説明

コージェネシステム

【課題】 発電部側の運転継続を担保しつつ、冷却用の冷媒兼蓄熱用の熱媒である媒体を蓄熱する蓄熱タンクの容積をより十分に確保し得るようにしたコージェネシステムを提供する。
【解決手段】 発電ユニット2で発生する排ガスを熱交換器23に導入し、貯湯タンク4から循環供給される湯水と熱交換させて冷却する一方、加熱された湯水を貯湯タンク4に蓄熱する。蓄熱量が十分となって満蓄状態に至れば、送風ファン53を作動させて外気を冷却風通路52に供給し放熱フィン51,51,…に伝熱していた貯湯の熱を奪って外部に排出させる。放熱促進により降温された底部近傍部位43内の湯水を熱交換器23に供給して発電運転を継続させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば燃料電池等の発電部(排熱源)の運転(発電)により生成される排熱を回収して例えば湯として貯湯タンク(蓄熱タンク)に蓄熱するようにしたコージェネシステムに関し、特に排熱源側の運転継続を担保しつつ、貯湯タンクの容量をより大容量化させ得る技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料電池を用いたコージェネシステムでは、燃料電池による発電運転の際に、燃料電池から発生する排熱を熱交換により回収して湯として貯湯タンクに蓄熱することが行われている(例えば特許文献1参照)。このものでは、貯湯タンク内からの循環水と燃料電池の排熱とを熱交換させることで、燃料電池を冷却して発電運転を継続させる一方、加熱された循環水を貯湯タンク内に蓄熱して排熱回収を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−10177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記の排熱回収のための熱交換は、排熱回収という役割の他に、燃料電池を冷却したり、あるいは、燃料電池から発生する排ガスを排熱源として冷却することで凝縮水を生成し、これを原料にして水処理を施すことにより燃料電池による発電運転に用いるようにしたり、というように、排熱源側である燃料電池の運転を継続させる役割をも果たすことにもなる。
【0005】
このため、運転(発電運転)を継続させるために、貯湯タンクの側から常に所定温度以下の循環水を供給して冷却能を担保する必要がある。これを担保するために、貯湯タンク内の全量が所定温度以上の状態になれば、つまり、蓄熱が満量の状態(満蓄状態)になれば、従来は、熱交換器に対し循環供給する前にラジエータにより放熱・冷却して所定温度以下に降温させた上で、循環供給するようにしている。
【0006】
例えば、図7に示すように、貯湯タンク100が満蓄状態に至れば、循環往き路101に介装したラジエータ102を作動させ、貯湯タンク100の底部から循環のために取りだした湯水を放熱・冷却させてから、排熱回収用熱交換器103に供給するようにしている。このようなラジエータ102を貯湯タンクに併設するために、例えば図8に示すように、ケース104内に対し貯湯タンク100の下側位置にラジエータ102を配設するようにしている。
【0007】
しかしながら、貯湯タンクは排熱源側の燃料電池のより長期の運転継続のために容積をなるべく大きく確保する必要があるにも拘わらず、前記のラジエータを設置するための容積分だけ貯湯ユニットの容積が削られてしまうことになる、という矛盾が生じることになる。
【0008】
以上の不都合は、発電部が燃料電池である場合に限らず、例えばガスエンジン等の他の発電部を用いたコージェネシステムにおいても同様に生じる他、排熱回収の媒体が給湯等に直接利用される湯水である場合に限らず、湯水以外の媒体を用いて蓄熱タンクに蓄熱する場合にも同様に生じることになる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発電部側の運転継続を担保しつつ、冷却用の冷媒兼蓄熱用の熱媒である媒体を蓄熱する蓄熱タンクの容積をより十分に確保し得るようにしたコージェネシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、発電部から排出される排熱と蓄熱タンク内の媒体とを熱交換器において熱交換させることにより、排熱を冷却する一方、排熱回収により加熱された媒体を蓄熱タンクに蓄熱するように構成されたコージェネシステムを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記蓄熱タンクに付設されて前記熱交換器に供給する媒体の放熱を促進する放熱促進手段を備えることとし、前記放熱促進手段として、前記蓄熱タンクに設けられて放熱対象の媒体からの伝熱を放熱する放熱部材と、この放熱部材に対し外気を送風する送風手段とを備えた構成とした(請求項1)。
