説明

コーナーパッド

【課題】組立状態を確実に維持でき、圧縮強度が高いコーナーパッドを提供する。
【解決手段】商品1の第1端面2b,2dを覆う第1外面部11と、第1外面部11に連続して商品1の第2端面2a,2cにかけて延び、商品1の前面または後面を覆う第1被覆面部12と、第1外面部11に連続して商品1の第2端面2a,2cにかけて延び、商品1の後面または前面を覆う第2被覆面部13と、第1外面部11および各被覆面部12,13のうちいずれか1面の、商品1の第2端面2a,2cに位置する端縁に連続し、商品1の第2端面2a,2cを覆う第2外面部15と、第2外面部15に連続し、第1および第2外面部15との間に緩衝用空間を形成する内壁部17と、第2外面部15が連続していない第1および第2被覆面部12,13に設けられ、第2外面部15または内壁部17との係合により組立状態を維持する係合部30と、を備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の角部に配置するコーナーパッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドアやパネルなどの商品の角部に配置するコーナーパッドが記載されている。このコーナーパッドは、商品の第1端面を覆う第1外面部、および、商品の第1端面に隣接する第2端面を覆う第2外面部を備えている。これら外面部の両側縁には、商品の前面および後面を覆う被覆面部が連設されている。これら被覆面部は、第1および第2外面部を垂直に折り曲げた組立状態で、隣接する被覆面部と面一に位置するように、対向部に45度の傾斜縁が形成されている。また、このコーナーパッドには、外面部との間に緩衝用空間を形成するための内壁部が設けられている。この内壁部は、被覆面部に連続し、この被覆面部の内側に折り返して重畳される重畳面部と、この重畳面部に連続し、外面部に対して平行に位置して商品の端面に当接する当接面部を有する。また、当接面部には、外面部と被覆面部との屈曲部に向けて傾斜して延びる支持面部が連設されている。
【0003】
しかし、特許文献1のコーナーパッドは、商品の第1端面に配置する第1部分と第2端面に配置する第2部分とをそれぞれ個別に組み立て、これらを屈曲させて商品に配置するものである。そのため、商品の角部への装着が面倒である。そのうえ、コーナーパッドを形成する紙の腰によって第1部分と第2部分に開きが生じ、商品への装着状態を安定して維持できない。
【0004】
また、特許文献2には、包装箱のコーナー部に配置する緩衝体が記載されている。この緩衝体は、L字形状をなす一対の壁面部を備えている。これら壁面部は、一方が包装箱の底側に配置され、他方が上側に配置されて商品を載置する。また、これら壁面部は、両端が連続部によってそれぞれ連設されている。また、この緩衝体は、一方の壁面部に、他方の壁面部の内側面に重畳する重畳面部が支持壁部を介して連設されている。
【0005】
しかし、この特許文献2に記載の緩衝体は、商品の角部に配置するコーナーパッドとしては使用することができない。即ち、この緩衝体をコーナーパッドとして使用した場合、支持壁部を連設していない面から、商品の第1および第2端面のうち一方が露出するため、商品に傷が付く可能性がある。また、この緩衝体は、一対の壁面部間である幅方向の圧縮強度が弱い。よって、商品を保護するためのコーナーパッドとしての効果を十分に得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4087671号公報
【特許文献2】特開平8−133342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、組立状態を確実に維持でき、圧縮強度が高いコーナーパッドを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明のコーナーパッドは、商品の第1端面の外側を覆う第1外面部と、前記第1外面部の一側縁に連続し、前記商品の第1端面からこの第1端面と隣接する第2端面にかけて延び、この商品の前面および後面のうち一方を覆う第1被覆面部と、前記第1外面部の他側縁に連続し、前記商品の第1端面から第2端面にかけて延び、この商品の前面および後面のうち他方を覆う第2被覆面部と、前記第1外面部および各被覆面部のうちいずれか1面の、前記商品の第2端面に位置する端縁に連続し、この商品の第2端面の外側を覆う第2外面部と、前記第2外面部に連続し、前記第1および第2外面部との間に緩衝用空間を形成するための内壁部と、前記第2外面部が連続していない前記第1および第2被覆面部に設けられ、前記第2外面部または前記内壁部との係合により組立状態を維持する係合部と、を備えた構成としている。
