説明

コージェネレーションシステム、コージェネレーションシステム制御方法および建造物

【課題】 空調空間の除湿が必要になった時に、熱量が生成されていない場合であっても、直ちに空調空間を除湿することができるコージェネレーションシステムを提供すること。
【解決手段】 電力および熱量を生成する燃料電池40と、消費電力の履歴、および現在の湿度に基づいて、所定の期間以内に除湿に必要な熱量が不足するか否かを判断する除湿需要判断部54と、燃料電池40によって作られた熱量を用いて除湿するデシカント空調装置56とを備え、デシカント空調装置56は、除湿に必要な熱量が不足すると除湿需要判断部54が算出した場合に、予めデシカント剤を除湿しておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調空間の除湿が必要になった時に、熱量が生成されていない場合であっても、直ちに空調空間を除湿することができるコージェネレーションシステム、コージェネレーションシステム制御方法および建造物に関する。特に本発明は、除湿に必要な熱量が不足すると除湿需要判断部が算出した場合に、予めデシカント空調装置のデシカント剤を除湿しておく、コージェネレーションシステム、コージェネレーションシステム制御方法および建造物に関する。
【背景技術】
【0002】
コージェネレーション装置を用いた分散型電源においては、コージェネレーション装置の発電に伴う排熱を、例えば、貯湯槽に蓄積して、電力及び温水を提供する。また、吸湿剤を利用して空気を除湿する空調装置を備え、コージェネレーション装置の排熱を利用して吸湿剤の再生を行うシステムがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−279069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の分散型電源においては、各住宅がそれぞれ消費する電力に応じて各住宅のコージェネレーション装置に発電をさせ、電力及び温水を生成している。このため、例えば温水の使用量に対して電力の使用量が多い時期においては、温水を余剰に生成してしまう。逆に、温水の使用量に対して電力の使用量が少ない時期においては、温水が不足してしまう。このために、負荷の幅広い変動に対応することができなかった。
【0004】
また、住宅が有する貯湯槽の容量は限られているため、貯湯槽に貯湯できない温水は無駄に廃棄されていた。また、温水が不足する場合に備え、遠方に設置されたコージェネレーション装置から温水を移動させようとすると、設備が複雑になる上に、熱損失が発生するので好ましくない。
【0005】
また、吸湿剤を利用して空気を除湿する空調装置は、熱量が生成されていない場合には、直ちに空気を除湿することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、本発明の第1の形態におけるコージェネレーションシステムは、電力および熱量を生成するコージェネレーション装置と、消費電力の履歴、および現在の湿度に基づいて、所定の期間以内に除湿に必要な熱量が不足するか否かを判断する除湿需要判断部と、コージェネレーション装置によって作られた熱量を用いて除湿するデシカント空調装置とを備え、デシカント空調装置は、除湿に必要な熱量が不足すると除湿需要判断部が算出した場合に、予めデシカント剤を除湿しておく。このため、空調空間の除湿が必要になった時に、熱量が生成されていない場合であっても、直ちに空調空間を除湿することができる。
【0007】
また本形態におけるコージェネレーションシステムは、複数のコージェネレーション装置のいずれが発電した電力も、電力負荷へ供給することのできる電力供給路と、コージェネレーション装置の発電量を制御する制御部とを更に備え、コージェネレーション装置は、複数設けられており、それぞれ異なるデシカント空調装置に熱量を供給する。制御部は、除湿需要のより大きな空調空間を除湿するデシカント空調装置に熱量を供給することのできるコージェネレーション装置を駆動させる。デシカント空調装置は、複数設けられており、それぞれが異なる空調空間を除湿する。
【0008】
コージェネレーション装置は複数設けられており、それぞれ異なるデシカント空調装置に熱量を供給するので、負荷の幅広い変動に対応することができる。また制御部は除湿需要のより大きな空調空間を除湿するデシカント空調装置に熱量を供給することのできるコージェネレーション装置を駆動させるので、遠くに設置されたコージェネレーション装置から温水等によって熱量を移動する場合と比較して、より容易にデシカント空調装置へ熱量を供給することができる。
【0009】
また本形態におけるコージェネレーションシステムは、コージェネレーション装置により作られた余剰電力を用いて水を加温する給湯装置を更に備え、制御部は、コージェネレーション装置の出力を高めることにより、コージェネレーション装置の発電効率を予め定めた発電効率よりも高くすることができ、かつコージェネレーション装置の生成する電力と比較してデシカント空調装置による除湿に必要な熱量が不足する場合に、コージェネレーション装置の出力を高めると共に余剰の電力を用いて給湯装置を駆動する。デシカント空調装置は、更に給湯装置によって作られた熱量を用いて除湿する。
【0010】
制御部はコージェネレーション装置の出力を高めることにより、コージェネレーション装置の発電効率を予め定めた発電効率よりも高くすることができ、かつコージェネレーション装置の生成する電力と比較してデシカント空調装置による除湿に必要な熱量が不足する場合に、コージェネレーション装置の出力を高めると共に余剰の電力を用いて給湯装置を駆動するので、コージェネレーション装置の出力効率を予め高めることができる。
【0011】
制御部は、更に除湿需要に対して熱量が不足すると除湿需要判断部が判断したことを条件として、コージェネレーション装置の出力を予め高める。このため、コージェネレーション装置が生成する熱量を無駄にすることを防ぐことができる。制御部は、熱量の余剰が生じると除湿需要判断部が判断した場合に、余剰の熱量を用いて、空調空間を目標湿度よりも低い湿度まで予め除湿しておく。このため、その後に生成される熱量が減少した場合であっても、空調空間の湿度を目標値の近くに維持することができる。
【0012】
制御部は、熱量の余剰が生じると除湿需要判断部が判断した場合に、余剰の熱量を用いて、デシカント空調装置に含まれるデシカント剤を除湿しておき、その後に除湿需要が生じたときに、予め除湿してあるデシカント剤を用いて除湿を行う。このため、除湿需要が生じたときに熱量が不足している場合であっても、空調空間の湿度を低減することができる。
【0013】
また本形態におけるコージェネレーションシステムは、コージェネレーション装置および給湯装置によって加温された温水を貯湯する貯湯槽と、貯湯槽に蓄えられた温水をデシカント空調装置に提供する貯湯温水供給路とを更に備え、制御部は、熱量の余剰が生じると除湿需要判断部が判断した場合に、余剰の熱量を一旦貯湯槽に貯湯し、その後に除湿需要が生じたときに貯湯槽へ貯蓄した温水からデシカント空調装置へ熱量を供給することにより除湿を行う。デシカント空調装置は、貯湯温水供給路から供給された温水を用いて除湿する。
【0014】
制御部は熱量の余剰が生じると除湿需要判断部が判断した場合に、余剰の熱量を一旦貯湯槽に貯湯し、その後に除湿需要が生じたときに貯湯槽へ貯蓄した温水からデシカント空調装置へ熱量を供給することにより除湿を行うので、その後に生成される熱量が減少した場合であっても、長い期間に渡って、空調空間の湿度を目標値の近くに維持することができる。
【0015】
