説明

コンバイン

【課題】選別室や排藁処理室から燃料タンク上に降りかかる藁屑や塵埃などが脱穀装置内に溜まることを防止できるコンバインの提供である。
【解決手段】走行フレーム上にエンジンやグレンタンクを設け、更に穀稈を脱穀処理する扱室と、扱室下方に扱室から落下する被処理物を後方に搬送し揺動選別する揺動棚51を有する選別室50と、扱室の後方に穀稈のうち脱穀された残りの藁を処理して排出する排藁処理室95とを備えた脱穀装置を設け、揺動棚51の下方に燃料タンク130を設け、燃料タンク130上に側面視で上方に突出部を有する逆V字形状のカバー体132を設けたコンバインである。排藁や排塵物がカバー体132の逆V字形状に沿って、脱穀装置の外部に落下するため、確実に藁屑や塵埃などが燃料タンク130上に溜まることを防止できると共に、脱穀装置内に藁屑や塵埃などが溜まることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に植生する穀稈を刈り取りとって脱穀するコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、穀稈を刈取装置により刈り取って搬送し、フィードチェーンから脱穀装置に供給して、脱穀、選別し、脱穀選別された穀粒をグレンタンクに一時貯溜した後、グレンタンク内の穀粒をコンバインの外部に排出する構成である。
脱穀装置の中で最初に穀稈が挿入される扱室においては、被処理物が搬送されながら扱胴が回転することで穀稈の大部分が脱穀される。そして、扱室から落下する被処理物は、選別室において、上下前後方向に揺動する揺動棚上を移動しながら、後方のシーブで唐箕からの送風を受けて風力選別される。
【0003】
選別室においては、揺動棚上を移動してきた被処理物や扱室から一番棚板上と二番棚板上に落下する被処理物を濾過選別し、排藁などは機外に排出し、枝梗粒や穂切れ粒、稈切れ粒などと単粒とを分別して枝梗粒や穂切れ粒、稈切れ粒のみ二番処理室に送り、単粒はグレンタンクへ送る。
そして、脱穀装置の後部には排藁処理室が設けられており、脱穀された残りの穀稈で長尺のままのものが該排藁処理室に投入されて、内部にある排藁カッターにより切断され、圃場に放出される。コンバインの選別室の後方には、扱胴及び揺動棚を駆動するための燃料を収納する燃料タンクが設けられている。
【0004】
選別室や排藁処理室からは、藁屑や塵埃などがコンバインの外部に排出されるが、これら藁屑や塵埃などが燃料タンクに降りかかり、燃料タンク上に溜まることを防止するために、燃料タンク上にカバーが設けられている。
例えば、特許文献2には、燃料タンクの上側と下側を上カバーと下カバーによって覆うようにしたコンバインが開示されている。
【0005】
また、燃料タンクは、点検、交換、修理などに際し、コンバイン本体からの着脱を容易とするために、特許文献1には、燃料タンクの一側部から延出する筒状の給油口を選別室側枠に形成された貫通孔を介して選別室側枠の外方に突出させるに当たり、選別室側枠の貫通孔形成部分を別体のカバー体として、カバー体を着脱自在にした脱穀機(脱穀装置)が提案されている。
【特許文献1】特開2007−74946号公報
【特許文献2】特開2005−176711公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2によれば、燃料タンクの上側と下側を上カバーと下カバーによって覆うもので、上カバーと下カバーに分割することによってカバー形状を小さくして低コストで脱着容易に構成することができ、燃料タンクの下側の損傷防止や燃料タンクの上側への塵堆積防止を図っている。
また、上記特許文献1によれば、選別室側枠の貫通孔形成部分が着脱自在なカバー体で構成されるので、カバー体を外すことにより、選別室側枠に対する給油口の引っかかりを解除し、燃料タンクを容易に着脱することが可能となる。
【0007】
このように、特許文献1及び特許文献2に記載のカバー(カバー体)によって、選別室や排藁処理室から燃料タンク上に降りかかる藁屑や塵埃などをほぼ防止することが可能となる。しかし、燃料タンク上に直接溜まる藁屑や塵埃などは防止できるが、燃料タンクのカバー上にはこれら藁屑や塵埃などが溜まってしまうため、カバー上に溜まった藁屑や塵埃などを脱穀装置内から除去する必要が生じる。燃料タンク上に藁屑や塵埃などが直接溜まらなくても、カバー上に溜まってしまうと、脱穀装置内部の揺動棚が前後に揺動する度にこの溜まった藁屑を押すこととなり、揺動棚の駆動伝動機構に負荷が掛かり、この駆動伝動機構が破損したり早期に摩耗するような不具合がある。
【0008】
本発明の課題は、選別室や排藁処理室から燃料タンク上に降りかかる藁屑や塵埃などが脱穀装置内に溜まることを防止できるコンバインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は次の解決手段により解決できる。
