説明

コンバイン

【課題】設備費を高くしないで唐箕への大気導入用の脱穀装置の壁面に設けた開口部の開き度合いを操縦室から容易に調整可能にした脱穀装置を提供すること。
【解決手段】穀桿を挟持搬送ながら脱穀する扱胴41を有した扱室40と該扱室40の下側に配置し、脱穀して得た穀粒を含む被処理物を揺動しながら選別する揺動選別棚43と該揺動選別棚43の下側前部に配置し、揺動選別棚43から漏下する穀粒とその他の被処理物を送風選別するための唐箕45を備え、唐箕45が臨む脱穀装置の側壁に開口部を設け、該開口部の外側に安全カバー82を設置し、該安全カバー82の外側に前記開口部の開口面積を調整するレバー83を配置し、該レバー83の調整位置を保持するレバーガイド84を安全カバー82の外側に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、クローラ式の走行装置の上部に、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置と脱穀装置で脱穀した穀粒を一時的に貯蔵するグレンタンク又はホッパを搭載し、脱穀装置の前側に刈取装置を備えた構成である。
【0003】
上記コンバインの脱穀装置には、刈取装置側の供給搬送装置から搬送される穀稈がフィードチェンに引き継がれて供給される。脱穀装置に供給された穀稈は、フィードチェンによる挟持搬送中に扱室内の扱胴で脱穀され、ふるい選別機能を備えた揺動選別棚で唐箕からの送風を受けながら揺動選別されて、この揺動選別棚の前部乃至中間部から前側の一番移送螺旋側に流下した穀粒を多く含む被処理物(一番物という)は(一番揚穀筒を介して)グレンタンク又はホッパ部に投入され、一時的に貯留される。
【0004】
また揺動選別棚の後部から二番移送螺旋側に流下した枝梗付着粒や藁屑等を多く含む被処理物(二番物)は、二番揚穀筒を介して二番処理室へ搬送されて二番処理胴で処理された後、再び唐箕からの送風を受けながら揺動選別棚で揺動選別される。また脱穀後の排藁は脱穀装置の後部から圃場に排出される。
【0005】
上記揺動選別棚への送風は、脱穀装置の壁面に設けた開口部から唐箕の内部へ外気を吸入し、後側の送風口から吹き出すことによって行われる。
【特許文献1】特開2001−245526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1記載の発明では、脱穀装置の壁面に設けた開口部の開き度合いを操縦室設けたレバーの操作量により、レバーに連結したワイヤの押し引き量を調節しながら行われている。そのため前記ワイヤの配索長さが長くなり、部品コスト高の原因になっていた。
【0007】
本発明の課題は、設備費を高くしないで唐箕への大気導入用の脱穀装置の壁面に設けた開口部の開き度合いを操縦室から容易に調整可能にした脱穀装置を備えたコンバインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題は次の解決手段で解決される。
請求項1記載の発明は、機体フレーム(1)の下部に走行装置(3)を設け、機体フレーム(1)の前部に刈取装置(5)を設け、機体フレーム(1)の後部左側に脱穀装置(6)を設け、該脱穀装置(6)の右側に穀粒袋詰め用のホッパ(30)を設け、前記脱穀装置(6)に、穀桿を挟持搬送ながら脱穀する扱胴(41)を有した扱室(40)と、該扱室(40)の下側に配置し、脱穀して得た穀粒を含む被処理物を揺動しながら選別する揺動選別棚(43)と、該揺動選別棚(43)の下側前部に配置し、揺動選別棚(43)から漏下する被処理物を送風選別するための唐箕(45)を備え、該脱穀装置(6)の側壁に唐箕(45)の外気吸入用の開口部を設け、該開口部の外側に安全カバー(82)を設置し、該安全カバー(82)の外側に唐箕(45)の送風量を調節するレバー(83)を配置したコンバインである。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記レバー(83)の調整位置を保持するレバーガイド(84)を安全カバー(82)の外側に取り付け、該レバーガイド(84)の機体の前進方向側を比較的高い位置に、レバーガイド(84)の機体の後進方向側を比較的低い位置に配置して、レバーガイド(84)を機体側面視で斜めに取り付けた請求項1記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、唐箕45の送風量調節用のレバー83を、安全カバー82の外側で操作でき、また調節レバー83の位置を確認できるので、レバー83の操作が容易となる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、レバーガイド84によりレバー位置が容易に確認できる。