コンピュータ装置及びそのプログラム
【課題】時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築すること。
【解決手段】ファイル生成手段352は、ドットパターン単位用紙21に対して電子ペン1で記入がなされると、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させる。ストローク描画記録手段353は、ドットパターン単位用紙21に対して電子ペン1により手書きのストロークが記入されると、そのストロークを描画してファイルに記録する。ストローク描画記録手段353は、その後ファイルが開かれている状態で、ドットパターン単位用紙21に対して電子ペン1で新たな手書きのストロークの記入があると、その新たなストロークを描画してファイルに記録させる。
【解決手段】ファイル生成手段352は、ドットパターン単位用紙21に対して電子ペン1で記入がなされると、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させる。ストローク描画記録手段353は、ドットパターン単位用紙21に対して電子ペン1により手書きのストロークが記入されると、そのストロークを描画してファイルに記録する。ストローク描画記録手段353は、その後ファイルが開かれている状態で、ドットパターン単位用紙21に対して電子ペン1で新たな手書きのストロークの記入があると、その新たなストロークを描画してファイルに記録させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンによりストロークを描画するシステムにおいて、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築するためのコンピュータ装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙と共に使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、ドットパターン用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像等の記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話等の端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような電子ペンや端末装置で構成されるシステムにおいて、アイコンが専用紙に予め印刷されており、専用紙上の当該アイコンが電子ペンによりタップされると、当該アイコンに割り当てられた処理が端末装置で実行される技術が、特許文献2に開示されている。
【0004】
また、専用紙に対して電子ペンが接触操作されるのに対して、液晶パネルに対してスタイラスペンが接触操作される技術が、特許文献3に開示されている。特許文献3に開示の技術によれば、液晶パネルに予め固定表示されるアイコンがスタイラスペンにより指定されると、当該アイコンに割り当てられた処理が実行されたり、スタイラスペンで液晶パネルに文字が手書きされると、文字認識がなされて文字情報が入力されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3842283号公報
【特許文献2】特表2003−508843号公報
【特許文献3】特開2010−218241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、端末装置が、電子ペンから記入情報を受信して、ファイルに記録して保持する場合、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録することができれば、ユーザにとって便宜である。
特許文献2の技術を適用して、このことを実現しようとすると、最初に電子ペンで書き込まれた記入情報がファイルに記録された後に、ユーザは、端末装置を操作して、当該ファイルを開くという処理を、予め固定表示されるアイコンに割り当てる必要がある。しかしながら、このような端末装置側の操作は、電子ペンも操作しているユーザにとっては、長時間を要する煩わしい操作になる。さらに、コンピュータの操作を苦手とするユーザにとっては、非常に困難なものとなる。
このため、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが要求されているが、このような要求に応えることができない状況である。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るコンピュータ装置は、コード化パターンが印刷された書き込み媒体に対して電子ペンが接触して移動されると、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段と、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段と、前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段と、を備え、前記ファイル状態認識手段により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、ことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、コンピュータ装置は、最初の書き込み媒体に対する電子ペンの接触及び移動があると、ストロークを記録するファイルを生成するとともにそのファイルを開くアイコンを生成し、その後、アイコンが操作されてファイルが開かれているときに、書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触及び移動があると、電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、ファイルに記録させる。したがって、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが可能となる。即ち、このような仕組みが、コンピュータ装置に対する直接的な操作を介在せずとも、電子ペンによる簡単で短時間で済む操作だけで構築されるので、ユーザにとって便宜である。特にコンピュータ装置に対する操作を苦手とするユーザにとっては、非常に便宜である。
【0010】
上記コンピュータ装置において、前記ファイル生成手段は、前記ファイル状態認識手段がファイルは開かれている状態ではないと判断し、新規の書き込み媒体に前記電子ペンが接触して移動されたと判断した場合に、ファイルを生成し開いた状態にするとよい。
【0011】
この構成によれば、コンピュータ装置上でファイルが開かれていない状態のときに、ユーザが、新規の書き込み媒体に電子ペンで記入すると、ファイル生成手段は、ファイルを生成し開いた状態にする。したがって、ファイル状態認識手段により、ファイルは開かれている状態であると認識され、ストローク描画記録手段により、電子ペンの記入に基づくストロークを描画して、ファイルに記録させることができる。
【0012】
または、本発明に係るコンピュータ装置は、コード化パターンが印刷された書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されたと判断した場合に、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段と、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段と、前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段とを備え、前記ファイル状態認識手段により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、コンピュータ装置は、書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されると、ストロークを記録するファイルを生成するとともにそのファイルを開くアイコンを生成し、その後、アイコンが操作されてファイルが開かれているときに、書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触及び移動があると、電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、ファイルに記録させる。したがって、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが可能となる。即ち、このような仕組みが、コンピュータ装置に対する直接的な操作を介在せずとも、電子ペンによる簡単で短時間で済む操作だけで構築されるので、ユーザにとって便宜である。特にコンピュータ装置に対する操作を苦手とするユーザにとっては、非常に便宜である。
【0014】
上記コンピュータ装置において、前記ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にするよう構成するとよい。
この構成により、ユーザが書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入すると、ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にするので、ファイル状態認識手段により、ファイルは開かれている状態であると認識され、ストローク描画記録手段により、電子ペンの記入に基づくストロークを描画して、ファイルに記録させることができる。
【0015】
上記コンピュータ装置において、前記表示手段は、前記ファイルが開かれた状態では、前記ファイルに記録されたストロークをさらに表示し、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記ストロークの下方の領域に表示させるペンアップ日時・区切り線生成表示手段をさらに備えるよう構成するとよい。
【0016】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、書き込み媒体への電子ペンの非接触状態が所定時間以上継続すると、非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、表示手段のうちストロークの下方の領域に表示させる。したがって、書き込み媒体へのまとまりのある書き込みの書き込み日時ないし区切り線を表示させることができる。
【0017】
上記コンピュータ装置において、相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段によって、第1の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させ、前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、前記第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記第2の書き込み媒体についての前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させるよう構成するとよい。
【0018】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、第2の書き込み媒体についての非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、表示手段のうち区切り線の下方に表示させる。したがって、第1の書き込み媒体とは異なる第2の書き込み媒体に書き込みを行った場合でも、第1の書き込み媒体と同様にして、書き込み日時を表示させることができる。
【0019】
上記コンピュータ装置において、相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段によって、所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、同一の前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の上方に表示させ、前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時を更新するよう構成するとよい。
【0020】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、所定の書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、非接触状態が所定時間以上継続すると、非接触状態への遷移を検知した日時を更新する。したがって、再度、同一の書き込み媒体に書き込まれた場合には、書き込まれた最終の日時を表示することができる。
【0021】
本発明に係るプログラムは、コンピュータ装置を、コード化パターンが印刷された書き込み媒体に対して電子ペンが接触して移動されると、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段、前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段、として機能させ、前記ファイル状態認識手段として機能する前記コンピュータ装置により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、ことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、コンピュータ装置は、プログラムによって、最初の書き込み媒体に対する電子ペンの接触及び移動があると、ストロークを記録するファイルを生成するとともにそのファイルを開くアイコンを生成し、その後、アイコンが操作されてファイルが開かれているときに、書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触及び移動があると、電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、ファイルに記録させるように機能する。したがって、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが可能となる。即ち、このような仕組みが、コンピュータ装置に対する直接的な操作を介在せずとも、電子ペンによる簡単で短時間で済む操作だけで構築されるので、ユーザにとって便宜である。特にコンピュータ装置に対する操作を苦手とするユーザにとっては、非常に便宜である。
【0023】
上記プログラムにおいて、ファイル生成手段は、前記ファイル状態認識手段がファイルは開かれている状態ではないと判断し、新規の書き込み媒体に前記電子ペンが接触して移動されたと判断した場合に、ファイルを生成し開いた状態にするよう構成するとよい。
【0024】
この構成によれば、コンピュータ装置上でファイルが開かれていない状態のときに、ユーザが、新規の書き込み媒体に電子ペンで記入すると、ファイル生成手段は、ファイルを生成し開いた状態にする。したがって、ファイル状態認識手段により、ファイルは開かれている状態であると認識され、ストローク描画記録手段により、電子ペンの記入に基づくストロークを描画して、ファイルに記録させることができる。
【0025】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータ装置を、コード化パターンが印刷された書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されたと判断した場合に、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段、前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段として機能させ、前記ファイル状態認識手段として機能する前記コンピュータ装置により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させることを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、コンピュータ装置は、プログラムによって、書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されると、ストロークを記録するファイルを生成するとともにそのファイルを開くアイコンを生成し、その後、アイコンが操作されてファイルが開かれているときに、書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触及び移動があると、電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、ファイルに記録させる。したがって、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが可能となる。即ち、このような仕組みが、コンピュータ装置に対する直接的な操作を介在せずとも、電子ペンによる簡単で短時間で済む操作だけで構築されるので、ユーザにとって便宜である。特にコンピュータ装置に対する操作を苦手とするユーザにとっては、非常に便宜である。
【0027】
上記プログラムにおいて、前記ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にするよう構成するとよい。
この構成により、ユーザが書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入すると、ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にするので、ファイル状態認識手段により、ファイルは開かれている状態であると認識され、ストローク描画記録手段により、電子ペンの記入に基づくストロークを描画して、ファイルに記録させることができる。
【0028】
また、上記プログラムにおいて、前記表示手段として機能させる前記コンピュータ装置は、前記ファイルが開かれた状態では、前記ファイルに記録されたストロークをさらに表示させ、前記コンピュータをさらに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記ストロークの下方の領域に表示させるペンアップ日時・区切り線生成表示手段、として機能させるよう構成するとよい。
【0029】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、書き込み媒体への電子ペンの非接触状態が所定時間以上継続すると、非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、表示手段のうちストロークの下方の領域に表示させる。したがって、書き込み媒体へのまとまりのある書き込みの書き込み日時ないし区切り線を表示させることができる。
【0030】
また、上記プログラムにおいて、相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置によって、第1の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させ、前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記第2の書き込み媒体についての前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させるよう構成するとよい。
【0031】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、第2の書き込み媒体についての非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、表示手段のうち区切り線の下方に表示させる。したがって、第1の書き込み媒体とは異なる第2の書き込み媒体に書き込みを行った場合でも、第1の書き込み媒体と同様にして、書き込み日時を表示させることができる。
【0032】
また、上記プログラムにおいて、相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置によって、所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、同一の前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の上方に表示させ、前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時を更新するよう構成するとよい。
【0033】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、所定の書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、非接触状態が所定時間以上継続すると、非接触状態への遷移を検知した日時を更新する。したがって、再度、同一の書き込み媒体に書き込まれた場合には、書き込まれた最終の日時を表示することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、本発明は、電子ペンによりストロークを描画するシステムにおいて、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態における入力システムのシステム構成図である。
