説明

コンパレータおよび光ディスク記録再生装置

【課題】可変利得増幅回路に入力されるRF信号を検出する検出回路を可変利得増幅回路の後段に設け可変利得増幅回路に入力される信号の有無を検出する。
【解決手段】制御信号により利得を可変して入力信号の振幅を可変させる可変利得増幅回路と、上記可変利得増幅回路から出力される信号レベルに連動したスライスレベルと上記可変利得増幅回路の出力信号が供給され、上記スライスレベルと出力信号が比較され、当該比較結果に応じて出力信号を導出する比較器とを有し、可変利得増幅回路に入力される信号の有無を検出し、可変利得増幅回路の利得を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパレータおよび光ディスク記録再生装置に係り、特に光ディスク記録再生装置のRF信号処理系において、VGA(Variable Gain Amplifier:可変利得増幅回路)に入力される信号の有無を検出する記録検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクにおいて、従来、記録領域/未記録領域の判別あるいはゴミ/キズ等による信号欠落部の検出の為の記録検出回路が用いられている。
記録検出回路の構成例は特許文献1に開示され、また、この記録検出回路を使用した光ディスク装置は例えば特許文献2に開示されている。
【0003】
従来、図6にRF系信号処理におけるAGCループを示すように、記録検出信号は、RF信号処理の制御にも用いられている。この記録検出信号は、例えばAGC(Automatic Gain Control)ループのホールド/リセット制御やデータクロックリカバリーのためのPLL(Phase Lock Loop)回路のホールド/リセット制御等に使用されている。
そのため、検出用の信号は、AGCループの前段から取り出し、AGCループ以降の主信号処理系とは別に検出回路を確保し、この検出回路を用いて記録検出を行っていた。
【0004】
一方、近年の半導体プロセスの微細化の流れは従来のアナログ信号処理をディジタル信号処理に置き換える原動力になっており、記録検出回路についても同様にディジタル化することが期待されている。
【特許文献1】特開平07−334918号公報
【特許文献2】特許第3458502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、RF信号をディジタル信号に変換する高速ADC(アナログ−ディジタル変換器)のbit(ビット)数は5〜6bitが現在の主流である為、信号のSN比を確保する為には前段のAGC回路によって信号振幅を最適化する必要がある。
従って、記録検出回路をディジタル化すると必然的にAGC回路の後ろからの検出となり、AGCループをオン/オフするための制御信号をAGC後の信号から検出するという矛盾が生じる。
【0006】
本発明の目的は、上述の不利益を鑑み、記録検出回路をディジタル化するに伴いVGAに入力される信号の有無を検出する検出回路をVGAの後段に設け、VGAへ入力される入力信号を用いた検出回路と同等の検出処理を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンパレータは、制御信号により利得を可変して入力信号の振幅を可変する可変利得増幅回路と、上記可変利得増幅回路から出力される信号レベルに連動したスライスレベルと上記可変利得増幅回路の出力信号が供給され、上記スライスレベルと出力信号が比較され、当該比較結果に応じて出力信号を導出する比較器とを有する。
【0008】
本発明の光ディスク記録再生装置は、光ディスクから情報を読み出しまたは光ディスクに情報を書き込む光ディスク記録再生装置であって、上記光ディスク記録再生装置は、制御信号により利得を可変して光ピックアップから供給された入力信号の振幅を可変させる可変利得増幅回路と、上記可変利得増幅回路から出力される信号レベルに連動したスライスレベルと上記可変利得増幅回路の出力信号が供給され、上記スライスレベルと出力信号が比較され、当該比較結果に応じて出力信号を導出する比較器とを有する。
【0009】
本発明の光ディスク記録再生装置は、光ディスクから情報を読み出しまたは光ディスクに情報を書き込む光ディスク記録再生装置であって、上記光ディスク記録再生装置は、制御信号により利得を可変して光ピックアップから供給された入力信号の振幅を可変させる可変利得増幅回路と、上記可変利得増幅回路の出力信号をディジタル信号に変換するアナログディジタル変換器と、上記ディジタル信号の振幅を検出する振幅検出回路と、上記振幅検出回路から出力された検出値により上記可変利得の利得を制御する制御信号を生成するゲイン制御回路と、上記振幅検出回路から出力された検出値に基づいて閾値を発生する閾値発生回路と、上記閾値と上記アナログディジタル変換器から出力されたディジタル信号を比較する比較器と、上記比較器の比較結果に応じて上記ゲイン制御回路のオン/オフ動作を制御する制御信号を生成する記録検出回路と、を有する。
【0010】
本発明は、VGAの後段から出力されたRF信号をディジタル化した後、振幅を検出して検出された振幅とスライス閾値から新たな閾値を求め、この閾値値とディジタル化されたRF信号と比較して記録検出の制御信号を求める。この制御信号により上記VGAの利得を制御するゲイン制御回路の動作をオン/オフ制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来のアナログ方式の記録検出と同等の処理をディジタル方式により実現することにより、記録検出回路の小型化、省電力化を実現することができ、また今後の半導体の微細化に伴うプロセスの変更も容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.光ディスク記録再生装置の構成