また、レバーガイド84の機体の前進方向側を比較的高い位置に、レバーガイド84の機体後進方向側を比較的低い位置に配置して、レバーガイド84を機体側面視で斜めに取り付けているので、作業者がホッパ30の下側にもぐりこんでレバー83を操作する際に、このレバーガイド84およびレバー83の調節位置を視認しやすく、唐箕45の風量調節操作をより容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1に本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図を示し、図2にはコンバインの右側面図を示し、図3にコンバインの正面図を示し、図4にコンバインの背面図を示す。
なお、本明細書ではコンバイン前進方向に沿って左方向、右方向をそれぞれ左側、右側といい、前方向、後方向をそれぞれ前側、後側ということとする。
【0013】
図1に示すコンバインの機体フレーム1の下部には、ゴムなどの可撓性材料から成る無端帯状に成型したクローラ2により、乾田はもちろんのこと、湿田においても沈下しないで走行できる走行装置3を備える。該走行装置3は、ミッションケースから駆動される前端部の駆動スプロケット3aと転輪フレーム3bに支持される転輪群3c・・・と後端部の緊張輪3dとにわたって前記クローラ2を巻き掛けて構成する。また、機体フレーム1の前部には刈取装置5を上下回動自在に支持し、該刈取装置5の後側における機体フレーム1の後部左側には脱穀装置6を搭載する。また、機体フレーム1の前部右側には操作席7aを有する操縦部7を設ける。
【0014】
前記操縦部7は、エンジンを被覆するエンジンカバー110上に取り付けた操作席7aと、該操作席7aの前方に配置した前部操作パネルと、操作席7aの左側に配置した側部操作パネルから構成する。前記前部操作パネル上には、操縦者が立ち姿勢で操縦する際に把持するハンドル7bと、前記ミッションケース内の伝動機構を切り換えて機体の走行方向を左右に調節する操向レバー7cとを設ける。また、前記側部操作パネル上には、前記エンジンの回転数を調節するスロットルレバー7dと、前記ミッションケースへ駆動入力する静油圧式無段変速装置を変速操作する主変速レバー7eと、ミッションケース内の副変速機構を変速切換操作する副変速レバー7fと、刈取装置5の駆動を入り切り操作する刈取クラッチレバー(図示省略)と、脱穀装置6の駆動を入り切り操作する脱穀クラッチレバー(図示省略)を設ける。
【0015】
圃場の植立穀稈を刈刃12で刈り取る刈取装置5は、基部を機体フレーム1に回動自在に取付けた前後方向の縦支持フレーム9によって支持され、刈取シリンダ(図示せず)により上下動自在に構成される。該刈取装置5は、最前方位置に複数の分草体10を設け、各分草体10の後方には分草した穀稈を引起す引起装置11をそれぞれ設ける。前記引起装置11の後方には引き起こしラグ11aによる掻込装置を設け、該掻込装置から穀稈搬送用の各種の装置を経由して穀稈を脱穀装置6のフィードチェン21に引継ぐ。フィードチェン21に引き継がれた穀稈は、フィードチェン21とその対向位置にある挟扼杆22(図1)で挟持されながら脱穀装置6に供給される。
【0016】
図3のコンバイン正面図に示すように、作業者の背もたれ用の背もたれ部材90の回動支点をカッターフレーム31d(図2)の頂部に設けた。作業者が脱穀機側壁面に開閉自在に取り付けたキャリア35上で作業する時には、背もたれ部材90を機体右側に張り出すように回動させると、背もたれ部材90の図示しない回動支点取付部材の端面と前記背もたれ部材90の端面とが当接して該背もたれ部材90の張り出し姿勢が支持される。このため、作業者が前記背もたれ部材90の自由端側に設けたクッション材からなる当接部材90aに背中を支持させながら作業を行うことができ、又それ以上前記背もたれ部材90が下がらないので安全である。
なお、エンジンのエアクリーナ(図示せず)によって濾過する前の外気を予め濾過するエアクリーナ114を機体上部に設けている。
【0017】
図5はコンバインの脱穀装置6の一部を破断して示す左側面図であり、図6は図5のB−B線断面矢視図である。
刈取装置5で刈り取った穀稈は、扱深さが調節されて、その穂先側が脱穀装置6の扱室40に挿入される。該扱室40内では穀稈は扱室40に軸架された扱胴41の表面に多数設けられた扱歯41aの作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物(穀粒や藁くず)は扱網42を矢印C1方向に漏下して、揺動選別棚43で受け止められる。
