説明

コンピュータ操作制限システム及びコンピュータ操作制限方法、並びにコンピュータ操作制限プログラム

【課題】学校教育現場やオフィスのコンピュータ操作において、正しい操作を行うに至るまで効率よく誘導・規制できるコンピュータ操作制限システム及び制限方法、並びにコンピュータ操作制限プログラムを提供せんとする。
【解決手段】 前記管理者コンピュータが、該管理者コンピュータを操作する者によるポインティングデバイスの操作に基づき、操作可能領域を設定する手順と、当該操作可能領域内にポインティングデバイスの操作を制限するための制限情報を生成する手順と、前記制限情報を前記クライアントコンピュータに送信する手順とを備え、前記クライアントコンピュータが、受信した前記制限情報に基づき、ポインティングデバイスの操作を制限する手順を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校教育現場のコンピュータ授業やオフィスコンピュータ等のコンピュータ操作を制限し、不要な操作の規制および正しい操作の誘導を行うためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ授業などで生徒が利用する複数の生徒用コンピュータにおいて機能の一部を使用制限するものとして、教員用コンピュータから開始許可の指示をしたとき、生徒用コンピュータにおいて生徒が開始指示しか操作できなくし、これにより、生徒全員が開始指示をすべきときに誤った操作や先走った操作を効果的に防止できるとともに、教師側で強制的に開始を実行するのではなく、あくまでも開始自体は生徒本人が操作することにより、生徒自身で行うべき操作の回数を減らすことがなく、教師側の関与を適度に抑えることができるコンピュータ管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このようなシステムによれば、管理者が設定した操作のみユーザが行うことが可能となり、学校教育現場においては生徒による誤った操作を未然に防止でき、正しい操作をサポートできることとなり、オフィス等においては、ワーカーが管理者が設定した所定の作業以外できなくすることにより不正或いは不要な操作を未然に防止し、作業の効率化を促進できることとなる。しかしながら、所定の操作以外を禁止するだけであると、その操作に辿りつくまで生徒自身による試行錯誤が必要となり、またワーカーとしても実行可能な操作を把握しにくく、とくに初めてコンピュータを利用する生徒などの場合、正しい操作を行うに至るまで効率よく誘導できるシステムが求められる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−295180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、学校教育現場やオフィスのコンピュータ操作において、正しい操作を行うに至るまで効率よく誘導・規制できるコンピュータ操作制限システム及び制限方法、並びにコンピュータ操作制限プログラムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の課題解決のために、単又は複数のクライアントコンピュータとこれに通信接続される管理者コンピュータとより構成され、前記管理者コンピュータが、該管理者コンピュータを操作する者によるポインティングデバイスの操作に基づき、操作可能領域を設定する領域設定手段と、当該操作可能領域内にポインティングデバイスの操作を制限するための制限情報を生成する制限情報生成手段と、前記制限情報を前記クライアントコンピュータに送信する送信手段とを備え、前記クライアントコンピュータが、受信した前記制限情報に基づき、ポインティングデバイスの操作を制限する操作制限手段を備えたことを特徴とするコンピュータ操作制限システムを提供する。
【0007】
ここで、前記領域設定手段が、管理者コンピュータ操作者が操作したポインティングデバイスのカーソルの軌道に基づき、該軌道を中心とした所定範囲内の領域をポインティングデバイスのカーソル可動領域として前記操作可能領域を設定してなるシステムが好ましい。
【0008】
とくに、前記ポインティングデバイスのカーソル可動領域で囲まれる閉じた領域も同じくポインティングデバイスのカーソル可動領域として前記操作可能領域を設定することが好ましい。
【0009】
また、前記領域設定手段が、管理者コンピュータ操作者が操作したポインティングデバイスの座標指定操作に基づき、該指定ポイントを中心とした所定範囲内の領域を座標指定操作可能領域として前記操作可能領域を設定してなるシステムが好ましい。
