説明

コンロ付調理台装置

【課題】 並列配置した複数の発熱体の下方空間の配分を最適化する。コンロの低背部の下方空間を利用してコンロから独立した種々のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットを選択的に配置可能とする。
【解決手段】 コンロ2のコンロ本体4を調理1台の上面に設けた上面開口10から嵌め込んでコンロ本体4上に設けたコンロ天板5を調理台1の上面に露出させてコンロ付調理台装置を構成する。コンロ2に、複数の発熱体6を並列配置して設けると共に、各々の発熱体6に対応して各々の発熱体6を駆動する各々の駆動部7を内装する。コンロ本体4を、正面断面視で左右方向において高さ寸法が短い低背部8と高さ寸法が長い高背部9とに分かれるように形成する。上記コンロ2とは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を、調理台1の上記コンロ本体4の低背部8直下にコンロ2から独立して配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロ付調理台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンロは、箱状をしたコンロ本体上にコンロ天板を設けて構成してあり、コンロ本体内に、複数の発熱体と、各々の発熱体に対応して各々の発熱体を駆動する各々の駆動部を内装すると共に、更に、コンロ本体内を仕切って加熱庫(グリル)を内装することで、加熱庫付コンロを一体に構成している。
【0003】
上記構成の加熱庫付コンロは、コンロ本体を調理台の上面に設けた上面開口から嵌め込むと共にコンロ天板を調理台上面に露出するように組み込んで取付けている。
【0004】
また、上面部にコンロ天板を設けたコンロ本体の片側に開放部を形成し、該開放部にコンロ本体とは別体の加熱庫を配置して、外付けでコンロ本体に加熱庫を取付けて加熱庫付きコンロを構成するものが特許文献1により知られている。
【0005】
この特許文献1に示された従来例の加熱庫付コンロは、コンロ本体に加熱庫を取付けて加熱庫付コンロを一体に構成したものであるから、加熱庫付コンロを調理台に取付けるに当たっては、コンロ本体とこれに取付けた加熱庫を、調理台の上面に設けた上面開口から嵌め込むと共に、コンロ天板を調理台上面に露出するように組み込んで取付けている。
【0006】
上記いずれの従来例にあっても、コンロ本体内に加熱庫を一体に組み込むかまたは加熱庫を外付けで取付けて加熱庫付コンロを一体に構成するもので、該一体に構成した加熱庫付コンロは、正面断面視で左右方向において高さ寸法が同じ又はほぼ同じとなっていて、コンロの下方にコンロとは独立した余剰空間が存在しない。
【0007】
従って、コンロの一部の下方に余剰空間を形成することで、該余剰空間にコンロ以外の他の種々のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットをコンロに対して独立して選択的に配置可能とすることができず、コンロの近傍に種々のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットを選択的に配置したいという顧客の要望に対応できないという問題を有している。
【0008】
また、上記各従来例にあっては、加熱庫がコンロ本体内に一体に組み込んであるかまたは外付けで一体に取付けたものなので、加熱庫の保守、点検、交換を行うには、加熱庫付コンロ全体を調理台から取り外し、コンロ本体に取付けた加熱庫の保守、点検を行う必要があり、コンロから独立して保守、点検、交換等が自由に出来ないという問題がある。しかも、加熱庫の交換をする場合は、加熱庫付コンロ全体を交換しなければならないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−344455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の従来例の問題点に鑑みて発明したもので、並列配置した複数の発熱体の下方空間の配分を最適化し、コンロの低背部の下方空間を利用して種々のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットをコンロから独立して選択的に配置可能で、しかも、コンロの低背部の下方空間に配置するコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットの保守、点検、交換等をコンロに対して独立して行うことができるコンロ付調理台装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成になっている。
【0012】