また本形態におけるコージェネレーションシステムは、在宅中であるか否かを判断する在宅判断部を更に備え、除湿需要判断部は、更に、在宅判断部が在宅中であると判断した場合には、在宅中でないと判断した場合と比較して、除湿により多くの熱量が必要とされるとして、熱量が不足するか否かを判断する。このため、不在時に熱量を無駄に生成することを防ぐことができる。
【0016】
また本形態におけるコージェネレーションシステムは、温水の消費量の履歴を管理する履歴管理部を更に備え、除湿需要判断部は、更に、履歴管理部によって管理されている温水の消費量の履歴、および貯湯槽に貯湯されている貯湯量に基づいて、熱量が不足するか否かを判断する。このため、熱量が不足するか否かをより適切に判断することができる。
【0017】
除湿需要判断部は、在宅判断部によって在宅中であると判断された場合には、履歴管理部に管理されている在宅中の履歴を用いて、温水が不足するか否かを判断し、在宅判断部によって在宅中でないと判断された場合には、履歴管理部に管理されている非在宅中の履歴を用いて、熱量が不足するか否かを判断する。このため、不在中と在宅中のそれぞれの場合に、温水が不足するか否かを正しく判断することができる。
【0018】
デシカント空調装置は、空調空間内の空気を暖めてデシカント剤に与える経路と、空調空間外の空気を暖めてデシカント剤に与える経路とを有し、空調空間内の除湿を行わずにデシカント剤の除湿のみを行う場合においては、空調空間外の空気を暖めてデシカント剤に与える経路を用いてデシカント剤の除湿を行う。このため、空調空間内の除湿を行わずに、予めデシカント剤を除湿することができる。
【0019】
本発明の他の形態におけるコージェネレーションシステム制御方法は、電力および熱量を生成するステップと、消費電力の履歴、および現在の湿度に基づいて、所定の期間以内に除湿に必要な熱量が不足するか否かを除湿需要判断部が判断する除湿需要判断ステップと、コージェネレーション装置によって作られた熱量を用いて除湿するステップとを備え、デシカント空調装置は、除湿に必要な熱量が不足すると除湿需要判断部が算出した場合に、予めデシカント剤を除湿しておく。
【0020】
本発明の他の形態における建造物は、電力および熱量を生成するコージェネレーション装置と、消費電力の履歴、および現在の湿度に基づいて、所定の期間以内に除湿に必要な熱量が不足するか否かを判断する除湿需要判断部と、コージェネレーション装置によって作られた熱量を用いて除湿するデシカント空調装置とを備え、デシカント空調装置は、除湿に必要な熱量が不足すると除湿需要判断部が算出した場合に、予めデシカント剤を除湿しておく。
【0021】
また本形態における建造物は、複数のコージェネレーション装置のいずれが発電した電力も、電力負荷へ供給することのできる電力供給路と、コージェネレーション装置の発電量を制御する制御部とを更に備え、コージェネレーション装置は、複数設けられており、それぞれ異なるデシカント空調装置に熱量を供給する。制御部は、除湿需要のより大きな空調空間を除湿するデシカント空調装置に熱量を供給することのできるコージェネレーション装置を駆動させる。デシカント空調装置は、複数設けられており、それぞれが異なる空調空間を除湿する。
【0022】
また本形態における建造物は、コージェネレーション装置により作られた余剰電力を用いて水を加温する給湯装置を更に備え、制御部は、コージェネレーション装置の出力を高めることにより、コージェネレーション装置の発電効率を予め定めた発電効率よりも高くすることができ、かつコージェネレーション装置の生成する電力と比較してデシカント空調装置による除湿に必要な熱量が不足する場合に、コージェネレーション装置の出力を高めると共に余剰の電力を用いて給湯装置を駆動する。
【0023】
制御部は、更に除湿需要に対して熱量が不足すると除湿需要判断部が判断したことを条件として、コージェネレーション装置の出力を予め高める。
【0024】
デシカント空調装置は、空調空間内の空気を暖めてデシカント剤に与える経路と、空調空間外の空気を暖めてデシカント剤に与える経路とを有し、空調空間内の除湿を行わずにデシカント剤の除湿のみを行う場合においては、空調空間外の空気を暖めてデシカント剤に与える経路を用いてデシカント剤の除湿を行う。
【0025】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、空調空間の除湿が必要になった時に、熱量が生成されていない場合であっても、直ちに空調空間を除湿することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の開発手段に必須であるとは限らない。
【0028】
図1は、本発明の実施形態に係るコージェネレーションシステムの構成の一例を示す。本実施形態は、空調空間の除湿が必要になった時に、熱量が生成されていない場合であっても、直ちに空調空間を除湿することができるコージェネレーションシステムを提供することを目的とする。
【0029】
コージェネレーションシステム30は、例えば複数の住居(110a〜110c、以下110と総称する。)を含む建造物である集合住宅に電力および熱を供給する。ここで、集合住宅とは、一の建築物に複数の住居110を設けたものであってよく、異なる領域に設けられた複数の建築物のそれぞれを住居110としたものであってもよい。
【0030】
また、住居110bおよび住居110cは、住居110aと同一の構成要素を持つ。住居110bおよび住居110cが持つ各構成要素の符号の末尾にそれぞれbおよびcの符号を付けることにより、いずれの住居110の構成要素であるかを識別する。
【0031】
コージェネレーションシステム30は、複数の燃料電池(40a〜40c、以下40と総称する。)、複数の電力負荷(44a〜44c、以下44と総称する。)、複数の給湯装置(48a〜48c、以下48と総称する。)、複数の貯湯槽(42a〜42c、以下42と総称する。)、複数の熱負荷(68a〜68c、以下68と総称する。)、複数のデシカント空調装置(56a〜56c、以下56と総称する。)、複数の履歴管理部(60a〜60c、以下60と総称する。)、複数の在宅判断部(62a〜62c、以下62と総称する。)、複数の除湿需要判断部(54a〜54c、以下54と総称する。)、複数の貯湯温水供給路(52a〜52c、以下52と総称する。)を備える。
【0032】
また、コージェネレーションシステム30は、制御部50および電力供給路58をさらに備える。
【0033】
また、コージェネレーションシステム30は、複数の住居110のそれぞれの空調空間(120a〜120c、以下120と総称する。)をさらに備える。複数の空調空間120のそれぞれの符号の末尾に、それぞれ対応する住居110の符号の末尾と同じa〜cの符号を付けることにより、いずれの住居110に対応づけられている空調空間であるかを識別する。
【0034】
また、コージェネレーションシステム30は、複数の空調空間120のそれぞれの内部の温度と湿度とを測定する内部温湿度計(63a〜63c、以下63と総称する。)、および、複数の空調空間120のそれぞれの外部の温度と湿度とを測定する外部温湿度計(64a〜64c、以下64と総称する。)をさらに備える。複数の内部温湿度計63および複数の外部温湿度計64のそれぞれの符号の末尾に、それぞれが対応する空調空間120の符号の末尾と同じa〜cの符号を付けることにより、いずれの空調空間120に対応づけられているかを識別する。
【0035】
以下、住居110aの各構成要素、内部温湿度計63a、および外部温湿度計64aの動作について説明する。本実施形態においては、燃料電池40aは、住居110aに設けられ、生成した熱量をデシカント空調装置56aに供給する。また、燃料電池40aは電力供給路58に接続され、燃料電池40aが発電した電力を、電力供給路58を介していずれの電力負荷44aおよび給湯装置48aに対しても供給することができる。このように、燃料電池40が、複数設けられているので、負荷の幅広い変動に対応することができる。