【0010】
さらに、前記制限情報生成手段が、管理者コンピュータのディスプレイサイズに関する情報を制限情報に付与するとともに、前記クライアントコンピュータの操作制限手段が、前記操作可能領域を当該クライアントコンピュータのディスプレイサイズに応じた大きさの領域に補正してなるシステムが好ましい。
【0011】
また、本発明は、単又は複数のクライアントコンピュータとこれに通信接続される管理者コンピュータとから構成されるコンピュータ操作制限方法であって、前記管理者コンピュータが、該管理者コンピュータを操作する者によるポインティングデバイスの操作に基づき、操作可能領域を設定する手順と、当該操作可能領域内にポインティングデバイスの操作を制限するための制限情報を生成する手順と、前記制限情報を前記クライアントコンピュータに送信する手順とを備え、前記クライアントコンピュータが、受信した前記制限情報に基づき、ポインティングデバイスの操作を制限する手順を備えたことを特徴とするコンピュータ操作制限方法をも提供する。
【0012】
ここでも、前記管理者コンピュータが、管理者コンピュータ操作者が操作したポインティングデバイスのカーソルの軌道に基づき、該軌道を中心とした所定範囲内の領域をポインティングデバイスのカーソル可動領域として前記操作可能領域を設定することが好ましく、とくに、前記ポインティングデバイスのカーソル可動領域で囲まれる閉じた領域も同様にポインティングデバイスのカーソル可動領域として前記操作可能領域を設定することが好ましい。
【0013】
また、前記管理者コンピュータが、管理者コンピュータ操作者が操作したポインティングデバイスの座標指定操作に基づき、該指定ポイントを中心とした所定範囲内の領域を座標指定操作可能領域として前記操作可能領域を設定するものや、管理者コンピュータのディスプレイサイズに関する情報を前記制限情報に付与する手順を備えるとともに、前記クライアントコンピュータが、前記操作可能領域を当該クライアントコンピュータのディスプレイサイズに応じた大きさの領域に補正する手順を備えたものが好ましい。
【0014】
さらに、本発明は、単又は複数のクライアントコンピュータとこれに通信接続される管理者コンピュータを、それぞれ請求項1〜5の何れか1項に記載のコンピュータ操作制限システムにおける各手段として機能させるためのコンピュータ操作制限プログラムであって、前記管理者コンピュータを、該管理者コンピュータを操作する者によるポインティングデバイスの操作に基づき、操作可能領域を設定する領域設定手段、当該操作可能領域内にポインティングデバイスの操作を制限するための制限情報を生成する制限情報生成手段、および、前記制限情報を前記クライアントコンピュータに送信する送信手段として機能させ、前記クライアントコンピュータを、受信した前記制限情報に基づき、ポインティングデバイスの操作を制限する操作制限手段として機能させるコンピュータ操作制限プログラムをも提供する。
【発明の効果】
【0015】
以上にしてなる本願発明によれば、管理者コンピュータ側の操作者が特別な規制操作(使用可能なアプリケーションを登録したりする操作)をしなくても簡単に操作制限をかけることができ、クライアントコンピュータ側の余計な操作、操作ミス等の間違いを効率よく未然に防止することができる。とくに本発明では、管理者側のポインティングデバイスの操作に基づき、操作可能領域を設定して、当該操作可能領域内にポインティングデバイスの操作を制限するので、正しいアプリケーションの選択等に至るまでのポインティングデバイスによる操作を誘導・規制でき、よりきめ細かなサポートを行うことができる。
【0016】
また、管理者コンピュータ操作者が操作したポインティングデバイスのカーソルの軌道に基づき、該軌道を中心とした所定範囲内の領域をポインティングデバイスのカーソル可動領域として設定するので、クライアントコンピュータを操作する生徒やオフィスワーカーは前記領域内を誘導され、正しい操作に効率よく導かれる。
【0017】
また、管理者コンピュータ操作者が操作したポインティングデバイスの座標指定操作に基づき、該指定ポイントを中心とした所定範囲内の領域を座標指定操作可能領域として設定するので、クライアントコンピュータを操作する生徒やオフィスワーカーは当該領域のポイントを容易に選択することができる。
【0018】