本発明のコンロ付調理台装置は、コンロ2のコンロ本体4を調理台1の上面に設けた上面開口10から嵌め込んでコンロ本体4上に設けたコンロ天板5を調理台1の上面に露出させて構成する。コンロ2に、複数の発熱体6を並列配置して設けると共に、各々の発熱体6に対応して各々の発熱体6を駆動する各々の駆動部7を内装する。コンロ本体4を、正面断面視で左右方向において高さ寸法が短い低背部8と高さ寸法が長い高背部9とに分かれるように形成する。上記コンロ2とは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を、調理台1の上記コンロ本体4の低背部8直下にコンロ2から独立して配置する。
【0013】
上記のように、複数の発熱体6と、各々の発熱体6に対応して各々の発熱体6を駆動する各々の駆動部7を内装し、コンロ本体4を、正面断面視で左右方向において高さ寸法が短い低背部8と高さ寸法が長い高背部9とに分かれるように形成することで、並列配置した複数の発熱体6の下方空間の配分を最適化できて、低背部8の下方に、コンロ2とは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を配置するための下方空間Sを形成できる。しかも、コンロ2は、コンロ本体4を調理台1の上面に設けた上面開口10から嵌め込むことで取付け、コンロ2とは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3は、調理台1の上記コンロ本体4の低背部8直下にコンロ2から独立して配置するので、低背部8の下方空間Sを利用してコンロ2とは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3をコンロ2から独立して選択的に配置することが可能で、コンロ2の近くに様々なコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を配置したいという顧客の多様な要望に対応できる。また、コンロ2とは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3の保守、点検、交換に当たって、コンロ2から独立して該コンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3の保守、点検、交換ができ、また、他のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3との交換も容易に行える。
【0014】
また、上記コンロ2とは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を、上記コンロ本体4の低背部8直下に対応した調理台1の前面開口11から嵌め込んで上記低背部8直下に配置することが好ましい。
【0015】
コンロ2とは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を、調理台1の前面開口11からの嵌め込みという簡単な構成で低背部8直下の下方空間Sに配置することができ、コンロ2から独立したコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3の調理台1への組み込みや、保守、点検、交換のための取り外しが、コンロ2から独立して簡単に行える。
【0016】
また、上記低背部8の高さ寸法が調理台1のカウンター13の厚み寸法よりも小さいことが好ましい。
【0017】
このような構成とすることで、上記のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3をカウンター13直下として構成すると、このコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を前面側からコンロ2の低背部8直下に向けて、挿入嵌め付け及び引出し取り外しが自在に行えるものとなる。
【0018】
また、調理台1の低背部8が嵌め込まれる部分の下方に,上記のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3の収容体函部材12を配置することが好ましい。
【0019】
このような構成とすることで、コンロ2の低背部8直下に配置するコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を、調理台キャビネット部20の一部を構成する収容体函部材12に設けることができて、調理台1の構造が簡略化する。
【0020】
また、低背部8に配置した発熱体6が、高背部9に配置した発熱体6よりも小火力であることが好ましい。
【0021】
このように複数の発熱体6配置の特定部を小火力とすることで、駆動部7及びこの収容空間の小容積化が容易となり、この下に配置されるコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3の容積を最大活用できる。また、小火力となることで、駆動部7からの廃熱が少量となり、コンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3への熱影響も低減される。
【0022】
また、平面視で、低背部8の発熱体6の中心が高背部9の発熱体6の中心よりも奥方向に位置していることが好ましい。
