説明

コンバイン

【課題】走行油圧ポンプ65のメンテナンス作業性を向上できるものでありながら、脱穀装置9にエンジン7を接近させて、走行機体1の左右幅方向の中央寄りに機体重心を設定できるようにしたコンバインを提供しようとするものである。
【解決手段】刈取装置3と、扱胴21を有する脱穀装置9と、走行部2を有する走行機体1と、走行油圧ポンプ65及び走行油圧モータ69を有する油圧変速装置66を備え、走行機体1にエンジン7を搭載し、走行部2に油圧変速装置66を介してエンジン7の出力を伝達するコンバインにおいて、走行機体1の上面のうち、脱穀装置9側方の上面に前記エンジン7を搭載すると共に、エンジン7の側面のうち、脱穀装置9に対向する面と反対の機外側面に走行油圧ポンプ65を配置したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、圃場の未刈り穀稈を刈取る刈取装置と、刈取り穀稈の穀粒を脱粒する脱穀装置を搭載したコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行部及び運転座席を有する走行機体と、刈刃を有する刈取装置と、扱胴を有する脱穀装置と、刈取装置から脱穀装置に刈取り穀稈を供給するフィーダハウスと、各部を駆動するエンジンと、脱穀装置の脱粒物を選別する穀粒選別機構と、脱穀装置の穀粒を収集するグレンタンクを備え、圃場の未刈り穀稈を連続的に刈取って脱穀する技術がある(特許文献1)。また、走行油圧ポンプ及び走行油圧モータを有する油圧変速装置を備え、油圧変速装置にてクローラ走行装置を駆動する技術も公知である(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−263865号公報
【特許文献2】特開2005−82084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示された従来技術では、走行機体の前部(運転席の下方)にエンジンを搭載するから、エンジンに隣接した場所のうち、メンテナンスしにくい機体中央寄りの位置に走行油圧ポンプなどが配置され、走行油圧ポンプなどのメンテナンス作業性を向上できない等の問題がある。また、特許文献2に示された従来技術では、走行機体の左右幅中央寄りに走行油圧ポンプを配置するから、左右のクローラ走行装置に設けた走行油圧モータと走行油圧ポンプ間の油圧管長さを等しく形成できるが、エンジンから走行油圧ポンプまたは脱穀装置など作業各部への動力伝達機構も走行機体の左右幅中央寄りに配置され、動力伝達機構などのメンテナンス作業性を向上できない等の問題もある。
【0005】
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施した普通型コンバインを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明のコンバインは、刈取装置と、扱胴を有する脱穀装置と、走行部を有する走行機体と、走行油圧ポンプ及び走行油圧モータを有する油圧変速装置を備え、前記走行機体にエンジンを搭載し、前記走行部に油圧変速装置を介してエンジンの出力を伝達するコンバインにおいて、前記走行機体の上面のうち、前記脱穀装置側方の上面に前記エンジンを搭載すると共に、前記エンジンの側面のうち、前記脱穀装置に対向する面と反対の機外側面に前記走行油圧ポンプを配置したものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記走行機体の上面のうち、前記エンジンが内設されたエンジンルームの前側に穀粒取出し作業台を設け、前記エンジンルームの前側を迂回するように、走行油圧ポンプから走行油圧モータに向けて油圧配管を延設したものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記走行機体の後部にエンジンを搭載し、前記エンジンの出力軸及び走行油圧ポンプの駆動軸を、前記走行機体の後方向に延設して、ベルト連結したものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のコンバインにおいて、前記エンジンが内設されるエンジンルーム枠にカウンタ軸を設け、前記走行油圧ポンプと前記カウンタ軸の間に前記エンジンを配置したものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のコンバインにおいて、前記カウンタ軸として第1カウンタ軸及び第2カウンタ軸を備え、前記第1カウンタ軸上方のエンジンルーム枠に第2カウンタ軸を設け、前記第1カウンタ軸及び第2カウンタ軸を介して前記脱穀装置の扱胴軸にエンジンの動力を伝達するように構成したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、刈取装置と、扱胴を有する脱穀装置と、走行部を有する走行機体と、走行油圧ポンプ及び走行油圧モータを有する油圧変速装置を備え、前記走行機体にエンジンを搭載し、前記走行部に油圧変速装置を介してエンジンの出力を伝達するコンバインにおいて、前記走行機体の上面のうち、前記脱穀装置側方の上面に前記エンジンを搭載すると共に、前記エンジンの側面のうち、前記脱穀装置に対向する面と反対の機外側面に前記走行油圧ポンプを配置したものであるから、例えばエンジンルームカバーの一部などを取外すことにより、前記走行油圧ポンプを機外側に向けて簡単に露出でき、前記走行油圧ポンプのメンテナンス作業性を向上できるものでありながら、前記脱穀装置にエンジンを接近させて、前記走行機体の左右幅方向の中央寄りに機体重心を設定できる。