説明

コーナーオーニング装置

【課題】 建築物の外回りのコーナー空間部を体裁良く覆うと共に、収納時には、コーナー位置の壁際部分へのコンパクトな収納を可能とすることにより、建築物のコーナー部分に対する装飾性や体裁性を飛躍的に高めると共に、コーナーオーニング装置としての技術的な興趣や有用性に富む、画期的で、斬新な製品を当業界へ提供する。
【解決手段】 コーナーキャンバスを巻き取ったり、巻き戻すキャンバス巻取り軸を、インナーシャフトと、当該インナーシャフトの軸線方向へ移動可能に支持したアウターローラとから形成する。コーナーキャンバスを巻き取ったり、巻き戻す際に、当該コーナーキャンバスの裾部を支持するフロントバーを、折り畳み自在な揺動アームにより、斜め前方へ平行に押し出したり、斜め後方へ引き込むように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種建築物や骨組み構造体等のコーナー部分を体裁良く覆うために使用するコーナーオーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可動式のオーニング装置は、建築物の外壁部分に軸受支持したキャンバス巻取り軸に、通常、壁際部分から前方へ向かって前傾状態に展開するキャンバスを、手動ハンドルや電動モータ等により巻き取ったり、巻き戻すキャンバス巻取り装置と、前記キャンバスの前端部を固定したフロントバーを、折り畳み自在な二つ折れ揺動アーム等により連結するキャンバス緊張装置とを組み合わせて構成され(例えば、下記の非特許文献1、2参照。以下、前者という)、その多くは、テラスや店舗外廻りの日除けや雨除けとして、或いは、建築物や店舗装飾の一環として施設され、種々の技術的な改良と熟成が図られている。
【0003】
そこで、前者のオーニング装置を建築物の外廻りにレイアウトするに当たり、建築物のコーナー部の平面形態が、図15(A)に示す直交状や、(B)に示す面取りした形態や、(C)に示す鈍角状や、(D)に示す鋭角状の各形態を呈する場合、当該建築物の正面壁W1や側面壁W2や斜壁W3のいずれかと平面的に直交する範囲の外周部分に、長短様々な矩形状のキャンバスP(以下、矩形キャンバスという)を展開して覆うことになる。
【0004】
他方、建築物のコーナー空間部を覆うため、従来、次の(a)〜(d)に示す構成を備えた可動オーニング装置が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照。以下、後者という)。
(a)、コーナー端部の固定ブラケットに、装置全体を組み込むオーニング支持枠を斜め前方へ張り出して支持し、ほぼ直角三角形状キャンバスの長辺を電動モータにより巻き取ったり、巻き戻す巻取りローラの2体を、オーニング支持枠の先後両端部に軸受支持する。
(b)、拡開方向へ付勢した折畳みアームの基端部をベースパイプの中間付近に取り付け、その先端部のアームホルダーに三角形キャンバスの頂部を取り付ける。
(c)、オーニング支持枠の先端部に化粧パネルを拡開自在に枢設し、当該化粧パネルの後方部の溝部に沿ってアームホルダーを摺動自在に支持する。
(d)、オーニング支持枠の先端寄りをワイヤロープで吊り上げて支持し、また、巻上げ機によりコーナー端部の後部上方へ引き上げて、装置全体を倒立状態に格納する。
【非特許文献1】「オーニング販売マニュアル」、日本オーニング協会、平成16年(2004)1月、p.9−11
【非特許文献2】「テクニカルマニュアル」(フランス製オーニング)[online]、株式会社ミヤハン、「2002年6月28日と2004年6月9日検索」、インターネット<URL:http://www.miyahan.co.jp/tecnicalm/index.html>
【特許文献1】実公平4−40336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前者のオーニング装置では、前記の範囲外となって建築物外周に取り残されるコーナー空間部、例えば、図15(A)に示す矩形状の空間部Z1や、(B)や(C)に示す鋭角状の空間部Z2や、(D)に示す鈍角状の空間部Z3を、体裁良く覆うことができない。
そこで、仮に、1体のキャンバス巻取り軸を正面壁W1のコーナー位置に取り付け、もう1体のキャンバス巻取り軸を上下に齟齬した上で、他方の側面壁W2や斜壁W3のコーナー端部から前方へ張り出せば、結果的には、図15(A)〜(C)に示すコーナー空間部Z1〜Z3を覆うことが可能となる。
【0006】
ところが、斯様な小手先の手法では、建築物外周のコーナー空間部に対する装飾性や体裁性を損なうことになる。
特に、各種建築物におけるコーナー部分は、多くの場合、2方向の歩車道に面していたり、交差点に面しており、不特定多数人の目に触れる位置にあり、店舗として、また、広告宣伝効果に優れる等、営業上の好条件を兼ね備えている場所でもある。
そのような目立つ場所に組み込まれるオーニング装置が、コーナー空間部Z1〜Z3が欠落した状態でしか装置化せざるを得ないことでは、或いは、前記のような小手先の手法でしか対処できないことでは、可動式オーニング装置としての技術的な興趣や有用性に欠ける。
【0007】
他方、後者のオーニング装置は、コーナー空間部に展開した三角キャンバスを、出隅部のコーナー端部で片持ち支持している為、コーナー端部に張り出した固定ブラケットに装置全体の負荷が集中する。また、オーニング支持枠をワイヤロープで吊り上げている為、キャンバス展開時における装置全体の左右揺動を惹き起こし易く、特に、風による影響を受け易い不安定なものである。その上、装置全体をワイヤロープで吊り上げ、コーナー端部に引き上げて鉛直に倒立格納する為、ワイヤロープの劣化切断の事態を考慮したとき頭上落下が懸念される。また、倒立格納により、装置全体の裏側がコーナー端部の前面に露呈することになり、格納時の体裁性を損なう。
【0008】
そこで、本発明では、前記した技術課題に止まらず、新規製品を提供する上で想定される種々の技術課題にも対処することのできる発明内容を盛り込んだコーナーオーニング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコーナーオーニング装置S1〜S6としては、請求項1に記載するように、コーナーキャンバスG1〜G4を巻き取ったり、巻き戻すキャンバス巻取り軸J1〜J13を、インナーシャフト12,12A、12Bと、当該インナーシャフト12,12A、12Bの軸線方向へ移動可能に支持したアウターローラ13とから形成し、前記コーナーキャンバスG1〜G4を巻き取ったり、巻き戻す際に、当該コーナーキャンバスG1〜G4の裾部を支持するフロントバー36,36Aを、折り畳み自在な揺動アーム44,45、N1,N2、T1,T2、V1,V2により、斜め前方へ平行に押し出したり、斜め後方へ引き込むように構成したことを特徴とする。
【0010】
言い換えれば、請求項2に記載するように、コーナーキャンバスG1〜G4と、それをインナーシャフト12,12A、12Bと、当該インナーシャフト12,12A、12Bの軸線方向へ移動可能に支持したアウターローラ13に巻き取ったり、巻き戻すキャンバス巻取り軸J1〜J13と、前記コーナーキャンバスG1〜G4を巻き取ったり、巻き戻す際に、当該コーナーキャンバスG1〜G4の裾部を支持するフロントバー36,36Aを、斜め前方へ平行に押し出したり、斜め後方へ引き込んで折り畳む揺動アーム44,45、N1,N2、T1,T2、V1,V2を備えてなるコーナーオーニング装置S1〜S6を提供する。
【発明の効果】
【0011】
これにより、各種建築物の外回りのコーナー空間部を含むコーナー部分を体裁良く覆うことができ、逆に、収納時には、コーナー位置の壁際部分へのコンパクトな収納に対処することができる。その結果、建築物のコーナー部分に対する装飾性や体裁性を飛躍的に高めると共に、コーナーオーニング装置としての技術的な興趣や有用性に富む、画期的で、斬新な製品を当業界へ提供することができる。
【0012】
その際、コーナーキャンバスG1〜G4を巻き取ったり、巻き戻す巻取り軸J1〜J13を、インナーシャフト12,12A,12Bと、当該インナーシャフト12,12A,12Bの軸線方向へ移動可能に支持したアウターローラ13とから形成する。
それが為、キャンバス巻取り軸J1〜J13を、建築物のコーナー部分から食み出すことなくコーナー位置に取り付けることができ、また、キャンバス巻取り軸J1〜J13の軸長からほぼ食み出すことなく、コーナーキャンバスG1〜G4を巻き取ることができる。
【0013】
本発明に取り付けるコーナーキャンバスG1〜G4を、矩形状のキャンバス本体部R1と、その一方に張り出したキャンバス張出部R2,R3とからなる、ほぼ直角台形状の展開形態とする。
言い換えれば、キャンバス頂辺1,1Aとキャンバス裾辺2,2Aを天地平行に形成し、その一方を裾拡がりのキャンバス斜辺3,5,5Aに形成し、その他方をほぼ鉛直なキャンバス垂辺4とするコーナーキャンバスG1〜G4を取り付ける。
【0014】
すると、図16(A)〜(D)に示すように、前記したコーナーキャンバスG1の2体を外壁W1〜W3のコーナー位置の一方と他方に、(A)のように直交状に突き合わせて展開したり、(B)のようにレイアウトして展開することができる。
また、建築物のコーナー部が鈍角状や鋭角状である場合には、(C)や(D)のように、それを鈍角状や鋭角状に突き合わせて展開することができる。
更には、図19(A)〜(C)に示すコーナーキャンバスG2〜G4の場合には、図20(A)〜(C)、(AA)〜(CC)のように展開することができる。
その結果、コーナー空間部Z1〜Z3を含む建築物外周のコーナー付近を体裁良く覆うことができる。
【0015】
尚、キャンバス生地の硬軟度合いや伸縮性、編成密度等の如何によっては、アウターローラ13とフロントバー36,36Aとの間に、連結ワイヤ34,35や連結ベルト87,88、87A,88A等の緊張部材を張設支持することが望ましい。
その場合には、キャンバス生地の如何を問わず、コーナーキャンバスG1〜G4の巻き取り時における歪みや面内変形を確実に防止し、アウターローラ13の軸線方向への移動を円滑にする。
【0016】
本発明の作用としては、コーナーキャンバスG1〜G4の巻き取り収納時には、揺動アーム44,45、N1,N2、T1,T2、V1,V2が後方に向けて回転することでフロントバー36,36Aを斜め後方へ平行移動し、それと同時にアウターローラ13が回転してキャンバス本体部R1を巻き取りながら、インナーシャフト12,12A、12Bに案内されて当該インナーシャフト12,12A,12Bの軸線方向の一方から他方へ後退移動し、当該アウターローラ13の後退移動により露呈したインナーシャフト12,12A、12Bにキャンバス張出部R2,R3を巻き取る。
【0017】
それとは逆に、コーナーキャンバスG1〜G4の巻き戻し展開時には、フロントバー36,36Aを揺動アーム44,45、N1,N2、T1,T2、V1,V2の回転により斜め前方に向けて平行に押し出し、キャンバス巻取り軸J1〜J13に巻き付けられたコーナーキャンバスG1〜G4を巻き戻しながら、アウターローラ13をインナーシャフト12,12A、12Bの軸線方向の他方から一方へ前進移動させることにより、キャンバス張出部R2,R3がコーナー空間部に展開する。
前記のように機能することにより、コーナーキャンバスG1〜G4の巻き取り収納と、コーナー部分への巻き戻し展開が、安定して円滑、確実に行われる。
【0018】
以下、コーナーオーニング装置の1体を、主に、建築物のコーナー位置に取り付ける場合の種々の従属発明を、以下の(p1)〜(p10)に列記する。
(p1)、揺動アーム44,45、T1,T2の一対を平行に支持し、その内、一方の揺動アーム44、T1の基端部を建築物のコーナー付近に取り付け、その先端部をフロントバー36の中間部付近に取り付け、他方の揺動アーム45、T2の基端部を、前記コーナー付近から適宜間隔を隔てた位置に取り付け、その先端部をフロントバー36の中間部付近から適宜間隔を隔てたもう一方の端部付近に取り付ける。
(p2)、揺動アームを、伸縮摺動自在な一対の平行な伸縮揺動アームT1,T2とし、伸縮自在に嵌挿支持した後部アーム62と前部アーム63とで構成する。
(p3)、前記したフロントバー36Aに、スライドレール65を移動自在に嵌挿支持し、当該スライドレール65に揺動アーム44,45の先端部を取り付ける。
(p4)、この場合、揺動アーム44,45の一対を平行に支持し、フロントバー36Aにスライドレール65を移動自在に嵌挿支持し、一方の揺動アーム44の基端部を建築物のコーナー付近に取り付け、その先端部を前記スライドレール65の中間部又は一方の端部付近に取り付け、他方の揺動アーム47の基端部を前記コーナー付近から適宜間隔を隔てた位置に取り付け、その先端部を前記スライドレール65の中間部又は一方の端部付近から適宜間隔を隔てたもう一方の端部付近に取り付ける。
【0019】
前記した(p1)〜(p4)の場合には、主に、コーナーオーニング装置S1の1体が図3や図4に示すようにコーナー付近に展開され、図10や図11に示すように巻き取り収納される。また、伸縮揺動アームT1,T2の場合には、図31に示すコーナーオーニング装置S3のように、また、フロントバー36Aにスライドレール65を組み込んだ場合には、図34に示すコーナーオーニング装置S4のように、それぞれコーナー付近の一方と他方に、或は、いずれか一方に体裁よく取り付けられ、コーナーキャンバスG1〜G4の展開と収納が円滑に行われる。
【0020】
(p5)、揺動アームが、2段階動作で平行回転する一対の2段階揺動アームN1,N2であって、当該揺動アームN1,N2を、折れ曲げ自在に連結した後部アーム59と前部アーム60とで形成し、当該揺動アームN1,N2の中間部を連接ロッド61で連結する。
(p6)、その際、一方の揺動アームN1の後部アーム59の基端部を、建築物のコーナー付近に取り付け、その前部アーム60の先端部をフロントバー36の中間部付近に取り付け、他方の揺動アームN2の後部アーム59の基端部を、前記コーナー位置から適宜間隔を隔てた位置に取り付け、その前部アーム60の先端部をフロントバー36の中間部付近から適宜間隔を隔てたもう一方の端部付近に取り付ける。
(p7)、前記の場合、後部アーム59が相対的に弱い弾力の付勢部材により回転し、前部アーム60が相対的に強い弾力の付勢部材により回転するように構成する。
(p8)、前記の場合、コーナーキャンバスG1をキャンバス巻取り軸J1〜J13に巻き取る際には、最初に、弱目の弾力で付勢した後部アーム59の一対が、その弾性付勢力に抗して後方へ平行回転することにより、フロントバー36を斜め後方へ平行移動させて当該後部アーム59を折り畳み、次いで、強目の弾力で付勢した前部アーム60の一対が、その弾性付勢力に抗して後方へ平行回転することにより、フロントバー36を更に斜め後方へ平行移動させ、2段階揺動アームN1,N2をほぼ直線状に引き伸ばして折り畳むように構成する。