2.RF信号処理系の構成
3.RF信号処理回路の動作説明
【0013】
<1.光ディスク記録再生装置の構成>
[全体構成の説明]
図1に、光ディスク記録再生装置10のブロック構成図を示す。光ディスク記録再生装置10は、光ディスク11の回転を制御するモータ駆動制御部20、光ピックアップユニット30、アナログフロントエンド(AFE)40、ディジタルフロントエンド(DFE)60、メモリ81等で構成される。
【0014】
モータ駆動制御部20は、光ディスク11の回転制御を行うスピンドルモータ21と光ピックアップユニット30の位置制御を行なうスレッドモータ22で構成される。
【0015】
光ピックアップユニット30は、レンズ(Lens)31、モニタ(回路)32、レーザダイオード33、レーザダイオード(LD)ドライバ34、PDIC(光検出IC;Photo Detector IC)35、フォーカス&トラッキングアクチュエータ36で構成される。
光ピックアップユニット30の出力はフレキシブルケーブル等を介してアナログフロントエンド(AFE)40の入力端子に接続される。
光ディスク11でレーザ光が反射して得られた反射光から電気信号を得るPDIC35は、例えば4分割型のフォトダイオードとオペアンプで構成される光検出器が用いられる。この光検出器から4つの出力信号である信号A,B,C,Dが出力され、オペアンプで加算、減算等が行われ、加算信号A+B+C+DがRF信号として出力される。
【0016】
アナログフロントエンド40のRF系信号処理回路42は、APC(自動パワー制御回路)41と、アテネータ/マルチプレクサ(ATT/MUX)回路、RF信号処理回路、レジスタ、イコライザ及びバッファ等で構成される。
さらに、アナログフロントエンド40の制御信号処理部は、MUX(マルチプレクサ)・S/H(サンプル/ホールド)・GCA回路50、ウォブルGCA回路51、サーボGCA回路52、AGC回路53、フォーカス・トラッキング検出回路54で構成される。
【0017】
ディジタルフロントエンド60のRF信号に関する復調部は、RFADC(RFアナログ−ディジタル変換器)61、復調・ECC(エラー訂正回路)、復号などの処理を行うディジタル信号処理回路62で構成される。
また、このディジタルフロントエンド60の制御部は、ウォブルADC63、復調・ECCなどで構成されるウォブル信号処理回路と、サーボADC68、サーボコントロール回路69、DAC(ディジタル−アナログ変換器)70などで構成される。
さらに、このディジタルフロントエンド60の変調部は、MPU(マイクロプロセッサユニット)・エンコーダ65、レーザ変調のためのライトストラテジ回路66と、PC/IF(パーソナルコンピュータ/インターフェース)回路67などで構成される。
また、光ディスク記録再生装置10は、この他に、メモリ81、モータドライバ(モータドライブ回路)82などを備えている。
【0018】
[光ディスク記録再生装置の動作説明]
光ディスク11には、絶対時間情報に基づいて蛇行された溝が形成されており、その溝に沿って種々の情報が記録され、また、光ディスク11に書き込まれた情報が読み出される。このとき、光ディスク11は、トラッキングやフォーカスを調整しながらスピンドルモータ21で線速度一定(CLV;Constant Linear Velocity)または角速度一定(CAV;Constant Angular Velocity)で回転される。
【0019】
光ディスク11に情報を記録し、または光ディスク11から情報を再生するために、光ディスク11と対向して光ピックアップユニット30が備えられており、その中にレーザダイオード33とPDIC35が配置されている。情報の記録期間は、レーザダイオード33から出力されたレーザ光がレンズ31を介して光ディスク11に照射され、情報が書き込まれる。一方、情報の再生時には、光ディスク11に記録された情報が反射光としてPDIC35に入力され、例えば、4分割のフォトダイオードとオペアンプで構成される光検出器により4つの信号A〜Dが生成され、それらの信号A〜D、並びにそれらを加算したRF信号が出力される。
【0020】
このRF信号から、映像(画像)・音声信号、外部機器用を制御する為の制御信号などの種々の情報が取り出され、また、信号A〜Dを用いてウォブル信号、フォーカス信号およびトラッキング信号などの制御信号が生成される。
情報の記録期間においても、4分割のフォトダイオードから出力された4つの信号A〜Dに基づいてウォブル信号、フォーカス信号、トラッキング信号などが生成される。
【0021】
PDIC35から出力されたRF信号は、RF系信号処理回路42に供給される。RF系信号処理回路42において、入力されたRF信号は、後述のVGAで信号レベルが一定にされる。その後、イコライザで高域の周波数が強調された後、RFADC61に供給され、ここでアナログRF信号がディジタル信号に変換される。
【0022】
RFADC61でアナログRF信号がA/D変換されてディジタル化されたディジタルRF信号がディジタル信号処理回路62に出力される。ディジタル信号処理回路62において、RFディジタル信号が復調された後、復号器でMPEG−2、MPEG−4H.264/AVCやSMPTEVC−1等、リニアPCM、MPEG−2AACなどに関する復号、ECC等の処理が行われる。
【0023】
復号された画像、オーディオ信号は例えばメモリ81に記憶する。この記憶した画像、オーディオ信号はメモリ81から読み出し、PC/IF回路67を介して表示装置に出力される。
【0024】