【0018】
揺動選別棚43は図示しない駆動機構により上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印D方向に移動しながら、唐箕45からの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ46および選別網47を矢印E方向に通過し、一番棚板49によって一番移送螺旋50側に流下案内され、該一番移送螺旋50から一番揚穀筒52(図2)を経てホッパ30へ投入される。ホッパ30に貯留された穀粒は、補助作業者が適宜袋詰してコンバインの外部へ搬出される。
【0019】
揺動選別棚43の上の被処理物のうち軽量のものは、揺動選別棚43の揺動作用と唐箕45のファン45aによる送風で吹き飛ばされてシーブ46の上を矢印D方向に移動し、ストローラック53の上で大きさの小さい二番穀粒は矢印G方向に落下して二番棚板54によって二番移送螺旋56側に流下案内され、該二番移送螺旋56から矢印H方向に向けて二番揚穀筒57で搬送される。
【0020】
二番穀粒(二番物)は、正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒などの混合物であり、二番揚穀筒57の中を二番揚穀螺旋(図示せず)により上方に揚送されて、二番処理室入口から二番処理室58の上方へ放出される。該二番処理室58の下部に軸架する二番処理胴60に設けられた二番処理胴螺旋(螺旋体)60aによって搬送される間に穀粒の分離と枝梗粒からの枝梗の除去を行い、一部の被処理物は二番処理胴受網61から矢印C2方向に漏下して揺動選別棚43に落下し、残りの被処理物は二番処理室58の終端から矢印C3方向に揺動選別棚43に落下して扱室40からの被処理物と合流して再選別される。
【0021】
なお、扱室40の被処理物搬送方向終端部に到達した被処理物は、連通口40aから矢印A方向(図6)に搬送されて排塵処理室63に入り、該排塵処理室63では回転する排塵処理胴64(二番処理胴60と同軸)の螺旋体64aにより搬送されながら解砕、処理される。この被処理物中には、少量ながら枝梗の付着した穀粒が含まれており、この枝梗付着粒および小さな藁屑は、格子状の受け網(濾過部材)66を矢印C4方向に漏下して揺動選別棚43に落下する。
【0022】
さらに詳細に説明すると、揺動選別棚43におけるシーブ46の前部から選別網47上へ漏下した被処理物は、唐箕45からの選別風を下側から受けて細かな藁屑が吹き飛ばされながら後方に移送され、この移送中に選別網47から漏下したものが一番移送螺旋50に取り込まれる。このように、選別網47から漏下して一番移送螺旋50に取り込まれる被処理物は、桔梗付着の少ない穀粒(清粒)が主である。
【0023】
一方、この選別網47から漏下しないものは、この選別網47上を後方へ移送されて該選別網47の後端部から二番移送螺旋56側に供給される。選別網47から漏下せずに二番移送螺旋56側に供給される被処理物は、桔梗付着粒や小さな藁屑等が主である。
【0024】
また、シーブ46の前部から漏下しない被処理物は、このシーブ46上を後方へ移送されて該シーブ46の後部またはストローラック53から漏下して、二番移送螺旋56側に供給される。このように、シーブ46の後部やストローラック53から漏下して二番移送螺旋56に取り込まれるものは、主として藁屑である(僅かに穀粒も含まれる)。これら桔梗付着粒や藁屑を二番還元物として再処理する。
【0025】
また、ストローラック53から漏下せずに該ストローラック53の後端まで移送されたものは、そのまま脱穀装置6の外へ排出される。この中には僅かな穀粒が含まれていることがあり、この量(比率)によって、脱穀装置の選別精度が評価される。
【0026】
このように、一番移送螺旋50又は二番移送螺旋56にはそれぞれ、主に清粒、桔梗付着粒、藁屑といった大きさ(目合いを漏下するか否か)及び形状(選別風の影響を受け易いか)によって選別された被処理物が供給される。
【0027】
また、図2に示すように、排藁カッタ部31を右側のカッタ部開閉支点31dを中心として開閉可能としている。
【0028】
なお、揺動選別棚43に取り付けたストローラック53は二番移送螺旋56の略上方位置にその基部が取り付けられ、ストローラック53の後方を自由端とする構成である。
