説明

コージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法

【課題】本発明の目的は、ガス発生源から発生した有害物質のVOCの温度を発電用のエンジンから排出される排気ガスを利用して昇温させ、VOCを浄化処理するために加熱する熱エネルギーの削減を可能にしたコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムを提供する。
【解決手段】本発明のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムは、燃料を燃焼させて電力を取り出す発電用のエンジンと、前記エンジンから排出された排気ガスを熱源にして別途供給されるVOCを加熱する第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器で加熱して供給されたVOCを酸化分解して浄化する触媒を充填した第1の触媒反応器と、前記第1の触媒反応器でVOCを酸化分解した浄化ガスを熱源として別途供給される給水を加熱して蒸気を発生させ、この発生した蒸気を蒸気の需要先に供給する排ガス蒸気ボイラを設置して構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コージェネレーション(熱電併給)とは、一つのエネルギー源から電気や熱など、二つ以上の有効な二次エネルギーを取り出す総合効率の高いシステムである。
【0003】
特許第3414638号公報には、コージェネレーション設備の一例としてガスタービンにより発電し、このガスタービンの排気ガスの熱エネルギーを排熱ボイラから蒸気として取り出し、この蒸気をプロセス蒸気として使用する構成のコージェネレーション設備が開示されている。
【0004】
また特開平10−156142号公報には、対象の設備がコージェネレーション設備と明記されていないが、悪臭ガスや揮発性有機化合物を含有する空気中に含まれる有毒ガスを分解して浄化する触媒反応器の技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特許第3414638号公報
【特許文献2】特開平10−156142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特開平10−156142号に記載されたVOC浄化触媒反応器にてVOCを処理するためには、VOCガスを触媒が効率良く反応する温度まで加熱するため別途燃料が必要であった。
【0007】
また、特許第3414638号に記載されたようなコージェネレーション設備の技術では、発電用のガスタービンや、発電用のエンジンから排出される排気ガス中にもVOCが含まれている場合には排気ガスを浄化する必要があった。
【0008】
本発明の目的は、ガス発生源から発生した有害物質のVOCの温度を発電用のエンジンから排出される排気ガスを利用して昇温させ、VOCを浄化処理するために加熱する熱エネルギーの削減を可能にしたコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム、及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムは、燃料を燃焼させて電力を取り出す発電用のエンジンと、前記エンジンから排出された排気ガスを熱源にして別途供給されるVOCを加熱する第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器で加熱して供給されたVOCを酸化分解して浄化する触媒を充填した第1の触媒反応器と、前記第1の触媒反応器でVOCを酸化分解した浄化ガスを熱源として別途供給される給水を加熱して蒸気を発生させ、この発生した蒸気を蒸気の需要先に供給する排ガス蒸気ボイラ、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムは、燃料を燃焼させて電力を取り出す発電用のエンジンと、前記エンジンから排出された排気ガスを熱源にして別途供給されるVOCを加熱する第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器で加熱されたVOCを供給し、別途供給された燃料を燃焼させてこのVOCを更に加熱する予熱バーナと、前記予熱バーナから供給する加熱されたVOCを酸化分解して浄化する触媒を充填した第1の触媒反応器と、前記第1の触媒反応器でVOCを酸化分解した浄化ガスを熱源として別途供給される給水を加熱して蒸気を発生させ、この発生した蒸気を蒸気の需要先に供給する排ガス蒸気ボイラ、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法は、発電用のエンジンで燃料を燃焼させて電力を取り出し、前記発電用のエンジンから排出された排気ガスを第1の熱交換器に熱源として供給して前記第1の熱交換器に別途供給されるVOCを加熱し、前記第1の熱交換器で加熱されたVOCをこのVOCを酸化分解する触媒を充填した第1の触媒反応器に供給して該VOCを酸化分解させた浄化ガスにして、前記第1の触媒反応器から排出されたこの浄化ガスを排ガス蒸気ボイラの熱源として供給して前記排ガス蒸気ボイラに別途供給される給水を加熱して蒸気を発生させ、この発生した蒸気を前記排ガス蒸気ボイラから蒸気の需要先に供給するようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法は、発電用のエンジンで燃料を燃焼させて電力を取り出し、前記発電用のエンジンから排出された排気ガスを第1の熱交換器に熱源として供給して前記第1の熱交換器に別途供給されるVOCを加熱し、前記第1の熱交換器で加熱されたVOCを別途供給される燃料を燃焼する予熱バーナに供給して前記予熱バーナによってこのVOCを更に加熱し、前記前記第1の触媒反応器から排出された加熱されたVOCをこのVOCを酸化分解する触媒を充填した第1の触媒反応器に供給して該VOCを酸化分解させた浄化ガスとし、前記第1の触媒反応器で浄化されたこの浄化ガスを前記排ガス蒸気ボイラの熱源として供給して前記排ガス蒸気ボイラに別途供給される給水を加熱して蒸気を発生させ、この発生した蒸気を前記排ガス蒸気ボイラから蒸気の需要先に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ガス発生源から発生した有害物質のVOCの温度を発電用のエンジンから排出される排気ガスを利用して昇温させ、VOCを浄化処理するために加熱する熱エネルギーを削減したコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム、及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施例であるコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム、及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法について図面を参照して以下に説明する。
【実施例1】
【0015】
本発明の一実施例であるコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム、及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法について図1を用いて説明する。
【0016】
図1に示した本実施例のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム、及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法は、コージェネレーション設備のエンジンとして燃料29を燃焼することによって稼動し、発電機30を駆動して電力を取り出すガスエンジン1を備えている。
【0017】
このガスエンジン1を稼動して燃料29の燃焼によって発生し、該ガスエンジン1から排出される約450℃の高温の排気ガス10は、熱交換器12の熱源として流路51を通じて熱交換器12に供給される。
【0018】
前記熱交換器12には揮発性有機化合物のガス発生源から発生した有害物質である常温の揮発性有機化合物VOC(volatile organic compounds)17が送風機18によって流路55を通じて供給されており、この熱交換器12にて前記VOC17がガスエンジン1から供給された熱源の排気ガス10と間接的に熱交換して約415℃に昇温した後に、熱交換器12から流路56を通じてVOC17の有害物質を除去する触媒を充填した触媒反応器21に供給される。
【0019】
揮発性有機化合物VOC17の発生源としては、化学薬品工場、塗装工場、印刷工場、石油化学工場等がある。
【0020】
触媒反応器21では熱交換器12による熱交換で触媒が効率良くVOCを酸化分解する反応温度の約415℃まで加熱されたVOC17を内部に充填した触媒によって酸化分解して該VOC17を除去した浄化ガス25にする。
【0021】
触媒反応器21に充填される触媒は、ハニカム構造の担体に白金等を担持させた酸化触媒であり、この触媒を用いてVOC17を酸化分解させることによってVOCの成分がほぼ100%除去された浄化ガス25を得ることが可能となる。
【0022】
触媒反応器21の下流側には排ガス蒸気ボイラ22が設置されており、触媒反応器21でVOC17を浄化した浄化ガス25は流路41を通じて前記排ガス蒸気ボイラ22に熱源として供給される。
【0023】
また、約60℃の給水14が流路53を通じて前記排ガス蒸気ボイラ22に供給されており、前記排ガス蒸気ボイラ22にて触媒反応器21から流下した熱源の浄化ガス25と間接的に熱交換することによって給水14は加熱して約700kg/hの蒸気23を発生させ、前記排ガス蒸気ボイラ22で発生した約700kg/h℃の蒸気23は、排ガス蒸気ボイラ22から流路59を通じて蒸気の需要先50にプロセス蒸気として供給される。