【0036】
また、燃料電池40aは、例えば固体高分子形燃料電池(PEFC)である。燃料電池40aは、例えば各住居に供給される都市ガス、プロパンガス等を改質して、燃料となる水素ガスを生成するものであってよく、また外部から供給される水素ガスを燃料とするものであってもよい。
【0037】
給湯装置48aは、燃料電池40aが発電した電力を用いて加温した温水を、デシカント空調装置56aまたは貯湯槽42aに供給する。
【0038】
貯湯槽42aは、燃料電池40aで生じる熱によって加温された温水、および給湯装置48aによって加温された温水を貯湯する。また、貯湯槽42aは、熱負荷68aおよびデシカント空調装置56aに温水を供給する。また、貯湯槽42aは、蓄えられた温水を、貯湯温水供給路52aを介してデシカント空調装置56aに提供する。
【0039】
デシカント空調装置56aは、燃料電池40a、給湯装置48a、または貯湯槽42aのうちの少なくとも一つから供給された温水を用いて、空調空間120aを除湿する。デシカント空調装置56aは、燃料電池40aが発電したときに生産される排熱を利用して空調空間120aを除湿するので、効率のよい空調システムを構成できる。
【0040】
電力負荷44aは、燃料電池40が発電した電力により動作する。熱負荷68aは貯湯槽42aから供給される熱を消費する。
【0041】
内部温湿度計63aは、空調空間120aの内部に設置され、空調空間120aの内部の温度および湿度を検出する。また、外部温湿度計64aは、空調空間120aの外部に設置され、空調空間120aの外部の温度および湿度を検出する。
【0042】
在宅判断部62aは、在宅中であるか否かを判断する。在宅判断部62aは、例えば、住居110aのドアに設けられた錠の施錠情報を検知して、住居110aの外部から施錠された場合に非在宅中とし、施錠されていない場合または住居110aの内部から施錠された場合に在宅中とする。また、在宅判断部62aは、消費電力や消費熱量の変動量を検知して在宅中であるか否かを判断してもよい。例えば、消費電力の変動量が、予め定められた基準量より大きい場合に在宅中であるとし、消費電力の変動量が予め定められた基準量以下の場合に非在宅中としてもよい。
【0043】
履歴管理部60aは、温水の消費量および消費電力の履歴を管理する。例えば、履歴管理部60aは、貯湯槽42aから供給される温水量と、燃料電池40aがデシカント空調装置56aに供給する温水量と、給湯装置48aがデシカント空調装置56aに供給する温水量の和を、温水の消費量として検出し、管理する。また、履歴管理部60aは、燃料電池40aが発電した電力を、消費電力として検出し、管理する。また、電力負荷44aが、燃料電池40a以外の燃料電池40が発電した電力を消費する場合には、電力負荷44aが消費した電力を消費電力として検出して管理してもよい。
【0044】
さらに、履歴管理部60aは、1日を1時間ごとの時間帯に分割し、各時間帯における温水の消費量および消費電力の履歴を管理する。
【0045】
また、履歴管理部60aは、温水の消費量として、温水の量と温度を管理してもよい。すなわち、貯湯槽42aの温水温度から給水温度を減じたものに、貯湯槽42aから供給される温水の体積を乗じたものを、貯湯槽42aから供給される温水量として検出する。また、燃料電池40aがデシカント空調装置56aに供給する温水の温度から、デシカント空調装置56aから貯湯槽42aに排出される温水の温度を減じたものに、燃料電池40aがデシカント空調装置56aに供給する温水の体積を乗じたものを、燃料電池40aがデシカント空調装置56aに供給する温水量として検出する。また、給湯装置48aがデシカント空調装置56aに供給する温水の温度から、デシカント空調装置56aから貯湯槽42aに排出される温水の温度を減じたものに、給湯装置48aがデシカント空調装置56aに供給する温水の体積を乗じたものを、給湯装置48aがデシカント空調装置56aに供給する温水量として検出する。
【0046】
また、履歴管理部60aは、在宅判断部62aによって在宅中であると判断された場合と、在宅中ではないと判断された場合のそれぞれの場合において、温水の消費量および消費電力の履歴を管理する。
【0047】
また、履歴管理部60aは、空調空間120a内部の湿度ごと、空調空間120a内部の温度ごと、空調空間120a外部の湿度ごと、および空調空間120a外部の温度ごとに履歴を管理してよい。
【0048】
除湿需要判断部54aは、在宅判断部62aが在宅中であると判断した場合には、在宅中でないと判断した場合と比較して、除湿により多くの熱量が必要とされるとして、熱量が不足するか否かを判断する。これにより、不在時に熱量を無駄に生成することを防ぐことができる。
【0049】
また、除湿需要判断部54aは、履歴管理部60aが管理する、消費電力の履歴、熱消費量の履歴、ならびに、空調空間120aの内部の湿度、空調空間120aの内部の温度、空調空間120aの外部の湿度、および空調空間120aの外部の温度に基づいて、空調空間120aの除湿に必要な熱量が不足するか否かを判断する。これにより、除湿需要判断部54aは、除湿に必要な熱量を適切に判定することができる。
【0050】
制御部50は、除湿需要判断部54aの判断に基づいて、燃料電池40aと、給湯装置48aと、デシカント空調装置56aの運転を制御する。
【0051】
図2は、給湯装置48aの構成の一例を示す。給湯装置48aは、例えば、外部の熱量を水へ移動することにより水を加温するヒートポンプ46aである。ヒートポンプ46aが、外部の熱量を水へ移動することにより水を加温するので、少ない電力で多くの熱量を供給することができる。電力需要に対する熱需要の比が、燃料電池40aが発電する電力に対する、燃料電池40aが生産する熱量の比より大きいとき、余剰電力を用いてヒートポンプ46aを駆動することによって効率的に熱を供給できる。このため、電力の需要量と熱量の需要量とを適切に釣り合わせることができる。
【0052】
また、住居110bの給湯装置48b、および住居110cの給湯装置48cは、給湯装置48aと同一の構成要素を有する。すなわち、給湯装置48bおよび給湯装置48cは、それぞれヒートポンプ46bおよびヒートポンプ46cを有する。また、ヒートポンプ46bおよびヒートポンプ46cの動作は、ヒートポンプ46aと同一であるので、説明を省略する。
【0053】
図3は、デシカント空調装置56aの構成の一例を示す。デシカント空調装置56aは、気化冷却器76a、顕熱交換機74a、加熱器78a、除湿器72a、および再生用外気導入経路80aを持つ。
【0054】
除湿器72aは、内部にデシカント剤が配置されており、外部から供給される空気をデシカント剤によって除湿し、空調空間120aから供給される空気でデシカント剤を再生する。除湿器72aは軸に対して回転しており、除湿器72aの内部のデシカント剤は、外部から供給される空気による吸湿と、空調空間120aから供給される空気による再生とが時間的に繰り返される。
【0055】
加熱器78aは、燃料電池40a、給湯装置48a、または貯湯槽42aのうちの少なくとも一つから供給される温水を用いて、空調空間120aから供給される空気を加熱する。加熱器78aを通過した後の温水は、貯湯槽42aに供給される。
【0056】
顕熱交換機74aは、外部から供給される空気と、空調空間120aから供給される空気とを熱交換させ、外部から供給される空気を冷却し、空調空間120aから供給される空気を加熱する。
【0057】
気化冷却器76aは、外部から供給される空気と、空調空間120aから供給される空気を冷却する。気化冷却器76aは、例えば、気化冷却器76aを通過する空気に水を噴霧し、水の蒸発潜熱を利用して空調空間120aから供給される空気を冷却する。
