説明

コンバイン

【課題】複数の回転モードの中から最適な回転モードに簡易な操作で切り替えることができ、刈取作業を効率的に行うことができるコンバインを提供する。
【解決手段】前記走行機体の走行速度を検出する車速センサ51と、前記掻込リール13の回転数を検出する回転数センサ48と、前記掻込リール13の回転数を変更可能な無段変速装置49と、前記無段変速装置49を作動させるサーボモータ47と、前記走行速度に同調して前記掻込リール13の回転数が前記無段変速装置49で変更されるように前記サーボモータ47を制御する制御装置64と、を備え、前記制御装置64は、複数の回転モードを記憶するとともに、モード切替スイッチ55と接続され、前記回転モードとして有する標準モードと向刈モードと追刈モードとを前記モード切替スイッチ55の操作に応じて切り替えて、前記掻込リール13の回転数を変更するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汎用コンバインに関し、詳しくは、刈取部における掻込リールの変速構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、刈取部に掻込リールを備え、走行機体の走行速度に同調して、掻込リールの回転数を変更させるコンバインが公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。このようなコンバインは、走行速度が速くなるに従って掻込リールの回転数を上げ、走行速度が遅くなるに従って掻込リールの回転数を下げるように、車速センサにより検出した走行速度に基づいて自動的に掻込リールの回転数を変更制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−275663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載の従来技術においては、走行速度に対する掻込リールの回転数を定めた回転モードが1種類しか記憶されておらず、この回転モードを穀稈の倒伏状態等の作物条件に応じて別の適切な回転モードに切り替えることができなかった。そのため、操縦者が毎回手動で掻込リールの回転数の微調整を行わなければならず、刈取作業を効率的に行うことができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、刈取部に備えた掻込リールの回転モードを作物条件に応じて別の適切な回転モードに簡易に切り替えることができ、操縦者が手動で掻込リールの回転数の微調整を行う頻度を減らすことができ、刈取作業を効率的に行うことができるコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、走行機体の前部に、穀稈を掻き込む掻込リールと、穀稈を刈り取る刈刃と、刈取後の穀稈を中央部へ寄せるオーガと、を有する刈取部を昇降可能に具備するコンバインであって、前記走行機体の走行速度を検出する車速検出手段と、前記掻込リールの回転数を検出する掻込リール回転数検出手段と、前記刈取部の入力軸からリール駆動軸までの動力伝達経路に配置され、前記掻込リールの回転数を変更可能な無段変速装置と、前記無段変速装置を作動させるアクチュエータと、前記走行機体の走行速度に同調して前記掻込リールの回転数が前記無段変速装置で変更されるように前記アクチュエータを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記走行機体の走行速度に対する掻込リールの回転数を定めた複数の回転モードを記憶するとともに、モード切替手段と接続され、前記回転モードとして有する標準モードと向刈モードと追刈モードとを前記モード切替手段の操作に応じて切り替えて、前記掻込リールの回転数を変更するように構成したものである。
【0008】
請求項2においては、前記制御装置は、前記刈取部の昇降操作手段と接続され、前記向刈モードと追刈モードとを、前記昇降操作手段による前記刈取部の昇降操作に連動して、交互に切り替えるように構成したものである。
【0009】
請求項3においては、前記制御装置は、手動変速比変更手段と接続され、前記向刈モードならびに前記追刈モードにおける前記走行機体の走行速度に対する掻込リールの回転数の変速比を、前記手動変速比変更手段の操作量に基づいて調整可能に構成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1の発明によれば、走行速度に対する掻込リールの回転数を定めた回転モードを、作物条件に応じて複数の回転モードの中から最適な回転モードに簡易な操作で切り替えることができる。具体的には、略直立した状態の穀稈を刈る時には標準モード、向刈り時には稈を引き起こすため掻込リールの回転数が標準モードよりも低速となる向刈モード、追刈り時には稈を押し起こすため掻込リールの回転数が標準モードよりも高速となる追刈モードに容易に切り替えることができる。