説明

コンパニオンアニマルによる使用に適合された発酵性繊維を含む組成物及びキット及びそれらの使用方法

本発明の開示は、コンパニオンアニマルによる使用に適合された組成物、キット、及び方法を対象とする。1つの実施形態では、発酵性繊維を含む組成物であって、この組成物が液体であり、またコンパニオンアニマルによる使用に適合された組成物が提供される。こうした組成物を、こうした組成物がコンパニオンアニマルによる使用に適合されているという情報と共に含むキットもまた提供される。なお更には、本開示は、コンパニオンアニマルの胃腸の健康を増強する方法であって、この組成物をコンパニオンアニマルに経口投与することを含む方法を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発酵性繊維を含む組成物を対象とし、この組成物はコンパニオンアニマルによる使用に適合されている。本発明は、こうした組成物を含むキット、並びにこの組成物及びキットを使用する方法を更に対象とする。
【背景技術】
【0002】
胃腸の健康は、ブリーダー及び獣医を含む、コンパニオンアニマルの飼い主の間では、一貫した関心事である。腹痛、餌の摂取の拒絶、下痢などは、飼い主及びコンパニオンアニマルにとって同様に苦痛を伴うことであり得る。多くの現在利用できるペットフードは、胃腸の健康を増強するために役立つ構成成分を含有するが、しかしながらコンパニオンアニマルのすべての飼い主が、これらのより高品質のフードを彼らのコンパニオンアニマルが利用できるように選択しているわけではないことが認識されている。むしろ、多くの飼い主は、より低品質のフードを、彼らのコンパニオンアニマルがこうしたフードの味又は外見をより喜んで楽しむであろうという考え方から購入することに引き付けられている。
【0003】
なお更には、多くの従来の形態のコンパニオンアニマル用フードは、コンパニオンアニマルにより完全に摂取されているわけではない。そのため、動物は基礎的な栄養所要量が不足する場合がある。
【0004】
そのため、コンパニオンアニマルの飼い主がコンパニオンアニマルの通常の栄養摂取に対するサプリメントを提供するように促す開発を求める必要がある。ごく最近、グレービーのようなサプリメントが、市場に導入された。多くのこうしたサプリメントは、多種多様なビタミン及びミネラル、並びに動物の肉及び脂肪のような美味性を援助するものを提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者らは、本明細書において、コンパニオンアニマルの胃腸の健康を増強するために有用である組成物を提供する。こうした組成物は、高品質のコンパニオンアニマル用フードを以前には与えられていないコンパニオンアニマルの飼い主によって、又はなお彼らの動物のために追加の健康上の利益を探しながらこうした高品質のフードを実際に使用しているコンパニオンアニマルの飼い主によってすぐに受け入れられる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、コンパニオンアニマルによる使用に適合された組成物、キット、及び方法を対象とする。本発明の1つの実施形態では、組成物の少なくとも約0.25重量%の総発酵性繊維を含む組成物であって、この組成物が液体である組成物が提供される。本明細書の別の実施形態では、ビートパルプ、又は1−ケストース、ニストース及び1F−β−フラクトフラノシルニストースから成る群から選択される1以上の構成成分を含む短鎖オリゴフラクトースを含む組成物であって、この組成物が、コンパニオンアニマルによる使用に適合された液体である組成物が提供される。
【0007】
こうした組成物を、こうした組成物がコンパニオンアニマルによる使用に適合されているという情報、又は他の情報と共に含むキットもまた提供される。なお更には、本発明は、コンパニオンアニマルの胃腸の健康を増強する、又は糞便の糞便臭を改善する方法であって、この組成物をコンパニオンアニマルに経口投与することを含む方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
例えば刊行物及び特許を含む様々な文書が、本開示を通して引用される。このようなすべての文書は参考として本明細書に組み込まれる。所与のいかなる文書の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの承認として解釈されるべきではない。
【0009】
百分率及び比率はすべて、特に指示がない限り、重量で計算される。百分率及び比率はすべて、特に指示がない限り、組成物全体を基準として計算される。
【0010】
本明細書で参照するのは、本発明で使用する様々な成分を含む構成要素の商品名である。本発明者らは本明細書において、特定の商品名の物質により限定することを目的としていない。商品名により参照されているものと同等の物質(例えば、異なる名称又は参照番号で異なる供給源から得られるもの)は、本明細書の記載において置き換えられて使用されてもよい。
【0011】
本発明の記載において、様々な実施形態又は個々の特徴が開示される。当業者には明らかであるが、これらの実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となり得る。
【0012】
本明細書の組成物は、本明細書に記載されるようないかなる特徴若しくは実施形態を含んでもよく、それらから本質的に成ってもよく、又はそれらから成ってもよい。
【0013】