また、図7に示すようにエンジン動力で駆動する入力プーリ70から、ベルト71を介して唐箕ファン駆動用プーリ72を駆動し、またベルト73を介して一番螺旋駆動用プーリ74と二番螺旋駆動用プーリ75をそれぞれ駆動する。また、一番螺旋駆動用プーリ74は横断流(排塵)ファン68を駆動するプーリ76をベルト77を介して駆動する。横断流(排塵)ファン68の駆動用プーリ76から、ベルト78を介して揺動選別棚43の揺動プーリ79を駆動する。
【0029】
図8に機体右側面の一部拡大図を示し、図9に唐箕45への通風用ダクトの外気吸入口部分の斜視図を示すように、脱穀装置6の二番処理室58(図6参照)の側部下方において、唐箕45への通風用ダクトの外気吸入口に多孔蓋82が設けられている。また、図10には、図8および図9とは反対側の機体側面図を示す。
【0030】
図8および図10において、唐箕45への外気入口を部分的に覆う両側壁に回動軸86a,86aを有するシャッタ86,86をそれぞれ設けている。該シャッタ86と、刈取装置5と一体のアーム87とを、ワイヤー88及びスプリング89を介して連動し、刈取装置5が上昇すると、シャッタ86が外気入口を閉じる方向へ回動する構成とする。これにより、圃場の一辺を刈り終えて旋回するために、刈取装置5を上昇させると、これに連動して唐箕45の送風量が低下するため、揺動選別棚43上の被処理物の量が少なくなっても、唐箕45からの送風によって穀粒までもが機外に吹き飛ばされて損失となることが少なくなる。
【0031】
前記唐箕45の唐箕ファン45aの軸受部にはカム101(図10参照)からなる割プーリ式の無段変速装置(図示せず)が設けられている。このカム101を、レバー83の回動操作によって同軸で回動するアーム102及びロッド103を介して回転させて割プーリの有効直径を変更し、唐箕ファン駆動用プーリ72から入力される一定回転数を変速し、唐箕ファン45aの回転数を変速して風量調節をすることができる。そのために通風用ダクトの外気吸入口がある脱穀装置6側壁面に、前記無段変速装置を変速操作する箕風量調節レバー83を設けている。また該唐箕風量調節レバー83をホッパ30設置部側であって該ホッパ30よりも低い位置に設けることで、作業者が穀粒の選別状況を確認した上で、ホッパ30の下側から唐箕45の風量調整を容易に行うことができる。
【0032】
また通風用ダクトの外気吸入口には多孔蓋82を設けているので、外気吸入口のすぐ外側にレバー83を配置しても、作業者がこのレバー83を操作する際に、唐箕ファン45aに手を巻き込まれるようなことがなく、安全性を向上させることができると共に、唐箕風量調節用の構造を単純化できる利点がある。
【0033】
通風用ダクトの外気吸入口には多孔蓋82の外側に配置したレバー83と共にレバーガイド84を多孔蓋82の外側に取り付けている。該レバーガイド84に設けられた複数のガイド溝84aにレバー83の上端部を差し込むことで、レバー83の位置確認ができ、レバー83の操作が容易となる。
【0034】
また、レバーガイド84の取り付けは操縦席7aの側を機体後方側より高い位置になるように多孔蓋82の外側に斜めに取り付けると、レバー83を右手で操作する時にレバー83の揺動支点がレバー上端部より左側にあることになり、レバー83の操作位置が容易に確認できる。
【0035】
また、レバー83の上端部が脱穀装置6の右外壁面に取り付けられる側面板85aと底面板85b及び前面板85cからなる穀粒袋積載用のキャリア85の側面板より上方に配置されるので、レバー83の操作が容易になる。
【0036】
断面形状が均一な金属の線材あるいは板材からなる籾などの粒状体の容量センサの複数個を対向するようにグレンタンク30内の対向する側壁面上に縦(鉛直)方向に並べて設置してグレンタンク30内での籾などの粒状体の容量を測定することができる。
【0037】
容量センサは第一の金属材の上端と第二の金属材の上端を導線でつなぎ、微弱電流を流し、第一の金属材と第二の金属材間に挟まれる籾などの粒状体の電流抵抗値を検出する構成である。
【0038】
検出した抵抗値をAD変換して、穀粒重量による圧力で金属板が押されて金属板同士が接触している長さを算出する。センサの側方からの外力で接触し、外力がなくなると元の状態に戻るようにする。
【0039】
本容量センサは籾などの粒状体の容量を検出するために、例えばグレンタンク30内が満タンの状態などが把握しやすい。
【0040】
本容量センサはポテンショメーターと同様の原理を利用しているが、ポテンショメータにおけるブラシのように可動が条件の部品を有さず、接触距離を抵抗値から算出することで、タンク30内に留まった籾などの粒状体の高さを算出でき、また、液体と異なり、フロートの利用が不可能な粒状体の物質においてもタンク30内に留まった容量を連続的に検出できる。