マイクロコンピュータの場合、ディジタル信号処理回路62でディジタルRF信号が復調され、この復調された信号が後述のコントローラ(153)によりインターフェースを介してマイクロコンピュータ出力される。そして、マイクロコンピュータに備えられたデコーダにより画像、オーディオ信号が復号される。
【0025】
また、本発明において、ディジタル信号処理回路62に振幅検出回路147を備えてディジタル的に振幅の検出を行い、この検出値から制御値−ゲイン変換テーブル161を用いて制御値−ゲイン変換を行う。そして、スライス閾値のゲイン変換された係数を掛け算して新たに得られた閾値をヒステリシスコンパレータ(比較器とも称する)163に出力する。ヒステリシスコンパレータ163で、この閾値とADC145から出力されたディジタルRF信号を比較し、その結果得られた信号を記録検出回路164に供給し、ゲイン制御回路148の動作をオン/オフ制御して、AGCループをオン/オフ制御する。
【0026】
RF信号が存在する場合、ゲイン制御回路148から出力された制御信号によりVGA141の利得が制御され、いわゆる通常の利得制御が行われる。しかし、RF信号が存在しない場合、記録検出回路164から出力された制御信号により、ゲイン制御回路148からRF信号が無くなる直前の値の制御信号(制御値がホールドされる)が出力され、この制御信号によりVGA141の利得が制御される。
【0027】
次に、PDIC35から出力された信号A〜Dに基づいて生成されたサーボ信号は、サーボGCA回路52で出力信号の振幅が制御される。また、ミラー検出及び欠陥検出、OPC(Optimum Power Control)、フォーカス、トラッキングなどの信号が生成され、サーボADC68に供給されてディジタル信号に変換される。このディジタル信号がサーボコントロール(サーボ制御)回路69で処理され、DAC70でアナログ信号に変換されてモータドライバ82に供給される。モータードライバ82から出力される制御信号は、フレキシブルケーブル等を介してフォーカス&トラッキングアクチュエータ36に出力される。その結果、光ピックアップユニット30が制御されて、フォーカスやトラッキング等が調整される。
【0028】
また、PDIC35から出力された信号A〜DはMUX・S/H・GCA回路50に供給され、これらの信号A〜Dからそれぞれ2値化信号が生成される。この2値化信号を論理演算してS/H用のサンプリングパルスを生成する。この生成したサンプリングパルスにより、信号A〜Dに基づき生成された原ウォブル信号をサンプリングして所定のタイミングでホールドして正確なウォブル信号とする。その後、ウォブル信号はAGC処理などが行なわれ(ウォブルGCA51、AGC回路53)、ウォブルADC63でディジタル信号に変換される。
【0029】
書き込み時において、例えば、受像機の出力端子またはPCの出力端子からPC/IF回路に画像、オーディオ信号などが入力され、メモリ81に記録される。メモリ81から読み出された画像、オーディオ信号などは、MPU・エンコーダ65に入力される。
オーディオ信号は、リニアPCM,MPEG−2に変換され、また、ビデオ信号はMPEG2などの情報圧縮されたディジタル信号にエンコードされ、パケット化された後に暗号化などが行われる。暗号化されたディジタル信号は、レーザダイオード33の変調を行うライトストラテジ回路66でマルチパルス変調方式などにより記録補償された変調が行われ、LD(レーザダイオード)ドライバ34に供給される。LDドライバ34から出力された変調パルスがレーザダイオード33に供給され、この変調パルスのオン/オフに応じて光ディスク11に情報が書き込まれる。
【0030】
また、図1に示す光ディスク記録再生装置10のウォブルの検出は、PDIC35から入力されたRF信号を用いてサンプリングパルスを生成し、このサンプリングパルスを用いてS/H回路で原ウォブル信号から正確なウォブル信号を抽出する。
【0031】
<2.RF信号処理系の構成>
次に、本発明の実施形態であるRF信号処理系のブロック構成について説明する。
図2に示すビタビデコーダ151、復調器152、コントローラ153のディジタル信号処理ブロック150を除いたブロックは、図1に示すRF系信号処理回路42、RFADC61に相当する。
上述したビタビデコーダ151、復調器152、コントローラ153のディジタル信号処理ブロック150は、図1のディジタル信号処理回路62の一部を構成し、コントローラ153の出力は、例えば、パーソナルコンピュータのインターフェースに接続される。
【0032】
RF信号処理のアナログ信号処理系は、VGA(Variable Gain Amplifier)141、HPF(高域通過フィルタ)142、アナログフィルタ(LPF)143、HPF144で構成される。ディジタル信号処理系は、ADC145、ディジタルフィルタ146、振幅検出回路147、ゲイン制御回路148、制御値−ゲイン変換テーブル161、掛け算器162、ヒステリシスコンパレータ(比較器)163、記録検出回路164で構成される。
本発明におけるディジタル構成の記録検出部(または単に検出回路とも称する)160は、上述した制御値−ゲイン変換テーブル161、掛け算器162、ヒステリシスコンパレータ163、記録検出回路164等で構成される。
【0033】
また、ディジタル信号処理回路62は、主にビタビデコーダ151、復調器152、コントローラ153の他、画像、オーディオ信号を復号するデコーダ(復号器)などで構成される。
【0034】
光ディスク110、光学ヘッド120、プリアンプ130については、上述したのでここでは詳細な説明は省略する。
【0035】
[RF信号処理系の接続構成]