【図2】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図3】(A)は、ドットパターンを模式的に示し、(B)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図4】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図5】コンピュータ装置の機能ブロック図である。
【図6】(A)は、ドットパターン単位用紙に対して、電子ペンの記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【図7】(A)は、ドットパターン単位用紙に対して、電子ペンの記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【図8】図7(A)の処理結果を示す図である。
【図9】(A)は、ドットパターン単位用紙に対して、電子ペンの記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【図10】(A)は、ドットパターン単位用紙に対して、電子ペンの記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【図11】(A)は、ドットパターン単位用紙に対して、電子ペンの記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【図12】本実施形態における入力システムの、ストローク描写処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】(A)は、ドットパターン単位用紙のファイル名記入欄に対する電子ペンによる記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0037】
[入力システムの構成]
図1は、本実施形態に係る入力システム10の構成を示す。本実施形態に係る入力システム10は、1人の先生が、1人又は複数人の生徒に授業をする教室に設置されているものとする。図1に示すように、本実施形態に係る入力システム10は、ユーザ(生徒)が使用する、電子ペン1と、ドットパターン用紙2A(コード化パターン用紙2A:書き込み媒体)と、ドットパターンノート2Bと、コンピュータ装置3とを有する。
【0038】
生徒は、電子ペン1を用いて授業内容をドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2Bに対して記入することができる。電子ペン1からの記入情報は、Bluetooth(登録商標)により、最寄りのコンピュータ装置3に無線送信される。
【0039】
コンピュータ装置3は、パーソナルコンピュータ(Personal computer)等で構成されている。コンピュータ装置3は、電子ペン1からの記入情報を電子ペン1から受信して、ドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2B上に記入されているストロークを示す画像をディスプレイに表示させると共に、当該ストロークを含むファイルを生成して記憶する。さらに、コンピュータ装置3は、当該ファイルを選択して開くためのアイコン(以下、「ファイルアイコン」と呼ぶ)を、ディスプレイ内の前記画像と共に又は重畳して表示させる。なお、ファイルアイコンの詳細については、図6〜図11を参照して後述する。
【0040】
ドットパターン用紙2A及びドットパターンノート2Bは何れも、アノト方式のドットパターン(コード化パターン)が全面に重畳して印刷された専用用紙21(以下、「ドットパターン単位用紙21」と呼ぶ)が、複数枚束になって構成されている。ここで、ドットパターンは、電子ペン1で読み取ることができるように、赤外線を吸収するカーボンを含有するインクで、ドットパターン単位用紙21に印刷されている。
ドットパターン用紙2Aにおいては、従来のルーズリーフのように、複数のドットパターン単位用紙21の各々が分離されて別々に用いられる。一方、ドットパターンノート2Bにおいては、複数のドットパターン単位用紙21の各々が所定の1ページとなり、複数ページが1セットになって用いられる。この場合、ユーザは、ドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2B内の任意のドットパターン単位用紙21を記入対象として、任意のタイミングに電子ペン1で記入することができる。
後述するように、ドットパターンは、座標毎にユニークであり、なおかつドットパターン単位用紙21毎にもユニークであるため、任意のドットパターン単位用紙21が任意のタイミングで使われても、ドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2B内の何れのドットパターン単位用紙21が使われたのかが正しく認識される。
【0041】
このように、本実施形態の入力システム10では、生徒は、授業の内容(文字列や絵)を示す各種ストロークを、コンピュータ装置3にファイルとして保存することができると共に、従来と同様に授業の内容(文字列や絵)が手書きされた紙媒体のドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2Bも保存することもできる。即ち、生徒は、後日、ファイル内の授業の内容(文字列や絵)を示す画像をコンピュータ装置3のディスプレイに表示させて授業の内容を復習することもできるし、従来と同様に紙媒体のドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2Bを開いて授業の内容を復習することができる。
【0042】
[ドットパターン]
続いて、ドットパターン単位用紙21に形成されるアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。図2は、ドットパターン単位用紙21に印刷されるドットパターンのドットと、そのドットが変換される値との関係を説明する図である。図2に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。即ち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、ドットパターン単位用紙21上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0043】
図3(A)は、あるドットパターンの配列を示している。図3(A)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、ドットパターン単位用紙21上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがドットパターン単位用紙21上のどの位置にあるのか)を保持している。図3(B)は、図3(A)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図2に示す規則性に基づいて対応付けられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0044】
[電子ペン]
次に電子ペン1について説明する。図4に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111及びバッテリー112を備える。インクカートリッジ104の先端は、インクを備えるペン先部103となっており、ユーザは、電子ペン1のペン先部103をドットパターン単位用紙21上に当接させて、文字等のストローク(手書きストローク)を記入したり、タップ(ペン先部103によるドットパターン単位用紙21への軽叩)したりする。ここで、電子ペン1のペン先部103がドットパターン単位用紙21に最初に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。また、電子ペン1をペンダウンすることでペン先部103からドットパターン単位用紙21上に流出するインクにより、ストロークと略同一軌道の軌跡がドットパターン単位用紙21上に書き込まれる。
【0045】
バッテリー112は、電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン1によりドットパターン単位用紙21に文字やマークを書いたりタップしたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値を筆圧データとしてプロセッサ108へ伝送する。
【0046】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、ユーザが電子ペン1でドットパターン単位用紙21に文字等を書くと、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンダウン情報と、後述するペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置3へ送信する。また、ユーザが1つのストロークを記入し終えて電子ペン1をドットパターン単位用紙21から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置3へ送信する。
【0047】
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、ドットパターン単位用紙21上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103がドットパターン単位用紙21に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106には、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線透過フィルタが設けられており、CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、ドットパターンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が比較的少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が比較的多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、ドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図3(A)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。
【0048】
プロセッサ108は、ユーザの記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、ユーザが記入するストローク(筆跡)のドットパターン単位用紙21上におけるX,Y座標(単に「位置座標」、「座標情報」とも呼ぶ)を連続的に演算していく。即ち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図3(A)に示されるようなドットパターンの画像データを図3(B)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因する、ドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、位置座標を演算する際に機能を発揮させる。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX,Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、ドットパターン単位用紙21における6×6のドットパターンは、ドットパターン単位用紙21内で重複することはないため、ユーザが電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置がドットパターン単位用紙21のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
【0049】
メモリ109には、電子ペン1を識別するための「pen01」といったペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、座標属性情報(時刻情報と、筆圧データと、X、Y座標データ)とを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置3へ送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置3への送信は、Bluetooth(登録商標)等の無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されてコンピュータ装置3に送信された1個又は複数個の記入情報(座標属性情報)は、コンピュータ装置3によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX,Y座標(座標点)に基づいて描画されるため、コンピュータ装置3は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを描画するために必要な1個又は複数個の座標属性情報を認識する。このように、ユーザが1つのストロークを記入することにより、電子ペン1によって生成される座標属性情報の集合を「ストローク情報」と呼ぶ。また、ペン先部103は、筆圧を、インクカートリッジ104を介して圧力センサ107に伝達する。
なお、前述のドットパターン単位用紙21には、後に図6(B)等を参照して説明するように、書式設定に用いる幾つかのアイコンも印刷されている。電子ペン1によりこれらのアイコンがタップされると、プロセッサ108によって、対応する書式情報が電子ペン1のストローク情報に含められて、コンピュータ装置3へ送信される。このように、電子ペン1によりアイコンをタップすることにより、対応する書式情報を設定し、例えば、ストロークの太さや色等を指定することもできる。
【0050】
[コンピュータ装置]
次に、コンピュータ装置3について説明する。コンピュータ装置3は、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等により構成されるプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等を含むパーソナルコンピュータ等で構成される。図5は、コンピュータ装置3の機能ブロック図である。コンピュータ装置3は、機能的には、入力手段31、通信手段32、記憶手段33、表示手段34、及び処理手段35を備える。そして、コンピュータ装置3は、電子ペン1から受信した記入情報に基づいて所定の処理を行う。
【0051】
コンピュータ装置3は、電子ペン1を使用するユーザ(生徒)の近くに配置されている。コンピュータ装置3は、電子ペン1からの情報を受信して、記録すると共に、受信した情報に基づいて、ドットパターン単位用紙21に記入されているストロークを示す画像を表示手段34のディスプレイに表示させる。
【0052】
入力手段31は、マウスやキーボード等により構成され、ユーザの操作に応じた各種情報を入力し、処理手段35に供給する。
通信手段32は、アンテナ送受信回路等により構成され、電子ペン1から記入情報を受信し、処理手段35に伝送する。さらに、通信手段32は、電子ペン1と必要に応じて様々な情報の授受をすることができる。なお、電子ペン1とのデータ通信方式は、有線及び無線を含めて様々な手法が利用可能であるが、本実施形態ではBluetooth(登録商標)を用いる通信方式が採用されている。
【0053】
記憶手段33は、ハードディスクやROM、RAMといったメモリによって構成される。記憶手段33は、処理手段35の処理命令により、電子ペン1から受信した記入情報をペンID毎に記憶する。
また、記憶手段33は、後述するファイル生成手段352によって生成されるファイル及び当該ファイルアイコンのデータ等も記憶する。
表示手段34は、ディスプレイ等によって構成され、処理手段35によって指示された内容を画像として表示する。
【0054】
処理手段35は、入力手段31〜表示手段34を制御して各種情報を授受することで、各種の処理を実行する。処理手段35は、主に、使用用紙/ページ認識手段355、ファイル生成手段352、ファイル状態認識手段351、ストローク描画記録手段353、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354により構成される。
以下、図6〜図11の具体例を適宜参照しつつ、処理手段35についてさらに詳しく説明する。
図6〜図11の各々は、入力システム10が設置されている教室において、何日間かにわたって各種授業が行われた場合における、コンピュータ装置3の処理手段35の各種処理結果の具体例をそれぞれ示す図である。
【0055】
まず、所定日(2011年2月10日)の国語の授業では、「ことわざ」がテーマになっており、図示はしないが、先生が、授業の開始時に「ことわざ」を板書したものとする。
この場合、生徒が、先生の板書にならって、図6(A)に示すように、ドットパターンノート21Bの所定ページに対応する新規のドットパターン単位用紙21−1に対して、電子ペン1で「ことわざ」と記入したものとする。
具体的には、ドットパターン単位用紙21−1を含め全てのドットパターン単位用紙21には、記入領域41と、書式設定に用いる幾つかのアイコンが配置され得るアイコン領域42とが設けられている。記入領域41は、電子ペン1により任意のストロークが記入される領域である。ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41には、「ことわざ」が記入されている。なお、アイコン領域42の詳細については後述する。
【0056】
このように、ユーザが電子ペン1を用いてドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に「ことわざ」と記入すると、コンピュータ装置3は、ファイルを自動的に生成して、図6(B)に示すように、当該ファイルを開くためのファイルアイコン51を自動的に生成して表示手段34に表示させる。
具体的には、ドットパターン単位用紙21−1に対して電子ペン1で記入が開始されると、電子ペン1からの記入情報が、図5の通信手段32に逐次受信されて処理手段35に供給される。
この場合、処理手段35のファイル状態認識手段351は、ファイルが開いている状態であるか否かを認識する。図6の例では、ファイル状態認識手段351は、ドットパターン単位用紙21−1又はそのページの内容を含むファイルが未だ生成されておらず、その結果当該ファイルが開かれていない状態であると認識する。
すると、ファイル生成手段352は、新たなファイルを記憶手段33に生成し、さらに、当該ファイルを開くためのファイルアイコン51も生成して、図6(B)に示すように、表示手段34に表示させる。
【0057】
ここで、ファイルアイコン51内には、関連するファイルのファイル名として「ことわざ」が表示されている。これにより、ユーザ(生徒)は、ファイルアイコン51から、関連するファイルのファイル名を容易に視認することができる。
なお、ファイルアイコン51の表示手法は、図6の例のように特にファイル名そのものを表示させる手法に特に限定されず、その他例えば、記入領域41に最初に記入された手書きのストロークが文字認識された後の何文字分かの文字列を表示させる(例えば3文字分ならば「ことわ」等と表示させる)手法や、手書きのストロークをそのまま図柄として表示させる手法を採用することができる。
換言すると、ファイル名は、ファイルアイコン51内の表示と一致させる必要は特にない。例えば手書きのストロークがそのままファイルアイコン51の図柄とされているような場合には、当該ストロークを文字認識した結果得られる文字列をファイル名として採用することもできる。
【0058】
所定日(2011年2月10日)の国語の授業がさらに進み、生徒が、先生の板書にならって、図7(A)に示すように、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対して、「ことわざ」の後に「◎塞翁が馬 人生では何が幸せか、不幸せか分からないもの。」と電子ペン1で記入したものとする。
この間も、記入情報が、電子ペン1から逐次送信され、コンピュータ装置3の通信手段32に受信されて、処理手段35に提供される。
処理手段35のストローク描画記録手段353は、このようにして逐次送信されてくる記入情報に基づいて、「◎塞翁が馬 人生では何が幸せか、不幸せか分からないもの。」というストロークを描画する。そして、ストローク描画記録手段353は、当該ストロークを、ファイル生成手段352により生成されたファイルに記録させると共に、図6(B)に示すように、表示手段34内のファイルアイコン51における右方の領域52に表示させる。なお、以下、当該領域52を、「ファイル内容表示領域52」と呼ぶ。
