説明

コンパニオン動物のためのピルベートを含む組成物、およびその使用法

本発明は、変性性関節状態を治療するかまたは防止するための組成物および方法であって、少なくとも1つのピルベートまたはその塩を含む食用組成物をコンパニオン動物に与える工程を含む、前記組成物および方法を含む。本発明はまた、組成物に、嗜好性を増進させる量の少なくとも1つのピルベートまたはその塩を添加する工程を含む、食用食品組成物の嗜好性を増進させるための方法も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
[001]本出願は、本明細書に援用される2009年12月29日出願の米国仮特許出願第61/290,780号に優先権を請求する。
【背景技術】
【0002】
[002]実質的にすべての関節は軟骨を有する。軟骨は、柔軟性、圧力下での圧縮可能性、クッション、引っ張り強さ、運動範囲および関節内での動きの滑らかさを提供するため、動物体内で重要である。軟骨を有する関節の例には、手指および足指、首、膝、腰、肩等が含まれる。動物は、軟骨が負の影響を受け、それによって、関節の柔軟性、圧縮可能性の減少がもたらされ、そしてしばしば、全身の関節および/または関節周囲の組織の炎症を生じる、多くの状態を患う可能性もある。次いで、こうした動物は、関節機能の有意な喪失を有し、そして疼痛を経験する。
【0003】
[003]軟骨は、体の支持構造であり、そして関節表面を形成するように編み込まれた、線維性タンパク質(コラーゲン)の厚い束からなる。プロテオグリカンは、コラーゲンによって占められていない細胞外空間を満たす。こうしたプロテオグリカンは、タンパク質および糖の組み合わせで構成される。各プロテオグリカン・サブユニットは、グリコサミノグリカン(GAG)として知られる修飾糖の長鎖からなるタンパク質コアを含有する。グルコサミンは、GAGの唯一最大の重要な構成要素および前駆体である。体によるコラーゲンの合成は、GAG合成に依存する。軟骨中の軟骨細胞は、グルコサミンを利用してN−アセチルグルコサミン(NAG)およびグルクロン酸を産生し、体はこれを利用して、ヒアルロン酸を産生する。ヒアルロンは、動物の体の関節に潤滑特性を与える。
【0004】
[004]軟骨は、柔軟性、圧力下での圧縮可能性、クッション、引っ張り強さ、運動範囲および関節内での動きの滑らかさを提供するため、動物体内で重要である。軟骨を有する関節の例には、手指および足指、首、膝、腰、肩等が含まれる。動物は、軟骨が分解され、それによって、関節の柔軟性、圧縮可能性の減少がもたらされ、そしてしばしば、全身の関節および/または関節周囲の組織の炎症を生じ、そしてある場合には、変形性関節症および関節リウマチなどの状態の発展を生じる、多くの状態を患う可能性もある。次いで、こうした動物は、関節機能の有意な喪失を有し、そして疼痛を経験する。
【0005】
[005]関節炎は筋骨格障害である。変形性関節症は、動物およびヒトにおける、最も一般的なタイプの関節炎である。変形性関節症は、ヒトおよびコンパニオン動物において、一般的に生じる変性関節疾患であり、そして該疾患は、プロテオグリカンおよびコラーゲンの喪失、ならびに関節縁での新規骨形成の増殖を伴う、関節軟骨における変性変化によって特徴付けられる。これらの変化には、滑膜内での多様な炎症反応が伴う。関節の関節表面での硝子軟骨における主な異常は、マトリックスのグルコサミノグリカン対コラーゲン線維含量の比の改変である。関節において、軟骨のすぐ下にある骨は、肋軟骨下骨と呼ばれる。これらの肋軟骨下骨は、それ自体は、血管、神経またはリンパ組織を欠く、上層の軟骨に栄養を与える。
【0006】
[006]軟骨の天然浸食は、加齢とともに起こるが、また、関節に配置された過剰な負荷、肥満、遺伝、外傷、循環減少、劣った骨アラインメントおよび反復するストレスからも生じうる。フリーラジカル損傷が、変形性関節症の発展に寄与しうると想定されている。
【0007】
[007]大型犬は、加齢とともに関節炎を発展させうる。大型犬品種は、増加した体重および/または遺伝的素質のため、関節炎により感受性である。関節炎および他の軟骨状態のリスクがある動物は大型犬だけではない。関節炎および他の変性性関節疾患は、イヌにおいて一般的に認められてきており、そしてこうした状態は、ネコにおいてより流行していることが示されてきている。軟骨関連状態を発展させるリスクがある動物には、限定されるわけではないが、哺乳動物、例えばイヌ科(canine)、ネコ科(feline)、ウマ科(equine)、ヤギ(hircine)、ヒツジ(ovine)、ブタ(porcine)、ウシ亜科(bovine)、ヒトおよび非ヒト霊長類種、ならびに七面鳥(turkey)および鶏(chicken)を含む鳥類が含まれる。
【0008】
[008]食餌は、疾患原因および進行に重要な役割を果たすが、これは食餌が、根本的に代謝に関与するためである。生物学的経路は、あるレベルで、栄養要因によって制御される。したがって、栄養分として食品中に存在する食餌構成要素は、転写および翻訳レベルで、ならびに特定の翻訳後修飾で、遺伝子発現を制御しうる。これらは同様に、分解および酵素活性に関与しうる。栄養分レベルは代謝経路の平衡化に影響を及ぼしうる。代謝経路はしばしば複雑であり、そして異なる代謝経路の中にも、多くの冗長性および相互関係を伴いうる。単一の酵素、増殖因子、サイトカインまたは代謝産物の濃度を改変すると、疾患関連生理学に関与する多くの代謝経路に影響を及ぼしうる。ホルモンおよび他の細胞シグナル伝達分子は、食餌によって制御されることがよく理解され、そしてまた、疾患の発展および進行に関連付けられることも知られる。
【0009】
[009]異なる代謝経路の妨害から、同じ疾患表現型が生じる可能性もあり、そして各動物の遺伝子構成が異なることによって、栄養および環境要因を含む同じ要因に反応して多様性が生じうる。遺伝子、栄養および環境要因の相互作用は、動物における疾患の病因、防止、治療および進行を理解する際に重要である。多様な疾患および障害に関連する、栄養分に対する遺伝子発現反応が見出されれば、異常な関節炎障害などの疾患に感受性がある動物のための食餌の配合が可能になり、そしてさらに、根底にある疾患または障害の診断、治療および予後の監視が可能になる。
【0010】
[0010]その結果、疾患進行の早期検出および監視のためのバイオマーカーの使用によって、疾患の防止または治療、ならびに動物、特にコンパニオン動物のための新規療法を発展させることが可能になる可能性もある。食餌は、ほぼ間違いなく、疾患感受性を含む動物表現型に影響を及ぼす、最も重要な環境要因である。
【0011】
[0011]本発明は、療法および予防有効性を有し、そして現在市販されているコンパニオン動物食品製品より増加した嗜好性を所持する、コンパニオン動物のための食用食品組成物を含む。
【発明の概要】
【0012】
[0012]したがって、本発明者らは、コンパニオン動物用の栄養的に完全な食餌組成物を含む食用組成物を開発してきており、該組成物には、食用組成物の嗜好性を改善し、そしてこうしたコンパニオン動物に、変性性関節状態に関する臨床的に有益な特性を与えるためのピルベートが含まれる。
【0013】
[0013]本発明はさらに、コンパニオン動物における特定の状態、障害および疾患、例えば変性性関節状態の防止、その症状の改善、またはこれらの治療のための方法を含む。変形性関節状態は変形性関節症または軟骨損傷であってもよい。
【0014】
[0014]1つの態様において、本発明は、コンパニオン動物において、変性性関節状態を防止するか、その症状を改善するか、または該状態を治療するのに有効な量で、1またはそれより多いピルベートを含む、コンパニオン動物用の食用組成物を含む。
【0015】
[0015]別の態様は、コンパニオン動物において、変性性関節状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するための方法であって、こうしたコンパニオン動物における変性性関節状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを含む食用組成物を、コンパニオン動物に与える工程を含む、前記方法を含む。
【0016】
[0016]別の態様は、コンパニオン動物において、変形性関節症を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該疾患を治療するための方法であって、こうしたコンパニオン動物における変形性関節症を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該疾患を治療するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを含む食用組成物を、コンパニオン動物に与える工程を含む、前記方法を含む。
【0017】
[0017]別の態様は、コンパニオン動物において、軟骨損傷を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該損傷を治療するための方法であって、こうしたコンパニオン動物における軟骨損傷を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該損傷を治療するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを含む食用組成物を、コンパニオン動物に与える工程を含む、前記方法を含む。
【0018】
[0018]別の態様は、動物による消費用の食用組成物の嗜好性を増進させるための方法であって、嗜好性を増進させる量の1またはそれより多いピルベートを組成物に添加する工程を含む、前記方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】[0019]図1は、イヌ軟骨細胞(chondracyte)からのGAG放出に対するピルビン酸カルシウムの影響を示す。
【図2】[0020]図2は、イヌ軟骨細胞からのKC産生に対するピルビン酸カルシウムの影響を示す。
【図3】[0021]図3は、イヌ軟骨細胞からのIL−8産生に対するピルビン酸カルシウムの影響を示す。
【図4】[0022]図4は、イヌ軟骨細胞からのMCP−1産生に対するピルビン酸カルシウムの影響を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0023]本明細書全体において、範囲内のあらゆる値を記載するための省略表現として範囲を用いる。範囲の末端として、範囲内の任意の値を選択してもよい。さらに、本明細書に引用するすべての参考文献は、その全体が本明細書に援用される。本開示における定義および引用参考文献の定義において不一致がある場合は、本開示が統治する。
【0021】
[0024]別に明記しない限り、本明細書のここおよび他の箇所に表すすべての割合および量は、重量パーセントを指すと理解されるべきである。
[0025]本発明は、一般的に、コンパニオン動物において、障害を治療するかまたは防止するのに有効な量で、1またはそれより多いピルベートを含むコンパニオン動物食用組成物を含む。