また、前記エンジンに冷却風(外気)を取込む冷却風路が機外側面の高位置(粉塵が多い圃場表面から離れた機体上部位置)に形成される一般的なコンバインの冷却風取込み構造では、その冷却風路下方のスペースを活用して、前記走行油圧ポンプ及び配管などの油圧構成部品をコンパクトに設置できる。さらに、前記エンジンの冷却風を利用して、前記走行油圧ポンプの作動油温度を適正に維持でき、油圧伝動効率を向上できる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記走行機体の上面のうち、前記エンジンが内設されたエンジンルームの前側に穀粒取出し作業台を設け、前記エンジンルームの前側を迂回するように、走行油圧ポンプから走行油圧モータに向けて油圧配管を延設したものであるから、前記エンジンルームと穀粒取出し作業台の間に前記油圧配管を組付けることができ、前記油圧配管の組立作業性またはメンテナンス作業性などを向上できる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、前記走行機体の後部にエンジンを搭載し、前記エンジンの出力軸及び走行油圧ポンプの駆動軸を、前記走行機体の後方向に延設して、ベルト連結したものであるから、前記走行油圧ポンプまたは脱穀装置など作業各部に向けて、前記エンジンから左右方向に伝動ベルトがそれぞれ延設され、前記エンジンのトルク変動などに伴う機械振動を低減できるものでありながら、前記走行機体の後方から前記伝動ベルトの交換作業などを実行でき、前記伝動ベルトなどのメンテナンス作業性を向上できる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記エンジンが内設されるエンジンルーム枠にカウンタ軸を設け、前記走行油圧ポンプと前記カウンタ軸の間に前記エンジンを配置したものであるから、前記走行油圧ポンプと前記カウンタ軸に向けて、前記エンジンから左右方向に伝動ベルトがそれぞれ延設されるから、前記エンジンのトルク変動に伴う振動を低減できる。前記カウンタ軸から前記脱穀装置または穀物タンクなどにエンジンの動力を容易に分配できる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記カウンタ軸として第1カウンタ軸及び第2カウンタ軸を備え、前記第1カウンタ軸上方のエンジンルーム枠に第2カウンタ軸を設け、前記第1カウンタ軸及び第2カウンタ軸を介して前記脱穀装置の扱胴軸にエンジンの動力を伝達するように構成したものであるから、前記脱穀装置後側の排藁排出部を迂回して前記脱穀装置にエンジンの出力軸をベルト連結でき、前記扱胴軸の後部にエンジンの動力を容易に伝達できる。前記脱穀装置の排藁排出機能を損なうことなく、前記エンジンルーム枠を活用して、前記脱穀装置の駆動機構をコンパクトに組付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態を示すコンバインの左側面図である。
【図2】同コンバインの右側面図である。
【図3】同コンバインの平面図である。
【図4】同コンバインの駆動系統図である。
【図5】コンバインの駆動部の背面図である。
【図6】同駆動部を後方から見た斜視図である。
【図7】エンジン設置部の右側面図である。
【図8】エンジン及び走行駆動部の右側面図である。
【図9】走行駆動部の平面図である。
【図10】コンバインの油圧回路図である。
【図11】エンジン及び走行駆動部を右前方から見た斜視図である。
【図12】エンジン及び走行駆動部を左前方から見た斜視図である。
【図13】ポンプケースを右前方から見た斜視図である。
【図14】エンジン及びポンプケースの右側面図である。
【図15】エンジン及びポンプケースの右側上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を、普通型コンバインに適用した図面(図1〜図3)に基づいて説明する。図1はコンバインの左側面図、図2は同右側面図、図3は同平面図である。まず、図1〜図3を参照しながら、コンバインの概略構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
【0018】
図1〜図3に示す如く、実施形態における普通型コンバインは、走行部としての鉄製の左右一対の履帯2にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、稲(又は麦又は大豆又はトーモロコシ)等の未刈り穀稈を刈取りながら取込む刈取装置3が単動式の昇降用油圧シリンダ4にて昇降調節可能に装着されている。なお、履帯2は、ゴムクローラにて形成してもよい。