【0059】
ここで、ドットパターン単位用紙21−1を含めドットパターン単位用紙21に含まれているアイコン領域42について説明する。
アイコン領域42には、線種選択アイコン領域421と、色選択アイコン領域422とが設けられている。
線種選択アイコン領域421には、ストロークの太さの種類を選択する複数のアイコンが配置される。図7(A)等の線種選択アイコン領域421には、細い方から順に5つの太さの種類を選択するアイコンがそれぞれ配置されている。
ユーザは、電子ペン1で、線種選択アイコン領域421に配置されている複数のアイコンのうち、所定の太さの種類を選択するアイコンをタップして、それ以降、記入領域41で手書きのストロークを記入すると、当該所定の太さのストロークとしてファイルに格納される。そして、表示手段34には、ストロークは当該所定の太さで表示される。
色選択アイコン領域422には、ストロークの色の種類を選択する複数のアイコンが配置される。図7(A)等の色選択アイコン領域422には、赤(R)、青(B)、黄(Y)の各色の種類を選択するアイコンがそれぞれ配置されている。
ユーザは、電子ペン1で、色選択アイコン領域422に配置されている複数のアイコンのうち、所定の色の種類を選択するアイコンをタップして、それ以降、記入領域41で手書きのストロークを記入すると、当該所定の色のストロークとしてファイルに格納される。そして、表示手段34には、ストロークは当該所定の色で表示される。
なお、電子ペン1は、1種類のペン先部103と、1種類のインクが封入されたインクカートリッジ104とを有しているため、当該電子ペン1で記入領域41に記入される手書きのストローク自体は、略同一の太さで略同一の色になる。
【0060】
所定日(2011年2月10日)の国語の授業が終了して、生徒が、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対する電子ペン1での記入を終了させたものとする。
この場合、電子ペン1は、ペンアップされると、その後次の授業等が開始されるまでの間、ペンダウンされないことになる。
そこで、図5のコンピュータ装置3のペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップから所定時間(例えば数分〜数十分)経過してもペンダウンが検出されないと、そのペンアップの日時(何年何月何時何分で表現される日時であり、以下、「ペンアップ日時」と呼ぶ)を、記入情報から認識する。この場合、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップ情報を含む記入情報の、直前の記入情報からペンアップ日時を認識する。ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、当該ペンアップ日時を示す情報(以下、「ペンアップ日時情報」と呼ぶ)を生成してファイルに格納する。そして、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、図8に示すように、ペンアップ日時61(同図の例では2011年2月10日14時30分)を、表示手段34におけるファイル内容表示領域52内の、最後のストロークの下方に表示させる。さらに、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、区切り線62を生成して、表示手段34におけるファイル内容表示領域52内のペンアップ日時61の下方に表示させる。
なお、区切り線62を示す情報は、ファイルへの格納は可能であるが、ペンアップ日時情報に基づいて表示時に生成可能であるので、ファイルへの格納は特に必須ではない。
その後、ユーザが、ファイル内容表示領域52の上方に表示された「ファイル」というメニューを選択し「閉じる」というメニューを選択する操作をすると、処理手段35は、ファイルを閉じる処理を実行する。この場合、ファイル内容表示領域52は表示手段34から消去されて表示されなくなる。ただし、ファイルアイコン51は、原則として表示手段34に表示され続ける。
【0061】
このようにして所定日(2011年2月10日)の国語の授業が終了した後、別授業の時間帯に、先生が、例えば、「先程の国語の授業で話した「塞翁が馬」のことです。つい最近、実家の馬が逃げたのだけど、それがきっかけで良いことが起こりました」という話を生徒にしたものとする。
この場合、ユーザは、この話の内容を追記すべく、ドットパターンノート2Bのうち、上記の国語の授業に関する内容が記入されたページ、即ち、ドットパターン単位用紙21−1のページを開くと共に、表示手段34に表示されたファイルアイコン51を選択する(クリック操作等をする)ことで、当該国語の授業の内容を含むファイルを開くことができる。
この場合、表示手段34には、図8に示される状態で、ファイルアイコン51と、ファイル内容表示領域52が表示される。
【0062】
この状態で、生徒が、先生の話に基づいて、図9(A)に示すように、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対して、先の国語の授業で記入したストローク描画記録手段353は、この間も、記入情報が、電子ペン1から逐次送信され、コンピュータ装置3の通信手段32に受信されて、処理手段35に提供される。
すると、ファイル状態認識手段351は、ファイルが開かれた状態であると判断し、使用用紙/ページ認識手段355は、電子ペン1から送信されてくる記入情報に基づいて、現在電子ペン1により書き込まれているドットパターン単位用紙21は、これまでに電子ペン1によって書き込みに使用されたドットパターン単位用紙21と判断する。
さらに、ストローク描画記録手段353は、電子ペン1から逐次送信されてくる記入情報に基づいて、「◎塞翁が馬 人生では何が幸せか、不幸せか分からないもの。」というストロークの下方に、「先生の実家の馬も、逃げたらしい」という新たなストロークを描画する。そして、ストローク描画記録手段353は、当該ストロークを、ファイル生成手段352により生成されたファイルに記録させると共に、図9(B)に示すように、ファイル内容表示領域52に表示させる。
ここで、ドットパターン単位用紙21−1には、全面にドットパターンが印刷されているので、任意の位置、例えば先の国語の授業で記入されたストロークよりも上方の位置に記入された新たなストロークであっても、ストローク描画記録手段353は、当該新たなストロークをファイルに記録させることができる。例えば、図9(A)に示すように、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41のうち、「◎塞翁が馬 人生では何が幸せか、」というストロークの上方に新たに記入された、矢印のストロークと「まったくそう思う」というストロークとは、ファイルに新たに記録され、図9(B)に示すように、ファイル内容表示領域52内の対応する位置に表示される。
【0063】
その後、生徒が、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対する電子ペン1での記入を終了させたものとする。
この場合、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップから所定時間経過してもペンダウンが検出されないと、最後のペンアップ日時を、記入情報から認識し、当該ペンアップ日時を示すように、ファイルに格納されているペンアップ日時情報を更新する。
そして、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、図9(B)に示すように、更新後のペンアップ日時61−1を、表示手段34のファイル内容表示領域52内に表示させる。この場合、ペンアップ日時61−1は、同図の例では、2011年2月10日14時30分から更新された後の2011年2月10日16時30分になっている。
さらに、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、区切り線62−1を生成して、表示手段34のファイル内容表示領域52内のペンアップ日時61−1の下方に表示させる。
その後、ユーザが、ファイル内容表示領域52の上方に表示された「ファイル」というメニューを選択し「閉じる」というメニューを選択する操作をすると、処理手段35は、ファイルを閉じる処理を実行する。この場合、ファイル内容表示領域52は表示手段34から消去されて表示されなくなる。ただし、ファイルアイコン51は、原則として表示手段34に表示され続ける。
【0064】
このようにして所定日(2011年2月10日)が終了して、別日(2011年2月14日)の国語の授業が開始され、その授業のテーマも「ことわざ」であったものとする。
この場合、ユーザ(生徒)は、ドットパターンノート21Bの新たなページに対応するドットパターン単位用紙21−2に対して、別日の国語の授業に関する内容を示す手書きのストロークを、電子ペンで記入することができる。
生徒が所定日の国語の授業と同様の操作をすると、図5のコンピュータ装置3は、所定日に生成した第1ファイルとは別の第2ファイルを新たに生成し、別日の国語の授業に関する内容を示すストロークを第2ファイルに記録させることができる。この場合、第2ファイルを開くための別のファイルアイコンが生成されて、表示手段34に表示される。
一方、生徒が、別日の国語の授業に関する内容を示すストロークも、第1ファイルに蓄積して記録させたいと所望した場合には、表示手段34に表示されたファイルアイコン51を選択する(クリック操作等をする)ことで、当該第1ファイルを開けばよい。
以下の説明では、コンピュータ装置3が、第1ファイルを開いていることを前提とする。
この場合、表示手段34には、図9(B)に示される状態で、ファイルアイコン51と、ファイル内容表示領域52が表示される。
【0065】
この状態で、生徒が、先生の板書にならって、図10(A)に示すように、ドットパターン単位用紙21−1とは異なる、新たなページのドットパターン単位用紙21−2の記入領域41に対して、電子ペン1で「◎少年老い易く学成り難し 時間をむだにせず学業に精を出す」と記入したものとする。
この間、記入情報が、電子ペン1から逐次送信され、コンピュータ装置3の通信手段32に受信されて、処理手段35に提供される。
すると、ファイル状態認識手段351は、ファイルが開かれた状態であると判断し、使用用紙/ページ認識手段355は、電子ペン1から送信されてくる記入情報に基づいて、現在電子ペン1により書き込まれているドットパターン単位用紙21は、これまでに電子ペン1によって書き込みに使用されたドットパターン単位用紙21ではなく、新しいドットパターン単位用紙21であると判断する。
ストローク描画記録手段353は、電子ペン1から逐次送信されてくる記入情報に基づいて、「◎少年老い易く学成り難し 時間をむだにせず学業に精を出す」というストロークを区切り線62−1の下方に描画する。そして、ストローク描画記録手段353は、当該ストロークを、所定日に生成された第1ファイルに追記して記録させる。なお、この場合、第1ファイルにおいては、各ストロークは、どのドットパターン単位用紙21の、どの位置に記入されたものであるのかという情報が第1ファイルにあわせて記録されている。
これにより、各ストロークが、表示手段34のファイル内容表示領域52内で適切な位置に表示される。即ち、所定日の国語の授業に関する内容を示すストローク等、ドットパターン単位用紙21−1に記入されたストロークは、ファイル内容表示領域52のペンアップ日時61−1における上方の領域のうち、ドットパターン単位用紙21−1内の記入位置と対応する位置にそれぞれ表示される。これに対して、別日の国語の授業に関する内容を示すストローク等、ドットパターン単位用紙21−2に記入されたストロークは、ペンアップ日時61−1の下の区切り線62−1における下方の領域のうち、ドットパターン単位用紙21−2内の記入位置と対応する位置にそれぞれ表示される。
【0066】
その後、別日の国語の授業が終了したので、生徒が、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対する電子ペン1での記入を終了させたものとする。
この場合、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、最後のペンアップから所定時間経過したことにより、ペンアップ日時を、記入情報から認識し、当該ペンアップ日時を示すペンアップ日時情報を生成してファイル(上述の第1ファイル)に格納する。当該ファイル内に、複数のドットパターン単位用紙21に記入されたストロークが含まれている場合には、複数のドットパターン単位用紙21毎に、最終のペンアップ日時を示すペンアップ日時情報がそれぞれ格納される。図10の例では、ドットパターン単位用紙21−1の最終のペンアップ日時(2011年2月10日16時30分)と、ドットパターン単位用紙21−2の最終のペンアップ日時(2011年2月14日15時00分)とがそれぞれファイルに格納される。
そして、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、図10(B)に示すように、ドットパターン単位用紙21−2の最終のペンアップ日時61−1を、表示手段34のファイル内容表示領域52のうち、ドットパターン単位用紙21−2における最後のストロークの下方に表示させる。
さらに、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、区切り線62−2を生成して、表示手段34のファイル内容表示領域52内のペンアップ日時61−2の下方に表示させる。
その後、ユーザが、ファイル内容表示領域52の上方に表示された「ファイル」というメニューを選択し「閉じる」というメニューを選択する操作をすると、処理手段35は、ファイルを閉じる処理を実行する。この場合、ファイル内容表示領域52は表示手段34から消去されて表示されなくなる。ただし、ファイルアイコン51は、原則として表示手段34に表示され続ける。
【0067】
このように、同一ファイルが開いている状態で、新たなドットパターン単位用紙21に電子ペン1で手書きの新たなストロークが記入されると、表示手段34のファイル内容表示領域52では、最後の区切り線62における下方の領域が、当該新たなドットパターン単位用紙21に対応する表示領域になる。そして、当該新たなドットパターン単位用紙21に対応する記入が終了すると、その記入の終了を示す新たなペンアップ日時61と新たな区切り線62が生成されて、ファイル内容表示領域52の最後に表示される。
なお、このようにして、ファイル内容表示領域52が、複数のドットパターン単位用紙21に対応する表示領域を含むようになると、全表示領域を表示手段34の一画面に同時に表示できなくなる場合がある。このような場合には、ファイル内容表示領域52にはスクロールバー等が設けられ、全表示領域がスクロール操作により表示されるようになる。
【0068】
さらに、別日(2011年2月14日)の国語の授業が終了した後、別授業の時間帯に、先生が、例えば、「所定日の国語の授業で話した「塞翁が馬」のことです。実家の馬を追っていた家族が、怪我をして入院しました。でもそれがきっかけとなり、この頃悪化していた家族の絆が戻りました。これが、実家の馬が逃げたことがきっかけで起こった良いことです」という話を生徒にしたものとする。
この場合、ユーザは、この話の内容を追記すべく、ドットパターンノート2Bのうちドットパターン単位用紙21−1のページを開くと共に、表示手段34に表示されたファイルアイコン54を選択する(クリック操作等をする)ことで、当該国語の授業の内容を含むファイルを開く。
すると、表示手段34には、図10(B)に示される状態で、ファイルアイコン51と、ファイル内容表示領域52が表示される。
【0069】
この状態で、生徒が、先生の話に基づいて、図11(A)に示すように、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対して、「家族の入院で絆が戻った」と追記したものとする。
この間も、記入情報が、電子ペン1から逐次送信され、コンピュータ装置3の通信手段32に受信されて、処理手段35に提供される。
すると、ファイル状態認識手段351は、ファイルが開かれた状態であると判断し、使用用紙/ページ認識手段355は、電子ペン1から送信されてくる記入情報に基づいて、現在電子ペン1により書き込まれているドットパターン単位用紙21は、これまでに電子ペン1によって書き込みに使用されたドットパターン単位用紙21と判断する。
さらに、ストローク描画記録手段353は、電子ペン1から逐次送信されてくる記入情報に基づいて、「逃げたらしい」というストロークの下方に、「家族の入院で絆が戻った」という新たなストロークを描画する。そして、ストローク描画記録手段353は、当該ストロークを、ファイル生成手段により生成されたファイルに記録させると共に、図11(B)に示すように、ファイル内容表示領域52のうち、区切り線62−1の上方の領域、即ち、ドットパターン単位用紙21−1に対応する表示領域に表示させる。このとき、ストローク描画記録手段353は、ストロークを描写する範囲が広がるため、区切り線62−1を下方に移動させ、ストロークを描画する領域を広げる。
【0070】
その後、生徒が、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対する電子ペン1での記入を終了させたものとする。
この場合、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、最後のペンアップ日時を、記入情報から認識し、ファイルに格納されたペンアップ日時情報のうち、ドットパターン単位用紙21−1についてのペンアップ日時情報を更新する。
そして、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、図11(B)に示すように、更新後のペンアップ日時61−1を、表示手段34のファイル内容表示領域52内に表示させる。この場合、ペンアップ日時61−1は、同図の例では、2011年2月10日16時30分から更新された後の2011年2月14日15時10分になっている。
その後、ユーザが、ファイル内容表示領域52の上方に表示された「ファイル」というメニューを選択し「閉じる」というメニューを選択する操作をすると、処理手段35は、ファイルを閉じる処理を実行する。この場合、ファイル内容表示領域52は表示手段34から消去されて表示されなくなる。ただし、ファイルアイコン51は、原則として表示手段34に表示され続ける。
【0071】
[ストローク描写処理フロー]
このように図6〜図11の具体例を用いて説明した、図5のコンピュータ装置3の処理手段35が実行する一連の処理を、以下、「ストローク描写処理」と呼ぶ。図12を参照して入力システム10によるストローク描写処理の流れについて説明する。
【0072】
初めに、生徒等のユーザが、ドットパターン単位用紙21に対して電子ペン1で手書きのストロークを記入すると、電子ペン1は、生成した記入情報をコンピュータ装置3へ送信する。具体的には、電子ペン1は、ペンダウン時には、ペンダウン情報及びペンIDを関連付けた記入情報を生成して、生成した記入情報をコンピュータ装置3へ送信する。電子ペン1は、手書きのストロークの記入中は、ストロークに沿ってドットパターンを撮像して演算した座標情報を含む座標属性情報と、ペンIDとを関連付けた記入情報を連続的に生成して、コンピュータ装置3へ逐次送信する。電子ペン1は、ペンアップ時には、ペンアップ情報及びペンIDを関連付けた記入情報を生成してコンピュータ装置3へ送信する。
【0073】
コンピュータ装置3では、通信手段32が、電子ペン1との通信可能状態となったことを契機としてストローク描写処理が開始される。
処理手段35は、電子ペン1から送信された記入情報を、通信手段32に受信させて、記憶手段33に記憶させる(ステップS1)。
【0074】
次に、処理手段35のファイル状態認識手段351は、ファイルが開かれた状態であるか否かを判断する(ステップS2)。
ファイル状態認識手段351がファイルが開かれた状態であると判断した場合(ステップS2:YES)、使用用紙/ページ認識手段355は、ステップS1の処理で受信された記入情報に基づいて、使用されたドットパターン単位用紙21(即ち、ドットパターン単位用紙21A内の使用された用紙又はドットパターンノート2Bの使用されたノートページ)と同じドットパターン単位用紙21(これまでに電子ペン1により記入されたことのあるドットパターン単位用紙21)にストロークが記入されたか否かを判断する(ステップS3)。
【0075】
使用用紙/ページ認識手段355が使用されたドットパターン単位用紙21と同じドットパターン単位用紙21にストロークが記入されていないと判断した場合(ステップS3:NO)、ストローク描画記録手段353は、最後の区切り線より下方(以降)であって、使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する位置にストロークを描写し、ファイルを上書きする(ステップS4)。