光ディスク110から反射された反射光を光信号から電気信号に変換する光学ヘッド120の出力端子は、プリアンプ130に接続される。
プリアンプ130の出力端子は、DAC149から出力されたアナログ電圧の制御信号によりゲイン(利得)が可変されるVGA141の入力端子に接続される。
VGA141の出力端子は、DCオフセットと低域ノイズを除去するHPF142の入力端子に接続される。
HPF142の出力端子は、高周波ノイズ成分を除去するアナログフィルタ(またはLPF)143の入力端子に接続される。
アナログフィルタ143の出力端子は、オフセットを除去するHPF144の入力端子に接続される。
HPF144の出力端子は、アナログ信号をディジタル信号に変換するADC145の入力端子に接続される。
【0036】
ADC145の出力端子は、ディジタルフィルタの入力端子に接続されるとともに、記録検出部160の一部を構成するヒステリシスコンパレータ163の入力端子に接続される。
【0037】
不図示のマイクロコンピュータに接続された光ディスク記録再生装置の場合、RF系信号処理回路42において、図2に示すようにディジタルフィルタ146の出力端子は、振幅検出回路147の入力端子とビタビデコーダ151の入力端子に接続される。そして、ビタビデコーダ151の出力端子は、復調器152の入力端子に接続され、この復調器152の出力端子は、コントローラ153に接続される。コントローラ153により、メモリ81に画像、オーディオ信号が記録され、その後、読み出されて外部端子に出力される。
【0038】
一方、画像、オーディオを専用に記録再生する光ディスク記録再生装置の場合、上記ビタビデコーダ151、復調器152、コントローラ153は、ディジタル信号処理回路62内に設けられた復号器に接続される。
【0039】
ディジタルフィルタ146の出力端子は、ディジタルRF信号の振幅を検出する振幅検出回路147の入力端子に接続される。この振幅検出回路147の第1の出力端子は、ゲイン制御回路148の入力端子に、第2の出力端子は、制御値−ゲイン変換テーブル161の入力端子に接続される。
制御値−ゲイン変換テーブル161の出力端子は、ディジタル構成の掛け算器162の第1の入力に接続され、この掛け算器162の第2の入力端子には、ディジタル化されたスライス閾値が入力される。
掛け算器162の出力端子は、ヒステリシスコンパレータ163の第1の入力端子に接続され、このヒステリシスコンパレータ163の第2の入力端子は、ADC145の出力端子に接続される。
ヒステリシスコンパレータ163の出力端子は、ゲイン制御回路148をオン/オフしてAGCループを制御する記録検出回路164の入力端子に接続される。
記録検出回路164の出力端子は、ゲイン制御回路148の第2の入力端子に接続され、このゲイン制御回路148の出力端子は、上述したDAC149の入力端子に接続される。
DAC149でディジタル制御信号がアナログ信号に変換されて出力される制御信号を出力する出力端子は、VGA141の制御端子に接続される。
【0040】
[RF信号処理系の各ブロックの構成と動作]
次に、RF信号処理系の各ブロックの構成とその動作について説明する。
VGA141は、後段のAGCループを構成するゲイン制御回路148から出力されたディジタル制御信号がDAC149でアナログ信号に変換された制御信号で利得を可変制御し、後段回路のダイナミックレンジ(Dレンジ)に合わせて振幅調整する。
HPF142は、後段のADC145に対する、前段のVGA141で発生したオフセット電圧の注入を抑止し、また低周波ノイズを除去する。アナログフィルタ143は、LPFで構成され、再生されたRF信号の高周波ノイズを除去する。HPF144は、後段のADC145に対する、前段のアナログフィルタ143等で発生したオフセット電圧の注入を抑止するものである。このHPF144のカットオフ周波数(fc)は、一般的に前段に設けられたHPF142やアナログフィルタ143のfc以下の周波数に設定される。
ADC145は、光ディスク記録再生装置100においては、一般に6bitで構成され、高速動作可能なフラッシュ方式等が用いられる。また、このADC145は、ディジタルフィルタ146やディジタル信号処理回路がCMOSで構成される場合は、同じ半導体素子のCMOSで構成される。ディジタルフィルタ146は、例えばFIR型フィルタで構成され、ADC145から出力されたディジタルRF信号のフィルタ処理を行う。
【0041】
ビタビデコーダ151は、ディジタルフィルタ146から供給されたディジタルRF信号に対して、ビタビ符号を用いて誤り訂正を行う。ビタビ訂正については、光ディスク装置において一般に用いられているので、ここでは詳細な説明は省略する。
復調器152は、ビタビ符号により誤り訂正されたデータから、画像、オーディオ信号を復号する前の1,7PP復調、EFM復調処理等を行う。
コントローラ153は、アドレスやスピンドルサーボ系等の各種の制御信号、また復調されたデータを外部メモリに書き込むための制御信号などを出力する。
【0042】
復調器152(あるいはコントローラ153)から出力されたデータが上記外部メモリなどを介して不図示の復号器に入力される。この復号器において、ビデオ信号のデコードとして、MEG−2、MPEG−4H.264/AVCやSMPTEVC−1等の方式がある。オーディオ信号のデコードとして、リニアPCM、MPEG−2AAC、ドルビーディジタル(AC−3)(登録商標)等の方式がある。
【0043】
一方、コントローラ153によりメモリ、PC/IF回路を介して出力されたデータは、マイクロコンピュータのインターフェースに入力され、マイクロコンピュータに備えられた復号器により、画像、オーディオ信号に関する復号が行われる。