【0022】
[0026]本発明はさらに、コンパニオン動物における、特定の状態、障害および疾患の防止、その症状の改善、またはこれらの治療のための方法を含む。変性性関節状態は、変形性関節症または軟骨損傷であってもよい。
【0023】
[0027]1つの態様において、コンパニオン動物はイヌまたはネコである。
[0028]別の態様において、ピルベートは、組成物重量の最大約20%の量で存在する。
[0029]別の態様において、ピルベートは、組成物重量の約0.1〜約10%の量で存在する。
【0024】
[0030]別の態様において、ピルベートは、組成物重量の約5%の量である。別の態様において、ピルベートは、組成物重量の約1%の量である。
[0031]別の態様において、ピルベートは、組成物重量の約0.7%の量である。
【0025】
[0032]別の態様において、組成物には、さらに、1またはそれより多いタンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、およびその組み合わせが含まれる。
[0033]別の態様において、組成物は、食品、栄養食餌、栄養補助食品、動物用おやつ、またはおもちゃである。
【0026】
[0034]別の態様において、食用組成物は、湿った食品、乾燥食品、栄養補助食品またはおやつの形である。
[0035]本発明の別の態様は、コンパニオン動物において、変性性関節状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するための方法であって、変性性関節状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを含む本発明の食用組成物を、該動物に与える工程を含む、前記方法を含む。1つの態様において、変性性関節状態は、こうしたコンパニオン動物における変形性関節症または軟骨損傷である。
【0027】
[0036]本発明の別の態様は、コンパニオン動物において、変形性関節症を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該疾患を治療するための方法であって、こうしたコンパニオン動物における変形性関節症を治療するかまたは防止するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを含む本発明の食用組成物を、該動物に与える工程を含む、前記方法を含む。
【0028】
[0037]本発明の別の態様は、コンパニオン動物において、軟骨損傷を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該損傷を治療するための方法であって、こうしたコンパニオン動物における軟骨損傷を治療するかまたは防止するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを含む本発明の食用組成物を、該動物に与える工程を含む、前記方法を含む。
【0029】
[0038]本発明の別の態様は、コンパニオン動物による消費用の食用組成物の嗜好性を増進させるための方法であって、嗜好性を増進させる量の1またはそれより多いピルベートを組成物に添加する工程を含む、前記方法を含む。
【0030】
[0039]本明細書に記載する本発明は、記載する特定の方法論、プロトコル、成分および試薬に限定されないことが意図され、これはこれらが多様でありうるためである。本明細書で使用する専門用語は、特定の態様のみを記載する目的のためのものであり、そしていかなる意味でも本発明の範囲を限定することは意図されないこともまた理解されるものとする。
【0031】
[0040]別に定義しない限り、本明細書で用いるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野において、一般的な当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書記載のものに類似または同等な、いかなる方法および材料を、本発明の実施または試験に使用してもよいが、好ましい方法、デバイス、および材料を本明細書に記載する。本明細書に言及するすべての刊行物は、本発明と関連して使用されうる、該刊行物に報告される材料および方法論を記載し、そして開示する目的のため、本明細書に援用される。
【0032】
[0041]本明細書において、そして付随する請求項において、単数形「a」、「an」、および「the」には、文脈が明らかに別に指示しない限り、複数の言及が含まれる。
[0042]用語「酸化防止剤」は、フリーラジカルと反応し、そしてこれらを中和することが可能な物質を意味する。こうした物質の例示的な例には、ベータ−カロテン、セレン、補酵素Q10(ユビキノン)、ルエチン(luetin)、トコトリエノール、大豆イソフラボン、S−アデノシルメチオニン、グルタチオン、タウリン、N−アセチルシステイン、ビタミンE、ビタミンC、リポ酸およびL−カルニチンが含まれる。1またはそれより多い酸化防止剤の有用なレベルを含有する食品の例には、限定されるわけではないが、イチョウ(ginkgo bilboa)、緑茶、ブロッコリー(broccoli)、柑橘類果肉、ブドウ(grape)の絞りかす、トマト(tomato)の絞りかす、ニンジン(carrot)、ほうれん草(spinach)、ならびに非常に多様な果実ミールおよび野菜ミールが含まれる。当業者には、酸化防止剤の単位は、本明細書において、「ppm」として提供されるが、適切な場合、そして例えばビタミンEのような所定の酸化防止剤に習慣的である場合、「IU/kg」としてもまた、適切な酸化防止剤量を提供可能であることが理解されるであろう。
【0033】
[0043]用語「炭水化物」には、本明細書において、加水分解された際に、エネルギーのために代謝される、多糖(例えばデンプンおよびデキストリン)および糖(例えばスクロース、ラクトース、マルトース、グルコース、およびフルクトース)が含まれる。本明細書に開示する組成物中に含めるのに適した炭水化物の例には、限定されるわけではないが、トウモロコシ(corn)、穀実用モロコシ(grain sorghum)、小麦(wheat)、大麦(barley)、およびイネ(rice)が含まれる。
【0034】
[0044]用語「ネコ」には、飼い猫または家猫として知られるコンパニオン動物であるネコが含まれる。
[0045]本発明で用いる用語「コンパニオン動物」には、ヒトによってペットとして飼われるのに適した任意の非ヒト動物が含まれ、イヌおよびネコが含まれる。本発明のすべての側面は、好ましくはネコおよび/またはイヌの治療のためである。
【0035】
[0046]本明細書において、用語「本発明の組成物」は、ピルベートを含む動物食餌食品組成物を指す。本発明の組成物には、重量約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、または約20%の量のピルベートが含まれる。本発明の組成物は、こうした組成物を与えられた動物において、変性性関節状態を緩和しうる。本発明の組成物は、炎症を緩和しうる。本発明の組成物は、関節炎状態、例えば変形性関節症、またはコンパニオン動物においてより一般的でない炎症性関節疾患、例えば関節リウマチ、乾癬性関節炎および他の変性性関節障害を軽減しうる。
【0036】
[0047]用語「イヌ」には、カニス・ファミリアリス(Canis familiaris)などのコンパニオン動物、使役犬等のイヌが含まれる。用語、イヌは、用語、イヌ科の同義語である。
【0037】
[0048]本明細書において、「有効である量」、「有効量」および類似の用語は、特定の生物学的結果を達成するのに有効でありうる、本明細書に記載するような化合物、材料または組成物の量を指す。こうした有効活性は、例えば、動物への本発明の組成物の投与によって達成されうる。有効量は、動物の理想的な体重、組成物の代謝可能なエネルギー、および本発明の組成物を動物に与える頻度、例えば1日1回、2回、または3回、ならびに動物に与える他の組成物に基づきうる。
【0038】
[0049]「食品」は、意図するレシピエント動物(例えば飼い猫または飼い犬)用の栄養的に完全な食餌である。
[0050]用語「炎症」は、傷害性刺激によって影響を受けた組織のため、傷害性刺激を取り除き、そして治癒プロセスを開始する、生物による防御の試みを指す。炎症は、急性または慢性のいずれかに分類可能である。急性炎症は、有害な刺激に対する最初の反応であり、そして血液から傷害を受けた組織内への血漿および白血球の移動増加によって達成される。生化学的事象のカスケードは、傷害を受けた組織内の局所血管系、免疫系、および多様な細胞を伴って、炎症性反応を伝播し、そして成熟させる。慢性炎症または長期炎症は、炎症部位に存在する細胞タイプの進行性のシフトを導き、そして炎症プロセスからの組織の破壊および治癒が同時に起こることによって特徴付けられる。
【0039】
[0051]本明細書において、「成分」は、組成物の任意の構成要素を指す。
[0052]本明細書において、用語「ピルベート」には、限定されるわけではないが、例えば、ピルビン酸、ならびにピルビン酸の塩およびエステルが含まれ、限定されるわけではないが:ピルビン酸カルシウム、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸リチウム、ピルビン酸カリウム、ピルビン酸マグネシウム、ピルビン酸亜鉛、ピルビン酸マンガンおよびその組み合わせが含まれる。用語「ピルベート」にはまた、ピルブアミド(pyruvamide)またはピルビル−アミノ酸の形の特定のピルベート前駆体分子も含まれる。用語、ピルビル−アミノ酸には、ピルビル−グリシン、ピルビル−グルタミン、ピルビル−リジン、ピルビル−バリン、ピルビル−イソロイシン、ピルビル−フェニルアラニン、ピルビル−プロリンおよびそのアミド、エステル、塩、ならびにその混合物が含まれる。用語「ピルベート」にはまた、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、ピルビン酸カルボメトキシメチル(carbmethoxymethyl)、ピルビン酸カルボエトキシメチル、ピルビン酸アセトキシメチル、ピルビン酸カルボメトキシエチル、ピルビン酸カルボエトキシエチル、ピルビン酸メトキシメチルおよびピルビン酸エトキシメチルなどのピルビン酸誘導体も含まれる。用語「ピルベート」にはまた、前述の物質いずれかの混合物も含まれる。特定の好ましい態様において、ピルベートはピルビン酸カルシウムである。
【0040】
[0053]用語「試料」および「標本」は、例えばポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、代謝産物等を含有する任意の動物組織または液体を意味し、これには、細胞、ならびにDNAおよびRNAを含有する他の組織が含まれる。例には:血液、軟骨、結合組織、上皮、リンパ、筋肉、神経、痰等が含まれる。試料は、固体または液体であってもよく、そしてDNA、RNA、cDNA、血液または尿などの体液、細胞、細胞調製物あるいはその可溶性分画または媒体アリコット、染色体、細胞内小器官等であってもよい。