【0009】
このコーナーパッドは、商品の第1端面を覆う第1外面部の両側に、商品の第1端面から第2端面にかけて延びる第1および第2被覆面部を連設し、これら第1外面部および各被覆面部のうち一面に商品の第2端面を覆う第2外面部を連設している。よって、商品の角部を確実に被覆して保護できるため、外側から商品に傷が付くことを防止できる。また、第2外面部を連設していない第1および第2被覆面部に、第2外面部または内壁部との係合により組立状態を維持する係合部を設けている。そのため、商品の角部に容易に装着し、装着状態を確実に維持できる。さらに、第2外面部には、第1および第2外面部との間に緩衝用空間を形成する内壁部を設けているため、外力による商品への衝撃を確実に緩衝できる。しかも、この内壁部により、一対の被覆面部間である幅方向の圧縮強度を向上できる。
【0010】
このコーナーパッドでは、前記内壁部は、前記第2外面部に連続し、前記第1および第2被覆面部のうち一方の内側面に重畳するとともに、前記第1および第2外面部の内側縁に沿って位置し、前記商品の第1および第2端面に当接する第1当接段部を形成した略L字形状の第1壁面部と、前記第1壁面部の第1当接段部の両側に位置する一対の端縁に連続する連続壁面部と、前記各連続壁面部に連続し、前記第1および第2被覆面部のうち他方の内側面に重畳するとともに、前記第1および第2外面部の内側縁に沿って位置し、前記商品の第1および第2端面に当接する第2当接段部を形成した略L字形状の第2壁面部と、を有することが好ましい。
または、前記内壁部は、前記第1および第2被覆面部のうち一方に前記第2外面部を連続させたもので、前記第2外面部に連続し、前記第1および第2被覆面部のうち他方の内側面に重畳するとともに、前記第2外面部の内側縁に沿って位置する第1壁面部と、前記第1壁面部に連続し、前記第2外面部と所定間隔をあけて略平行に位置し、前記商品の第2端面に当接する第2端面当接部と、前記第2端面当接部に連続し、前記第1および第2被覆面部のうち一方の内側面に重畳するとともに、前記第2外面部の内側縁に沿って位置する第2壁面部と、前記第1壁面部に隣接し、前記第1および第2被覆面部のうち他方の内側面に重畳するとともに、前記第1外面部の内側縁に沿って位置する第3壁面部と、前記第2端面当接部に隣接するとともに前記第3壁面部に連続し、前記第1外面部と所定間隔をあけて略平行に位置し、前記商品の第1端面に当接する第1端面当接部と、前記第2面部に隣接するとともに前記第1端面当接部に連続し、前記第1および第2被覆面部のうち一方の内側面に重畳するとともに、前記第1外面部の内側縁に沿って位置する第4壁面部と、前記第1および第3壁面部の間、前記第1および第2端面当接部の間、および、前記第2および第4壁面部の間に設けた屈曲部と、を有することが好ましい。
このようにすれば、第1および第2外面部の内側に確実に緩衝用空間を形成できるとともに、幅方向の圧縮強度を確実に向上できる。
【0011】
また、コーナーパッドは、前記第1および第2被覆面部に、内側に折り込んで商品との隙間を調整する折込部を連設することが好ましい。このようにすれば、商品の厚さに応じて確実に装着することができる。具体的には、肉厚が厚い商品の場合には、折込部を第1および第2被覆面部の内側に折り込むことなく、商品の角部に装着する。また、肉厚が薄い商品の場合には、一対の折込部を第1および第2被覆面部の内側に折り込んで、商品の角部に装着する。さらに、中間の肉厚の商品の場合には、一方の折込部だけを第1または第2被覆面部の内側に折り込んで、商品の角部に装着する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコーナーパッドは、第1および第2外面部と、第1および第2被覆面部により、商品の角部を確実に被覆して保護できるため、商品に傷が付くことを防止できる。