【0023】
このように低背部8の発熱体6の中心が高背部9の発熱体6の中心よりも奥方向に位置していることで、調理台1前方における下方空間Sへの上記発熱体6からの熱影響を低減することができる。また、コンロ本体4の発熱体6より手前の部分の低背化が容易となる。
【0024】
また、高背部9の手前正面にコンロ2の操作部14を設けることが好ましい。
【0025】
このような構成とすることで、コンロ2に関連した構成部材のうち容積の大きいものを高背部9側に集約することで、高背部9と低背部8を左右方向に区分けでき、低背部8の下方空間Sを明確に用途区分できる。
【0026】
また、発熱体6と該発熱体6を駆動する駆動部7を内装した低背部8と、上記発熱体6とは別の発熱体6と該発熱体6を駆動する別の駆動部7を内装した高背部9がそれぞれ独立したコンロ本体ブロック15で形成され、前記各々のコンロ本体ブロック15をコンロ天板5に対して左右位置を組換えてコンロ天板5及び両コンロ本体ブロック15を一体化してコンロ2を構成することが好ましい。
【0027】
このような構成とすることで、キッチン配置プランの左右勝手を任意に選択し、これに対応して低背部8となったコンロ本体ブロック15と、高背部9となったコンロ本体ブロック15との配置を左右選択できて、これにより、低背部8の下方空間Sに配置するコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3の位置をコンロ2の左右のいずれの直下に位置させるかを自由に選択できる。
【0028】
また、コンロ天板5の手前側もしくはカウンター13の発熱体6の手前に作業仮置き部16を設けることが好ましい。
【0029】
このような構成とすることで、作業仮置き部16に関連した調味料、仮置き用途の食器、調理道具等の使用位置つまり低背部8直下に設けた空間に収納配置することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、上記のように構成したので、並列配置した複数の発熱体の下方空間の配分を最適化してコンロの低背部の下方に下方空間を形成し、コンロのすぐ近くの使い勝手の良い所に、顧客の要望に応じたコンロとは別体の種々のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットを選択的に配置することができる。しかも、コンロは調理台の上面に設けた上面開口から嵌め込んで取付け、コンロとは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットは、調理台の前面開口から嵌め込んで低背部の下方空間に配置するので、コンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットをコンロから独立して選択的に配置することが可能で、また、該コンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットの保守、点検、交換に当たって、コンロから独立して該コンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットのみを調理台の前面開口から取り外して容易に保守、点検、交換ができ、また、他のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットとの交換も容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態の分解斜視図である。
【図2】同上に用いるコンロの斜視図である。
【図3】同上のコンロを調理台に組み込んだ状態を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面断面図であり、(c)は低背部部分における側面断面図であり、(d)は高背部部分における側面断面図である。
【図4】同上のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットとして加熱庫を組み込んだ例を示す斜視図である。
【図5】同上の加熱庫を組み込んだ例を示し、(a)は正面図であり、(b)は正面断面図であり、(c)は側面断面図である。
【図6】同上のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットとして物品収納部材を組み込んだ例を示し、(a)は正面図であり、(b)は正面断面図であり、(c)は側面断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態の分解斜視図である。
【図8】同上の斜視図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面断面図であり、(c)は低背部となったコンロ本体ブロックと、高背部となったコンロ本体ブロックの左右位置を組換えた例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0033】