【0019】
走行機体1の前部には、オペレータが搭乗する運転台5を搭載する。運転台5の後方には、脱穀後の穀粒を貯留するためのグレンタンク6を配置する。グレンタンク6の後方には、動力源としてのエンジン7を配置する。グレンタンク6の後部の右側には、穀粒排出オーガ8を旋回可能に設ける。グレンタンク6内の穀粒は、排出オーガ8先端の籾投げ口8aから例えばトラックの荷台やコンテナ等に搬出されるように構成する。走行機体1の他側(実施形態では左側)には、刈取装置3から供給された刈取穀稈を脱穀処理するための脱穀装置9を搭載する。脱穀装置9の下部には、揺動選別及び風選別を行うための穀粒選別機構10を配置する。
【0020】
刈取装置3は、脱穀装置9前部の扱口9aに連通したフィーダハウス11と、フィーダハウス11の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー12とを備えている。穀物ヘッダー12内に掻込みオーガ13を回転可能に軸支する。掻込みオーガ13の前部上方にタインバー付き掻込みリール14を配置する。穀物ヘッダー12の前部にバリカン状刈刃15を配置する。穀物ヘッダー12前部の左右両側に左右の分草体16を突設する。また、フィーダハウス11には、供給コンベヤ17を内設している。供給コンベヤ17の送り終端と扱口9a間に刈取り穀稈投入用ビータ18を設けている。なお、フィーダハウス11の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、刈取装置3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
【0021】
上記の構成により、左右の分草体16間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール14にて掻込まれ、未刈り穀稈の稈側が刈刃15にて刈取られ、掻込みオーガ13の回転駆動によって穀物ヘッダー12の左右幅の中央部付近に集められる。穀物ヘッダー12の刈取り穀稈の全量は、供給コンベヤ17によって搬送され、ビータ18によって脱穀装置9の扱口9aに投入されるように構成している。なお、穀物ヘッダー12を水平制御支点軸19a回りに回動させる水平制御用油圧シリンダ19を備え、穀物ヘッダー12の左右方向の傾斜を水平制御用油圧シリンダ19にて調節して、穀物ヘッダー12、及び刈刃15、及び掻込みリール14を圃場面に対して水平に支持する。
【0022】
また、図1〜図3に示す如く、脱穀装置9の扱室内に扱胴21を回転可能に設ける。走行機体1の前後方向に延長させた扱胴軸20に扱胴21を軸支する。扱胴21の下方側には、穀粒を漏下させる受網24を張設する。なお、扱胴21前部の外周面には、螺旋状のスクリュー羽根状の取込み羽根25が半径方向外向きに突設されている。
【0023】
上記の構成により、扱口9aから投入された刈取り穀稈は、扱胴21の回転によって走行機体1の後方に向けて搬送されながら、扱胴21と受網24との間で混練されて脱穀される。受網24の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網24から漏下する。受網24から漏下しない藁屑等は、扱胴21の搬送作用によって、脱穀装置9後部の排塵口から圃場に排出される。
【0024】
なお、扱胴21の上方側には、扱室内の脱穀物の搬送速度を調節する複数の送塵弁(図示省略)を回動可能に枢着する。前記送塵弁の角度調整によって、扱室内の脱穀物の搬送速度(滞留時間)を、刈取穀稈の品種や性状に応じて調節できる。一方、脱穀装置9の下方に配置された穀粒選別機構10として、グレンパン及びチャフシーブ及びグレンシーブ及びストローラック等を有する比重選別用の揺動選別盤26を備える。
【0025】
また、穀粒選別機構10として、選別風を供給する唐箕ファン29等を備える。扱胴21にて脱穀されて受網24から漏下した脱穀物は、揺動選別盤26の比重選別作用と唐箕ファン29の風選別作用とにより、穀粒等の一番物(精粒)、枝梗付き穀粒等の二番物(再選別物)、及び藁屑等の排塵に選別されるように構成する。
【0026】
揺動選別盤26の下側方には、穀粒選別機構10として、一番コンベヤ機構30及び二番コンベヤ機構31を備える。揺動選別盤26及び唐箕ファン29の選別によって、揺動選別盤26から落下した穀粒等の一番物は、一番コンベヤ機構30及び揚穀コンベヤ32によってグレンタンク6に収集される。枝梗付き穀粒等の二番物は、二番コンベヤ機構31及び二番還元コンベヤ33等を介して揺動選別盤26の選別始端側に戻され、揺動選別盤26によって再選別される。藁屑等は、走行機体1後部の排塵口34から圃場に排出されるように構成する。
【0027】