本発明の様々な実施形態及び個々の特徴を説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正が可能である。これも明らかになるであろうが、先行する開示で教示された実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となり得る。
【0014】
本発明は、コンパニオンアニマルによる使用に適合された組成物、キット、及び方法を対象とする。本明細書で使用する時、「コンパニオンアニマル」とは家畜を意味する。好ましくは、「コンパニオンアニマル」とは、飼いイヌ、ネコ、ウサギ、フェレット、ウマ、ウシ、又は同様なものを意味する。より好ましくは、「コンパニオンアニマル」とは、飼いイヌ又はネコ、特に飼いイヌを意味する。
【0015】
本発明の1つの実施形態では、発酵性繊維を含む組成物であって、この組成物が液体である組成物が提供される。こうした組成物を、こうした組成物がコンパニオンアニマルによる使用に適合されているという情報と共に含むキットもまた提供される。なお更には、本発明は、コンパニオンアニマルの胃腸の健康を増強する方法であって、この組成物をコンパニオンアニマルに経口投与することを含む方法を提供する。
【0016】
(本発明の組成物)
本明細書の組成物は、コンパニオンアニマルによる使用に適合されている。この点において、当業者にはよく理解されるように、本明細書に記載される組成物の主な用途はコンパニオンアニマルへの使用であり、そのためこの組成物はそのように配合される。
【0017】
本明細書に記載されるように、1つの実施形態では、組成物の少なくとも約0.25重量%の総発酵性繊維含む組成物であって、この組成物が液体である組成物が提供される。本明細書における別の実施形態では、1−ケストース、ニストース及び1F−β−フラクトフラノシルニストースを含む短鎖オリゴフラクトースを含む組成物であって、この組成物が液体である組成物が提供される。この組成物は、コンパニオンアニマルによる使用に適合されている。
【0018】
発酵性繊維は、コンパニオンアニマルの胃腸の健康において重要な役割を果す。アイムス(IAMS)又はユーカヌバ(EUKANUBA)のフード(アイムス社(The Iams Company)、米国オハイオ州デートン)として市販される特定のフードのような高品質のコンパニオンアニマル用フードは、毎日のキブルの食餌の構成成分として発酵性繊維を提供する。しかしながら、多くの市販のコンパニオンアニマル用フードは、こうした構成成分を欠いており、これはコンパニオンアニマルの胃腸の健康、又は胃腸の健康の最適化を危うくする可能性がある。なお更には、市販のグレービー又は他の水性サプリメントは、こうした発酵性繊維を、特にコンパニオンアニマルの効果的な治療に意味のある濃度では提供しない。そのため、毎日の動物の餌の栄養上の利益を補うために提供されるグレービーは、正常な胃腸の健康のために重要な要素を提供しない。本発明の発明者らは、コンパニオンアニマルによる使用に適合された組成物がこれらの必要物を補うために特に適していることを、有利にも発見した。例として、本発明の組成物は、既に高品質である食餌を補うために、又は妥協した食餌を補うために使用されてもよい。
【0019】
発酵性繊維は、当該技術分野において周知である。発酵性繊維は、動物中に存在する腸内細菌がそれを発酵させて短鎖脂肪酸又はその他の代謝成分を生成できるいかなる繊維供給源であってもよい。こうした発酵性繊維の非限定例には、ビートパルプ(甜菜から)、アラビアゴム、タルハガム(gum talha)、オオバコ、コメヌカ、イナゴマメガム、シトラスパルプ、ペクチン、フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴフルクトース(mannanoligofructose)、大豆繊維、アラビノガラクタン、ガラクトオリゴ糖、アラビノキシラン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
一般に、発酵性繊維は哺乳類により消化されないが、ビフィドバクテリウム属のような腸内細菌種によって代謝されることができる。しかしながら、すべての腸内細菌が発酵性繊維を代謝できるわけではない。特に、サルモネラ属、大腸菌及びクロストリジウム属のような細菌は、こうした繊維をいかなる有意の程度にも処理することができない。この優先的な消化性は、部類としての発酵性繊維に当てはまり、コンパニオンアニマルの小腸内の全体的細菌フローラを改善するために使用できる。発酵性繊維は、乳酸菌及びビフィドバクテリウム属のような「良い」細菌にのみ食物を与えるので、サルモネラ属、大腸菌及びクロストリジウム属のような有害な細菌の量は、食物供給源の減少のために低下する可能性がある。そのため、有益な細菌種のための好ましい食物供給源を提供することにより、発酵性繊維により補われた食餌は「悪い」細菌の量を減らしながら「良い」腸内細菌を増加させることができる。
【0021】