【0058】
また、デシカント空調装置56aは、空調空間120a外の空気を暖めてデシカント剤に与える、再生用外気導入経路80aを有する。デシカント空調装置56aは、空調空間120aの除湿を行わずに、除湿器72aに含まれるデシカント剤を再生させる場合には、空調空間120aとデシカント空調装置56aとの間の空気の出入りを遮断し、再生用外気導入経路80aを通じて外部から導入した空気を、加熱器78aに供給する。加熱器78aで加熱された、外部から導入した空気を用いて、除湿器72aに含まれるデシカント剤を再生する。これにより、将来の除湿需要に備えて、再生されたデシカント剤を予め蓄積しておくことができる。
【0059】
また、デシカント空調装置56aは、空調空間120aの除湿を行いつつ、除湿器72aに含まれるデシカント剤の除湿を予め行う場合には、加熱器78aに供給する熱量を高めて、除湿器72aの全体として、デシカント剤が再生される過程でデシカント剤から除湿される時間あたりの除湿量を、デシカント剤が吸湿する過程でデシカント剤が吸湿する時間あたりの吸湿量に比べて大きくする。このとき、必要に応じて、再生用外気導入経路80aを通じて外部から導入した空気を、空調空間120aから供給された空気と混合してもよい。これにより、空調空間120aの除湿を行いつつ、除湿されたデシカント剤を予め蓄積する。
【0060】
また、デシカント空調装置56aは、空調空間120aの除湿を行いつつ、除湿器72aに含まれるデシカント剤の除湿を予め行う場合で、空調空間120aの空気の除湿に要する熱量が少なくてよい場合には、空調空間120aから供給する空気の量および空調空間120aに供給する空気の量を減少させ、再生用外気導入経路80aを通じて外部から空気を導入することで、除湿されたデシカント剤を蓄積してよい。
【0061】
これらの制御によって、デシカント空調装置56aは、除湿に必要な熱量が将来不足する場合に、予めデシカント剤を除湿しておくことができる。また、空調空間120aの空気を除湿しつつ、再生されたデシカント剤を蓄積しておくことができる。
【0062】
また、住居110bのデシカント空調装置56b、および住居110cのデシカント空調装置56cは、デシカント空調装置56aと同一の構成要素を有する。デシカント空調装置56bおよびデシカント空調装置56cの各構成要素は、デシカント空調装置56aの各構成要素と同一の動作をするので、説明を省略する。
【0063】
除湿需要判断部54aは、履歴管理部60aが管理する、消費電力の履歴および熱消費量の履歴に基づいて、将来生産される温水量と、将来消費される温水の積算量とを計算する。消費される温水の積算量が、貯湯槽42aが蓄えている温水量と生産される温水量との和に、予め定められた期間以内に達する場合に、除湿需要判断部54aは、除湿に必要な熱量が不足すると判断する。
【0064】
図4は、除湿需要判断部54aが予測した、温水の蓄積量と、温水の消費量の、時間発展の一例を示す。除湿需要判断部54aは、現在貯湯槽42aが蓄えている温水量と将来生産される温水量との和(m)と、消費される温水の積算量(n)を、現在から6時間後までの期間にわたって計算する。図4に例示されるように、現在から6時間以内の時刻tにおいて、消費される温水の積算量(n)が、貯湯槽42aが蓄えている温水量と生産される温水量との和(m)に達するので、除湿需要判断部54aは、空調空間120aを除湿するために必要な熱量が不足すると判断する。
【0065】
また、除湿需要判断部54aは、最低限確保するべき温水量である予備温水量を予め定めておき、貯湯槽42aが蓄えている温水量と生産される温水量との和と、消費される温水の積算量との差が、予め定められた期間以内に予め定められた予備温水量に達する場合に、除湿に必要な熱量が不足すると判断してもよい。
【0066】
このように、除湿需要判断部54aが、除湿に必要な熱量が不足するか否かを判断し、制御部50は、除湿需要判断部54aの判断に基づいて、熱量が不足しないよう予め燃料電池40およびデシカント空調装置56aの運転を制御して熱量を供給することができるので、除湿に必要な熱量が不足することを未然に防ぐことができる。
【0067】
以上、住居110aの各構成要素、ならびに空調空間120aの内部温湿度計63aおよび外部温湿度計64aの動作について説明した。住居110bおよび住居110cの持つそれぞれの各構成要素の動作は、住居110aの各構成要素の動作と同一であるので、説明を省略する。また、空調空間120bおよび空調空間120cのそれぞれの、内部温湿度計63bおよび内部温湿度計63cの動作は、内部温湿度計63aの動作と同一であるので説明を省略する。また、空調空間120bおよび空調空間120cのそれぞれの、外部温湿度計64bおよび外部温湿度計64cの動作は、外部温湿度計64aの動作と同一であるので説明を省略する。
【0068】
制御部50は、除湿需要のより大きな空調空間120を除湿するデシカント空調装置56に熱量を供給する燃料電池40を駆動するよう、燃料電池40の発電量を制御する。このために制御部50は、除湿需要判断部54から除湿需要情報を取得し、除湿需要の大きい空調空間120に熱量を供給すべく、対応する燃料電池40の発電する電力を増加させ、除湿需要の小さい空調空間120に対応する燃料電池40の発電する電力を減少させる。
【0069】
このとき、制御部50は、各空調空間120の除湿需要の大小を、各空調空間120を除湿するデシカント空調装置56に供給している熱量に基づいて判断する。例えば、消費する熱量の最も多いデシカント空調装置56が除湿する空調空間120が、除湿需要が最も大きいと判断し、消費する熱量の最も少ないデシカント空調装置56が除湿する空調空間120が、除湿需要が最も小さいと判断する。
【0070】
また、別の方法としては、それぞれの除湿需要判断部54から除湿需要度の情報を取得してもよい。例えば、それぞれの除湿需要判断部54は、所定の期間にわたって、除湿に必要となる熱量と、生産される熱量との差を除湿需要度として求める。制御部50は、それぞれの除湿需要判断部54において、除湿需要度の最大値と、除湿需要度が最大値になる時刻を、それぞれの除湿需要判断部54から取得する。
【0071】
制御部50は、それぞれの除湿需要判断部54から取得した、除湿需要度の最大値と、除湿需要度が最大値になる時刻に基づいて、除湿需要の大小を判断する。例えば、最も早く所定の除湿需要度を超えること第1の判断基準とし、除湿需要度の大きさを第2の判断基準としてよい。
【0072】
また、制御部50は、燃料電池40の発電量を増加させる必要があるときにも、除湿需要の最も大きい空調空間120を選択し、その空調空間120を除湿するデシカント空調装置56に熱量を供給する燃料電池40の発電する電力を増加させる。
【0073】
また、制御部50は、除湿需要判断部54が除湿に必要な熱量が不足すると判断したときにも、除湿に必要な熱量が不足する空調空間120を除湿するデシカント空調装置56に熱量を供給する燃料電池40の発電する電力を増加させ、さらに、除湿需要の最も小さい空調空間120を選択し、その空調空間120を除湿するデシカント空調装置56に熱量を供給する燃料電池40の発電する電力を減少させる。
【0074】
このとき、燃料電池40の発生する熱量を、デシカント空調装置56に含まれるデシカント剤の除湿に使用する。また、燃料電池40の発生する熱量を、貯湯槽42に温水として貯湯してもよい。また、空調空間120を、目標湿度よりも低い湿度まで予め除湿してもよい。ここで、目標湿度は、空調空間120を利用する利用者が定めたものであってよい。
【0075】