(p9)、それとは逆に、キャンバス巻取り軸J1〜J13に巻き付けられたコーナーキャンバスG1〜G4を巻き戻す際には、最初に、強目の弾力で付勢した前部アーム60の一対を、その付勢力により前方の拡開方向へ所定の拡開角度まで平行回転することにより、フロントバー36を斜め前方へ平行移動しながら押し出し、次いで、弱目の弾力で付勢した後部アーム59の一対を、所定の拡開角度まで平行回転することにより、フロントバー36を更に斜め前方へ平行に押し出すように構成する。
(p10)、前記の場合、フロントバー36を押圧付勢する2段階揺動アームN1,N2の基端部と先端部を結ぶ角度が、大凡70〜80度程度の拡開角度に支持し、その内、前部アーム60が45〜50度程度を超えない揺動角度に、また、連接ロッド61と後部アーム59のなす揺動角度が120度程度を超えないように回転規制することが望ましい。
【0021】
前記した(p6)〜(p10)の構成により、2段階揺動アームN1,N2が図28(A)〜図29(E)や、図30(A)〜(E)のように2段階動作することで、コーナーキャンバスG1〜G4の展開と収納が円滑に行われる。
【0022】
また、本発明のコーナーオーニング装置S1〜S6と矩形キャンバスPのオーニング装置Qとの組み合わせに関する従属発明として、次の(q1)〜(q3)を提供する。
(q1)、コーナーオーニング装置S1〜S6に、矩形キャンバスPとそのキャンバス巻取り軸51を備えたオーニング装置Qを組み合わせるに、コーナーキャンバス巻取り軸J1〜J13の中間部付近からもう一方の端部付近にかけての下部位置又は上部位置に、矩形キャンバスPのキャンバス巻取り軸51の中間部付近から一方の端部寄りの部位をほぼ重ね合わせて取り付ける。
(q2)、キャンバス巻取り軸51に巻き取る矩形キャンバスPを、当該矩形キャンバス(P)の裏面を内側にし、その表面を外側にして巻き取ることで上巻きし、コーナーキャンバス巻取り軸J1〜J13に巻き取るコーナーキャンバスG1〜G4を、アウターローラ(13)に取り付けたコーナーキャンバス(G1〜G4)のキャンバス頂辺(1)の表面を内側にし、その裏面を外側にして下側から巻き付けることで下巻きする。
(q3)、キャンバス巻取り軸51に巻き取る矩形キャンバスPを、当該矩形キャンバス(P)の表面を内側にし、その裏面を外側にして下側から巻き取ることで下巻きし、コーナーキャンバス巻取り軸J1〜J13に巻き取るコーナーキャンバスG1〜G4を、アウターローラ(13)に取り付けたコーナーキャンバス(G1〜G4)のキャンバス頂辺(1)の裏面を内側にし、その表面を外側にして上側から巻き付けることで上巻きする。
前記した(q1)〜(q3)のように構成することにより、各種建築物のコーナー空間部を含む外回りが、図12〜図14や図33に示すように、恰も一体物のように統一的で、体裁性良く覆われる。
その際、特に、展開時におけるコーナーキャンバスG1〜G4と矩形キャンバスPとの境界部分での段差が極力目立たないように配慮している。
【0023】
次に、コーナーオーニング装置S1〜S6の2体を、主に、建築物のコーナー位置の一方と他方に向かい合わせて取り付け、そのコーナー空間部を含む外回りを覆う場合の種々の従属発明を、以下の(r1)〜(r15)に列記する。
(r1)、コーナーオーニング装置S1〜S6の2体を、建築物のコーナー位置の一方と他方に向かい合わせて取り付け、それぞれのコーナーキャンバス巻取り軸J1〜J13のアウターローラ13とフロントバー36,36Aとの間には、図7(A)に示すような直角台形状、或は、図19(A)〜(C)に示すような展開形態のコーナーキャンバスG1〜G4を取り付ける。
これにより、コーナー空間部を含む建築物外回りのコーナー付近の一方と他方が、図1と図2、図12と図13、図15(A)、(C)に示すように体裁良く覆われる。
【0024】
(r2)、その際、図19(A)〜(C)に示すような展開形態のコーナーキャンバスG2〜G4を取り付けた場合には、アウターローラ13に固定したキャンバス頂辺1Aの一方の端部と、フロントバー36に固定したキャンバス裾辺2,2Aの一方の端部を結ぶ線から外側に食み出した部分の垂れ下がりを防ぐため、向かい合わせたコーナーキャンバスG2〜G4のキャンバス斜辺5,5A部分の下端部寄りの適所を伸縮具10で連結する。
この場合には、コーナー空間部を含む建築物外回りの一方と他方が、図20(A)〜(C)、(AA)〜(CC)に示すように体裁良く覆われる。
【0025】
(r3)、伸縮揺動アームT1,T2の一対を備えてなるコーナーオーニング装置S3の2体を、建築物のコーナー位置の一方と他方に向かい合わせて取り付け、それぞれのコーナーキャンバス巻取り軸J1〜J13のアウターローラ13とフロントバー36,36Aとの間にコーナーキャンバスG1〜G4を取り付け、向かい合わせたフロントバー36を突き合わせて固定するか、連結具67で固定する。
(r4)、この場合、コーナーキャンバスG1を、それぞれのキャンバス巻取り軸J1〜J13を連動して巻き取る際には、それぞれの伸縮揺動アームT1,T2が、その弾性付勢力に抗して後方へ向かって平行回転すると共に、当該揺動アームT1,T2の後部アーム62と前部アーム63が相対的に伸縮移動しながら後方回転し、それと同時に、連結一体化した一方と他方のフロントバー36を斜め後方の壁際部分へ向かって平行移動する。
(r5)、それとは逆に、キャンバス巻取り軸J1〜J13を連動して巻き戻し回転すると、それぞれの伸縮揺動アームT1,T2が、その弾性付勢力により斜め前方の拡開方向へ伸縮移動しながら回転し、連結一体化したフロントバー36を斜め前方へ平行移動しながら押し出すように構成する。
前記した(r3)〜(r5)の構成や作用により、コーナー空間部を含む建築物外回りの一方と他方が、図32(A)に示すように体裁良く覆われたり、コーナー寄りの壁際部分等へのコンパクトな収納に供される。
【0026】
(r6)、フロントバー36Aにスライドレール65を移動自在に嵌挿支持し、当該スライドレール65の中間部又は一方の端部ともう一方の端部に、揺動アーム44,45の先端部を取り付けてなるコーナーオーニング装置S4であって、当該オーニング装置S4の2体を、建築物のコーナー位置の一方と他方に向かい合わせて対称的に取り付け、それぞれのコーナーキャンバス巻取り軸J1〜J13のアウターローラ13とフロントバー36,36Aとの間にコーナーキャンバスG1〜G4を取り付け、向かい合わせたフロントバー36Aの突き合わせて固定するか、連結具67で固定する。
(r7)、この場合、キャンバス巻取り軸J1〜J13を連動してコーナーキャンバスG1を巻き取る際には、一方と他方の揺動アーム44,45の一対が、その弾性付勢力に抗して後方へ向かって回転し、フロントバー36Aに対してスライドレール65が一旦、フロントバー36Aの一方から他方へ後退移動した上で、フロントバー36Aの他方から一方へ前進移動し、それと同時に、連結一体化したフロントバー36Aをコーナー部分へ引き寄せて壁面格納する。
(r8)、それとは逆に、キャンバス巻取り軸J1〜J5を連動して巻き戻す際には、一方と他方の揺動アーム44,45の一対が、その弾性付勢力により斜め前方の拡開方向へ平行回転し、フロントバー36Aを斜め前方のコーナー空間部に向けて平行移動しながら押し出すことにより、コーナーキャンバスG1〜G4をコーナー空間部に展開させる。
(r9)、その際、フロントバー36Aに、案内ローラ66を備えたスライドレール65を移動自在に嵌挿支持する。
(r10)、フロントバー36Aの枠内部には案内ローラ66の案内溝361を形成し、スライドレール65に突設したレール突条651に案内ローラ66を軸受支持する。
前記した(r6)〜(r10)の構成により、コーナー空間部を含む建築物の外回りが、図36に示すように体裁良く覆われたり、壁際部分へのコンパクトな収納に供される。
【0027】
(r11)、揺動アームが、屈伸作動する二つ折れ揺動アームV1,V2であって、当該揺動アームV1,V2を、二つ折れ自在に連結した後部アーム59と前部アーム60とで形成し、当該揺動アームV1,V2の二つ折れ連結部に連接ロッド61を差し渡して連結する。
(r12)、その際、一方の揺動アームV1の後部アーム59の基端部を建築物のコーナー付近に取り付け、その前部アーム60の前端部をフロントバー36の一方の端部寄りに取り付け、他方の揺動アームV2の後部アーム59の基端部を、前記コーナー位置から適宜間隔を隔てた位置に取り付け、その前部アーム60の前端部をフロントバー36の中間部寄りの位置に取り付けてなるコーナーオーニング装置S5であって、当該オーニング装置S5の2体を建築物のコーナー位置に向かい合わせて取り付け、それぞれのコーナーキャンバス巻取り軸J1〜J13のアウターローラ13とフロントバー36,36Aとの間にコーナーキャンバスG1〜G4を取り付け、向かい合わせたフロントバー36を突き合わせて固定するか、連結具67で固定する。
(r13)、この場合、キャンバス巻取り軸J1〜J13を連動してコーナーキャンバスG1を巻き取る際には、それぞれの二つ折れ揺動アームV1,V2が、その拡開付勢力に抗して斜め後方へ向かって二つ折れしながら後方回転し、それと同時に、連結一体化したフロントバー36を、コーナー空間部を等分する線と平行な後方へ向けて直線的に後退移動しながら、それぞれの正面壁W1と側面壁W2に向かって平行移動し、やがて二つ折れ揺動アームV1,V2が壁際部分に折り畳まれ、それと同時に一体化したフロントバー36をコーナー部分へ引き寄せて壁面格納する。
(r14)、それとは逆に、キャンバス巻取り軸J1〜J4を連動してコーナーキャンバスG1を巻き取り回転すると、それぞれの二つ折れ揺動アームV1,V2が、その弾性付勢力により前方の拡開方向へ回転し、連結一体化したフロントバー36を斜め前方ヘ向かって平行移動しながら押し出すことにより、コーナーキャンバスG1がコーナー空間部に展開する。
前記(r11)〜(r14)のように、一方と他方の二つ折れ揺動アームV1,V2が、蛙跳び風に屈伸作動するため、顕著な機能上の興趣を発揮すると共に、コーナー空間部を含む建築物の外回りが、図37(A)、(C)、図38(A)、(C)に示すように体裁良く覆われたり、壁際部分へのコンパクトな収納に供される。
【0028】
(r16)、前記したコーナーオーニング装置S3〜S5の場合、向かい合わせて連結したフロントバー36,36Aに、コーナー化粧パネル67Aを取り付けることができる。
それにより、図33に示すように展開時のみならず、収納時における店舗広告や看板機能を効果的に発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明に係る可動式のコーナーオーニング装置S1〜S6は、コーナーキャンバスG1〜G4を巻き取ったり、巻き戻すキャンバス巻取り装置M1、M2と、当該キャンバスG1〜G4を展開して緊張支持するキャンバス緊張装置K1〜K6を有機的に組み合わせることにより構成される。
その内、図1〜図4、図10〜図14、図20、図28〜図34、図36〜図38に示す第1実施例〜第5実施例までのオーニング装置S1〜S5は、キャンバス巻取り装置M1に手動や電動の駆動装置を構成し、キャンバス緊張装置K1〜K5を従動側とする場合の実施形態としている。
また、図42と図43に示す第6実施例のオーニング装置S6は、それらとは逆に、キャンバス緊張装置K6に手動や電動の駆動装置を構成し、キャンバス巻取り装置M2を従動側としている。
【コーナーオーニング装置の第1実施例について】
【0030】
そこで、第1例のキャンバス巻取り装置M1と第1例のキャンバス緊張装置K1とからなる第1実施例のオーニング装置S1を、図1〜図14に示す添付図面に基づいて順次説明する。
【キャンバス巻取り装置とその巻取り軸の第1例について】
【0031】
先ず、キャンバス巻取り装置M1を説明するに先立って、その主要部を構成する図5と図8と図9に示す第1例のキャンバス巻取り軸J1を説明する。
11はコーナーキャンバスG1を巻取り収納するケーシングであって、その内部にキャンバス巻取り軸J1が組み込まれ、各種建築物や骨組構造体等(以下、建築物という)のコーナー付近の外壁W1〜W3にほぼ水平状態に直接取り付けるか、適宜の支持ブラケット(図示せず)を介して外壁W1〜W3に間接的に固定するか、或いは、後記する各種揺動アームの基端部のブラケットに設置固定する。
キャンバス巻取り軸J1は、中空状のインナー回転軸12と、当該回転軸12の軸線方向へ摺動回転自在に嵌挿支持した円筒状のアウターローラ13とからなる。
14はケーシング11の前面に開口形成したキャンバス引出口、15,16はケーシング11の先後両端部に嵌め込んだエンドキャップであって、その内部に軸受部151,161を突設している。171、172はインナー回転軸12の外周面を4等分する軸線方向に平行に形成した案内溝と案内突条、18,19はインナー回転軸12の先後両端部に嵌め込んだエンドキャップであって、そのキャップ本体部をインナー回転軸12の内周面とほぼ同形に形成し、キャップ蓋部に貫通固定した支軸181,191を、前記軸受部151,161に回転自在に嵌め込んでいる。
【0032】
20はエンドキャップ18の支軸181に嵌合固定したウォーム歯車、21はウォーム歯車20と噛み合うウォームであって、そのウォーム回転軸22をエンドキャップ18に鉛直に軸受支持し、その下端部にフック23を形成している。
24,25はアウターローラ13の先後両端部に嵌め込んだ中空状のエンドキャップであって、そのキャップ本体部の内周面に、案内突起261と案内溝262が平行に形成され、インナー回転軸12の案内溝171と案内突条172に摺動自在に嵌め込まれる。
これにより、インナー回転軸12とアウターローラ13が一体的に回転すると共に、アウターローラ13がインナー回転軸12に摺動案内されて後退移動したり、前進移動する。
27はアウターローラ13の底部に、その軸線方向に形成した嵌合溝、271,272は嵌合溝27の先後位置に直交して形成した係合孔である。
尚、前記の実施例において、エンドキャップ15,16それ自体を、キャンバス巻取り軸J1の軸受用エンドブラケットとして、外壁W1〜W3から張り出して取り付けた場合には、ケーシング11の必要性が任意なものとなる。
【コーナーキャンバスについて】
【0033】
ここで、第1例のコーナーキャンバスG1の構成を、図7に示すように平面的に展開した形態に基づいて説明する。
コーナーキャンバスG1は、布製や合成樹脂製等のテント生地により、その展開形状をほぼ直角台形状の平面形態に形成され、矩形状のキャンバス本体部R1と、その一方に張り出した直角三角形状のキャンバス張出部R2とからなる。
その外形形状としては、キャンバス上縁部の頂辺1(以下、キャンバス頂辺という)とキャンバス下縁部の裾辺2(以下、キャンバス裾辺という)を天地平行に形成し、キャンバス裾辺2の先端部からキャンバス頂辺1の先端部にかけて傾斜角度45度程度の斜辺3(以下、キャンバス斜辺という)を裾拡がりに形成し、また、キャンバス裾辺2の後端部からキャンバス頂辺1の後端部に向けて鉛直な垂辺4(以下、キャンバス垂辺という)を形成している。