また、第2外面部を連設していない第1および第2被覆面部に、組立状態を維持する係合部を設けているため、商品の角部に容易に装着できるとともに、装着状態を確実に維持できる。さらに、第2外面部には第1および第2外面部との間に緩衝用空間を形成する内壁部を設けているため、外力によって加わる商品への衝撃を確実に緩衝できるとともに、幅方向の圧縮強度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る第1実施形態のコーナーパッドを商品に装着した状態を示す斜視図である。
【図2】コーナーパッドの第1組立工程を示す斜視図である。
【図3】コーナーパッドの第2組立工程を示す斜視図である。
【図4】コーナーパッドの第3組立工程を示す斜視図である。
【図5】コーナーパッドの第4組立工程を示す斜視図である。
【図6】第1実施形態のコーナーパッドのブランクを示す平面図である。
【図7】第2実施形態のコーナーパッドを商品に装着した状態を示す斜視図である。
【図8】コーナーパッドの第1組立工程を示す斜視図である。
【図9】コーナーパッドの第2組立工程を示す斜視図である。
【図10】コーナーパッドの第3組立工程を示す斜視図である。
【図11】コーナーパッドの第4組立工程を示す斜視図である。
【図12】第2実施形態のコーナーパッドのブランクを示す平面図である。
【図13】変形例のコーナーパッドのブランクを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る第1実施形態のコーナーパッド10を示す。このコーナーパッド10は、商品1の角部に装着するもので、一対の外面部11,15と、一対の被覆面部12,13とを備え、これらで囲まれた内部に緩衝用空間を形成する内壁部17を一体に形成したものである。
【0016】
本実施形態の商品1は、正面視矩形状をなす所定厚さの基板である。この商品1の外周部には、厚さに相当する端面2a〜2dが形成されている。これら端面2a〜2dは、上下および左右の方向性などは規定されていない。そのため、仮に上側端面2aを第1端面とすると、隣接する第2端面は左側および右側端面2b,2dとなる。また、左側端面2bを第1端面とすると、隣接する第2端面は上側および下側端面2a,2cとなる。さらに、下側端面2cを第1端面とすると、隣接する第2端面は左側および右側端面2b.dとなる。そして、右側端面2dを第1端面とすると、隣接する第2端面は上側および下側端面2a,2cとなる。但し、以下では、左右の端面2b,2dを第1端面、上下の端面2a,2cを第2端面として説明する。
【0017】
本発明のコーナーパッド10は、表紙および裏紙の間に波状をなすように中しんを配設した段ボール紙を、周知の紙器打抜装置(図示せず)によって図6に示す連続した一枚のブランクとして打ち抜き、所定部位を折り曲げることにより組み立てられる。
【0018】
図6に示すように、第1実施形態のコーナーパッド10のブランクは、中央に商品1の第1端面2b,2dの外側を覆う第1外面部11を備えている。この第1外面部11は、商品1の厚さである端面2a〜2dの幅と略同一幅で縦方向に延びる矩形状をなす。
【0019】
第1外面部11には、横方向の左側縁に第1被覆面部12が連設され、右側縁に第2被覆面部13が連設されている。これら第1外面部11と被覆面部12,13との境界には第1折曲線14が設けられている。これら被覆面部12,13は、第1外面部11を中心として略対称な直角三角形状をなす。各被覆面部12,13は、一方が商品1の前面を覆い、他方が商品1の後面を覆う。また、被覆面部12,13は、商品1の第1端面2b,2dから第2端面2a,2cにかけて延び、縦方向の下端縁12a,13aが第2端面2a,2cの外側に平行に位置する。
【0020】
第1被覆面部12の下端縁12aには、第2端面2a,2cの外側を覆う第2外面部15が連設されている。この第2外面部15は、第1被覆面部12の下端縁12a全体にかけて横方向に延びる矩形状をなす。第2外面部15の縦方向の幅は、第2被覆面部13の肉厚分、第1外面部11の幅より小さく形成されている。第1被覆面部12と第2外面部15との境界には第2折曲線16が設けられている。