【0044】
[本発明の主要部の動作説明]
本発明の主要部の動作について説明する。
図2に示す振幅検出回路147は、ディジタルフィルタ146から出力されたディジタルRF信号の振幅を検出し、検出した値(データ)をゲイン制御回路148と制御値−ゲイン変換テーブル161に出力する。
ゲイン制御回路148は、振幅検出回路147で検出した値に応じてVGA141の利得を制御する為の制御信号を生成する。また、記録検出回路164から供給された制御信号により、ゲイン制御回路148の動作がオン/オフ制御され、その結果、AGCループの動作がオン/オフ制御される。ゲイン制御回路148がオンのとき、振幅検出回路147で検出された振幅に応じた制御信号が生成されるが、オフのとき、オフ直前の制御信号の値が制御電圧として出力される。このオフ時の制御信号の値は、ゲイン制御回路148が次にオンするまでの期間ホールドされる。
【0045】
制御値−ゲイン変換テーブル161は、VGA制御ゲインとスライス閾値に対する係数値を蓄積したテーブルで構成され、これらの値は2値化されて例えばメモリ等に記憶される。制御値−ゲイン変換テーブル161に入力された振幅に応じてテーブルVGA制御ゲイン、すなわちVGA制御ゲインに対応する係数が掛け算器162に出力される。
掛け算器162は、ディジタル掛け算器で構成され、第1の入力端子に制御値−ゲイン変換テーブル161から供給された任意の係数が入力され、第2の入力端子にスライス閾値が入力されて、両者が乗算される。その結果、この掛け算器162でスライス閾値がゲイン(係数)倍されて新たな閾値(スライスレベルとも記載する)が得られる。
【0046】
ヒステリシスコンパレータ163はディジタル回路で構成され、ADC145から出力されたディジタルRF信号と掛け算器162から出力された閾値を比較する為の比較器である。また、このヒステリシスコンパレータ163は入出力特性がヒステリシス曲線を有し、入力されたディジタルRF信号をヒステリシス曲線の曲線に沿った値に変換し、この変換した値と閾値とを比較する。
すなわち、ヒステリシスコンパレータ163に、掛け算器162から出力された閾値とADC145から出力されたディジタルRF信号が供給され、ヒステリシス曲線に沿って変換されたディジタルRF信号が閾値と比較される。その結果、比較結果に応じて“H”または“L”レベルの2値化された信号(パルス)が入力されたディジタルRF信号に対応して出力される。
【0047】
記録検出回路164は、ヒステリシスコンパレータ163から出力された2値化パルスが供給され、記録検出の信号の有無に対応した制御信号をゲイン制御回路148に出力する。この記録検出回路164については後述する。
【0048】
図3にVGA制御ゲインとスライス閾値(レベル)に対する係数の関係を示すグラフを示す。縦軸にスライス閾値に対する係数1(倍)から5(倍)の例を示し、横軸にVGA制御値([0]〜[F])を示す。なお、係数の値はこれに限定するものではなく、閾値の設定範囲とスライス閾値などに応じて設定される。
図3に示すように、例えば、直線aは、係数を1に設定する場合を示し、横軸のVGA制御値に対して、傾き係数1の直線を示す。すなわち、VGA制御値が1のとき係数1を出力し、VGA制御値が5のとき係数が5に設定される。
非線形の例として折れ線bを示す。この折れ線bの場合、VGA制御値が1のとき、係数を1に設定し、VGA制御値が3のとき係数が3に設定され、VGA制御値が5のとき、例えば係数が3.5に設定される。
直線cの場合、傾き係数を1より大きく設定した例を示し、VGA制御値が1のとき、係数が1に設定され、VGA制御値が2.5のとき係数が5に設定される。
また、直線dの場合、傾き係数が1/2に設定され、VGA制御値が1のとき係数が1に設定され、VGA制御値が5のとき、係数は2.5に設定される。
この制御値−ゲイン変換テーブル161において、VGA制御値に対して係数を直線または折れ線、その他の曲線(1次、・・・、n次曲線、超関数曲線など、あるいはこれらを組み合わせた曲線)等を用いることにより、任意の係数を出力することができる。
【0049】
また、図3の場合、係数の下限を1としまた上限を5に設定した例を示したが、更に、下限または上限の少なくとも一方を所定の値に設定しても良い。
このように、新たな閾値は係数を可変して得られることから、ヒステリシスコンパレータ163の閾値をAGCループの動作状況に応じて任意に設定できるので、設計の自由度を増すことができる。
【0050】
次に、記録検出回路164の構成と動作について説明する。
図4に、記録検出回路164の構成例を示す。記録検出回路164は、カウンタ164−1、比較器164−2、レジスタ164−3で構成される。カウンタ164−1は、前段のヒステリシスコンパレータ163から“H”または“L”レベルのパルスが供給され、所定の期間例えば“H”レベルのパルスを計数する。さらにこのカウンタ164−1は、リセット信号が入力されると、この計数値を比較器164−2に出力すると共にカウンタをリセットして次の計数動作を開始する。レジスタ164−3は、リセットから次のリセットまでの期間に対応して設けられた任意の値の基準値を記録し、比較器164−2に出力する。比較器164−2は、カウンタ164−1とレジスタ164−3から供給されたデータを比較し、その比較した結果を出力する。
【0051】