尚、キャンバス斜辺3の傾斜角度は、原則的には45度程度を基準とするものの、それ以上の例えば60度程度としたり、場合によっては、図19(C)のような75度程度とすることもできる。
【0034】
28,29はキャンバス頂辺1とキャンバス裾辺2に形成した袋状の通路であって、その内部にワイヤ30,31やチューブ、ロープ等の固定部材を挿通する。
32,33はキャンバス本体部R1の四隅部を斜めに結ぶ対角線上に形成した袋状の交差通路であって、その内部に連結ワイヤ34,35や連結ベルト、ロープ等の緊張部材を貫挿し、そのワイヤ先端部の係合片341,351を、図7(C)に示すように、交差通路32,33の表面引出口321,331から上方へ引き出し、ワイヤ末端部とその留め具342,352を、交差通路32,33の裏面引出口322,332から下方へ引き出す。
そこで、コーナーキャンバスG1をキャンバス巻取り軸J1に取り付けるには、先ず、表面引出口321,331から引き出した連結ワイヤ34,35の先端部の係合片341,351を、図8や図9(A)に示すように、アウターローラ13の係合孔271,272に嵌め込んで係合する。次いで、ワイヤ30を挿通したキャンバス頂辺1を、アウターローラ13の嵌合溝27に嵌め込んで固定する。
【0035】
36はキャンバス裾辺2を固定するフロントバーであって、その枠上部と枠前面の上部位置に嵌合溝37,38を長手方向へ形成している。39,40はフロントバー36上部の中間部付近と後端部に穿設した係合孔である。
そこで、裏面引出口322,332から引き出した連結ワイヤ34,35の末端部を、図8や図9(A)に示すように、係合孔39,40に挿通し、引き出したコーナーキャンバスG1を適度な緊張状態に張設したところで、留め具342,352をビス固定する。
次いで、ワイヤ31を挿通したキャンバス裾片2を、フロントバー36の嵌合溝37を嵌め込んで固定する。
41はフロントバー36に垂下形成した化粧スカートであって、その上縁部に形成した袋状の通路42に、ワイヤ43を挿通した上で、嵌合溝38に嵌め込むことで固定する。
これにより、コーナーキャンバスG1のキャンバス巻取り装置M1が構成される。
【キャンバス緊張装置の第1例について】
【0036】
次に、第1例のキャンバス緊張装置K1を説明する。
44,45は平行な一対の揺動アームであって、フロントバー36を斜め前方のコーナー空間部へ向けて平行に押し出すように回転自在に付勢支持され、そのアーム基端部をピン枢支するブラケット46,47を、キャンバス巻取り軸J1の先端部で建築物のコーナー寄り位置と、その中間部付近でケーシング11の底部位置の外壁W1〜W3に固定するか、或いは、壁際部分の先後方向に差し渡した支持バー(図示せず)に固定する。
48,49は揺動アーム44,45の先端部をピン枢支するブラケットであって、フロントバー36の中間部付近と後端部の背面位置に、前記ブラケット46,47と同じ間隔を隔てて固定している。
そして、揺動アーム44,45の基端部と先端部のいずれか一方又は両方の枢軸部分には、適度なバネ弾性を有するスプリング(図示せず)が組み込まれ、その弾性付勢力により揺動アーム44,45の一対が拡開方向へ平行回転し、フロントバー36を斜め前方のコーナー空間部に向けて平行に押し出す。
それとは逆に、コーナーキャンバスG1を巻き取る際には、揺動アーム44,45の一対が、その弾性付勢力に抗して従動回転することで、フロントバー36を斜め後方の壁際部分へ向けて平行移動しながら引き込む。
【0037】
尚、揺動アーム44,45は、その2体が同期して同一方向へ回転するように、適度な間隔を隔てて平行に取り付けているが、その際、揺動アーム44,45の間隔が、そのアーム長さより短い場合には、図12と図14に示す揺動アーム44,45のように、それぞれのアーム基端部寄りの位置を屈折形成することが望ましい。
この屈折部441,451が、揺動アーム44,45に対する壁際部分でのコンパクトな収納を可能とする。
【コーナーオーニング装置の作用について】
【0038】
先ず、コーナーキャンバスG1をキャンバス巻取り軸J1に巻き取るには、フック23に操作ハンドル(図示せず)を係合して手動により回転操作する。
すると、歯車20,21の噛み合いを介してインナー回転軸12とアウターローラ13が一体的に回転し、アウトローラ13に固定したキャンバス頂辺1の表面を内側にし、裏面を外側にして下側から巻き付ける。即ち、図10(B)、(C)や図11(B)、(C)に示すようにコーナーキャンバスG1を下巻きする。
他方、揺動アーム44,45は、その弾性付勢力に抗して後方へ向けて従動回転し、フロントバー36を斜め後方へ平行移動する。
それと同時に、キャンバス緊張装置K1の緊張力がキャンバスG1を介してアウターローラ13に作用し、また、連結ワイヤ34,35による引張力がアウターローラ13に作用し、それらの作用がアウターローラ13に対する後方への摺動力に変換される。
それにより、アウターローラ13がインナー回転軸12の軸線方向へ後退移動する。
すると、図10(A)〜(C)や図11(A)〜(C)に示すように、キャンバス本体部R1がアウターローラ13に徐々に巻き取られ、キャンバス張出部R2が、アウターローラ13の後退移動に伴って露呈するインナー回転軸12の外周部分に巻き取られる。
従って、コーナーキャンバスG1は、図10(D)や図11(D)に示すように、キャンバス巻取り軸J1の軸長からほぼ食み出すことなく巻き取られ、また、揺動アーム44,45は、壁際部分に倒伏状態に畳み込まれ、フロントバー36と重ね合わされてコンパクトに収納される。
【0039】
前記の場合、連結ワイヤ34,35は、フロントバー36とアウターローラ13を交差連結し、フロントバー36の斜め後方への移動を受けてアウターローラ13を後退摺動すべく引張力が作用する。
その為、コーナーキャンバスG1を巻き取る際に、キャンバス本体部R1を歪ませたり、面内変形を引き起こすことが防止され、コーナーキャンバスG1の円滑で、規則的な巻取りを可能とする。
この点、連結ワイヤ34,35で交差連結しない場合には、キャンバス生地の硬軟度合いや伸縮性、編成密度等の影響を受けることで、キャンバス本体部R1が歪んだり、面内変形を惹き起こし易くなる。
その結果、コーナーキャンバスG1の巻取りを不規則としたり、アウターローラ13に対する円滑な後退移動が損なわれる等の弊害が想定される。
【0040】
次に、前記とは逆に、キャンバス巻取り軸J1に巻き取られたコーナーキャンバスG1を、建築物外周のコーナー空間部に向けて展開する場合には、操作ハンドルを前記とは逆方向へ回転操作する。
すると、壁際部分に畳み込まれた2体の揺動アーム44,45の弾性付勢力が解放され、その押圧付勢力で揺動アーム44,45が拡開方向へ付勢回転し、フロントバー36を斜め前方のコーナー空間部へ向けて平行移動して押し出す。
それと同時に、インナー回転軸12とアウターローラ13が一体的に逆回転し、キャンバス巻取り軸J1に巻き取られたコーナーキャンバスG1を巻き戻しながら、また、フロントバー36に対して作用する揺動アーム44,45の弾性付勢力と、キャンバスG1の緊張力、並びに、巻き戻される連結ワイヤ34,35の引張力により、アウターローラ13に対する前進方向への摺動力が作用し、当該アウトローラ13をインナー回転軸12に沿って前進移動させながら逆回転する。
【0041】
斯様に、揺動アーム44,45の弾性付勢力によるフロントバー36の斜め前方への押し出しと、インナー回転軸12とアウターローラ13の一体的な逆回転と、アウターローラ13の前進移動により、コーナーキャンバスG1が斜め前方のコーナー空間部へ円滑に押し出される。
従って、2体のコーナーオーニング装置S1を、図1や図2に示すように、正面壁W1のコーナー位置と側面壁W2のコーナー位置に直交状に突き合わせて取り付け、それぞれのキャンバス巻取り軸J1に巻き取られたコーナーキャンバスG1を巻き戻し作動する。
それにより、2体のコーナーキャンバスG1が斜め前方へ引き出され、向かい合わせた状態に展開されることにより、コーナー空間部Z1〜Z3を含む建築物の外回りが体裁良く覆われる。
【0042】
尚、前記の場合は、インナー回転軸12を手動で回転操作したが、図5と図8と図9(B)に示す回転軸22を電動モータ(図示せず)により正逆回転したり、或いは、ウォーム歯車20に代えて平歯車を取り付け、当該平歯車に駆動歯車を噛み合わせ、当該駆動歯車を電動モータ(図示せず)により正逆回転させることもできる。
【従来構造のオーニング装置との組み合わせについて】
【0043】
ところで、本発明に係るオーニング装置S1の後半部には、図12〜図14に示すように、矩形キャンバスPを展開したり、巻き取る従来構造のオーニング装置Qが組み合わされる。
同図において、51はケーシング52に内蔵したキャンバス巻取り軸であって、矩形キャンバスPの基端部が取り付けられ、そのキャンバス引出口はケーシング52の上部位置に開口している。53はキャンバスPの前端部を固定するフロントバー、L1,L2は一対の二つ折れ揺動アームであって、スプリングやワイヤ等により二つ折れ揺動アームL1,L2を押し広げる方向へ弾性付勢している。
従来構造のオーニング装置Qは、そのケーシング52の先端寄りの部位を、本発明に係るオーニング装置S1のケーシング11の後半底部位置にほぼ重ね合わせて取り付け、二つ折れ揺動アームL1,L2の基端部を外壁W1〜W3、その他に左右の間隔を隔てて固定する。
そこで、手動ハンドルや電動モータにより、キャンバス巻取り軸51を巻き取り回転すると、当該巻取り軸51に矩形キャンバスPの裏側を内側にし、表面側を外側にして巻き取ることで上巻きすると共に、二つ折れ揺動アームL1,L2がその弾性付勢力に抗して二つ折れされて内側へ折り畳まれ、フロントバー53を壁際部分へ向けて平行移動することで収納される。
斯様に、本発明のコーナーオーニング装置S1と、従来構造のオーニング装置Qとを組み合わせてレイアウトすることにより、各種建築物のコーナー空間部を含む外廻りが、恰も一体物のように統一的に体裁性良く覆われる。
【0044】
前記の場合には、コーナーキャンバスG1を下巻きし、矩形キャンバスPを上巻きすることで、展開時における両キャンバスG1、Pの境界部分での段差が目立たないように配慮しているが、それとは逆に、オーニング装置Qのケーシング52と、本発明のオーニング装置S1のケーシング11との重ね合わせ状態を上下変更し、コーナーキャンバスG1を上巻きし、矩形キャンバスPを下巻きするように組み合わせることもできる。
【キャンバス巻取り軸の第2例について】
【0045】
次に、インナー回転軸12を電気的に駆動する第2例のキャンバス巻取り軸J2の構成を、図17(A)、(B)により説明する。
同図において、54はインナー回転軸12の後方部に挿通してなる円柱状の電動モータであって、その先端部にモータ出力軸541を、後端部に固定用軸部542をそれぞれ突設している。55はインナー回転軸12に嵌挿する凹凸面を備えた軸受ソケットであって、その軸孔551にモータ出力軸541が嵌合する。
19Cはインナー回転軸12の後端部に嵌挿するエンドキャップであって、そのキャップ本体部の円形孔194に電動モータ54の本体後部位置を軸受支持する。
そこで、モータ出力軸541に軸受ソケット55を嵌合固定した上で、電動モータ54をインナー回転軸12の後部位置に挿通し、他方、電動モータ54の本体後部位置にエンドキャップ19Cを挿通した上で、当該キャップ19Cをインナー回転軸12の後端部に嵌め込み、電動モータ54の軸部542をエンドキャップ16の軸受部161に嵌合固定する。これにより、インナー回転軸12の内部に電動モータ54が組み込まれる。
従って、電動モータ54を駆動すると、その出力軸541と軸受ソケット55とインナー回転軸12が一体的に正逆回転し、これによりコーナーキャンバスG1の巻き取りと巻き戻し作業を自動化、省力化する。
前記の場合には、電動装置をインナー回転軸12の後方部に組み込んだが、当該回転軸12の先端寄りの位置に組み込むこともできる。
【オーニング装置の連動装置について】
【0046】
前記の場合、建築物のコーナー位置に2体のコーナーオーニング装置S1を向かい合わせ、それぞれのキャンバス巻取り軸J1、J2を手動回転したり、電動回転する場合について説明したが、それを連動させるには、図18(A)、(B)に示すような手動装置を組み込んで対処することになる。
同図において、57は直角に曲成したコーナーキャップであって、その内部を軸受部571により間仕切り形成し、コーナーキャップ57の一方と他方に、キャンバス巻取り軸J1を組み込んでなるケーシング11を嵌め込むと共に、直交状に突き合わせたインナー回転軸12の支軸181を軸受部571にそれぞれ支持する。
軸受部571の背面後部位置には、フック23を備えた回転軸22を鉛直に軸受支持し、当該回転軸22の上部位置に嵌め込んだウォーム21と、一方と他方のインナー回転軸12の支軸181に嵌合したウォーム歯車20をそれぞれ噛み合わせる。
これにより、正面壁W1と側面壁W2に向かい合わせた2体のキャンバス巻取り軸J1が連動して正逆回転し、それぞれのコーナーキャンバスG1の巻き取り、巻き戻しが連動して行われる。
【0047】
尚、図18(A)、(B)には、2体のキャンバス巻取り軸J1を、建築物のコーナー位置に直交状に突き合わせる場合で図示したが、コーナーキャップ57の曲げ角度を、鈍角状や鋭角状のキャップ形態に成形すれば、建築物のコーナー部分が、図16(C)、(D)に示す鈍角状や鋭角状のいずれの場合にも同様に対応することができる。
また、前記した連動用の回転軸22を電動モータ(図示せず)により正逆回転することもできる。
無論、図17(A)、(B)のような電動装置を、インナー回転軸12に内蔵したキャンバス巻取り軸J2とする場合には、それを電気的に同期させることで、コーナー位置に取り付けた2体のコーナーオーニング装置S1を連動させることができるから、図18(A)、(B)に示すような手動又は電動の連動装置を組み込む必要はない。
【コーナーキャンバスの変形例について】
【0048】
ところで、前記したキャンバス緊張装置K1の場合には、コーナーキャンバスG1の巻き取り時における作動の円滑性と、アウターローラ13の後退移動時の円滑性等を考慮したとき、揺動アーム44,45の拡開角度が、実用的には、最大75度〜80度程度を限界としている。
その為、コーナーキャンバスG1の斜め前方への張り出し長さが、揺動アーム44,45の拡開角度に制約を受け、その結果、向かい合わせて展開した一方と他方のキャンバス相互の間に20cm前後の隙間が形成される。
そこで、揺動アーム44,45の拡開角度を変えないで、相対向するキャンバス斜辺の間隙を極力狭めるため、図19(A)〜(C)に示すような3態様のコーナーキャンバスG2〜G4を提供する。
その内、図(A)のキャンバスG2の場合は、アウターローラ13の最先端位置を基準に、想像線で示す第1例のキャンバスG1のキャンバス斜辺3と平行なキャンバス斜辺5を形成し、他方、キャンバス裾辺2の先端部からキャンバス垂辺6を鉛直に立ち上げ、両辺5、6が交わる鈍角状山部に連結用通孔7を穿設している。