ビートパルプ及びフラクトオリゴ糖、特に短鎖オリゴフラクトースは、本明細書に使用するのに特に好ましい発酵性繊維である。例として、フラクトオリゴ糖(fructooliogosaccharides)は、バナナ、大麦、ニンニク、ハチミツ、タマネギ、ライ麦、ブラウンシュガー、トマト、アスパラガス、アーティチョーク、小麦、ヤーコン、又はチコリーを含む、多様な果物又は野菜に見出せる天然起源の化合物である。フラクトオリゴ糖は、例えば長鎖オリゴフラクトース(例えば、イヌリン)として、又は短鎖オリゴフラクトースとして、チコリーの根で提供されことができる。本明細書で特に有用なのは、1−ケストース(GFと略される)、ニストース(GF)、及び1F−β−フラクトフラノシルニストース(GF)の内の、少なくとも1つを含むフラクトオリゴ糖である。フラクトオリゴ糖は、本明細書で記載されるもののような植物から抽出できるが、それらはまた、スクロースのフルクトース単位へのフルクトース単位(類)のB−(2−1)−グリコシド結合により、1、2、又は3個のフルクトース単位をスクロース分子に加えることにより、人工的に形成することができる。例として、フラクトオリゴ糖は、ゴールデン・テクノロジーズ・カンパニー社(Golden Technologies Company,Incorporated)から商標名ニュートラフローラ(NUTRAFLORA)(これは、1−ケストース、ニストース及び1F−β−フラクトフラノシルニストースを含む短鎖オリゴフラクトースである)として市販されている。別の例として、短鎖フラクトオリゴ糖及びイヌリンの混合物は、プレバイオ1(PREBIO1)、又は市販のラフティロース(RAFTILOSE)とラフティライン(RAFTILINE)との混合物であることができる。
【0022】
フラクトオリゴ糖は、短鎖オリゴフラクトースであってもよく、これは当業者に周知である。本明細書で特に有用なのは、1−ケストース(GFと略される)、ニストース(GF)及び1F−β−フラクトフラノシルニストース(GF)を含む短鎖オリゴフラクトースである。好ましい実施形態では、短鎖オリゴフラクトースは、短鎖オリゴフラクトースの約25重量%〜約45重量%の1−ケストース、約25重量%〜約45重量%のニストース、及び約1重量%〜約20重量%の1F−β−フラクトフラノシルニストース、あるいは短鎖オリゴフラクトースの約30重量%〜約40重量%の1−ケストース、約50重量%〜約60重量%のニストース、及び約5重量%〜約15重量%の1F−β−フラクトフラノシルニストースを含む。例として、短鎖オリゴフラクトースは、ゴールデン・テクノロジーズ・カンパニー社(Golden Technologies Company,Incorporated)から商標名ニュートラフローラ(NUTRAFLORA)(これは、すべて短鎖オリゴフラクトースの重量で約35重量%の1−ケストース、55重量%のニストース及び10重量%の1F−β−フラクトフラノシルニストースを含む短鎖オリゴフラクトースである)として市販されている。
【0023】
本明細書の実施形態では、発酵性繊維は、特定の有機物消失百分率を示してもよい。この任意の実施形態では、発酵性繊維は、大腸菌により生体外で24時間にわたって発酵される時、約15%〜約60%の有機物消失(OMD)を有してもよい。即ち、初めに存在した総有機物の約15%〜約50%は、大腸菌により発酵され変換される。繊維の有機物消失は、あるいは約20%〜約50%、あるいは約30%〜約40%である。
【0024】
したがって、生体外OMD百分率は以下のように計算されることができる:
(1−((OM残留物−OMブランク)/初めのOM))×100
ここで、OM残留物は24時間の発酵の後に回収された有機物であり、OMブランクは対応するブランク管(即ち、媒質及び希釈された糞便を含有するが、基質は含有しない管)中で回収された有機物であり、初めのOMは発酵前に管の中に設置された有機物である。手順の更なる詳細は、サンボルド(Sunvold)らの畜産学誌(J.Anim.Sci.)、73巻、1099〜1109頁(1995年)に見出される。
【0025】
本明細書の1つの実施形態では、組成物は、組成物の少なくとも約0.25重量%の総発酵性繊維を含む。「総発酵性繊維」とは、言及された濃度が、組成物中に存在する各発酵性繊維の相対量を加えることにより決定されることを意味する。例えば、組成物が、組成物の1重量%のフラクトオリゴ糖及び0.5重量%のビートパルプを含み、その他の発酵性繊維を含まない場合、組成物は、組成物の1.5重量%の総発酵性繊維を含む。あるいは、本発明の組成物は、すべて組成物の重量で少なくとも約0.5重量%の総発酵性繊維、少なくとも約1重量%の総発酵性繊維、少なくとも約2重量%の総発酵性繊維、あるいは約1重量%〜約20重量%の総発酵性繊維、あるいは約1重量%〜約10重量%の総発酵性繊維、あるいは約2重量%〜約10重量%の総発酵性繊維、又はあるいは約3重量%〜約8重量%の総発酵性繊維を含む。
【0026】
あるいは又は更には、短鎖オリゴフラクトースが使用される場合、所望により、すべて組成物の重量で少なくとも約0.05重量%、あるいは約0.1重量%〜約20重量%、あるいは約0.1重量%〜約10重量%、あるいは約0.1重量%〜約8重量%、あるいは約0.15重量%〜約5重量%の短鎖オリゴフラクトースが使用されてもよいことが驚くべきことに発見された。
【0027】
本明細書の組成物は液体であり;本明細書で使用する時、用語「液体」とは当該技術分野において一般的に理解されるようなものであるが、本組成物は、本組成物の全体的な液体の特徴をなお維持しながら固体微粒子又は他の固体物質を含有することができるという理解を伴う。液体は、周囲温度で典型的には流動性である。組成物は、典型的には、通常の栄養必要物へのサプリメントとして、コンパニオンアニマルによる使用を目的とする。そのため、これらの組成物は、飲用水、グレービー、又は他のサプリメントとして提供されるのが有利である。飲用水は、コンパニオンアニマルに提供される通常の飲用水を完全に若しくは部分的に置き換えてもよいし、又は更にはコンパニオンアニマル用フードに接触若しくは混合されてもよい。グレービーは、本明細書に記載されるように、広く定義される。グレービーは、いかなるグレービー、トッピング、ソース、又は他の液体混合物であってもよい。グレービーは、周囲温度で、蒸留水より大きい粘度を有してもよい。グレービーは、コンパニオンアニマルに直接経口投与されてもよいが、経口投与前にフードに接触又は混合されるのが有利である。