【0024】
そして前記排ガス蒸気ボイラ22にて給水14との熱交換で温度が約70℃に低下した浄化ガス25は、排ガス蒸気ボイラ22から流路58を通じて流下し、煙突24から大気に放出される。
【0025】
また、熱交換器12にてVOC17との熱交換によって温度が約140℃に低下した排気ガス10は、熱交換器12から流路52を通じて流下し、サイレンサ28を経て煙突15から大気に放出される。
【0026】
尚、上記した本実施例のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムでは、VOCを浄化処理するためにVOCを加熱する熱エネルギーが削減できるだけでなく、VOCの酸化分解する際に生じる熱を有効に回収できるので、コージェネレーション設備としての熱効率を向上させることが可能となる。
【0027】
以上の説明から明らかなように、本実施例によれば、ガス発生源から発生した有害物質のVOCの温度を発電用のエンジンから排出される排気ガスを利用して昇温させ、VOCを浄化処理するために加熱する熱エネルギーを削減したコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム、及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法が実現できる。
【実施例2】
【0028】
次に本発明の他の実施例であるコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム、及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法について図2を用いて説明する。
【0029】
図2に示した本実施例のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム、及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法においても、コージェネレーション設備のエンジンとして燃料29を燃焼することによって稼動し、発電機30を駆動して電力を取り出すガスエンジン1を備えている。
【0030】
このガスエンジン1を稼動して燃料29の燃焼によって発生し、該ガスエンジン1から排出される約450℃の高温の排気ガス10は、ガスエンジン1の下流側に設置されて窒素酸化物等の有害物質を除去する触媒を充填した触媒反応器11に流路51を通じて供給され、この触媒反応器11での酸化分解によって該排気ガス10に含まれる有害物質は除去されて浄化ガス16となる。
【0031】
触媒反応器11に充填される触媒は、ハニカム構造の担体に白金等を担持させた酸化触媒であり、この触媒を用いて排気ガス11を酸化分解させることによって排気ガスに含まれるVOCの成分がほぼ100%除去された浄化ガス16を得ることが可能となる。
【0032】
前記触媒反応器11では排気ガス10に含まれたVOCが酸化分解して昇温するので、この触媒反応器11から流下する浄化ガス16の温度は約455℃程度に昇温して流下する。
【0033】
前記触媒反応器11の下流側にはこの触媒反応器11を流下した約455℃の高温の浄化ガス16を熱源として流路51を通じて供給し、熱交換する熱交換器12が備えられている。
【0034】
前記熱交換器12には、化学薬品工場、塗装工場、印刷工場、石油化学工場等の揮発性有機化合物のガス発生源から発生した有害物質である常温の揮発性有機化合物のVOC17が送風機18によって供給されており、この熱交換器12にて前記VOC17は触媒反応器11から供給された熱源の約455℃の浄化ガス16と間接的に熱交換して約415℃に昇温された後に、熱交換器12から流路56を通じて液化天然ガス(LNG)19を燃焼させる予熱バーナ20に供給される。
【0035】
熱交換器12から流路56を通じて予熱バーナ20に供給された約415℃のVOC17は、この予熱バーナ20にて燃料のLNG19を燃焼して加熱することにより、VOC17の温度を約430℃に昇温させる。
【0036】
予熱バーナ20の下流側には触媒反応器21及び排ガス蒸気ボイラ22が夫々設置されており、前記予熱バーナ20にてLNG19を燃焼させて約430℃に加熱されたVOC17は前記触媒反応器21に流路57を通じて供給される。
【0037】
触媒反応器21では予熱バーナ20の燃焼によって触媒が効率良くVOCを酸化分解する反応温度の約430℃に加熱されたVOC17を、内部に充填した触媒によって酸化分解させて該VOC17を除去した浄化ガス25にする。
【0038】
触媒反応器21に充填される触媒は、ハニカム構造の担体に白金等を担持させた酸化触媒であり、この触媒を用いてVOC17を酸化分解させることによってVOCの成分がほぼ100%除去された浄化ガス25を得ることが可能となる。
【0039】
前記触媒反応器21ではVOC17が酸化分解する際に昇温するのでこの触媒反応器21から流下するVOC17を酸化分解した浄化ガス25の温度は約450℃程度となって前記触媒反応器21から流下する。