さらに、図1〜図3に示す如く、運転台5には、操縦コラム41と、オペレータが座乗する運転座席42とを配置している。操縦コラム41には、走行機体1の進路を変更したり移動速度を変更するための操縦レバーとしての左右の変速レバー43,44と、前後方向に傾倒させて刈取装置3を昇降させたり左右方向に傾倒させて掻込みリール14を昇降させるための刈取姿勢レバー45と、エンジン7の回転を制御するアクセルレバー46と、穀粒排出オーガ8を作動させる穀粒排出レバー47が配置されている。なお、刈取装置3への動力伝達を入り切り操作する刈取クラッチレバー39と、脱穀装置9への動力伝達を入り切り操作する脱穀クラッチレバー40等も配置されている。また、運転台5の上方側に支柱48を介して日除け用の屋根体49が取付けられている。
【0028】
図1に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム50を配置している。トラックフレーム50には、履帯2にエンジン7の動力を伝える駆動スプロケット51と、履帯2のテンションを維持するテンションローラ52と、履帯2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ53と、履帯2の非接地側を保持する中間ローラ54とを設けている。駆動スプロケット51によって履帯2の後側を支持させ、テンションローラ52によって履帯2の前側を支持させ、トラックローラ53によって履帯2の接地側を支持させ、中間ローラ54によって履帯2の非接地側を支持させるように構成する。
【0029】
また、図1〜図3に示す如く、グレンタンク6の底部に配置させる底送りコンベヤ60と、グレンタンク6の後部に配置させる縦送りコンベヤ61を備える。左右の底送りコンベヤ60は、グレンタンク6の底部で前後方向に延長されていて、垂直に設けた縦送りコンベヤ61の下端側に向けてグレンタンク6底部の穀粒を搬送する。縦送りコンベヤ61は、グレンタンク6の後部で上下方向に延長されていて、グレンタンク6右側の穀粒排出オーガ8の送り始端側に向けて縦送りコンベヤ61上端側から穀粒を搬送する。グレンタンク6内の穀粒は、排出オーガ8先端(送り終端側)の籾投げ口8aに搬送されるように構成する。
【0030】
穀粒排出オーガ8は、縦送りコンベヤ61の上端側に上下方向に回動可能に支持されている。穀粒排出オーガ8の送り終端側である籾投げ口8a側を昇降可能に構成する。また、縦送りコンベヤ61のコンベヤ軸芯回り(水平方向)に籾投げ口8a側を移動可能に構成する。即ち、走行機体1の前部下方側に籾投げ口8a側を移動させて、運転台5及びグレンタンク6の右側部にオーガレスト8bを介して穀粒排出オーガ8を収納する。一方、穀粒排出オーガ8の送り終端側である籾投げ口8a側を上昇させ、走行機体1の側方または後方に籾投げ口8a側を移動させて、走行機体1の側方または後方に穀粒排出オーガ8を突出させ、トラックの荷台又はコンテナ等に籾投げ口8aを対向させ、トラックの荷台又はコンテナ等にグレンタンク6内の穀粒を搬出するように構成する。
【0031】
次に、図4〜図6、図10を参照してコンバインの駆動構造を説明する。図4〜図6に示す如く、一対の斜板可変型の左右走行油圧ポンプ65を有する走行変速用のポンプケース66を備える。走行機体1の右側後部上面にエンジン7を搭載し、エンジン7右側の走行機体1上面にポンプケース66を配置する。また、左右のトラックフレーム50の後端部に左右の減速ギヤケース63をそれぞれ設ける。左右の減速ギヤケース63に走行油圧モータ69をそれぞれ配置する。ポンプケース66から後方に突出させた走行駆動入力軸64と、エンジン7から後方に突出させた出力軸67とを、走行出力ベルト230を介して連結する。脱穀装置9後部側方の走行機体1上面側にエンジン7とポンプケース66を設け、脱穀装置9とポンプケース66の間にエンジン7を配置している。
【0032】
なお、刈取装置3の昇降用油圧シリンダ4等を駆動するチャージポンプ68も、走行油圧ポンプ65と同軸64上に設けている。また、刈取装置3の昇降用油圧シリンダ4または刈取装置3の水平制御用油圧シリンダ19などを作動させる作業用油圧ポンプ70を備え、エンジン7に作業用油圧ポンプ70を配置し、走行油圧ポンプ65と同様に、チャージポンプ68及び作業用油圧ポンプ70をエンジン7にて駆動するように構成している。
【0033】
上記の構成により、左右走行油圧ポンプ65に出力軸67を介してエンジン7の駆動出力が伝達される。左右走行油圧ポンプ65によって左右走行油圧モータ69を各別にそれぞれ駆動し、左右走行油圧モータ69によって左右履帯2を正逆転させて前後進移動させる。また、左右走行油圧モータ69の回転速度を制御し、左右走行油圧モータ69によって駆動する左右履帯2の回転速度を異ならせて、走行機体1の移動方向(走行進路)を変更し、圃場の枕地での方向転換などを実行するように構成している。
【0034】