それに併せて、増長したキャンバス本体部R1に交差通孔32,33をX字状に交差形成し、また、キャンバス裾辺2の先端部を鉛直に切り落とした縦向き台形状のキャンバス張出部R3に形成している。
また、図(B)のキャンバスG3の場合は、前記と同様にキャンバス斜辺5を形成し、キャンバス裾辺2の先端部から斜め上方に向かうキャンバス斜辺8を形成し、両辺5、8のなす角度をほぼ直角に形成し、その両辺が交わる直角山部に連結用通孔7を穿設している。
【0049】
従って、図19(A)と(B)に示すキャンバスG2、G3の場合には、アウターローラ13に固定したキャンバス頂辺1Aの先端部と、フロントバー36に固定したキャンバス裾辺2の先端部とを結ぶ線から外側に食み出した部分が、キャンバス展開時やキャンバス巻取り時に、格別に拘束しなければ下方へ垂れ下がることになる。
そこで、図18(A)、(B)に示すように、正面壁W1と側面壁W2のコーナー部分に取り付けた2体のキャンバス巻取り軸J1を連動自在に構成した上で、向かい合わせた2体のキャンバスG2、G3のキャンバス張出部R3の通孔7相互間を、ゴム紐やコイルスプリング等の伸縮具10により連結する。
これにより、図20(A)、(AA)、(B)、(BB)に示すように、前記した食み出し部分が伸縮具10により相互に引っ張られ、揺動アーム44,45の弾性付勢力により、キャンバス本体部R1とキャンバス張出部R3を緊張状態に維持したまま、それぞれのキャンバス巻取り軸J1への巻き取りや巻き戻しが連動して行われる。
その結果、コーナーキャンバスG1の場合に比して、対向するキャンバス斜辺5相互間の隙間をより一段と狭めることができる。
【0050】
また、図19(C)のキャンバスG4の場合は、図(A)や図(B)の場合と異なり、フロントバー36の長さを相対的に短くし、当該フロントバー36に固定したキャンバス裾辺2Aの先端部と、アウターローラ13に固定したキャンバス頂辺1Aの先端部を結ぶ斜辺をキャンバス山折れ線9に形成する。
また、キャンバス頂辺1Aの先端部へ向かって傾斜角度50度程度のキャンバス斜辺5Aと、キャンバス裾辺2Aの先端部から斜め上方に向かうキャンバス斜辺8Aのなす角度をほぼ直角に形成し、この相対向する直角山部を伸縮具10で連結する。
すると、コーナーキャンバスG4が巻き戻される際には、キャンバス山折れ線9から徐々に山折れされながら展開される。
それとは逆に、キャンバス張出部R3をキャンバス巻取り軸J1のインナー回転軸12に巻き取る際には、山折れされた基端部寄りを引き上げてキャンバス本体部R1と面一の展開面に緊張しながら巻き取られる。
これにより、図20(C)、(CC)のように、キャンバス山折れ線9から比較的急勾配に山折れして緊張支持され、相対向するキャンバス斜辺5A相互間の間隙幅を狭めると共に、展開時におけるコーナー空間部の体裁性を良くする。
【キャンバス巻取り軸の第3例について】
【0051】
次に、図21(A)、(B)に示す第3例のキャンバス巻取り軸J3を説明する。
このキャンバス巻取り軸J3は、第1例や第2例のキャンバス巻取り軸J1、J2の場合と異なり、キャンバスG1〜G4を巻き取り収納するケーシング11を必須構成とする場合であって、軸長をケーシング11の1/2〜2/3程度とするインナー回転軸12Aの先端部をエンドキャップ15に片持ち支持し、当該インナー回転軸12Aにアウターローラ13を摺動案内自在に嵌挿支持している。
58はアウターローラ13の後端部に固定したスライド軸受であって、当該スライド軸受58がケーシング11の内壁面に案内されて前後方向へ摺動する。
そこで、キャンバスG1〜G4を巻き取る際には、インナー回転軸12Aとアウターローラ13を一体的に回転させ、揺動アーム44,45をその弾性付勢力に抗して円弧状に後方回転すると共に、キャンバスG1〜G4の緊張力や連結ワイヤ34,35の引張力により、アウターローラ13をケーシング11の後方へ後退移動しながら巻き取る。
逆に、キャンバスG1〜G4を展開する場合には、揺動アーム44,45の弾性付勢力によりフロントバー36を斜め前方へ押し出すと共に、インナー回転軸12Aと一体的に逆回転するアウターローラ13を、ケーシング11の先端部へ向けて前進移動し、キャンバス巻取り軸J3に巻き取られたキャンバスG1〜G4が引き出される。
【キャンバス張出部の密着巻き付け防止装置について】
【0052】
次の第4例と第5例のキャンバス巻取り軸J4、J5や、後記するキャンバス巻取り軸J11〜J13は、アウターローラ13の後退移動によって露呈するインナー回転軸12,12Aに、キャンバス張出部R2,R3を巻き付ける際の密着巻き付けを防止し、アウターローラ13の円滑な後退移動を確保するための構成に関する。
【キャンバス巻取り軸の第4例について】
【0053】
先ず、図22〜図24に示す第4例のキャンバス巻取り軸J4を説明する。
50は適度な伸縮性と弾力性を備えた合成樹脂製のスライドロープであって、その4本程度をインナー回転軸12の軸線方向に組み込んでいる。
18A,19Aはインナー回転軸12の先後両端部に嵌合するエンドキャップであって、そのキャップ本体部から蓋部にかけての外周位置の4箇所には、それぞれのスライドロープ50をU字状に回曲して外側へ折り返すロープ通路182,192を形成している。
24A,25Aはアウターローラ13の先後両端部に嵌合するエンドキャップであって、その内側部に形成した案内突条261にロープ挿通孔263を形成し、また、キャップ本体部には、嵌合溝27内面の案内突条273が係合する案内溝264を形成している。
【0054】
スライドロープ50をキャンバス巻取り軸J4に組み付けるには、それをインナー回転軸12の案内突条172の裏面に沿って軸線方向へ挿通した上で、先後位置に嵌合したエンドキャップ18A,19Aのロープ通路182,192の一方から外側へ一旦引き出し、外側へ折り返した上でインナー回転軸12の先後位置の案内溝171に沿って引き出す。更に、そのロープ端部をアウターローラ13のエンドキャップ24A,25Aの通孔263から引き出し、ロープ両端部にクリップ501,502を嵌め込んで抜け止め固定する。
その他のスライドロープ50も同様に組み込み、それによりキャンバス巻取り軸J4の軸線方向の内外に4本のスライドロープ50が掛け渡される。
そこで、アウトローラ13が後退移動すると、それに連動して、先端部のスライドロープ50がインナー回転軸12の案内溝171に沿って引き出され、後端部に露呈したスライドロープ50は、インナー回転軸12の内部に引き込まれる。
これにより、アウターローラ13の後退移動によって露呈するインナー回転軸12に巻き取られるキャンバス張出部R2,R3が、軸線方向に上半部が露出することで、外径が嵩上げされたスライドロープ50の外周面に間接的に巻き取られる。
その為、キャンバス張出部R2,R3を巻き付ける際の密着巻き付けを惹き起こさないから、アウターローラ13の円滑な進退移動を確保する。
また、アウターローラ13の後退移動に連動して、スライドロープ50がインナー回転軸12の内部から引き出される為、スライドロープ50の外周に巻き取られるキャンバス張出部R2,R3に対する擦れも防止する。
【キャンバス巻取り軸の第5例について】
【0055】
次に、図25〜図27に示す第5例のキャンバス巻取り軸J5を説明する。
56は適度な弾力性と伸縮性を備えた合成樹脂製のスライドベルトであって、その4本程度をインナー回転軸12の軸線方向に組み込んでいる。
18B,19Bはインナー回転軸12の先後両端部に嵌合するエンドキャップであって、そのキャップ本体部から蓋部にかけての外周位置の4等分位置に、それぞれのスライドベルト56をU字状に回曲して折り返すベルト通路183,193を形成している。
24B,25Bはアウターローラ13の先後両端部に嵌合するエンドキャップであって、そのキャップ鍔部の4等分位置を切り欠き形成すると共に、キャップ本体部の表面軸方向には、スライドベルト56を引き込むベルト通路265を形成している。
そこで、スライドベルト56をインナー回転軸12の案内突条172の内側面に沿って、その軸線方向に挿通した上で、エンドキャップ18B,19Bのベルト通路183,193の内側から外側へ一旦引き出して折り返した上で、ベルト通路265に沿って引き込み、そのベルト両端部をクリップ561,562により抜け止め固定する。
その他のスライドベルト56も同様に組み込み、それにより、キャンバス巻取り軸J5の内外に4本のスライドベルト56が掛け渡される。
アウターローラ13が後退移動すると、それに連動して、スライドベルト56がインナー回転軸12の案内突条172に沿って軸表面に引き出され、当該スライドベルト56にキャンバス張出部R2,R3が間接的に巻き付けられる。
それにより、アウターローラ3の円滑な進退移動を確保すると共に、キャンバス張出部R2,R3に対する擦れが防止される。
【0056】
尚、前記したキャンバス巻取り軸J4、J5を電動化するには、図17(A)、(B)に示す電動モータ54と軸受ソケット55とエンドキャップ19C等の構成部材を、図23(C)や図26(C)のようにインナー回転軸12の内部に組み込むか、或いは、ケーシング11の一方のエンドキャップ15、16に電動モータ(図示せず)を組み込むことにより、インナー回転軸12を電動化することになる。
【コーナーオーニング装置の第2実施例について】
【0057】
次に、図28(A)〜(C)と図29(D)、(F)の斜視図と、図30(A)〜(F)の平面図に示す第2実施例のコーナーオーニング装置S2を説明する。
このオーニング装置S2は、2段階動作で円弧回転する一対の平行な2段階揺動アームN1,N2を備えた第2例のキャンバス緊張装置K2と、前記したキャンバス巻取り軸J1〜J5のいずれか、或いは、後記するキャンバス巻取り軸J6〜J8のいずれかを備えたキャンバス巻取り装置M1とからなる。
2段階揺動アームN1,N2は、折れ曲げ自在に連結した後部アーム59と前部アーム60とからなり、当該揺動アームN1,N2の中間部を連接ロッド61で連結し、アーム前端部をフロントバー36のブラケット48,49に枢設している。
2段階揺動アームN1,N2の基端部のブラケット46,47部分、即ち、後部アーム59の基端部には、相対的に弱いバネ弾力のものを組み込み、また、後部アーム59と前部アーム60の折れ曲げ連結部には、相対的に強いバネ弾力のものを組み込む。
【0058】
そこで、図28(A)や図30(A)に示すように展開したコーナーキャンバスG1を、キャンバス巻取り軸J1〜J5に巻き取る際には、最初に、弱目のバネ弾力で付勢した後部アーム59の一対が、その弾性付勢力に抗して後方へ円弧状に従動回転し始め、フロントバー36を斜め後方へ平行移動しながら、後部アーム59を図28(A)〜(C)や図30(A)〜(C)に示す揺動過程を経て壁際部分に折り畳む。
更に、キャンバス巻取り軸J1〜J5を巻き取り回転すると、次に、強目のバネ弾力で付勢した前部アーム60の一対が、その弾性付勢力に抗してフロントバー36を斜め後方へ平行移動しながら、前部アーム60を図29(C)〜(E)や図30(C)〜(E)に示す揺動過程を経て壁際部分に折り畳む。
それとは逆に、キャンバス巻取り軸J1〜J5を巻き戻す際には、最初に、強目のバネ弾力で付勢した前部アーム60の一対が、その付勢力により前方の拡開方向へ円弧状に回転し、フロントバー36を斜め前方に向けて平行移動しながら押し出す。
前部アーム60が図28(C)や図30(C)に示すような拡開角度まで揺動すると、次に、弱目のバネ弾力で付勢した後部アーム59の一対が前方へ回転し、図28(A)や図30(A)に示すような拡開角度まで揺動することで、フロントバー36を更に斜め前方へ向けて平行移動しながら押し出す。
これにより、コーナーキャンバスG1がコーナー空間部に展開して覆われる。
従って、2段階揺動アームN1,N2と、その連接ロッド61とからなるリンク機構により、フロントバー36を斜め前方のコーナー空間部に向けて2段階で展開作動する場合には、第1例のキャンバス緊張装置K1に組み込んだ揺動アーム44,45の場合に比して、より一段と斜め前方までフロントバー36を押し出すことを可能とする。
【0059】
前記の場合、フロントバー36を押圧付勢する2段階揺動アームN1,N2の基端部と前端部を結ぶ角度が、図30(A)に図示するような、実用上、大凡70〜80度程度の拡開角度に調整され、その内、前部アーム60が45〜50度程度を超えない揺動角度、連接ロッド61と後部アーム59のなす揺動角度が120度程度を超えないように、必要に応じて適宜のストッパー(図示せず)により回転規制している。
また、第2実施例のオーニング装置S2の2体を、一方の正面壁W1と他方の側面壁W2のコーナー位置に向かい合わせ、それぞれのキャンバス巻取り軸J1〜J5を図18(A)、(B)に示すような連動構造に構成し、また、第1例のコーナーキャンバスG1に代えて、図19(A)〜(C)に示すような第2例〜第4例のコーナーキャンバスG2〜G4を伸縮具10で連結した上で、一方と他方のキャンバス巻取り装置M1を連動することで、コーナーキャンバスG2〜G4を展開したり、巻き取り収納することもできる。
【コーナーオーニング装置の第3実施例について】
【0060】
次に、図31(A)、(B)の斜視図と、図32(A)〜(C)の平面図に示す第3実施例のコーナーオーニング装置S3を説明する。
このオーニング装置S3は、伸縮摺動自在な一対の平行な伸縮揺動アームT1,T2を備えた第3例のキャンバス緊張装置K3と、前記したキャンバス巻取り軸J1〜J5のいずれか、或いは、後記するキャンバス巻取り軸J6〜J8のいずれかを備えたキャンバス巻取り装置M1とからなり、その2体を正面壁W1のコーナー位置と側面壁W2のコーナー位置に直交状に向かい合わせて取り付ける。
その際、一方と他方のキャンバス巻取り軸J1〜J5は、その突き合わせ部を図18に示すような連動構造に構成し、また、一方と他方のフロントバー36の先端部を直交状に突き合わせて固定するか、或いは、図34に示すような連結具67により固定する。
伸縮揺動アームT1,T2は、後部アーム62の先端部を前部アーム63に摺動自在に嵌挿し、内部に組み込んだコイルスプリング64やゴム弾性体等により伸縮自在に構成され、前部アーム63の前端部をそれぞれのフロントバー36のブラケット48,49に枢設している。
そして、この揺動アームT1,T2の基端部のブラケット46,47部分には、第1例や第2例のキャンバス緊張装置K1、K2の場合と同様に、伸縮揺動アームT1,T2を拡開方向へ押圧付勢するスプリング(図示せず)を組み込んでいる。
【0061】
図32(A)に示すように、一方と他方に展開したコーナーキャンバスG1を、それぞれのキャンバス巻取り軸J1〜J5を連動させて巻き取る際には、それぞれの伸縮揺動アームT1,T2が、その弾性付勢力に抗して後方へ向かって従動回転し、キャンバス巻取り軸J1〜J5への巻き取りが開始され、それと同時に、一方と他方のフロントバー36を後退移動しながら、それぞれの正面壁W1と側面壁W2に向かって平行移動する。