このように、制御部50が、除湿需要のより大きな空調空間120を除湿するデシカント空調装置56に熱量を供給することのできる燃料電池40を駆動させるので、遠くに設置された燃料電池40から温水等によって熱量を移動する場合と比較して、より容易にデシカント空調装置56へ熱量を供給することができる。
【0076】
また、デシカント空調装置56が、除湿に必要な熱量が不足すると除湿需要判断部54が算出した場合に、予めデシカント剤を除湿しておくことができるので、空調空間120の除湿が必要になった時に、熱量が生成されていない場合であっても、直ちに空調空間120を除湿することができる。
【0077】
また、制御部50は、燃料電池40の出力を高めることにより、燃料電池40の発電効率を予め定めた発電効率よりも高くすることができ、かつ燃料電池40の生成する電力と比較してデシカント空調装置56による除湿に必要な熱量が不足する場合に、燃料電池40の出力を高めると共に余剰の電力を用いて給湯装置48を駆動する。
【0078】
図5は、燃料電池40の発電する電力と発電効率との関係の一例を示す。一般に、燃料電池40の発電効率は、燃料電池40の発電する電力に依存する。したがって、発電効率の下限となる基準効率を定めると、発電効率を基準効率以上とするための電力の下限が定まる。
【0079】
したがって、発電効率が高い状態で燃料電池40を運転できるよう、デシカント空調装置56による除湿に必要な熱量が不足したときに、燃料電池40の発電効率を予め定めた発電効率よりも高くすることができる場合に、燃料電池40の発電する電力を増加させ、余剰の電力を用いて給湯装置48を駆動することにより、必要な熱量を供給する。
【0080】
図6は、除湿に必要な熱量が不足する場合の、制御部50の動作の示すフローチャートである。燃料電池40の出力を高めることで熱需要をみたしつつ予め定めた発電効率よりも高くすることことができるかを判定する(S210)。燃料電池40の出力を高めることで熱需要をみたし、かつ、予め定めた発電効率よりも高くすることことができる場合に、燃料電池40の出力を高めて、燃料電池40を予め定めた発電効率以上で運転し(S212)、余剰電力で給湯装置48を駆動し(S214)、処理を終了する。
【0081】
S210において、燃料電池40の出力を高めることで熱需要をみたしつつ予め定めた発電効率よりも高くすることができない場合、予め除湿された、デシカント空調装置56が含むデシカント剤を用いて除湿し(S216)、さらに、貯湯槽42の温水を用いてデシカント空調装置56を運転して除湿(S218)した上で、さらに熱量が不足するかどうかを判定する(S220)。熱量が不足する場合は、燃料電池40の出力を高め(S222)、処理を終了する。S220で、熱量が不足しない場合は、処理を終了する。
【0082】
このようにして、制御部50が、燃料電池40の出力を高めることにより、燃料電池40の発電効率を予め定めた発電効率よりも高くすることができ、かつ燃料電池40の生成する電力と比較してデシカント空調装置56による除湿に必要な熱量が不足する場合に、燃料電池40の出力を高めると共に余剰の電力を用いて給湯装置48を駆動するので、燃料電池40の出力効率を予め高めることができる。
【0083】
さらに、制御部50は、熱量の余剰が生じると除湿需要判断部54が判断した場合には、余剰の熱量を貯湯槽42に蓄える。貯湯槽42に蓄えることができない場合には、余剰の熱量を用いて、デシカント空調装置56に含まれるデシカント剤を予め除湿する。デシカント空調装置56に含まれるデシカント剤をさらに除湿できない場合には、余剰の熱量を用いて、デシカント空調装置56を運転し、空調空間120を目標湿度よりも低い湿度まで予め除湿する。
【0084】
例えば、除湿需要判断部54は、燃料電池40の生産する熱量が、デシカント空調装置56と熱負荷68が消費する熱量に比べて大きいとき、熱量の余剰が生じると判断する。
【0085】
図7は、熱量の余剰が生じる場合の、制御部50の動作を示すフローチャートである。貯湯槽42に温水を蓄積できるかどうかを判定する(S240)。貯湯槽42に温水を蓄積できる場合、貯湯槽42に温水を蓄積し(S242)、処理を終了する。
【0086】
S240で貯湯槽42に温水を蓄積できない場合、デシカント空調装置56に含まれるデシカント剤をさらに除湿できるかどうかを判定する(S244)。デシカント空調装置56に含まれるデシカント剤をさらに除湿できる場合、デシカント剤を除湿し(S246)、処理を終了する。S244で、デシカント空調装置56に含まれるデシカント剤をさらに除湿できない場合、目標湿度より低い湿度まで空調空間120を除湿し、処理を終了する(S248)。
【0087】
このように、制御部50が、熱量の余剰が生じると除湿需要判断部54が判断した場合に、余剰の熱量を一旦貯湯槽42に貯湯し、その後に除湿需要が生じたときに貯湯槽42へ貯蓄した温水からデシカント空調装置56へ熱量を供給することにより除湿を行うので、その後に生成される熱量が減少した場合であっても、長い期間に渡って、空調空間の湿度を目標値の近くに維持することができる。
【0088】
また、制御部50が、熱量の余剰が生じると除湿需要判断部54が判断した場合に、余剰の熱量を用いて、デシカント空調装置56に含まれるデシカント剤を除湿しておき、その後に除湿需要が生じたときに、予め除湿してあるデシカント剤を用いて除湿を行うので、除湿需要が生じたときに熱量が不足している場合であっても、空調空間の湿度を低減することができる。
【0089】
また、制御部50が、熱量の余剰が生じると除湿需要判断部54が判断した場合に、余剰の熱量を用いて、空調空間を目標湿度よりも低い湿度まで予め除湿しておくので、その後に生成される熱量が減少した場合であっても、空調空間の湿度を目標値の近くに維持することができる。
【0090】
図8は、燃料電池40が発電する電力に対する、燃料電池40が生産する熱量を示す。燃料電池40が発電する電力に応じて発生する熱が定まる。例えば、図8において、燃料電池40の発電する電力がdの場合に、燃料電池40が発生する熱量はfである。これに対し、熱の需要量がeであるときは熱の余剰が生じ、熱の需要量がgであるときは熱が不足する。
【0091】
図9は、住居110aにおける、電力需要と熱需要の時間的な遷移の一例を示す。住居110aにおいて、電力の需要と熱の需要が、状態1の状態から状態2の状態に時間的に遷移したとする。
【0092】
すなわち、状態1では、燃料電池40aが発電する電力(d)の全てを電力負荷44aが消費している。また、燃料電池40aが発生する熱(f)と、熱負荷68aとデシカント空調装置56aが消費する熱の合計量(e)との差を、デシカント空調装置56aのデシカント剤に熱を供給して除湿することで、燃料電池40aが発生する熱(f)の全てを消費している。
【0093】
状態2では、状態1と比較して除湿需要が増大し、熱負荷68aとデシカント空調装置56aが必要とする熱の合計量(g)が増大する。このとき、過去に状態1であったときに、予め除湿していた、デシカント空調装置56aのデシカント剤を使用して除湿することで、不足する熱量を補う。
【0094】
このようにして、燃料電池40aが発生する熱量が余剰であるときに、デシカント空調装置56aのデシカント剤を除湿しておき、その後に除湿需要が増大し、燃料電池40aの発生する熱がデシカント空調装置56aの必要とする熱量に対して不足する場合には、予め除湿していたデシカント空調装置56aのデシカント剤を利用する。
【0095】
図10は、住居110aと住居110bにおける、電力需要と熱需要の一例を示す。住居110aと住居110bで、燃料電池40aおよび燃料電池40bが発電する電力(d)は同一である。住居110aでは、熱負荷68aとデシカント空調装置56aが必要とする熱の合計量(g)は、燃料電池40aが発生する熱(f)に比べて大きい。一方、住居110bでは、熱負荷68bとデシカント空調装置56bが必要とする熱の合計量(f)と、燃料電池40bが発生する熱(f)は同じである。