また、制限情報生成手段が、管理者コンピュータのディスプレイサイズに関する情報を制限情報に付与するとともに、クライアントコンピュータの操作制限手段が、操作可能領域を当該クライアントコンピュータのディスプレイサイズに応じた大きさの領域に補正するので、ディスプレイのサイズが異なる場合も正しい領域を指定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るコンピュータ操作制限システムの全体構成を示す図であり、図1〜9は代表的実施形態を示し、図中符号1は管理者コンピュータ、2はクライアントコンピュータをそれぞれ示している。本発明のコンピュータ操作制限システムSは、単又は複数のクライアントコンピュータ2,…と、通信ネットワークNを介してこれに通信接続される管理者コンピュータ1とから構成されている。
【0021】
管理者コンピュータ1は、単又は複数のコンピュータより構成され、図2に示すように、処理装置10を中心に、記憶手段11、通信制御部12、入力操作手段としてポインティングデバイス13やキーボード等、ディスプレイ14よりなる従来から汎用されているコンピュータ装置を用いることができ、処理装置10は、マイクロプロセッサなどのCPUを主体に構成され、図示しないRAM、ROMからなる記憶部を有して各種処理動作の手順を規定するプログラムや処理データが記憶される。
【0022】
記憶手段11は、管理者コンピュータ1内外のハードディスク等からなり、自らのポインティングデバイス13による入力履歴を記憶する入力履歴記憶部11aと、該入力履歴に基づき設定された操作可能領域を管理する領域情報記憶部11bと、前記操作可能領域に基づき生成された制限情報を管理する制限情報記憶部11cとを備えている。これら記憶手段11としては、上記ハードディスク等以外に、一時記憶領域に保存するようなケースも勿論含まれる。
【0023】
処理装置10は、機能的には、管理者コンピュータ1を操作する者によるポインティングデバイス操作による入力履歴を取得し、これを入力履歴記憶部11aに格納する入力履歴取得部10aと、前記ポインティングデバイスの入力履歴に基づき、当該入力ポイントを含む所定の操作可能領域を設定する領域設定処理部10bと、前記設定された操作可能領域内にクライアントコンピュータのポインティングデバイス操作を制限するための制限情報を生成する制限情報生成部10cと、前記制限情報を前記クライアントコンピュータに送信する送信処理部10dとを備えており、これら機能は上記プログラムにより実現される。
【0024】
前記ポインティングデバイスによる入力履歴としては、例えばカーソルを移動させたときのカーソルの軌道(軌跡)や、座標指定してアプリケーション等を指定したときの座標などの情報テーブルが取得・管理され、これら情報に基づき、前記領域設定処理部10bは、前記カーソルの軌道に基づいて、該軌道を中心とした画面上の上下所定の範囲内の領域を操作可能領域として設定して領域情報記憶部11bに記憶管理し、前記座標に基づいて、該指定ポイント(座標)を中心とした所定範囲内の領域、例えば縦横所定範囲の正方形の領域を操作可能領域として同じく設定・記憶管理する。この場合、領域情報記憶部11bには、入力履歴情報とリンクして、例えばカーソル軌道情報と平行な上下所定の上限ポイント、下限ポイントの座標情報テーブルが格納され、前記指定ポイントに対する上下左右の限界ポイントの座標情報テーブルが格納される。
【0025】
また、管理者コンピュータ1で生成される制限情報としては、前記入力履歴によるポインティングデバイスの入力操作手順を規制するとともに、各操作について、前記領域情報記憶部11bに管理されている操作可能領域内に規制する操作制限情報が生成され、制限情報記憶部11cに記憶管理される。これら制限情報は、好ましくは一連の操作、たとえば特定のアプリケーションを使用して各種処理を学習するコンピュータ授業のカリキュラム毎、或いはオフィスでのコンピュータを用いた作業ごとに管理者コンピュータ1側で予め生成されて制限情報記憶部11cに記憶管理され、各クライアントコンピュータ2にそのカリキュラム、作業の前に送信し、クライアントコンピュータ2側で操作制限の設定が為される。
【0026】
なお、本例では、図1に示すように単一のコンピュータの処理装置、記憶手段11にこれら機能、記憶部を設けた例について説明しているが、複数のコンピュータによりこれら機能、記憶部を分担させて構成してもよい。また、管理者コンピュータは必ずしも固定されたコンピュータとは限らず、通信接続されている複数のコンピュータのうち任意のものを管理者コンピュータとして指定し、他のコンピュータをクライアントコンピュータとして機能させることも勿論できる。
【0027】