【0011】
本発明の場合、送風手段の作動により放熱部材が外気の送風を受けると、熱交換器に供給される蓄熱タンク内の媒体からの伝熱を受けている放熱部材から、その媒体の熱が放熱され、これにより、熱交換器に供給される媒体が降温されることになる。このため、熱交換器での排熱回収により蓄熱タンクの媒体が十分に所定温度以上に昇温した満蓄状態に至ったとしても、熱交換器に対し放熱促進手段により放熱されて降温した媒体を、発電部からの排熱を冷却するための冷媒として供給継続させることが可能となる。これにより、発電部での発電運転の継続が可能となる一方、熱交換器に供給する媒体を冷却するために従来設けられていたラジエータ等の冷却手段を省略することが可能となる。このラジエータの省略により、蓄熱タンク等を設置していたユニットのケースの内容積のラジエータ省略分だけ蓄熱タンクの内容積を拡大させることが可能となる。これにより、発電部の発電運転の継続を確保しつつ、蓄熱タンクの内容積の拡大を図ることが可能となる。又、蓄熱タンクの内容積の拡大によって、満蓄状態に至るタイミングを遅らせることが可能となって放熱促進手段の作動エネルギーの低減化も期待し得ることになる。
【0012】
前記発明のコージェネシステムにおいて、前記放熱部材を、前記蓄熱タンクに設けられた放熱フィンにより構成することができる(請求項2)。このようにすることで、放熱部材として簡易な構成のもので、しかも効率よく放熱させ得るものとなる。
【0013】
又、前記発明のコージェネシステムにおいて、前記放熱促進手段に対し、前記放熱フィンを含み前記放熱フィンの設置部位の蓄熱タンクを覆うように形成された冷却風通路を備えるようにすることができる(請求項3)。このようにすることで、送風手段の作動により送風される外気を確実に放熱部材に供給して放熱を確実なものとなし得る他、蓄熱タンクのその他部位には外気を供給せずに保温状態に保ち得ることになる。
【0014】
さらに、前記発明のコージェネシステムにおいて、前記放熱促進手段を、蓄熱タンクの底部近傍部位に設けるようにすることができる(請求項4)。このようにすることで、熱交換器に供給する媒体を放熱促進手段の作動により降温させることが可能となる一方、蓄熱タンクの頂部側に貯留されている媒体は十分に加熱されたままの状態に維持することが可能となって、加熱された媒体の有効利用が図り得ることになる。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したように、本発明のコージェネシステムによれば、熱交換器での排熱回収により蓄熱タンクの媒体が十分に所定温度以上に昇温した満蓄状態に至ったとしても、放熱促進手段の作動により降温された媒体を、発電部からの排熱を冷却するための冷媒として熱交換器に対し供給継続させることができるようになる。これにより、発電部での発電運転を継続させることができる一方、熱交換器に供給する媒体を冷却するために従来設けられていたラジエータ等の冷却手段を省略して、蓄熱タンク等を設置していたユニットのケースの内容積のラジエータ省略分だけ蓄熱タンクの内容積を拡大させることができるようになる。これにより、発電部の発電運転の継続を確保しつつ、蓄熱タンクの内容積の拡大を図ることができるようになる。しかも、蓄熱タンクの内容積の拡大によって、満蓄状態に至るタイミングを遅らせることができ、放熱促進手段の作動エネルギーの低減化も図ることができるようになる。
【0016】
特に、請求項2によれば、放熱部材を、蓄熱タンクに設けた放熱フィンにより構成することで、放熱部材として簡易な構成のもので、しかも効率よく放熱させるものとすることができる。
【0017】
又、請求項3によれば、放熱促進手段に対し、前記放熱フィンを含み前記放熱フィンの設置部位の蓄熱タンクを覆うように形成された冷却風通路を備えるようにすることで、送風手段の作動により送風される外気を確実に放熱部材に供給して放熱を確実なものとすることができる他、蓄熱タンクのその他部位には外気を供給せずに保温された状態に維持することができるようになる。
【0018】