このように複数の回転モードを穀稈の倒伏状態に応じて切り替え可能にすることにより、操縦者が微調整を行う頻度を減らすことができ、刈取作業を効率的に行うことができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、穀稈の倒伏方向とコンバインの進行方向とが同方向のときに往復刈りを行う場合、走行機体を圃場端で回行させる度に行う刈取部の昇降操作の前後で、向刈りに適した向刈モードと、追刈りに適した追刈モードとを自動的に交互に切り替えることができる。これにより、刈取部の昇降操作を行う際に操縦者が掻込リールの回転モードを変更し忘れて不適切な回転モードのまま刈取作業を行うことがなくなり、確実に適切な回転モードで刈取作業を行うことができる。また、刈取部の昇降操作の前後で掻込リールの回転モードを設定し直す必要がなくなり、刈取作業時に必要な操作を簡略化することができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、圃場内で場所によって穀稈の倒伏角度が異なる場合、操縦者は穀稈の倒伏角度に合わせて走行速度に対する掻込リールの回転数の増減比である変速比を調整することができる。したがって、操縦者は刈取作業を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第一実施形態に係るコンバインの全体構成を示す左側面図。
【図2】第一実施形態に係るコンバインの全体構成を示す右側面図。
【図3】刈取部の駆動構成を示すスケルトン図。
【図4】無段変速装置の断面図。
【図5】第一実施形態に係るコンバインの制御ブロック図。
【図6】走行速度と掻込リールの回転数との関係を示すグラフ。
【図7】第二実施形態に係るコンバインの制御ブロック図。
【図8】第三実施形態に係るコンバインの制御ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【0016】
初めに、本発明の第一実施形態に係るコンバイン1の全体構成について、図1、図2を用いて説明する。
【0017】
図1、図2に示すように、コンバイン1は、刈取部4に掻込リール13を有する汎用(普通型)コンバインである。コンバイン1には、機体フレーム2に対して、走行部3と、刈取部4と、脱穀部5と、選別部6と、穀粒貯溜部7と、排藁処理部8と、エンジン部9と、操縦部10とが備えられる。
【0018】
走行部3は、機体フレーム2の下部に設けられる。走行部3は、左右一対のクローラを有するクローラ式走行装置11等を有して、走行機体をクローラ式走行装置11により前進または後進方向に走行させることができるように構成される。
【0019】
刈取部4は、分草具12、掻込リール13、刈刃14、オーガ29等を有し、圃場の穀稈を分草具12により分草し、分草後の穀稈を掻込リール13の回転により掻込み、掻込後の穀稈の株元を刈刃14により切断し、切断後の穀稈をオーガ29の回転により左右略中央側へ横送りし、搬送装置15により脱穀部5へ搬送することができるように構成される。
【0020】
刈取部4において、オーガ29は、プラットホーム28内に左右方向に横設され、回転駆動可能とされる。刈刃14は、プラットホーム28の前端下部に左右方向に横設され、駆動可能とされる。掻込リール13は、プラットホーム28及び刈刃14の前上方に配置され、プラットホーム28に揺動アーム68を介して支持される。
【0021】
掻込リール13は揺動アーム68の前端部に回転駆動可能に支持される。揺動アーム68の左右の一側には、駆動割プーリ52、従動割プーリ53、リール回転駆動用のベルト54からなる後述の無段変速装置49が設けられる。また、揺動アーム68の後端部はプラットホーム28の両側の後部上方に上下回動可能に支持される。そして、揺動アーム68とプラットホーム28との間に油圧シリンダ65が介装され、この油圧シリンダ65の伸縮動作よって掻込リール13がプラットホーム28に対して昇降可能とされる。
【0022】
搬送装置15は、フィーダハウス30内に配置される。このフィーダハウス30の前端部は、プラットホーム28の後部左右中心よりやや進行方向に対して左側寄りに、オーガ29のスクリュー羽根の送り終端位置に合わせて連通接続される。一方、フィーダハウス30の後端部は、走行機体に上下回動可能に支持されて、脱穀部5の入口部に連通接続される。そして、フィーダハウス30の下面と機体フレーム2との間に油圧シリンダ66が介装され、この油圧シリンダ66の伸縮動作よって刈取部4全体が走行機体に対して昇降可能とされる。
【0023】
脱穀部5は、機体フレーム2の左側部に設けられ、刈取部4の後方に配置される。脱穀部5は、扱胴16や、受網(コンケーブ)17等を有して、扱胴16および受網17により刈取部4から搬送されてくる穀稈を後方へ送りながら脱穀し、その脱穀物を漏下させることができるように構成される。