即ち、図10に示す如く、左右の走行油圧ポンプ65に、閉ループ油圧回路261を介して左右一対の走行油圧モータ69が油圧接続される。左右走行油圧モータ69によって、駆動スプロケット51を介して、左右履帯2が前進方向又は後進方向に駆動される。オペレータが左右の変速レバー43,44を操縦操作して、左右の走行油圧ポンプ65の出力調節用斜板65a角度(変速制御)をそれぞれ調節することによって、左右の走行油圧モータ69の回転数又は回転方向がそれぞれ変更され、左右の履帯2が互いに独立的に駆動されて、走行機体1が前進移動又は後進移動するように構成している。
【0035】
図4〜図9に示す如く、エンジンルーム枠56によってエンジンルーム57を形成し、エンジンルーム57にエンジン7を内設する。エンジンルーム枠56に第1軸受体58を介して脱穀入力用の第1カウンタ軸71を軸支する。また、エンジンルーム枠56に第2軸受体59を介して脱穀入力用の第2カウンタ軸72を軸支する。エンジン7の出力軸67に作業出力ベルト231を介して第1カウンタ軸71を連結する。第1カウンタ軸71に脱穀駆動ベルト232を介して第2カウンタ軸72を連結する。テンションローラを兼用した脱穀クラッチ233と脱穀駆動ベルト232を介して、第1カウンタ軸71から第2カウンタ軸72にエンジン7の動力を伝達させる。なお、オペレータのレバー操作によって脱穀クラッチ233が入り切り制御される。また、扱胴軸20の一端側(後端側)に扱胴駆動ベルト234を介して第2カウンタ軸72が連結されている。脱穀クラッチ233の入り切り操作によって、第2カウンタ軸72を介して扱胴21が駆動制御されて、ビータ18から投入された穀稈が扱胴21によって連続的に脱穀されるように構成している。
【0036】
さらに、脱穀装置9の前面壁体に刈取り選別入力ケース73を設ける。刈取り選別入力ケース73に刈取り選別入力軸74を軸支する。扱胴軸20の他端側(前端側)にベベルギヤ75を介して刈取り選別入力軸74の一端側(右側端部)を連結する。ビータ18が軸支されたビータ軸82の左側端部にビータ駆動ベルト238を介して刈取り選別入力軸74の他端側(左側端部)を連結する。唐箕ファン29を軸支した唐箕軸76の左側端部に選別入力ベルト235を介してビータ軸82の左側端部を連結する。一番コンベヤ機構30の一番コンベヤ軸77の左側端部と、二番コンベヤ機構31の二番コンベヤ軸78の左側端部とに、コンベヤ駆動ベルト237を介して唐箕軸76を連結している。揺動選別盤26後部を軸支したクランク状の揺動駆動軸79の左側端部に揺動選別ベルト236を介して二番コンベヤ軸78の左側端部を連結している。なお、一番コンベヤ軸77を介して揚穀コンベヤ32が駆動されて、一番コンベヤ機構30の一番選別穀粒がグレンタンク6に収集される。また、二番コンベヤ軸78を介して二番還元コンベヤ33が駆動されて、二番コンベヤ機構31の藁屑が混在した二番選別穀粒が揺動選別盤26の上面側に戻される。
【0037】
一方、ビータ軸82の左側端部には、刈取り駆動ベルト241及び刈取クラッチ242を介して、供給コンベヤ17の送り終端側が軸支された刈取入力軸89の左側端部を連結している。穀物ヘッダー12に設けたヘッダー駆動軸91に、ヘッダー駆動チェン90を介して刈取入力軸89の右側端部を連結する。掻込みオーガ13を軸支した掻込み軸93に、掻込み駆動チェン92を介してヘッダー駆動軸91を連結する。掻込みリール14を軸支したリール軸94に、中間軸95及びリール駆動チェン96,97を介してヘッダー駆動軸91を連結する。また、ヘッダー駆動軸91の右側端部には、刈刃駆動クランク機構98を介して刈刃15が連結されている。刈取クラッチ242の入り切り操作によって、供給コンベヤ17と、掻込みオーガ13と、掻込みリール14と、刈刃15が駆動制御されて、圃場の未刈り穀稈の穂先側を連続的に刈取るように構成している。
【0038】
さらに、図4に示す如く、第1カウンタ軸71の後端部に、穀粒排出ベルト244及び穀粒排出クラッチ245を介して、底送りコンベヤ60の底送りコンベヤ軸103の後端側を連結させる。底送りコンベヤ軸103の後端部に縦送り駆動チェン104を介して下部仲介軸105の一端側を連結させる。縦送りコンベヤ61の縦送りコンベヤ軸106の下端側に、ベベルギヤ機構107を介して仲介軸105の他端側を連結させる。縦送りコンベヤ軸106の上端側に、ベベルギヤ機構108を介して上部仲介軸109の一端側を連結させる。上部仲介軸109の他端側に穀粒排出駆動チェン110を介して穀粒排出軸111の一端側を連結させる。穀粒排出軸111の他端側にベベルギヤ機構113を介して穀粒排出オーガ8の排出オーガ軸112の送り始端側を連結させる。穀粒排出クラッチ245の入り切り操作によって、底送りコンベヤ60と縦送りコンベヤ61と穀粒排出オーガ8が駆動制御されて、グレンタンク6内の穀粒がトラック荷台またはコンテナなどに排出されるように構成している。
【0039】
また、図2に示す如く、グレンタンク6の底部に、前後の穀粒排出口221,222を設けている。また、穀粒排出口221,222下方の走行機体1上面側に籾受け台223を出し入れ可能に配置している。籾受け台223を水平な作業姿勢に支持した状態で、運転座席42のオペレータとは別の作業者が籾受け台223に搭乗し、籾受け棒224に籾袋(図示省略)を装着して、その籾袋にグレンタンク6内の穀粒を排出する。穀粒が充填された籾袋は、籾受け台223から圃場に転落させて、回収する。