【0010】
請求項1記載の発明は、走行装置(3)の上側に走行フレーム(2)を設け、該走行フレーム(2)の前側に圃場に植生する穀稈を刈り取る刈取装置(6)を設け、走行フレーム(2)の上側に、エンジンと、穀稈を脱穀処理する扱胴(69)を備えた扱室(66)と該扱室(66)下方に該扱室(66)から漏下する被処理物を後方に搬送しながら揺動選別する揺動棚(51)を備えた選別室(50)と前記扱室(66)の後方に脱穀後の排藁を処理して外部へ排出する排藁処理室(95)とを備えた脱穀装置(15)と、該脱穀装置(15)により脱穀後の穀粒を貯留するためのグレンタンク(30)とを設け、前記揺動棚(51)の後部下方に燃料タンク(130)を設け、該燃料タンク(130)の後部を排藁処理室(95)の下側に入り込ませて配置し、該燃料タンク(130)上に側面視で逆V字形状のカバー体(132)を設け、該カバー体(132)後部の後方傾斜面(132b)上に、排藁処理室(95)及び揺動棚(51)からの落下物を後方の既刈地側へ排出案内するためのガイド体(133)を設けたコンバインである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、燃料タンク(130)の後部を排藁処理室(95)の下側に入り込ませて配置することで、この燃料タンク(130)の容量を大きく確保でき、コンバインの燃料補給による作業時間のロスを少なくし、刈取脱穀作業の能率を向上させることができる。また、燃料タンク(130)上に逆V字形状のカバー体(132)を設け、このカバー体(132)後部の後方傾斜面(132b)上にガイド体(133)を設けることで、排藁処理室(95)から落下する排藁や揺動棚(51)の搬送終端部から落下する排塵物はカバー体(132)上に溜まることなく、ガイド体(133)によって後方の既刈地側へ案内されて排出され、脱穀装置(15)内に溜まることを防止できる。これによって、揺動棚(51)の駆動伝動機構に負荷が掛からず、該駆動伝動機構が損傷しにくく、耐久性を向上させることができる。
更に、排藁処理室(95)から落下する排藁と揺動棚(51)の搬送終端部から落下する排塵物をガイド体(133)により合流させて既刈地側へ拡散させながら排出させることで、排塵物などの拡散(圃場で目立ちにくくできる)が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1には本発明の実施形態の脱穀装置を備えたコンバインの左側面図を示し、図2には図1のコンバインの平面図を示し、図3には図1のコンバインの脱穀装置の一部切り欠き側面断面図を示し、図4には図3の後部拡大図(一部省略)を示す。また、図5には図1のコンバインの選別室の平面図を示し、図6には図3のS−S線矢視断面図を示す。
なお、本実施の形態ではコンバインの前進方向に向かって前側と後側をそれぞれ前、後といい、左側と右側をそれぞれ左、右ということにする。
【0013】
図1ないし図2に示すコンバイン1の走行フレーム2の下側には、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型した左右一対のクローラ4を持ち、乾田はもちろんのこと、湿田においてもクローラ4が若干沈下するだけで自由に走行できる構成の走行装置3を備え、走行フレーム2の前部には刈取装置6を搭載し、走行フレーム2の上部には図示しないエンジンならびに脱穀装置15、操縦席20およびグレンタンク30を搭載する。
【0014】
刈取装置6は、図示しない刈取昇降シリンダの伸縮作用により刈取装置6全体を昇降して、圃場に植生する穀稈を所定の高さで刈取りができる構成としている。刈取装置6の前端下部に分草具7を、その背後に傾斜状にした穀稈引起し装置8を、その後方底部には刈刃(図示せず)を配置している。刈刃と脱穀装置15のフィードチェン14の始端部との間に、図示しない前部搬送装置、扱深さ調節装置、供給搬送装置などの搬送装置9を順次穀稈の受継搬送と扱深さ調節とができるように配置している。
【0015】
コンバイン1の刈取装置6の作動は次のように行われる。まず、エンジンを始動して変速用、操向用などの操作レバーをコンバイン1が前進するように操作し、刈取・脱穀クラッチ(図示せず)を入り操作して機体の回転各部を伝動しながら、走行フレーム2を前進走行させると、刈取、脱穀作業が開始される。圃場に植立する穀稈は、刈取装置6の前端下部にある分草具7によって分草作用を受け、次いで穀稈引起し装置8の引起し作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃に達して刈取られ、前部搬送装置に掻込まれて後方に搬送され、扱深さ調節装置、供給搬送装置に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される。