ところが、一方と他方のフロントバー36は、その先端部を連結一体化している為、一方と他方の伸縮揺動アームT1,T2は、後方へ円弧状に従動回転しながら、後部アーム62と前部アーム63が相対的に摺動することで伸縮しながら後方回転し、やがて図32(C)に示すように壁際部分に倒伏状態に畳み込まれ、それと同時に一体化したフロントバー36をコーナー部分へ引き寄せて壁面格納する。
それとは逆に、図32(C)に示すように、一方と他方のキャンバス巻取り軸J1〜J5を連動して巻き戻し回転すると、それぞれの伸縮揺動アームT1,T2が、その弾性付勢力により斜め前方の拡開方向へ伸縮しながら回転し、連結一体化したフロントバー36を斜め前方へ平行移動しながら直線的に押し出すことにより、コーナーキャンバスG1がコーナー部分に展開される。
このように、キャンバス緊張装置K3の伸縮揺動アームT1,T2を回転自在に付勢支持すると共に、そのアーム長さを伸縮可変自在とすることにより、連結一体化したフロントバー36に、図33に示すような直交状のコーナー化粧パネル67Aを取り付け、それに店舗広告や看板機能を持たせることができる。
【コーナーオーニング装置の第4実施例について】
【0062】
次に、図33〜図36に示す第4実施例のコーナーオーニング装置S4を説明する。
65は案内ローラ66を備えたスライドレールであって、図35に示すように、枠内部に案内ローラ66の案内溝361を形成したフロントバー36Aに、摺動自在に嵌挿支持している。そして、スライドレール65の中間部寄りの位置と後端位置にブラケット48,49をそれぞれ固定し、当該ブラケット48,49に揺動アーム44,45の前端部を枢設している。
案内ローラ66は、スライドレール65の前面中央位置に突設したレール突条651に、間隔を隔てて軸受支持され、フロントバー36Aの背面上下位置に形成した係合鍔部362により抜け止め支持している。
従って、このオーニング装置S4は、揺動アーム44,45の前端部を、フロントバー36Aに嵌挿したスライドレール65に取り付けた第4例のキャンバス緊張装置K4と、前記したキャンバス巻取り軸J1〜J5のいずれか、或いは、後記するキャンバス巻取り軸J6〜J8のいずれかを備えたキャンバス巻取り装置M1とからなり、その2体を正面壁W1のコーナー位置と側面壁W2のコーナー位置に直交状に向かい合わせて構成する。
その際、一方と他方のキャンバス巻取り軸J1〜J5は、その突き合わせ部を図18に示すような連動構造に構成し、また、一方と他方のフロントバー36Aの先端部を直交状に突き合わせて固定するか、連結具67により固定一体化する。
そして、揺動アーム44,45の基端部のブラケット46,47部分には、第1例〜第3例の緊張装置K1〜K3の場合と同様に、揺動アーム44,45を拡開方向へ押圧付勢するスプリング(図示せず)を組み込んでいる。
【0063】
図34に示すように、一方と他方に展開したコーナーキャンバスG1を、それぞれのキャンバス巻取り軸J1〜J5を連動させて巻き取る際には、それぞれの揺動アーム44,45が、その拡開付勢力に抗して後方へ向かって円弧状に従動回転し、キャンバス巻取り軸J1〜J5への巻き取りが開始され、同時に一方と他方のフロントバー36を後退移動しながら、それぞれの正面壁W1と側面壁W2に向かって平行移動させる。
ところが、一方と他方のフロントバー36Aを、その先端部で連結一体化している為、一方と他方の揺動アーム44,45は、後方へ円弧状に回転しながら、図36の中間過程に示すように、フロントバー36Aに対してスライドレール65を一旦後方へ摺動した上で、前進摺動することで後方回転し、やがて壁際部分に倒伏状態に畳み込まれ、それと同時に一体化したフロントバー36Aをコーナー部分へ引き寄せて壁面格納する。
それとは逆に、一方と他方のキャンバス巻取り軸J1〜J5を連動して巻き戻し回転すると、それぞれの揺動アーム44,45が、その弾性付勢力により斜め前方の拡開方向へ円弧状に回転し、一体化したフロントバー36Aを斜め前方のコーナー空間部に向けて平行移動しながら直線的に押し出すことにより、コーナーキャンバスG1をコーナー部分に展開させる。
尚、前記の場合、揺動アーム44の先端部のブラケット48を、図34の分離状態に示すように、フロントバー36Aの長さより若干短いスライドレール65の中間部付近に取り付けているが、その長さが半分程度であれば、その短い長さのスライドレール65の先端部寄りの位置に前記ブラケット48が取り付けられる。
【コーナーオーニング装置の第5実施例について】
【0064】
次に、図37(A)〜(C)の斜視図と、図38(A)〜(C)の平面図に示す第5実施例のコーナーオーニング装置S5を説明する。
このオーニング装置S5は、蛙跳び風に屈伸作動する二つ折れ揺動アームV1,V2を備えた第5例のキャンバス緊張装置K5と、前記したキャンバス巻取り軸J1〜J5のいずれか、或いは、後記するキャンバス巻取り軸J6〜J8を備えたキャンバス巻取り装置M1が組み合わせられ、その2体を正面壁W1のコーナー位置と側面壁W2のコーナー位置に直交状に向かい合わせて構成する。
その際、一方と他方のキャンバス巻取り軸J1〜J5は、その突き合わせ部を図18に示すような連動構造に構成し、また、一方と他方のフロントバー36の先端部を直交状に突き合わせて固定するか、或いは、図34に示す連結具67により固定する。
二つ折れ揺動アームV1,V2は、二つ折れ自在に連結した後部アーム59と前部アーム60とからなり、当該揺動アームV1,V2の二つ折れ連結部に連接ロッド61を差し渡して連結し、その内、コーナー寄り位置の二つ折れ揺動アームV1の前端部を、フロントバー36の先端部寄りの位置に固定したブラケット48に枢設し、また、他方の後部寄り位置の二つ折れ揺動アームV2の前端部を、フロントバー36の中間部寄りの位置に固定したブラケット49に枢設している。
そして、二つ折れ揺動アームV1,V2の基端部のブラケット46,47部分、即ち、後部アーム59の基端部には、それを拡開方向へ押圧付勢するスプリング(図示せず)が組み込まれ、また、後部アーム59と前部アーム60の二つ折れ連結部には、当該両アーム59、60を拡開方向へ押圧付勢するスプリング(図示せず)が組み込まれる。
【0065】
図37(A)や図38(A)に示すように、一方と他方に展開したコーナーキャンバスG1を、それぞれのキャンバス巻取り軸J1〜J5を連動させて巻き取る際には、それぞれの二つ折れ揺動アームV1,V2が、その拡開付勢力に抗して斜め後方へ向かって二つ折れしながら後方回転し、それと同時に、連結一体化したフロントバー36を、コーナー部分を2等分する線と平行な後方へ向けて直線的に後退移動しながら、それぞれの正面壁W1と側面壁W2に向かって平行移動する。
やがて壁際部分に倒伏状態に畳み込まれ、それと同時に一体化したフロントバー36をコーナー部分へ引き寄せて壁面格納する。
それとは逆に、一方と他方のキャンバス巻取り軸J1〜J4を連動して巻き戻し回転すると、それぞれの二つ折れ揺動アームV1,V2が、その弾性付勢力により前方の拡開方向へ回転し、一体化したフロントバー36を斜め前方ヘ向かって平行移動しながら直線的に押し出すことにより、コーナーキャンバスG1がコーナー空間部に展開される。
【キャンバス巻取り軸の第6例について】
【0066】
図39図(A)、(B)に示す第6例のキャンバス巻取り軸J6を説明する。
この巻取り軸J6は、インナー回転軸12と一体的に回転するアウターローラ13を、ラック機構により軸方向へ進退移動するように構成している。
91はエンドキャップ25の後端部に嵌め込んだウォーム歯車、92はケーシング11後部の内壁面に形成した帯板状のウォームラックであって、当該ラック92にウォーム歯車91を噛み合わせている。
従って、インナー回転軸12とアウターローラ13が手動装置により一体回転すると、ウォーム歯車91とウォームラック92の噛み合いを介してアウターローラ13が回転しながらその軸線方向へ進退移動し、それと同時に、アウターローラ13をキャンバス緊張装置K1〜K5の緊張力と、連結ワイヤ34,35の引張力により、インナー回転軸12に摺動案内されながら後退移動したり、前進移動する。
それにより、アウターローラ13にキャンバス本体部R1が、また、アウターローラ13の後退移動により露呈したインナー回転軸12にキャンバス張出部R2,R3が巻き取られる。
【0067】
尚、キャンバス巻取り軸J6にコーナーキャンバスG1が巻き取られたり、巻き戻されることにより、その巻取り径が変動し、巻取り軸J6の周速度が徐々に速くなったり、遅くなることから、それとの連動状態を確保するため、ウォームラック92のラック間隔を後方へ向かうに従い徐々に広げることが好ましい。
また、前記の場合には、アウターローラ13がラック機構により確実に進退移動させることができるから、連結ワイヤ34,35を不要とすることができる。
前記以外の構成については、第1例のキャンバス巻取り軸J1と同様に図示しているが、第2例〜第5例のキャンバス巻取り軸J2〜J5のいずれかに前記のようなラック構造を組み込むこともできる。
【キャンバス巻取り軸の第7例について】
【0068】
図40図(A)、(B)に示す第7例のキャンバス巻取り軸J7を説明する。
この巻取り軸J7は、アウターローラ13を摺動回転自在に支持するインナー固定軸12Bと、アウターローラ13それ自体を正逆回転する電動装置(手動装置でも可)とから構成している。
この点、第1例〜第6例のキャンバス巻取り軸J1〜J6では、インナー回転軸12,12Aを手動又は電動装置により正逆回転することで、インナー回転軸12とアウターローラ13を一体的に回転しているが、第7例のキャンバス巻取り軸J7では、アウターローラ13それ自体を正逆回転する駆動装置を組み込んでいる。
その為、インナーシャフトを回転させる必要性がなくなり、アウターローラ13を摺動案内でき、その回転を可能とするインナーシャフトであればよく、そのシャフト自体の回転の是非を問わないことになる。それらを考慮した上で、ここでは、インナー回転軸12,12Aに対する用語として、インナー固定軸12Bを採択している。
【0069】
16Aはケーシング11の後端部に嵌め込んだエンドキャップを兼ねた駆動装置の収納ケースであって、エンドキャップ15の軸受部152と収納ケース16Aに突設した軸受部162に、インナー固定軸12Bの先後両端部を嵌合固定している。
収納ケース16Aには、電動モータ(図示せず)を内蔵しており、その出力軸に駆動歯車68を嵌め込んでいる。
24C,25Cはアウターローラ13の先後両端部に嵌め込んだ中空状のエンドキャップであって、その内、エンドキャップ25Cの後端部に平歯車69を嵌合固定している。
70は歯車回転軸701に嵌合固定した3体程度の棒状平歯車(以下、棒歯車という)、71はケーシング11の背面天井位置の角隅部に固定した軸受ナットであって、その偏芯角部の通孔711に歯車回転軸701を貫通すると共に、軸受ナット71の間に3体の棒歯車70を回転可能に軸受支持している。
そして、アウターローラ13に嵌め込んだ平歯車69を棒歯車70に噛み合わせ、また、棒歯車70の後端部を駆動歯車68に噛み合わせる。
そこで、電動モータにより駆動歯車68が駆動し、棒歯車70と平歯車69の噛み合いを介してアウターローラ13を回転させ、それと同時に、当該アウターローラ13がキャンバス緊張装置K1〜K5の弾性付勢力やキャンバスG1の緊張力と、連結ワイヤ34,35の引張力により、インナー固定軸12Bに摺動案内されながら後退移動したり、前進移動する。
それにより、アウターローラ13にキャンバス本体部R1が、また、アウターローラ13の後退移動により露呈したインナー固定軸12Bにキャンバス張出部R2,R3が巻き取られる。
【キャンバス巻取り軸の第8例について】
【0070】
図41図(A)、(B)に示す第8例のキャンバス巻取り軸J8を説明する。
この巻取り軸J8は、第7例のキャンバス巻取り軸J7に、アウターローラ13をラック機構により軸線方向へ進退移動させる場合である。
93はインナー固定軸12Bの軸方向に間隔を隔てて突設したラックであって、エンドキャップ25Cの内周面に形成した雌ネジ252と噛み合わせている。
従って、電動モータが駆動し、棒歯車70と平歯車69の噛み合いを介してアウターローラ13が回転すると同時に、エンドキャップ25Cの雌ネジ252が、インナー固定軸12Bのラック93と噛み合うことで、その上、更に、キャンバス緊張装置K1〜K5の弾性付勢力やキャンバスG1の緊張力と、連結ワイヤ34,35の引張力により、アウターローラ13がインナー固定軸12Bに摺動案内されて後退移動したり、前進移動する。
それにより、アウターローラ13にキャンバス本体部R1が、また、アウターローラ13の後退移動により露呈したインナー固定軸12Bにキャンバス張出部R2,R3が巻き取られる。
【0071】
前記の場合には、インナー固定軸12Bの軸線方向に、雌ネジ252と噛み合うラック93を形成したが、それに代えて、インナー固定軸12Bの外周面に螺旋状のネジ(図示せず)、即ち、雄ネジを形成し、両者のネジの噛み合いによりアウターローラ13を進退移動させることもできる。
また、前記雌ネジ252に代えて係合突起(図示せず)をエンドキャップ25Cの内部に形成し、当該係合突起と前記雄ネジとを噛み合い係合させることもできる。
尚、前記した第7例と第8例のキャンバス巻取り軸J7、J8の場合、収納ケース16Aの内部に、駆動歯車68や棒歯車70の後端部を直接駆動する手動の駆動装置を組み込むこともできる。
同様に、キャンバス巻取り軸J7、J8に、第4例や第5例のキャンバス巻取り軸J4、J5に示すスライドロープ50やスライドベルト56を組み込めば、それらの場合と同様に、キャンバス張出部R1、R2の巻き取り時の密着巻き付けを防止し、アウターローラ13の円滑な後退移動を損なうこともない。
【コーナーオーニング装置の第6実施例について】
【0072】
次に、図42〜図45に示す第6実施例のコーナーオーニング装置S6を説明する。
これは、第6例のキャンバス緊張装置K6に揺動アーム44,45の駆動装置を組み込み、キャンバス巻取り装置M2の主要部を構成する第9例のキャンバス巻取り軸J9を従動側とする場合である。
そこで、図44に示す揺動アーム44,45の駆動装置を説明する。
46A,47Aは揺動アーム44,45の基端部に枢設したブラケット、72はブラケット46A,47Aを結ぶ線上の正面壁W1に取り付けた中間ブラケット、73は揺動アーム44,45の基端部に差し渡した回転軸であって、その左右両端位置に嵌挿したウォーム741,742と、中間部に嵌挿した傘歯車751を、それぞれのブラケット46A,47A、72の横軸受部461,471、721の間に嵌め込むと共に、当該横軸受部を貫通した回転軸73に嵌挿固定している。
761,762は揺動アーム44,45の支軸442、452の下端部に固定したウォーム歯車であって、ブラケット46A,47Aの縦軸受部462,472に枢設され、前記ウォーム741,742と噛み合い係合する。
752は傘歯車751と噛み合う傘歯車であって、中間ブラケット72の縦軸受部722に嵌挿した回転軸22の上端部に嵌合固定され、また、回転軸22の下端部にフック23を形成している。