本発明のコンロ付調理台装置は、調理台1の上部にコンロ2と、コンロ2以外のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を組み込んで構成している。
【0034】
ここで調理台1の上部に配設されるコンロ2以外のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3とは、例えば、加熱庫3a、厨房関連の調味料や調理に使用する道具等を入れるための引出しなどの物品収納部材3b、食器洗浄器3c等を挙げることができるが、必ずしもこれら例示したものにのみ限定されず、コンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3であれば、他の機器やユニットであっても良いのはもちろんである。
【0035】
調理台1は、調理台キャビネット20の上にカウンター13を設けて構成している。
【0036】
カウンター13には図1に示すように一側部にコンロ2を嵌め込んで組み込むための上面開口10が形成してあり、また、他側部にシンク29を設けてある。
【0037】
また、調理台キャビネット20の上部の上記カウンター13の上面開口10に対応する部分には、コンロ本体収納キャビネット部21と収容体函部材12とが左右方向に並設してある。図1の実施形態では調理台キャビネット20が、下部キャビネット部30と、下部キャビネット部30の上部に設置するコンロ本体収納キャビネット部21と収容体函部材12とが別体の例を示しているが、下部キャビネット部30とその上に設けるコンロ本体収納キャビネット部21及び収容体函部材12が一体であってもよい。
【0038】
コンロ2は、電磁誘導加熱調理機器、あるいはその他の電気、ガス熱源の加熱調理機器であって、左右方向に複数の発熱体6を並列配置している。コンロ2は、図1乃至図3等に示すように、薄箱状をしたコンロ本体4の上面にコンロ天板5を設けて主体を構成している。コンロ本体4内には、複数の発熱体6と、各々の発熱体6に対応して各々の発熱体6を駆動する各々の駆動部7を内装し、更に、複数の発熱体6の駆動部7を制御する制御部22、駆動部7を冷却する送風ファン23等を内装している。
【0039】
コンロ本体4は、正面断面視で左右方向において高さ寸法が短い低背部8と高さ寸法が長い高背部9とに分かれるように形成している。また、低背部8の高さ寸法は調理台1のカウンター13の厚み寸法よりも小さく設定している。
【0040】
左右方向に複数並列配置した発熱体6としては、面積の大きい大火力の発熱体6aと、これよりも面積が小さくて火力が小さい発熱体6bとがあり、火力の小さい発熱体6bとしては、添付図面に示す実施形態では中火力の発熱体6b1と小火力の発熱体6b2を設けた例が示している。
【0041】
上記大火力の発熱体6aとこの大火力の発熱体6aを駆動する駆動部7はコンロ本体4の高背部9に配置しており、これよりも火力が小さい発熱体6b(実施形態では中火力の発熱体6b1、小火力の発熱体6b2)はコンロ本体4とこれら火力が小さい発熱体6bをそれぞれ駆動する駆動部7は、それぞれ低背部8に配置している。低背部8に配置する火力の小さい発熱体6b及びこれに対応する駆動部7はそれぞれ容積を小さくすることで、コンロ本体4の高さ寸法を小さくして低背部8を形成し、これにより、下方空間Sの上下寸法を大きく設けることができる。また、小火力の発熱体6bについては、必然的に周囲への放熱量も少なく、下方空間Sへの伝熱影響も低減もしくは解消することができる。
【0042】
上記した複数の発熱体6の駆動部7を制御する制御部22、送風ファン23等の複数の発熱体6に共通の電装部材は、コンロ本体4の高背部9に集約して配置し、並列配置した複数の発熱体6の下方空間の配分を最適化している。
【0043】
高背部9内に配置した送風ファン23は複数の発熱体6の駆動部7側に室内空気を送風して発熱体6及び駆動部7の廃熱を、コンロ天板5の後端部に設けた廃気口25から排気するようになっている。
【0044】
ところで、コンロ2に高度な機能を搭載するに当たり、左右方向のすべてにわたって高さ寸法を短くすることは技術的に困難であるが、本発明においては、上記のように、コンロ本体4を左右方向に低背部8と高背部9とを形成することで、左右方向に、明確に構成要件を分け、低背部8の下方に余剰空間を形成し、この新たに形成した余剰空間である低背部8直下の下方空間Sにコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を配設するために利用できるようにしている。
【0045】
また、低背部8に配置した面積、火力が小さい発熱体6b(中火力の発熱体6b1、小火力の発熱体6b2)の平面視における後端と、高背部9に配置した面積が大きい大火力の発熱体6aの平面視における後端をコンロ天板5の前端縁と平行な仮想線上に揃え又は略揃え、平面視で面積、火力が小さい発熱体6bの中心を、面積が大きい大火力の発熱体6aの平面視における中心よりも奥方向に位置させている。