【0024】
選別部6は、機体フレーム2の左側部に設けられ、脱穀部5の下方に配置される。選別部6は、揺動選別装置18や、風選別装置19や、穀粒搬送装置20等を有して、脱穀部5から落下する脱穀物を揺動選別装置18により穀粒や藁屑等に揺動選別し、揺動選別後のものを風選別装置19により穀粒と藁屑等とに風選別し、選別後の穀粒を穀粒搬送装置20により穀粒貯溜部7側へ搬送することができるように構成される。
【0025】
穀粒貯溜部7は、機体フレーム2の右側前後中央部に設けられ、脱穀部5および選別部6の右側方に配置される。穀粒貯溜部7は、穀粒タンク21等を有して、選別部6から搬送されてくる穀粒を穀粒タンク21により貯溜することができるように構成される。穀粒タンク21には穀粒排出装置22が接続され、これにより穀粒タンク21に貯溜中の穀粒が走行機体に対して任意の方向に排出可能とされる。
【0026】
排藁処理部8は、機体フレーム2の左側後端部に設けられ、脱穀部5の下方、かつ選別部6の後方に配置される。排藁処理部8は、スプレッダ23等を有して、脱穀部5からの脱穀済みの穀稈を排藁としてスプレッダ23により外部へ排出することができるように構成される。
【0027】
エンジン部9は、機体フレーム2の右側後部に設けられ、穀粒貯溜部7の後方に配置される。エンジン部9は、エンジン24等を有して、エンジン24の動力を走行部3のクローラ式走行装置11に図示せぬトランスミッションを介して供給するとともに、その他の装置に適宜の伝動機構を介して供給し、エンジン24により各部の装置を駆動させることができるように構成される。
【0028】
操縦部10は、機体フレーム2の右側前部に設けられ、穀粒貯溜部7の前方に配置される。操縦部10は、ハンドル25および変速レバーを含む各種の操作具や、操縦席26や、キャビン27等を有して、各部の装置等を操作具により操作し、操縦者を操縦席26に着座させ、操作具や操縦席26をキャビン27により覆うことができるように構成される。
【0029】
このようにして、コンバイン1は、操縦部10での操作具の操作に応じて、エンジン部9からエンジン24の動力を各部の装置に供給して、走行部3で走行機体を走行させながら、刈取部4で圃場の穀稈を刈り取り、脱穀部5で刈取部4からの穀稈を脱穀し、選別部6で脱穀部5からの脱穀物を選別して、穀粒貯溜部7で選別部6からの穀粒を一時的に貯溜したあとに外部に排出するとともに、排藁処理部8で脱穀部5からの脱穀済みの穀稈を排藁として外部へ排出することができるように構成される。
【0030】
次に、刈取部4の動力伝達機構について、図3を用いて説明する。
【0031】
刈取部4の動力伝達機構においては、エンジン24の動力が前記トランスミッションを介してフィーダハウス30の上下回動支点軸となる第一伝動軸31に伝えられ、この第一伝動軸31により搬送装置15が駆動される。第一伝動軸31からプーリ32、ベルト33、プーリ34を介して第二伝動軸35に動力が伝えられる。第二伝動軸35からスプロケット36、チェーン37、スプロケット38を介してオーガ29の駆動軸に動力が伝達され、この駆動軸によりオーガ29が駆動される。また、第二伝動軸35からプーリ39、ベルト40、プーリ41を介して刈刃14の駆動軸に動力が伝達され、この駆動軸により刈刃14が駆動される。
【0032】
第二伝動軸35と第三伝動軸42との間には割プーリ式の無段変速装置49が配設され、この無段変速装置49によって変速された動力が第二伝動軸35から第三伝動軸42に伝達可能とされる。そして、第三伝動軸42からスプロケット43、チェーン44、スプロケット45、カウンタ軸46、スプロケット57、チェーン58、スプロケット59を介して掻込リール13の駆動軸13aに動力が伝えられ、この駆動軸13aにより掻込リール13が回転駆動される。第三伝動軸42には、掻込リール13の回転数を検出する掻込リール回転数検出手段としての回転数センサ48が設けられ、この回転数センサ48の検出値が掻込リール13の回転数とされる。
【0033】
掻込リール13の回転数は無段変速装置49によって変更可能とされる。また、無段変速装置49は、アクチュエータとしてのサーボモータ47により作動させられる。無段変速装置49は、第二伝動軸35上の駆動割プーリ52と、第三伝動軸42上の従動割プーリ53と、両者の間に巻回されるベルト54とにより構成される。駆動割プーリ52がサーボモータ47と接続されて、この駆動割プーリ52の幅がサーボモータ47によって変更可能とされる。従動割プーリ53の一側がスプリングによって付勢されて、従動割プーリ53が駆動割プーリ52の幅変更に対応可能とされる。
【0034】