【0041】
本容量センサは、全長の抵抗値における接触部の抵抗値を算出してやるので、キャリブレイション(計算)の必要がなく、また材料性状の変化などの影響も排除できる。また、本容量センサは円筒状のゴムチューブを半分に切断し、それぞれの内側面に薄い金属の板剤を貼り、それらを貼り合わせて元の円筒形状にして得られる。
【0042】
籾などの粒状体がタンク30内に留まると、容量センサのゴムチューブが押しつぶされ、金属箔同士が接触し、籾などが無くなるとゴムの性質から、金属箔が離れもとの状態となる。
【0043】
容量センサの外皮をゴムなどの柔らかいものとし、センサ自体も薄い金属板とすることで取り付け面の形状の変化にも対応できる。
【0044】
容量センサで検出した抵抗値をAD変換して金属板同士が接触している長さを算出し、該算出した値と容器底面からの高さを対応させておくことで、断面積が分かっているタンク30内での籾などの積載高さを予め入力しておき、高さが算出されれば籾などの積載体積も出力できる。
【0045】
グレンタンク30から籾を排出するためのレバーが入り操作されたことを感知するセンサを設置しておき、籾の排出が始まると、容量センサにより、排出前の容量からタンク30の残りを引き、その差を算出して籾を排出した容量の情報を得ることができる。
【0046】
1回の排出籾の容量と積算の排出籾容量をプログラム上で計算し、算出する構成にして図11に示すように籾排出時の記録モードダイアル92を設置し、籾排出時にダイアル92を回すことで、タンク30内籾容量の記録か1回の排出籾容量の記録か、積算の籾排出容量を記録するか選択できるようにする。また、タンク30内籾容量と排出籾容量のどちらも知りたいときは交互に確認し、両方一度に表示することによる煩雑・混乱を防止する。
【0047】
さらに、新規積算スイッチを設けダイヤル92を所定の位置に回せば積算データがリセットされるようにする。新規積算スイッチを設けることで、圃場移動時に積算データをリセットする場合などの操作がわかりやすい。
【0048】
また、単回排出量モード、積算排出量モード又は新規積算モードなどの各モードスイッチを記録モードダイヤル92に設け、該モードスイッチを時計の針の回る方向に回して各スイッチを入り状態とすることができる。さらに図示しないバネの力で「積算排出量」位置まで戻る構成にしておくと、排出具合をオペレータが容易に認識できる。
【0049】
図12に示すように、前記各モードの状態と、算出結果を操縦部7の主変速レバー7eなどの横あるいはモニターに表示するようにする。
【0050】
二番揚穀筒57などの内部に配置する穀粒搬送用の螺旋の回転軸(螺旋軸)は、特に螺旋軸が長丈の場合は、螺旋軸の共振点が螺旋搬送回転数の近傍にある時、螺旋軸が振動する問題が生じていたが、従来は螺旋軸の軸径、螺旋ピッチ、螺旋板厚、回転数などを変更して対処していた。
【0051】
しかし、搬送容量を犠牲にすることなく上記最適な諸元を得ようとすると、サイズの大きな構造になったり、既に販売した機械(コンバイン)への組み付けができないなどの欠点があった。
【0052】
そこで、図13の穀粒搬送用の螺旋の回転軸(螺旋軸)95の軸受の断面図に示すように、軸受93の支持部材であって、軸受93の外リング93aと螺旋軸ケーシング94の間に螺旋軸支持部材97,98を設けた。該螺旋軸支持部材97,98はゴムまたは発砲樹脂から形成される弾性体97と多数の空洞を内蔵した金属製の環状体98からなり、螺旋軸支持部材97,98は高弾性であり、自動調芯効果を高めることができる。
【0053】
この螺旋軸支持部材97,98は軸受93の外リング93aと当接する金属製の環状体98の外側にゴム等の弾性体97を溶着または嵌合して得られた構成としたものであり、この構造にすると、共振点を螺旋軸95の共振点よりも非常に低く設定できるため、搬送能力を犠牲にすることなくコンパクトで長尺の螺旋を設置することが出来る。
【0054】
例えば、螺旋軸支持部材97,98は螺旋軸95の上端側に配置し、該支持部材97,98を螺旋軸95の端部へ打ち込んで嵌め込むことで、螺旋軸95の上端をキャップ状に覆う構成とすることができる。
【0055】
また、螺旋軸支持部材97,98の上面には該支持部材97,98を押し付けるキャップ99を設けることで、ゴミの侵入を防止できる。
また、既に販売した機械へも容易に装備できる特徴があり、メンテナンス性に優れている。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、圃場において穀類の収穫作業を行う農業用のコンバインに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図を示す。