【0046】
上記の構成のコンロ2は、図3に示すように、調理台1のカウンター13に設けた上面開口10からコンロ本体4を嵌め込んでコンロ天板5を調理台1の上面に露出させて取付ける。
【0047】
この場合、図3(b)、(d)に示すように、コンロ本体4の高背部9がコンロ本体収納キャビネット部21内に配置される。高背部9を配置したコンロ本体収納キャビネット部21の正面にはコンロ2の操作部14が取付けられ、該操作部14と高背部9に内装した制御部22とを接続し、操作部14を操作することで、コンロ2の制御を行うようになっている。添付図面に示す実施形態では操作部14は、コンロ本体収納キャビネット部21の正面から前方に突出自在(実施例では回動により前方に突出自在)に取付けてあるが、必ずしもこの例にのみ限定されない。
【0048】
調理台1にコンロ2を上記のように取付けた場合、低背部8直下の下方空間Sに収容体函部材12が位置し、この収容体函部材12に内にコンロ2とは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3が組み込まれる。
【0049】
ここで、上記のように低背部8の高さ寸法を調理台1のカウンター13の厚み寸法よりも小さく設定することで、調理台1にコンロ2を上記のように取付けた場合、図3(c)に示すように、低背部8はカウンター13の厚み内に収まってカウンター13の下端よりも下方に突出せず、このため、調理台1の上部を構成する収容体函部材12の前面開口11からコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を嵌め込んで組み込んだり、該コンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を前方に取り外したりすることが可能となっている。
【0050】
図1、図3に示す実施形態では、コンロ2の低背部8直下の下方空間Sに位置する収容体函部材12にコンロ2とは別のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3として加熱庫3aと物品収納部材3bを選択的に組み込むことができるようになっている。
【0051】
図4、図5にはコンロ2の低背部8直下の下方空間Sに位置する収容体函部材12に加熱庫3aを組み込んだ例を示しており、図6には物品収納部材3bを組み込んだ例を示している。
【0052】
なお、加熱庫3aを組み込んだ場合、図5(c)に示すように加熱庫3aの後端部に設けた排気通路27を、コンロ2の廃気をするためにコンロ天板5に設けた廃気口25に接続して排気するようにしてもよい。
【0053】
また、加熱庫3aを組み込む場合、加熱庫3aの外郭を構成する加熱庫筐体24又は収容体函部材12のいずれかを断熱性に優れた材料で構成し、周囲の物品収納部への熱影響を低減する。
【0054】
物品収納部材3bが引き出しの場合、スライドレール26の可動側レール部26aを引き出しの側面部に取付け、スライドレール26の固定側レール部26bを収容体函部材12の側板に取付けることで、引出しを前方に出し入れ自在とする。
【0055】
ここで、上記のように、低背部8内に配置する発熱体6の火力が小さく、これを駆動する駆動部7からの廃熱が少量であるから、低背部8直下の下方空間Sに配置するコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3への上記駆動部7からの廃熱の影響を無くす又は小さくでき、特に、低背部8直下の下方空間Sに配置するコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3が物品収納部材3bの場合、物品収納部材3b内に収納する収納物が駆動部7からの廃熱の影響を受けないようにできる。
【0056】
また添付図面に示すように、平面視で、低背部8の発熱体6の中心を高背部9の発熱体6の中心よりも奥方向に位置させることで、調理台1の前方から発熱体6を冷却するための空気を取り入れ、後方に位置する発熱体6を冷却して廃気口25から排出するという空気の流れをスムーズにし、しかも、廃熱の発生源である発熱体6から廃気口25までの距離を短くでき、また、調理台1前方における下方空間Sへの上記発熱体6からの熱影響を低減することができる。
【0057】
特に、低背部8直下の下方空間Sに配置するコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3が物品収納部材3bの場合熱影響を受けないので好適である。
【0058】
上記各実施形態は、調理台1の上部を構成する収容体函部材12に前面開口11を設け、この収容体函部材12に前面開口11からコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を嵌め込んで組み込むようになっているので、低背部8直下の下方空間Sへの厨房関連のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3の組み込みが前方からの嵌め込みにより簡単に行え、また、コンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3の保守、点検、交換に当たっても、前面開口11からコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を取り外すことで、簡単に行える。