各クライアントコンピュータ2は、図3に示すように、処理装置20を中心に、記憶手段21、ディスプレイ22、入力操作手段としてポインティングデバイス23やキーボード、通信制御部24が接続された従来から汎用されているコンピュータ装置からなり、処理装置20は、マイクロプロセッサなどのCPUを主体に構成され、図示しないRAM、ROMからなる記憶部を有して各種処理動作の手順を規定するプログラムや処理データが記憶される。
【0028】
処理装置20は、機能的には、上記の管理者コンピュータ1から受信した制限情報を制限情報記憶部21aに記憶・管理する受信処理部20aと、制限情報記憶部21aの制限情報に基づき、当該クライアントコンピュータ2におけるポインティングデバイスの操作を制限する操作制限部20bとを少なくとも備え、これら機能は上記プログラムにより実現される。
【0029】
なお、管理者コンピュータ1から受信する制限情報には、管理者コンピュータ1のディスプレイサイズに関する情報が含まれており、クライアントコンピュータ2の操作制限部20bにより、ポインティングデバイスの操作可能領域が当該クライアントコンピュータのディスプレイサイズに応じた大きさの領域に補正される。管理者コンピュータ1及びクライアントコンピュータ2に設けられるポインティングデバイスとしては、マウスやトラックパッド、トラックボールなどが該当する。
【0030】
以下、図9のフロー図に基づき、本発明のコンピュータ操作制限方法の各手順を説明する。
【0031】
なお、以下の説明では、学校教育現場のコンピュータ授業において生徒が操作する複数のクライアントコンピュータ2に対し、教員が管理者コンピュータ1を操作して各生徒によるマウス操作を制限する例、すなわち教員が予め操作(指定)したアプリケーションやマウスカーソル軌道の近傍範囲、クリックポイントのみが生徒コンピュータ上で操作可能となり、生徒の操作をサポートするシステムとして構成した例について説明するが、本発明はこのような学校教育現場における操作制限になんら限定されず、たとえば会社のオフィスワーカーのコンピュータに対して管理者の管理者コンピュータから操作制限をかける場合等、さまざまな場面に適用できることは勿論である。
【0032】
まず、教員用コンピュータ(管理者コンピュータ1)の入力履歴取得部10aが、教員によるマウス操作による入力履歴を入力履歴記憶部11aに記憶させ(S101)、領域設定処理部10bが、該記憶された入力履歴に基づいて操作可能領域を設定し、領域情報記憶部11bに記憶管理する(S102)。この領域設定は、一連の入力操作が終わった後に一括して設定してもよいし、入力中に随時設定、記憶管理するようにしてもよい。
【0033】
本例では、図4に示すように、教員がマウスカーソル5を移動させることで、該カーソル軌道3の情報が入力履歴として記憶され、これに基づき上下所定の領域がカーソル可動領域41として設定される様子を示す説明図である。これにより生徒用コンピュータでは設定された領域内にマウスカーソルの移動が規制され、教員の操作の通りに操作することをサポートできることとなるのである。図5は、マウスカーソル5を移動後にあるアプリケーション6を選択するまでの、入力履歴および操作可能領域4を示す説明図であり、同じくアプリケーション6選択時のクリックポイントの座標を中心とした所定の領域が座標指定操作可能領域42として設定される。そして、図6〜図7に示すように、当該アプリケーション6を開いてからの入力履歴についても同様にカーソル可能領域や座標指定操作可能領域42が設定され、教員が操作した手順の通りに生徒の操作を誘導できるように構成されている。
【0034】
入力履歴記憶部11aには、図4で示したマウスカーソル5の軌道3の情報、アプリケーション6選択時の指定ポイント座標、起動したアプリケーション6の情報、アプリケーション6上での軌道3の情報やクリックポイントの座標情報が、それぞれ時系列に沿って記憶管理され、領域情報記憶部11bは、これら入力履歴にリンクするようにしてカーソル可動領域や座標指定(クリック)操作可能領域の情報が記憶管理される。なお、図8に示すように、カーソル可動領域41で囲まれる閉じた領域も同じくカーソル可動領域として設定することが好ましく、これにより生徒は当該領域内でマウス操作をスムーズに行うことが可能となる。その他、入力履歴記憶部11aには、教員が操作したキーボードのキー情報なども時系列に沿って記憶管理されている。
【0035】