従って、フック23に操作ハンドルを引っ掛けて正逆回転することにより、揺動アーム44,45が連動して平行回転する。
【キャンバス巻取り軸の第9例について】
【0073】
次に、図45に示す従動側のキャンバス巻取り軸J9を説明する。
77はインナー回転軸12内部の後半位置に挿通したコイルスプリング、78は円盤状のバネ止めソケットであって、その偏芯位置に明けた通孔782にコイルスプリング77の先端部771を、また、その後端部772をエンドキャップ19の偏芯位置に明けた通孔192にそれぞれ嵌挿支持する。
79はコイルスプリング77を貫挿支持する固定軸であって、エンドキャップ19の中央通孔190からコイルスプリング77にかけて貫通し、その軸先端部791をバネ止めソケット78の中央通孔781に、また、軸後端部792をエンドキャップ16の軸受部161の中央通孔にそれぞれ嵌合固定している。
従って、アウターローラ13を介してインナー回転軸12が回転すると、当該回転軸12のエンドキャップ19を介してコイルスプリング77が徐々に圧縮され、当該コイルスプリング77に弾性エネルギーが蓄積されたり、或いは、蓄積された弾性エネルギーが放出される。
具体的には、キャンバス巻取り軸J9へのキャンバスG1〜G4の巻き上げが完了した時点で、若干の予圧を残して弾性エネルギーが放出される。
それとは逆に、キャンバスG1〜G4が展開されるに伴って、コイルスプリング77に弾性エネルギーが徐々に蓄積され、展開完了時に最大の弾性付勢力が蓄積される。
【第6実施例のオーニング装置の作用について】
【0074】
そこで、図42と図43に示すように、展開したコーナーキャンバスG1〜G4をキャンバス巻取り軸J9に巻き取るには、手動装置のフック23に操作ハンドル(図示せず)を係合して回転すると、傘歯車752、751の噛み合いを介して回転軸73が回転し、それと同時に、両端部のウォーム741,742とウォーム歯車761,762の噛み合いを介して、揺動アーム44,45が後方に向けて円弧状に回転し、フロントバー36を斜め後方へ向けて平行移動させる。
その際、フロントバー36には、展開したコーナーキャンバスG1〜G4を巻き取るに必要充分な弾性エネルギーによる緊張力が働いている。
その為、展開したキャンバスG1〜G4に対する揺動アーム44,45による拘束力が弱まると同時に、展開完了時に最大の弾性エネルギーを蓄積しているコイルスプリング77の弾性付勢力が放出される。
それにより、インナー回転軸12とアウターローラ13が一体的に従動回転し、アウトローラ13に固定したキャンバス頂辺1,1Aを巻き付ける。
このようにして、駆動側の揺動アーム44,45を後方へ向けて回転し、フロントバー36を斜め後方へ向けて平行に移動させると同時に、連結ワイヤ34,35の引張力をアウターローラ13に対する後方への摺動力に変換することにより、アウターローラ13をインナー回転軸12の軸線方向へ後退移動させる。
これにより、キャンバス本体部R1がアウターローラ13に巻き取られ、また、キャンバス張出部R2,R3が、アウターローラ13の後退移動に伴って露呈するインナー回転軸12に巻き取られる。
【0075】
それとは逆に、キャンバス巻取り軸J9に巻き取られたキャンバスG1〜G4を、建築物のコーナー空間部に向けて展開する場合には、前記とは逆方向へ操作ハンドルを回転すると、壁際部分に畳み込まれた2体の揺動アーム44,45は、その拡開方向へ円弧状に回転し、アーム前端部に取り付けたフロントバー36を、斜め前方のコーナー空間部へ向けて平行に押し出す。
それに伴って、インナー回転軸12とアウターローラ13が一体的に逆回転し、キャンバス巻取り軸J1に巻き取られたコーナーキャンバスG1を巻き戻しながら、コイルスプリング77を圧縮させることで弾性エネルギーを蓄積する。
また、フロントバー36に対して作用する揺動アーム44,45の回転力や、巻き戻される連結ワイヤ34,35の引張力により、アウターローラ13に対する前進方向への摺動力が作用し、当該アウトローラ13をインナー回転軸12に沿って前進移動させながら逆回転する。
斯様に、揺動アーム44,45の回転力によるフロントバー36の斜め前方への押し出しと、インナー回転軸12とアウターローラ13の一体的な逆回転と、アウターローラ13の前進移動により、コーナーキャンバスGが斜め前方のコーナー空間部へ向けて押し出される。
【キャンバス巻取り軸の第10例について】
【0076】
次に、図46に示す第10例の従動側のキャンバス巻取り軸J10を説明する。
25Cはアウターローラ13の後端部に嵌合固定したエンドキャップであって、その後端部にパイプシャフト81を後方に向けて突設している。
82はパイプシャフト81に嵌め込んだ蓋板、83は板バネを渦巻き状に捲回した渦巻きスプリングであって、パイプシャフト81に嵌挿支持され、その内側部のバネ端部831をパイプシャフト81の切り込みスリット811に嵌め込んでいる。
84はアウターローラ13の後端部に固定したスライドケースであって、渦巻きスプリング83の収納ケースとしてパイプシャフト81に嵌め込まれ、ケーシング11の内側面に摺動案内されて進退移動する。842はスライドケース84の角隅部に突設した係止部であって、渦巻きスプリング83の外側部のバネ端部832を係止固定する。
85はパイプシャフト81の後端部に嵌め込んだ抜け止めワッシャであって、パイプシャフト81に順次、嵌め込んだ蓋板82、渦巻きスプリング83、スライドケース84を抜け止め支持する。241,251はインナー固定軸12Bの貫通孔、821は蓋板82の通孔、841はスライドケース84の端部通孔である。
従って、インナー固定軸12Bに摺動案内自在に嵌挿支持したアウターローラ13が回転すると、当該アウターローラ13のエンドキャップ25Cを介して渦巻きスプリング83が徐々に圧縮され、当該スプリング83に弾性エネルギーが蓄積されたり、或いは、蓄積された弾性エネルギーが放出される。
具体的には、キャンバス巻取り軸J10へのキャンバスG1〜G4の巻き取りが完了した時点で、若干の予圧を残して弾性エネルギーが放出される。
それとは逆に、キャンバスG1〜G4が展開されるに伴って、渦巻きスプリング83に弾性エネルギーが徐々に蓄積され、展開完了時に最大の弾性付勢力が蓄積される。
【0077】
尚、図40や図41に示すキャンバス巻取り軸J7、J8を、従動側とする場合には、同図に示す駆動歯車68を不要とし、収納ケース16Aの内部に渦巻きスプリング(図示せず)を、図46(B)に示すように組み込み、アウターローラ13を介して棒歯車70を従動回転させることで、前記渦巻きスプリングに弾性エネルギーを蓄積したり、放出することで、コーナーキャンバスG1〜G4の巻き取りや巻き戻しに対処することもできる。
【キャンバス巻取り軸の第11例について】
【0078】
先ず、第11例のキャンバス巻取り軸J11を示す図47において、56Aはゴム製の伸縮ベルト(ロープでも可)であって、その4本程度をインナー回転軸12の外表面とアウターローラ13の内周面の間に組み込んでいる。
そこで、伸縮ベルト56Aをインナー回転軸12の外表面の案内突条172と、アウターローラ13の内周面との間を軸線方向に挿通し、その先後両端部をエンドキャップ24B,25Bのベルト通路265に沿って引き出し、その内、ベルト先端部を先端部のエンドキャップ18Bのベルト通路183を外側から内側へ折り返した上で、当該エンドキャップ18Bの内側位置でクリップ561により抜け止め固定する。
また、ベルト後端部をエンドキャップ25Bのベルト通路265から引き出した上で、クリップ562により抜け止め固定する。
その他の伸縮ベルト56Aも同様に組み込み、それにより、インナー回転軸12の軸線方向に4本の伸縮ベルト56Aを掛け渡す。
そこで、アウターローラ13が後退移動すると、それに連動して、伸縮ベルト56Aがインナー回転軸12の案内突条172に沿って引き伸ばされて露呈し、その外周部にキャンバス張出部R2,R3が間接的に巻き付けられる。
それにより、アウターローラ13の円滑な進退移動を確保すると共に、キャンバス張出部R2,R3に対する擦れが防止される。
尚、伸縮ベルト56Aに代えて伸縮ロープを、図22〜図24に示すキャンバス巻取り軸J4に、前記のように組み付けることもできる。
【キャンバス巻取り軸の第12例について】
【0079】
次に、第12例のキャンバス巻取り軸J12を示す図48(A)、(B)において、90はインナー回転軸12,12Aやインナー固定軸12Bの先端部に巻き付けたコイルスプリングであって、キャンバス展開時には、図(A)に示すように前進移動したアウターローラ13の先端寄りの部位に圧縮状態に収容している。
コーナーキャンバスG1〜G4の巻き取り時には、アウターローラ13の後退移動に連れて、前記コイルスプリング90がインナーシャフト12,12A、12Bの外周面に引き伸ばされて露呈し、その外周面にキャンバス張出部R2,R3が間接的に巻き取られる。
これにより、アウターローラ13の進退移動が損なわれないようにしている。
【キャンバス巻取り軸の第13例について】
【0080】
次に、第13例のキャンバス巻取り軸J13を示す図49において、94はインナー回転軸12,12Aやインナー固定軸12Bの前半部分の外周面に貼り付けたシート磁石、95はコーナーキャンバスG1〜G4のキャンバス斜辺3,5,5A寄りの端縁部に固定したシート磁石である。また、アウターローラ13は、非磁性体製としている。
そこで、アウターローラ13の後退移動によって露呈するインナーシャフト12,12A、12Bの外周面に、キャンバス張出部R2,R3が巻き付けられる際に、キャンバス斜辺3,5,5Aが磁力反発して磁気浮上することで、その密着巻き付けが防止され、アウターローラ13の円滑な移動を確保する。
前記の場合、アウターローラ13の内周面にシート磁石を固定し、インナーシャフト12,12A、12Bの外周面の全長に亘ってシート磁石94を固定することもできる。
その場合には、インナーシャフト12,12A、12Bに対してアウターローラ13が磁気浮上した状態で支持され、当該アウターローラ13の進退移動時における摺動抵抗を無くするか、大幅に軽減することになり、アウターローラ13の進退移動を格段に円滑なものとする。
【コーナーキャンバスの他の変形例について】
【0081】
最後に、コーナーキャンバスG1〜G4の若干の変形例を追記する。
図50(A)〜(C)において、86はキャンバス斜辺3,5,5A寄りの表面側に固定した縁取りシートであって、その膜厚を頂部側からキャンバス裾辺2,2Aにかけて連続的に徐々に厚く形成している。
そこで、アウターローラ13の後退移動によって露呈したインナー回転軸12,12Aやインナー固定軸12Bの外周部に、キャンバス張出部R2,R3がロール状に巻き付られると、前記シート86の部分が、図(C)の断面図に示すように螺旋状の嵩上げ状態に巻き付けられる。
それにより、キャンバス張出部R2,R3が、インナー回転軸12,12Aやインナー固定軸12Bの外周面に、密着状態に巻き付けられることが防止され、螺旋状に巻き付けられた縁取りシート86によるスペーサー機能が発揮され、アウターローラ13の円滑な移動を確保する。
尚、前記の場合、縁取りシート86の膜厚を徐々に厚く形成したが、一巻き毎や二巻き毎に、段階的に厚みを増すようにすることもできる。
【0082】
図51において、89はバネ弾性のある帯板状の骨材であって、キャンバス本体部R1からキャンバス張出部R2,R3にかけて横縞状に蜜間隔に並べてキャンバス内部に縫着固定するか、或いは、横縞状に形成した袋通路の内部に挿し込まれる。
従って、骨材89を組み込んだキャンバスG1〜G4が、アウターローラ13に巻き付ければ、それより小径のインナーシャフト12,12A、12Bと、キャンバス張出部R2,R3の外周面との間に、若干の隙間を隔てて巻き付けられる。
その為、アウターローラ13の円滑な移動を確保すると共に、キャンバス張出部R2,R3に対する擦れを防止する。
【0083】
図52(A)、(B)において、87,88はキャンバス本体部R1の四隅部を斜めに結ぶ対角線上に縫着固定した連結ベルトであって、その両端部から突出したベルト端部に通孔871,872、881,882を設けている。
そこで、前記コーナーキャンバスG1〜G4のキャンバス頂辺1,1Aをアウターローラ13に、キャンバス裾辺2,2Aをフロントバー36,36Aに取り付ける際に、それぞれの係合孔271,272、39,40にビス(図示せず)をねじ込むことにより固定する。
前記の場合には、キャンバス本体部R1に連結ベルト87,88をX字状に固定したが、図53のように、連結ベルト87A、88Bを逆V字状に縫着固定したり、或いは、ベルトに代えてロープとしたり、或いは、連結ワイヤ34,35をX字状やV字状に固定することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、前記のようなコーナーオーニング装置を提供したので、各種建築物や骨組構造体等のコーナー部分に対する装飾性や体裁性を飛躍的に高めると共に、コーナーオーニング装置としての技術的な興趣や有用性に富む新規で、斬新な製品を市場に投入することにより、市場の拡大と当業界の活性化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1〜図14は、一対の揺動アームを平行回転自在に組み込んでなるコーナーオーニング装置の第1実施例と、その構成部材を示す図であって、その内、図1は、2体のオーニング装置を建築物のコーナー部分に直交状に向かい合わせて展開した状態を示す斜視図であって、一方を正面壁のコーナー位置に、他方を側面壁のコーナー位置にそれぞれ取り付けている。図中、コーナーキャンバスは、通常、不透質であり、隠れて見えない裏側の構成を見せるため、必要に応じてキャンバスを透視状態で示している。また、ケーシングの内部に組み込んでなるキャンバス巻取り軸についても、必要に応じてケーシングを透視して図示している。尚、図面によっては、オーニング装置を矩形基盤や帯板、或いは、L字形態の枠体に、ほぼ水平状態に取り付けているように立体的に図示しているが、それは図面を描出する上での便宜に基づくことである。また、多くの場合、展開したキャンバスが水平状態ではなく、適宜の前傾状態となるように取り付けられる。
【図2】図1と同様に展開した状態を示す透視図である。
【図3】正面壁のコーナー位置に取り付けた1体のコーナーオーニング装置を示す斜視図であって、当該オーニング装置を見上げた状態を示している。
【図4】図3のコーナーオーニング装置を見下ろした状態の透視図である。
【図5】キャンバス巻取り装置の構成部材を示す分解斜視図であって、具体的には、ケーシング、インナー回転軸、アウターローラ等のキャンバス巻取り軸の構成部材を示しており、図中の右下位置には、アウターローラの端部を拡大し、その底部を上下反転して示している。
【図6】キャンバス巻取り装置の構成部材を示す分解斜視図であって、具体的には、アウターローラ、コーナーキャンバス、フロントバー等の構成部材を示しており、図中、下部位置の左右には、キャンバス本体部の交差通孔に挿通する連結ワイヤの両端部を拡大図示している。