【0028】
組成物は、所望により、組成物の少なくとも約50重量%の水を含んでもよい。別の実施形態では、組成物は、すべて組成物の重量で少なくとも約60重量%の水、少なくとも約70重量%の水、少なくとも約80重量%の水、約50重量%〜約99重量%の水、約60重量%〜約97重量%の水、約70重量%〜約95重量%の水、又は約75重量%〜約90重量%の水を含む。これらの濃度で含まれる水は、すべての添加される水、及び組み合わせの構成成分、例えば、ブロスの中に存在するいかなる水も含む。
【0029】
(本発明の組成物の任意成分)
本明細書の組成物は、例えば、胃腸の健康、他の健康上の利益、望ましい栄養上の特徴及び/又は感覚刺激特性を提供する際のそれらの性能を増強するために更なる任意成分を含んでもよい。こうした任意成分は、本発明の組成物中に分散、可溶化、ないしは別の方法で混合されてもよい。本明細書に使用するのに好適な任意成分の非限定例は、以下に挙げられる。
【0030】
(肉、ブロス、及び脂肪)
多様な動物の肉、ブロス、又は脂肪のいずれも、本発明の組成物の構成成分として使用されてよい。例えば、鶏肉、豚肉、牛肉、子牛肉、魚などのような動物の肉を使用してよい。組成物が全体的に液体の形態を維持するように、こうした肉は、噴霧乾燥された動物の肉のように、粒子又は塊の形態であるのが都合がよい。いかなる動物の肉のブロス及び脂肪も使用されてよい。
【0031】
(風味)
本明細書に記載される肉、ブロス、又は脂肪はまた、組成物の美味性を増強する風味として使用されてもよい。所望により、1以上の他の風味を、更に又は代わりに使用してもよい。いかなる天然又は合成の風味も本発明に使用することができる。
【0032】
風味は、例えば肉の供給源又は肉の風味をまねた風味を使用することにより、肉の風味であるものであってもよい。例えば、酵母を、所望のように鶏肉の風味をまねるために使用してもよい。その他の天然又は合成の肉の抽出物を使用してもよい。更に、別の例として、野菜の風味、又は野菜の風味の特性をまねた風味を使用してもよい。
【0033】
着香料(flavor agent)はまた様々な風味のブレンドを含むことができる。所望であれば、着香料中の風味は、その後組成物中に分散されるエマルションの液滴に形成されてもよい。典型的には、着香料は濃縮物若しくは抽出物として、又は合成的に製造された着香エステル、アルコール、アルデヒド、テルペン、セスキテルペンなどの形態で従来から入手可能である。
【0034】
(pH)
本発明の組成物は、この組成物が、コンパニオンアニマルによる使用、特に摂取に適合されている限り、いかなるpHを有してもよい。本発明の任意の実施形態では、本発明の組成物は、約7未満、約6未満、約5未満、約4未満、約3.5未満、約2〜約7、約2.5〜約5、約2.5〜約4、又は約2.5〜約3.5のpHを有する。約3.5未満のpHを有する組成物は、これらの組成物が長期間の貯蔵安定性を提供するために、空気への暴露の際に冷却を必要としなくてもよいので、また無菌包装処理を必要としなくてもよいので、特に好ましい。
【0035】
必要であれば、本発明の組成物は、所望のpHに到達しそれを維持するために1以上の酸味料を含んでもよい。酸性度は、既知の及び従来の方法、例えば1以上の酸味料の使用によって、必要な範囲内に調整及び維持することができる。
【0036】
有機並びに無機の食用酸を組成物のpHを調整するために使用してもよい。酸は、その解離していない形態で、又は別の方法としては、それぞれの塩として、例えば、リン酸水素カリウム若しくはナトリウム塩、又はリン酸二水素カリウム若しくはナトリウム塩として存在することができる。具体的な酸は、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、リン酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸、リン酸又はこれらの混合物を含む食用有機酸である。
【0037】
使用される食用酸の量は、当然のことながら、少なくとも部分的には所望の酸性度に依存する。例として、組成物は、すべて組成物の重量で約0.01重量%〜約5重量%の食用酸、約0.1重量%〜約4重量%の食用酸、約0.5重量%〜約3重量%の食用酸、又は約0.7重量%〜約2重量%の食用酸を含んでもよい。
【0038】
(ω−3−脂肪酸)
1以上のω−3−脂肪酸を本発明の組成物に加えてもよい。本明細書で所望により使用するω−3−脂肪酸は、いかなるω−3−脂肪酸又はω−3−脂肪酸の組み合わせであってもよい。本明細書に使用するのに好適なω−3−脂肪酸の非限定例には、エイコサペンタエン酸(EPAとしても既知である)、ドコサヘキサエン酸(DHAとしても既知である)、及びこれらの混合物が挙げられる。ω−3−脂肪酸は、多くの場合メンハーデン(ニシン様の魚)を含む海産(魚)供給源、又は亜麻のような他の供給源から供給される。
【0039】
(栄養素)
