位置」との間、及び「中間排出用位置」と「最長排出用位置」との間に「中間位置」を示している。
この中間位置は、表示ランプ71、表示ランプ72、及び表示ランプ73で直接的に表示している訳ではないが、例えば、「細断用位置」と「中間排出用位置」との間の「中間位置」では、伸縮レール部35の移動中に、全ての表示ランプ71、表示ランプ72、及び表示ランプ73がOFF状態となって、全てが一時的に消灯された状態となるので、伸縮レール部35が、その中間位置を移動中であることが間接的に表示されたことになる。
【0046】
上記の例では、「中間排出用位置」と「最長排出用位置」との間の「中間位置」では、表示ランプ72がON状態に維持されていて点灯したままなので、この中間位置を表示することはできない。しかしながら、例えば、出退操作ギヤ22に、図5及び図6に仮想線で図示した領域eに相当する箇所に窪みを設けるなどして、一時的に第2検出スイッチSW2がOFFになる状態を構成すれば、前述の「細断用位置」と「中間排出用位置」との間の「中間位置」の場合と同様に、表示ランプ72が一時的に消灯された状態とすることができるので、伸縮レール部35が、その中間位置を移動中であることを間接的に表示できる。
【0047】
前記表示手段7には、図11に示されるように、開閉蓋44の開閉状態を示すための2個の表示ランプ74,75が配設してある。
この表示ランプ74,75は、扇形伝動ギヤ27が、開閉蓋44を開放姿勢に操作した開姿勢位置を検出する第4検出スイッチSW4と、開閉蓋44を閉塞姿勢に操作した閉姿勢位置を検出する第5検出スイッチSW5との検出結果に基づいて、「開」位置と「閉」位置とを、それぞれ表示するように構成されている。
【0048】
〔動作回路〕
図10は、レール操作用電動モータ20と、蓋開閉用電動モータ25との動作回路を示している。図中、上部の端末が電源に接続され、下部の端末がグランドに接続されている。この動作回路について説明する。
【0049】
まず、蓋開閉用電動モータ25を駆動する側の蓋開閉用回路60との関係を無視して、レール用人為操作具としての操作ボタン5を、伸び側、もしくは縮み側へ操作した場合を説明すると、操作ボタン5の「伸」側、もしくは「縮」側への操作によって、レール操作用回路50がレール操作用電動モータ20を回転駆動し、レール操作装置Aの出退操作ギヤ22を駆動する。
これに伴って、出退操作ギヤ22の動きを検出する第1検出スイッチSW1、第2検出スイッチSW2、第3検出スイッチSW3が順に検出作動する。これらの各リミットスイッチ8の検出結果が、図11に示す表示ランプ71、表示ランプ72、表示ランプ73によって表示される。
【0050】
前記蓋開閉用電動モータ25を駆動する側の蓋開閉用回路60では、蓋操作用人為操作具としての押しボタン6を、開閉蓋44がカッターケース40の投入口43を開放する「細断」位置と、開閉蓋44が投入口43を閉塞した「長ワラ」位置とに切り換え操作すると、前記蓋開閉用回路60が蓋開閉用電動モータ25を正・逆方向に回転駆動する。
この蓋開閉用電動モータ25が正転側の所定位置まで駆動されたことを、扇形伝動ギヤ27の突起27aの位置を検出する第4検出スイッチ74で検出し、蓋開閉用電動モータ25が逆転側の所定位置まで駆動されたことを前記突起27aの位置を検出する第5検出スイッチ75で検出するように構成されている。これらの各リミットスイッチ9の検出結果が、図11に示す表示ランプ74、表示ランプ75によって表示される。
【0051】
上記の動作回路では、蓋操作用人為操作具としての押しボタン6における2連の「細断」位置のうち、蓋開閉用回路60に接続されていない側の「細断」位置と、レール用人為操作具としての操作ボタン5の「縮」側とレール操作用回路50との接続箇所とが結線されている。
このため、前記蓋操作用人為操作具としての押しボタン6が「細断」位置に操作されると、蓋開閉用回路60が蓋開閉用電動モータ25を回転駆動して開閉蓋44を開放姿勢に操作し、同時的にレール操作用回路50にも「縮」側と同じ信号が入力されて、レール操作用電動モータ20が縮み側に回転駆動されることになる。
【0052】
前記蓋操作用人為操作具としての押しボタン6が「長ワラ」位置に操作されると、レール操作用回路50側への信号は遮断され、蓋開閉用回路60が蓋開閉用電動モータ25を回転駆動して開閉蓋44を閉塞姿勢に操作する。
前記蓋開閉用回路60との関係を無視して、レール用人為操作具としての操作ボタン5を、伸び側、もしくは縮み側へ操作した場合の動作とは、この状態での動作である。
【0053】
そして、前記蓋操作用人為操作具としての押しボタン6が「細断」位置に操作されている場合(挟持レール31の伸縮レール部35は最も短縮した「細断用位置」にある)に、レール用人為操作具としての操作ボタン5が、「伸」側、もしくは「縮」側へ操作されても、レール操作用回路50はレール操作用電動モータ20に対して回転駆動の指令を出力しないように構成されている。