【0016】
穀稈は供給搬送装置からフィードチェン14の始端部に受け継がれ、脱穀装置15に供給される。脱穀装置15は、上側に扱胴69を軸架した扱室66を前板97と後板98の間に配置し、扱室66の下側に選別部としての選別室50を一体的に設け、供給された刈取穀稈を脱穀、選別する。
【0017】
脱穀装置15に供給された穀稈は、後で詳細に説明するが、主脱穀部である扱室66に挿入され、扱室66に軸架され回転する扱胴69の多数の扱歯69aと、フィードチェン14による移送と、扱網74との相互作用により脱穀され、被処理物(穀粒や藁屑)は脱穀装置15内の選別室50の揺動棚51で受け止められ、上下前後方向に揺動する揺動棚51上を移動しながら、唐箕79からの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒は第1チャフシーブ53、第2チャフシーブ54および選別網63を通過し、一番螺旋65から、搬送螺旋78aを内蔵している一番揚穀筒78(図9)を経てグレンタンク30へ搬送され、グレンタンク30に一時貯留される。一番揚穀筒78の長手方向の軸芯上にグレンタンク30の籾排出口を設けている。
【0018】
脱穀装置15の扱室66の終端に到達した脱穀された残りの穀稈で長尺のままのものは、排藁根元チェーン110および排藁穂先チェーン111に挟持されて搬送され、脱穀装置15の後部の排藁処理室95に投入されて藁用カッター80a、80bによって切断され、圃場に放出される。
【0019】
グレンタンク30内の底部に穀粒移送用のグレンタンク螺旋(図示せず)を設け、グレンタンク螺旋を駆動する螺旋駆動軸(図示せず)に縦オーガ18および横オーガ19からなる排出オーガを連接し、グレンタンク30内に貯留した穀粒を排出オーガ排出口19aからコンバイン1の外部に排出する。グレンタンク螺旋、縦オーガ螺旋(図示せず)および横オーガ螺旋(図示せず)は、エンジンの動力の伝動を受けて回転駆動され、それぞれの螺旋羽根のスクリュウコンベヤ作用により貯留穀粒を搬送する。
【0020】
刈取装置6で刈り取った穀稈は刈取装置6に装着された穀稈搬送、調節装置で扱深さが調節され、脱穀装置15の主脱穀部である扱室66内に挿入される。扱室66に軸架された扱胴69は、その表面に多数の扱歯69aが設けられており、図示しない駆動機構によって、エンジンからの動力により、図3、図8の矢印B方向に回転する。扱室66に挿入された穀粒の付いた穀稈は、移動するフィードチェン14により図3の矢印A方向に移送されながら、矢印B方向に回転する扱胴69の扱歯69aと扱網74との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物(穀粒や藁屑)は扱網74を矢印C1方向(図8)に通過して、揺動棚51で受け止められる。
揺動棚51は、扱室66の扱網74の下方に配置した移送棚52とその後方に配置した上方の第1チャフシーブ53、第2チャフシーブ54とその下方の選別網63と最後端部に配置したストローラック62などから構成されている。
【0021】
第1チャフシーブ53と第2チャフシーブ54は、揺動しながら各シーブ間から被処理物を漏下させ、唐箕79からの送風により風力選別する点で共通しているが、被処理物の搬送方向前方側の第1チャフシーブ53の方が後方側にある第2チャフシーブ54に比べて各シーブの大きさが小さく、各シーブ間の距離が多少狭い構成である。被処理物の搬送方向前方側では、被処理物中における単粒の含有率が高く、藁屑の漏下を抑えながら単粒だけを漏下させ、藁屑をより後方へ移送するために、このような構成としている。
【0022】
また、第1チャフシーブ53の上方に、揺動棚51上の被処理物を拡散させる拡散ガイド88を、被処理物の搬送方向に向かって拡散ガイド88の前端が前記移送棚52の上方に位置するように設けている。
そして移送棚52には複数個のラック状の選別板52aを備えており、移送棚52は第1チャフシーブ53の前方に配置されている。移送棚52は扱胴69の下方に配置して二番処理物を受け止め得る構成になっている。
【0023】
扱網74(図3)の前方の領域で漏下する脱穀初期に脱粒した穀粒は単粒であり夾雑物も含んでいないので第1チャフシーブ53や第2チャフシーブ54上で粗選別する必要が無く、直接選別網63で後述する唐箕79からの送風により風選することができ、これら第1チャフシーブ53や第2チャフシーブ54の負荷を軽くし、能率的な脱穀が可能となる。唐箕79からの送風は、送風流路に設けた風割部105によって上下に分割される。
【0024】