このような構成により、アクチュエータであるサーボモータ47が駆動すると、無段変速装置49の駆動割プーリ52の幅が変更され、ベルト54の半径が変化し、掻込リール13の回転数が変更される。サーボモータ47が正転して駆動割プーリ52の幅が狭くされた場合、掻込リール13の回転数が上昇し、逆にサーボモータ47が逆転して駆動割プーリ52の幅が広くされされた場合、掻込リール13の回転数が低下することとなる。
【0035】
なお、本実施形態では、掻込リール13の回転数を変更する変速装置は、割プーリ式の無段変速装置49としたが、これに限定されるものではなく、リングコーン式や油圧式のものとすることも可能である。また、変速装置は、掻込リール13をモータにより回転駆動して、印加電圧や周波数制御等で掻込リール13の回転数を変更するように構成することも可能である。
【0036】
次に、無段変速装置49の構成について、図4を用いて説明する。
【0037】
前記プラットホーム28の背面右側には支持部材71・72が配設されており、両支持部材71・72間にベアリング73a・73bを介して前記第二伝動軸35及び前記第三伝動軸42が回動自在に横架されている。第二伝動軸35の一端部にはプーリ34が固設され、第二伝動軸35の他端部には駆動割プーリ52が固設されている。
【0038】
第三伝動軸42の一端部には従動割プーリ53が駆動割プーリ52と対向するように配設されている。出力側である第二伝動軸35上の駆動割プーリ52は、固定プーリ52aと可動プーリ52bとで構成されている。入力側である第三伝動軸42上の従動割プーリ53は、固定プーリ53aと可動プーリ53bとで構成されている。駆動割プーリ52と従動割プーリ53との間にはベルト54が巻回されている。
【0039】
支持部材71にはサーボモータ47が取り付けられている。サーボモータ47にはベアリング73cに回転自在に支持された出力軸74が接続されている。出力軸74の外周にはネジ部が形成されており、このネジ部上にはナット70a・70b、ナット69、ナット70c・70dがサーボモータ47側から順番に螺合されている。ナット70a・70b・70c・70dはロックナットとしてナット69の摺動範囲を設定可能となっている。
【0040】
ナット69には、リンク75の一端部が接続部材78aにより回動かつ摺動自在に軸支されている。リンク75の中途部には、ベアリング73dを介し駆動割プーリ52の可動プーリ52bが接続部材78bにより回動自在に接続されている。リンク75の他端部には、支持部材71から突設された突出部材76の突出端部が接続部材78cにより回動自在に接続されている。また、従動割プーリ53の可動プーリ53bはスプリング77によってプーリ幅が狭くなる方向に付勢されている。
【0041】
このような構成により、サーボモータ47が駆動して出力軸74が回転すると、ナット69が出力軸74上を軸心方向に移動し、それによりリンク75が接続部材78cを中心に回動する。このリンク75の回動により、接続部材78bで枢支された可動プーリ52bが第二伝動軸35上を該軸心方向に移動し、駆動割プーリ52の幅が変更される。具体的には、出力軸74を正転させると、接続部材78aが出力軸74上をサーボモータ47側に移動し、それにより可動プーリ52bが第二伝動軸35上を支持部材71側に移動し、駆動割プーリ52の幅が狭くなる。一方、出力軸74を逆転させると、接続部材78aが出力軸74上をサーボモータ47と反対側に移動し、それにより可動プーリ52bが第二伝動軸35上を支持部材71と反対側に移動し、駆動割プーリ52の幅が広くなる。
【0042】
また、駆動割プーリ52と従動割プーリ53の各々の固定プーリ52a・53aと可動プーリ52b・53bとの間に巻回されているベルト54を挟持する各プーリの挟持面は内周側から外周側にかけて傾斜状に形成されているため、可動プーリ52b・53bが移動操作されることで、ベルト54を挟持する有効な半径が変化して、掻込リール13の回転数が変更される。具体的には、駆動割プーリ52の幅が狭くなり、ベルト54を挟持する有効な半径が大きくなれば、掻込リール13の回転数が増加する。一方、駆動割プーリ52の幅が広くなり、ベルト54を挟持する有効な半径が小さくなれば、掻込リール13の回転数が減少する。すなわち、駆動割プーリ52の幅が変更されることにより、第三伝動軸42等を介して掻込リール13の回転数が変更されることとなる。
【0043】
第三伝動軸42の他端部には、スプロケット43や回転数センサ48が配設されている。回転数センサ48は、回転検出用ギヤ79、ピックアップ80を有して構成される。第三伝動軸42が回転すると、それに伴い回転検出用ギヤ79が回転し、ピックアップ80が回転検出用ギヤ79の単位時間当りの歯数を検出する。これにより、回転数センサ48は掻込リール13の回転数を検出する。但し、回転数センサ48の構造は限定するものではない。
【0044】
次に、刈取部4の制御機構について、図5を用いて説明する。
【0045】
