説明

コンピュータ周辺の非接触型入力装置及びその方法

【課題】コンピュータ周辺の非接触型入力装置及びその方法を提供する。
【解決手段】
本発明のコンピュータ周辺の非接触型入力装置は、インダクションモジュールと、ポインティングモジュールと、を含む。インダクションモジュールは、電力供給コイルと、インダクション素子と、を含み、且つポインティングモジュールは、エネルギー蓄積コイルと、非線形素子と、を含む。電力供給コイルは、第1発振信号を発する。エネルギー蓄積コイルが第1発振信号を受信し、非線形素子を経由し、第1発振信号を複数の高調波を有する第2発振信号に変換する。インダクション素子が第2発振信号に基づき、制御信号を発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、特に、コンピュータ周辺の非接触型入力装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場のデジタルボードは、何れも無線ポインタを組み合わせ、無線ポインタがデジタルボードに接触する時、無線ポインタは、電磁インダクション信号を発生し、デジタルボードに電磁結合の方式を利用して無線ポインタの現在の座標位置を演算させ、該座標位置をコンピュータに伝送する。
【0003】
電池を使用する不便を除く為、無線ポインタの動作に必要な電源は、電磁共振の方式で取得することができる。無線ポインタは、電磁共振信号を受信後、電磁共振信号を電磁インダクション信号に変換することができる。
【0004】
従来技術において、無線ポインタは、2つの異なるコイルを含む。そのうち、1つのコイルは、電磁共振信号を受信することに用い、もう1つのコイルは、電磁インダクション信号を伝送することに用いる。
従来技術の無線ポインタの回路図は、図1を参照して説明する。図1において、無線ポインタは、受信モジュール70と、変換モジュール80と、伝送モジュール90と、を含む。受信モジュール70は、第1コイル72、第1コンデンサ73、第2コンデンサ74、第3コンデンサ75、第4コンデンサ76、第5コンデンサ77及びツェナーダイオード78を含む。変換モジュール80は、フィルタ82及び直流/直流変換器84を含む。伝送モジュール90は、第1抵抗911、第2抵抗912、第3抵抗913、第4抵抗914、第6コンデンサ921、第7コンデンサ922、第8コンデンサ923、第9コンデンサ924、第10コンデンサ925、第11コンデンサ926、第12コンデンサ927、第13コンデンサ928、第14コンデンサ929、第15コンデンサ930、第2コイル941、第3コイル942及び第1トランジスタ951を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−283079
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1に示す従来技術において、第1コイル72は、電磁共振信号を受信するためのコイルである。第2コイル941及び第3コイル942は、電磁伝送のためである。図1から判るように、従来技術の無線ポインタは、相当多くの素子を要してようやく実現することができる。素子の使用が多くなる時、無線ポインタの製造上のコストも高くなる。上記複数のコンデンサは、容量値が比較的大きなコンデンサを利用するようにすることができるが、容量値が比較的大きなコンデンサが占める体積は、比較的大きいので、無線ポインタも比較的大きな体積を必要として、そうして初めてこれら素子を収容することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来技術が比較的多くの素子を使用する必要がある問題に鑑み、本発明は、非接触型入力装置及びその方法を提供する。本発明の非接触型入力装置は、インダクションモジュール及びポインティングモジュールを含む。そのうち、該インダクションモジュールは、電力供給コイル及びインダクション素子を含み、該ポインティングモジュールは、エネルギー蓄積コイル及び非線形素子を含む。
【0008】
インダクションモジュールの電力供給コイルは、第1発振信号を発生し、ポインティングモジュールのエネルギー蓄積コイルが第1発振信号に対し、インダクション電圧を発生し、その後、ポインティングモジュールの非線形素子が、該インダクション電圧をクランプし、第2発振信号を発生し、最後に、インダクションモジュールのインダクション素子が該第2発振信号に基づき、制御信号を発生する。
【0009】
本発明の非接触型入力方法は、先ず、インダクションモジュールを利用し、第1発振信号を発生し、その後、ポインティングモジュールは、該第1発振信号に対応し、インダクション電圧を発生し、その後、ポインティングモジュールの非線形素子が該インダクション電圧をクランプし、第2発振信号を発生し、最後に、インダクションモジュールが該第2発振信号に基づき、制御信号を発生する。
【0010】
前記第1発振信号は、第1周波数を有し、且つ第2発振信号は、第1周波数及び第1周波数の複数の高調波を有する。インダクション素子は、第2発振信号をフィルタリングして定位信号を得て、定位信号に基づき、制御信号を発生する
【発明の効果】
【0011】
本発明が提示する非接触型入力装置及びその方法は、そのうち、ポインティングモジュールが極めて少数の素子のみの使用を必要とし、ポインティングモジュールにインダクションモジュールに向けて第2発振信号を発生させ、インダクション素子により第2発振信号に基づき、制御信号を発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術の無線インダクションの回路図である。