【0096】
また、住居110aでは、燃料電池40aが発電する電力量(d)は、電力負荷44aが消費する電力より大きい。同様に、住居110bでも、燃料電池40bが発電する電力量(d)は、電力負荷44bが消費する電力より大きい。
【0097】
このとき、燃料電池40aおよび燃料電池40bが発電する余剰電力で給湯装置48aを駆動し、デシカント空調装置56aに熱量を供給することで、デシカント空調装置56aが必要とする熱量を供給する。
【0098】
このように、燃料電池40が発電する電力を、異なる空調空間120で相互に利用して、それぞれの空調空間120において、除湿に必要な熱量と供給する熱量とを釣り合わせる。
【0099】
図11は、履歴管理部60が管理するテーブルの一例を示す。履歴管理部60は、1日を1時間ごとの時間帯で分割し、その時間帯ごとに、デシカント空調装置56が消費する温水量、熱負荷68が消費する温水量、および電力負荷44が消費した消費電力のそれぞれの平均値を管理する。また、在宅判断部62によって判断される在宅情報ごとに、デシカント空調装置56が消費する温水量、熱負荷68が消費する温水量、および電力負荷44が消費した消費電力のそれぞれの平均値を管理する。例えば図13において、(a)は在宅時の履歴であり、(b)は不在時における履歴である。
【0100】
さらに、履歴管理部60は、12時における、空調空間120内の湿度と空調空間120外の湿度について、それぞれ1%ごとの湿度帯に分類し、さらに、12時における、空調空間120内の温度と空調空間120外の温度を、それぞれ0.1度ごとの温度帯に分類する。さらに、分類した湿度帯と温度帯の、全ての組み合わせについて履歴を管理する。
【0101】
除湿需要判断部54は、履歴管理部60が管理する過去の温水消費量の履歴から、将来の温水の需要量を計算できる。また、除湿需要判断部54は、履歴管理部60が管理する過去の消費電力の履歴から計算される、燃料電池40が将来生産すると予測される温水量と、現在貯湯槽42に蓄えられている温水量とから、将来供給できる温水量を予測する。これにより、除湿需要判断部54は、予測される供給可能な温水量と、予測される温水の需要量を比較することで、将来温水が不足するか否かを判断できる。
【0102】
さらに、除湿需要判断部54は、履歴管理部60が管理する、デシカント空調装置56aが消費した温水量から、将来の除湿需要を予測できるので、将来の除湿需要を適切に判断できる。また、除湿需要判断部54は、在宅判断部62によって在宅中であると判断された場合には、履歴管理部60に管理されている在宅中の履歴を用いて、温水が不足するか否かを判断し、在宅判断部62によって在宅中でないと判断された場合には、履歴管理部60に管理されている非在宅中の履歴を用いて、熱量が不足するか否かを判断する。
【0103】
また、履歴管理部60が、空調空間120の内部の湿度、空調空間120の内部の温度、空調空間120の外部の湿度、および空調空間120外部の温度の組み合わせで履歴を管理するので、除湿需要判断部54は、現在の、空調空間120の内部の湿度、空調空間120の内部の温度、空調空間120の外部の湿度、および空調空間120外部の温度に基づいて、将来の除湿需要をより正確に判断できる。
【0104】
また、コージェネレーションシステムの他の変形例は、第1の実施形態における燃料電池40を、化石燃料や水素ガス、生物有機体等の可燃性燃料を燃料として発電と熱供給を同時に行う機器としたシステムである。このような機器は、例えば、ガスエンジンやガスタービンである。この変形例においても、第1の実施形態で述べた効果と同様の効果が得られることが明らかである。
【0105】
また、コージェネレーションシステムの更なる他の変形例は、第1の実施形態における燃料電池40を、可燃性燃料以外の熱源にて作動し、発電と熱供給を同時に行う機器として発電と熱供給を同時に行う機器としたシステムである。このような機器は、例えば、スターリングエンジンである。この変形例においても、第1の実施形態で述べた効果と同様の効果が得られることが明らかである。
【0106】
図12は、制御部50、除湿需要判断部54のそれぞれが有するコンピュータ500の構成の一例を示す。本例において、コンピュータ500は、コージェネレーションシステムを図1から図11において説明した、コージェネレーションシステム30として機能させるプログラムを格納する。
【0107】
コンピュータ500は、CPU700と、ROM702と、RAM704と、通信インターフェース706と、ハードディスクドライブ710と、フレキシブルディスクドライブ712と、CD−ROMドライブ714とを備える。CPU700は、ROM702、RAM704、ハードディスクドライブ710、フレキシブルディスク720、及び/又はCD−ROM722に格納されたプログラムに基づいて動作する。
【0108】
例えば、コージェネレーションシステム30を機能させるプログラムは、コンピュータ500を、図1から図11に関連して説明した制御部50および除湿需要判断部54として機能させ、コージェネレーションシステムを機能させる。また、制御部50および除湿需要判断部54のそれぞれが有するコンピュータ500が、対応する制御部50および除湿需要判断部54のそれぞれを機能させるプログラムを格納していてもよい。
【0109】
通信インターフェース706は、例えば燃料電池40、電力負荷44、給湯装置48、熱負荷68、貯湯槽42、履歴管理部60、在宅判断部62、デシカント空調装置56、内部温湿度計63、および外部温湿度計64と通信し、それぞれの状態等に関する情報を受信し、またそれぞれを制御する制御信号を送信する。格納装置の一例としてのハードディスクドライブ710、ROM702、又はRAM704は、設定情報、及びCPU700を動作させるためのプログラム等を格納する。また、当該プログラムは、フレキシブルディスク720、CD−ROM722等の記録媒体に格納されていてもよい。
【0110】
フレキシブルディスクドライブ712は、フレキシブルディスク720がプログラムを格納している場合、フレキシブルディスク720からプログラムを読み取りCPU700に提供する。CD−ROMドライブ714は、CD−ROM722がプログラムを格納している場合、CD−ROM722からプログラムを読み取りCPU700に提供する。
【0111】
また、プログラムは記録媒体から直接RAMに読み出されて実行されても、一旦ハードディスクドライブ710にインストールされた後にRAM704に読み出されて実行されてもよい。更に、上記プログラムは単一の記録媒体に格納されても複数の記録媒体に格納されても良い。また記録媒体に格納されるプログラムは、オペレーティングシステムとの共同によってそれぞれの機能を提供してもよい。例えば、プログラムは、機能の一部または全部を行うことをオペレーティングシステムに依頼し、オペレーティングシステムからの応答に基づいて機能を提供するものであってもよい。
【0112】
プログラムを格納する記録媒体としては、フレキシブルディスク、CD−ROMの他にも、DVD、PD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアーカードなどの半導体メモリー等を用いることができる。又、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の格納装置を記録媒体として使用してもよい。
【0113】