前記プラットホーム28の下部または側部には、刈取部4の高さを検出する刈り高さセンサ62が配設されている。フィーダハウス30の回動基部には、刈取部4のポジションを検出する、角度センサからなるポジションセンサ63が配設されている。刈り高さセンサ62及びポジションセンサ63は、それぞれ制御装置64と接続されている。また、油圧シリンダ65・66がそれぞれ油圧制御装置67を介して制御装置64と接続されている。
【0046】
このような構成において、刈取部4の高さが刈り高さセンサ62により検出され、刈取部4のポジションがポジションセンサ63により検出されて、双方が制御装置64に入力される。制御装置64は、刈取部4があらかじめ設定された高さで圃場の穀稈を刈り取れるように、入力された刈取部4の高さ及びポジションに基づいて油圧シリンダ65、66を駆動させ、プラットホーム28及び掻込リール13を含む刈取部4を所定の高さまで昇降させている。
【0047】
そして、クローラ式走行装置11の車軸または図示せぬトランスミッションには、コンバイン1の走行速度を検出する車速検出手段としての車速センサ51が配設されている。前述のように、掻込リール13の回転数は回転数センサ48により検出される。車速センサ51及び回転数センサ48は、それぞれ制御装置64と接続されている。また、サーボモータ47は、モータ駆動ユニット50を介して制御装置64と接続されている。
【0048】
さらに、操縦部10には、走行速度に対する掻込リール13の回転数を定めた回転モードを切り替えるモード切替手段としてのモード切替スイッチ55が設けられている。モード切替スイッチ55は、制御装置64と接続されている。
【0049】
このような構成において、コンバイン1の走行速度が車速センサ51により検出されて、制御装置64に入力される。制御装置64は、モード切替スイッチ55で切り替えられた回転モードに応じて、入力された走行速度に基づく掻込リール13の目標回転数を算出する。制御装置64は、各回転モードにおいて、コンバイン1の走行速度が速くなるに従って掻込リール13の目標回転数を上げ、走行速度が遅くなるに従って目標回転数を下げて算出している(図6参照)。
【0050】
そして、制御装置64は、算出した目標回転数と、回転数センサ48から入力された掻込リール13の現在の回転数とを比較し、掻込リール13の回転数が目標回転数になるように、サーボモータ47を制御する。すなわち、制御装置64は、掻込リール13の回転数を、コンバイン1の走行速度に同調させながら、回転モードに従って変更するように制御している。
【0051】
次に、モード切替スイッチ55による掻込リール13の回転モードの切り替えについて、図6を用いて説明する。図6は、コンバイン1の走行速度V(m/s)と掻込リール13の回転数N(rpm)との対応関係を示すグラフである。
【0052】
本実施形態では、掻込リール13の回転モードとして、標準モード、向刈モード、追刈モードの3種類が予め制御装置64内に記憶されており、モード切替スイッチ55により3種類の回転モードうちいずれか1種類の回転モードに切り替えられる。図6には、標準モード、向刈モード、追刈モードの各回転モードに対応するL1・L2・L3の3種類のグラフが示されている。
【0053】
回転モードは、掻込リール13の回転数Nが走行速度Vに同調して一次関数的に変更されるように記憶されている。具体的には、回転モードは、掻込リール13の回転数Nが走行速度Vの増加(減少)に伴い所定の比率で増加(減少)するように記憶されている。したがって、図6において、L1・L2・L3のいずれのグラフも右上がりの直線として示される。
【0054】
なお、回転モードは、掻込リール13の回転数Nが走行速度Vに対して一次関数的に変更されるモードに限定されず、掻込リール13の回転数Nが走行速度Vに同調するように変更されるモードであればよい。
【0055】
3種類の回転モードは、前述のように掻込リール13の回転数Nが走行速度Vに同調して一次関数的に変更されるように記憶された上、コンバイン1の走行速度Vが0のときにおける掻込リール13の回転数N(以下、下限値)と、コンバイン1の走行速度Vに対する掻込リール13の回転数Nの増減比(以下、単に増減比)とが各々異なるように記憶されている。本実施形態では、L1・L2・L3のグラフに対応する3つの回転モードは、前述の下限値と増減比とに加えて、コンバイン1の走行速度Vが最大値(max)のときにおける掻込リール13の回転数N(以下、上限値)も各々異なるように記憶されている。そして、刈取作業時の掻込リール13の回転数Nが第一下限値r1から第一上限値r3の範囲で変更可能とされている。
【0056】
回転モードが標準モードに切り替えられた場合、走行速度Vと掻込リール13の回転数Nとの対応関係がL1のグラフで示される。標準モードでは、下限値が第一下限値r1として記憶され、上限値が第一上限値r3として記憶される。また、増減比が第一所定値v1として記憶されている。こうして、掻込リールの回転数Nは、走行速度Vの増減に応じて下限値r1から上限値r3の範囲内で変更される。この標準モードは、圃場の倒伏していない穀稈を刈るときに最適な回転モードとなる。