【0021】
第2外面部15には、連続した第1被覆面部12と逆側に位置する下端縁に内壁部17が連設されている。この内壁部17は、第1および第2外面部11,15との間に緩衝用空間を形成するためのもので、一対の壁面部18,25と、これらを連続させる連続壁面部23A,23Bとを備えている。
【0022】
第1壁面部18は、第2外面部15の下端縁全体にかけて連設された略逆L字形状のものである。これら第2外面部15と第1壁面部18との境界には第3折曲線19が設けられている。具体的には、第1壁面部18は、第2外面部15と平行な横方向に延びる第1緩衝部20と、第1外面部11と第1被覆面部12との境界の第1折曲線14と平行な縦方向に延びる第2緩衝部21とを有する。この第1壁面部18は、組立状態で、第2外面部15を介して連続する第1被覆面部12と対向する第2被覆面部13の内側面に重畳する。また、第2外面部15と連続した第1緩衝部20の縁(第3折曲線19)は、第2外面部15の内側縁に沿って位置し、第1外面部11の側に位置する第2緩衝部21の側縁21aは、第1外面部11の内側縁に沿って位置する。第1および第2緩衝部20,21の間には、直角三角形状をなす第1当接段部22が打ち抜きによって形成されている。この第1当接段部22は、第1緩衝部20の側の縁が商品1の第2端面2a,2cに当接し、第2緩衝部21の側の縁が商品1の第1端面2b,2dに当接する。第1当接段部22の両側に位置する一対の端縁、即ち、第1および第2緩衝部20,21の各端縁は、約45度の傾斜角度で互いに直線上に位置する傾斜縁とされている。
【0023】
連続壁面部23A,23Bは、第1壁面部18の一対の端縁にそれぞれ連設されている。これら第1壁面部18と連続壁面部23A,23Bとの境界には第4折曲線24が設けられている。連続壁面部23A,23Bは、組立状態で、第1および第2被覆面部12,13間にかけて直角に位置するもので、第1および第2被覆面部12,13の肉厚分、第1外面部11の幅より小さい矩形状に形成されている。
【0024】
第2壁面部25は、連続壁面部23A,23Bに連設され、第1壁面部18とで四角筒状をなす略L字形状のものである。連続壁面部23A,23Bと第2壁面部25との境界には、第4折曲線24と平行に位置するように第5折曲線26が設けられている。具体的には、第2壁面部25は、連続壁面部23Aに連続して第1緩衝部21と平行な縦方向に延びる第1緩衝部27と、連続壁面部23Bに連続して第1緩衝部20と平行な横方向に延びる第2緩衝部28とを有する。この第2壁面部25は、組立状態で、第2外面部15を介して連続した第1被覆面部12の内側面に重畳する。また、第1緩衝部27の側縁27aは、第2外面部15の内側縁に沿って位置し、第2緩衝部28の側縁28aは、第1外面部11の内側縁に沿って位置する。第1および第2緩衝部27,28の間には、直角三角形状をなす第2当接段部29が打ち抜きによって形成されている。この第2当接段部29は、第1当接段部22とで略矩形状の打抜部を構成する。第1当接段部22は、第1緩衝部27の側の縁が商品1の第2端面2a,2cに当接し、第2緩衝部28の側の縁が商品1の第1端面2b,2dに当接する。勿論、第2当接段部29の両側に位置する第1および第2緩衝部27,28の各端縁は、約45度の傾斜角度で互いに直線上に位置する傾斜縁とされている。
【0025】
本実施形態では、第2外面部15が連続していない第2被覆面部13に、第2外面部15との係合により組立状態を維持する係合部30が設けられている。この係合部30は、第2被覆面部13の下端縁から縦方向下向きに突設した舌片状のものである。第2被覆面部13と係合部30との境界には第6折曲線31が設けられている。そして、第2外面部15には、係合部30が挿入されて互いに係合する係合穴32が設けられている。この係合穴32は、第2外面部15の両側に位置する第1被覆面部12から第1壁面部18にかけて延びる矩形状の打抜部からなる。また、組立状態で係合穴32の内側に位置する第2壁面部25の第1緩衝部27には、係合穴32に連通する連通溝33が打ち抜きによって形成されている。