図5に記録検出回路164の動作を説明するための波形図を示す。図5(a)に示すように、記録検出回路164がセットされてから所定の期間、T0、T1、・・・にヒステリシスコンパレータ163から2値化されたパルスP1、P2、・・・、P6がカウンタ164−1に入力される。T0の期間に“H”レベルのパルスP2、P3、・・・、P5が入力され、カウンタでカウントされる。比較器164−2で、このカウントされた値がレジスタ164−3に記憶された基準値と比較され、基準値以上の場合、例えば“H”レベルのパルスが記録検出回路164から制御信号として出力される。一方、T1の期間、ヒステリシスコンパレータ163から入力されたパルスのP6がカウントされ、比較器164−2に入力され、このカウント値と基準値が比較される。比較器164−2で比較された結果、カウント値が基準値以下の場合、例えば“L”レベルのパルスがT1の期間出力され、制御信号として出力される(図5(b)参照)。なお、図5(b)の“H”、“L”のパルス波形は、図5(a)のパルスの計数を終了した後に出力されるが、説明をわかり易くする為にカウンタ164−1の出力に対応した波形(タイム遅延を考慮していない波形図)を示す。
【0052】
<3.RF信号処理回路の動作>
つぎに、光ディスク110にデータが記録されている場合のRF信号処理ブロック100の全体動作について説明する。
光ディスク110に照射したレーザ光が反射されて光学ヘッド120に入力されて光信号から電気信号に変換され、各フォトディテクタから出力された電気信号が加算される。この加算されたRF信号は、プリアンプ130で増幅された後、VGA141に入力され、DAC149から供給される制御信号に応じて後段回路のダイナミックレンジに合わせて振幅が調整される。
【0053】
振幅調整されたRF信号は、HPF142でDCオフセット成分や低域ノイズが除去され、アナログフィルタ143に入力される。アナログフィルタ143で不要な高周波成分が除去されたRF信号は、HPF144でオフセットが抑圧された後ADC145に入力される。ADC145に入力されたRF信号は、例えば6bitのディジタル信号に変換され、ディジタルフィルタ146に入力される。
【0054】
そして、ディジタルフィルタ146でフィルタ処理されたディジタルRF信号はビタビデコーダ151に入力され、ここでビタビ復号化の処理が行われ、ディジタルRF信号の誤り訂正が行われる。
復号化されたディジタルRF信号は、復調器152で1,7PP復調、EFM復調、8−16変換などの復調が行われる。復調されたディジタルRF信号が、ディジタル信号処理回路62の復号器、またはコントローラ153を介してインターフェースへ出力される。
上記復号器152において、例えばビデオ信号は、上述したMPEG−2、MPEG−4等で復号される。一方、オーディオ信号は、例えばリニアPCM、MPEG−2AAC、ドルビーディジタル(AC−3)等により復号される。
【0055】
[AGCループの動作説明]
次に、AGCループの動作について説明する。
ADC145でディジタル化されたディジタルRF信号は、ディジタルフィルタ146に入力され、フィルタ処理が行われた後に振幅検出回路147に入力される。
振幅検出回路147でディジタルRF信号の振幅がディジタル的に検出され、この検出されたディジタルRF信号の値がゲイン制御回路148と制御値−ゲイン変換テーブル161に出力される。
【0056】
制御値−ゲイン変換テーブル161に入力されたディジタルRF信号は、記録されたテーブルに基づいてスライス閾値を所定倍(ゲイン倍)するための係数に変換される。例えば、ディジタルRFの振幅に応じてVGA制御ゲインを1倍とし、それに対してスライス閾値に対する係数を1倍に設定する。
【0057】
なお、係数を1に設定する理由は、ディジタルRF信号に対応して、ヒステリシスコンパレータ163に入力する新たな閾値を変更する必要が無い場合である。もし、このヒステリシスコンパレータ163に入力されるディジタルRF信号の振幅が小さい場合、ディジタルRF信号の振幅が閾値より大きいか小さいかを正確に判断できるように閾値を下げる(低くする)必要がある。
【0058】
制御値−ゲイン変換テーブル161から出力された1倍のゲイン(係数)は、掛け算器162に入力され、スライス閾値と乗算されて新たな閾値が得られる。
掛け算器162から出力された閾値と、ADC145から出力されたディジタルRF信号がヒステリシスコンパレータ163に入力され、ディジタルRF信号がヒステリシス曲線に対応した値と閾値が比較される。例えば、ディジタルRF信号が閾値より大きいと“H”(ハイ)レベルのパルスが出力され、閾値より小さいと“L”(ロー)レベルのパルスが出力される。
【0059】
記録検出回路164に入力された“H”レベルのパルスが所定期間カウントされ、このカウント結果に応じて、“H”レベルまたは“L”レベルの制御信号(図5のT0、T1のパルス)が記録検出回路164からゲイン制御回路148に出力される。
例えば、記録検出回路164から出力された制御パルスが“H”レベルのとき、ゲイン制御回路148がON(オン)され、ディジタルRF信号の振幅に対応したディジタル制御信号がゲイン制御回路148からDAC149に逐次出力される。DAC149から出力されたアナログ制御信号がVGA141の制御端子に供給されて、VGA141の利得を制御する。
【0060】
一方、記録検出回路164から出力された制御信号が“L”レベルのとき、ゲイン制御回路148がOFF(オフ)され、オフ直前のディジタル制御信号がゲイン制御回路148からDAC149に出力される。そして、DAC149から出力されたアナログ制御信号がVGA141の制御端子に供給されて、VGA141の利得を制御する。
このように、ゲイン制御回路148がオフのとき、AGCループはオフし、VGA141の利得は固定(ホールド)される。
【0061】
次に、係数が5に設定された場合のAGCループの動作について説明する。