本明細書の組成物は、所望により、しかし好ましくは、1以上の栄養素、特に1以上のビタミン及び/又はミネラルにより更に補強されてもよい。こうしたビタミン及びミネラルの非限定例には、ナイアシン、チアミン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA(ビタミンA(レチノール)、β−カロチン、レチノールパルミテート、又はレチノールアセテートを含む)、ビタミンC、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、鉄、亜鉛、銅、リン、ヨウ素、クロム、モリブデン、フッ化物、カルシウム、マンガン、マグネシウム、又はホウ素が挙げられる。
【0040】
(防腐剤)
1以上の防腐剤を、本明細書において更に使用してもよい。好ましい防腐剤には、例えば、ソルビン酸塩、安息香酸塩及びポリリン酸塩防腐剤が挙げられる。防腐剤は、pHが約3.5未満の濃度まで処理されている場合には、回避されてもよい。
【0041】
(増粘剤及び充填剤)
本発明による組成物は、所望により、1以上の増粘剤を更に含んでもよく、これには、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、デキストリン、発酵乳清、豆腐、マルトデキストリン、アルギン酸プロピレングリコール、ジェランガム、グアーガム、ペクチン、トラガカントガム、アカシアガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、ゼラチン、並びにこれらの増粘剤の混合物が挙げられる。これらの増粘剤の幾つかはまた、発酵性繊維供給源として使用されてもよい。
【0042】
(乳化剤及び油)
1以上の乳化剤及び/又は油もまた、質感及び不透明性の目的のために本発明の組成物に含まれてよい。本明細書で有用な典型的な乳化剤及び油には、例えばモノ−ジグリセリド、レシチン、パルプ、綿実油、及び植物油が挙げられる。
【0043】
(野菜)
任意に、1以上の野菜を本発明の組成物に含んでもよい。こうした野菜の例には、セロリ、ジャガイモ、トマト、エンドウ豆、ニンジンなどが挙げられる。野菜は、所望のように粒径を制御するように、細かく切られた、さいの目に切られた、ないしは別の方法で調製された、脱水された野菜であってもよい。
【0044】
(本発明のキット)
本発明は、前述の組成物、及び消費者(コンパニオンアニマルの飼い主、ブリーダー、獣医、又は同様な者を含む)が本発明の組成物の利益を容易に理解するような情報を含むキットに更に関する。具体的には、キットは:
(a)本明細書に記載される組成物;並びに
(b)以下から成る群から選択される情報:
(i)組成物がコンパニオンアニマルによる使用に適合されていること;
(ii)組成物が胃腸の健康を増強するために有用であること;
(iii)組成物がコンパニオンアニマルの糞便の糞便臭を改善するために有用であること;及び
(iv)これらの組み合わせ
を含む。
【0045】
本発明のキットは、1以上の組成物を情報と共に含んでもよく、この情報は、キットのユーザーに、言葉、絵、及び/又は同様なものにより、キットの使用がコンパニオンアニマルの胃腸の健康の増強に有用であること、又は組成物がコンパニオンアニマルによる使用に適合されていることを知らせる。こうした情報は、本明細書で使用される実際の用語、例えば「胃腸」、「コンパニオン」、又は「使用に適合された」を使用する必要はなく、むしろ同じ又は同様の意味を伝える言葉又は用語、絵、記号などの使用が、本発明の範囲内で考えられる。
【0046】
特に好ましい実施形態において、この情報は組成物を保持する容器、例えばビンの上に印刷される。これらの好ましいキットは組成物を収容する1つのビンの形態であってもよく、又は各々が組成物を収容する複数のビンとして得られてもよい。例えば、キットは、1つのビン、又は4、6、7、若しくは8つのビンが一緒に共同包装されたケースとして得られてもよい。各容器は、多様な量の組成物を保持してもよく;例えば、容器は組成物の単回投与又は複数回投与を収容してもよい。
【0047】
(本発明の方法)
本発明の方法は、本発明の組成物をコンパニオンアニマルに経口投与し(即ち摂取を通じて)、コンパニオンアニマルの胃腸の健康の改善及び/又は糞便の糞便臭の改善を規定どおりにもたらすことを含む。本明細書の1つの実施形態では、胃腸の健康の増強には、以下の利益の1以上を挙げることができる:胃腸炎症性疾患、炎症性腸疾患、下痢若しくは軟便の症状の治療的緩和若しくは予防;さもなければ糞便の質の改善;下痢若しくは軟便に関連する体重減少;小腸の細菌異常増殖の治療;又は有害細菌と比較した有益細菌の濃度の改善及び/若しくは病原菌の低減を含む細菌濃度の操作。その上、コンパニオンアニマルの糞便の糞便臭の改善についての補助的利益には、哺乳類系への発癌性物質の作用を直接的又は間接的のいずれかで促進することが知られている腐敗性物質の除去が含まれる。そのため、前発癌性物質又は作用を減らすこと、具体的には癌の危険性を低減させることは、本明細書において有用な利益である。これらの利益を対象とする分析の様々な方法が、本明細書の以下に記載されている。
【0048】
本発明の組成物は、最も好ましくはコンパニオンアニマルにより摂取される。この組成物は、通常の栄養所要量へのサプリメントとして摂取されてもよい。
【0049】