さらに、請求項4によれば、放熱促進手段を、蓄熱タンクの底部近傍部位に設けるようにすることで、熱交換器に供給する媒体を放熱促進手段の作動により降温させることができる一方、蓄熱タンクの頂部側に貯留されている媒体を十分に加熱されたままの状態に維持することができ、加熱された媒体を有効利用し得る状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のコージェネシステムの第1実施形態を示す模式図である。
【図2】図1の貯湯タンクに対し一体に形成した放熱促進手段の例を部分斜視図状態で示す説明図である。
【図3】図2とは異なる放熱促進手段の例を示す図2対応図である。
【図4】図2,図3とは異なる放熱促進手段の例を示す図2対応図である。
【図5】図1の貯湯ユニットをケース内に収容した状態を示す説明図である。
【図6】第2実施形態を示す図1対応図である。
【図7】本発明の課題を示すためのコージェネシステムの例を示す模式図である。
【図8】図7の貯湯ユニットをケース内に収容した状態を示す図5対応図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るコージェネシステムを示す。このコージェネシステムは、燃料電池の一部を構成する発電部としての発電ユニット2と、貯湯ユニット3とを備えたものである。
【0022】
発電ユニット2は、燃料電池本体21、オフガス燃焼部22、排熱回収用熱交換器23、及び、ドレン回収部24を備えて構成されている。又、貯湯ユニット3は、蓄熱タンクとしての貯湯タンク4、貯湯タンク4内の湯水を放熱・冷却するために貯湯タンク4に設けられた放熱促進手段5、貯湯タンク4と上記排熱回収用熱交換器23との間で湯水を循環供給させる循環回路6、貯湯タンク4に外部からの給水を入水させる入水路7、貯湯タンク4の頂部から給湯栓8への給湯のために出湯させる出湯路9、及び、給湯の際に貯湯タンク4内の湯水が給湯に必要な温度よりも低温であるときに補助加熱する補助熱源機10を備えて構成されている。
【0023】
燃料電池本体21は、図示省略の空気供給系や燃料ガス供給系が接続され、例えば都市ガスを原料にして水蒸気改質により水素リッチな燃料ガスにする改質器や、燃料電池セル等を備えたものである。そして、燃料電池セルではその空気極に対しカソード空気が供給されて、カソード空気の酸素が酸素イオンとなって電解質を通り、燃料極では燃料ガスの水素と反応して水(水蒸気)を生成する一方、その際に生じた電子が回路を通して空気極側に移動して酸素を再びイオン化するということを繰り返して発電される。燃料極に供給された燃料ガスは上記反応に利用された後、未利用水素を含むオフガスがオフガス燃焼部22で燃焼され、その燃焼後の排ガスが排熱回収用熱交換器23に導入されるようになっている。
【0024】
排熱回収用熱交換器23は、オフガス燃焼部22から導入される排ガスを熱源として、貯湯ユニット3側の循環回路6から循環供給される水を熱交換加熱するようになっている。排ガスとの熱交換により加熱・昇温された湯が貯湯タンク4に戻されて貯留されることになる。これにより、オフガス燃焼部23から導入される排ガスからの排熱回収が図られて、その回収熱が貯湯タンク4に湯の状態で蓄熱されることになる。なお、排熱回収用熱交換器6において上記の水との熱交換により排ガス中の水分が凝縮して発生したドレン水(凝縮水)は、ドレン水回収路24により集水された後、図示省略の水処理手段により精製されて、例えば固体酸化物型燃料電池(SOFC)の場合であると水蒸気改質に利用されたり、あるいは、例えば固体高分子型燃料電池(PEFC)の場合であるとセル加湿用の水として利用されたりするようになっている。
【0025】
次に貯湯ユニット3の側について説明すると、循環回路6は、循環ポンプ61の作動により、貯湯タンク4の底部41から湯水が取り出された後、循環往き路62を通して排熱回収用熱交換器23に送られ、この排熱回収用熱交換器23で排ガスとの熱交換により加熱されて高温になった湯水が循環戻り路63を通して貯湯ユニット3の側に戻されるようになっている。循環戻り路63は貯湯ユニット3側において三方切換弁64を介して分岐され、分岐された一方はその下流端が貯湯タンク4の頂部42に接続され、他方の下流端か貯湯タンク4の底部近傍部位43に接続されている。通常の蓄熱運転では三方切換弁64が貯湯タンク4の頂部42側に連通されており、排熱回収用熱交換器23が熱交換加熱された湯が循環戻り路63を通して貯湯タンク4の頂部42に戻されることになる。
【0026】