【0041】
[0054]本明細書において、「可溶性繊維」は、消化中に水を誘引し、そして栄養吸収速度を遅らせ、そして典型的には、例えばオーツ麦(oat)のふすま、種子、豆、ならびに特定の果実および野菜、例えばビートパルプ、グアーガム、チコリの根、サイリウム、ペクチン、ブルーベリー(blueberry)、クランベリー(cranberry)、カボチャ(squash)、リンゴ(apple)、オーツ麦、豆、柑橘類、大麦およびエンドウ豆(pea)に見られる。本明細書において、該用語は、当業者には明らかであろうように、本明細書に開示する組成物に適した可溶性繊維のいかなる供給源も含む。
【0042】
[0055]用語「物質」は、動物において、変性性関節状態の開始または重症度を診断するか、予後診断するか、または調節するのに潜在的に有用でありうる要素、化合物、分子、またはその混合物あるいは任意の他の物質を意味し、いかなる薬剤、化学実体または生物学的実体も含む。
【0043】
[0056]本明細書において、用語「栄養補助食品(単数または複数)」には、限定されるわけではないが、全体での栄養バランスまたは性能を改善するために、別の餌とともに用いる餌が含まれる。栄養補助食品には、限定されるわけではないが、他の餌に対する栄養補助食品として、希釈せずに与えられる組成物、別個に入手可能である、動物の割り当ての他の部分との自由な選択を提供する組成物、または希釈されそして動物の通常の餌と混合されて、完全な餌を生じる組成物が含まれる。AAFCOガイドラインは、例えば、The Association of American Feed Control Officials, Inc.(AAFCO)機関紙, Atlanta, GA, 2005、またはNational Research CouncilのNutrient Requirements of Dogs and Cats, The National Academy Press, Washington, D.C., 2006における栄養補助食品に関する考察を含有する。
【0044】
[0057]栄養補助食品は、例えば粉末、液体、シロップ、丸剤、被包組成物等を含む、多様な型であってもよい。
[0058]用語「栄養分」は、栄養を提供する物質を指す。いくつかの場合、成分は、1より多い「栄養分」を含んでもよく、例えば、組成物は、成分として魚油を含んでもよく、該魚油はそれ自体、エイコサペンタン酸およびドコサヘキサエン酸などの重要な栄養分を含む。これらの用語の区別は、当業者にはよく知られている。
【0045】
[0059]本明細書に意図するように、本発明の組成物は、ピルベートをさらに含む、栄養的に完全でそしてバランスが取れた動物食品組成物を含むと意味される。「栄養的に完全な食餌」は、この食餌を与えられている健康な動物の正常な健康状態を維持するのに十分な栄養分を含む食餌である。
【0046】
[0060]栄養的に完全でそしてバランスが取れたペットフード組成物は、当業者によく知られている。例えば、栄養的に完全でそしてバランスが取れた動物餌組成物に適した栄養分および成分などの物質、ならびにその推奨される量は、例えば、The Association of American Feed Control Officials, Inc.(AAFCO)機関紙, Atlanta, GA, 2005、またはNational Research CouncilのNutrient Requirements of Dogs and Cats, The National Academy Press, Washington, D.C., 2006に見出されうる。
【0047】
[0061]例えば、本発明の栄養的に完全でそしてバランスが取れたペットフード組成物は:重量約0〜約90%、好ましくは約5%〜60%の炭水化物;重量約5%〜約70%、好ましくは約10%〜約60%のタンパク質;重量約2%〜約50%、好ましくは約5%〜約40%の脂肪;重量約0.1%〜約40%、好ましくは約1%〜約11%の総食物繊維;重量約0〜約15%、好ましくは約2%〜約8%のビタミンおよびミネラル、酸化防止剤、および動物の栄養上の必要性を補助する他の栄養分;ならびに重量約0.1%〜約20%のピルベートを含んでもよい。
【0048】
[0062]本発明の1つの態様は、1またはそれより多いピルベートを含む、コンパニオン動物のための食用組成物を含む。
[0063]本発明の組成物には、軟骨組織からのGAGの放出を減少させ、そして関節炎状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するための、関節軟骨に対する分解を含む変性性関節状態を防止し、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するために有効な量のピルベートが含まれる。
【0049】
[0064]あるいは、本発明の組成物には、コンパニオン動物による消費用の食用組成物の嗜好性を増進させるのに有効な量のピルベートが含まれてもよい。
[0065]一般的に、組成物中で有効な量には、組成物重量の最大約20%、重量の最大約18%、重量の最大約16%、重量の最大約14%、重量の最大約12%、重量の最大約10%、重量の最大約9%、重量の最大約8%、重量の最大約7%、重量の最大約6%、重量の最大約5%、重量の最大約4%、重量の最大約3%、重量の最大約2%、または重量の最大約1%の量の1またはそれより多いピルベートが含まれる。特定の態様において、1またはそれより多いピルベートは、組成物重量の0.5〜1.0%の量で存在し、そして他の態様において、1またはそれより多いピルベートは、組成物重量のおよそ0.7%の量で存在する。
【0050】
[0066]本発明は、コンパニオン動物による消費用の組成物に、1またはそれより多いピルベートを添加すると、組成物の嗜好性が増進し、そして動物が該組成物を消費する可能性が増加するという新規発見に基づく。コンパニオン動物による消費用の組成物に、1またはそれより多いピルベートを添加すると、また、組成物の摂取頻度および摂取速度も増加する。本発明のこの特徴は、これまでに、コンパニオン動物用の栄養的に完全な食餌組成物、特に状態または障害を治療するのに有用な、本明細書に開示し、そして請求する組成物を設計する際に、あるいはコンパニオン動物において健康な体組成を維持するかまたは促進する、コンパニオン動物用の栄養的に完全な食餌組成物を設計する際に、認識されなかった。
【0051】
[0067]本発明は、一般的に、ある量のタンパク質、ある量の脂肪、ある量の炭水化物、ある量の繊維、およびコンパニオン動物において炎症または炎症性障害を防止するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを含む、コンパニオン動物用のペットフード組成物を含む。
【0052】
[0068]特定の態様において、有効量のピルベートは、少なくとも重量0.1%のピルベートである。本発明の他の態様において、1またはそれより多いピルベートは、乾燥重量に基づいて、重量約0.1%〜約20%の範囲で存在する。好ましい態様において、ピルベートは、乾燥重量に基づいて、重量約0.7%の量で存在する。
【0053】
[0069]特定の態様において、コンパニオン動物はイヌである。
[0070]特定の態様において、コンパニオン動物はネコである。
[0071]多様な態様において、本発明のコンパニオン動物は、飼い猫(フェリス・ドメスティクス(Felis domesticus))または飼い犬(カニス・ドメスティクス(Canis domesticus))である。他のコンパニオン動物には、魚類、鳥類およびウマが含まれる。
【0054】
[0072]特定の態様において、コンパニオン動物は高齢の動物である。
[0073]特定の態様において、食餌食品組成物は、高齢の動物または関節炎を患う動物に投与可能である。
【0055】
[0074]1またはそれより多いピルベートに加えて、食用組成物にはまた、コンパニオン動物による消費に適した少なくとも1つの構成要素も含まれてもよく、これには、限定されるわけではないが、脂肪、炭水化物、タンパク質、繊維、ビタミン、ミネラル、および微量元素などの栄養バランス化剤、ならびにその混合物が含まれる。一般の当業者は、動物の食餌上の必要性、例えば動物の種、年齢、サイズ、体重、健康状態、および機能に基づいて、典型的な食品用の食品成分の量およびタイプを選択することも可能である。
【0056】
[0075]「栄養的に完全な食餌」は、この食餌を与えられている健康な動物の正常な健康状態を維持するために十分な栄養分を含む食餌である。本発明の方法は、タンパク質性または脂肪成分または製品型の任意の特異的列挙によって制限されるように意図されない組成物を利用する。組成物は、慣用的なペットフードプロセスを用いて、例えば、乾燥型、缶詰型、湿潤型、または中間の湿った型で調製可能である。
【0057】
[0076]食品組成物には、任意の特定の食品成分が最大約100%含まれてもよいし、または多様な比の食品成分の混合物が含まれてもよい。特定の態様において、食品組成物には、約0重量%〜50重量%の脂肪、0重量%〜75重量%の炭水化物、0重量%〜95重量%のタンパク質、0重量%〜40重量%の食物繊維、および0重量%〜15重量%の1またはそれより多い栄養バランス化剤の量の食品成分の組み合わせが含まれる。
【0058】
[0077]1つの例示的な態様において、組成物は、例えば、1またはそれより多いピルベートに加えて、以下:
(a)約0%〜約75%の炭水化物;
(b)約2%〜約50%の脂肪;
(c)約0%〜約40%の食物繊維、および
(d)約0%〜約15%の1またはそれより多い栄養バランス化剤
の少なくとも1つもまた含む。
【0059】
[0078]特定の態様において、脂肪および炭水化物食品成分は、動物脂肪、魚油、野菜油、肉、肉副産物、穀物、他の動物または植物供給源、およびその混合物などの多様な供給源から得られる。穀物には、小麦、トウモロコシ、大麦、およびイネが含まれる。特定の態様において、タンパク質は、植物供給源、動物供給源、または両方を含む、当業者に知られる多様な供給源のいずれかによって供給されてもよい。動物供給源には、例えば肉、肉副産物、シーフード、乳製品、卵等が含まれる。肉には、例えば、家禽、魚および哺乳動物(例えばウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ等)の肉が含まれる。肉副産物には、例えば、肺、腎臓、脳、肝臓、ならびに胃および腸(その内容物のすべてまたは本質的にすべてを含まない)が含まれる。タンパク質は、損なわれていなくても(intact)よいし、ほぼ完全に加水分解されていてもよいし、または部分的に加水分解されていてもよい。当業者に知られる多くの方法のいずれかによって、例えばAssociation of Official Analytical Chemistsによって、Official Methods of Analysis(「OMA」)中に公表されるように、食品のタンパク質含量を決定することも可能である。本明細書に開示する組成物中の「未精製タンパク質」の量を、当業者によく知られる方法にしたがい、組成物中の窒素量に基づいて決定してもよい。