【0026】
各面の境界に形成した折曲線のうち、第6折曲線31を除く第1〜第5の折曲線14,16,19,24,26は、肉厚を圧縮するように罫を入れて直線状に形成した折曲部と、この折曲部上に所定間隔をあけてミシン目状に形成した切断部とからなるリード罫により構成されている。また、第6折曲線31は、肉厚を圧縮するように罫を入れて直線状に形成した折曲部だけからなる汎用の押罫により構成されている。
【0027】
このコーナーパッド10のブランクは、打ち抜かれた展開状態のまま所定の納入先に出荷される。そして、商品1を輸送する際に組み立てて装着する。
【0028】
例えば、図2に示すように、まず、第1壁面部18に対して連続壁面部23A,23Bを折り曲げるとともに、連続壁面部23A,23Bに対して第2壁面部25を折り曲げる。その後、図3に示すように、第1被覆面部12に対して第2外面部15を折り曲げるとともに、第2外面部15に対して第1壁面部18を折り曲げる。これにより、第1被覆面部12と第2壁面部25とを重畳させる。
【0029】
ついで、図4に示すように、第1被覆面部12に対して第1外面部11を折り曲げるとともに、第1外面部11に対して第2被覆面部13を折り曲げる。これにより、第2被覆面部13と第1壁面部18とを重畳させる。また、第1および第2壁面部18,25の側縁21a,27a,28aを、第1および第2外面部11,15の内側縁に沿うように位置させる。最後に、図5に示すように、第2被覆面部13から突出した係合部30を折り曲げ、係合穴32の内側に押し込んで係合する。
【0030】
このようにして1個の商品1に対して4個のコーナーパッド10を組み立て、図1に示すように、それぞれを商品1の角部に被せるようにして配置する。これにより、商品1の第1端面2b,2dおよび第2端面2a,2cは、第1および第2当接段部22,29の端縁に当接した状態をなす。その結果、第1および第2外面部11,15と商品1とは、所定間隔(緩衝用空間)をあけて位置する。
【0031】
このコーナーパッド10は、商品1の第1端面2b,2dを覆う第1外面部11の両側に、商品1の第2端面2a,2cにかけて延びる第1および第2被覆面部12,13を連設し、第1被覆面部12に商品1の第2端面2a,2cを覆う第2外面部15を連設している。よって、商品1の角部を確実に被覆して保護できるため、外側からの干渉によって商品1に傷が付くことを防止できる。また、第2外面部15を連設していない第2被覆面部13に、第2外面部15との係合により組立状態を維持する係合部30を設けているため、商品1の角部に容易に装着し、装着状態を確実に維持できる。
【0032】
さらに、第2外面部15には、第1および第2外面部11,15との間に緩衝用空間を形成する内壁部17を設けているため、外力による商品1への衝撃を確実に緩衝できる。しかも、この内壁部17により、一対の被覆面部12,13間である幅方向の圧縮強度を向上できる。しかも、内壁部17は、第1および第2被覆面部12,13に重畳するとともに、第1および第2外面部11,15の内側縁に沿って位置する第1および第2壁面部18,25を有し、これらを連続壁面部23A,23Bで連設したものであるため、確実に緩衝用空間を形成できるとともに、幅方向の圧縮強度を確実に向上できる。
【0033】
図7は、第2実施形態のコーナーパッド50を示す。この第2実施形態では、内壁部57の構成を変更した点で、第1実施形態と大きく相違する。また、第2実施形態では、装着する商品1の厚さに応じて装着を可能とした点で、更に第1実施形態と相違する。
【0034】
具体的には、第2実施形態のコーナーパッド50のブランクは、図12に示すように、中央に商品1の第1端面2b,2dの外側を覆う第1外面部51を備えている。この第1外面部51は、肉厚が最も大きい商品1の端面2a〜2dの幅と略同一幅で縦方向に延びる矩形状をなす。
【0035】
第1外面部51には、第1実施形態と同様に、横方向の左側縁に第1被覆面部52が連設され、右側縁に第2被覆面部53が連設されている。そして、第1外面部51と第1および第2被覆面部52,53の各境界には、リード罫からなる第1折曲線54が設けられている。
【0036】