【図2】本発明のコンピュータ周辺の非接触型入力装置のブロック説明図である。
【図3】本発明の非線形素子が対応する変換曲線図である。
【図4】本発明の入力信号電圧値を表すタイミング図である。
【図5】本発明の出力信号電圧値を表すタイミング図である。
【図6】本発明のポインティングモジュールの回路図である。
【図7】本発明の非接触型入力方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施方式において、本発明の特徴及び利点を更に詳細に説明し、その内容は、当業者に本発明の技術内容を理解させ、実施させるに十分であり、且つ本明細書が開示する内容、特許請求の範囲及び図面に基づき、当業者が本発明の関連の目的及び利点を容易に理解することができる。
【0014】
図2を参照して説明する。図2は、本発明のコンピュータ周辺の非接触型入力装置のブロック説明図である。
【0015】
非接触型入力装置10は、インダクションモジュール20及びポインティングモジュール30を含む。インダクションモジュール20は、デジタルボードであり、ポインティングモジュール30は、デジタルペンであることができる。インダクションモジュール20は、ポインティングモジュール30に対応し、且つポインティングモジュール30は、インダクションモジュール20の作業領域内に設置される。非接触型入力装置10は、コンピュータの周辺装置とすることができる。使用者は、ポインティングモジュール30を操作制御し、この非接触型入力装置10を運用し、コンピュータに対し、操作を行なうことができる。
【0016】
インダクションモジュール20は、電力供給コイル22及びインダクション素子24を含む。電力供給コイル22は、第1発振信号を発生することに用いる。インダクション素子24は、第2発振信号に基づき、制御信号を発生する。第1発振信号及び第2発振信号は、異なる周波数の電磁波を有することができる。
【0017】
電力供給コイル22は、環型導線が形成するコイルであることができ、電力供給コイル22は、交流電流を受けた後、電力供給コイル22が交流電流を電磁波に変換する。インダクション素子24は、受信コイル25及び演算ユニット26を含む。受信コイル25は、第2発振信号の共振に対応して、インダクション電流を発生する。演算ユニット26は、インダクション電流の電流値に基づき、第2発振信号の信号強度を判断する。演算ユニット26は、信号強度に基づき、対応して制御信号を発生する。
【0018】
エネルギー蓄積コイル32は、第1発振信号の共振に対応してインダクション電流を発生し、インダクション電流に対応してインダクション電圧を発生する。
【0019】
非線形素子34が対応する変換曲線は、図3を参照して説明する。図3において、水平軸は、入力信号の電圧値を表し、垂直軸が出力信号の電圧値を表す。入力信号の電圧値が第1範囲にある時、出力信号の電圧値が入力電圧の電圧値に正比例する。入力信号の電圧値が第2範囲にある時、出力信号の電圧値は、固定値である。更に、詳細に述べれば、第1範囲は、上臨界値及び下臨界値の間にある。入力信号の電圧値が上臨界値より大きい時、出力信号の電圧値が第1固定値にクランプされる。入力信号の電圧値が下臨界値より小さい時、出力信号の電圧値が第2固定値にクランプされる。
【0020】
図4及び図5を参照して説明する。図4は、入力信号電圧値を表すタイミング図である。図5は、出力信号電圧値を表すタイミング図である。本実施例において、入力信号の電圧値が第1範囲にある時、出力信号の電圧値が入力電圧の電圧値と等しい。入力信号の電圧値が時間に伴って、正弦波の方式で変化する。入力信号の電圧値が正半周期であり、正弦波の振幅が上臨界値より大きい時、出力信号の電圧値が上臨界値にクランプされる。入力信号電圧値が負半周期であり、正弦波の振幅が下臨界値より小さい時、出力信号の電圧値が下臨界値にクランプされる。
【0021】
インダクション電圧は、第1発振信号の共振により発生されるので、第1発振信号及びインダクション電圧は、同様に第1周波数を有する。図2における非線形素子34は、インダクション電圧にクランプされ、インダクション電圧の波形上の不連続を作り出す。不連続な波形は、対応してスペクトル上、多くの高調波を発生する。高調波の周波数は、第1周波数の整数倍である。
【0022】
ポインティングモジュール30が発する第2発振信号は、第1周波数及び第1周波数の複数の高調波を有する。インダクションモジュール20は、第2発振信号をフィルタリングして定位信号を得る。第2発振信号において、高調波の振幅は、第1周波数から離れるに伴って徐々に下降する。従って、インダクションモジュール20は、第1周波数の信号に接近した高調波を定位信号として選択することができる。インダクションモジュール20は、フィルタを帯域通過する中心周波数は、第1周波数の3倍の周波数である。即ち、定位信号の中心周波数は、第1周波数の3倍の周波数である。インダクションモジュール20は、定位信号に基づき制御信号を発生する。
【0023】
図6を参照して説明するが、図6は、本発明のポインティングモジュールの回路図である。図2におけるポインティングモジュール30は、チョッパー回路36、エネルギー蓄積コイル32及びマッチングコンデンサ39を含む。エネルギー蓄積コイル32は、インダクタであることができる。チョッパー回路36は、非線形素子34である。チョッパー回路36は、第1ツェナーダイオード37及び第2ツェナーダイオード38を含む。第1ツェナーダイオード37は、第1発振信号の正半周期をクランプすることに用いる。第2ツェナーダイオード38は、第1発振信号の負半周期をクランプすることに用いる。また、ポインティングモジュール30は、マッチングコンデンサ39を含む。マッチングコンデンサ39の容量値は、切り換え式の方式を用い、共振周波数を調整することができ、エネルギー蓄積コイル32に第1発振信号を確実に受信させる。