前記三方切換弁64は、貯湯タンク4が満蓄状態に至った後、すなわち、貯湯タンク4内の湯水の温度を検出する貯湯温度センサ(図示省略)により検出される湯水温度が頂部から底部まで全てにおいて所定の設定温度を超える状態に至った後は、循環戻り路63が貯湯タンク4の底部近傍43側に連通するように三方切換弁64が切換えられ、これにより、後述の放熱促進手段5により放熱促進される底部近傍部位43の貯湯タンク4内に戻されることになる。前記の所定の設定温度としては、排熱回収熱交換器23に導入される排ガスを冷却して凝縮水を発生させ得るための冷媒として機能し得る上限温度を設定すればよい。このような貯湯タンク4内の湯水温度の検出に基づく三方切換弁64の切換制御や、後述の放熱促進手段5の作動等は図示省略のコントローラにより制御されるようになっている。
【0027】
次に、本実施形態の特徴部分である放熱促進手段5について詳細に説明すると、この放熱促進手段5は貯湯タンク4の底部近傍部位43内の湯水の放熱を促進するために貯湯タンク4の底部近傍部位43自体の放熱を促進して冷却するようになっている。すなわち、この放熱促進手段5は、貯湯タンク4の底部近傍部位43の外表面から外方に突出するように固定された放熱部材としての放熱フィン51,51,…と、放熱フィン51,51,…を含んでこれらが設置された貯湯タンク4の底部近傍部位43を覆って遮蔽することで冷却風の通路を形成する冷却風通路52と、この冷却風通路52の一側に設置された送風手段としての送風ファン53とを備えて構成されている。送風ファン53は、その作動により、貯湯ユニット3のケース31外の空気(外気)を吸引して冷却風通路52の一側から内部に送風し、各放熱フィン51間を通過して冷却風通路52の他側から再びケース31外に排出されるようになっている。このような送風ファン53としては、比較的少ない送風量のもので済むため、例えばシロッコファン等のようなコンパクトなもので構成することができ、
【0028】
前記の各放熱フィン51としては、貯湯タンク4の底部近傍部位43のタンク壁を通して伝熱される内部の湯水の熱を冷却風通路52の通路内まで伝熱して放熱し得るものであれば、その形状・配置・数量等は問わないが、貯湯タンク4の底部近傍部位43内に貯留されている例えば80℃の湯水温度を送風ファン53の作動による放熱によって50℃程度までに降温させ得る程度の放熱面積等を有するように設定される。
【0029】
貯湯タンク4の底部近傍部位43に設けられる放熱フィン51,51,…の形態の例としては、図1に例示するものの他に、例えば図2に示すように外周囲に張り出すドーナッツ環状の放熱フィン51a,51a,…、図3に示すように縦リブ片状の多数の放熱フィン51b,51b,…、図4に示すように横リブ片状の多数の放熱フィン51c,51c,…等を採用することができ、表面積や冷却風による放熱効率等を勘案して採用すればよい。
【0030】
このような放熱促進手段5を設けることで貯湯タンク4自体の放熱を促進し、かつ、貯湯タンク4の底部近傍部位43のみを対象として放熱促進を図ることができ、排熱回収熱交換器23に対し循環供給される湯水を効果的に冷却することができる一方、貯湯タンク4の頂部41の側には所定温度以上に加熱された貯湯をそのまま給湯のために温存させることができるようになる。これにより、貯湯タンク4側からの湯水を排熱回収用熱交換器23に対し排ガスを冷却させるための冷媒として継続して循環供給して発電ユニット2の側の発電運転を継続させつつ、給湯使用の要求に対しても有効な対応することができるようになる。しかも、貯湯タンク4自体に放熱促進手段5を付設することで、従来設けていたラジエータ102(図7参照)を省略することができるばかりでなく、それまでラジエータ102(図8参照)が設置されていた空間を貯湯タンク4の設置空間として利用することができるようになり、例えば図5に示すようにケース31の上下方向全体を貯湯タンク4の設置空間として利用することができるようになる。これにより、図8の場合では貯湯タンク100の容積として例えば70Lしか確保し得なかったのに対し、図5の場合では貯湯タンク4の容積として例えば90Lの容積に拡大することができるようになる。さらに、比較的重量物であるラジエータ102を省略して前記の如き比較的軽量な放熱促進手段5で代用させることができるため、ケース31内の全体のユニット重量についても軽量化を図ることができるようになる。
【0031】