第2実施形態では、第2被覆面部53の下端縁に、第2端面2a,2cの外側を覆う第1実施形態と同様の第2外面部55が連設されている。そして、これら第2被覆面部53と第2外面部55との境界には、押罫からなる第2折曲線56が設けられている。
【0037】
そして、第2外面部55には、連続した第2被覆面部53と逆側に位置する下端縁に内壁部57が連設されている。この内壁部57は、第1および第2外面部51,55との間に緩衝用空間を形成するためのもので、第2端面緩衝部58と、第1端面緩衝部67と、これらを屈曲可能に連続する屈曲部80とを備えている。
【0038】
第2端面緩衝部58は、第2外面部55に対して縦方向に連続する第1壁面部59、第2端面当接部61、第2壁面部63および第2外面重畳部65を備えている。
【0039】
第1壁面部59は、第1実施形態の第1壁面部18の第1緩衝部20に相当する矩形状のもので、第2外面部55の下端縁に連続するように横方向に延びている。第2外面部55と第1壁面部59との境界には、押罫からなる第3折曲線60が設けられている。この第1壁面部59は、組立状態で、第2外面部55の内側縁に沿って位置するとともに、縦方向に連続した第2被覆面部53と対向する第1被覆面部52の内側面に重畳する。
【0040】
第2端面当接部61は、第1壁面部59の下端縁に連続するように横方向に延びる矩形状のものである。第1壁面部59と第2端面当接部61との間には、押罫からなる第4折曲線62が設けられている。この第2端面当接部61は、組立状態で、第2外面部55と所定間隔をあけて平行に位置し、商品1の第2端面2a,2cに当接する。
【0041】
第2壁面部63は、第1実施形態の第2壁面部25の第1緩衝部27に相当する矩形状のもので、第2端面当接部61の下端縁に連続するように横方向に延びている。第2端面当接部61と第2壁面部63との境界には、押罫からなる第5折曲線64が設けられている。この第2壁面部63は、組立状態で、第2外面部55の内側縁に沿って位置するとともに、縦方向に連続した第2被覆面部53の内側面に重畳する。
【0042】
第2外面重畳部65は、第2壁面部63の下端縁に連続するように横方向に延びる矩形状のものである。第2壁面部63と第2外面重畳部65との境界には、押罫からなる第6折曲線66が設けられている。この第2外面重畳部65は、組立状態で、第2外面部55の内側面に重畳する。
【0043】
第1端面緩衝部67は、本実施形態では、第2外面部55の横方向に隣接する第1外面第1重畳部68を備えている。そして、この第1外面第1重畳部68に対して縦方向に連続するように、第1端面緩衝部67の第1壁面部59、第2端面当接部61、第2壁面部63および第2外面重畳部65に対して横方向に隣接する第3壁面部71、第1端面当接部73、第4壁面部75および第1外面第2重畳部77を備えている。
【0044】
第1外面第1重畳部68は、第2外面部55に対して横方向に連続して延びる矩形状のものである。第2外面部55と第1外面第1重畳部68との境界には、リード罫からなる第7折曲線69が設けられている。この第1外面第1重畳部68は、第1外面部51および第1被覆面部52に対して縦方向下側に位置し、これらと切断線70によって区画されている。また、第1外面第1重畳部68は、組立状態で、第1外面部51の内側面に重畳する。
【0045】
第3壁面部71は、第1実施形態の第1壁面部18の第2緩衝部21に相当する矩形状のもので、第1外面第1重畳部68の下端縁に連続するとともに、第1壁面重畳部の横方向に屈曲部80を介して隣接されている。第1外面第1重畳部68と第3壁面部71との境界には、押罫からなる第8折曲線72が設けられている。この第3壁面部71は、組立状態で、第1外面部51の内側縁に沿って位置するとともに、第1被覆面部52の内側面に重畳する。
【0046】
第1端面当接部73は、第3壁面部71の下端縁に連続するように横方向に延びる矩形状のもので、第2端面当接部61の横方向に屈曲部80を介して隣接されている。第3壁面部71と第1端面当接部73との間には、押罫からなる第9折曲線74が設けられている。この第1端面当接部73は、組立状態で、第1外面部51と所定間隔をあけて平行に位置し、商品1の第1端面2b,2dに当接する。
【0047】