【0060】
[0079]本発明の組成物には、欠乏を回避し、そして健康を維持するために必要な量のアミノ酸もまた含まれうる。これらの量および測定法が当業者に知られる。例えば、AAFCOは、イヌおよびネコのため、こうした成分の推奨される量を提供する。本組成物中のアミノ酸は、未精製タンパク質を含む多くの供給源のいずれかによって、または組成物への遊離アミノ酸の添加によって、供給可能である。
【0061】
[0080]脂肪は、肉、肉副産物、魚油、および植物を含む、当業者に知られる多様な供給源のいずれかによって供給されてもよい。植物脂肪供給源には、小麦、亜麻仁、ライ麦(rye)、大麦、イネ、ソルガム、トウモロコシ、オーツ麦、アワ(millet)、小麦胚芽、トウモロコシ胚芽、大豆(soybean)、ピーナッツ(peanut)、および綿実、ならびにこれらのおよび他の植物脂肪供給源から得られる油が含まれる。当業者に知られる多くの方法のいずれかによって、食品の脂肪含量を決定することも可能である。
【0062】
[0081]オーツ麦繊維、セルロース、ピーナッツの殻、ビートパルプ、湯通しした米、コーンスターチ、トウモロコシ・グルテンミール、およびこれらの供給源の任意の組み合わせを含む、当業者に知られる多様な供給源のいずれかによって、炭水化物を供給することも可能である。炭水化物を供給する穀物には、限定されるわけではないが、小麦、トウモロコシ、大麦、およびイネが含まれる。食品の炭水化物含量は、当業者に知られる多くの方法のいずれかによって決定可能である。一般的に、炭水化物の割合は、窒素不含抽出物(「NFE」)として計算可能であり、これは、以下のように計算可能である: NFE=100%−水分%−タンパク質%−灰分%−未精製繊維%。
【0063】
[0082]本明細書において、「繊維ブレンド」には、乾燥物質に基づいて、1〜5%の間の総食物繊維レベルの可溶性および不溶性繊維の組み合わせが含まれる。繊維供給源は、セルロース、ヘミセルロース、難消化性デンプン、あるいはオリゴ糖、例えばガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、またはフルクトオリゴ糖の組み合わせであってもよい。
【0064】
[0083]食物繊維は、動物の消化酵素による消化に対して抵抗性である植物構成要素を指す。食品の食物繊維構成要素は、OMAによって公表されるものなどの当業者に知られる多くの方法のいずれかによって決定可能である。食物繊維には、可溶性および不溶性繊維が含まれる。
【0065】
[0084]可溶性繊維は、小腸における消化および吸収に対して抵抗性であり、そして大腸において完全なまたは部分的な発酵を経るものであり、例えばビートパルプ、グアーガム、チコリの根、サイリウム、ペクチン、ブルーベリー、クランベリー、カボチャ、リンゴ、オーツ麦、豆、柑橘類、大麦、またはエンドウ豆である。不溶性繊維は、セルロース、全粒小麦製品、小麦、オーツ麦、トウモロコシのふすま、亜麻仁、ブドウ、セロリ(celery)、サヤマメ(green bean)、カリフラワー(cauliflower)、ジャガイモ(potato)の皮、果実の皮、野菜の皮、ピーナッツの殻、および大豆繊維を含む、多様な供給源のいずれかによって供給されてもよい。食品の可溶性および不溶性繊維含量は、当業者に知られる多くの方法のいずれかによって決定することも可能である。未精製繊維には、穀物などの植物、例えば穀物、例えばイネ、トウモロコシ、および豆の殻の細胞壁および細胞内容物に含有される難消化性構成要素が含まれる。食品の未精製繊維含量は、当業者に知られる多くの方法のいずれによって決定することも可能である。
【0066】
[0085]特定の態様において、繊維食品成分は、野菜繊維供給源、例えばセルロース、ビートパルプ、ピーナッツの殻、および大豆繊維などの多様な供給源から得られる。
[0086]食餌の代謝可能エネルギー(ME)は、糞便、尿、および可燃性ガス中に排出されるエネルギーを減じた後の、食餌消費に際して動物が利用可能となるエネルギーである。The Association of American Feed Control Officials, Inc.機関紙またはNational Research CouncilのNutrient Requirements of Dogs and Cats, The National Academy Press, Washington, D.C., 2006に詳述されるものなどの、当業者に知られる方法によって、代謝可能エネルギー値を決定することも可能である。
【0067】
[0087]「灰分」は、有機物でも水でもなく、一般的に生物学的物質の燃焼によって産生される化合物からなる。灰分は、当業者に知られる多くの方法のいずれによって決定することも可能である。
【0068】
[0088]カルニチン、またはL−カルニチンは、体内で、リジンおよびメチオニンから合成されるビタミン様化合物である。カルニチンは、本発明の成分中に天然に存在してもよいし、またはカルニチンを組成物に添加してもよい。
【0069】
[0089]本発明の組成物はまた、1またはそれより多いミネラルおよび/または微量元素、例えばカルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、または鉄塩も含有してもよい。1つの特定の微量元素はマンガンである。マンガンは、タンパク質、脂肪、および炭水化物を含む、食品の代謝を制御可能な、多くの酵素の補因子として必須である。こうした酵素には、酸化還元酵素、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼ、レクチン、およびインテグリンが含まれうる。マンガンはまた、骨発生および神経学的機能にも影響を及ぼす。マンガンは、組成物の構成要素中、天然に存在する可能性もあるし、または組成物に添加されてもよい。組成物中のマンガン含量を測定する方法は、当業者に周知である。
【0070】
[0090]本発明の組成物にはまた、欠乏を回避し、そして健康を維持するために必要な量のビタミンおよびミネラルもまた含まれてもよい。これらの量および測定法が当業者に知られる。例えば、AAFCOは、イヌおよびネコのため、こうした成分の推奨される量を提供する。本明細書に意図されるように、有用なビタミンには、限定されるわけではないが、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンH(ビオチン)、ビタミンK、葉酸、イノシトール、ナイアシン、およびパントテン酸が含まれてもよい。
【0071】
[0091]特定の態様において、栄養バランス化剤は、当業者に知られる多様な供給源、例えばビタミンおよびミネラル栄養補助食品および食品成分から得られる。ビタミンおよびミネラルは、欠乏を回避し、そして健康を維持するために必要な量で含まれてもよい。これらの量は当該技術分野において容易に入手可能である。The Association of American Feed Control Officials, Inc.は、イヌおよびネコのため、こうした栄養分の推奨される量を提供する。食品添加物として一般的に有用なビタミンには、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビオチン、ビタミンK、葉酸、イノシトール、ナイアシン、およびパントテン酸が含まれてもよい。食品添加物として有用なミネラルおよび微量元素には、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、亜鉛、塩化物、鉄、セレン、ヨウ素、および鉄が含まれる。
【0072】
[0092]特定の態様において、食品組成物は、当業者に知られる充填剤、嗜好性増進剤、結合剤、フレーバー、安定化剤、乳化剤、甘味料、着色料、緩衝剤、塩、コーティング剤等を含有してもよい。安定化剤には、保存剤、共力剤および金属イオン封鎖剤、パッケージングガス、安定化剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、および保湿剤などの、組成物の保存可能期間を増加させる傾向がある物質が含まれる。乳化剤および/または増粘剤の例には、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、および修飾デンプンが含まれる。各組成物構成要素、食品成分、および他の成分の特定の量は、組成物中に含まれる特定の構成要素および成分;動物の種;動物の年齢、体重、全身健康状態、性別、および食餌;動物の消費速度;治療中の疾患または状態のタイプ等の多様な要因に応じるであろう。したがって、構成要素および成分の量は、非常に多様であってもよく、そして本明細書に記載する好ましい比率から逸脱してもよい。
【0073】
[0093]本発明は、コンパニオン動物において、状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するのに有効な量で、1またはそれより多いピルベートが存在する、ペットフード組成物または栄養補助食品を含む。1またはそれより多いピルベートの有効量は、治療中の患者、特定の投与方式、使用する特定の活性成分の活性、患者の年齢、体重、全身健康状態、性別および食餌、投与時期、排出速度、使用する成分の特定の組み合わせ、栄養補助食品または栄養的に完全な食餌の主な成分の総含量、ならびに疾病または症状の重症度に応じて多様でありうる。これらの要因を考慮することは、一般の当業者の技術の範囲内である。
【0074】
[0094]食品組成物はさらに、トウモロコシ、家禽ミール、獣油、嗜好性増進剤、塩化カリウム、ヨウ素添加塩、炭酸カルシウム、塩化コリン、ミネラル・プレミックス、保存剤、ビタミン・プレミックスなどの他の成分を含有してもよい。食品はタンパク質を含有してもよい。タンパク質は動物タンパク質であってもよい。動物タンパク質は総タンパク質の一部であってもよい。動物タンパク質は、総タンパク質の50%、70%、80%、90%、95%、99%または100%であってもよい。食品は、酸化防止剤、例えばビタミンEを含有してもよい。酸化防止剤は、約0.0001U/g〜3.0U/g食品の間、例えば0.18U/gで存在してもよい。食品は、重量1%〜重量5%の間のエイコサペンタン酸(EPA)を含有してもよい。n−3およびn−6脂肪酸などの脂肪酸もまた、含まれてもよい。脂肪酸は、重量約0.05%〜5%で存在してもよい。n−3脂肪酸は、約0.0001%〜2%で存在してもよい。n−6脂肪酸は、重量約0.5%〜5%で存在してもよい。食品は、繊維、例えば未精製繊維を含有してもよい。繊維は、重量0.001%〜10%の間で存在してもよい。
【0075】
[0095]栄養補助食品の有効量は、治療中の患者、特定の投与様式、使用する特定の活性成分の活性、患者の年齢、体重、全身健康状態、性別および食餌、投与時期、排出速度、使用する成分の特定の組み合わせ、栄養補助食品の主な成分の総含量、ならびに疾病または症状の重症度に応じて多様でありうる。これらの要因を考慮することは、一般の当業者の技術の範囲内である。