以上の説明から明らかなように本実施形態によれば、デシカント空調装置56は除湿に必要な熱量が不足すると除湿需要判断部54が算出した場合に、予めデシカント剤を除湿しておくので、空調空間の除湿が必要になった時に、熱量が生成されていない場合であっても、直ちに空調空間を除湿することができる。
【0114】
燃料電池40は複数設けられており、それぞれ異なるデシカント空調装置56に熱量を供給するので、負荷の幅広い変動に対応することができる。また制御部50は除湿需要のより大きな空調空間を除湿するデシカント空調装置56に熱量を供給することのできる燃料電池40を駆動させるので、遠くに設置された燃料電池40から温水等によって熱量を移動する場合と比較して、より容易にデシカント空調装置56へ熱量を供給することができる。
【0115】
制御部50は燃料電池40の出力を高めることにより、燃料電池40の発電効率を予め定めた発電効率よりも高くすることができ、かつ燃料電池40の生成する電力と比較してデシカント空調装置56による除湿に必要な熱量が不足する場合に、燃料電池40の出力を高めると共に余剰の電力を用いて給湯装置48を駆動するので、燃料電池40の出力効率を予め高めることができる。制御部50は更に除湿需要に対して熱量が不足すると除湿需要判断部54が判断したことを条件として、燃料電池40の出力を予め高めるので、燃料電池40を生成する熱量を無駄にすることを防ぐことができる。
【0116】
制御部50は熱量の余剰が生じると除湿需要判断部54が判断した場合に、余剰の熱量を用いて、空調空間を目標湿度よりも低い湿度まで予め除湿しておくので、その後に生成される熱量が減少した場合であっても、空調空間の湿度を目標値の近くに維持することができる。制御部50は熱量の余剰が生じると除湿需要判断部54が判断した場合に、余剰の熱量を用いて、デシカント空調装置56に含まれるデシカント剤を除湿しておき、その後に除湿需要が生じたときに、予め除湿してあるデシカント剤を用いて除湿を行うので、除湿需要が生じたときに熱量が不足している場合であっても、空調空間の湿度を低減することができる。
【0117】
制御部50は熱量の余剰が生じると除湿需要判断部54が判断した場合に、余剰の熱量を一旦貯湯槽42に貯湯し、その後に除湿需要が生じたときに貯湯槽42へ貯蓄した温水からデシカント空調装置56へ熱量を供給することにより除湿を行うので、その後に生成される熱量が減少した場合であっても、長い期間に渡って、空調空間の湿度を目標値の近くに維持することができる。
【0118】
除湿需要判断部54は履歴管理部60によって管理されている、温水の消費量の履歴および消費電力の履歴、ならびに貯湯槽42に貯湯されている貯湯量に基づいて、熱量が不足するか否かを判断するので、熱量が不足するか否かをより適切に判断することができる。
【0119】
除湿需要判断部54は在宅判断部62によって在宅中であると判断された場合には、履歴管理部60に管理されている在宅中の履歴を用いて、温水が不足するか否かを判断し、在宅判断部62によって在宅中でないと判断された場合には、履歴管理部60に管理されている非在宅中の履歴を用いて、熱量が不足するか否かを判断するので、不在中と在宅中のそれぞれの場合に、温水が不足するか否かを正しく判断することができる。
【0120】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施形態に係るコージェネレーションシステム30の構成の一例を示す図である。
【図2】給湯装置48aの構成の一例を示す図である。
【図3】デシカント空調装置56aの構成の一例を示す図である。
【図4】除湿需要判断部54aが予測した、温水の蓄積量と、温水の消費量の時間発展の一例を示す図である。
【図5】燃料電池40の発電する電力と発電効率との関係の一例を示す図である。
【図6】除湿に必要な熱量が不足する場合の、制御部50の動作の示すフローチャートである。
【図7】熱量の余剰が生じる場合の、制御部50の動作を示すフローチャートである。
【図8】燃料電池40が発電する電力に対する、燃料電池40が生産する熱量を示す図である。
【図9】住居110aにおける、電力需要と熱需要の時間的な遷移の一例を示す図である。
【図10】住居110aと住居110bにおける、電力需要と熱需要の一例を示す図である。
【図11】履歴管理部60が管理するテーブルの一例を示す図である。
【図12】制御部50、除湿需要判断部54のそれぞれが有するコンピュータ500の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0122】
40・・・燃料電池、50・・・制御部、54・・・除湿需要判断部、54・・・除湿需要判断部、54・・・除湿需要判断部、56・・・デシカント空調装置、30・・・コージェネレーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力および熱量を生成するコージェネレーション装置と、
消費電力の履歴、および現在の湿度に基づいて、所定の期間以内に除湿に必要な熱量が不足するか否かを判断する除湿需要判断部と、
前記コージェネレーション装置によって作られた熱量を用いて除湿するデシカント空調装置と
を備え、
前記デシカント空調装置は、除湿に必要な熱量が不足すると前記除湿需要判断部が算出した場合に、予めデシカント剤を除湿しておくコージェネレーションシステム。
【請求項2】
前記デシカント空調装置は、複数設けられており、それぞれが異なる空調空間を除湿し、
前記コージェネレーション装置は、複数設けられており、それぞれ異なる前記デシカント空調装置に前記熱量を供給し、
複数の前記コージェネレーション装置のいずれが発電した電力も、電力負荷へ供給することのできる電力供給路と、
前記コージェネレーション装置の発電量を制御する制御部と
を更に備え、
前記制御部は、除湿需要のより大きな前記空調空間を除湿する前記デシカント空調装置に熱量を供給することのできる前記コージェネレーション装置を駆動させる請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項3】
前記コージェネレーション装置により作られた余剰電力を用いて水を加温する給湯装置を更に備え、
前記制御部は、前記コージェネレーション装置の出力を高めることにより、前記コージェネレーション装置の発電効率を予め定めた発電効率よりも高くすることができ、かつ前記コージェネレーション装置が生成する電力に応じて前記コージェネレーション装置によって生成される熱量と比較して前記デシカント空調装置による除湿に必要な熱量が不足する場合に、前記コージェネレーション装置の出力を高めると共に余剰の電力を用いて前記給湯装置を駆動し、
前記デシカント空調装置は、更に前記給湯装置によって作られた熱量を用いて除湿する請求項2に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項4】
前記制御部は、更に除湿需要に対して熱量が不足すると前記除湿需要判断部が判断したことを条件として、前記コージェネレーション装置の出力を予め高める請求項3に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記熱量の余剰が生じると前記除湿需要判断部が判断した場合に、前記余剰の熱量を用いて、前記空調空間を目標湿度よりも低い湿度まで予め除湿しておく請求項4に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項6】
前記制御部は、前記熱量の余剰が生じると前記除湿需要判断部が判断した場合に、前記余剰の熱量を用いて、前記デシカント空調装置に含まれる前記デシカント剤を除湿しておき、その後に除湿需要が生じたときに、予め除湿してある前記デシカント剤を用いて除湿を行う請求項5に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項7】