第4壁面部75は、第1実施形態の第2壁面部25の第2緩衝部28に相当する矩形状のもので、第1端面当接部73の下端縁に連続するとともに、第2外面重畳部65の横方向に屈曲部80を介して隣接されている。第1端面当接部73と第4壁面部75との境界には、押罫からなる第10折曲線76が設けられている。この第4壁面部75は、組立状態で、第1外面部51の内側縁に沿って位置するとともに、第2被覆面部53の内側面に重畳する。
【0048】
第1外面第2重畳部77は、第4壁面部75の下端縁に連続するとともに、第2外面重畳部65の横方向に連続する矩形状のものである。第4壁面部75と第1外面第2重畳部77との境界には、押罫からなる第11折曲線78が設けられている。また、第2外面重畳部65と第1外面第2重畳部77との境界には、リード罫からなる第12折曲線79が設けられている。この第1外面第2重畳部77は、組立状態で、第1外面部51の内側面に重畳した第1外面第1重畳部68の内側面に重畳する。
【0049】
屈曲部80は、第1および第3壁面部59,71の間、第1および第2端面当接部73,61の間、および、第2および第4壁面部63,75の間にかけて設けられ、第1および第2端面緩衝部67,58を90度屈曲可能とするものである。この屈曲部80は、第1および第3壁面部59,71の境界に設けた直角二等辺三角形状の打抜部81Aと、第2および第4壁面部63,75の境界に設けた略直角二等辺三角形状の打抜部81Bとを備えている。これら打抜部81A,81Bの間に位置する第2および第1端面当接部58,67の境界には、一対の折込連続部82A,82Bが設けられている。右側に位置する折込連続部82Aは第2端面当接部61の横方向に連続し、左側に位置する折込連続部82Bは第1端面当接部73の横方向に連続する。そして、第2端面当接部61と折込連続部82Aとの境界、一対の折込連続部82A,82Bの境界、および、第1端面当接部73と折込連続部82Bとの境界には、それぞれリード罫からなる第13折曲線83が設けられている。
【0050】
本実施形態では、第2外面部55が連続していない第1被覆面部52と、連続している第2被覆面部53の両方に、内壁部57との係合により組立状態を維持する係合部84が設けられている。この係合部84は、下端部を連続した押罫からなる第14折曲線85とし、この第14折曲線85の両端から逆台形状をなすように切断線86を設けることにより、切起構造の舌片状としたものである。この係合部84の第14折曲線85は、組立状態で第2端面当接部61と一致するように設けられている。そして、この第2端面当接部61には、係合部84が挿入されて互いに係合する係合穴87が設けられている。この係合穴87は、第2端面当接部61の両側に位置する第1壁面部59から第2壁面部63にかけて延びる矩形状の打抜部からなる。
【0051】
また、第2実施形態のコーナーパッド50は、装着する商品1の厚さに応じて第1および第2被覆面部52,53間の隙間を調整する折込部88A,88Bを備えている。この折込部88A,88Bは、直角三角形状をなす第1および第2被覆面部52,53の傾斜した縁に連設されている。第1および第2被覆面部52,53と折込部88A,88Bの境界には、リード罫からなる第15折曲線89が設けられている。折込部88A,88Bは、商品1の肉厚が厚い場合には、両方の折込部88A,88Bを第1および第2被覆面部52,53の内側に折り込むことなく、商品1の角部に装着する。また、商品1の肉厚が薄い場合には、両方の折込部88A,88Bを第1および第2被覆面部52,53の内側に折り込んで、商品1の角部に装着する。さらに、商品1の肉厚が厚くも薄くもない中間の厚さの場合には、折込部88Aまたは折込部88Bだけを第1または第2被覆面部52,53の内側に折り込んで、商品1の角部に装着する。そして、両方の折込部88A,88Bを第1および第2被覆面部52,53の内側に折り込まない形態(図10に示す状態)、および、両方の折込部88A,88Bを第1および第2被覆面部52,53の内側に折り込む形態(図11に示す状態)を考慮して、折込部88A,88Bは、上側縁を外側下向きに傾斜させ、下端縁を外側上向きに傾斜させた台形状としている。
【0052】