【0057】
回転モードが向刈モードに切り替えられた場合、走行速度Vと掻込リール13の回転数Nとの対応関係がL2のグラフで示される。向刈モードでは、下限値が標準モード時と同じ第一下限値r1として記憶され、上限値が標準モード時の第一上限値r3よりも低い第二上限値r2として記憶されている。また、増減比が標準モード時よりも低い第二所定値v2として記憶されている。こうして、掻込リールの回転数Nは、走行速度Vの増減に応じて第一下限値r1から第二上限値r2の範囲内で変更される。この向刈モードは、圃場の穀稈に対して向刈りを行うときに最適な回転モードとなる。向刈りを行う場合、穀稈が既に進行方向と逆方向に倒伏しており、掻込リール13の回転数Nを多くすると、掻き込むのに最適な略直立状態に比べ穀稈をより同方向に倒伏させることになるため、掻込リール13の回転数Nを少なくした方が穀稈を効率よく掻き込むことができる。
【0058】
回転モードが追刈モードに切り替えられた場合、走行速度Vと掻込リール13の回転数Nとの対応関係がL3のグラフで示される。追刈モードでは、下限値が標準モード時の第一下限値r1よりも高い第二下限値r2として記憶され、上限値が標準モード時と同じ第一上限値r3として記憶されている。また、増減比が標準モード時よりも低い第三所定値v3として記憶されている。こうして、掻込リールの回転数Nは、走行速度Vの増減に応じて第二下限値r2から第一上限値r3の範囲内で変更される。この追刈モードは、圃場の穀稈に対して追刈りを行うときに最適な回転モードとなる。追刈りを行う場合、穀稈が進行方向と同方向に倒伏しており、掻込リール13の回転数Nを走行開始時から多くして穀稈を掻き込むのに最適な略直立状態まで引き起こすようにしている。
【0059】
なお、本実施形態では、第二上限値r2と第二下限値r2とを同じ値で記憶しているが、異なる値で記憶させることもできる。また、向刈モードにおける増減比である第二所定値v2は、追刈モードにおける増減比である第三所定値v3よりも小さい値で記憶されているが、大きい値で記憶させることも可能であり、また第三所定値v3と同じ値で記憶させることも可能である。
【0060】
このように、予め記憶された標準モード、向刈モード、追刈モードという3種類の回転モードの中から、モード切替スイッチ55を操作することにより、いずれか1種類の最適な回転モードに手動で切り替えることが可能となっている。すなわち、刈取作業中に穀稈の倒伏具合等の作物条件に応じて、モード切替スイッチ55を操作することにより、回転モードを別の適切な回転モードに簡易に切り替えることができる。
【0061】
なお、標準モード、向刈モード、追刈モードの各回転モードは、図6におけるL1・L2・L3のグラフに示すコンバイン1の走行速度Vと掻込リール13の回転数Nとの対応関係に限定されず、任意に記憶させることができる。
【0062】
以上の如く、本実施形態に係るコンバイン1は、走行機体の前部に、穀稈を掻き込む掻込リール13と、穀稈を刈り取る刈刃14と、刈取後の穀稈を中央部へ寄せるオーガ29と、を有する刈取部4を昇降可能に具備するコンバインであって、前記走行機体の走行速度を検出する車速検出手段である車速センサ51と、前記掻込リール13の回転数を検出する掻込リール回転数検出手段である回転数センサ48と、前記刈取部4の入力軸である第二伝動軸35からリール駆動軸である第三伝動軸42までの動力伝達経路に配置され、前記掻込リール13の回転数を変更可能な無段変速装置49と、前記無段変速装置49を作動させるアクチュエータであるサーボモータ47と、前記走行機体の走行速度に同調して前記掻込リール13の回転数が前記無段変速装置49で変更されるように前記アクチュエータであるサーボモータ47を制御する制御装置64と、を備え、前記制御装置64は、前記走行機体の走行速度に対する掻込リール13の回転数を定めた複数の回転モードを記憶するとともに、モード切替手段であるモード切替スイッチ55と接続され、前記回転モードとして有する標準モードと向刈モードと追刈モードとを前記モード切替手段であるモード切替スイッチ55の操作に応じて切り替えて、前記掻込リール13の回転数を変更するように構成したものである。
【0063】
このように構成することにより、走行速度に対する掻込リールの回転数を定めた回転モードを、作物条件に応じて複数の回転モードの中から最適な回転モードに簡易な操作で切り替えることができる。具体的には、略直立した状態の穀稈を刈る時には標準モード、向刈り時には稈を引き起こすため掻込リールの回転数が標準モードよりも低速となる向刈モード、追刈り時には稈を押し起こすため掻込リールの回転数が標準モードよりも高速となる追刈モードに容易に切り替えることができる。このように複数の回転モードを穀稈の倒伏状態に応じて切り替え可能にすることにより、操縦者が微調整を行う頻度を減らすことができ、刈取作業を効率的に行うことができる。