本明細書で使用する時、コンパニオンアニマルに関して用語「経口投与する」とは、本明細書の1以上の組成物を動物が摂取すること、又は動物に与えるようにヒトが指示されること、若しくはヒトが実際に与えることを意味する。組成物を与えるようにヒトが指示される場合には、こうした指示は、組成物の使用が言及された利益、例えば増強した胃腸の健康の利益をもたらす可能性がある及び/又はもたらすことになることを、ヒトに指導し及び/又はヒトに知らせるものであってもよい。例えば、こうした指示は、口頭指示(例えば、獣医、若しくは他の保健専門家からの口頭指導を通じて)、ラジオ若しくはテレビ媒体(即ち、広告)、又は書面での指示(例えば、獣医、若しくは他の保健専門家からの書面での指示(例えば、手書きメモ)、専門販売員若しくは組織からの書面での指示(例えば、広告用チラシ、パンフレット、若しくは他の教育用品を通じて)、文字媒体(例えば、インターネット、電子メール、若しくは他のコンピュータ関連媒体)を通じて)、及び/又は、組成物に関連した包装(例えば、組成物を入れる容器上に存在するラベル)であってもよい。本明細書で使用する時、「書面の」とは、言葉、絵、記号、及び/又はその他の視覚的記述子によることを意味する。こうした情報は、本明細書で使用される実際の言葉、例えば「胃腸」、「コンパニオン」、又は「使用に適合された」を使用する必要はなく、むしろ同じ又は同様の意味を伝える言葉、絵、記号などの使用が、本発明の範囲内で考えられる。
【0050】
本明細書に記載される組成物は、通常の栄養所要量へのサプリメントとして使用されてもよいし、又は固形フードを摂取するのが困難であるコンパニオンアニマルのために栄養的にバランスがとれていてもよい。投与は、必要な時又は望ましい時を基準としたものであってもよく、例えば、月1回、週1回、又は毎日(1日に複数回、若しくは給餌のたびを含む)であってもよい。通常の栄養所要量へのサプリメントとして使用される時、組成物はコンパニオンアニマルに直接投与されてもよいし、ないしは別の方法でコンパニオンアニマル用フードに接触又は混合されてもよい。使用される組成物の量は多様な要因に依存してもよく、それには動物の胃腸の健康の質、動物の飼い主又は組成物を投与する他の人により決定されるような動物の嗜好、コンパニオンアニマル用フードの質、及びコンパニオンアニマルの大きさ又は品種が挙げられる。
【0051】
(分析方法)
本発明の組成物は、コンパニオンアニマルの胃腸の健康を増強する又はコンパニオンアニマルの糞便の糞便臭を改善するために使用されてもよい。こうした増強又は改善を実証する様々な方法が当業者に周知である。例として、以下に、使用されてもよい特定の方法の実例を挙げる。これらの方法は本発明の範囲を限定することを目的としていない。
【0052】
胃腸の健康を増強する方法:コンパニオンアニマルの胃腸の健康の増強を測定する方法は、当業者に周知である。こうした測定の実行の具体例は、米国特許第5,952,033号に説明されており、これは糞便臭の測定に関して上述の一般的方法に従うが、糞便中の短鎖脂肪酸の濃度がガスクロマトグラフにより測定されるという修正を伴う。結果は、試験フードの投与が対照フードの投与と比較して短鎖脂肪酸濃度の増加をもたらすことを示し、これが胃腸の健康の改善に貢献すると考えられている。
【0053】
更に又はあるいは、本明細書の組成物は、小腸内の有害な細菌の量を減らすそれらの能力により測定されてもよい(小腸細菌の異常増殖、即ちIBOの治療としても参照される)。こうした方法は、ラインハルト(Reinhart)の米国特許第5,776,524号(1998年)に記載されている。
【0054】
更に又はあるいは、当業者が認識するように、糞便物質の質もまた胃腸の健康を示す場合がある。コンパニオンアニマルの下痢を含む胃腸の感染症の治療又は予防は、大便の得点を使用して測定されてもよい。大便の得点は、以下の指針並びに本発明による組成物の投与前及び後を比較した対照及び試験グループに従って毎日記録されてもよい。
【0055】
得点:5 極めて乾燥している
この大便は硬く表面にくっつかない。大便は押すと転がる。大便はつまみ上げる時にへこまない。大便は、多くの場合、1つの完全な単位としてではなく、個々の大便の集まりとして排便される。大便は、集められた後、もとの形状を維持する。
【0056】
得点:4 しっかりしている(理想的大便)
この大便は、しっかりしていて、良い形状であり、また円筒形である。この大便は、つまみ上げる時に容易に壊れない。この大便は、表面及び手袋上に残留物を残す場合がある。この大便は、多くの場合、1単位として排便される。大便は、集められた後、もとの形状を維持する。
【0057】
得点:3 柔らかい、形状を有する
この大便は柔らかいが、明確な形状がある。この大便は容易に壊れ、表面及び手袋上に間違いなく残留物を残す。この大便は、多くの場合、集められた後もとの形状を失う。この大便は、多くの場合、別の得点と共に存在するが、完全な大便のサンプルを構成することができる。
【0058】
得点:2 柔らかい、形状がない
この大便は柔らかく、円筒形状を有さない。多くの場合「2」に関連する形状は、「牛肉のパティー」の形状である。この大便は、集められた時もとの形状を失い、表面及び手袋上に間違いなく残留物を残す。この大便の得点は、多くの場合、別の得点と共に存在するが、完全な大便のサンプルを構成することができる。この大便のサンプルは、数インチ(5〜15センチ)の領域上に広がる場合がある。
【0059】
得点:1 液体