また、揺動棚51は図示しない揺動棚駆動機構の作動により上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印D方向(図3)に移動しながら、揺動棚51上に漏下した比重の重い穀粒は選別網63を矢印E方向に通過し、一番棚板64で集積され、一番螺旋65から一番揚穀筒78(図9)を経てグレンタンク30へ搬送される。グレンタンク30に貯留された穀粒は、縦オーガ18および横オーガ19を経由してコンバイン1の外部へ搬送される。
【0025】
揺動棚51の上の被処理物のうち軽量のものは、揺動棚51の揺動作用と唐箕79のファン79aによる送風に吹き飛ばされて揺動棚51から第1チャフシーブ53、第2チャフシーブ54に向けて矢印D方向に移動し、ストローラック62の上で大きさの小さい二番穀粒は矢印G方向に漏下して二番棚板85に集められ、二番螺旋86で二番揚穀筒87へ搬送される。
【0026】
二番穀粒(二番物ということがある)は、正常な穀粒、枝梗粒、藁屑および藁屑の中に正常な穀粒が刺さっている刺さり粒などの混合物であり、二番揚穀筒87(図8)の中を二番揚穀筒螺旋87aにより揚送されて、二番処理室入口から二番処理室67の上方へ放出される。二番処理室67の下部に軸架する二番処理胴70はエンジンからの動力を伝動して駆動機構により、図3の矢印J方向に回転する。
【0027】
二番穀粒は二番処理胴70に植設してある多数の処理歯70aに衝突しながら矢印I方向(図3)に進行する間に二番穀粒の分離と枝梗粒の枝梗の除去を行い、被処理物の一部は二番処理胴70の下方に設けられた受網75(図8)を通り抜けて選別室50に漏下し、被処理物の大部分は移送棚52から第1チャフシーブ53、第2チャフシーブ54方向に送られ、穀粒は第1チャフシーブ53、第2チャフシーブ54と選別網63を通り、一番螺旋65に集められる。このように二番物を移送棚52上に回収して第1チャフシーブ53、第2チャフシーブ54による再処理をすることにより、穀粒と藁屑との分離が良好になる。
【0028】
扱室66を図3の矢印A方向に進行し、扱室66の終端に到達した被処理物の中の脱穀された穀稈で長尺のままのものは、排藁根元チェーン110および排藁穂先チェーン111に挟持されて後方に搬送され、排藁処理室95に投入されて圃場に排出される。
図3に示すように、排藁入力プーリ121のプーリ軸121aから伝達された動力により排藁根元チェーン110及び排藁穂先チェーン111が駆動される。扱室66から排出された排藁の穂先側は穂先支持ガイド113によって排藁穂先チェーン111に支持、案内される。排藁根元チェーン110は、扱胴69によって脱穀されフィードチェン14によって株元(根元)側が挟持された排藁を引き継いで根元チェーン挟持杆115により挟持し、後方へ搬送する。そして、排藁チェーン110、111により矢印U方向に搬送された排藁は、排藁処理室95に投入されて藁用カッター80a、80bによって切断され、圃場に放出される。
【0029】
また、扱室66の扱胴69による被処理物搬送方向終端部側に到達した被処理物の中で、藁屑など短尺のものは、扱室66の扱胴69による被処理物の搬送方向終端部と排塵処理室68の排塵処理胴71による被処理物の搬送方向始端部とを連通する連通口101(図5)にある排塵処理室入口から矢印A1(図5)方向に投入されて、扱室66からの取り込みを良好にする螺旋71bの作用により排塵処理室68に入り、排塵処理室68では回転する排塵処理胴71の処理歯71aにより矢印K方向(図3)に搬送されながら処理される。なお、排塵処理胴71の上手側に螺旋71bが設けられ、排塵処理胴71の下手側に処理歯71aが設けられている。排塵処理胴71の扱室66側には格子状の排塵処理胴枠72(図6)が排塵処理胴71の下側及び扱室66側の外周に沿って設けられ、排塵処理室68の濾過体を構成している。
【0030】
排塵処理室68に入った少量の穀粒を含む藁屑を主体とする被処理物の中の漏下物(穀粒)は受け網76(図3)から揺動棚51上に漏下し、揺動棚51に設けられたストローラック62に誘導されて二番棚板85から二番揚穀筒87を経由して二番処理室67に送られる。なお、同軸上にある二番処理胴70と排塵処理胴71の駆動は図示しないがエンジンから駆動力をプーリを介して行われる。
図3に示すように、脱穀装置15の後部に排塵ファン91を設け、排塵処理室68を含む脱穀装置15内で発生する排塵のうち、比重の軽い藁屑、枝梗および塵埃を含む空気を排塵ファン91の回転による送風で吸引し、排塵ファン出口から矢印L方向へ吹き出して、コンバイン1の外部へ放出する。
【0031】
排塵処理室68から揺動棚51の終端部に矢印M(図3)のように落ちた排塵のうち二番穀粒、三番穀粒など小径で比重の重いものは、揺動棚51の終端部のストローラック62あるいは第1チャフシーブ53、第2チャフシーブ54を矢印G方向へ通過して二番棚板85に漏下し、再び二番処理室67において処理される。また、排塵処理室68から揺動棚51の終端部に矢印Mのように落ちた排塵のうち、やや長めの藁屑はストローラック62で受けとめられ、揺動棚51の揺動運動と、唐箕79の送風力により矢印F(図3)に示すように揺動棚51の終端部にある排塵口92から排出羽根71c(図6)の作用により排出され圃場に放出される。