係数を大きくすることによりスライス閾値が掛け算器162で5倍されて、新たな閾値としてヒステリシスコンパレータ163に出力される。以後の動作は、上述した係数1の場合と同様であるので、その説明は省略する。
なお、この新たな閾値を大きくする理由は、ヒステリシスコンパレータ163に入力されるディジタルRF信号の振幅が大きいので、ディジタルRF信号の有無を正確に判別する為に振幅に対応した閾値を設定し直す必要があるからである。もし、閾値が小さいと、ヒステリシスコンパレータ163から出力される値は、極端な場合、ディジタルRF信号の振幅が小さい場合でも閾値より大きいため、“H”レベルとなり誤った結果が出力される。またこれ以外に、振幅の小さいノイズでもヒステリシスコンパレータ163から“H”レベルのパルスを出力し、誤動作の原因ともなる。
【0062】
VGA141に入力されるRF信号の信号レベルが小さい例として、ディスク表面汚れ等により反射光が減少し信号レベルが小さくなった場合などがある。
また、RF信号が存在しない例として、光ディスク110の記録領域に信号が記録されていない場合(未記録状態)、光ディスク(110)面上に、ゴミ、キズなどが存在する場合、光ピックアップがトラック間を移動する場合がある。
【0063】
以上述べたように、RF信号の振幅の大小にかかわらず、正確な記録信号があるか否かを検出するために、RF信号の振幅に応じて係数を求め、この係数とスライス閾値を掛け算して新たな閾値を発生させてRF信号と比較して記録検出パルを生成する。この記録検出パルスから制御信号を求め、ゲイン制御回路148の動作を制御する。その結果、RF信号の大小にかかわらず、光ディスク110の記録面に情報が記録されているか否かに基づきAGCループをオン/オフ制御することができる。
【0064】
よって、本発明は、RF信号の有無の検出に関し、従来のVGAの入力側に供給されるRF信号から記録検出を行う処理と同等の処理をディジタル信号処理により実現できる。ディジタル化により記録検出回路の小型、省電力化を実現でき、また今後の半導体微細化に伴うプロセスの変更も容易になる。
また、本発明の構成では、ゲイン調製前相当の信号およびゲイン調整後の信号のどちらも同じ回路で処理を行うことができ、回路をコンパクトにできる。
更に、VGAゲインと閾値との掛け算係数は1倍である必要はなく、任意の係数を設定することもでき、あるいは係数に制限を与えることなどもできるため、信号処理の自由度が高くなる。
【0065】
本発明において、制御信号により利得を可変して光ピックアップから供給された入力信号の振幅を可変させる可変利得増幅回路は、VGA141に対応する。上記可変利得増幅回路の出力信号をディジタル信号に変換するアナログディジタル変換器は、ADC145に対応する。上記ディジタル信号の振幅を検出する振幅検出回路は、振幅検出回路147に対応する。上記振幅検出回路から出力された検出値により上記可変利得の利得を制御する制御信号を生成するゲイン制御回路は、ゲイン制御回路148に対応する。上記振幅検出回路から出力された検出値に基づいて閾値を発生する閾値発生回路は、制御値−ゲイン変換テーブル161、掛け算器162に対応する。上記閾値と上記アナログディジタル変換器から出力されたディジタル信号を比較する比較器は、ヒステリシスコンパレータ163に対応する。上記比較器の比較結果に応じて上記ゲイン制御回路のオン/オフ動作を制御する制御信号を生成する記録検出回路は、記録検出回路164に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、光ディスク記録再生装置のブロック構成図である。
【図2】図2は、RF系信号処理の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、VGA制御値と係数の関係を示すグラフである。
【図4】図4は、記録検出回路の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、記録検出回路を説明するための波形図である。
【図6】図6は、従来の光ディスク記録再生装置のRF系信号処理の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0067】
10…光ディスク記録再生装置、11,110…光ディスク、20…モータ駆動制御部、21…スピンドルモータ、22…スレッドモータ、30…光ピックアップユニット、31…レンズ、32…モニタ回路、33…レーザダイオード、34…レーザダイオードドライバ、35…フォトディテクタIC、36…フォーカス&トラッキングアクチュエータ、40…アナログフロントエンド、41…オートパワーコントロール回路、42…RF系信号処理回路、43,164−3…レジスタ、50…MUX・S/H・GCA回路、51…ウォブルGCA回路、52…サーボGCA回路、53…AGC回路、54…フォーカス・トラッキング検出回路、60…ディジタルフロントエンド、61…RFADC、62…ディジタル信号処理回路、63…ウォブルADC、65…MPU・エンコーダ、66…ライトストラテジ回路、67…PC/IF回路、68…サーボADC、69…サーボコントロール回路、70…DAC、81…メモリ、82…モータドライバ、100,200…RF信号処理ブロック、120,220…光学ヘッド、130,230…プリアンプ、140,240…RF系信号処理回路、141,241…VGA、142,144,242,244…HPF、143,243…アナログフィルタ、145,245…ADC、146,246…ディジタルフィルタ、147,247…振幅検出回路、148,248…ゲイン制御回路、151,251…ビタビデコーダ、152,252…復号器、153,253…コントローラ、160…記録検出部、161…制御値−ゲイン変換テーブル、162…掛け算器、163,263…ヒステリシスコンパレータ、164,264…記録検出回路、164−1…カウンタ、164−2…比較器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御信号により利得を可変して入力信号の振幅を可変させる可変利得増幅回路と、