【0076】
[0096]本明細書記載の本発明の1またはそれより多い有益な効果を提供するために、安全でそして有効な量の1またはそれより多い本明細書に論じるピルベート、およびアカニレ(slippery elm)または緑茶より得られうる1またはそれより多い、場合による成分、ならびに以下に記載する1またはそれより多い、さらなる場合による成分を用いて、本発明のピルベート含有食餌食品または栄養補助食品を配合してもよい。本発明の栄養補助食品はまた、薬学的に許容されうるキャリアーとともに配合されてもよい。
【0077】
[0097]本発明の栄養補助食品中に場合によって含まれてもよい他の材料には、イノシトール、他のビタミンB複合体、および抗炎症剤が含まれる。また、甘味料、フレーバー剤、着色剤、色素、保存剤、乳化剤、懸濁剤、溶融剤、賦形剤、および溶媒または希釈剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、ならびにその多様な組み合わせが、本発明のピルベート含有食品または栄養補助食品に含まれてもよい。
【0078】
[0098]本発明のピルベート含有食品または栄養補助食品中で使用可能な、場合による甘味料には、限定されるわけではないが、栄養補助食品の主な成分と化学的に相互作用しないために十分に少量で、キャリアー中に添加されてもよい、サッカリン、アスパルテーム、シクラメート、アセスルファムK、ネオヘスペリジン・ジヒドロカルコン、他の甘味料、およびその混合物が含まれる。
【0079】
[0099]本発明のピルベート含有食品または栄養補助食品中で使用可能な、場合によるフレーバー剤には、限定されるわけではないが、ペパーミント、ペパーミント−メントール、ユーカリプトール・ウィンターグリーン、甘草、丁子、シナモン、スペアミント、チェリー、レモン、オレンジライム、メントールおよび多様なその組み合わせが含まれる。
【0080】
[00100]こうした添加剤は、本発明によって提供される目的および効果を損なわない量で存在する。添加剤の例には、例えば、安定化効果を持つ物質、プロセシング補助剤、嗜好性を増進させる物質、着色物質、および栄養上の利点を提供する物質が含まれる。
【0081】
[00101]安定化物質には、例えば、組成物の保存期間を増加させる傾向がある物質が含まれる。こうした物質の潜在的に適切な例には、例えば、保存剤、酸化防止剤、共力剤および金属イオン封鎖剤、パッケージングガス、安定化剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、および保湿剤が含まれる。乳化剤および/または増粘剤の例には、例えば、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、および修飾デンプンが含まれる。
【0082】
[00102]着色、嗜好性、および栄養上の目的のための添加物には、例えば、着色剤(例えば酸化鉄、例えば赤色、黄色、または茶色型);塩化ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、および他の食用塩;ビタミン;ミネラル;およびフレーバー剤が含まれる。こうした添加剤は当該技術分野に知られる。例えば、米国特許第3,202,514号を参照されたい。また、米国特許第4,997,671号もまた参照されたい。フレーバー剤には例えば、乳製品フレーバー剤(例えば牛乳またはチーズ)、食肉フレーバー剤(例えばベーコン、レバー、ビーフ、家禽、または魚)、オレオレジン、ピナコール、およびFEMA(Flavor Extract Manufacturers Association)番号によって取引において同定される、多様なフレーバー剤が含まれる。フレーバー剤は、さらなる嗜好性を提供するのを補助し、そして当該技術分野に知られる。例えば、米国特許第4,997,672号を参照されたい。米国特許第5,004,624号、米国特許第5,114,704号、米国特許第5,532,010号、および米国特許第6,379,727号もまた参照されたい。組成物中のこうした添加物の濃度は、典型的には最大重量約5%である。いくつかの態様において、こうした添加物の濃度(特にこうした添加物が主に栄養バランス化剤、例えばビタミンおよびミネラルである場合)は、重量約0%〜約2.0%である。いくつかの態様において、こうした添加剤の濃度(やはり、特にこうした添加剤が主に栄養バランス化剤である場合)は、重量約0%〜約1.0%である。
【0083】
[00103]本発明の組成物には、1またはそれより多い疾患または状態を防止するかまたは治療するための、1またはそれより多いさらなる成分が含まれてもよい。これを達成する食餌中の構成要素は、酸化防止剤またはその混合物であってもよい。酸化防止剤は、フリーラジカルを抑える物質である。こうした物質の例には、すべて好ましくは乾燥した、イチョウ、柑橘類果肉、ブドウの絞りかす、トマトの絞りかす、ニンジンおよびほうれん草などの食品、ならびに多様な他の物質、例えばベータ−カロテン、セレン、補酵素Q10(ユビキノン)、ルテイン、トコトリエノール、大豆イソフラボン、S−アデノシルメチオニン、グルタチオン、タウリン、N−アセチルシステイン、ビタミンE、ビタミンC、アルファ−リポ酸、l−カルニチン等が含まれる。トコフェロールまたはトコフェロールおよび多様なその誘導体、例えば酢酸、コハク酸、パルミチン酸ビタミンEのようなエステルなどのその多様な誘導体の混合物として、ビタミンEを投与してもよい。アルファ型が好ましいが、ベータ、ガンマおよびデルタ型が含まれてもよい。d型が好ましいが、ラセミ混合物が許容されうる。こうした型および誘導体は、ペットによって摂取された後、ビタミンE様活性で機能するであろう。この食餌中で、ビタミンCをアスコルビン酸およびその多様な誘導体、例えばリン酸カルシウム塩、コレステリル塩、2−一リン酸塩等として投与してもよく、これらはペットによって摂取された後、ビタミンC様活性で機能するであろう。これらは例えば、液体、半固体、固体および熱安定型などのいかなる型であってもよい。食餌中でL−カルニチンを投与してもよいし、そしてカルニチンの多様な誘導体、例えば塩酸塩、フマル酸塩およびコハク酸塩、ならびにアセチル化カルニチンなどの塩等を用いてもよい。
【0084】
[00104]特定の態様において、組成物にはさらに、グルコサミン、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、メチルスルホニルメタン(「MSM」)、クレアチン、酸化防止剤、モエギイガイ(Perna canaliculata)、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、トコフェロール、アスコルベート、カルシウム、塩化物、システイン、マグネシウム、マンガン、メチオニン、リン、カリウム、鉄、必須アミノ酸およびその混合物からなる群より選択される少なくとも1つの物質の有効量が含まれる。
【0085】
[00105]特定の態様において、ペットフード組成物は、さらに、以下:ビタミンE、エイコサペンタン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、他のn−3脂肪酸、n−6脂肪酸、未精製繊維、可溶性繊維、および前述の成分の混合物のいずれかを含む。
【0086】
[00106]本明細書に意図されるように、本発明で使用するための機能性成分および栄養物には、クルミ(walnut)油、ゴマ(sesame)油、ヒマワリ(sunflower)油、カプシビオール−T、ザクロ(pomegranate)、モクレン(magnolia)、リポ酸、ビタミンC、ショウガ(ginger)、緑茶および紅茶が、場合によって可溶性および不溶性繊維の最適な繊維ブレンドとともに含まれる。前記成分の配合物のジュース、抽出物、パルプまたは他の型が含まれる。
【0087】
[00107]多様な態様において、ペットフード組成物には、トウモロコシ、家禽ミール、嗜好性増進剤、塩化カリウム、ヨウ素添加塩、炭酸カルシウム、塩化コリン、ミネラル、ミネラル・プレミックス、保存剤、ビタミン、およびその混合物がさらに含まれてもよい。特定の態様において、食餌食品組成物にはさらに、L−トリプトファンが含まれてもよい。食餌中に投与される量は、すべて、食餌の重量%(乾燥物質に基づく)であり、それ自体、活性物質として計算され、すなわち遊離物質として測定される。使用される最大量は、毒性をもたらしてはならない。少なくとも約100ppmまたは少なくとも約150ppmのビタミンEが使用可能である。500〜1,000ppmの好ましい範囲を使用可能である。必要ではないが、約2000ppmまたは約1500ppmの最大値は、一般的には超えない。ビタミンCに関しては、少なくとも約50ppmを用い、望ましくは、少なくとも約75ppm、そしてより望ましくは少なくとも約100ppmを用いる。非毒性の最大値を使用してもよい。リポ酸の量は、少なくとも約25、望ましくは少なくとも約50ppm、より望ましくは約100ppmで多様であってもよい。最大量は、100ppm〜600ppmまで、またはペットにとって非毒性であり続ける量までで多様であってもよい。好ましい範囲は、100ppm〜200ppmである。l−カルニチンに関しては、イヌについて約50ppm、望ましくは約200ppm、より望ましくは約300ppmが有用な最小値である。ネコに関しては、わずかにより高いl−カルニチン最小値、例えば約100ppm、200ppm、および500ppmを使用してもよい。非毒性最大量、例えば約5,000ppm未満を使用してもよい。イヌに関しては、より低い量が使用可能であり、例えば約5,000ppm未満である。イヌに関しては、好ましい範囲は200ppm〜400ppmである。ネコに関しては、好ましい範囲は400ppm〜600ppmである。1〜15ppmのベータ−カロテンを使用してもよい。0.1〜最大5ppmまでのセレンを使用してもよい。少なくとも約5ppmのルテインを使用してもよい。少なくとも約25ppmのトコトリエノールが使用可能である。少なくとも約25ppmの補酵素Q10が使用可能である。少なくとも約50ppmのS−アデノシルメチオニンが使用可能である。少なくとも約1000ppmのタウリンが使用可能である。少なくとも約25ppmの大豆イソフラボンが使用可能である。少なくとも約50ppmのN−アセチルシステインが使用可能である。少なくとも約50ppmのグルタチオンが使用可能である。少なくとも50ppmのイチョウ抽出物が使用可能である。
【0088】
[00108]多様な態様において、ピルベートを動物食品に添加してもよい。多様な態様において、現場で(at a site)調剤者または製造者によって、あるいは動物に与える前に動物の世話係役によって、ピルベートを動物食品に添加してもよい。多様な態様において、動物食品のプロセシング中、例えば組成物の他の構成要素と混合しながらそして/または混合した後、ピルベートを添加してもよく、次いでこれをパッケージングし、そして消費者に入手可能にする。こうしたプロセシングには、押出、缶詰、焼成等、あるいは当業者に知られる任意の他のペットフード製造法または製造プロセスが含まれうる。多様な態様において、動物または植物構成要素のような天然供給源によって、ピルベートを提供してもよいし、あるいは合成的に得られる供給源によってピルベートを提供してもよいし、あるいは天然および合成供給源の混合物によってピルベートを提供してもよい。