なお、ストロークは、使用されたドットパターン単位用紙21のうちの、記入された位置と対応付けられてファイルに記憶される。したがって、ここでいう「ファイルを上書きする」とは、既存のストロークが消去されて新たなストロークが上書きされることを意味せず、既存のストロークとは別に新たなストロークが含まれるような構成のファイルにして同一ファイル名で上書きすることを意味する。
また、1つのストロークを描画するためには、ペンダウンを含む記入情報からペンアップを含む記入情報までの記入情報群、即ちストローク情報を構成するために必要な記入情報群が、電子ペン1から通信手段32に受信されていることが条件となる。ただし、本フローチャートでは、ステップS4のようにストロークを描画する処理の開始時点では、この条件は満たしているものとする。
【0076】
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、使用中のドットパターン単位用紙21(即ち、ドットパターン単位用紙21A内の使用中の用紙又はドットパターンノート2Bの使用中のノートページ)において、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったか否かを判断する(ステップS5)。
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったと判断した場合(ステップ5:YES)、ストローク描画記録手段353は、最後の区切り線より下方(以降)であって、使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する位置にストロークを描写し、ファイルを上書きする(ステップS4)。
一方で、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354がペンアップから所定時間以内にペンダウンがなかったと判断した場合(ステップS5:NO)、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、最終ペンアップの日時(ペンアップ日時)、及び区切り線を生成して、表示手段34に表示させる(ステップS6)。これにより、ストローク描写処理を終了になる。
【0077】
以上のステップS3においてNOであると判断された後の一連の処理、即ち、ステップS4〜S6における処理結果の具体例は、上述した図10に示されている。
これに対して、使用用紙/ページ認識手段355が使用されたドットパターン単位用紙21と同じドットパターン単位用紙21(これまでに電子ペン1により記入されたことのあるドットパターン単位用紙21)にストロークが記入されていると判断した場合(ステップS3:YES)、ストローク描画記録手段353は、ファイルの該当領域、即ち使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する領域にストロークを描写し、当該ファイルを上書きする(ステップS7)。この場合に、ストローク描画記録手段353は、ストロークを描写する範囲が広がる場合には、区切り線62を下方に移動させ、ストロークを描画する領域を広げる。
【0078】
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、使用中のドットパターン単位用紙21(即ち、ドットパターン単位用紙21A内の使用中の用紙又はドットパターンノート2Bの使用中のノートページ)において、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったか否かを判断する(ステップS8)。
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったと判断した場合(ステップS8:YES)、ストローク描画記録手段353は、ファイルの該当領域、即ち使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する領域にストロークを描写し、ファイルを上書きする(ステップS7)。
一方で、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354がペンアップから所定時間以内にペンダウンがなかったと判断した場合(ステップS8:NO)、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、最終ペンアップの日時(ペンアップ日時)、及び区切り線を更新して、表示手段34に表示させる(ステップS6)。これにより、ストローク描写処理を終了になる。
【0079】
以上のステップS2においてYESであると判定されて(ファイルが開かれていると判断されて)ステップS3においてYESであると判断された後の一連の処理、即ち、ステップS7〜S9における処理結果の具体例は、上述した図9や図11に示されている。
これに対して、ファイル状態認識手段351がファイルが開かれていないと判断した場合(ステップS3:NO)、ファイル生成手段352は、記憶手段33にファイルを生成し、当該ファイルに関するファイルアイコンを生成して、表示手段34に表示させる(ステップS10)。
ストローク描画記録手段353は、その開いたファイルに、使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する位置においてストロークを描写して記録する(ステップS11)。
【0080】
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、使用中のドットパターン単位用紙21(即ち、ドットパターン単位用紙21A内の使用中の用紙又はドットパターンノート2Bの使用中のノートページ)において、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったか否かを判断する(ステップS12)。
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったと判断した場合(ステップ12:YES)、ストローク描画記録手段353は、その開いたファイルに、使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する位置においてストロークを描写して記録する(ステップS11)。
一方で、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354がペンアップから所定時間以内にペンダウンがなかったと判断した場合(ステップS12:NO)、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、最終ペンアップの日時(ペンアップ日時)、及び区切り線を更新して、表示手段34に表示させる(ステップS13)。これにより、ストローク描写処理を終了になる。
以上のステップS2においてNOであると判定された後(ファイルが開かれていないと判断された後)の一連の処理、即ち、ステップS10〜S13における処理結果の具体例は、上述した図6〜図8に示されている。
【0081】
[本実施形態による作用効果]
以上説明したように本実施形態のコンピュータ装置3の処理手段35は、主に、ファイル状態認識手段351、ファイル生成手段352、及びストローク描画記録手段353により構成される。
ファイル生成手段352は、ドットパターン単位用紙21に対して電子ペン1が接触して移動されると、ファイルを生成すし、当該ファイルを開くためのファイルアイコン51を生成して表示手段に表示させる。
ストローク描画記録手段353は、ドットパターン単位用紙21に対する電子ペン1の移動に応じてストロークを描画し、ファイル生成手段352により生成されたファイルに記録する。
ファイル状態認識手段351は、ファイルアイコン51が操作されてファイルが開かれている状態か否かを認識する。
ストローク描画記録手段353は、ファイル状態認識手段351によりファイルが開かれている状態と認識されているときに、ドットパターン単位用紙21に対する、電子ペン1の新たな接触及び移動があると、電子ペン1の新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、ファイルに記録させる。
これにより、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することができる。
[変形例]
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、ファイル生成手段352の生成したファイルのファイル名は最初に入力された文字としたが、それに限られず、ユーザがドットパターン用紙に最初に書き込んだ、ストロークで構成される図柄としてもよいし、必要に応じて、ユーザが、例えば、マウスの右クリック操作等により、自由にファイル名の変更をすることができるようにしてもよい。
【0083】
また、図13に示すように、ドットパターン単位用紙21にファイル名記入欄64を設け、ファイル名記入欄64に電子ペン1でファイル名を記入することにより生成され送信された記入情報に基づいて、コンピュータ装置3のファイル生成手段352が、ファイル名を特定してファイルを生成するようにしてもよい。このとき、ファイル生成手段352は、記入情報により認識されるストロークを文字認識処理により認識したテキストをファイル名とするとよい。ただし、必要に応じて、ユーザが、例えば、マウスの右クリック操作等により、自由にファイル名の変更をすることができるようにするとよい。また、ファイルアイコンを、認識されたストロークで構成される図柄としてもよい。
【0084】
この場合に、新規のドットパターン単位用紙21において、ファイル名記入欄64以外の部分に、ユーザが電子ペン1で記入すると、コンピュータ装置3において、ファイル生成手段352が、新たなファイルを生成するとともに、そのファイルを開いた状態にし、ファイル状態認識手段351がファイルは開いていると認識して、ストローク描画記録手段353が電子ペン1からの記入情報に基づいてストロークを描画、記録していき、後にファイル名記入欄64に電子ペン1でファイル名を記入した場合であっても、ファイル名記入欄64への記入によりファイル名が設定されるようにしてもよい。
【0085】
また、図9(A)の例のコンピュータ装置3におけるディスプレイの表示では、違う日の授業の板書を区切り線62で区切ってそのまま書き始めるようになっている。しかし、区切り線62により区切られた後は、新しいページとして、前のページとは分離して表示し、そこから書き込まれたストロークを記録、表示するようにしてもよい。さらに、区切り線62で区切られた前後のページは、印刷する際に、連続して印刷するようにしてもよいし、区切り線62の前後を別のページとして印刷されるようにしてもよい。
また、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354により、必ずしもペンアップ日時と区切り線の両方を表示することは必須ではなく、設定により、ペンアップ日時と区切り線のいずれ一方だけ表示するようにしてもよい。
【0086】
また、本実施形態では、新しいファイルが生成された場合、自動的に開かれるとしたが、それに限られず、ファイルを開く契機はあくまでもユーザのアイコンクリック操作に限ることにしてもよい。この場合、ファイルが開かれていない状態で、ドットパターン単位用紙21に電子ペン1で記入されていると、コンピュータ装置3は、ファイルを開くようアラームを出力し、電子ペン1から送信された記入情報の処理を保留するとよい。そして、ユーザの指示により、コンピュータ装置3が新たなファイルを開くか、これまでに作成された特定のファイルを開くことで、そのファイル上で、保留していた記入情報の処理を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、ストローク描写処理を終了するときに、ファイルは開かれたままとして、ファイルを閉じるのはユーザの自由な操作に委ねてもよいし、それに限られず、終了時に自動的に閉じるようにしてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、電子ペン1を用いる対象は、ドットパターン単位用紙21とされたが、特にこれに限られず、アノト式のドットパターンが印刷された任意の書き込み媒体であればよい。また、書き込み媒体に印刷されるコード化パターンは、アノト方式のドットパターンに限られなくともよい。
【符号の説明】
【0088】
1…電子ペン
2…ドットパターン用紙
3…コンピュータ装置
10…入力システム
31…入力手段
32…通信手段
33…記憶手段
34…表示手段
35…処理手段
351…ファイル状態認識手段
352…ファイル生成手段
353…ストローク描画記録手段
354…ペンアップ日時・区切り線生成表示手段
355…使用用紙/ページ認識手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンによりストロークを描画するシステムにおいて、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築するためのコンピュータ装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙と共に使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、ドットパターン用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像等の記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話等の端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような電子ペンや端末装置で構成されるシステムにおいて、アイコンが専用紙に予め印刷されており、専用紙上の当該アイコンが電子ペンによりタップされると、当該アイコンに割り当てられた処理が端末装置で実行される技術が、特許文献2に開示されている。
【0004】
また、専用紙に対して電子ペンが接触操作されるのに対して、液晶パネルに対してスタイラスペンが接触操作される技術が、特許文献3に開示されている。特許文献3に開示の技術によれば、液晶パネルに予め固定表示されるアイコンがスタイラスペンにより指定されると、当該アイコンに割り当てられた処理が実行されたり、スタイラスペンで液晶パネルに文字が手書きされると、文字認識がなされて文字情報が入力されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3842283号公報
【特許文献2】特表2003−508843号公報
【特許文献3】特開2010−218241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、端末装置が、電子ペンから記入情報を受信して、ファイルに記録して保持する場合、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録することができれば、ユーザにとって便宜である。
特許文献2の技術を適用して、このことを実現しようとすると、最初に電子ペンで書き込まれた記入情報がファイルに記録された後に、ユーザは、端末装置を操作して、当該ファイルを開くという処理を、予め固定表示されるアイコンに割り当てる必要がある。しかしながら、このような端末装置側の操作は、電子ペンも操作しているユーザにとっては、長時間を要する煩わしい操作になる。さらに、コンピュータの操作を苦手とするユーザにとっては、非常に困難なものとなる。
このため、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが要求されているが、このような要求に応えることができない状況である。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るコンピュータ装置は、コード化パターンが印刷された書き込み媒体に対して電子ペンが接触して移動されると、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段と、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段と、前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段と、を備え、前記ファイル状態認識手段により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、ことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、コンピュータ装置は、最初の書き込み媒体に対する電子ペンの接触及び移動があると、ストロークを記録するファイルを生成するとともにそのファイルを開くアイコンを生成し、その後、アイコンが操作されてファイルが開かれているときに、書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触及び移動があると、電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、ファイルに記録させる。したがって、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが可能となる。即ち、このような仕組みが、コンピュータ装置に対する直接的な操作を介在せずとも、電子ペンによる簡単で短時間で済む操作だけで構築されるので、ユーザにとって便宜である。特にコンピュータ装置に対する操作を苦手とするユーザにとっては、非常に便宜である。
【0010】
上記コンピュータ装置において、前記ファイル生成手段は、前記ファイル状態認識手段がファイルは開かれている状態ではないと判断し、新規の書き込み媒体に前記電子ペンが接触して移動されたと判断した場合に、ファイルを生成し開いた状態にするとよい。
【0011】
この構成によれば、コンピュータ装置上でファイルが開かれていない状態のときに、ユーザが、新規の書き込み媒体に電子ペンで記入すると、ファイル生成手段は、ファイルを生成し開いた状態にする。したがって、ファイル状態認識手段により、ファイルは開かれている状態であると認識され、ストローク描画記録手段により、電子ペンの記入に基づくストロークを描画して、ファイルに記録させることができる。
【0012】
または、本発明に係るコンピュータ装置は、コード化パターンが印刷された書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されたと判断した場合に、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段と、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段と、前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段とを備え、前記ファイル状態認識手段により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、コンピュータ装置は、書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されると、ストロークを記録するファイルを生成するとともにそのファイルを開くアイコンを生成し、その後、アイコンが操作されてファイルが開かれているときに、書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触及び移動があると、電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、ファイルに記録させる。したがって、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが可能となる。即ち、このような仕組みが、コンピュータ装置に対する直接的な操作を介在せずとも、電子ペンによる簡単で短時間で済む操作だけで構築されるので、ユーザにとって便宜である。特にコンピュータ装置に対する操作を苦手とするユーザにとっては、非常に便宜である。
【0014】
上記コンピュータ装置において、前記ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にするよう構成するとよい。
この構成により、ユーザが書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入すると、ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にするので、ファイル状態認識手段により、ファイルは開かれている状態であると認識され、ストローク描画記録手段により、電子ペンの記入に基づくストロークを描画して、ファイルに記録させることができる。
【0015】
上記コンピュータ装置において、前記表示手段は、前記ファイルが開かれた状態では、前記ファイルに記録されたストロークをさらに表示し、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記ストロークの下方の領域に表示させるペンアップ日時・区切り線生成表示手段をさらに備えるよう構成するとよい。