【0040】
上記の構成により、穀粒排出口221,222からグレンタンク6内の穀粒を排出することによって、刈取り脱穀作業を中断することなく、グレンタンク6内の穀粒を排出できる。即ち、穀粒排出オーガ8からグレンタンク6内の穀粒を排出する作業に比べ、刈取り脱穀作業を中断する必要が殆どないから、収穫作業において、刈取り脱穀作業を中断する時間を短縮でき、収穫作業能率を向上できる。
【0041】
次に、図10を参照して、コンバインの油圧構造を説明する。図10に示す如く、油圧アクチュエータとして、前記刈取昇降用油圧シリンダ4と、前記水平制御用油圧シリンダ19と、掻込みリール14を昇降可能に支持する左右のリール昇降用油圧シリンダ251と、穀粒排出オーガ8を昇降可能に支持するオーガ昇降用油圧シリンダ252とを備える。水平制御用電磁油圧バルブ253を介して、水平制御用油圧シリンダ19に作業用油圧ポンプ70を油圧接続する。オペレータの水平制御用スイッチ(図示省略)操作または左右傾斜センサ(図示省略)の検出結果に基づき、水平制御用油圧シリンダ19が作動して、走行機体1の左右方向の傾斜角度を水平または任意傾斜角度に維持する。
【0042】
また、刈取昇降用手動油圧バルブ255を介して、刈取昇降用油圧シリンダ4に作業用油圧ポンプ70を油圧接続する。刈取姿勢レバー45を前後方向に傾倒させる操作によって、刈取昇降用油圧シリンダ4を作動させ、オペレータが刈取装置3を任意高さ(例えば刈取り作業高さまたは非作業高さ等)に昇降動させるように構成している。一方、リール昇降用手動油圧バルブ256を介して、リール昇降用油圧シリンダ251に作業用油圧ポンプ70を油圧接続する。刈取姿勢レバー45を左右方向に傾倒させる操作によって、リール昇降用油圧シリンダ251を作動させ、オペレータが掻込みリール14を任意高さに昇降動させ、圃場の未刈り穀稈を刈取るように構成している。
【0043】
他方、オーガ昇降用手動油圧バルブ257を介して、オーガ昇降用油圧シリンダ252に作業用油圧ポンプ70を油圧接続する。穀粒排出レバー47を前後方向に傾倒させる操作によって、オーガ昇降用油圧シリンダ252を作動させ、オペレータが穀粒排出オーガ8の籾投げ口8aを任意高さに昇降動させる。なお、電動モータ(図示省略)によって穀粒排出オーガ8を水平方向に回動させて、籾投げ口8aを横方向に移動させる。即ち、トラック荷台またはコンテナの上方に籾投げ口8aを位置させ、トラック荷台またはコンテナ内にグレンタンク6内の穀粒を排出するように構成している。
【0044】
さらに、図10に示す如く、左右の走行油圧ポンプ65に左右の閉ループ油圧回路261を介して左右の走行油圧モータ69をそれぞれ油圧接続さている。左右の走行油圧ポンプ65の出力調節用斜板65aに、サーボバルブ機構262を介して左右の変速レバー43,44をそれぞれ連結させ、左右の変速レバー43,44の前後方向の傾斜角度に比例させて出力調節用斜板65aの支持角度が変更されるように構成している。即ち、左右の走行油圧ポンプ65によって左右の走行油圧モータ69がそれぞれ駆動され、減速ギヤケース63の減速ギヤ機構263を介して左右の走行油圧モータ69の駆動力が左右の履帯2にそれぞれ伝達され、左右の履帯2が前進方向または後進方向に駆動される。
【0045】
上記の構成により、左右の変速レバー43,44を機体前方に傾倒させることによって、左右の変速レバー43,44の傾斜角度に比例した車速で前進方向に直進移動できる。左右の変速レバー43,44を機体後方に傾倒させることによって、左右の変速レバー43,44の傾斜角度に比例した車速で後進(後退)方向に直進移動できる。一方、左右の変速レバー43,44の機体前方への傾斜角度を異ならせた場合、または左右の変速レバー43,44の機体後方への傾斜角度を異ならせた場合、または左右の変速レバー43,44のいずれか一方を機体前方に傾倒させながら他方を機体後方に傾倒させた場合、走行機体1の進路を左右方向に修正できる。
【0046】
換言すると、左右の変速レバー43,44の操作量または操作方向を相違させた場合、左右の変速レバー43,44の傾斜角度に比例した車速で、左右の変速レバー43,44の傾斜角度の差に比例した旋回半径で、走行機体1を左右方向に旋回移動できる。なお、チャージポンプ68の高圧油吐出側に、オイルクーラ264及びラインフィルタ265を介して左右の閉ループ油圧回路261が接続され、左右の閉ループ油圧回路261にオイルタンク266内の作動油を補給するように構成している。エンジン7の燃料タンク267の左側方の走行機体1上面にオイルタンク266が搭載され、燃料タンク267の上方側にシートフレーム268を介して運転座席42が配置されている。
【0047】