【0032】
また、連通口101(図5)の前後には前方中板96F及び後方中板96R(図3)を配置しており、前方中板96Fにより前記扱網74(図3)の後端部を支えている。
そして、コンバイン1の選別室50の後方には、扱胴69及び揺動棚51などを駆動するための燃料を収納する燃料タンク130が設けられている。燃料タンク130には、脱穀装置15の側壁15a(図6)から突出する燃料供給口130aから燃料が供給される。 そして、選別室50や排藁処理室95からは、藁屑や塵埃などがコンバイン1の外部に排出されるが、これら藁屑や塵埃などが燃料タンク130上に降りかかって燃料タンク130上に溜まることを防止するために、燃料タンク130上にカバー132を設けている。
【0033】
このカバー132は、図3に示すように、側面視で逆V字形状であるため、排藁処理室95から落下する排藁や揺動棚51の搬送終端部から落下する排塵物がカバー132の逆V字形状の斜面(前方傾斜面132a、後方傾斜面132b)に沿って、脱穀装置15の外部に落下する。なお、これらの排塵物は後方傾斜面132bからは後方の既刈地側へ流れ、前方傾斜面132aからは走行フレーム2(枠組みされている)の間隔部から、下方へ流下する。
また、カバー132は背面視で逆V字形状としても、同様に、排藁や排塵物が脱穀装置15の外部に落下する。
【0034】
従来は、脱穀装置15のコンパクト性の観点から、カバーの形状を燃料タンクに沿った形状にする場合が多い。例えば、カバーの形状が燃料タンク上面に沿って水平面を有する部分がある場合は、どうしてもその部分に排藁や排塵物などが溜まりやすくなる。燃料タンク上に藁屑や塵埃などが直接溜まらなくても、カバー上に溜まってしまうと、脱穀装置内部の揺動棚が前後に揺動する度にこの溜まった藁屑を押すこととなり、揺動棚の駆動伝動機構に負荷が掛かり、この駆動伝動機構が破損したり早期に摩耗するような不具合がある。
【0035】
しかし、本実施形態における脱穀装置15のカバー132は側面視又は背面視で前方傾斜面132aと後方傾斜面132bからなる逆V字形状であるため、これら斜面に沿って藁屑や塵埃などが脱穀装置15の外部に落下する。また、このように逆V字形状とすることで、脱穀装置15のコンパクト性も損なわれない。
したがって、本構成を採用することにより、確実に藁屑や塵埃などが燃料タンク130上に溜まることを防止できると共に、脱穀装置15内に藁屑や塵埃などが溜まることを防止できる。
【0036】
そして、燃料タンク130及びカバー132は後部が排藁処理室95と平面視で重複しており、カバー132の後部上面に、排藁処理室95や揺動棚51からの落下物を分散又は後方へ案内するためのガイド体133をカバー132から突出して設ける。
燃料タンク130の後部を排藁処理室95の下側に入り込ませて配置し、燃料タンク130を排藁処理室95の下方まで設けることで、タンクの容量を大きく確保できる。したがって、コンバイン1の燃料補給による作業時間のロスを少なくし、刈取脱穀作業の能率を向上させることができる。
【0037】
そして、ガイド体133をカバー132上面から突出して設けることで、排藁処理室95から落下する排藁や揺動棚51の搬送終端部から落下する排塵物はカバー132上に溜まることなく、ガイド体133によって下方に案内される。ガイド体133は後部を図5及び図6に示すように、横断流ファン式の排塵ファン91の設置位置とは反対側(図示例では右側)に向け、該排塵ファン91の排風方向に沿わせて平面視で斜めに配置すると、排塵ファン91からの送風によって排出される排塵物が送風にのり、ガイド体133に沿って効率よく後方の既刈地側へ排出案内することができる。
【0038】
また、ガイド体133は図5及び図6に示すように複数個を等間隔に配置しても良いし、被処理物が多い排塵処理室68側の間隔を他側の間隔よりも広くして配置してもよく、また、複数のガイド体133の姿勢を、未刈地から既刈地側にかけて徐々に変えてもよい。
【0039】
このように、燃料タンク130上に逆V字形状のカバー132を設け、このカバー132後部の後方傾斜面132b上にガイド体133を設けると、排藁処理室95から落下する排藁や揺動棚51の搬送終端部から落下する排塵物はカバー132上に溜まることなく、ガイド体133によって後方の既刈地側へ案内されて排出され、脱穀装置15内に溜まることを防止できる。これによって、揺動棚51の駆動伝動機構に負荷が掛からず、該駆動伝動機構が損傷しにくく、耐久性を向上させることができる。
【0040】
そして、排藁処理室95から落下する排藁と揺動棚51の搬送終端部から落下する排塵物をガイド体133により合流させて既刈地側へ拡散させながら排出させることで、排塵物などの拡散(圃場で目立ちにくくできる)が良くなる。