【0016】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、書き込み媒体への電子ペンの非接触状態が所定時間以上継続すると、非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、表示手段のうちストロークの下方の領域に表示させる。したがって、書き込み媒体へのまとまりのある書き込みの書き込み日時ないし区切り線を表示させることができる。
【0017】
上記コンピュータ装置において、相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段によって、第1の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させ、前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、前記第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記第2の書き込み媒体についての前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させるよう構成するとよい。
【0018】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、第2の書き込み媒体についての非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、表示手段のうち区切り線の下方に表示させる。したがって、第1の書き込み媒体とは異なる第2の書き込み媒体に書き込みを行った場合でも、第1の書き込み媒体と同様にして、書き込み日時を表示させることができる。
【0019】
上記コンピュータ装置において、相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段によって、所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、同一の前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の上方に表示させ、前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時を更新するよう構成するとよい。
【0020】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、所定の書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、非接触状態が所定時間以上継続すると、非接触状態への遷移を検知した日時を更新する。したがって、再度、同一の書き込み媒体に書き込まれた場合には、書き込まれた最終の日時を表示することができる。
【0021】
本発明に係るプログラムは、コンピュータ装置を、コード化パターンが印刷された書き込み媒体に対して電子ペンが接触して移動されると、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段、前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段、として機能させ、前記ファイル状態認識手段として機能する前記コンピュータ装置により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、ことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、コンピュータ装置は、プログラムによって、最初の書き込み媒体に対する電子ペンの接触及び移動があると、ストロークを記録するファイルを生成するとともにそのファイルを開くアイコンを生成し、その後、アイコンが操作されてファイルが開かれているときに、書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触及び移動があると、電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、ファイルに記録させるように機能する。したがって、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが可能となる。即ち、このような仕組みが、コンピュータ装置に対する直接的な操作を介在せずとも、電子ペンによる簡単で短時間で済む操作だけで構築されるので、ユーザにとって便宜である。特にコンピュータ装置に対する操作を苦手とするユーザにとっては、非常に便宜である。
【0023】
上記プログラムにおいて、ファイル生成手段は、前記ファイル状態認識手段がファイルは開かれている状態ではないと判断し、新規の書き込み媒体に前記電子ペンが接触して移動されたと判断した場合に、ファイルを生成し開いた状態にするよう構成するとよい。
【0024】
この構成によれば、コンピュータ装置上でファイルが開かれていない状態のときに、ユーザが、新規の書き込み媒体に電子ペンで記入すると、ファイル生成手段は、ファイルを生成し開いた状態にする。したがって、ファイル状態認識手段により、ファイルは開かれている状態であると認識され、ストローク描画記録手段により、電子ペンの記入に基づくストロークを描画して、ファイルに記録させることができる。
【0025】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータ装置を、コード化パターンが印刷された書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されたと判断した場合に、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段、前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段として機能させ、前記ファイル状態認識手段として機能する前記コンピュータ装置により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させることを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、コンピュータ装置は、プログラムによって、書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されると、ストロークを記録するファイルを生成するとともにそのファイルを開くアイコンを生成し、その後、アイコンが操作されてファイルが開かれているときに、書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触及び移動があると、電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、ファイルに記録させる。したがって、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが可能となる。即ち、このような仕組みが、コンピュータ装置に対する直接的な操作を介在せずとも、電子ペンによる簡単で短時間で済む操作だけで構築されるので、ユーザにとって便宜である。特にコンピュータ装置に対する操作を苦手とするユーザにとっては、非常に便宜である。
【0027】
上記プログラムにおいて、前記ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にするよう構成するとよい。
この構成により、ユーザが書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入すると、ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にするので、ファイル状態認識手段により、ファイルは開かれている状態であると認識され、ストローク描画記録手段により、電子ペンの記入に基づくストロークを描画して、ファイルに記録させることができる。
【0028】
また、上記プログラムにおいて、前記表示手段として機能させる前記コンピュータ装置は、前記ファイルが開かれた状態では、前記ファイルに記録されたストロークをさらに表示させ、前記コンピュータをさらに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記ストロークの下方の領域に表示させるペンアップ日時・区切り線生成表示手段、として機能させるよう構成するとよい。
【0029】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、書き込み媒体への電子ペンの非接触状態が所定時間以上継続すると、非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、表示手段のうちストロークの下方の領域に表示させる。したがって、書き込み媒体へのまとまりのある書き込みの書き込み日時ないし区切り線を表示させることができる。
【0030】
また、上記プログラムにおいて、相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置によって、第1の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させ、前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記第2の書き込み媒体についての前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させるよう構成するとよい。
【0031】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、第2の書き込み媒体についての非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、表示手段のうち区切り線の下方に表示させる。したがって、第1の書き込み媒体とは異なる第2の書き込み媒体に書き込みを行った場合でも、第1の書き込み媒体と同様にして、書き込み日時を表示させることができる。
【0032】
また、上記プログラムにおいて、相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置によって、所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、同一の前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の上方に表示させ、前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時を更新するよう構成するとよい。
【0033】
この構成によれば、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、所定の書き込み媒体に対する電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、非接触状態が所定時間以上継続すると、非接触状態への遷移を検知した日時を更新する。したがって、再度、同一の書き込み媒体に書き込まれた場合には、書き込まれた最終の日時を表示することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、本発明は、電子ペンによりストロークを描画するシステムにおいて、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態における入力システムのシステム構成図である。
【図2】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図3】(A)は、ドットパターンを模式的に示し、(B)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図4】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図5】コンピュータ装置の機能ブロック図である。
【図6】(A)は、ドットパターン単位用紙に対して、電子ペンの記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【図7】(A)は、ドットパターン単位用紙に対して、電子ペンの記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【図8】図7(A)の処理結果を示す図である。
【図9】(A)は、ドットパターン単位用紙に対して、電子ペンの記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【図10】(A)は、ドットパターン単位用紙に対して、電子ペンの記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【図11】(A)は、ドットパターン単位用紙に対して、電子ペンの記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【図12】本実施形態における入力システムの、ストローク描写処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】(A)は、ドットパターン単位用紙のファイル名記入欄に対する電子ペンによる記入例を示し、(B)は、それの処理結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0037】
[入力システムの構成]
図1は、本実施形態に係る入力システム10の構成を示す。本実施形態に係る入力システム10は、1人の先生が、1人又は複数人の生徒に授業をする教室に設置されているものとする。図1に示すように、本実施形態に係る入力システム10は、ユーザ(生徒)が使用する、電子ペン1と、ドットパターン用紙2A(コード化パターン用紙2A:書き込み媒体)と、ドットパターンノート2Bと、コンピュータ装置3とを有する。
【0038】
生徒は、電子ペン1を用いて授業内容をドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2Bに対して記入することができる。電子ペン1からの記入情報は、Bluetooth(登録商標)により、最寄りのコンピュータ装置3に無線送信される。
【0039】
コンピュータ装置3は、パーソナルコンピュータ(Personal computer)等で構成されている。コンピュータ装置3は、電子ペン1からの記入情報を電子ペン1から受信して、ドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2B上に記入されているストロークを示す画像をディスプレイに表示させると共に、当該ストロークを含むファイルを生成して記憶する。さらに、コンピュータ装置3は、当該ファイルを選択して開くためのアイコン(以下、「ファイルアイコン」と呼ぶ)を、ディスプレイ内の前記画像と共に又は重畳して表示させる。なお、ファイルアイコンの詳細については、図6〜図11を参照して後述する。
【0040】
ドットパターン用紙2A及びドットパターンノート2Bは何れも、アノト方式のドットパターン(コード化パターン)が全面に重畳して印刷された専用用紙21(以下、「ドットパターン単位用紙21」と呼ぶ)が、複数枚束になって構成されている。ここで、ドットパターンは、電子ペン1で読み取ることができるように、赤外線を吸収するカーボンを含有するインクで、ドットパターン単位用紙21に印刷されている。
ドットパターン用紙2Aにおいては、従来のルーズリーフのように、複数のドットパターン単位用紙21の各々が分離されて別々に用いられる。一方、ドットパターンノート2Bにおいては、複数のドットパターン単位用紙21の各々が所定の1ページとなり、複数ページが1セットになって用いられる。この場合、ユーザは、ドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2B内の任意のドットパターン単位用紙21を記入対象として、任意のタイミングに電子ペン1で記入することができる。
後述するように、ドットパターンは、座標毎にユニークであり、なおかつドットパターン単位用紙21毎にもユニークであるため、任意のドットパターン単位用紙21が任意のタイミングで使われても、ドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2B内の何れのドットパターン単位用紙21が使われたのかが正しく認識される。
【0041】
このように、本実施形態の入力システム10では、生徒は、授業の内容(文字列や絵)を示す各種ストロークを、コンピュータ装置3にファイルとして保存することができると共に、従来と同様に授業の内容(文字列や絵)が手書きされた紙媒体のドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2Bも保存することもできる。即ち、生徒は、後日、ファイル内の授業の内容(文字列や絵)を示す画像をコンピュータ装置3のディスプレイに表示させて授業の内容を復習することもできるし、従来と同様に紙媒体のドットパターン用紙2A又はドットパターンノート2Bを開いて授業の内容を復習することができる。
【0042】
[ドットパターン]
続いて、ドットパターン単位用紙21に形成されるアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。図2は、ドットパターン単位用紙21に印刷されるドットパターンのドットと、そのドットが変換される値との関係を説明する図である。図2に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。即ち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、ドットパターン単位用紙21上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0043】
図3(A)は、あるドットパターンの配列を示している。図3(A)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、ドットパターン単位用紙21上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがドットパターン単位用紙21上のどの位置にあるのか)を保持している。図3(B)は、図3(A)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図2に示す規則性に基づいて対応付けられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0044】
[電子ペン]
次に電子ペン1について説明する。図4に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111及びバッテリー112を備える。インクカートリッジ104の先端は、インクを備えるペン先部103となっており、ユーザは、電子ペン1のペン先部103をドットパターン単位用紙21上に当接させて、文字等のストローク(手書きストローク)を記入したり、タップ(ペン先部103によるドットパターン単位用紙21への軽叩)したりする。ここで、電子ペン1のペン先部103がドットパターン単位用紙21に最初に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。また、電子ペン1をペンダウンすることでペン先部103からドットパターン単位用紙21上に流出するインクにより、ストロークと略同一軌道の軌跡がドットパターン単位用紙21上に書き込まれる。
【0045】
バッテリー112は、電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン1によりドットパターン単位用紙21に文字やマークを書いたりタップしたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値を筆圧データとしてプロセッサ108へ伝送する。
【0046】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、ユーザが電子ペン1でドットパターン単位用紙21に文字等を書くと、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンダウン情報と、後述するペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置3へ送信する。また、ユーザが1つのストロークを記入し終えて電子ペン1をドットパターン単位用紙21から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置3へ送信する。
【0047】