つまり、操作ボタン5が、「縮」側へ操作されても、既に入力されている蓋開閉用回路60からの「縮」側への指令と同じ指令であり、挟持レール31の伸縮レール部35は最も短縮した「細断用位置」にあるので、この指令は無視される。
また、前記操作ボタン5が、「伸」側へ操作された場合には、レール操作用回路50には、前記蓋開閉用回路60からの「縮」側への指令が入力されている状態であり、これとは全く逆の指令が同時に入力された状態となる。「伸」、「縮」が同時に指令されると、レール操作用回路50は操作用電動モータ20に対して回路駆動の指令を出力しないように回路構成されている。
【0054】
上記のように、前記蓋操作用人為操作具としての押しボタン6が「細断」位置に操作された状態で、レール用人為操作具としての操作ボタン5が、「伸」側、もしくは「縮」側へ操作された場合には、その操作ボタン5の操作が行われる都度、適宜警報を鳴らすなど、報知手段(図外)を連係作動させて、蓋操作用人為操作具としての押しボタン6を「長ワラ」位置に操作することを促すようにするとよい。
【0055】
〔別実施形態の1〕
レール操作用電動モータ20と、蓋開閉用電動モータ25との動作回路としては、前記図10に示すように、蓋開閉用回路60とレール操作用回路50との接続及び入力をスイッチ操作で行うようにした構造のものに限らず、図13に示すように、リレーを利用した動作回路としてもよい。
【0056】
図13に示す構造のものでは、蓋操作用人為操作具である押しボタン6として、押し込み操作された「閉」状態と、押し込み解除された「開」状態との2状態にトグル切り換え操作される開閉操作式のスイッチを用いるとともに、蓋開閉用回路60に対して信号を入力可能な第1リレー61と、レール操作用回路50に対して信号を入力可能な第2リレー62を備えている。
その他の構成は前述した図10に示す実施形態のものと同様である。
【0057】
したがって、前記押しボタン6を押し操作すると、第1リレー61及び第2リレー62が「長ワラ」位置に切り換え操作され、押しボタン6の押し操作を解除すると、第1リレー61及び第2リレー62が「細断」位置に切り換え操作され、前述の実施形態で示した構造のものと同様に作用する。
【0058】
〔別実施形態の2〕
排ワラ処理装置として、排ワラ搬送装置3と排ワラ細断装置4とを備える構成を示したが、これに限らず、前記排ワラ搬送装置3と排ワラ細断装置4との他に、排ワラ搬送装置3から圃場へ直接的に落下させず、ドロッパー装置(図示せず)を用いて、所定量毎にまとめて放出する構造を採用してもよい。
また、前記排ワラ搬送装置3と排ワラ細断装置4との他に、結束装置(図示せず)を用いて排ワラを結束してから圃場へ放出する構造を採用してもよい。
【0059】
〔別実施形態の3〕
表示手段7の各表示ランプ71〜75としては、LED等の適宜表示手段を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、コンバインの排ワラ処理装置に関するものであり、その排ワラ処理装置としては種々のものを用いることができる
【符号の説明】
【0061】
3 排ワラ搬送装置
4 排ワラ細断装置
5 レール用人為操作具
6 蓋開閉用人為操作具
7 表示手段
8,9 リミットスイッチ
20 レール操作用電動モータ
22 出退操作ギヤ
25 蓋開閉用電動モータ
27 扇形伝動ギヤ
30 無端回動チェーン(挟持チェーン)
31 挟持レール
32 本体レール部
35 伸縮レール部
43 排ワラ投入口
44 開閉蓋
A レール操作装置
B 蓋操作装置
C 連係操作手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀処理後の排ワラを搬送する排ワラ搬送装置と、その排ワラ搬送装置から供給された排ワラを切断する排ワラ細断装置とを備え、
前記排ワラ搬送装置を、搬送排ワラの株元を挟持する挟持チェーンと挟持レールとで構成するとともに、前記挟持レールを、前記挟持チェーンの移動方向に沿って伸縮する伸縮レール部と、この伸縮レール部の伸縮移動を許容しながらその伸縮レール部を保持する本体レール部とで構成して、
前記排ワラ搬送装置による排ワラ放出位置を、前記排ワラ細断装置に対して排ワラを供給する切断排出位置と、その切断排出位置を越えて排ワラを長ワラのままで排出する長ワラ排出位置とに排ワラ搬送形態を切換操作可能に構成してあるコンバインの排ワラ処理装置であって、