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態に係るコージェネシステムを示す。このコージェネシステムは、第1実施形態での貯湯タンク4自体の放熱を促進する放熱促進手段5に代えて、貯湯タンク4内の湯水を対象にしてその放熱を促進する放熱促進手段5aを設けたものである。それ以外の他の構成は第1実施形態と同様であるため、同じ構成要素には第1実施形態と同じ符号を付して重複した詳細な説明を省略する。
【0032】
第2実施形態の放熱促進手段5aは、送風ファン53と、貯湯タンク4の底部近傍部位43を一側から他側に連通状態で貫通する1又は2本以上の放熱部材としての送風管54と、これら各送風管54の一側に対し送風ファン53からの送風を分配して供給する供給ヘッダー55と、送風管54の他側から出てきた風をまとめてケース31の外に排出する排出ヘッダー56とを備えて構成されている。前記の各送風管54は、図例の如く伝熱用のフィンが付設された構成としてもよいし、フィンを省略して多数の細管により多管式に構成してもよい。
【0033】
この第2実施形態の場合、満蓄状態に至れば、送風ファン53の作動により、貯湯ユニット3のケース31外の空気を吸引して供給ヘッダー55を介して各送風管54に冷媒として吹き込み、各送風管54を通過する間に貯湯タンク4の底部近傍部位43内の湯水からの伝熱により熱せられた空気を排出ヘッダー56を通して外部に排出されることになる。これにより、貯湯タンク4の底部近傍部位43内の湯水の温度が降温され、排熱回収用熱交換器23に対し排ガスを冷却するための冷媒として循環供給することができるようになる。これにより、発電ユニット2の側の発電運転を継続させることができる一方、第1実施形態の場合と同様に貯湯タンク4の容積を拡大させる等の作用効果を得ることができるようになる。
【0034】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では排熱回収用熱交換器23に対し熱源として燃料電池本体21等を備えた発電ユニット2の排ガスを供給しているが、これに限らず、他の排熱、例えばガスエンジンの冷却水等を熱源として供給するものであってもよい。
【0035】
さらに、排熱回収を貯湯タンク4内の湯水により行い、給湯の用に供し得る湯を蓄熱するようにしているが、これに限らず、例えば湯水以外の熱媒(例えばクーラント液)により排熱回収を行い、これを蓄熱タンクに蓄熱するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
2 発電ユニット(発電部)
4 貯湯タンク(蓄熱タンク)
5,5a 放熱促進手段
23 排熱回収用熱交換器(熱交換器)
43 底部近傍部位(設置部位)
51,51a,51b,51c 放熱フィン(放熱部材)
52 冷却風通路
53 送風ファン(送風手段)
54 送風管(放熱部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電部から排出される排熱と蓄熱タンク内の媒体とを熱交換器において熱交換させることにより、排熱を冷却する一方、排熱回収により加熱された媒体を蓄熱タンクに蓄熱するように構成されたコージェネシステムであって、
前記蓄熱タンクに付設されて前記熱交換器に供給する媒体の放熱を促進する放熱促進手段を備え、
前記放熱促進手段は、前記蓄熱タンクに設けられた放熱部材と、この放熱部材に対し外気を送風する送風手段とを備えて構成されている、
ことを特徴とするコージェネシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のコージェネシステムであって、
前記放熱部材は、前記蓄熱タンクに設けられた放熱フィンにより構成されている、コージェネシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のコージェネシステムであって、
前記放熱促進手段は、前記放熱フィンを含み前記放熱フィンの設置部位の蓄熱タンクを覆うように形成された冷却風通路を備えている、コージェネシステム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のコージェネシステムであって、
前記放熱促進手段は、蓄熱タンクの底部近傍部位に設けられている、コージェネシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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