前記コージェネレーション装置および前記給湯装置によって加温された温水を貯湯する貯湯槽と、
前記貯湯槽に蓄えられた温水を前記デシカント空調装置に提供する貯湯温水供給路と
を更に備え、
前記制御部は、前記熱量の余剰が生じると前記除湿需要判断部が判断した場合に、前記余剰の熱量を一旦前記貯湯槽に貯湯し、その後に除湿需要が生じたときに前記貯湯槽へ貯蓄した温水から前記デシカント空調装置へ熱量を供給し、
前記デシカント空調装置は、前記貯湯温水供給路から供給された温水を用いて除湿する請求項6に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項8】
在宅中であるか否かを判断する在宅判断部を更に備え、
前記除湿需要判断部は、更に、前記在宅判断部が在宅中であると判断した場合には、在宅中でないと判断した場合と比較して、除湿により多くの熱量が必要とされるとして、前記熱量が不足するか否かを判断する請求項7に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項9】
温水の消費量を管理する履歴管理部を更に備え、
前記除湿需要判断部は、更に、前記履歴管理部によって管理されている温水の消費量の履歴、および前記貯湯槽に貯湯されている貯湯量に基づいて、熱量が不足するか否かを判断する請求項8に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項10】
前記除湿需要判断部は、前記在宅判断部によって在宅中であると判断された場合には、前記履歴管理部に管理されている在宅中の履歴を用いて、温水が不足するか否かを判断し、前記在宅判断部によって在宅中でないと判断された場合には、前記履歴管理部に管理されている非在宅中の履歴を用いて、熱量が不足するか否かを判断する請求項9に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項11】
前記デシカント空調装置は、前記空調空間内の空気を暖めて前記デシカント剤に与える経路と、前記空調空間外の空気を暖めて前記デシカント剤に与える経路とを有し、前記空調空間内の除湿を行わずに前記デシカント剤の除湿のみを行う場合においては、前記空調空間外の空気を暖めて前記デシカント剤に与える経路を用いて前記デシカント剤の除湿を行う請求項10に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項12】
コージェネレーション装置を用いて、電力および熱量を生成するステップと、
消費電力の履歴、および現在の湿度に基づいて、所定の期間以内に除湿に必要な熱量が不足するか否かを除湿需要判断部が判断する除湿需要判断ステップと、
デシカント空調装置を用いて、前記コージェネレーション装置によって作られた熱量を用いて除湿する除湿ステップと
を備え、
前記除湿ステップは、除湿に必要な熱量が不足すると前記除湿需要判断部が算出した場合に、予めデシカント剤を除湿しておくコージェネレーションシステム制御方法。
【請求項13】
前記デシカント空調装置は、複数設けられており、それぞれが異なる空調空間を除湿し、
前記コージェネレーション装置は、複数設けられており、それぞれ異なる前記デシカント空調装置に前記熱量を供給し、
除湿需要のより大きな前記空調空間を除湿する前記デシカント空調装置に熱量を供給することのできる前記コージェネレーション装置を駆動させる制御ステップを更に備える請求項12に記載のコージェネレーションシステム制御方法。
【請求項14】
前記コージェネレーション装置により作られた余剰電力を用いて給湯装置を駆動して水を加温するステップを更に備え、
前記制御ステップは、前記コージェネレーション装置の出力を高めることにより、前記コージェネレーション装置の発電効率を予め定めた発電効率よりも高くすることができ、かつ前記コージェネレーション装置の生成する電力と比較して前記デシカント空調装置による除湿に必要な熱量が不足する場合に、前記コージェネレーション装置の出力を高めると共に余剰の電力を用いて前記給湯装置を駆動する請求項13に記載のコージェネレーションシステム制御方法。
【請求項15】
前記制御ステップは、更に除湿需要に対して熱量が不足すると前記除湿需要判断部が判断したことを条件として、前記コージェネレーション装置の出力を予め高める請求項14に記載のコージェネレーションシステム制御方法。
【請求項16】
前記除湿ステップは、前記空調空間内の空気または前記空調空間外の空気を暖めて前記デシカント剤に与え、前記空調空間内の除湿を行わずに前記デシカント剤の除湿のみを行う場合においては、前記空調空間外の空気を暖めて前記デシカント剤に与えることにより前記デシカント剤の除湿を行う請求項15に記載のコージェネレーションシステム制御方法。
【請求項17】
電力および熱量を生成するコージェネレーション装置と、
空調空間と、
消費電力の履歴、および現在の湿度に基づいて、所定の期間以内に前記空領空間内の除湿に必要な熱量が不足するか否かを判断する除湿需要判断部と、
前記コージェネレーション装置によって作られた熱量を用いて前記空調空間を除湿するデシカント空調装置と
を備え、
前記デシカント空調装置は、除湿に必要な熱量が不足すると前記除湿需要判断部が算出した場合に、予めデシカント剤を除湿しておく建造物。
【請求項18】
前記デシカント空調装置は、複数設けられており、それぞれが異なる前記空調空間を除湿し、
前記コージェネレーション装置は、複数設けられており、それぞれ異なる前記デシカント空調装置に前記熱量を供給し、
複数の前記コージェネレーション装置のいずれが発電した電力も、電力負荷へ供給することのできる電力供給路と、
前記コージェネレーション装置の発電量を制御する制御部と
を更に備え、
前記制御部は、除湿需要のより大きな前記空調空間を除湿する前記デシカント空調装置に熱量を供給することのできる前記コージェネレーション装置を駆動させる請求項17に記載の建造物。
【請求項19】
前記コージェネレーション装置により作られた余剰電力を用いて水を加温する給湯装置を更に備え、
前記制御部は、前記コージェネレーション装置の出力を高めることにより、前記コージェネレーション装置の発電効率を予め定めた発電効率よりも高くすることができ、かつ前記コージェネレーション装置の生成する電力と比較して前記デシカント空調装置による除湿に必要な熱量が不足する場合に、前記コージェネレーション装置の出力を高めると共に余剰の電力を用いて前記給湯装置を駆動する請求項18に記載の建造物。
【請求項20】
前記制御部は、更に除湿需要に対して熱量が不足すると前記除湿需要判断部が判断したことを条件として、前記コージェネレーション装置の出力を予め高める請求項19に記載の建造物。
【請求項21】
前記デシカント空調装置は、前記空調空間内の空気を暖めて前記デシカント剤に与える経路と、前記空調空間外の空気を暖めて前記デシカント剤に与える経路との2つの経路を有し、前記空調空間内の除湿を行わずに前記デシカント剤の除湿のみを行う場合においては、前記空調空間外の空気を暖めて前記デシカント剤に与える経路を用いて前記デシカント剤の除湿を行う請求項20に記載の建造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−10264(P2006−10264A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190223(P2004−190223)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(300038424)松村物産株式会社 (3)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】