次に、教員用コンピュータ(管理者コンピュータ1)は、生徒用コンピュータ(クライアントコンピュータ2)に送信して生徒用コンピュータのマウス操作を制限するための制限情報を生成し、制限情報記憶部11cに記憶管理する(S103)。この制限情報は、教員による当該カリキュラムにおける一連の操作、すなわち上記入力履歴記憶部11aに時系列に記憶管理されている操作手順に沿って選択できるアプリケーションやマウスカーソル可能領域、座標指定(クリック)操作可能領域などを付加して作成される。
【0036】
そして、教員が制限情報記憶部11cに管理されている制限情報から当該カリキュラムのものを選択して送信処理部10dにより各生徒コンピュータに送信され(S104)、各生徒用コンピュータの受信処理部20aが、受信した前記制限情報を制限情報記憶部21aに記憶管理し(S105)、操作制限部20bにより実際の生徒によるマウス操作を制限情報に基いて制限することとなる(S106)。これにより生徒は、教員が操作した手順に沿わなければ、マウス操作やアプリケーションの起動ができなくなり、結果として生徒によるコンピュータ操作をサポートすることとなる。
【0037】
なお、本例ではアプリケーションの選択を含めて教員の操作履歴に沿って制限情報を生成しているが、教員により起動するアプリケーションを登録し、各アプリケーションごとに登録したアプリケーションの起動してから終了するまでの制限情報を生成するようにしてもよい。また、教員が操作した情報に基づいて、生徒が次に操作しなければならない場所がハイライト表示されるようにしても良い。また、教員のすべての操作について制限情報を生成するのではなく、教員が特定のボタン、例えばファンクションキーを押下しながらマウス等の操作をした部分についてのみ制限情報を生成するようにしても良い。
【0038】
さらに、本例では、カリキュラムごとに予め教員用コンピュータで制限情報を生成しておき、授業の前に一括して制限情報を送信して生徒用コンピュータで設定されるが、本発明はこのように一連の制限情報をパッケージで送信するものに何ら限定されず、教員が操作する毎に制限情報を生成し、そのまま随時、クライアントコンピュータに送信するように構成することも可能である。また、教員用コンピュータにおいて設定されている制限情報における操作可動領域を教員により手動で、たとえば特定キーを押下したままでマウスホイールをダウン或いはアップさせる等することにより、広げたり縮めたりする補正が可能となるように構成してもよい。
【0039】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るコンピュータ操作制限システムの全体構成を示す説明図。
【図2】同じく管理者コンピュータの構成を示すブロック図。
【図3】同じくクライアントコンピュータの構成を示すブロック図。
【図4】カーソル可動領域が設定される様子を示す説明図。
【図5】アプリケーションを選択するまでの操作可能領域を示す説明図。
【図6】アプリケーションが起動した状態を示す説明図。
【図7】アプリケーション上でのクリック操作可能領域を示す説明図。
【図8】カーソル可動領域で囲まれた閉じた領域も同じくカーソル可動領域として設定される様子を示す説明図。
【図9】同じくコンピュータ操作制限システムにおける処理手順を示すフロー図。
【符号の説明】
【0041】
S コンピュータ操作制限システム
N 通信ネットワーク
1 管理者コンピュータ
2 クライアントコンピュータ
3 軌道
4 操作可能領域
5 マウスカーソル
6 アプリケーション
10 処理装置
10a 入力履歴取得部
10b 領域設定処理部
10c 制限情報生成部
10d 送信処理部
11 記憶手段
11a 入力履歴記憶部
11b 領域情報記憶部
11c 制限情報記憶部
12 通信制御部
13 ポインティングデバイス
14 ディスプレイ
20 処理装置
20a 受信処理部
20b 操作制限部
21 記憶手段
21a 制限情報記憶部
22 ディスプレイ
23 ポインティングデバイス
24 通信制御部
41 カーソル可動領域
42 座標指定操作可能領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単又は複数のクライアントコンピュータとこれに通信接続される管理者コンピュータとより構成され、
前記管理者コンピュータが、
該管理者コンピュータを操作する者によるポインティングデバイスの操作に基づき、操作可能領域を設定する領域設定手段と、
当該操作可能領域内にポインティングデバイスの操作を制限するための制限情報を生成する制限情報生成手段と、
前記制限情報を前記クライアントコンピュータに送信する送信手段とを備え、
前記クライアントコンピュータが、
受信した前記制限情報に基づき、ポインティングデバイスの操作を制限する操作制限手段を備えたことを特徴とする