【0064】
次に、図7を用いて、本発明の第二実施形態に係るコンバイン1について説明する。なお、以下の実施形態に係るコンバイン1及び刈取部4の構成は、既出の実施形態に係るコンバイン1及び刈取部4の構成(図1から図5参照)と略同一であり、一部の構成のみが異なる。よって以下の実施形態では、コンバイン1及び刈取部4の構成の中で同一の構成についての説明は省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0065】
操縦部10には、掻込リール13を有する刈取部4を走行機体に対して昇降操作する昇降操作手段としての昇降スイッチ60が配設されている。昇降スイッチ60は、制御装置64と接続されている。そして、昇降スイッチ60が操作されると、制御装置64が油圧シリンダ65・66を駆動して、プラットホーム28及び掻込リール13を含む刈取部4を昇降操作に応じた高さに昇降させるように構成されている。刈取部4が昇降される際、ポジションセンサ63により刈取部4のポジションが検出されて、制御装置64で刈取部4の昇降操作が行われたことが検出される。
【0066】
また、操縦部10には、前記モード切替スイッチ55に加えて、自動スイッチ56が配設されている。自動スイッチ56は、制御装置64と接続されている。そして、自動スイッチ56が「入」(ON)に操作されると、制御装置64が昇降スイッチ60による刈取部4の昇降操作に連動させて、掻込リール13の回転モードを変更するように構成されている。
【0067】
このような構成において、穀稈の倒伏方向とコンバイン1の進行方向とが同方向のときに往復刈りを行う場合、刈取作業開始前に自動スイッチ56を「入」(ON)とし、次いで圃場の穀稈の倒伏具合等の作物条件に応じて掻込リール13の回転モードをモード切替スイッチ55により向刈モードまたは追刈モードに切り替える。この状態で刈取作業を行って、圃場端に至ったとき、昇降スイッチ60により刈取部4の上昇操作を行い、回行した後に刈取部4の下降操作を行う。
【0068】
ここで、コンバイン1の進行方向が逆方向となり、コンバイン1に対して穀稈の倒伏方向も逆方向となる。そこで、制御装置64が、刈取部4の昇降操作が行われたことを検出すると、現在の掻込リール13の回転モードを、モード切替スイッチ55の操作に関係なく、向刈モードであれば追刈モードに、追刈モードであれば向刈モードに自動的に切り替える。
【0069】
そして、コンバイン1が圃場端で刈取部4の昇降を伴う回行を行うたびに、制御装置64が刈取部4の昇降操作に連動して向刈モードと追刈モードとを交互に切り替える。制御装置64はその切り替え後の回転モードに従って掻込リール13の回転数を変更させるように、サーボモータ47を駆動させる。このように、本実施形態では、回転モードの切り替えは、操縦者の操作によらず刈取部4の昇降操作に連動して制御装置64により自動的に行われる。
【0070】
なお、自動スイッチ56は、その操作により制御装置64により行われる掻込リール13の回転モードの切り替えを、向刈モードと追刈モードとの切り替え、向刈モードと標準モードとの切り替え、追刈モードと標準モードとの切り替えのいずれかに選択できるように構成してもよい。
【0071】
また、制御装置64は、往復刈りを行う場合には、刈取部4の昇降操作に連動して2種類の回転モードを交互に切り替えるように構成しているが、回り刈りを行う場合には、3種類の回転モードを順に切り替えるように構成することも可能である。具体的には、例えば自動スイッチ56に、「往復刈り」と「回り刈り」の選択スイッチを設けて、「回り刈り」が選択されているときには、穀稈の倒伏方向に合わせて、圃場端に至り刈取部4を昇降操作するたびに、向刈(追刈)モード→標準モード→追刈(向刈)モード→標準モード→向刈(追刈)モード→標準モード→追刈(向刈)モード→標準モードといったような回転モードの切り替えを、制御装置64により繰り返し行うようにしてもよい。
【0072】
以上の如く、本実施形態に係るコンバイン1は、前記制御装置64は、前記刈取部4の昇降操作手段である昇降スイッチ60と接続され、前記向刈モードと追刈モードとを、前記昇降操作手段である昇降スイッチ60による前記刈取部4の昇降操作に連動して、交互に切り替えるように構成したものである。
【0073】
このように構成することにより、穀稈の倒伏方向とコンバインの進行方向とが同方向のときに往復刈りを行う場合、走行機体を圃場端で回行させる度に行う刈取部の昇降操作の前後で、向刈りに適した向刈モードと、追刈りに適した追刈モードとを自動的に交互に切り替えることができる。これにより、刈取部の昇降操作を行う際に操縦者が掻込リールの回転モードを変更し忘れて不適切な回転モードのまま刈取作業を行うことがなくなり、確実に適切な回転モードで刈取作業を行うことができる。また、刈取部の昇降操作の前後で掻込リールの回転モードを設定し直す必要がなくなり、刈取作業時に必要な操作を簡略化することができる。