【0089】
[00109]当業者に知られる慣用的な食品調製プロセスを用いて、缶詰型または湿潤型で、本発明の食用組成物を調製してもよい。典型的には、粒状にした動物タンパク質性組織を、他の成分、例えば魚油、穀物、バランス化成分、特別な目的の添加物(例えばビタミンおよびミネラル混合物、無機塩、セルロースおよびビートパルプ、充填剤等)およびプロセシングに十分な量の水と混合する。構成要素をブレンドしながら、これらの成分を加熱に適した容器中で混合する。任意の適切な方式を用いて、例えば直接蒸気を注入するか、または熱交換器を取り付けた容器を用いて、混合物の加熱を達成する。適切な温度に加熱したら、物質は、典型的には粘度が高い液体の形であろう。粘度が高い液体を缶に満たす。蓋を適用し、そして容器を密封する。次いで、密封した缶を、内容物を滅菌するように設計された慣用的な装置内に入れる。調製前、調製中、または調製後に、本発明の組成物を食品組成物に添加してもよい。
【0090】
[00110]当業者に知られる慣用的なプロセスを用いて、乾燥型で、食品組成物を調製してもよい。典型的には、乾燥成分、例えば動物タンパク質、植物タンパク質、穀物等を粒にして、そしてともに混合する。次いで、脂肪、油、動物タンパク質、水等を含む、湿ったまたは液体成分を乾燥混合物に添加し、そして混合する。次いで、混合物をキブルまたは類似の乾燥した片にプロセシングする。キブルはしばしば、乾燥および湿潤成分の混合物を高圧および高温で機械的作用に供し、そして小さい開口部を通じて押出し、そして回転するナイフによって切り落として、キブルにする、押出プロセスを用いて形成される。次いで、湿ったキブルを乾燥させて、そして場合によって1またはそれより多い局所コーティング、例えばフレーバー、脂肪、油、粉末等でコーティングする。キブルはまた、押出でなく、焼成プロセスを用いて、練り粉(dough)から作製することも可能であり、この場合、乾燥加熱プロセス前に、練り粉を型に入れる。
【0091】
[00111]本発明の方法で用いるための組成物を調製する際、任意の成分(例えば魚油)は、一般的に、例えば、配合物プロセシング中に、例えば組成物の他の構成要素との混合中および/または混合後に、組成物に取り込まれてもよい。慣用的な手段によって、組成物内へのこれらの構成要素の分配を達成してもよい。1つの態様において、粉末にした動物および家禽タンパク質性組織を、魚油、穀物、他の栄養バランス化成分、特別の目的の添加物(例えばビタミンおよびミネラル混合物、無機塩、セルロースおよびビートパルプ、充填剤等)を含む、他の成分と混合して;そしてプロセシングに十分な水もまた添加する。
【0092】
[00112]本発明の方法には、慣用的プロセスを用いて、乾燥型に調製可能な組成物を利用する工程が含まれる。1つの態様において、例えば動物タンパク質供給源、植物タンパク質供給源、穀物等を含む、乾燥成分を粉状にし、そして一緒に混合する。次いで、脂肪、油、動物タンパク質供給源、水等を含む、湿ったまたは液体成分を添加して、そして乾燥混合物と混合する。次いで、混合物をプロセシングして、キブルまたは類似の乾燥片にする。キブルはしばしば、乾燥および湿潤成分の混合物を高圧および高温で機械的作用に供し、そして小さい開口部を通じて押出し、そして回転するナイフによって切り落として、キブルにする、押出プロセスを用いて形成される。次いで、湿ったキブルを乾燥させて、そして場合によって1またはそれより多い局所コーティング、例えばフレーバー、脂肪、油、粉末等でコーティングする。キブルはまた、押出でなく、焼成プロセスを用いて、練り粉から作製することも可能であり、この場合、乾燥加熱プロセス前に、練り粉を型に入れる。
【0093】
[00113]組成物はまた、咀嚼が容易であるように設計されてもよい。ドッグフードおよびキャットフードは、典型的には、ライフステージ(年齢)、サイズ、体組成、および品種に基づいて配合される。本発明の方法において、組成物のいくつかの態様は、高齢の普通または小型品種のイヌ、大型品種のイヌ、およびネコの間の特定の栄養上の相違に取り組む。
【0094】
[00114]本明細書に示すすべての割合は、特に別に記載しない限り、乾燥物質に基づく。
[00115]1つの態様において、組成物は、コンパニオン動物食品組成物またはペットフードの形である。
【0095】
[00116]任意のコンシステンシーまたは水分含量の食品が意図され、例えば本発明の組成物は、湿った、やや湿った、または乾燥した動物食品組成物であってもよい。「湿った」食品は、60〜90%またはそれより多い水分含量を有する食品を指す。「乾燥」食品は、3〜11%水分含量の組成物を指し、そしてしばしば、小さいビットまたはキブルの形で製造される。「やや湿った」は、25〜35%水分含量の組成物を指す。本明細書にやはり意図されるのは、多様なコンシステンシーの構成要素、ならびに1より多いコンシステンシーを含んでもよい構成要素、例えば柔らかく腰がある(chewy)食肉様粒子、ならびに例えば米国特許第6,517,877号に記載されるような外側のシリアル構成要素および内側のクリーム構成要素を有するキブルを含んでもよい組成物である。
【0096】
[00117]食用組成物は、液体または固形食品であってもよい。組成物が液体である場合、ピルベートを他の構成要素と混合してもよい。組成物が固形である場合、ピルベートを組成物上にコーティングするか、組成物内に取り込むか、または両方を行ってもよい。
【0097】
[00118]特定の態様において、食用組成物は栄養補助食品であってもよい。栄養補助食品には、例えば、全体の栄養バランスまたは性能を改善するために、別の餌とともに用いられる餌が含まれる。栄養補助食品には、他の餌に対する栄養補助食品として、希釈せずに与えられるもの、別個に利用可能である、動物の割り当ての他の部分との自由な選択を提供するもの、または希釈されそして動物の通常の餌と混合されて、完全な餌を生じるものが含まれる。AAFCOは、例えば、The Association of American Feed Control Officials, Inc.機関紙(2009)において、栄養補助食品に関する考察を提供する。栄養補助食品は、例えば、粉末、液体、シロップ、丸剤、被包組成物等を含む、多様な型であってもよい。
【0098】
[00119]特定の態様において、食用組成物はおやつであってもよい。おやつには、動物が食事時間でない際に食べるように気を引くよう、動物に与えられる組成物、例えばイヌのためのイヌ用骨が含まれる。おやつは、組成物が1またはそれより多い栄養分を含む栄養があるものであってもよいし、そして食品に似た組成を有してもよい。栄養価がないおやつは、非毒性の他のいかなるおやつも含む。組成物または構成要素をおやつの上にコーティングするか、おやつの中に取り込むか、またはその両方を行う。乾燥食品で用いるものと同様に、押出または焼成プロセスによって、本発明のおやつを調製してもよい。他のプロセスもまた用いて、現存するおやつ型の外部上に組成物をコーティングするか、または現存するおやつ型の中に組成物を注入してもよい。
【0099】
[00120]特定の態様において、食用組成物は、おもちゃであってもよい。おもちゃには、人工骨などのチュアブルであるおもちゃが含まれる。少なくとも1つのピルベートは、おもちゃの表面上のコーティング、またはおもちゃの構成要素表面上のコーティングを形成してもよいし、部分的にまたは完全におもちゃ全体に取り込まれてもよいし、あるいはその両方であってもよい。1つの態様において、1またはそれより多いピルベートは、意図される使用者によって口腔でアクセス可能である。現在市販される、広い範囲の適切なおもちゃがあり、例えば米国特許第5,339,771号、米国特許第5,419,283号、および該特許に開示される参考文献を参照されたい。本発明は、部分的に消費可能なおもちゃ、例えばプラスチック構成要素を含むおもちゃ、および完全に消費可能なおもちゃ、例えば生皮および多様な人工骨の両方を提供する。本発明は好ましくは、イヌまたはネコによって使用されるおもちゃを提供する。
【0100】
[00121]本発明はまた、特定の障害を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該障害を治療する必要があるコンパニオン動物に、1またはそれより多いピルベートを含む組成物の療法的または予防的に有効な量を投与することによって、特定の障害を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該障害を治療する方法もまた含む。
【0101】
[00122]1つの態様において、1またはそれより多いピルベートの療法的または予防的に有効な量を提供する組成物を、栄養的に完全な食餌組成物中で投与する。
[00123]別の態様において、コンパニオン動物において、変性性関節状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療する方法であって、変性性関節状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを含む、本発明の食用組成物を、動物に与える工程を含む、前記方法を含む。本発明の特定の態様において、変性性関節状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するための組成物および方法は、イヌまたはネコのためのものである。本発明の他の態様において、変性性関節状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを提供する組成物は、栄養的に完全な食餌組成物である。
【0102】
[00124]本発明の組成物の方法または使用には、変性性関節状態に対する感受性があるかまたは該状態を患っているコンパニオン動物に、1またはそれより多いピルベートを含む組成物を投与するか、あるいは関節機能の減退、特に加齢による減退を経験している動物に、該組成物を投与する工程が含まれる。組成物はまた、健康な関節機能を維持するため、そして/または変性性関節状態を防止するため、健康なコンパニオン動物に与えられてもよい。
【0103】
[00125]本発明記載の変性性関節状態の治療または防止には、軟骨に影響を及ぼす多様な状態の治療または防止が含まれる。したがって、本発明には、軟骨に影響を及ぼすあらかじめ存在する状態の治療だけでなく、軟骨に影響を及ぼす状態に対する動物の保護または防御も含まれる。本発明には、軟骨に影響を及ぼす状態を管理する工程が含まれる。
【0104】