前記排ワラ搬送装置による排ワラ放出位置を変更するように、伸縮レール部を伸縮作動させて挟持レールの長さを変更するレール操作用電動モータと、そのレール操作用電動モータに駆動及び停止指令を出力するレール用人為操作具と、前記伸縮レール部の放出端位置を検出するリミットスイッチと、そのリミットスイッチで検出された排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段とを備えたコンバインの排ワラ処理装置。
【請求項2】
排ワラ放出位置のうち、長ワラ排出位置を排ワラ搬送方向での複数箇所に設定し、それぞれの長ワラ排出位置に対応する伸縮レール部の放出端位置を検出するリミットスイッチ、及び表示手段を備えた請求項1記載のコンバインの排ワラ処理装置。
【請求項3】
排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段は、それぞれの排ワラ放出位置の中間に位置する状態の伸縮レール部の位置を表示するように構成してある請求項1又は2記載のコンバインの排ワラ処理装置。
【請求項4】
排ワラ細断装置は排ワラ投入口に開閉蓋を備えているとともに、その開閉蓋を開閉駆動する蓋開閉用電動モータと、その蓋開閉用電動モータに対して開閉操作を指令する蓋操作用人為操作具とを備え、
前記蓋操作用人為操作具が開閉蓋の開放側へ操作されると、レール操作用電動モータによって挟持レールの伸縮レール部を切断排出位置に収縮移動させるとともに、蓋開閉用電動モータが開閉蓋を開放操作し、かつ、開閉蓋が開放された排ワラ細断状態でレール用人為操作具による挟持レールの伸縮作動が指令されると、前記レール操作用電動モータ及び蓋開閉用電動モータが非作動状態となるように、前記レール操作用電動モータと蓋開閉用電動モータとの作動を連係させてある請求項1〜3のいずれか一項記載のコンバインの排ワラ処理装置。
【請求項1】
脱穀処理後の排ワラを搬送する排ワラ搬送装置と、その排ワラ搬送装置から供給された排ワラを切断する排ワラ細断装置とを備え、
前記排ワラ搬送装置を、搬送排ワラの株元を挟持する挟持チェーンと挟持レールとで構成するとともに、前記挟持レールを、前記挟持チェーンの移動方向に沿って伸縮する伸縮レール部と、この伸縮レール部の伸縮移動を許容しながらその伸縮レール部を保持する本体レール部とで構成して、
前記排ワラ搬送装置による排ワラ放出位置を、前記排ワラ細断装置に対して排ワラを供給する切断排出位置と、その切断排出位置を越えて排ワラを長ワラのままで排出する長ワラ排出位置とに排ワラ搬送形態を切換操作可能に構成してあるコンバインの排ワラ処理装置であって、
前記排ワラ搬送装置による排ワラ放出位置を変更するように、伸縮レール部を伸縮作動させて挟持レールの長さを変更するレール操作用電動モータと、そのレール操作用電動モータに駆動及び停止指令を出力するレール用人為操作具と、前記伸縮レール部の放出端位置を検出するリミットスイッチと、そのリミットスイッチで検出された排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段とを備えたコンバインの排ワラ処理装置。
【請求項2】
排ワラ放出位置のうち、長ワラ排出位置を排ワラ搬送方向での複数箇所に設定し、それぞれの長ワラ排出位置に対応する伸縮レール部の放出端位置を検出するリミットスイッチ、及び表示手段を備えた請求項1記載のコンバインの排ワラ処理装置。
【請求項3】
排ワラ放出位置を目視可能な状態に表示する表示手段は、それぞれの排ワラ放出位置の中間に位置する状態の伸縮レール部の位置を表示するように構成してある請求項1又は2記載のコンバインの排ワラ処理装置。
【請求項4】
排ワラ細断装置は排ワラ投入口に開閉蓋を備えているとともに、その開閉蓋を開閉駆動する蓋開閉用電動モータと、その蓋開閉用電動モータに対して開閉操作を指令する蓋操作用人為操作具とを備え、
前記蓋操作用人為操作具が開閉蓋の開放側へ操作されると、レール操作用電動モータによって挟持レールの伸縮レール部を切断排出位置に収縮移動させるとともに、蓋開閉用電動モータが開閉蓋を開放操作し、かつ、開閉蓋が開放された排ワラ細断状態でレール用人為操作具による挟持レールの伸縮作動が指令されると、前記レール操作用電動モータ及び蓋開閉用電動モータが非作動状態となるように、前記レール操作用電動モータと蓋開閉用電動モータとの作動を連係させてある請求項1〜3のいずれか一項記載のコンバインの排ワラ処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−4675(P2011−4675A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152556(P2009−152556)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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