【図7】コーナーキャンバスの基本構成とその各部を示す図であって、その内、図(A)はキャンバスの平面図、図(B)と図(C)はワイヤを挿通したキャンバス各部の拡大縦断面図である。
【図8】キャンバス巻取り装置の主要部を拡大した横断平面図である。
【図9】図8の縦断側面図であって、その内、図(A)にはキャンバス巻取り装置の断面図を、図(B)には駆動装置の断面図をそれぞれ示している。
【図10】図(A)〜図(D)は、コーナーキャンバスの巻取り過程を示す平面図であって、その逆順序をキャンバスの展開過程としている。
【図11】図(A)〜図(D)は、コーナーキャンバスの巻取り過程を示す斜視図であって、その逆順序をキャンバスの展開過程としている。
【図12】図12〜図14は、本発明のコーナーオーニング装置の2体をコーナー位置に直交状に向かい合わせ、それぞれの後半底部位置に従来構造のオーニング装置の前半部を上下に重ね合わせて取り付け、それぞれのキャンバスを展開した状態を示す斜視図であって、その内、図12は斜め下方から見上げた図である。
【図13】組み合わせた図12のオーニング装置を上方から見た斜視図である。
【図14】図13のキャンバスを透視した斜視図である。
【図15】建築物外回りのコーナー付近に矩形キャンバスを展開した場合を示す概要平面図であって、その内、図(A)にはコーナー部が直交状の場合を、図(B)にはコーナー部が直交状で面取りした場合を、図(C)には鈍角状の場合を、図(D)には鋭角状の場合をそれぞれ示している。
【図16】建築物のコーナー空間部を含む外回りを、本発明のコーナーキャンバスと従来の矩形キャンバスで覆った場合を示す概要平面図であって、その内、図(A)にはコーナー部が直交状の場合を、図(B)にはコーナー部が直交状で面取りした場合を、図(C)には鈍角状の場合を、図(D)には鋭角状の場合をそれぞれ示している。
【図17】電動装置を組み込んでなるキャンバス巻取り軸の第2例を示す図であって、その内、図(A)はケーシングを透視した斜視図、図(B)は各構成部材の分解斜視図である。
【図18】2体のキャンバス巻取り軸を連動させる手動装置の要部を示す図であって、その内、図(A)は平面図、図(B)は斜視図である。
【図19】図(A)〜図(C)は、コーナーキャンバスの第2例〜第4例と、それを向かい合わせた状態を示す平面図である。
【図20】図19(A)〜(C)に示すコーナーキャンバスを組み込んだコーナーオーニング装置の2体を、向かい合わせて展開した状態を2方向から見た斜視図であって、その内、図(A)と図(AA)は第2例の場合を、図(B)と図(BB)は第3例の場合を、図(C)と図(CC)は第4例の場合をそれぞれ示している。
【図21】キャンバス巻取り軸の第3例を示す斜視図であって、その内、図(A)にはアウターローラがケーシングの前半位置に前進移動した状態を、図(B)にはアウターローラがケーシングの後半位置まで後退移動した状態をそれぞれ示している。
【図22】図22〜図24は、スライドロープを組み込んでなるキャンバス巻取り軸の第4例を示す図であって、その内、図22はキャンバス巻取り軸の中間部をカットした斜視図である。
【図23】キャンバス巻取り軸の各部を示す図であって、その内、図(A)は先端部付近の半断面図、図(B)は図(A)のX−X線縦断面図、図(C)はY−Y線縦断面図である。
【図24】キャンバス巻取り軸の構成部材を示す分解斜視図である。
【図25】図25〜図27は、スライドベルトを組み込んでなるキャンバス巻取り軸の第5例を示す図であって、その内、図25はキャンバス巻取り軸の中間部をカットした斜視図である。
【図26】キャンバス巻取り軸の各部を示す図であって、その内、図(A)は先端部付近の半断面図、図(B)は図(A)のX−X線縦断面図、図(C)はY−Y線縦断面図である。
【図27】キャンバス巻取り軸の構成部材を示す分解斜視図である。
【図28】図28〜図30は、2段階揺動アームを組み込んだコーナーオーニング装置の第2実施例を示す図であって、その内、図28(A)〜(C)には、第1段階の巻取り過程の斜視図である。
【図29】図(D)、(E)は、第2段階の巻き取り過程を示す斜視図である。
【図30】コーナーキャンバスの巻き取りと展開が2段階で行われる場合の過程を示す平面図であって、その内、図(A)〜図(E)は、キャンバスの巻き取り過程を、その逆順序を展開過程とする場合を示している。
【図31】伸縮揺動アームを組み込んだコーナーオーニング装置の第3実施例を示す図であって、その内、図(A)はその要部を示す斜視図、図(B)は伸縮揺動アームの分解斜視図である。
【図32】図(A)〜(C)は、キャンバスの最終展開時と、中間展開時と、巻き取り収納時の各過程を示す平面図である。
【図33】図33〜図36は、揺動アームの前端部にスライドレールを取り付けたコーナーオーニング装置の第4実施例を示す図であって、その内、図33は、フロントバーに化粧パネルを取り付け、従来構造のオーニング装置と組み合わせた状態を示す斜視図である。
【図34】キャンバスを透視した斜視図であって、その右側下部には、正面側のフロントバーを分離して図示している。
【図35】フロントバーの要部縦断面を示す斜視図である。
【図36】キャンバスの巻き取り収納時と、中間展開時と、最終展開時の各過程を示す平面図である。
【図37】二つ折れ揺動アームを組み込んだコーナーオーニング装置の第5実施例を示す斜視図であって、その内、図(A)〜(C)は、コーナーキャンバスの巻き取り過程を、その逆順序を展開過程とする場合を示している。
【図38】図(A)〜(C)は、第5実施例のコーナーオーニング装置におけるコーナーキャンバスの巻き取り過程を示す平面図であって、その逆順序を展開過程とする場合を示している。
【図39】図39(A)、(B)〜図41(A)、(B)は、キャンバス巻取り軸の第6例〜第8例と、それぞれの駆動装置を示す斜視図と、その構成部材を示す分解図であって、その内、図39(A)、(B)に示す第6例の場合は、アウターローラがウォームラックに案内されて移動する。
【図40】図(A)、(B)に示す第7例の場合は、アウターローラそれ自体が電動装置で回転する。
【図41】図(A)、(B)に示す第8例の場合は、アウターローラがインナー固定軸に形成したラックに案内されて移動する。
【図42】図42〜図45は、キャンバス緊張装置を駆動側とするコーナーオーニング装置の第6実施例と、その構成部材を示す分解斜視図であって、その内、図42はオーニング装置を見上げた状態を示している。
【図43】コーナーオーニング装置を見下ろした状態を示している。
【図44】図(A)、(B)は、キャンバス緊張装置を示す斜視図と、その駆動装置を示す分解図である。
【図45】図(A)、(B)は、コイルスプリングを組み込んだキャンバス巻取り軸の第9例を示す斜視図と、その構成部材を示す分解図である。
【図46】図(A)、(B)は、渦巻きスプリングを組み込んだキャンバス巻取り軸の第10例を示す斜視図と、その構成部材を示す分解図である。
【図47】伸縮ベルトを組み込むキャンバス巻取り軸の第11例を示す分解斜視図である。
【図48】コイルスプリングを組み込んだキャンバス巻取り軸の第12例を示す斜視図であって、その内、図(A)はアウターローラが前進移動した状態を、図(B)はアウターローラが後退移動した状態をそれぞれ示している。
【図49】インナーシャフトの前半部とキャンバス斜辺寄りの端縁部に、磁力反発することで磁気浮上させるシート磁石を組み込んだ場合を示す斜視図である。
【図50】キャンバス張出部の斜辺寄りに、キャンバス裾辺に掛けて縁取り生地の厚さを連続的に増したコーナーキャンバスを示す斜視図であって、その内、図(A)はキャンバス展開時の状態を、図(B)はキャンバス巻取り軸への巻き付け状態を、図(C)は巻き付け時の断面をそれぞれ示している。
【図51】コーナーキャンバスに帯板状の骨材を横縞状に組み込んだ状態を示す斜視図である。
【図52】キャンバス本体部に連結ベルトをX字状に縫着したコーナーキャンバスを示す斜視図であって、その内、図(A)は連結ベルトを交差して固定した場合を、図(B)はその分離図を示している。
【図53】連結ベルトをキャンバス本体部にV字状に固定した場合を示している。
【符号の説明】
【0086】
S1〜S6 コーナーオーニング装置 M1、M2 キャンバス巻取り装置
K1〜K6 キャンバス緊張装置 J1〜J13 キャンバス巻取り軸
W1 正面壁 W2 側面壁
W3 斜壁 G1〜G4 コーナーキャンバス
R1 キャンバス本体部 R2,R3 キャンバス張出部
P 矩形キャンバス Q 従来のオーニング装置
L1,L2 二つ折れ揺動アーム N1,N2 2段階揺動アーム
T1,T2 伸縮揺動アーム V1,V2 二つ折れ揺動アーム
1,1A キャンバス頂辺 2,2A キャンバス裾辺
3,5,5A、8、8A キャンバス斜辺 4、6 キャンバス垂辺
7 通孔 9 キャンバス山折れ線
10 伸縮具
11 ケーシング 12,12A インナー回転軸
12B インナー固定軸 13 アウターローラ
14 キャンバス引出口 15,16 エンドキャップ
16A 収納ケース 151,161 軸受部
171 案内溝 172 案内突条
18、18A、18B、19、19A〜19C エンドキャップ
190、192 通孔 181,191 支軸
182,192 ロープ通路 183,193 ベルト通路
20 ウォーム歯車 21 ウォーム
22 ウォーム回転軸 23 フック
24、24A〜24C、25、25A〜25C エンドキャップ
241、251 貫通孔 252 雌ネジ
261 案内突起 262 案内溝
263 通孔 264 案内溝
265 ベルト通路 27 嵌合溝
271,272 係合孔 28,29 通路
30、31、43 ワイヤ 32,33 交差通路
321,331 表面引出口 322,332 裏面引出口
34,35 連結ワイヤ 341,351 係合片
342,352 留め具 36,36A フロントバー
37、38 嵌合溝 39,40 係合孔
41 化粧スカ−ト 42 通路
44,45 揺動アーム 441、451 屈折部
46、46A、47、47A ブラケット 48,49 ブラケット
50 スライドロープ 51 巻取り軸
52 ケーシング 53 フロントバー
54 電動モータ 541 出力軸
542 軸部 55 軸受ソケット
551 軸孔 56 スライドベルト
56A 伸縮ベルト 501,502、561,562 クリップ
57 コーナーキャップ 571 軸受部
58 スライド軸受 59 後部アーム
60 前部アーム 61 連接ロッド
62 後部アーム 63 前部アーム
64 コイルスプリング 65 スライドレール
66 ローラ 67 連結具
67A 化粧パネル 68 駆動歯車
69 平歯車 70 棒歯車
701 回転軸 71 軸受ナット
711 通孔 72 中間ブラケット
73 回転軸 741,742 ウォーム
751、752 傘歯車 761,762 ウォーム歯車
77 コイルスプリング 771、772 先・後端部
78 バネ止めソケット 781、782 通孔
79 固定軸 791、792 先・後端部
81 パイプシャフト 811 スリット
82 蓋板 821 通孔
83 渦巻きバネ 831、832 バネ端部
84 スライドケース 841 通孔
842 係止部 85 ワッシャ
86 縁取り生地 87,88、87A、88A 連結ベルト
89 骨材 90 コイルスプリング
91 ウォーム歯車 92 ウォームラック
93 ラック 94、95 シート磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーナーキャンバス(G1〜G4)を巻き取ったり、巻き戻すキャンバス巻取り軸(J1〜J13)を、インナーシャフト(12,12A、12B)と、当該インナーシャフト(12,12A、12B)の軸線方向へ移動可能に支持したアウターローラ(13)とから形成し、
前記コーナーキャンバス(G1〜G4)を巻き取ったり、巻き戻す際に、当該コーナーキャンバス(G1〜G4)の裾部を支持するフロントバー(36,36A)を、折り畳み自在な揺動アーム(44,45、N1,N2、T1,T2、V1,V2)により、斜め前方へ平行に押し出したり、斜め後方へ引き込むように構成したことを特徴とするコーナーオーニング装置。
【請求項2】
コーナーキャンバス(G1〜G4)と、
それをインナーシャフト(12,12A、12B)と、当該インナーシャフト(12,12A、12B)の軸線方向へ移動可能に支持したアウターローラ(13)に巻き取ったり、巻き戻すキャンバス巻取り軸(J1〜J13)と、
前記コーナーキャンバス(G1〜G4)を巻き取ったり、巻き戻す際に、当該コーナーキャンバス(G1〜G4)の裾部を支持するフロントバー(36,36A)を、斜め前方へ平行に押し出したり、斜め後方へ引き込んで折り畳む揺動アーム(44,45、N1,N2、T1,T2、V1,V2)とから構成したことを特徴とするコーナーオーニング装置。
【請求項3】
コーナーキャンバス(G1〜G4)を、
矩形状のキャンバス本体部(R1)と、
その一方に張り出したキャンバス張出部(R2,R3)とからなる、ほぼ直角台形状の展開形態に形成してなる請求項1又は2に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項4】
コーナーキャンバス(G1〜G4)のキャンバス頂辺(1,1A)とキャンバス裾辺(2,2A)を天地平行に形成し、
その一方を裾拡がりのキャンバス斜辺(3,5,5A)に形成し、
その他方をほぼ鉛直なキャンバス垂辺(4)に形成してなる請求項1又は2に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項5】
アウターローラ(13)とフロントバー(36,36A)との間に、連結ワイヤ(34,35)や連結ベルト(87,88、87A,88A)等の緊張部材を張設支持してなる請求項1又は2に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項6】
請求項3に記載のコーナーキャンバス(G1〜G4)の巻き取り収納時には、揺動アーム(44,45、N1,N2、T1,T2、V1,V2)が後方に向けて回転することでフロントバー(36,36A)を斜め後方へ平行移動し、
それと同時にアウターローラ(13)が回転してキャンバス本体部(R1)を巻き取りながら、インナーシャフト(12,12A、12B)に案内されて当該インナーシャフト(12,12A、12B)の軸線方向の一方から他方へ後退移動し、
当該アウターローラ(13)の後退移動により露呈したインナーシャフト(12,12A、12B)に、キャンバス張出部(R2,R3)を巻き取るように構成してなる請求項1又は2に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項7】
請求項3に記載のコーナーキャンバス(G1〜G4)の巻き戻し展開時には、フロントバー(36,36A)を揺動アーム(44,45、N1,N2、T1,T2、V1,V2)の回転により斜め前方に向けて平行に押し出し、