コンピュータ操作制限システム。
【請求項2】
前記領域設定手段が、管理者コンピュータ操作者が操作したポインティングデバイスのカーソルの軌道に基づき、該軌道を中心とした所定範囲内の領域をポインティングデバイスのカーソル可動領域として前記操作可能領域を設定してなる請求項1記載のコンピュータ操作制限システム。
【請求項3】
前記領域設定手段が、前記ポインティングデバイスのカーソル可動領域で囲まれる閉じた領域も同じくポインティングデバイスのカーソル可動領域として前記操作可能領域を設定してなる請求項2記載のコンピュータ操作制限システム。
【請求項4】
前記領域設定手段が、管理者コンピュータ操作者が操作したポインティングデバイスの座標指定操作に基づき、該指定ポイントを中心とした所定範囲内の領域を座標指定操作可能領域として前記操作可能領域を設定してなる請求項1〜3の何れか1項に記載のコンピュータ操作制限システム。
【請求項5】
前記制限情報生成手段が、管理者コンピュータのディスプレイサイズに関する情報を制限情報に付与するとともに、前記クライアントコンピュータの操作制限手段が、前記操作可能領域を当該クライアントコンピュータのディスプレイサイズに応じた大きさの領域に補正してなる請求項1〜4の何れか1項に記載のコンピュータ操作制限システム。
【請求項6】
単又は複数のクライアントコンピュータとこれに通信接続される管理者コンピュータとから構成されるコンピュータ操作制限方法であって、
前記管理者コンピュータが、
該管理者コンピュータを操作する者によるポインティングデバイスの操作に基づき、操作可能領域を設定する手順と、
当該操作可能領域内にポインティングデバイスの操作を制限するための制限情報を生成する手順と、
前記制限情報を前記クライアントコンピュータに送信する手順とを備え、
前記クライアントコンピュータが、
受信した前記制限情報に基づき、ポインティングデバイスの操作を制限する手順を備えたことを特徴とするコンピュータ操作制限方法。
【請求項7】
前記管理者コンピュータが、管理者コンピュータ操作者が操作したポインティングデバイスのカーソルの軌道に基づき、該軌道を中心とした所定範囲内の領域をポインティングデバイスのカーソル可動領域として前記操作可能領域を設定する請求項6記載のコンピュータ操作制限方法。
【請求項8】
前記管理者コンピュータが、前記ポインティングデバイスのカーソル可動領域で囲まれる閉じた領域も同様にポインティングデバイスのカーソル可動領域として前記操作可能領域を設定する請求項7記載のコンピュータ操作制限方法。
【請求項9】
前記管理者コンピュータが、管理者コンピュータ操作者が操作したポインティングデバイスの座標指定操作に基づき、該指定ポイントを中心とした所定範囲内の領域を座標指定操作可能領域として前記操作可能領域を設定する請求項6〜8の何れか1項に記載のコンピュータ操作制限方法。
【請求項10】
前記管理者コンピュータが、管理者コンピュータのディスプレイサイズに関する情報を前記制限情報に付与する手順を備えるとともに、前記クライアントコンピュータが、前記操作可能領域を当該クライアントコンピュータのディスプレイサイズに応じた大きさの領域に補正する手順を備えた請求項6〜9の何れか1項に記載のコンピュータ操作制限方法。
【請求項11】
単又は複数のクライアントコンピュータとこれに通信接続される管理者コンピュータを、それぞれ請求項1〜5の何れか1項に記載のコンピュータ操作制限システムにおける各手段として機能させるためのコンピュータ操作制限プログラムであって、
前記管理者コンピュータを、
該管理者コンピュータを操作する者によるポインティングデバイスの操作に基づき、操作可能領域を設定する領域設定手段、
当該操作可能領域内にポインティングデバイスの操作を制限するための制限情報を生成する制限情報生成手段、
および、前記制限情報を前記クライアントコンピュータに送信する送信手段として機能させ、
前記クライアントコンピュータを、
受信した前記制限情報に基づき、ポインティングデバイスの操作を制限する操作制限手段として機能させるコンピュータ操作制限プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−171340(P2008−171340A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6131(P2007−6131)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【Fターム(参考)】