【0040】
前記触媒反応器21にて汚染物質のVOC17を酸化分解して約450℃に昇温した浄化ガス25は、流路41を通じて排ガス蒸気ボイラ22に熱源として供給される。
【0041】
本実施例のVOC除去システムでは、供給された約25℃の給水14を熱交換して昇温させる給水加熱器13が排ガス蒸気ボイラ22の上流側に設置されており、この給水加熱器13には前記熱交換器12でVOC17との熱交換によって温度が低下した約140℃の浄化ガス16が、給水14を加熱する熱源として該熱交換器12から流路52を通じて供給されるように構成されている。
【0042】
前記給水加熱器13で熱源の約140℃の浄化ガス16と間接的な熱交換によって約60〜80℃に昇温された給水14は、この給水加熱器13から流路54を通じて前記排ガス蒸気ボイラ22に供給される。
【0043】
そして前記排ガス蒸気ボイラ22では、熱源の約450℃に昇温された浄化ガス25と間接的に熱交換することによって給水14を更に加熱して約700kg/hの蒸気23を発生させる。
【0044】
前記排ガス蒸気ボイラ22で発生した約700kg/hの蒸気23は、排ガス蒸気ボイラ22から流路59を通じて蒸気の需要先50にプロセス蒸気として供給される。
【0045】
前記排ガス蒸気ボイラ22での給水14との熱交換によって温度が約70℃に低下した浄化ガス25は、その後、排ガス蒸気ボイラ22から流路58を通じて流下し、煙突24から浄化ガス25として大気に放出される。
【0046】
また、前記給水加熱器13で熱交換して温度が約120℃に低下した浄化ガス16は、その後、給水加熱器13から流路42を通じて流下し、サイレンサ28を経由して煙突15から大気に放出される。
【0047】
尚、上記した本実施例のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムでは、VOCを浄化処理するためにVOCを加熱する熱エネルギーが削減できるだけでなく、VOCの酸化分解する際に生じる熱を有効に回収できるので、コージェネレーション設備としての熱効率を向上させることが可能となる。
【0048】
また、本実施例のコージェネレーション設備では、何らかの要因によってガスエンジンの稼動が一時的に停止した場合でも、予熱バーナを備えることによって触媒反応器に供給する熱源を確保できるので、VOCの浄化処理を継続して行うことが可能となる。
【0049】
また、本実施例のコージェネレーション設備では、予熱バーナと排ガス蒸気ボイラを備えることによって、蒸気の需要先に多量の蒸気を供給することが可能となる。
【0050】
以上の説明から明らかなように、本実施例によっても、ガス発生源から発生した有害物質のVOCの温度を発電用のエンジンから排出される排気ガスを利用して昇温させ、VOCを浄化処理するために加熱する熱エネルギーを削減したコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム、及びコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、コージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施例であるコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの構成を示す概略系統図。
【図2】本発明の他の実施例であるコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの構成を示す概略系統図。
【符号の説明】
【0053】
1:ガスエンジン、10:排気ガス、11、21:触媒反応器、12:熱交換器、13:給水加熱器、14:給水、15、24:煙突、16、25:浄化ガス、17:VOC、18:送風機、19:LNG、20:予熱バーナ、22:排ガス蒸気ボイラ、23:蒸気、28:サイレンサ、50:蒸気の需要先、41、42:流路、51〜59:流路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼させて電力を取り出す発電用のエンジンと、前記エンジンから排出された排気ガスを熱源にして別途供給されるVOCを加熱する第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器で加熱して供給されたVOCを酸化分解して浄化する触媒を充填した第1の触媒反応器と、前記第1の触媒反応器でVOCを酸化分解した浄化ガスを熱源として別途供給される給水を加熱して蒸気を発生させ、この発生した蒸気を蒸気の需要先に供給する排ガス蒸気ボイラ、を備えたことを特徴とするコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム。
【請求項2】