この大便の得点は常に液体を象徴し、粒子状物質が存在しても又は存在しなくてもよい。この大便は、多くの場合、1つの完全な単位としてではなく、積み重なりの集まりとして排便される。粘膜が多くの場合この大便のサンプルと共に存在する。この大便のサンプルは集めるのが非常に困難であり、残留物が表面及び手袋上に常に残される。この大便のサンプルは、数インチ(5〜15センチ)の領域上に広がる場合がある。
【0060】
加えて、大便中の血液、大便中の異物又は大便中の粘膜を含む他の観察結果もまた記録される。
【0061】
更に、コンパニオンアニマルにおける胃腸の健康の増強は、コンパニオンアニマルの微生物生態系を改善することを含んでもよい。コンパニオンアニマルの微生物生態系を改善することは、好ましくは、コンパニオンアニマルの糞便中の病原菌の濃度を下げることを含む。コンパニオンアニマルの糞便中に存在する病原菌の濃度は、当業者に既知の標準平板菌数測定法を用いて計数してもよい。より好ましくは、病原菌は、クロストリジウム属、エシェリキア属、サルモネラ属、バクテロイデス属(Bacteriodes)及びこれらの混合物から成る群から選択される。病原菌の好適な菌株の非限定例には、バクテロイデス・フラギリス、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム・ディフィシレ、エシェリキア・コライ、サルモネラ・ティフィムリウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0062】
コンパニオンアニマルの糞便の糞便臭の改善:コンパニオンアニマルの糞便の糞便臭の改善を測定する方法は、当業者に周知である。こうした測定の実行の具体例は、米国特許第5,952,033号に説明されており、これは一般に、定義された数のイヌを使用して試験を行うように指導する。対照フードが提供されるが、その際対照フードは市販の乾燥ドッグフード(これは栄養上バランスがとれている)であり、これは短鎖オリゴフラクトースを欠いている。試験フードが提供されるが、これは、本明細書に記載されるように、フードの約0.01重量%〜約0.2重量%の短鎖オリゴフラクトースを含むことを除いて対照フードに一致する。半数のイヌに対照フードが与えられ、残りの半数に試験フードが与えられる。糞便サンプルが各イヌから集められ、30℃で2時間加熱され、放出される化合物がテナックス管又は同等なものに捕集される。捕集された化合物は、ガスクロマトグラフ上で脱着される。硫化ジメチル、二硫化ジメチル、及び三硫化ジメチルが、対照及び試験フードの各々について測定される。結果は、不快な臭いを生じると考えられている硫化ジメチル、二硫化ジメチル及び三硫化ジメチルの濃度の低下により評価される時に、試験フードの投与が、対照フードの投与と比較して、改善された糞便臭を結果としてもたらすことを示す。
【0063】
(製造方法)
本明細書で記載される組成物は、当業者に周知の方法により製造される。例えば、本発明の組成物は、すべての成分が可溶化されるか又は適切に分散されるまで機械的攪拌器で攪拌して、すべての構成成分を、単独で又は好適な組み合わせにより一緒に、また適切な場合には水中で、溶解する、分散する、ないしは別の方法で混合することにより調製されてもよい。
【0064】
本発明の組成物を製造するために使用されてもよい方法の例は、以下の一般的開示に従って適合されてもよい(すべての必須でない構成成分は、具体的な構成成分を明示するために説明される):
1.槽に水を加える。
2.任意の酸化防止剤を動物脂に加え、よく混合する。
3.絶え間なく攪拌しながら、液体のフラクトオリゴ糖及び動物脂を水に加える。完全に混合する。
4.任意の動物固形物、ブロス粉末、キサンタンガム、ビタミン及びミネラルプレミックス、並びに酵母をプレミックスして、「肉プレミックス」を形成する。
5.絶え間なく攪拌しながら、肉プレミックスをゆっくりと加え、よく混合して粉末がよく分散されることを確実にする。(あるいは、周知の高剪断技術を用いてキサンタンガムを加え、ガムの適切な分散を確実にすることができる。その他の固形物もまた個々に絶え間なく混合しながら加えることができる。)
6.生成物のバッチを粉砕機又は他の高剪断分散装置に通過させ、すべての粉末(特にガム)がよく分散し、粉末の大きな塊が残らないことを確実にする。
7.野菜成分を、ビートパルプ、亜麻及び野菜を含む「野菜プレミックス」中にプレミックスする。
8.絶え間なく攪拌しながら、野菜プレミックスをバッチにゆっくりと加える。よく混合する。
9.バッチを91℃(195°F)まで加熱し及び5分間保持する。
10.バッチを少なくとも54℃(130°F)まで冷却する。
11.予測濃度のリン酸の1/2を加え、よく混合する。
12.ソルビン酸カリウムを加え、よく混合する。
13.風味を加え、混合する。
14.更なるリン酸を加えて目標のpHを達成する。よく混合する。
【実施例】
【0065】
以下は従来の方法を使用して調製した本発明の組成物の非限定実施例である。以下の実施例は本発明を説明するために提供され、いかなる方法においても本発明の範囲を限定することを目的としない。
【0066】
(実施例1)
以下の構成成分を従来の方式で組み合わせることにより牛肉風味のグレービー組成物を調製する:
【0067】
【表1】

イヌへの給餌前に毎日、1液量オンスのグレービー組成物を2分の1カップの標準的なイヌ用キブルの食餌に混合する。グレービー組成物の量は、イヌの飼い主が所望するように決定される。
【0068】
(実施例2)
以下の構成成分を従来の方式で組み合わせることにより鶏肉風味のグレービー組成物を調製する:
【表2】

【0069】