【0024】
本発明は、更にコンピュータ周辺の非接触型入力方法を提示する。図7を参照して説明するが、図7は、本発明の非接触型入力方法のフロー図である。
【0025】
ステップS101において、インダクションモジュール20がポインティングモジュール30に対し、第1発振信号を発生する。
【0026】
ステップS103において、ポインティングモジュール30が第1発振信号を受信し、第1発振信号に対応してインダクション電圧を発生する。
【0027】
ステップS105において、ポインティングモジュール30の非線形素子34は、インダクション電圧をクランプし、第2発振信号を発生する。ポインティングモジュール30がインダクションモジュール20に向けて第2発振信号を発生する。
【0028】
ステップS107において、インダクションモジュール20が第2発振信号に基づき制御信号を発生する。
【0029】
本発明が提示する非接触型入力装置は、そのうち、ポインティングモジュールがただ極めて小数の素子のみの使用を必要とし、ポインティングモジュールにインダクションモジュールに向けて第2発振信号を発生させ、インダクション素子に第2発振信号に基づき、制御信号を発生させることができる。従来技術と比較し、本発明のポインティングモジュールは、多くの素子の使用を大幅に省くことができ、生産コストを大幅に低減する。
【0030】
なお、本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない均等の範囲内で各種の変動や潤色を加えることができることは勿論である。
【符号の説明】
【0031】
10 非接触型入力装置
20 インダクションモジュール
22 電力供給コイル
24 インダクション素子
25 受信コイル
26 演算ユニット
30 ポインティングモジュール
32 エネルギー蓄積コイル
34 非線形素子
36 チョッパー回路
37 第1ツェナーダイオード
38 第2ツェナーダイオード
39 マッチングコンデンサ
70 受信モジュール
72 第1コイル
73 第1コンデンサ
74 第2コンデンサ
75 第3コンデンサ
76 第4コンデンサ
77 第5コンデンサ
78 ツェナーダイオード
80 変換モジュール
82 フィルタ
84 直流/直流変換器
90 伝送モジュール
911 第1抵抗
912 第2抵抗
913 第3抵抗
914 第4抵抗
921 第6コンデンサ
922 第7コンデンサ
923 第8コンデンサ
924 第9コンデンサ
925 第10コンデンサ
926 第11コンデンサ
927 第12コンデンサ
928 第13コンデンサ
929 第14コンデンサ
930 第15コンデンサ
941 第2コイル
942 第3コイル
951 第1トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発振信号を発生する電力供給コイルと、
第2発振信号に基づき制御信号を発生するインダクション素子と、
を含むインダクションモジュールと、
該第1発振信号を受信することに用い、該第1発振信号に対応してインダクション電圧を発生するエネルギー蓄積コイルと、
該エネルギー蓄積コイルに接続し、該インダクション電圧をクランプし、該第2発振信号を発生する非線形素子と、
を含むポインティングモジュールと、
を含むコンピュータ周辺の非接触型入力装置。
【請求項2】
前記第1発振信号が第1周波数を有し、該第2発振信号が該第1周波数及び該第1周波数の複数の高調波を有し、該インダクション素子は、該第2発振信号をフィルタリングして定位信号を得て、該定位信号に基づき、該制御信号を発生する。
【請求項3】
前記定位信号の中心周波数は、該第1周波数の3倍である請求項2に記載のコンピュータ周辺の非接触型入力装置。
【請求項4】
前記非線形素子がチョッパー回路である請求項1に記載のコンピュータ周辺の非接触型入力装置。
【請求項5】
前記チョッパー回路が第1ツェナーダイオード及び第2ツェナーダイオードを含み、該第1ツェナーダイオードが該第1発振信号の正半周期をクランプすることに用いられ、該第2ツェナーダイオードが該第1発振信号の負半周期をクランプすることに用いられる請求項4に記載のコンピュータ周辺の非接触型入力装置。
【請求項6】
前記ポインティングモジュールがマッチングコンデンサを含む請求項5に記載のコンピュータ周辺の非接触型入力装置。
【請求項7】
インダクションモジュールが第1発振信号を発生し、
ポインティングモジュールが該第1発振信号に対応し、インダクション電圧を発生し、
ポインティングモジュールの非線形素子が該インダクション電圧をクランプし、第2発振信号を発生し、
インダクションモジュールが該第2発振信号に基づき、制御信号を発生する、
ことを含むコンピュータ周辺の非接触型入力方法。
【請求項8】
前記第1発振信号が第1周波数を有し、該第2発振信号が該第1周波数及び該第1周波数の複数の高調波を有し、該第2発振信号がフィルタリングを経て定位信号を得る請求項7に記載のコンピュータ周辺の非接触型入力方法。
【請求項9】
前記非線形素子は、チョッパー回路である請求項7に記載のコンピュータ周辺の非接触型入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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