さらに、図7、図8、図11、図13〜図15に示す如く、走行機体1の左側上面に搭載された脱穀装置9の右側で、走行機体1後部の右側上面に搭載されたエンジン7の右外側方に、前部支持体271と後部支持体272とを介して、走行機体1の上面側に前記ポンプケース66を固設している。ポンプケース66前部にチャージポンプ68が配置され、そのポンプケース66前部が走行機体1に前部支持体271にて支持されている。後部支持体272の前面側にポンプケース66の後面側をボルト締結させる。ポンプケース66の後面から後向きに走行駆動入力軸64を突出させている。
【0048】
図11〜図13に示す如く、前記エンジンルーム枠56の前面部にオイルクーラ264を支持し、エンジンルーム枠56右側のポンプケース66から、オイルクーラ264と、エンジンルーム枠56左側下方の左右の走行油圧モータ69と、走行機体1前部のオイルタンク266などに、エンジンルーム枠56前部を迂回させて油圧配管269を延設している。また、図7、図8に示す如く、オイルクーラ264の後側方で、エンジン7の前面側に、エンジン7の水冷用ラジエータ283と、エンジン7及びラジエータ283の空冷用冷却ファン284とを配置する。
【0049】
さらに、図7、図8に示す如く、エンジン7の側方のうち脱穀装置9と反対側の側方から、ラジエータ283及び冷却ファン284の前方にかけて、エンジン7の冷却風路(外気取込み通路)を形成するカバーダクト体285を備える。エンジン7の右側方に位置する側部ダクト286と、ラジエータ283及び冷却ファン284の前方に位置する前部ダクト287とによって、前記カバーダクト体285を形成する。エンジンルーム枠56の右側部及び前部に、側部ダクト286及び前部ダクト287を固着し、側部ダクト286及び前部ダクト287を平面視L形状に延設している。
【0050】
一方、外気取入れ口288が上半分に形成された側部カバー289を備える。側部ダクト286が固着されたエンジンルーム枠56の右側部に、側部カバー289を着脱可能に固着する。側部ダクト286の右側開口(機外側面)を側部カバー289にて覆う。冷却ファン284の回転に伴い、機体高所の外気取入れ口288から取り込まれた外気が、側部ダクト286及び前部ダクト287を介して、エンジンルーム57内に移動し、エンジン7などを冷却するように構成している。エンジンルーム57内の暖気は、エンジン7の上下方向または左右方向に向けて排出されると共に、エンジンルーム57内の暖気の一部がポンプケース66部から機外に向けて排出され、エンジン7の空気冷却作用と同時に、ポンプケース66も空気冷却されるように構成している。
【0051】
また、図5、図7に示す如く、前部ダクト287底部の高さ位置よりも側部ダクト286底部の高さ位置を高く形成する。側部ダクト286下方の走行機体1上にポンプケース66を搭載する。側部カバー289の下半分によってエンジン7右側部と、ポンプケース66右側部とを覆うと共に、側部カバー289の上半分によって側部ダクト286右側部を覆う。エンジンルーム枠56から側部カバー289を取外したときに、エンジン7右側部と、ポンプケース66右側部と、側部ダクト286右側部を、機体右側に露出可能に構成している。
【0052】
上記の構成により、側部カバー289を取外して、エンジン7周囲のメンテナンス、またはポンプケース66周囲のメンテナンス、または側部ダクト286周囲のメンテナンスを、走行機体1の右外側方から実行できる。また、籾受け台223側から、油圧配管269周囲のメンテナンス、または前部ダクト287周囲のメンテナンスなどを実行できる。
【0053】
図1、図5、図7に示す如く、刈取装置3と、扱胴21を有する脱穀装置9と、走行部としての履帯2を有する走行機体1と、走行油圧ポンプ65及び走行油圧モータ69を有する油圧変速装置としてのポンプケース66を備え、走行機体1にエンジン7を搭載し、履帯2にポンプケース66を介してエンジン7の出力を伝達するコンバインにおいて、走行機体1の上面のうち、脱穀装置9側方の上面にエンジン7を搭載すると共に、エンジン7の側面のうち、脱穀装置9に対向する面と反対の機外側面に走行油圧ポンプ65を配置している。したがって、例えばエンジンルームカバーの一部(側部カバー289)などを取外すことにより、走行油圧ポンプ65を機外側に向けて簡単に露出でき、走行油圧ポンプ65のメンテナンス作業性を向上できるものでありながら、脱穀装置9にエンジン7を接近させて、走行機体1の左右幅方向の中央寄りに機体重心を設定できる。また、エンジン7に冷却風(外部冷気)を取込む冷却風路が機外側面の高位置(粉塵が多い圃場表面から離れた機体上部位置)に形成される一般的なコンバインの冷却風取込み構造では、その冷却風路下方のスペースを活用して、走行油圧ポンプ65及び油圧配管269などの油圧構成部品をコンパクトに設置できる。さらに、エンジン7の冷却風を利用して、走行油圧ポンプ65の作動油温度を適正に維持でき、油圧伝動効率を向上できる。
【0054】
図7、図11、図12に示す如く、走行機体1の上面のうち、エンジン7が内設されたエンジンルーム57の前側に穀粒取出し作業台としての籾受け台223を設け、エンジンルーム57の前側を迂回するように、走行油圧ポンプ65から走行油圧モータ69に向けて油圧配管269を延設している。したがって、エンジンルーム57と籾受け台223の間に油圧配管269を組付けることができ、油圧配管269の組立作業性またはメンテナンス作業性などを向上できる。