このように、ガイド体133によって排藁処理室95から落下する排藁や揺動棚51の搬送終端部から落下する排塵物が分散するため、これら排藁や排塵物を未刈稈から遠ざけることができる。未刈稈上にこれら排藁や排塵物が落下すると、再び排藁や排塵物なども刈り取り穀稈と共に脱穀装置15に供給されてしまうため、脱穀処理効率が悪くなる。
【0041】
しかし、本構成を採用することにより、ガイド体133を設けることで、これら排藁や排塵物を未刈稈から遠ざける作用やこれら排藁や排塵物の拡散作用に加えて、上述のように排藁と排塵物をガイド体133により合流させて拡散することで、排塵物などの拡散が良くなり、美観上も良い。
【0042】
また、燃料タンク130上のカバー132を排塵ファン91の出口に位置する排塵ファン排塵口92a(図5)の後方には設けないように設置すれば、排塵ファン排塵口92aからの排塵物の排出を妨げない。すなわち、図5に示すように、揺動棚51の搬送終端部にある排塵口92のうち、排塵ファン91側の排塵ファン排塵口92a上の近傍の所定区間Qにはカバー132を設けないように設置する。
【0043】
排塵ファン91出口の排塵ファン排塵口92a付近は排塵ファン91からの送風によって排塵ファン排塵口92aから排出直後の排塵物の風速(風量)が大きい。
したがって、排塵ファン排塵口92a近傍の燃料タンク130上には排藁や排塵物などがあまり溜まらないため、カバー132を設けなくても良く、排塵ファン91からの送風によって排塵物が良好に後方に抜ける。このように、必要な部分のみカバー132を設けることで、経済的であり、構成も簡素になる。
【0044】
また、燃料タンク130上のカバー132をコンバイン本体(機体)から着脱可能とすれば、揺動棚51の取り外し時は、カバー132を取り外すことで揺動棚51も容易に着脱できる。
図4には、カバー132を取り外したときの様子を示している。カバー132を図示しないピンやフック等により揺動棚51の後部側壁51aに取り付け、取り外し可能な構成にすると良い。また、カバー132を揺動棚51の後部側壁51aの外面に沿った形状にすれば、接合部材を用いなくても容易に外れない。
【0045】
そして、カバー132を機体から着脱可能とすることで、カバー132と揺動棚51との上下方向の高さをほぼ同じ高さとしても、カバー132を取り外すことで機体の後方に揺動棚51を取り外すことができる。
したがって、カバー132を揺動棚51とほぼ同じ高さにすることができ、カバー体132の前方傾斜面132aおよび後方傾斜面132bの傾斜角度が急になり、カバー132上の斜面に排藁や排塵物が溜まることを防止できる効果が大きい。
【0046】
また、燃料タンク130上のガイド体133は、排塵ファン排塵口92aとほぼ同じ高さ位置に設けると、排塵ファン91からの送風が矢印O方向(図5)に流れてガイド体133の後部に回り込むため、排塵物の拡散が送風によって補助される。
本構成を採用することで、排塵ファン91からの送風はガイド体133の後方に回り込み、排藁処理室95から落下する排藁と揺動棚51の搬送終端部から落下する排塵物を未刈稈から遠ざけながら拡散するようになり、排塵物などの拡散を良好に行える。
【0047】
更に、図7には図3のコンバインの燃料タンクの図示を省略した例(左側面断面図)を示し、図8には図7のA−A線矢視の脱穀装置15の立面断面図を示し、図9には図7のB−B線矢視の脱穀装置15の立面断面図を示す。
【0048】
ところで、唐箕79からの送風は、第1チャフシーブ53下方の送風流路に設けた風割部105によって矢印P方向に流れ、上方風路X及び下方風路Yに分割される。この風割部105を、上方風路Xが下方風路Yよりも広くなるような位置に設け、更に上方風路Xの選別風を拡大するように唐箕79のファン79aを前傾姿勢で設けると良い。なお、図7の丸枠部分Rに示すように、ファン79aの4枚の羽根板が、回転軸芯Tからの放射方向に対して角度θを有して取り付けられている点を、「前傾姿勢」と表現している。
【0049】
更に、風割部105は上面105aを平坦(側面視で後ろ上がりの傾斜直線とする)とし、下面105bを屈曲させて側面視でL字型となるように設ける。すなわち、側面視で後方に突状部を有する三角形状とする。
唐箕79からの選別風は風割部105によって上下方向に拡散し、選別網63を通過前の前方部(ろ過前方部)で拡大され、第1チャフシーブ53、第2チャフシーブ54の前方部の選別風の抜け(下方から上方への抜け)が良好となって、選別が良好に行われ、選別処理効率が向上する。また、風割部105の上面105aは平坦であるため、選別風は上面105aの傾斜に沿って上方に立ち上がりやすくなり、選別網63を抜ける選別風は上方に立ち上がって夾雑物と穀粒が分離されやすくなるため、唐箕79からの選別風を有効に利用でき、選別が良好となる。