イヌへの給餌前に毎日、59mL(2液量オンス)のグレービー組成物を2分の1カップの標準的なイヌ用キブルの食餌に混合する。
【0070】
(実施例3)
以下は、本発明の組成物をどのように使用するかを説明する。腸内細菌の異常増殖を有する24匹のイヌを使用して、実施例1による組成物のイヌの胃腸系への効果を判断する。イヌは、12ヶ月〜24ヶ月の範囲の月齢である。イヌは、初めの食餌(食餌A)を2ヶ月間与えられる。食餌Aは、発酵性繊維を含有しないが、各給餌は、鶏副産物粉、トウモロコシ、鶏脂肪、米、醸造用酵母、卵、栄養素及びコーンスターチを含有する283.5g(10オンス)のキブルを含み、これは、水がフラクトオリゴ糖及びビートパルプの代わりをすることを除いて実施例1に従う57g(2オンス)のグレービーと混合されている。食餌Aの給餌の終わりに、イヌからの腸液及び粘膜組織のサンプルが取られ培養される。その後28日間イヌは食餌Bを与えられ、これは食餌Aで使用されたのと同じキブルであるが、実施例1による組成物と混合されている。食餌Bを開始後6週間で、腸液、粘膜組織、及び新鮮な糞便サンプルが再び取られる。腸液及び粘膜組織のサンプルが、好気性及び嫌気性細菌について取られる。食餌Bを摂取するイヌは、食餌Aの摂取の際に生じるサンプリングに比較して、著しく少ない好気性及び嫌気性細菌を腸液及び粘膜中に示し、また著しく少ない有益体(beneficical)(ビフィズス菌、乳酸菌、真正細菌)及び病原性(バクテロイデス・フラギリス、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム・ディフィシレ、エシェリキア・コライ)を腸液、粘膜及び糞便サンプルの中に示す。
【0071】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0072】
本発明の特定の実施形態を説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の少なくとも0.25重量%の総発酵性繊維を特徴とする組成物であって、前記組成物が、コンパニオンアニマルによる使用に適合された液体である、組成物。
【請求項2】
飲用水である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
グレービーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記総発酵性繊維が、ビートパルプ、アラビアゴム、タルハガム、オオバコ、コメヌカ、イナゴマメガム、シトラスパルプ、ペクチン、フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴフルクトース、大豆繊維、アラビノガラクタン、ガラクトオリゴ糖、アラビノキシラン及びこれらの混合物から成る群から選択される繊維を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記総発酵性繊維が、ビートパルプと、1−ケストース、ニストース及び1F−β−フラクトフラノシルニストースを含む短鎖オリゴフラクトース並びにこれらの混合物から成る群から選択される繊維を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
1以上の栄養素を更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
食肉タンパク質を更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物の少なくとも約0.5重量%のタンパク質及び少なくとも約1重量%の脂肪を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
(a)請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物;並びに
(b)以下から成る群から選択される情報:
(i)前記組成物がコンパニオンアニマルによる使用に適合されていること;
(ii)前記組成物が胃腸の健康を増強するために有用であること;
(iii)前記組成物がコンパニオンアニマルの糞便の糞便臭を改善するために有用であること;及び
(iv)これらの組み合わせ
を含む、キット。
【請求項10】
コンパニオンアニマルの胃腸の健康を増強すること、コンパニオンアニマルの糞便の糞便臭を改善すること、コンパニオンアニマルの癌になる危険性を低減すること及びこれらの組み合わせから成る群から選択される方法であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を前記コンパニオンアニマルに経口投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2007−512024(P2007−512024A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541496(P2006−541496)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/040084
【国際公開番号】WO2005/053425
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(595056859)ザ・アイムス・カンパニー (52)
【氏名又は名称原語表記】The Iams Company
【Fターム(参考)】