【0059】
もちろん、調理台1の上部を構成する収容体函部材12にあらかじめ一体に厨房関連のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3を組み込んでおいてもよい。
【0060】
添付図面に示す実施形態では、調理台1の上面にはコンロ天板5の手前側もしくはカウンター13の発熱体6の手前に作業仮置き部16を設けてある。
【0061】
上記作業仮置き部16は、作業仮置き部16上もしくは上方を利用して、調理に関係した作業を行うことができるだけでなく、コンロを利用した調理作業を行う際に使用する調味料や仮置き用途の食器や調理道具等を仮置きすることができる。
【0062】
そして、本発明においては、この作業仮置き部16に載置する調味料、仮置き用途の食器、調理道具等を、低背部8直下に配置した物品収納部材3bに収納することができ、作業仮置き部16とその直下の物品収納部材3bとの間で、短い動線で調味料、仮置き用途の食器、調理道具等を物品収納部材3bから取り出して作業仮置き部16に載置したり、あるいは、作業仮置き部16から物品収納部材3bに収納できて、利便性が向上する。
【0063】
図7、図8には本発明の更に他の実施形態が示してある。本実施形態は、調理台1におけるコンロ2の低背部8直下の下方空間Sに、食器洗浄器3cと物品収納部材3bを配置した例を示している。
【0064】
本実施形態においては、図7に示すように調理台キャビネット20の上部の上記カウンター13の上面開口10に対応する部分に、コンロ本体収納キャビネット部21と、収容体函部材12である物品収納用キャビネット部12a及び食器洗浄器用キャビネット部12bを左右方向に並べて配置している。
【0065】
本実施形態では、下部キャビネット部30を、背の高い下部キャビネット部30aと背の低い下部キャビネット部30bを並設して構成しており、上記背の高い下部キャビネット部30a上にコンロ本体収納キャビネット部21と、物品収納用キャビネット部12aを左右方向に並列設置すると共に、背の低い下部キャビネット部30b上に食器洗浄器用キャビネット部12bを設置することでコンロ2下方に位置する調理台キャビネット20を構成している。
【0066】
コンロ2は、調理台1のカウンター13に設けた上面開口10からコンロ本体4を嵌め込んでコンロ天板5を調理台1の上面に露出させて取付ける。
【0067】
この場合、コンロ本体4の高背部9が調理台キャビネット20の上部に配設されるコンロ本体収納キャビネット部21内に配置される。また、低背部8直下の下方空間Sに収容体函部材12を構成する物品収納用キャビネット部12aと食器洗浄器用キャビネット部12bの上部が位置する。
【0068】
コンロ2の低背部8直下の下方空間Sに位置する物品収納用キャビネット部12aには前述と同様にして物品収納用キャビネット部12aの前面開口11から物品収納部材3bを構成する引き出しを嵌め込んで組み込む。
【0069】
また、食器洗浄器用キャビネット部12bの前面開口11から食器洗浄器3cを嵌め込んで組み込む。
【0070】
本実施形態では食器洗浄器3cが引き出し式で食器等を上方から出し入れする構成であり、可能な限りカウンター13上面に近い高さ位置に組み込まれることが好ましい。よって、本実施形態の構成では、食器洗浄器3cの上面の高さ位置が、カウンター13厚み寸法のほぼ直下に位置することができ、食器洗浄器3cの取り扱い作業の利便性は優れている。
【0071】
また、コンロ調理作業の後、食器洗浄等の後片付け作業となり、両作業のタイミングが前後にずれているので、コンロ2の下の最適位置に食器洗浄器3cを組み込むできることで、本実施形態の厨房としての利便性は、優れたものとなる。
【0072】
ここで、コンロ2の低背部8直下の下方空間Sに物品収納用キャビネット部12aを組み込むことで、食器洗浄器3cの一般的な巾寸法と、コンロ2の低背部8の巾の不整合を解消し、コンロ2の低背部8直下の下方空間Sを余すことなく有効に活用することができる。
【0073】
次に、図9に基づいて本発明の他の実施形態を説明する。
【0074】
本実施形態では、発熱体6(実施形態では小火力の発熱体6b)と該発熱体6を駆動する駆動部7を内装した低背部8と、上記発熱体6(小火力の発熱体6b)とは別の発熱体6(大火力の発熱体6a)と該発熱体6を駆動する別の駆動部7を内装した高背部9をそれぞれ独立したコンロ本体ブロック15として形成し、この2つのコンロ本体ブロック15(高背部用のコンロ本体ブロック15a、低背部用のコンロ本体ブロック15b)をコンロ天板5に対して左右位置を組換えてコンロ天板5及び両コンロ本体ブロック15を一体化してコンロ2を構成している。