【0050】
そして、風割部105の上方風路Xの風路巾(上下幅)の延長線上に選別網63を設け、選別網63の前後間に亘って上方風路Xからの送風が行き渡るように、上方風路Xの上下幅を幅広にすると良い。図7に示すように、上方風路Xは唐箕79の後方壁面79bに沿う流れの軌跡X1と風割部105の上面105aの傾斜に沿う流れの軌跡X2によって風路巾(上下幅)を形成しており、ちょうど軌跡X1が選別網63の前端部に、軌跡X2が選別網63の後端部に重なるように風割部105を配置する。
本構成を採用することにより、選別網63の前後巾の全域において、唐箕79からの選別風が立ち上り、風向きが上向きになる。したがって、第1チャフシーブ53、第2チャフシーブ54の選別風の抜けが良くなり、選別能力が向上する。また、選別能力が向上することで、穀粒の回収ロスの低減が図れ、選別処理効率が向上する。
【0051】
図10(a)には、図1のコンバインの脱穀装置の扱胴軸にスクレーパを設けた場合の脱穀装置の背面断面図を示し、図10(b)には、図10(a)の簡略平面図を示す。また、図11(a)には、図1のコンバインの脱穀装置の扱胴軸にスクレーパを設けた場合の脱穀装置の後部側面断面図を示し、図11(b)には、図11(a)の簡略平面図を示す。
図10及び図11に示すように、扱胴69の被処理物の搬送方向終端部側の扱胴軸69bには排藁出力プーリ120が軸着しており、該排藁出力プーリ120と排藁入力プーリ121に排藁入力ベルト106を掛け渡すことで、扱胴軸69bの回転により排藁出力プーリ120及び排藁入力プーリ121を介してエンジンからの動力が排藁根元チェーン110及び排藁穂先チェーン111(図3)に伝達される。
【0052】
そして、後板98よりも後方の扱胴軸69bに円盤状のスクレーパ150を軸着させて設ける。スクレーパ150を扱胴軸69bに軸着させることで、スクレーパ150は扱胴軸69bと一体となって回転する。また、スクレーパ150の外周部に排藁の穂先を叩くための突起150aを複数設けている。スクレーパ150が扱胴軸69bと共に回転することで、突起150aに排藁の穂先が当たって刺さり粒から藁屑と正常な穀粒を分離することができるため、刺さり粒を極力なくすことが可能となる。また、スクレーパ150の表面(扱胴69とは反対側の面)に機体の後方に向かって風を送る羽根151を設けても良い。
【0053】
特に、排塵処理胴71が設けられている脱穀装置15の場合、処理物量が多くなる高能率時になると、被処理物が扱胴69から排塵処理胴71で引き継がれず、扱胴69の回転により持ち回った被処理物が排藁と共に機外に直接排出されることで、刺さり粒などの四番物の回収ロスが極端に多くなるという不具合があった。また、排藁根元チェーン110及び排藁穂先チェーン111などの伝動部(排藁出力プーリ120、排藁入力プーリ121など)に、藁屑が溜まるという不具合もあった。
【0054】
しかし、本構成を採用することにより、扱室66の後板98の後方に設けたスクレーパ150により、刺さり粒から藁屑と正常な穀粒を分離して、揺動棚51に回収することができるので、高能率時でも四番物の回収ロスの増加を防止できる。
そして、スクレーパ150が回転することで、スクレーパ150表面の羽根151によりスクレーパ150後方の排藁出力プーリ120、排藁入力プーリ121などの伝動部に風を送ることができるため、これら伝動部に藁屑が堆積することを防止できる。
【0055】
図12(a)には、図10(a)の脱穀装置15の扱胴軸69bにスクレーパ150を設けた場合の別の例(拡大背面断面図)を示し、図12(b)には、図12(a)の後部側面断面図を示す。
また、図10に示すスクレーパ150の外周部先端に、扱胴69の回転により持ち回る排藁を保持するガイドピン155を設けても良い。図12に示すように、後板98の扱胴69とは反対側の表面にガイドピン155の基部を取り付けて、ガイドピン155の先端部が側面視でスクレーパ150の後端部から後方に突出するように設ける。図示例ではガイドピン155を3個設けているが、個数の限定はなく、複数個間隔を開けて配置することで、より排藁の保持効果が大きくなる。
【0056】
本構成を採用することにより、扱室66の後板98後方に設けたスクレーパ150により、刺さり粒から藁屑と正常な穀粒を分離して、揺動棚51に回収することができると共に、ガイドピン155により排藁を保持することができるので、スクレーパ150により確実に排藁をすくことができるため、籾(穀粒)の回収を確実に行うことができる。