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、ドットパターン単位用紙21上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103がドットパターン単位用紙21に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106には、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線透過フィルタが設けられており、CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、ドットパターンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が比較的少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が比較的多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、ドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図3(A)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。
【0048】
プロセッサ108は、ユーザの記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、ユーザが記入するストローク(筆跡)のドットパターン単位用紙21上におけるX,Y座標(単に「位置座標」、「座標情報」とも呼ぶ)を連続的に演算していく。即ち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図3(A)に示されるようなドットパターンの画像データを図3(B)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因する、ドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、位置座標を演算する際に機能を発揮させる。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX,Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、ドットパターン単位用紙21における6×6のドットパターンは、ドットパターン単位用紙21内で重複することはないため、ユーザが電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置がドットパターン単位用紙21のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
【0049】
メモリ109には、電子ペン1を識別するための「pen01」といったペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、座標属性情報(時刻情報と、筆圧データと、X、Y座標データ)とを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置3へ送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置3への送信は、Bluetooth(登録商標)等の無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されてコンピュータ装置3に送信された1個又は複数個の記入情報(座標属性情報)は、コンピュータ装置3によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX,Y座標(座標点)に基づいて描画されるため、コンピュータ装置3は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを描画するために必要な1個又は複数個の座標属性情報を認識する。このように、ユーザが1つのストロークを記入することにより、電子ペン1によって生成される座標属性情報の集合を「ストローク情報」と呼ぶ。また、ペン先部103は、筆圧を、インクカートリッジ104を介して圧力センサ107に伝達する。
なお、前述のドットパターン単位用紙21には、後に図6(B)等を参照して説明するように、書式設定に用いる幾つかのアイコンも印刷されている。電子ペン1によりこれらのアイコンがタップされると、プロセッサ108によって、対応する書式情報が電子ペン1のストローク情報に含められて、コンピュータ装置3へ送信される。このように、電子ペン1によりアイコンをタップすることにより、対応する書式情報を設定し、例えば、ストロークの太さや色等を指定することもできる。
【0050】
[コンピュータ装置]
次に、コンピュータ装置3について説明する。コンピュータ装置3は、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等により構成されるプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等を含むパーソナルコンピュータ等で構成される。図5は、コンピュータ装置3の機能ブロック図である。コンピュータ装置3は、機能的には、入力手段31、通信手段32、記憶手段33、表示手段34、及び処理手段35を備える。そして、コンピュータ装置3は、電子ペン1から受信した記入情報に基づいて所定の処理を行う。
【0051】
コンピュータ装置3は、電子ペン1を使用するユーザ(生徒)の近くに配置されている。コンピュータ装置3は、電子ペン1からの情報を受信して、記録すると共に、受信した情報に基づいて、ドットパターン単位用紙21に記入されているストロークを示す画像を表示手段34のディスプレイに表示させる。
【0052】
入力手段31は、マウスやキーボード等により構成され、ユーザの操作に応じた各種情報を入力し、処理手段35に供給する。
通信手段32は、アンテナ送受信回路等により構成され、電子ペン1から記入情報を受信し、処理手段35に伝送する。さらに、通信手段32は、電子ペン1と必要に応じて様々な情報の授受をすることができる。なお、電子ペン1とのデータ通信方式は、有線及び無線を含めて様々な手法が利用可能であるが、本実施形態ではBluetooth(登録商標)を用いる通信方式が採用されている。
【0053】
記憶手段33は、ハードディスクやROM、RAMといったメモリによって構成される。記憶手段33は、処理手段35の処理命令により、電子ペン1から受信した記入情報をペンID毎に記憶する。
また、記憶手段33は、後述するファイル生成手段352によって生成されるファイル及び当該ファイルアイコンのデータ等も記憶する。
表示手段34は、ディスプレイ等によって構成され、処理手段35によって指示された内容を画像として表示する。
【0054】
処理手段35は、入力手段31〜表示手段34を制御して各種情報を授受することで、各種の処理を実行する。処理手段35は、主に、使用用紙/ページ認識手段355、ファイル生成手段352、ファイル状態認識手段351、ストローク描画記録手段353、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354により構成される。
以下、図6〜図11の具体例を適宜参照しつつ、処理手段35についてさらに詳しく説明する。
図6〜図11の各々は、入力システム10が設置されている教室において、何日間かにわたって各種授業が行われた場合における、コンピュータ装置3の処理手段35の各種処理結果の具体例をそれぞれ示す図である。
【0055】
まず、所定日(2011年2月10日)の国語の授業では、「ことわざ」がテーマになっており、図示はしないが、先生が、授業の開始時に「ことわざ」を板書したものとする。
この場合、生徒が、先生の板書にならって、図6(A)に示すように、ドットパターンノート21Bの所定ページに対応する新規のドットパターン単位用紙21−1に対して、電子ペン1で「ことわざ」と記入したものとする。
具体的には、ドットパターン単位用紙21−1を含め全てのドットパターン単位用紙21には、記入領域41と、書式設定に用いる幾つかのアイコンが配置され得るアイコン領域42とが設けられている。記入領域41は、電子ペン1により任意のストロークが記入される領域である。ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41には、「ことわざ」が記入されている。なお、アイコン領域42の詳細については後述する。
【0056】
このように、ユーザが電子ペン1を用いてドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に「ことわざ」と記入すると、コンピュータ装置3は、ファイルを自動的に生成して、図6(B)に示すように、当該ファイルを開くためのファイルアイコン51を自動的に生成して表示手段34に表示させる。
具体的には、ドットパターン単位用紙21−1に対して電子ペン1で記入が開始されると、電子ペン1からの記入情報が、図5の通信手段32に逐次受信されて処理手段35に供給される。
この場合、処理手段35のファイル状態認識手段351は、ファイルが開いている状態であるか否かを認識する。図6の例では、ファイル状態認識手段351は、ドットパターン単位用紙21−1又はそのページの内容を含むファイルが未だ生成されておらず、その結果当該ファイルが開かれていない状態であると認識する。
すると、ファイル生成手段352は、新たなファイルを記憶手段33に生成し、さらに、当該ファイルを開くためのファイルアイコン51も生成して、図6(B)に示すように、表示手段34に表示させる。
【0057】
ここで、ファイルアイコン51内には、関連するファイルのファイル名として「ことわざ」が表示されている。これにより、ユーザ(生徒)は、ファイルアイコン51から、関連するファイルのファイル名を容易に視認することができる。
なお、ファイルアイコン51の表示手法は、図6の例のように特にファイル名そのものを表示させる手法に特に限定されず、その他例えば、記入領域41に最初に記入された手書きのストロークが文字認識された後の何文字分かの文字列を表示させる(例えば3文字分ならば「ことわ」等と表示させる)手法や、手書きのストロークをそのまま図柄として表示させる手法を採用することができる。
換言すると、ファイル名は、ファイルアイコン51内の表示と一致させる必要は特にない。例えば手書きのストロークがそのままファイルアイコン51の図柄とされているような場合には、当該ストロークを文字認識した結果得られる文字列をファイル名として採用することもできる。
【0058】
所定日(2011年2月10日)の国語の授業がさらに進み、生徒が、先生の板書にならって、図7(A)に示すように、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対して、「ことわざ」の後に「◎塞翁が馬 人生では何が幸せか、不幸せか分からないもの。」と電子ペン1で記入したものとする。
この間も、記入情報が、電子ペン1から逐次送信され、コンピュータ装置3の通信手段32に受信されて、処理手段35に提供される。
処理手段35のストローク描画記録手段353は、このようにして逐次送信されてくる記入情報に基づいて、「◎塞翁が馬 人生では何が幸せか、不幸せか分からないもの。」というストロークを描画する。そして、ストローク描画記録手段353は、当該ストロークを、ファイル生成手段352により生成されたファイルに記録させると共に、図6(B)に示すように、表示手段34内のファイルアイコン51における右方の領域52に表示させる。なお、以下、当該領域52を、「ファイル内容表示領域52」と呼ぶ。
【0059】
ここで、ドットパターン単位用紙21−1を含めドットパターン単位用紙21に含まれているアイコン領域42について説明する。
アイコン領域42には、線種選択アイコン領域421と、色選択アイコン領域422とが設けられている。
線種選択アイコン領域421には、ストロークの太さの種類を選択する複数のアイコンが配置される。図7(A)等の線種選択アイコン領域421には、細い方から順に5つの太さの種類を選択するアイコンがそれぞれ配置されている。
ユーザは、電子ペン1で、線種選択アイコン領域421に配置されている複数のアイコンのうち、所定の太さの種類を選択するアイコンをタップして、それ以降、記入領域41で手書きのストロークを記入すると、当該所定の太さのストロークとしてファイルに格納される。そして、表示手段34には、ストロークは当該所定の太さで表示される。
色選択アイコン領域422には、ストロークの色の種類を選択する複数のアイコンが配置される。図7(A)等の色選択アイコン領域422には、赤(R)、青(B)、黄(Y)の各色の種類を選択するアイコンがそれぞれ配置されている。
ユーザは、電子ペン1で、色選択アイコン領域422に配置されている複数のアイコンのうち、所定の色の種類を選択するアイコンをタップして、それ以降、記入領域41で手書きのストロークを記入すると、当該所定の色のストロークとしてファイルに格納される。そして、表示手段34には、ストロークは当該所定の色で表示される。
なお、電子ペン1は、1種類のペン先部103と、1種類のインクが封入されたインクカートリッジ104とを有しているため、当該電子ペン1で記入領域41に記入される手書きのストローク自体は、略同一の太さで略同一の色になる。
【0060】
所定日(2011年2月10日)の国語の授業が終了して、生徒が、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対する電子ペン1での記入を終了させたものとする。
この場合、電子ペン1は、ペンアップされると、その後次の授業等が開始されるまでの間、ペンダウンされないことになる。
そこで、図5のコンピュータ装置3のペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップから所定時間(例えば数分〜数十分)経過してもペンダウンが検出されないと、そのペンアップの日時(何年何月何時何分で表現される日時であり、以下、「ペンアップ日時」と呼ぶ)を、記入情報から認識する。この場合、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップ情報を含む記入情報の、直前の記入情報からペンアップ日時を認識する。ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、当該ペンアップ日時を示す情報(以下、「ペンアップ日時情報」と呼ぶ)を生成してファイルに格納する。そして、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、図8に示すように、ペンアップ日時61(同図の例では2011年2月10日14時30分)を、表示手段34におけるファイル内容表示領域52内の、最後のストロークの下方に表示させる。さらに、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、区切り線62を生成して、表示手段34におけるファイル内容表示領域52内のペンアップ日時61の下方に表示させる。
なお、区切り線62を示す情報は、ファイルへの格納は可能であるが、ペンアップ日時情報に基づいて表示時に生成可能であるので、ファイルへの格納は特に必須ではない。
その後、ユーザが、ファイル内容表示領域52の上方に表示された「ファイル」というメニューを選択し「閉じる」というメニューを選択する操作をすると、処理手段35は、ファイルを閉じる処理を実行する。この場合、ファイル内容表示領域52は表示手段34から消去されて表示されなくなる。ただし、ファイルアイコン51は、原則として表示手段34に表示され続ける。
【0061】
このようにして所定日(2011年2月10日)の国語の授業が終了した後、別授業の時間帯に、先生が、例えば、「先程の国語の授業で話した「塞翁が馬」のことです。つい最近、実家の馬が逃げたのだけど、それがきっかけで良いことが起こりました」という話を生徒にしたものとする。
この場合、ユーザは、この話の内容を追記すべく、ドットパターンノート2Bのうち、上記の国語の授業に関する内容が記入されたページ、即ち、ドットパターン単位用紙21−1のページを開くと共に、表示手段34に表示されたファイルアイコン51を選択する(クリック操作等をする)ことで、当該国語の授業の内容を含むファイルを開くことができる。
この場合、表示手段34には、図8に示される状態で、ファイルアイコン51と、ファイル内容表示領域52が表示される。
【0062】
この状態で、生徒が、先生の話に基づいて、図9(A)に示すように、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対して、先の国語の授業で記入したストローク描画記録手段353は、この間も、記入情報が、電子ペン1から逐次送信され、コンピュータ装置3の通信手段32に受信されて、処理手段35に提供される。
すると、ファイル状態認識手段351は、ファイルが開かれた状態であると判断し、使用用紙/ページ認識手段355は、電子ペン1から送信されてくる記入情報に基づいて、現在電子ペン1により書き込まれているドットパターン単位用紙21は、これまでに電子ペン1によって書き込みに使用されたドットパターン単位用紙21と判断する。
さらに、ストローク描画記録手段353は、電子ペン1から逐次送信されてくる記入情報に基づいて、「◎塞翁が馬 人生では何が幸せか、不幸せか分からないもの。」というストロークの下方に、「先生の実家の馬も、逃げたらしい」という新たなストロークを描画する。そして、ストローク描画記録手段353は、当該ストロークを、ファイル生成手段352により生成されたファイルに記録させると共に、図9(B)に示すように、ファイル内容表示領域52に表示させる。
ここで、ドットパターン単位用紙21−1には、全面にドットパターンが印刷されているので、任意の位置、例えば先の国語の授業で記入されたストロークよりも上方の位置に記入された新たなストロークであっても、ストローク描画記録手段353は、当該新たなストロークをファイルに記録させることができる。例えば、図9(A)に示すように、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41のうち、「◎塞翁が馬 人生では何が幸せか、」というストロークの上方に新たに記入された、矢印のストロークと「まったくそう思う」というストロークとは、ファイルに新たに記録され、図9(B)に示すように、ファイル内容表示領域52内の対応する位置に表示される。
【0063】
その後、生徒が、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対する電子ペン1での記入を終了させたものとする。
この場合、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップから所定時間経過してもペンダウンが検出されないと、最後のペンアップ日時を、記入情報から認識し、当該ペンアップ日時を示すように、ファイルに格納されているペンアップ日時情報を更新する。
そして、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、図9(B)に示すように、更新後のペンアップ日時61−1を、表示手段34のファイル内容表示領域52内に表示させる。この場合、ペンアップ日時61−1は、同図の例では、2011年2月10日14時30分から更新された後の2011年2月10日16時30分になっている。
さらに、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、区切り線62−1を生成して、表示手段34のファイル内容表示領域52内のペンアップ日時61−1の下方に表示させる。
その後、ユーザが、ファイル内容表示領域52の上方に表示された「ファイル」というメニューを選択し「閉じる」というメニューを選択する操作をすると、処理手段35は、ファイルを閉じる処理を実行する。この場合、ファイル内容表示領域52は表示手段34から消去されて表示されなくなる。ただし、ファイルアイコン51は、原則として表示手段34に表示され続ける。
【0064】
このようにして所定日(2011年2月10日)が終了して、別日(2011年2月14日)の国語の授業が開始され、その授業のテーマも「ことわざ」であったものとする。
この場合、ユーザ(生徒)は、ドットパターンノート21Bの新たなページに対応するドットパターン単位用紙21−2に対して、別日の国語の授業に関する内容を示す手書きのストロークを、電子ペンで記入することができる。
生徒が所定日の国語の授業と同様の操作をすると、図5のコンピュータ装置3は、所定日に生成した第1ファイルとは別の第2ファイルを新たに生成し、別日の国語の授業に関する内容を示すストロークを第2ファイルに記録させることができる。この場合、第2ファイルを開くための別のファイルアイコンが生成されて、表示手段34に表示される。
一方、生徒が、別日の国語の授業に関する内容を示すストロークも、第1ファイルに蓄積して記録させたいと所望した場合には、表示手段34に表示されたファイルアイコン51を選択する(クリック操作等をする)ことで、当該第1ファイルを開けばよい。
以下の説明では、コンピュータ装置3が、第1ファイルを開いていることを前提とする。