燃料を燃焼させて電力を取り出す発電用のエンジンと、前記エンジンから排出された排気ガスを熱源にして別途供給されるVOCを加熱する第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器で加熱されたVOCを供給し、別途供給された燃料を燃焼させてこのVOCを更に加熱する予熱バーナと、前記予熱バーナから供給する加熱されたVOCを酸化分解して浄化する触媒を充填した第1の触媒反応器と、前記第1の触媒反応器でVOCを酸化分解した浄化ガスを熱源として別途供給される給水を加熱して蒸気を発生させ、この発生した蒸気を蒸気の需要先に供給する排ガス蒸気ボイラ、を備えたことを特徴とするコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムにおいて、
前記第1の熱交換器から流下した発電用のエンジンの排気ガスを熱源にして給水を加熱する第2の熱交換器を設置し、この第2の熱交換器で加熱されて昇温した給水を前記排ガス蒸気ボイラの給水として供給して該排ガス蒸気ボイラで蒸気を発生させるように構成したことを特徴とするコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムにおいて、
前記発電用のエンジンから排出された排気ガスが供給され、この排気ガス中の有害物質を酸化分解して浄化する触媒を充填した第2の触媒反応器を設置し、前記第2の触媒反応器で排気ガス中の有害物質を酸化分解した浄化ガスを前記第1の熱交換器の熱源として供給するように構成したことを特徴とするコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システム。
【請求項5】
発電用のエンジンで燃料を燃焼させて電力を取り出し、前記発電用のエンジンから排出された排気ガスを第1の熱交換器に熱源として供給して前記第1の熱交換器に別途供給されるVOCを加熱し、前記第1の熱交換器で加熱されたVOCをこのVOCを酸化分解する触媒を充填した第1の触媒反応器に供給して該VOCを酸化分解させた浄化ガスにして、前記第1の触媒反応器から排出されたこの浄化ガスを排ガス蒸気ボイラの熱源として供給して前記排ガス蒸気ボイラに別途供給される給水を加熱して蒸気を発生させ、この発生した蒸気を前記排ガス蒸気ボイラから蒸気の需要先に供給するようにしたことを特徴とするコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法。
【請求項6】
発電用のエンジンで燃料を燃焼させて電力を取り出し、前記発電用のエンジンから排出された排気ガスを第1の熱交換器に熱源として供給して前記第1の熱交換器に別途供給されるVOCを加熱し、前記第1の熱交換器で加熱されたVOCを別途供給される燃料を燃焼する予熱バーナに供給して前記予熱バーナによってこのVOCを更に加熱し、前記前記第1の触媒反応器から排出された加熱されたVOCをこのVOCを酸化分解する触媒を充填した第1の触媒反応器に供給して該VOCを酸化分解させた浄化ガスとし、前記第1の触媒反応器で浄化されたこの浄化ガスを排ガス蒸気ボイラの熱源として供給して前記排ガス蒸気ボイラに別途供給される給水を加熱して蒸気を発生させ、この発生した蒸気を前記排ガス蒸気ボイラから蒸気の需要先に供給することを特徴とするコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法。
【請求項7】
請求項6に記載のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法において、
前記第1の熱交換器から流下した発電用のエンジンの排気ガスを第1の熱交換器の下流側に配設した第2の熱交換器の熱源として供給して前記第2の熱交換器に別途供給される給水を加熱し、前記第2の熱交換器で加熱した給水を前記排ガス蒸気ボイラに給水として供給することを特徴とするコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載のコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法において、
前記発電用のエンジンから排出された排気ガスをこの排気ガス中の有害物質を酸化分解する触媒を充填した第2の触媒反応器に供給して前記排ガス中の有害物質を酸化分解させた浄化ガスとし、この第2の触媒反応器で浄化されたこの浄化ガスを前記第1の熱交換器の熱源として供給することを特徴とするコージェネレーション設備のエンジン排熱を利用したVOC除去システムの運転方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−17609(P2010−17609A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177695(P2008−177695)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000233044)株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス (276)
【Fターム(参考)】