キャンバス巻取り軸(J1〜J13)に巻き付けられたコーナーキャンバス(G1〜G4)を巻き戻しながら、アウターローラ(13)をインナーシャフト(12,12A、12B)の軸線方向の他方から一方へ前進移動させることにより、キャンバス張出部(R2,R3)がコーナー空間部に張り出すように構成してなる請求項1又は2に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項8】
揺動アーム(44,45、T1,T2)の一対を平行に支持し、
その内、一方の揺動アーム(44、T1)の基端部を建築物のコーナー付近に取り付け、
その先端部をフロントバー(36)の中間部付近に取り付け、
他方の揺動アーム(45、T2)の基端部を、前記コーナー付近から適宜間隔を隔てた位置に取り付け、
その先端部を前記フロントバー(36)の中間部付近から適宜間隔を隔てたもう一方の端部付近に取り付けてなる請求項1、2、6、7のいずれかに記載のコーナーオーニング装置。
【請求項9】
揺動アームが、伸縮揺動アーム(T1,T2)であって、
伸縮自在に嵌挿支持した後部アーム(62)と前部アーム(63)とで構成してなる請求項8に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項10】
フロントバー(36A)に、スライドレール(65)を移動自在に嵌挿支持し、
当該スライドレール(65)に揺動アーム(44,45)の先端部を取り付けてなる請求項1、2、5〜7のいずれかに記載のコーナーオーニング装置。
【請求項11】
揺動アーム(44,45)の一対を平行に支持し、
フロントバー(36A)にスライドレール(65)を移動自在に嵌挿支持し、
一方の揺動アーム(44)の基端部を建築物のコーナー付近に取り付け、
その先端部を前記スライドレール(65)の中間部又は一方の端部付近に取り付け、
他方の揺動アーム(47)の基端部を前記コーナー付近から適宜間隔を隔てた位置に取り付け、
その先端部を前記スライドレール(65)の中間部又は一方の端部付近から適宜間隔を隔てたもう一方の端部付近に取り付けてなる請求項10に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項12】
揺動アームが、2段階動作で平行回転する一対の2段階揺動アーム(N1,N2)であって、
当該揺動アーム(N1,N2)を、折れ曲げ自在に連結した後部アーム(59)と前部アーム(60)とで形成し、
当該揺動アーム(N1,N2)の中間部を連接ロッド(61)で連結してなる請求項1、2、6、7のいずれかに記載のコーナーオーニング装置。
【請求項13】
一方の揺動アーム(N1)の後部アーム(59)の基端部を、建築物のコーナー付近に取り付け、
その前部アーム(60)の先端部をフロントバー(36)の中間部付近に取り付け、
他方の揺動アーム(N2)の後部アーム(59)の基端部を、前記コーナー位置から適宜間隔を隔てた位置に取り付け、
その前部アーム(60)の先端部を前記フロントバー(36)の中間部付近から適宜間隔を隔てたもう一方の端部付近に取り付けてなる請求項12に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項14】
後部アーム(59)が相対的に弱い弾力の付勢部材により回転し、
前部アーム(60)が相対的に強い弾力の付勢部材により回転するように構成してなる請求項12又は13に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項15】
コーナーキャンバス(G1)をキャンバス巻取り軸(J1〜J13)に巻き取る際には、
最初に、弱目の弾力で付勢した後部アーム(59)の一対が、その弾性付勢力に抗して後方へ平行回転することにより、フロントバー(36)を斜め後方へ平行移動させて当該後部アーム(59)を折り畳み、
次いで、強目の弾力で付勢した前部アーム(60)の一対が、その弾性付勢力に抗して後方へ平行回転することにより、フロントバー(36)を更に斜め後方へ平行移動させ、2段階揺動アーム(N1,N2)をほぼ直線状に引き伸ばして折り畳むように構成してなる請求項12〜14のいずれかに記載のコーナーオーニング装置。
【請求項16】
キャンバス巻取り軸(J1〜J13)に巻き付けられたコーナーキャンバス(G1〜G4)を巻き戻す際には、
最初に、強目の弾力で付勢した前部アーム(60)の一対を、その付勢力により前方の拡開方向へ所定の拡開角度まで平行回転することにより、フロントバー(36)を斜め前方へ平行移動しながら押し出し、
次いで、弱目の弾力で付勢した後部アーム(59)の一対を、所定の拡開角度まで平行回転することにより、フロントバー(36)を更に斜め前方へ平行に押し出すように構成してなる請求項12〜14のいずれかに記載のコーナーオーニング装置。
【請求項17】
請求項1又は2に記載のコーナーオーニング装置(S1〜S6)に、矩形キャンバス(P)とそのキャンバス巻取り軸(51)を備えたオーニング装置(Q)を組み合わせるに、
コーナーキャンバス巻取り軸(J1〜J13)の中間部付近からもう一方の端部付近にかけての下部位置又は上部位置に、前記矩形キャンバス(P)のキャンバス巻取り軸(51)の中間部付近から一方の端部寄りの部位をほぼ重ね合わせて取り付けてなるコーナーオーニング装置。
【請求項18】
キャンバス巻取り軸(51)に巻き取る矩形キャンバス(P)を、
当該矩形キャンバス(P)の裏面を内側にし、その表面を外側にして巻き取ることで上巻きし、
コーナーキャンバス巻取り軸(J1〜J13)に巻き取るコーナーキャンバス(G1〜G4)を、
アウターローラ(13)に取り付けたコーナーキャンバス(G1〜G4)のキャンバス頂辺(1)の表面を内側にし、その裏面を外側にして下側から巻き付けることで下巻きしてなる請求項17に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項19】
キャンバス巻取り軸(51)に巻き取る矩形キャンバス(P)を、
当該矩形キャンバス(P)の表面を内側にし、その裏面を外側にして下側から巻き取ることで下巻きし、
コーナーキャンバス巻取り軸(J1〜J13)に巻き取るコーナーキャンバス(G1〜G4)を、
アウターローラ(13)に取り付けたコーナーキャンバス(G1〜G4)のキャンバス頂辺(1)の裏面を内側にし、その表面を外側にして上側から巻き付けることで上巻きしてなる請求項17に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項20】
請求項1又は2に記載のコーナーオーニング装置(S1〜S6)の2体を、建築物のコーナー位置の一方と他方に向かい合わせて取り付け、
それぞれのコーナーキャンバス巻取り軸(J1〜J13)のアウターローラ(13)とフロントバー(36,36A)との間に、請求項3又は4に記載のコーナーキャンバス(G1〜G4)を取り付けてなるコーナーオーニング装置。
【請求項21】
アウターローラ(13)に固定したキャンバス頂辺(1A)の一方の端部と、フロントバー(36)に固定したキャンバス裾辺(2,2A)の一方の端部を結ぶ線から外側に食み出した部分の垂れ下がりを防ぐため、向かい合わせたコーナーキャンバス(G2〜G4)のキャンバス斜辺(5、5A)の下端部寄りの適所を伸縮具(10)で連結してなる請求項20に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項22】
伸縮揺動アーム(T1,T2)の一対を備えてなる請求項9に記載のコーナーオーニング装置(S3)の2体を、建築物のコーナー位置の一方と他方に向かい合わせて取り付け、
それぞれのコーナーキャンバス巻取り軸(J1〜J13)のアウターローラ(13)とフロントバー(36,36A)との間に、請求項3又は4に記載のコーナーキャンバス(G1〜G4)を取り付け、
向かい合わせたフロントバー(36)を突き合わせて固定するか、連結具(67)で固定してなるコーナーオーニング装置。
【請求項23】
キャンバス巻取り軸(J1〜J13)を連動してコーナーキャンバス(G1)を巻き取る際には、
それぞれの伸縮揺動アーム(T1,T2)が、その弾性付勢力に抗して後方へ向かって平行回転すると共に、当該揺動アーム(T1,T2)の後部アーム(62)と前部アーム(63)が相対的に伸縮移動しながら後方回転し、
それと同時に、連結一体化した一方と他方のフロントバー(36)を斜め後方の壁際部分へ向かって平行移動してなる請求項22に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項24】
キャンバス巻取り軸(J1〜J13)を連動して巻き戻し回転すると、それぞれの伸縮揺動アーム(T1,T2)が、その弾性付勢力により斜め前方の拡開方向へ伸縮移動しながら回転し、
連結一体化したフロントバー(36)を斜め前方へ平行移動しながら押し出すように構成してなる請求項22に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項25】
フロントバー(36A)にスライドレール(65)を移動自在に嵌挿支持し、
当該スライドレール(65)の中間部又は一方の端部ともう一方の端部に、揺動アーム(44,45)の先端部を取り付けてなるコーナーオーニング装置(S4)であって、
当該オーニング装置(S4)の2体を、建築物のコーナー位置の一方と他方に向かい合わせて対称的に取り付け、
それぞれのコーナーキャンバス巻取り軸(J1〜J13)のアウターローラ(13)とフロントバー(36A)との間に、請求項3又は4に記載のコーナーキャンバス(G1〜G4)を取り付け、
向かい合わせたフロントバー(36A)を突き合わせて固定するか、連結具(67)で固定してなる請求項10又は11に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項26】
キャンバス巻取り軸(J1〜J13)を連動してコーナーキャンバス(G1〜G4)を巻き取る際には、一方と他方の揺動アーム(44,45)の一対が、その弾性付勢力に抗して後方へ向かって回転し、
フロントバー(36A)に対してスライドレール(65)が一旦、フロントバー(36A)の一方から他方へ後退移動した上で、フロントバー(36A)の他方から一方へ前進移動し、
それと同時に、連結一体化したフロントバー(36A)をコーナー部分へ引き寄せて壁面格納してなる請求項25に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項27】
キャンバス巻取り軸(J1〜J13)を連動して巻き戻す際には、一方と他方の揺動アーム(44,45)の一対が、その弾性付勢力により斜め前方の拡開方向へ平行回転し、
フロントバー(36A)を斜め前方のコーナー空間部に向けて平行移動しながら押し出すことにより、コーナーキャンバス(G1〜G4)をコーナー空間部に展開してなる請求項25に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項28】
フロントバー(36A)に、案内ローラ(66)を備えたスライドレール(65)を移動自在に嵌挿支持してなる請求項10、11、25のいずれかに記載のコーナーオーニング装置。
【請求項29】
フロントバー(36A)の枠内部に、案内ローラ(66)の案内溝(361)を形成し、
スライドレール(65)に突設したレール突条(651)に、前記案内ローラ(66)を軸受支持してなる請求項28に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項30】
揺動アームが、屈伸作動する二つ折れ揺動アーム(V1,V2)であって、
当該揺動アーム(V1,V2)を、二つ折れ自在に連結した後部アーム(59)と前部アーム(60)とで形成し、
当該揺動アーム(V1,V2)の二つ折れ連結部に連接ロッド(61)を差し渡して連結してなる請求項1、2、6、7のいずれかに記載のコーナーオーニング装置。
【請求項31】
一方の揺動アーム(V1)の後部アーム(59)の基端部を建築物のコーナー付近に取り付け、
その前部アーム(60)の前端部をフロントバー(36)の一方の端部寄り位置に取り付け、
他方の揺動アーム(V2)の後部アーム(59)の基端部を、前記コーナー位置から適宜間隔を隔てた位置に取り付け、
その前部アーム(60)の前端部をフロントバー(36)の中間部寄りの位置に取り付けてなる請求項30に記載のコーナーオーニング装置(S5)であって、
当該オーニング装置(S5)の2体を建築物のコーナー位置に向かい合わせて取り付け、
それぞれのコーナーキャンバス巻取り軸(J1〜J13)のアウターローラ(13)とフロントバー(36,36A)との間に、請求項3又は4に記載のコーナーキャンバス(G1〜G4)を取り付け、
向かい合わせたフロントバー(36)を突き合わせて固定するか、連結具(67)で固定してなるコーナーオーニング装置。
【請求項32】
キャンバス巻取り軸(J1〜J13)を連動してコーナーキャンバス(G1〜G4)を巻き取る際には、それぞれの二つ折れ揺動アーム(V1,V2)が、その拡開付勢力に抗して斜め後方へ向かって二つ折れしながら後方回転し、
それと同時に、連結一体化したフロントバー(36)を、コーナー空間部を等分する線と平行な後方へ向けて直線的に後退移動しながら、それぞれの正面壁(W1)と側面壁(W2)に向かって平行移動し、
やがて二つ折れ揺動アーム(V1,V2)が壁際部分に折り畳まれ、それと同時に連結一体化したフロントバー(36)をコーナー部分へ引き寄せて壁面格納するように構成してなる請求項30又は31に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項33】
キャンバス巻取り軸(J1〜J13)を連動してコーナーキャンバス(G1〜G4)を巻き取り回転すると、それぞれの二つ折れ揺動アーム(V1,V2)が、その弾性付勢力により前方の拡開方向へ回転し、
連結一体化したフロントバー(36)を斜め前方ヘ向かって平行移動しながら押し出すことにより、コーナーキャンバス(G1)がコーナー空間部に展開してなる請求項30又は31に記載のコーナーオーニング装置。
【請求項34】
向かい合わせたフロントバー(36,36A)に、コーナー化粧パネル(67A)を取り付けてなる請求項22、25、31のいずれかに記載のコーナーオーニング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate


【公開番号】特開2008−215072(P2008−215072A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120112(P2008−120112)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【分割の表示】特願2006−527650(P2006−527650)の分割
【原出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(502240423)
【Fターム(参考)】