【図2】本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの右側面図を示す。
【図3】図1のコンバインの正面図を示す。
【図4】図1のコンバインの背面図を示す。
【図5】図1のコンバインの脱穀装置の一部を破断して示す左側面図を示す。
【図6】図5のB−B線断面矢視図を示す。
【図7】図6のA−A線断面矢視図を示す。
【図8】図2のコンバイン右側面図の一部拡大図を示す。
【図9】図2の斜視図を示す。
【図10】図2のコンバイン左側面図の一部拡大図を示す。
【図11】図1のコンバインのグレンタンク内の穀粒排出量設定ダイヤルの図を示す。
【図12】図1のコンバインのグレンタンク内の穀粒排出量を表示するモニタ画面の図を示す。
【図13】図1のコンバインの螺旋軸の軸端の支持構造の断面図を示す。
【符号の説明】
【0058】
1 機体フレーム 2 クローラ
3 走行装置 3a 駆動スプロケット
3b 転輪フレーム 3c 転輪群
3d 緊張輪 5 刈取装置
6 脱穀装置 7 操縦部
7a 操作席 7b ハンドル
7c 操行レバー 7d スロットルレバー
7e 主変速レバー 7f 副変速レバー
9 縦支持フレーム 10 分草体
11 引起装置 11a 引起しラグ
12 刈刃 21 フィードチェン
22 挟扼杆 30 ホッパ(グレンタンク)
31 排藁カッタ部 31d カッタフレーム
35 キャリア 40 扱室
40a 連通口 41 扱胴
41a 扱歯 42 扱網
43 揺動選別棚 45 唐箕
45a 唐箕ファン 46 シーブ
47 選別網 49 一番棚板
50 一番移送螺旋 52 一番揚穀筒
53 ストローラック 54 二番棚板
56 二番移送螺旋 57 二番揚穀筒
58 二番処理室 60 二番処理胴
60a 二番処理胴螺旋(螺旋体)
61 二番処理胴受網 63 排塵処理室
64 排塵処理胴 64a 螺旋体
66 受け網(濾過部材)
68 横断流(排塵)ファン 70 入力プーリ
71、73、77、78 ベルト 72 唐箕ファン駆動用プーリ
74 一番螺旋駆動用プーリ 75 二番螺旋駆動用プーリ
76 横断流(排塵)ファン用プーリ
79 揺動棚揺動用プーリ
82 唐箕通風用ダクト蓋(安全カバー)
83 レバー 84 レバーガイド
84a ガイド溝 85 キャリア
85a 側面板 85b 底面板
85c 前面板 86 シャッタ
86a 回動軸 90 背もたれ部材
90a 当接部材 92 記録モードダイアル
93 軸受 93a 外リング
94 螺旋軸ケーシング 95 螺旋軸
97,98 螺旋軸支持部材 99 キャップ
101 カム 102 アーム
103 ロッド 110 エンジンカバー
114 第1エアクリーナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレーム(1)の下部に走行装置(3)を設け、機体フレーム(1)の前部に刈取装置(5)を設け、機体フレーム(1)の後部左側に脱穀装置(6)を設け、該脱穀装置(6)の右側に穀粒袋詰め用のホッパ(30)を設け、
前記脱穀装置(6)に、穀桿を挟持搬送ながら脱穀する扱胴(41)を有した扱室(40)と、該扱室(40)の下側に配置し、脱穀して得た穀粒を含む被処理物を揺動しながら選別する揺動選別棚(43)と、該揺動選別棚(43)の下側前部に配置し、揺動選別棚(43)から漏下する被処理物を送風選別するための唐箕(45)を備え、
該脱穀装置(6)の側壁に唐箕(45)の外気吸入用の開口部を設け、該開口部の外側に安全カバー(82)を設置し、該安全カバー(82)の外側に唐箕(45)の送風量を調節するレバー(83)を配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記レバー(83)の調整位置を保持するレバーガイド(84)を安全カバー(82)の外側に取り付け、該レバーガイド(84)の機体の前進方向側を比較的高い位置に、レバーガイド(84)の機体の後進方向側を比較的低い位置に配置して、レバーガイド(84)を機体側面視で斜めに取り付けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−17838(P2009−17838A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183860(P2007−183860)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】