この場合、表示手段34には、図9(B)に示される状態で、ファイルアイコン51と、ファイル内容表示領域52が表示される。
【0065】
この状態で、生徒が、先生の板書にならって、図10(A)に示すように、ドットパターン単位用紙21−1とは異なる、新たなページのドットパターン単位用紙21−2の記入領域41に対して、電子ペン1で「◎少年老い易く学成り難し 時間をむだにせず学業に精を出す」と記入したものとする。
この間、記入情報が、電子ペン1から逐次送信され、コンピュータ装置3の通信手段32に受信されて、処理手段35に提供される。
すると、ファイル状態認識手段351は、ファイルが開かれた状態であると判断し、使用用紙/ページ認識手段355は、電子ペン1から送信されてくる記入情報に基づいて、現在電子ペン1により書き込まれているドットパターン単位用紙21は、これまでに電子ペン1によって書き込みに使用されたドットパターン単位用紙21ではなく、新しいドットパターン単位用紙21であると判断する。
ストローク描画記録手段353は、電子ペン1から逐次送信されてくる記入情報に基づいて、「◎少年老い易く学成り難し 時間をむだにせず学業に精を出す」というストロークを区切り線62−1の下方に描画する。そして、ストローク描画記録手段353は、当該ストロークを、所定日に生成された第1ファイルに追記して記録させる。なお、この場合、第1ファイルにおいては、各ストロークは、どのドットパターン単位用紙21の、どの位置に記入されたものであるのかという情報が第1ファイルにあわせて記録されている。
これにより、各ストロークが、表示手段34のファイル内容表示領域52内で適切な位置に表示される。即ち、所定日の国語の授業に関する内容を示すストローク等、ドットパターン単位用紙21−1に記入されたストロークは、ファイル内容表示領域52のペンアップ日時61−1における上方の領域のうち、ドットパターン単位用紙21−1内の記入位置と対応する位置にそれぞれ表示される。これに対して、別日の国語の授業に関する内容を示すストローク等、ドットパターン単位用紙21−2に記入されたストロークは、ペンアップ日時61−1の下の区切り線62−1における下方の領域のうち、ドットパターン単位用紙21−2内の記入位置と対応する位置にそれぞれ表示される。
【0066】
その後、別日の国語の授業が終了したので、生徒が、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対する電子ペン1での記入を終了させたものとする。
この場合、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、最後のペンアップから所定時間経過したことにより、ペンアップ日時を、記入情報から認識し、当該ペンアップ日時を示すペンアップ日時情報を生成してファイル(上述の第1ファイル)に格納する。当該ファイル内に、複数のドットパターン単位用紙21に記入されたストロークが含まれている場合には、複数のドットパターン単位用紙21毎に、最終のペンアップ日時を示すペンアップ日時情報がそれぞれ格納される。図10の例では、ドットパターン単位用紙21−1の最終のペンアップ日時(2011年2月10日16時30分)と、ドットパターン単位用紙21−2の最終のペンアップ日時(2011年2月14日15時00分)とがそれぞれファイルに格納される。
そして、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、図10(B)に示すように、ドットパターン単位用紙21−2の最終のペンアップ日時61−1を、表示手段34のファイル内容表示領域52のうち、ドットパターン単位用紙21−2における最後のストロークの下方に表示させる。
さらに、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、区切り線62−2を生成して、表示手段34のファイル内容表示領域52内のペンアップ日時61−2の下方に表示させる。
その後、ユーザが、ファイル内容表示領域52の上方に表示された「ファイル」というメニューを選択し「閉じる」というメニューを選択する操作をすると、処理手段35は、ファイルを閉じる処理を実行する。この場合、ファイル内容表示領域52は表示手段34から消去されて表示されなくなる。ただし、ファイルアイコン51は、原則として表示手段34に表示され続ける。
【0067】
このように、同一ファイルが開いている状態で、新たなドットパターン単位用紙21に電子ペン1で手書きの新たなストロークが記入されると、表示手段34のファイル内容表示領域52では、最後の区切り線62における下方の領域が、当該新たなドットパターン単位用紙21に対応する表示領域になる。そして、当該新たなドットパターン単位用紙21に対応する記入が終了すると、その記入の終了を示す新たなペンアップ日時61と新たな区切り線62が生成されて、ファイル内容表示領域52の最後に表示される。
なお、このようにして、ファイル内容表示領域52が、複数のドットパターン単位用紙21に対応する表示領域を含むようになると、全表示領域を表示手段34の一画面に同時に表示できなくなる場合がある。このような場合には、ファイル内容表示領域52にはスクロールバー等が設けられ、全表示領域がスクロール操作により表示されるようになる。
【0068】
さらに、別日(2011年2月14日)の国語の授業が終了した後、別授業の時間帯に、先生が、例えば、「所定日の国語の授業で話した「塞翁が馬」のことです。実家の馬を追っていた家族が、怪我をして入院しました。でもそれがきっかけとなり、この頃悪化していた家族の絆が戻りました。これが、実家の馬が逃げたことがきっかけで起こった良いことです」という話を生徒にしたものとする。
この場合、ユーザは、この話の内容を追記すべく、ドットパターンノート2Bのうちドットパターン単位用紙21−1のページを開くと共に、表示手段34に表示されたファイルアイコン54を選択する(クリック操作等をする)ことで、当該国語の授業の内容を含むファイルを開く。
すると、表示手段34には、図10(B)に示される状態で、ファイルアイコン51と、ファイル内容表示領域52が表示される。
【0069】
この状態で、生徒が、先生の話に基づいて、図11(A)に示すように、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対して、「家族の入院で絆が戻った」と追記したものとする。
この間も、記入情報が、電子ペン1から逐次送信され、コンピュータ装置3の通信手段32に受信されて、処理手段35に提供される。
すると、ファイル状態認識手段351は、ファイルが開かれた状態であると判断し、使用用紙/ページ認識手段355は、電子ペン1から送信されてくる記入情報に基づいて、現在電子ペン1により書き込まれているドットパターン単位用紙21は、これまでに電子ペン1によって書き込みに使用されたドットパターン単位用紙21と判断する。
さらに、ストローク描画記録手段353は、電子ペン1から逐次送信されてくる記入情報に基づいて、「逃げたらしい」というストロークの下方に、「家族の入院で絆が戻った」という新たなストロークを描画する。そして、ストローク描画記録手段353は、当該ストロークを、ファイル生成手段により生成されたファイルに記録させると共に、図11(B)に示すように、ファイル内容表示領域52のうち、区切り線62−1の上方の領域、即ち、ドットパターン単位用紙21−1に対応する表示領域に表示させる。このとき、ストローク描画記録手段353は、ストロークを描写する範囲が広がるため、区切り線62−1を下方に移動させ、ストロークを描画する領域を広げる。
【0070】
その後、生徒が、ドットパターン単位用紙21−1の記入領域41に対する電子ペン1での記入を終了させたものとする。
この場合、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、最後のペンアップ日時を、記入情報から認識し、ファイルに格納されたペンアップ日時情報のうち、ドットパターン単位用紙21−1についてのペンアップ日時情報を更新する。
そして、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、図11(B)に示すように、更新後のペンアップ日時61−1を、表示手段34のファイル内容表示領域52内に表示させる。この場合、ペンアップ日時61−1は、同図の例では、2011年2月10日16時30分から更新された後の2011年2月14日15時10分になっている。
その後、ユーザが、ファイル内容表示領域52の上方に表示された「ファイル」というメニューを選択し「閉じる」というメニューを選択する操作をすると、処理手段35は、ファイルを閉じる処理を実行する。この場合、ファイル内容表示領域52は表示手段34から消去されて表示されなくなる。ただし、ファイルアイコン51は、原則として表示手段34に表示され続ける。
【0071】
[ストローク描写処理フロー]
このように図6〜図11の具体例を用いて説明した、図5のコンピュータ装置3の処理手段35が実行する一連の処理を、以下、「ストローク描写処理」と呼ぶ。図12を参照して入力システム10によるストローク描写処理の流れについて説明する。
【0072】
初めに、生徒等のユーザが、ドットパターン単位用紙21に対して電子ペン1で手書きのストロークを記入すると、電子ペン1は、生成した記入情報をコンピュータ装置3へ送信する。具体的には、電子ペン1は、ペンダウン時には、ペンダウン情報及びペンIDを関連付けた記入情報を生成して、生成した記入情報をコンピュータ装置3へ送信する。電子ペン1は、手書きのストロークの記入中は、ストロークに沿ってドットパターンを撮像して演算した座標情報を含む座標属性情報と、ペンIDとを関連付けた記入情報を連続的に生成して、コンピュータ装置3へ逐次送信する。電子ペン1は、ペンアップ時には、ペンアップ情報及びペンIDを関連付けた記入情報を生成してコンピュータ装置3へ送信する。
【0073】
コンピュータ装置3では、通信手段32が、電子ペン1との通信可能状態となったことを契機としてストローク描写処理が開始される。
処理手段35は、電子ペン1から送信された記入情報を、通信手段32に受信させて、記憶手段33に記憶させる(ステップS1)。
【0074】
次に、処理手段35のファイル状態認識手段351は、ファイルが開かれた状態であるか否かを判断する(ステップS2)。
ファイル状態認識手段351がファイルが開かれた状態であると判断した場合(ステップS2:YES)、使用用紙/ページ認識手段355は、ステップS1の処理で受信された記入情報に基づいて、使用されたドットパターン単位用紙21(即ち、ドットパターン単位用紙21A内の使用された用紙又はドットパターンノート2Bの使用されたノートページ)と同じドットパターン単位用紙21(これまでに電子ペン1により記入されたことのあるドットパターン単位用紙21)にストロークが記入されたか否かを判断する(ステップS3)。
【0075】
使用用紙/ページ認識手段355が使用されたドットパターン単位用紙21と同じドットパターン単位用紙21にストロークが記入されていないと判断した場合(ステップS3:NO)、ストローク描画記録手段353は、最後の区切り線より下方(以降)であって、使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する位置にストロークを描写し、ファイルを上書きする(ステップS4)。
なお、ストロークは、使用されたドットパターン単位用紙21のうちの、記入された位置と対応付けられてファイルに記憶される。したがって、ここでいう「ファイルを上書きする」とは、既存のストロークが消去されて新たなストロークが上書きされることを意味せず、既存のストロークとは別に新たなストロークが含まれるような構成のファイルにして同一ファイル名で上書きすることを意味する。
また、1つのストロークを描画するためには、ペンダウンを含む記入情報からペンアップを含む記入情報までの記入情報群、即ちストローク情報を構成するために必要な記入情報群が、電子ペン1から通信手段32に受信されていることが条件となる。ただし、本フローチャートでは、ステップS4のようにストロークを描画する処理の開始時点では、この条件は満たしているものとする。
【0076】
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、使用中のドットパターン単位用紙21(即ち、ドットパターン単位用紙21A内の使用中の用紙又はドットパターンノート2Bの使用中のノートページ)において、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったか否かを判断する(ステップS5)。
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったと判断した場合(ステップ5:YES)、ストローク描画記録手段353は、最後の区切り線より下方(以降)であって、使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する位置にストロークを描写し、ファイルを上書きする(ステップS4)。
一方で、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354がペンアップから所定時間以内にペンダウンがなかったと判断した場合(ステップS5:NO)、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、最終ペンアップの日時(ペンアップ日時)、及び区切り線を生成して、表示手段34に表示させる(ステップS6)。これにより、ストローク描写処理を終了になる。
【0077】
以上のステップS3においてNOであると判断された後の一連の処理、即ち、ステップS4〜S6における処理結果の具体例は、上述した図10に示されている。
これに対して、使用用紙/ページ認識手段355が使用されたドットパターン単位用紙21と同じドットパターン単位用紙21(これまでに電子ペン1により記入されたことのあるドットパターン単位用紙21)にストロークが記入されていると判断した場合(ステップS3:YES)、ストローク描画記録手段353は、ファイルの該当領域、即ち使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する領域にストロークを描写し、当該ファイルを上書きする(ステップS7)。この場合に、ストローク描画記録手段353は、ストロークを描写する範囲が広がる場合には、区切り線62を下方に移動させ、ストロークを描画する領域を広げる。
【0078】
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、使用中のドットパターン単位用紙21(即ち、ドットパターン単位用紙21A内の使用中の用紙又はドットパターンノート2Bの使用中のノートページ)において、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったか否かを判断する(ステップS8)。
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったと判断した場合(ステップS8:YES)、ストローク描画記録手段353は、ファイルの該当領域、即ち使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する領域にストロークを描写し、ファイルを上書きする(ステップS7)。
一方で、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354がペンアップから所定時間以内にペンダウンがなかったと判断した場合(ステップS8:NO)、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、最終ペンアップの日時(ペンアップ日時)、及び区切り線を更新して、表示手段34に表示させる(ステップS6)。これにより、ストローク描写処理を終了になる。
【0079】
以上のステップS2においてYESであると判定されて(ファイルが開かれていると判断されて)ステップS3においてYESであると判断された後の一連の処理、即ち、ステップS7〜S9における処理結果の具体例は、上述した図9や図11に示されている。
これに対して、ファイル状態認識手段351がファイルが開かれていないと判断した場合(ステップS3:NO)、ファイル生成手段352は、記憶手段33にファイルを生成し、当該ファイルに関するファイルアイコンを生成して、表示手段34に表示させる(ステップS10)。
ストローク描画記録手段353は、その開いたファイルに、使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する位置においてストロークを描写して記録する(ステップS11)。
【0080】
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、使用中のドットパターン単位用紙21(即ち、ドットパターン単位用紙21A内の使用中の用紙又はドットパターンノート2Bの使用中のノートページ)において、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったか否かを判断する(ステップS12)。
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、ペンアップから所定時間以内にペンダウンがあったと判断した場合(ステップ12:YES)、ストローク描画記録手段353は、その開いたファイルに、使用中のドットパターン単位用紙21の記入位置に対応する位置においてストロークを描写して記録する(ステップS11)。
一方で、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354がペンアップから所定時間以内にペンダウンがなかったと判断した場合(ステップS12:NO)、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354は、最終ペンアップの日時(ペンアップ日時)、及び区切り線を更新して、表示手段34に表示させる(ステップS13)。これにより、ストローク描写処理を終了になる。
以上のステップS2においてNOであると判定された後(ファイルが開かれていないと判断された後)の一連の処理、即ち、ステップS10〜S13における処理結果の具体例は、上述した図6〜図8に示されている。
【0081】
[本実施形態による作用効果]
以上説明したように本実施形態のコンピュータ装置3の処理手段35は、主に、ファイル状態認識手段351、ファイル生成手段352、及びストローク描画記録手段353により構成される。
ファイル生成手段352は、ドットパターン単位用紙21に対して電子ペン1が接触して移動されると、ファイルを生成すし、当該ファイルを開くためのファイルアイコン51を生成して表示手段に表示させる。
ストローク描画記録手段353は、ドットパターン単位用紙21に対する電子ペン1の移動に応じてストロークを描画し、ファイル生成手段352により生成されたファイルに記録する。
ファイル状態認識手段351は、ファイルアイコン51が操作されてファイルが開かれている状態か否かを認識する。
ストローク描画記録手段353は、ファイル状態認識手段351によりファイルが開かれている状態と認識されているときに、ドットパターン単位用紙21に対する、電子ペン1の新たな接触及び移動があると、電子ペン1の新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、ファイルに記録させる。
これにより、時間的に離間して電子ペンで書き込まれた記入情報の各々を同一ファイルに一括して記録する仕組みを、電子ペンの操作で構築することができる。
[変形例]
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、ファイル生成手段352の生成したファイルのファイル名は最初に入力された文字としたが、それに限られず、ユーザがドットパターン用紙に最初に書き込んだ、ストロークで構成される図柄としてもよいし、必要に応じて、ユーザが、例えば、マウスの右クリック操作等により、自由にファイル名の変更をすることができるようにしてもよい。
【0083】
また、図13に示すように、ドットパターン単位用紙21にファイル名記入欄64を設け、ファイル名記入欄64に電子ペン1でファイル名を記入することにより生成され送信された記入情報に基づいて、コンピュータ装置3のファイル生成手段352が、ファイル名を特定してファイルを生成するようにしてもよい。このとき、ファイル生成手段352は、記入情報により認識されるストロークを文字認識処理により認識したテキストをファイル名とするとよい。ただし、必要に応じて、ユーザが、例えば、マウスの右クリック操作等により、自由にファイル名の変更をすることができるようにするとよい。また、ファイルアイコンを、認識されたストロークで構成される図柄としてもよい。
【0084】