【0055】
図5、図6、図15に示す如く、走行機体1の後部にエンジン7を搭載し、エンジン7の出力軸67及び走行油圧ポンプ65の駆動軸(走行駆動入力軸64)を、走行機体1の後方向に延設して、走行出力ベルト230にて連結している。したがって、走行油圧ポンプ65または脱穀装置9など作業各部に向けて、エンジン7から左右方向に伝動ベルト(走行出力ベルト230、脱穀駆動ベルト232)がそれぞれ延設され、エンジン7のトルク変動などに伴う機械振動を低減できるものでありながら、走行機体1の後方から前記伝動ベルトの交換作業などを実行でき、前記伝動ベルトなどのメンテナンス作業性を向上できる。
【0056】
図5、図12、図13に示す如く、エンジン7が内設されるエンジンルーム枠56に第1カウンタ軸71を設け、走行油圧ポンプと第1カウンタ軸71間の走行機体1上にエンジン7を配置している。したがって、走行油圧ポンプ65と第1カウンタ軸71に向けて、エンジン7から左右方向に伝動ベルト(走行出力ベルト230、脱穀駆動ベルト232)がそれぞれ延設されるから、エンジン7のトルク変動に伴う振動を低減できる。前記第1カウンタ軸71から脱穀装置9またはグレンタンク6(穀物タンク)などにエンジン7の動力を容易に分配できる。
【0057】
図5、図12、図13に示す如く、エンジンルーム枠56に設けるカウンタ軸として、第1カウンタ軸71及び第2カウンタ軸72を備え、第1カウンタ軸71上方のエンジンルーム枠56に第2カウンタ軸72を設け、第1カウンタ軸71及び第2カウンタ軸72を介して脱穀装置9の扱胴軸20にエンジン7の動力を伝達するように構成している。したがって、脱穀装置9後側の排藁排出部を迂回して、脱穀装置9に、エンジン7の出力軸67を、脱穀駆動ベルト232及び扱胴駆動ベルト234にて連結でき、扱胴軸20の後部にエンジン7の動力を容易に伝達できる。脱穀装置9の排藁排出機能を損なうことなく、エンジンルーム枠56を活用して、脱穀装置9の駆動機構をコンパクトに組付けることができる。
【符号の説明】
【0058】
1 走行機体
2 履帯(走行部)
3 刈取装置
7 エンジン
9 脱穀装置
20 扱胴軸
21 扱胴
56 エンジンルーム枠
57 エンジンルーム
64 走行駆動入力軸(走行油圧ポンプの駆動軸)
65 走行油圧ポンプ
66 ポンプケース(油圧変速装置)
67 エンジンの出力軸
69 走行油圧モータ
71 第1カウンタ軸
72 第2カウンタ軸
223 籾受け台(穀粒取出し作業台)
230 走行出力ベルト
269 油圧配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取装置と、扱胴を有する脱穀装置と、走行部を有する走行機体と、走行油圧ポンプ及び走行油圧モータを有する油圧変速装置を備え、前記走行機体にエンジンを搭載し、前記走行部に油圧変速装置を介してエンジンの出力を伝達するコンバインにおいて、
前記走行機体の上面のうち、前記脱穀装置側方の上面に前記エンジンを搭載すると共に、前記エンジンの側面のうち、前記脱穀装置に対向する面と反対の機外側面に前記走行油圧ポンプを配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記走行機体の上面のうち、前記エンジンが内設されたエンジンルームの前側に穀粒取出し作業台を設け、前記エンジンルームの前側を迂回するように、走行油圧ポンプから走行油圧モータに向けて油圧配管を延設したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記走行機体の後部にエンジンを搭載し、前記エンジンの出力軸及び走行油圧ポンプの駆動軸を、前記走行機体の後方向に延設して、ベルト連結したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記エンジンが内設されるエンジンルーム枠にカウンタ軸を設け、前記走行油圧ポンプと前記カウンタ軸の間に前記エンジンを配置したことを特徴とする請求項3に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記カウンタ軸として第1カウンタ軸及び第2カウンタ軸を備え、前記第1カウンタ軸上方のエンジンルーム枠に第2カウンタ軸を設け、前記第1カウンタ軸及び第2カウンタ軸を介して前記脱穀装置の扱胴軸にエンジンの動力を伝達するように構成したことを特徴とする請求項4に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−31405(P2013−31405A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169393(P2011−169393)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】