【0074】
次に、図8を用いて、本発明の第三実施形態に係るコンバイン1について説明する。上述のように、以下の実施形態では、コンバイン1及び刈取部4の構成の中で同一の構成についての説明は省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0075】
操縦部10には、前記向刈モードならびに前記追刈モードにおける走行速度に対する掻込リール13の回転数の増減比(以下、変速比)を手動で変更する手動変速比変更手段としての変更ダイヤル61が配設されている。変更ダイヤル61は、制御装置64と接続されている。そして、変更ダイヤル61が操作されると、制御装置64はその操作量に応じて変速比を変更するようにサーボモータ47を駆動させる。
【0076】
制御装置64は、変更ダイヤル61の操作によって、向刈モードならびに追刈モードにおける変速比を、例えば前述の図6におけるL2・L3のグラフに対応する向刈モードならびに追刈モードでの変速比に比べて所定量大きくあるいは小さく変更する。具体的には、制御装置64は、向刈モードの第二上限値r2、または、追刈モードの第二下限値r2を変更して、掻込リールの回転数を走行速度に比例して変更する。あるいは、制御装置64は、図6におけるL2またはL3のグラフを曲線に変形させるように、変速比の変化割合を変更する。
【0077】
以上の如く、本実施形態に係るコンバイン1は、前記制御装置64は、手動変速比変更手段である変更ダイヤル61と接続され、前記向刈モードならびに前記追刈モードにおける前記走行機体の走行速度に対する掻込リール13の回転数の変速比を、前記手動変速比変更手段である変更ダイヤル61の操作量に基づいて調整可能に構成したものである。
【0078】
このように構成することにより、圃場内で場所によって穀稈の倒伏角度が異なる場合、操縦者は穀稈の倒伏角度に合わせて走行速度に対する掻込リールの回転数の増減比である変速比を調整することができる。したがって、操縦者は刈取作業を精度良く行うことができる。
【符号の説明】
【0079】
1 コンバイン
4 刈取部
13 掻込リール
48 回転数センサ(掻込リール回転数検出手段)
49 無段変速装置
51 車速センサ(車速検出手段)
55 モード切替スイッチ(モード切替手段)
60 昇降スイッチ(昇降操作手段)
61 変更ダイヤル(手動変速比変更手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前部に、穀稈を掻き込む掻込リールと、穀稈を刈り取る刈刃と、刈取後の穀稈を中央部へ寄せるオーガと、を有する刈取部を昇降可能に具備するコンバインであって、
前記走行機体の走行速度を検出する車速検出手段と、
前記掻込リールの回転数を検出する掻込リール回転数検出手段と、
前記刈取部の入力軸からリール駆動軸までの動力伝達経路に配置され、前記掻込リールの回転数を変更可能な無段変速装置と、
前記無段変速装置を作動させるアクチュエータと、
前記走行機体の走行速度に同調して前記掻込リールの回転数が前記無段変速装置で変更されるように前記アクチュエータを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記走行機体の走行速度に対する掻込リールの回転数を定めた複数の回転モードを記憶するとともに、モード切替手段と接続され、前記回転モードとして有する標準モードと向刈モードと追刈モードとを前記モード切替手段の操作に応じて切り替えて、前記掻込リールの回転数を変更するように構成した、コンバイン。
【請求項2】
前記制御装置は、前記刈取部の昇降操作手段と接続され、前記向刈モードと追刈モードとを、前記昇降操作手段による前記刈取部の昇降操作に連動して、交互に切り替えるように構成した、請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記制御装置は、手動変速比変更手段と接続され、前記向刈モードならびに前記追刈モードにおける前記走行機体の走行速度に対する掻込リールの回転数の変速比を、前記手動変速比変更手段の操作量に基づいて調整可能に構成した、請求項1または請求項2に記載のコンバイン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−84(P2011−84A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147080(P2009−147080)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】