この場合に、新規のドットパターン単位用紙21において、ファイル名記入欄64以外の部分に、ユーザが電子ペン1で記入すると、コンピュータ装置3において、ファイル生成手段352が、新たなファイルを生成するとともに、そのファイルを開いた状態にし、ファイル状態認識手段351がファイルは開いていると認識して、ストローク描画記録手段353が電子ペン1からの記入情報に基づいてストロークを描画、記録していき、後にファイル名記入欄64に電子ペン1でファイル名を記入した場合であっても、ファイル名記入欄64への記入によりファイル名が設定されるようにしてもよい。
【0085】
また、図9(A)の例のコンピュータ装置3におけるディスプレイの表示では、違う日の授業の板書を区切り線62で区切ってそのまま書き始めるようになっている。しかし、区切り線62により区切られた後は、新しいページとして、前のページとは分離して表示し、そこから書き込まれたストロークを記録、表示するようにしてもよい。さらに、区切り線62で区切られた前後のページは、印刷する際に、連続して印刷するようにしてもよいし、区切り線62の前後を別のページとして印刷されるようにしてもよい。
また、ペンアップ日時・区切り線生成表示手段354により、必ずしもペンアップ日時と区切り線の両方を表示することは必須ではなく、設定により、ペンアップ日時と区切り線のいずれ一方だけ表示するようにしてもよい。
【0086】
また、本実施形態では、新しいファイルが生成された場合、自動的に開かれるとしたが、それに限られず、ファイルを開く契機はあくまでもユーザのアイコンクリック操作に限ることにしてもよい。この場合、ファイルが開かれていない状態で、ドットパターン単位用紙21に電子ペン1で記入されていると、コンピュータ装置3は、ファイルを開くようアラームを出力し、電子ペン1から送信された記入情報の処理を保留するとよい。そして、ユーザの指示により、コンピュータ装置3が新たなファイルを開くか、これまでに作成された特定のファイルを開くことで、そのファイル上で、保留していた記入情報の処理を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、ストローク描写処理を終了するときに、ファイルは開かれたままとして、ファイルを閉じるのはユーザの自由な操作に委ねてもよいし、それに限られず、終了時に自動的に閉じるようにしてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、電子ペン1を用いる対象は、ドットパターン単位用紙21とされたが、特にこれに限られず、アノト式のドットパターンが印刷された任意の書き込み媒体であればよい。また、書き込み媒体に印刷されるコード化パターンは、アノト方式のドットパターンに限られなくともよい。
【符号の説明】
【0088】
1…電子ペン
2…ドットパターン用紙
3…コンピュータ装置
10…入力システム
31…入力手段
32…通信手段
33…記憶手段
34…表示手段
35…処理手段
351…ファイル状態認識手段
352…ファイル生成手段
353…ストローク描画記録手段
354…ペンアップ日時・区切り線生成表示手段
355…使用用紙/ページ認識手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード化パターンが印刷された書き込み媒体に対して電子ペンが接触して移動されると、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段と、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段と、
前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段と、
を備え、
前記ファイル状態認識手段により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、
ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項2】
前記ファイル生成手段は、前記ファイル状態認識手段がファイルは開かれている状態ではないと判断し、新規の書き込み媒体に前記電子ペンが接触して移動されたと判断した場合に、ファイルを生成し開いた状態にする、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
コード化パターンが印刷された書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されたと判断した場合に、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段と、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段と、
前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段と、
を備え、
前記ファイル状態認識手段により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、
ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項4】
前記ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にする、
ことを特徴とする請求項3に記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記ファイルが開かれた状態では、前記ファイルに記録されたストロークをさらに表示し、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記ストロークの下方の領域に表示させるペンアップ日時・区切り線生成表示手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項6】
相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段によって、第1の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、
前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させ、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、前記第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記第2の書き込み媒体についての前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させる、
ことを特徴とする請求項5に記載のコンピュータ装置。
【請求項7】
相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段によって、所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、同一の前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、
前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の上方に表示させ、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時を更新する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のコンピュータ装置。
【請求項8】
コンピュータ装置を、
コード化パターンが印刷された書き込み媒体に対して電子ペンが接触して移動されると、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段、
前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段、
として機能させ、
前記ファイル状態認識手段として機能する前記コンピュータ装置により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記ファイル生成手段は、前記ファイル状態認識手段がファイルは開かれている状態ではないと判断し、新規の書き込み媒体に前記電子ペンが接触して移動されたと判断した場合に、ファイルを生成し開いた状態にする、
ことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
コンピュータ装置を、
コード化パターンが印刷された書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されたと判断した場合に、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段、
前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段、
として機能させ、
前記ファイル状態認識手段として機能する前記コンピュータ装置により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
前記ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にする、
ことを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記表示手段として機能させる前記コンピュータ装置は、前記ファイルが開かれた状態では、前記ファイルに記録されたストロークをさらに表示させ、
前記コンピュータ装置をさらに、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記ストロークの下方の領域に表示させるペンアップ日時・区切り線生成表示手段、
として機能させることを特徴とする請求項8〜11のうちいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置によって、第1の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、
前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させ、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記第2の書き込み媒体についての前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させる、
ことを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置によって、所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、同一の前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、
前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の上方に表示させ、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時を更新する、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載のプログラム。
【請求項1】
コード化パターンが印刷された書き込み媒体に対して電子ペンが接触して移動されると、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段と、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段と、
前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段と、
を備え、
前記ファイル状態認識手段により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、
ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項2】
前記ファイル生成手段は、前記ファイル状態認識手段がファイルは開かれている状態ではないと判断し、新規の書き込み媒体に前記電子ペンが接触して移動されたと判断した場合に、ファイルを生成し開いた状態にする、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
コード化パターンが印刷された書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されたと判断した場合に、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段と、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段と、
前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段と、
を備え、
前記ファイル状態認識手段により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、
ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項4】
前記ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にする、
ことを特徴とする請求項3に記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記ファイルが開かれた状態では、前記ファイルに記録されたストロークをさらに表示し、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記ストロークの下方の領域に表示させるペンアップ日時・区切り線生成表示手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項6】
相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段によって、第1の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、
前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させ、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、前記第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記第2の書き込み媒体についての前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させる、
ことを特徴とする請求項5に記載のコンピュータ装置。
【請求項7】
相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段によって、所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、同一の前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、
前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の上方に表示させ、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段は、前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時を更新する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のコンピュータ装置。
【請求項8】
コンピュータ装置を、
コード化パターンが印刷された書き込み媒体に対して電子ペンが接触して移動されると、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段、
前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段、
として機能させ、
前記ファイル状態認識手段として機能する前記コンピュータ装置により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記ファイル生成手段は、前記ファイル状態認識手段がファイルは開かれている状態ではないと判断し、新規の書き込み媒体に前記電子ペンが接触して移動されたと判断した場合に、ファイルを生成し開いた状態にする、
ことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
コンピュータ装置を、
コード化パターンが印刷された書き込み媒体のファイル名記入欄に電子ペンで記入されたと判断した場合に、ファイルを生成し、当該ファイルを開くためのアイコンを生成して表示手段に表示させるファイル生成手段、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に応じてストロークを描画し、前記ファイル生成手段により生成された前記ファイルに記録するストローク描画記録手段、
前記アイコンが操作されて前記ファイルが開かれている状態か否かを認識するファイル状態認識手段、
として機能させ、
前記ファイル状態認識手段として機能する前記コンピュータ装置により前記ファイルが開かれている状態と認識されているときに、前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
前記ファイル生成手段は、ファイルを生成するとともに、当該ファイルを開いた状態にする、
ことを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記表示手段として機能させる前記コンピュータ装置は、前記ファイルが開かれた状態では、前記ファイルに記録されたストロークをさらに表示させ、
前記コンピュータ装置をさらに、
前記書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び/又は区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記ストロークの下方の領域に表示させるペンアップ日時・区切り線生成表示手段、
として機能させることを特徴とする請求項8〜11のうちいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、
ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置によって、第1の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、
前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させ、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記第2の書き込み媒体に対する前記電子ペンの接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記第2の書き込み媒体についての前記非接触状態への遷移を検知した日時、及び新たな区切り線を生成して、前記表示手段のうち前記区切り線の下方に表示させる、
ことを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
相互に異なるコード化パターンが印刷された複数の書き込み媒体が存在し、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置によって、所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの移動に起因して前記区切り線が生成された後に、同一の前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触及び移動があると、
前記ストローク描画記録手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記電子ペンの新たな移動に応じて新たなストロークを描画して、前記ファイルに記録させ、
前記表示手段は、当該新たなストロークを、前記表示手段のうち前記区切り線の上方に表示させ、
前記ペンアップ日時・区切り線生成表示手段として機能する前記コンピュータ装置は、前記所定の書き込み媒体に対する前記電子ペンの新たな接触状態から非接触状態への遷移を検出し、前記非接触状態が所定時間以上継続すると、前記非接触状態への遷移を検知した日時を更新する、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−252478(P2012−252478A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123997(P2011−123997)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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