【0075】
高背部用のコンロ本体ブロック15aと、低背部用のコンロ本体ブロック15bは、図9(b)のように桟材31を介して左右ブロックのコンロ天板5同士を密着させて、一体的に連結され、高背部用のコンロ本体ブロック15aと低背部用のコンロ本体ブロック15bを連結剛性を高めている。
【0076】
図9(a)においては、左側に高背部用のコンロ本体ブロック15aを配置し、右側に低背部用のコンロ本体ブロック15bを配置した例を示しており、図9(c)においては、左側に低背部用のコンロ本体ブロック15bを配置し、右側に高背部用のコンロ本体ブロック15aを配置した例を示している。このように、キッチン配置プランの左右勝手に対応して低背部8となった低背部用のコンロ本体ブロック15bと、高背部9となった高背部用のコンロ本体ブロック15aとの配置を左右選択でき、低背部8の下方空間Sに配置するコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット3(図9(b)では加熱庫3aの例を示している)の位置をコンロ2の左右のいずれかの直下に選択的に配置できる。
【符号の説明】
【0077】
1 調理台
2 コンロ
3 コンロ下組込機器もしくは家具部材ユニット
4 コンロ本体
5 コンロ天板
6 発熱体
7 駆動部
8 低背部
9 高背部
10 上面開口
11 前面開口
12 収容体函部材
13 カウンター
14 操作部
15 コンロ本体ブロック
16 作業仮置き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロのコンロ本体を調理台の上面に設けた上面開口から嵌め込んでコンロ本体上に設けたコンロ天板を調理台の上面に露出させたコンロ付調理台装置であって、コンロに、複数の発熱体を並列配置して設けると共に、各々の発熱体に対応して各々の発熱体を駆動する各々の駆動部を内装し、コンロ本体を、正面断面視で左右方向において高さ寸法が短い低背部と高さ寸法が長い高背部とに分かれるように形成し、上記コンロとは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットを、調理台の上記コンロ本体の低背部直下にコンロから独立して配置して成ることを特徴とするコンロ付調理台装置。
【請求項2】
上記コンロとは別体のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットを、上記コンロ本体の低背部直下に対応した調理台の前面開口から嵌め込んで上記低背部直下に配置して成ることを特徴とする請求項1記載のコンロ付調理台装置。
【請求項3】
上記低背部の高さ寸法が調理台のカウンターの厚み寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンロ付調理台装置。
【請求項4】
調理台の低背部が嵌め込まれる部分の下方に上記のコンロ下組込機器もしくは家具部材ユニットの収容体函部材を配置して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコンロ付調理台装置。
【請求項5】
低背部に配置した発熱体が、高背部に配置した発熱体よりも小火力であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のコンロ付調理台装置。
【請求項6】
平面視で、低背部の発熱体の中心が高背部の発熱体の中心よりも奥方向に位置していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のコンロ付調理台装置。
【請求項7】
高背部の手前正面にコンロの操作部を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のコンロ付調理台装置。
【請求項8】
発熱体と該発熱体を駆動する駆動部を内装した低背部と、上記発熱体とは別の発熱体と該発熱体を駆動する別の駆動部を内装した高背部がそれぞれ独立したコンロ本体ブロックで形成され、前記各々のコンロ本体ブロックをコンロ天板に対して左右位置を組換えてコンロ天板及び両コンロ本体ブロックを一体化してコンロを構成して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のコンロ付調理台装置。
【請求項9】
コンロ天板の手前側もしくはカウンターの発熱体の手前に作業仮置き部を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のコンロ付調理台装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−24912(P2011−24912A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175870(P2009−175870)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】