[00126]用語「軟骨に影響を及ぼす状態を管理する」は、本明細書において、少なくとも1つの軟骨に影響を及ぼす状態を改善し、治療し、防止し、そして/または緩和し、そして/または動物に軟骨に対する正の影響を提供することを意味する。用語「軟骨に影響を及ぼす状態を管理する」には、潜在的に軟骨に影響を及ぼす状態、遺伝性であれ、または別のものであれ、軟骨に影響を及ぼす状態に対する素因を持つ動物のための防止的方法、あるいは動物の生涯のいかなる期間であっても、軟骨を強化するか、軟骨の異常を防止するか、関節の健康状態を改善するか、加齢による関節変性の影響を減少させるか、または関節炎もしくは他の関節に影響を及ぼす状態を防止する、防止的手段が含まれる。軟骨に対する正の影響の例示的な例には、柔軟性の増加、病変の修復、炎症の減少、運動性の改善、軟骨の強化、異常の減少、ならびに/あるいは柔軟性および/または運動性減少、軟骨の衰えおよび/または退化、異常および/または病変、炎症、または軟骨に影響を及ぼす状態のいずれかの防止等が含まれる。軟骨に影響を及ぼすこうした状態の例示的な例には、変形性関節症、関節リウマチ、骨軟骨症、変性性関節疾患、滑膜炎、細菌性化膿性関節炎、乾癬性骨関節症(osteoarthropathia psoriatica)等が含まれる。
【0105】
[00127]別の態様において、本発明は、コンパニオン動物における変形性関節症を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該疾患を治療するための方法であって、こうしたコンパニオン動物において、変形性関節症を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該疾患を治療するのに有効な量の少なくとも1またはそれより多いピルベートを含む食用組成物を、該動物に与える工程を含む、前記方法を含む。本発明の他の態様において、変形性関節症を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該疾患を治療するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを提供する組成物は、栄養的に完全な食餌組成物である。
【0106】
[00128]別の態様において、本発明は、コンパニオン動物において、軟骨損傷を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該損傷を治療するための方法であって、こうしたコンパニオン動物において、軟骨損傷を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを含む食用組成物を、該動物に与える工程を含む、前記方法を含む。本発明の他の態様において、コンパニオン動物において、軟骨損傷を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該損傷を治療するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを提供する組成物は、栄養的に完全な食餌組成物で投与される。
【0107】
[00129]本発明の別の態様は、コンパニオン動物において、変性性関節疾患を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該疾患を治療する方法であって、その必要がある前記動物に、乾燥物質に基づいて、重量約0.1%〜約10%の濃度の1またはそれより多いピルベートを含む栄養的に完全な食餌組成物を投与する工程を含む、前記方法である。
【0108】
[00130]本発明のさらに別の態様は、コンパニオン動物において、関節炎状態を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該状態を治療する方法であって、その必要がある前記動物に、乾燥物質に基づいて、重量約0.1%〜約10%の濃度の1またはそれより多いピルベートを含む栄養的に完全な食餌組成物を投与する工程を含む、前記方法である。
【0109】
[00131]本発明の別の態様は、コンパニオン動物において、変形性関節症を防止するか、その1またはそれより多い症状を改善するか、あるいは該疾患を治療する方法であって、その必要がある前記動物に、乾燥物質に基づいて、重量約0.1%〜約10%の濃度の1またはそれより多いピルベートを含む栄養的に完全な食餌組成物を投与する工程を含む、前記方法である。
【0110】
[00132]本発明のさらなる態様は、コンパニオン動物において、軟骨に影響を及ぼす状態を管理する方法であって、その必要がある前記動物に、乾燥物質に基づいて、重量約0.1%〜約10%の濃度の1またはそれより多いピルベートを含む栄養的に完全な食餌組成物を投与する工程を含む、前記方法である。
【0111】
[00133]本発明の別の態様は、変性性関節疾患を発展させるかまたは患う素因があるコンパニオン動物において、1またはそれより多い炎症性サイトカインの産生を減少させる方法であって、その必要がある前記動物に、乾燥物質に基づいて、重量約0.1%〜約10%の濃度の1またはそれより多いピルベートを含む栄養的に完全な食餌組成物を投与する工程を含む、前記方法である。
【0112】
[00134]本発明の別の態様は、変性性関節疾患を発展させるかまたは患う素因があるコンパニオン動物において、1またはそれより多い炎症性サイトカインの産生を減少させる方法であって、その必要がある前記動物に、乾燥物質に基づいて、重量約0.1%〜約10%の濃度の1またはそれより多いピルベートを含む栄養的に完全な食餌組成物を投与する工程を含み、炎症性サイトカインが、アルファ−ケトカプロン酸、インターロイキン−8または単球走化性タンパク質−1からなる群より選択される、前記方法である。
【0113】
[00135]本発明の別の態様は、コンパニオン動物において、変性性関節状態の臨床的徴候および症状の重症度および頻度を減少させる方法であって、その必要がある前記動物に、乾燥物質に基づいて、重量約0.1%〜約10%の濃度の1またはそれより多いピルベートを含む栄養的に完全な食餌組成物を投与する工程を含む、前記方法である。
【0114】
[00136]本発明の別の態様は、コンパニオン動物において、変形性関節症の臨床的徴候および症状の重症度および頻度を減少させる方法であって、その必要がある前記動物に、乾燥物質に基づいて、重量約0.1%〜約10%の濃度の1またはそれより多いピルベートを含む栄養的に完全な食餌組成物を投与する工程を含む、前記方法である。
【0115】
[00137]本発明の別の態様は、コンパニオン動物において、関節炎状態、変性性関節状態の臨床的進行を遅延させる方法であって、その必要がある前記動物に、乾燥重量に基づいて、重量約0.1%〜約10%の濃度の1またはそれより多いピルベートを含む栄養的に完全な食餌組成物を投与する工程を含む、前記方法である。
【0116】
[00138]本発明の別の態様は、動物による消費用の食用組成物の嗜好性を増進させるための方法であって、嗜好性を増進させる量の1またはそれより多いピルベートを、組成物に添加する工程を含む、前記方法を含む。
【0117】
[00139]特定の態様において、方法は、イヌまたはネコによる消費用の食用組成物の嗜好性を増進させるためのものである。実施例2の結果に示すように、ネコは、対照食品に比較して、1またはそれより多いピルベートを含有する食品を好んだ。これは、食品中に1またはそれより多いピルベートを含むと、嗜好性が改善されることを示唆する。
【0118】
[00140]本発明はまた、組成物が、動物に対して、望ましい嗜好性を有するとはいえない薬剤などの非嗜好性薬剤、例えば、典型的な小分子薬剤、小分子タンパク質、巨大分子タンパク質および分子、ならびに経口投与抗体であるか、またはこうした薬剤を含有する場合に、1またはそれより多いピルベートを嗜好性増進剤として用いる方法も含む。
【実施例】
【0119】
[00141]本発明はさらに、以下の実施例に記載される。実施例は、単なる例示であり、そしていかなる意味でも、記載され、そして請求されるような、本発明の範囲を限定しない。本発明は、以下の好ましい態様の例によってさらに例示されうるが、これらの実施例は、単に例示の目的のために含まれ、そして別に特別に示さない限り、本発明の範囲を限定するとは意図されないことが理解されるであろう。
【0120】
[00142]実施例1:イヌ軟骨細胞におけるGAG放出およびサイトカイン産生に対するピルベートの影響
材料および方法:
培地組成:
[00143]完全培地(CM):高グルコース、L−グルタミン(GlutaMAX)、ピルビン酸ナトリウム、10%FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、および0.5μg/mlアンホテリシンBを含むDMEM。
【0121】
完全培地+アスコルビン酸(CM+AA):CM+50μg/mlアスコルビン酸。
血清不含培地(SFM):高グルコース、L−グルタミン(GlutaMAX)、ピルビン酸ナトリウム、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、および0.5μg/mlアンホテリシンBを含むDMEM。
【0122】
試験法
作業日:0、1、5
A B C
A:試験物品を添加
B:オンコスタチンMを添加
C:細胞培養上清およびビーズを除去
イヌ軟骨細胞培養
[00144]凍結保存イヌ軟骨細胞は、Cell Applications, Inc.(カタログ番号402−05、ロット番号2035)によって単離された。凍結保存細胞を、2回の継代に渡って、CM中、単層として増殖させた。単層培養を、1.2%アルギン酸ナトリウム(155mM塩化ナトリウム中で調製)中、4x106細胞/mlに懸濁した。細胞溶液を22ゲージ針を通じて、1滴ずつ、102mM塩化カルシウム溶液内に通過させた。細胞ビーズを10分間固化させ、そしてCM+AA中に再懸濁した。細胞ビーズを37℃、5%COで増殖させた。CM+AA中で24日間増殖させた(2〜3日ごとに培地交換)後、試験物品添加前に、SFM中でビーズを24時間増殖させた。
【0123】
試験物品調製
[00145]ピルビン酸カルシウム(65%混合物、MW88.06)を水中、10mMに溶解し、37℃で15分間加熱し、そして0.2ミクロンのシリンジ・フィルターを通じてフィルター滅菌した。それぞれ10mMおよび10μM溶液をSFM中で希釈することによって、10μMおよび1μMの作業ピルビン酸カルシウム溶液を調製した。
【0124】
デキサメタゾン/ビヒクル対照の調製:
[00146]エタノール中で調製したデキサメタゾン2.55mM溶液を10μM SFMに希釈した。
【0125】
[00147]エタノールをSFM中で0.09%に希釈することによって、ビヒクル対照溶液1(0.09%エタノール)を調製した。ビヒクル対照溶液2はSFMであった。
オンコスタチンMの調製:
[00148]オンコスタチンMの100μg/ml溶液(OSM;水中で調製)をSFM中で500ng/mlに希釈した。
【0126】
試験物品処理:
[00149]SFM中に24時間置いた後、ビーズを24ウェルプレート(3ビーズ/ウェル)に移し、そして適切な試験物品および対照溶液を添加した。オンコスタチンM処理の前に、細胞を24時間インキュベーションした。