上記可変利得増幅回路から出力される信号レベルに連動したスライスレベルと上記可変利得増幅回路の出力信号が供給され、上記スライスレベルと出力信号が比較され、当該比較結果に応じて出力信号を導出する比較器と
を有するコンパレータ。
【請求項2】
上記スライスレベルは、上記可変利得増幅回路から出力された信号の振幅が振幅検出回路で検出され当該振幅に対応する変換テーブルから得られた所定倍の係数と、スライス閾値とが乗算された値である
請求項1に記載のコンパレータ。
【請求項3】
上記所定倍の係数は、上記検出された振幅が上記変換テーブルで非線形に変換されて所定倍する値である
請求項2に記載のコンパレータ。
【請求項4】
上記比較器は、ヒステリシス曲線の特性を有し、上記可変利得増幅回路から出力された出力信号が該ヒステリシス曲線に対応した値と上記スライスレベルと比較する
請求項1に記載のコンパレータ。
【請求項5】
上記入力信号は、記録媒体に記録された信号である
請求項1に記載のコンパレータ。
【請求項6】
上記入力信号を上記比較器で検出することにより、上記記録媒体に記録された信号の有無を検出する
請求項5に記載のコンパレータ。
【請求項7】
上記比較器は、ディジタル回路で構成された
請求項1に記載のコンパレータ。
【請求項8】
光ディスクから情報を読み出しまたは光ディスクに情報を書き込む光ディスク記録再生装置であって、
上記光ディスク記録再生装置は、
制御信号により利得を可変して光ピックアップから供給された入力信号の振幅を可変させる可変利得増幅回路と、
上記可変利得増幅回路から出力される信号レベルに連動したスライスレベルと上記可変利得増幅回路の出力信号が供給され、上記スライスレベルと出力信号が比較され、当該比較結果に応じて出力信号を導出する比較器と
を有する光ディスク記録再生装置。
【請求項9】
上記スライスレベルは、上記可変利得増幅回路から出力された信号の振幅が振幅検出回路で検出され当該振幅に対応する変換テーブルから得られた所定倍の係数と、スライス閾値とが乗算された値である
請求項8に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項10】
上記所定倍の係数は、上記検出された振幅が上記変換テーブルで非線形に変換されて所定倍する値である
請求項9に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項11】
上記比較器は、ヒステリシス曲線の特性を有し、上記可変利得増幅回路から出力された出力信号が該ヒステリシス曲線に対応した値と上記スライスレベルと比較する
請求項8に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項12】
上記入力信号を上記比較器で検出することにより、上記記録媒体に記録された信号の有無を検出する
請求項8に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項13】
上記比較器は、ディジタル回路で構成された
請求項8に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項14】
光ディスクから情報を読み出しまたは光ディスクに情報を書き込む光ディスク記録再生装置であって、
上記光ディスク記録再生装置は、
制御信号により利得を可変して光ピックアップから供給された入力信号の振幅を可変させる可変利得増幅回路と、
上記可変利得増幅回路の出力信号をディジタル信号に変換するアナログディジタル変換器と、
上記ディジタル信号の振幅を検出する振幅検出回路と、
上記振幅検出回路から出力された検出値により上記可変利得の利得を制御する制御信号を生成するゲイン制御回路と、
上記振幅検出回路から出力された検出値に基づいて閾値を発生する閾値発生回路と、
上記閾値と上記アナログディジタル変換器から出力されたディジタル信号を比較する比較器と、
上記比較器の比較結果に応じて上記ゲイン制御回路のオン/オフ動作を制御する制御信号を生成する記録検出回路と、
を有する光ディスク記録再生装置。
【請求項15】
上記閾値発生回路は、上記振幅検出回路から供給された検出値を所定倍に変換する係数を出力する変換テーブルを有する
請求項14に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項16】
上記閾値発生回路は、さらに掛け算器を有し、上記変換テーブルから読み出された係数とスライス閾値を乗算して、上記比較器へ供給するスライスレベルを発生する
請求項15に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項17】
上記変換テーブルは、上記振幅検出回路で検出した振幅を非線形変換して係数を出力する
請求項14に記載の光ディスク記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−146647(P2010−146647A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323370(P2008−323370)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】