また、ガイドピン155は扱胴軸69bよりも下方に設けることで、下方から排藁を支えて保持するため、スクレーパ150によって排藁をすく効果が大きくなり、選別効率が向上し、四番物の回収ロスの増加を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の脱穀装置はコンバインなどの収穫した穀粒の処理装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態の脱穀装置を備えたコンバインの左側面図である。
【図2】図1のコンバインの平面図である。
【図3】図1のコンバインの脱穀装置の左側面断面図である。
【図4】図3の後部拡大図である。
【図5】図1のコンバインの選別室の平面図である。
【図6】図3のS−S線矢視断面図である。
【図7】図3のコンバインの燃料タンクの図示を省略した左側面断面図である。
【図8】図7のA−A線矢視の脱穀装置の立面断面図である。
【図9】図7のB−B線矢視の脱穀装置の立面断面図である。
【図10】図10(a)は、図1のコンバインの脱穀装置の扱胴軸にスクレーパを設けた場合の脱穀装置の背面断面図であり、図10(b)は、図10(a)の簡略平面図である。
【図11】図11(a)は、図1のコンバインの脱穀装置の扱胴軸にスクレーパを設けた場合の脱穀装置の後部側面断面図であり、図11(b)は、図11(a)の簡略平面図である。
【図12】図12(a)は、図10(a)の脱穀装置の扱胴軸にスクレーパを設けた場合の別の例を示した拡大背面断面図であり、図12(b)は、図12(a)の後部側面断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 コンバイン 2 走行フレーム
3 走行装置 4 クローラ
6 刈取装置 7 分草具
8 穀稈引き起こし装置 9 搬送装置
14 フィードチェン 15 脱穀装置
15a 側壁 18 縦オーガ
19 横オーガ 19a 排出口
20 操縦席 30 グレンタンク
50 選別室 51 揺動棚
51a 後部側壁 52 移送棚
52a 選別板 53 第1チャフシーブ
54 第2チャフシーブ 62 ストローラック
63 選別網 64 一番棚板
65 一番螺旋 66 扱室
67 二番処理室 68 排塵処理室
69 扱胴 69a 扱歯
69b 扱胴軸 70 二番処理胴
70a 処理歯 71 排塵処理胴
71a 処理歯 71b 螺旋
71c 排出羽根 72 排塵処理胴枠
74 扱網 75 二番処理胴受網
76 受け網 78 一番揚穀筒
78a 搬送螺旋 79 唐箕
79a 唐箕ファン 79b 壁面
80a、80b 藁用カッター 85 二番棚板
86 二番螺旋 87 二番揚穀筒
87a 二番揚穀筒螺旋 88 拡散ガイド
91 排塵ファン 92 排塵口
92a 排塵ファン排塵口 95 排藁処理室
96F 前方中板 96R 後方中板
97 前板 98 後板
101 連通口 105 風割部
105a 上面 105b 下面
106 排藁入力ベルト 110 排藁根元チェーン
111 排藁穂先チェーン 113 穂先支持ガイド
115 根元チェーン挟持杆 120 排藁出力プーリ
121 排藁入力プーリ 121a プーリ軸
130 燃料タンク 130a 燃料供給口
132 カバー 132a 前方傾斜面
132b 後方傾斜面 133 ガイド体
150 スクレーパ 150a 突起
151 羽根 155 ガイドピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(3)の上側に走行フレーム(2)を設け、
該走行フレーム(2)の前側に圃場に植生する穀稈を刈り取る刈取装置(6)を設け、
走行フレーム(2)の上側に、エンジンと、穀稈を脱穀処理する扱胴(69)を備えた扱室(66)と該扱室(66)下方に該扱室(66)から漏下する被処理物を後方に搬送しながら揺動選別する揺動棚(51)を備えた選別室(50)と前記扱室(66)の後方に脱穀後の排藁を処理して外部へ排出する排藁処理室(95)とを備えた脱穀装置(15)と、該脱穀装置(15)により脱穀後の穀粒を貯留するためのグレンタンク(30)とを設け、
前記揺動棚(51)の後部下方に燃料タンク(130)を設け、
該燃料タンク(130)の後部を排藁処理室(95)の下側に入り込ませて配置し、
該燃料タンク(130)上に側面視で逆V字形状のカバー体(132)を設け、
該カバー体(132)後部の後方傾斜面(132b)上に、排藁処理室(95)及び揺動棚(51)からの落下物を後方の既刈地側へ排出案内するためのガイド体(133)を設けたことを特徴とするコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−124719(P2010−124719A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300687(P2008−300687)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】