【0127】
オンコスタチンM処理:
[00150]50μLのSFMを−OSMプレートに添加した。50μLの500ng/ml OSM溶液を+50ng/ml OSMプレートに添加した。プレートを37℃、5%CO2で4日間インキュベーションした。
【0128】
細胞培養プレートレイアウト:
[00151]OSM
1 2 3 4 5 6
A ビヒクル1 ビヒクル1 ピルビン酸カルシウム(10□M) ピルビン酸カルシウム(10□M)
B デキサメタゾン デキサメタゾン ピルビン酸カルシウム(1□M) ピルビン酸カルシウム(1□M)
+50ng/ml OSM
1 2 3 4 5 6
A ビヒクル2 ビヒクル2 ピルビン酸カルシウム(10□M) ピルビン酸カルシウム(10□M)
B デキサメタゾン デキサメタゾン ピルビン酸カルシウム(1□M) ピルビン酸カルシウム(1□M)
上清/細胞ビーズ採取:
[00152]4日間のOSM処理後、細胞培養上清を採取し、そしてアッセイまで−30℃で保存した。細胞ビーズをPBSで洗浄し、そして消化まで−30℃で保存した。
【0129】
細胞ビーズ消化:
[00153]200μLの水および250μLの2x消化緩衝液(0.1Mリン酸緩衝液pH6.5、4mM EDTA、4mM L−システイン、250μg/mlパパイン)を、融解した細胞ビーズ(およその細胞ビーズ体積=50μL)に添加した。ビーズを65℃で4時間消化した。消化したビーズをアッセイまで−30℃で保存した。
【0130】
グリコサミノグリカン(GAG)アッセイ:
[00154]100μLの細胞培養上清または10μLの消化細胞ビーズと90μLの1x消化緩衝液(パパインを含まない)を1.5ml試験管に添加した。GAG標準を1x消化緩衝液(パパインを含まない)またはSFM中で調製した。試料および標準を、1mlのBlyscan色素試薬と、軌道振盪装置上、700rpmで45分間インキュベーションした。試料を20,817xgで10分間遠心分離した。上清を取り除き、そしてペレットをBlyscan色素解離試薬と>4時間インキュベーションした。各試料から、200μLの解離した色素を96ウェルプレートに移した。
【0131】
[00155]ThermoMaxマイクロプレート読み取り装置(Molecular Devices)を用いて、650nmでデータを収集した。4−パラメーター・ロジスティック曲線適合方程式(SoftMax Pro 4.7.1; Molecular Devices)を用いて、標準曲線を生成した。各試料読み取り値を、適切な標準曲線から内挿した。細胞ビーズおよび細胞培養上清中に存在するGAG量に関して、値を補正した。
【0132】
サイトカイン/ケモカインアッセイ
[00156]製造者の指示にしたがって、ELISAによって、PGE2に関して細胞培養上清をアッセイした。ThermoMaxマイクロプレート読み取り装置(Molecular Devices)を用いて、吸光度読み取り値を検出した。4−パラメーター・ロジスティック曲線適合方程式(SoftMax Pro 4.7.1; Molecular Devices)を用いて、標準曲線を生成した。各試料読み取り値を、適切な標準曲線から内挿した。2つ組の内挿試料値を平均し、そして標準偏差を計算した。計算した濃度に適切な希釈係数を乗じた。
【0133】
[00157]製造者の指示にしたがって、Luminexに基づくアッセイを用いて、細胞培養上清を、GM−CSF、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−10、IL−15、IL−18、IP−10、KCおよびMCP−1に関してアッセイした。Luminex 100(Luminex Corporation、テキサス州オースティン)を用いて、データを収集した。1/yで加重した5−パラメーター・ロジスティック曲線適合方程式(StarStation V 2.0; Applied Cytometry Systems、カリフォルニア州サクラメント)を用いて、標準曲線を生成した。各試料読み取り値を、適切な標準曲線から内挿した。必要な場合、計算した濃度に適切な希釈係数を乗じた。
【0134】
[00158]一方向ANOVA後、Dunnettの事後試験を用いてデータを分析した(Prism V 4.0、GraphPad Software、カリフォルニア州サンディエゴ)。
【0135】
[00159]図1〜4は、上記実験の結果を示す。図1は、イヌ軟骨細胞のin vitro刺激に関して、GAG放出%に対するピルビン酸カルシウムの影響を示す。図2は、イヌ軟骨細胞のin vitro刺激に関して、KC産生に対するピルビン酸カルシウムの影響を示す。図3は、イヌ軟骨細胞のin vitro刺激に関して、IL−8産生に対するピルビン酸カルシウムの影響を示す。図4は、イヌ軟骨細胞のin vitro刺激に関して、MCP−1産生に対するピルビン酸カルシウムの影響を示す。
【0136】
[00160]実施例2:ネコ嗜好性に対するピルベートの影響
材料および方法:
[00161]21匹のネコに、対照食品または対照+ピルベートのいずれかの選択肢を与えた。対照食品組成物は表1の通りである。1%ピルビン酸カルシウムを、トウモロコシの代わりに対照食品に添加した。第0日、ネコは対照食品または対照食品+ピルベートの2つの食品の一方に割り当てられた。摂取量を測定し、そして標準嗜好性試験に基づいて、摂取比を計算した。
【0137】
表1.ネコ対照食品を作製するのに用いた成分
【0138】
【表1】

【0139】
表2.ネコ・ピルベート嗜好性試験
【0140】
【表2】

【0141】
[00236]実施例3:ネコにおけるネコ関節炎バイオマーカーに対するピルベートの影響
材料および方法
[00237]関節炎および正常ネコにおいて、ピルビン酸カルシウムを試験し、軟骨損傷および炎症性マーカーを減じる際の有効性を決定した。10匹の正常および10匹の関節炎ネコに、重量1%のピルビン酸カルシウムで増進したネコ対照食餌を28日間与えた。自然対数変換値に対して、分析を行った。平均およびSEDは、対数変換データの真数値である。
【0142】
[00238]結果:
ピルビン酸カルシウムは、ネコにおいて、血清IL−1ベータおよびHMGB1の濃度を減少させ、そしてまた、骨形成マーカー、BAPを改善した。これは、ピルベートを含有する食品が、抗炎症効果を有し、そして関節炎状態では失われている骨形成を改善することを示唆する。
【0143】
表3:高齢ネコ・ピルベート・バイオマーカー測定
【0144】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンパニオン動物において、変性性関節状態を治療するかまたは防止するための方法であって、該動物に、変性性関節状態を治療するかまたは防止するのに有効な量の1またはそれより多いピルベートを含む食用組成物を与える工程を含む、前記方法。
【請求項2】
コンパニオン動物がイヌである、請求項1の方法。
【請求項3】
コンパニオン動物がネコである、請求項1の方法。
【請求項4】
1またはそれより多いピルベートが、組成物重量の最大約20%の量で組成物中に存在する、請求項1〜3のいずれか一項の方法。
【請求項5】
1またはそれより多いピルベートが、組成物重量の約0.1〜10%の量で組成物中に存在する、請求項1〜4のいずれか一項の方法。
【請求項6】
1またはそれより多いピルベートが、組成物重量の約5%の量で組成物中に存在する、請求項1〜5のいずれか一項の方法。
【請求項7】
組成物がさらに、タンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、およびその組み合わせからなる群より選択される構成要素を含む、請求項1〜6のいずれか一項の方法。
【請求項8】
組成物が食品、栄養食餌、栄養補助食品、動物用おやつ、またはおもちゃである、請求項1〜7のいずれか一項の方法。
【請求項9】
変性性関節状態が変形性関節症を含む、請求項1〜8のいずれか一項の方法。
【請求項10】
変性性関節状態が、軟骨損傷を含む、請求項1〜9のいずれか一項の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのピルベートを含む、食用ペットフード組成物。
【請求項12】
ドッグフードである、請求項11の組成物。
【請求項13】
キャットフードである、請求項11の組成物。
【請求項14】
1またはそれより多いピルベートが、組成物重量の最大約20%の量である、請求項10〜13のいずれか一項の組成物。
【請求項15】
1またはそれより多いピルベートが、組成物重量の約0.1〜10%の量である、請求項10〜14のいずれか一項の組成物。
【請求項16】
1またはそれより多いピルベートが、組成物重量の約5%の量である、請求項10〜15のいずれか一項の組成物。
【請求項17】
さらに、タンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、およびその組み合わせからなる群より選択される構成要素を含む、請求項10〜16のいずれか一項の組成物。
【請求項18】
食品、栄養食餌、栄養補助食品、動物用おやつ、またはおもちゃである、請求項10〜17のいずれか一項の組成物。
【請求項19】
前記の1またはそれより多いピルベートがピルビン酸カルシウムである、請求項10〜18のいずれか一項の組成物。
【請求項20】
コンパニオン動物のための栄養的に完全な食餌組成物であって、重量約0〜約90%の炭水化物、重量約5〜約70%のタンパク質、重量約2〜約50%の脂肪、および重量約0〜約15%の:ビタミン、ミネラルまたは酸化防止剤からなる群より選択される1またはそれより多い栄養バランス化物質;ならびに重量約0.1%〜重量約20%の1またはそれより多いピルベートを含む、前記組成物。
【請求項21】
前記コンパニオン動物がイヌ科(canine)である、請求項20の組成物。
【請求項22】
前記コンパニオン動物がネコ科(feline)である、請求項20の組成物。
【請求項23】
1またはそれより多いピルベートが、組成物重量の最大約20%の量である、請求項20〜22のいずれか一項の組成物。
【請求項24】
前記の1またはそれより多いピルベートが、重量約0.1〜10%の量で存在する、請求項20〜23のいずれか一項の組成物。
【請求項25】
前記の1またはそれより多いピルベートがピルビン酸カルシウムである、請求項20〜24のいずれか一項の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−515779(P2013−515779A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547161(P2012−547161)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/061868
【国際公開番号】WO2011/082080
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】