この第2実施形態のコーナーパッド50のブランクは、第1実施形態と同様に、打ち抜かれた展開状態のまま所定の納入先に出荷され、商品1を輸送する際に組み立てて装着される。
【0053】
例えば、図8に示すように、まず、第2および第4壁面部63,75に対して第2外面重畳部65と第1外面第2重畳部77を折り曲げるとともに、第2および第1端面当接部58,67に対して第2および第4壁面部63,75を折り曲げる。また、第1および第3壁面部59,71に対して第2および第1端面当接部58,67を折り曲げるとともに、第2外面部55と第1外面第1重畳部68に対して第1および第3壁面部59,71を折り曲げる。
【0054】
ついで、図9に示すように、第2被覆面部53に対して第2外面部55を折り曲げる。その後、屈曲部80を支点として第2および第1端面緩衝部58,67を折り曲げて屈曲させる。具体的には、屈曲部80は、第2端面当接部61と折込連続部82Aの間を山折りするとともに、第1端面当接部73と折込連続部82Bの間を山折りし、かつ、折込連続部82A,82Bの間を谷折りすることにより、図示のように90度に屈曲させることができる。これにより、第2および第4壁面部63,75を第2被覆面部53の内側面に重畳させる。
【0055】
その後、図10に示すように、第2被覆面部53に対して第1外面部51を折り曲げるとともに、第1外面部51に対して第1被覆面部52を折り曲げる。これにより、第1および第3壁面部59,71と第1被覆面部52とが重畳するとともに、第1外面第1重畳部68と第1外面部51とが重畳する。最後に、図11に示すように、第1および第2被覆面部52,53に形成した各係合部84,84を内向きに折り曲げ、内壁部57の係合穴87に押し込んで係合する。
【0056】
このようにして4個のコーナーパッド50を組み立て、商品1の肉厚が薄いものである場合には、折込部88A,88Bを第1および第2被覆面部52,53に対して内側に折り込み、図7に示すように、それぞれを商品1の角部に被せるようにして配置する。これにより、商品1の第1端面2b,2dおよび第2端面2a,2cは、それぞれ第1および第2端面当接部73,61に当接した状態をなす。その結果、第1および第2外面部51,55と商品1とは、所定間隔(緩衝用空間)をあけて位置する。
【0057】
この第2実施形態のコーナーパッド50は、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。しかも、第2実施形態のコーナーパッド50は、商品1の肉厚に応じて第1および第2被覆面部52,53の間の隙間を調整する折込部88A,88Bを設けているため、汎用性を高めることができるとともに、商品1の角部に確実に装着し、脱落も確実に防止できる。
【0058】
なお、本発明のコーナーパッドは、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0059】
例えば、商品1の第2端面2a,2cを被覆する第2外面部15,55は、第1実施形態では第1被覆面部12に連設し、第2実施形態では第2被覆面部53に連設したが、図13に示すように、第1外面部11に連設する構成としてもよい。また、この図13に示すように、第1実施形態のコーナーパッド10においても、第1および第2外面部11,15を肉厚が最も大きい商品1の端面2a〜2dの幅と略同一幅に設け、第1および第2被覆面部12,13に折込部88A,88Bを設ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…商品
2b,2d…第1端面
2a,2c…第2端面
10…コーナーパッド
11…第1外面部
12…第1被覆面部
13…第2被覆面部
15…第2外面部
17…内壁部
18…第1壁面部
23A,23B…連続壁面部
25…第2壁面部
30…係合部
32…係合穴
50…コーナーパッド
51…第1外面部
52…第1被覆面部
53…第2被覆面部
55…第2外面部
57…内壁部
58…第2端面緩衝部
59…第1壁面部
61…第2端面当接部
63…第2壁面部
67…第1端面緩衝部
71…第3壁面部
73…第1端面当接部
75…第4壁面部
80…屈曲部
84…係合部
87…係合穴
88A,88B…折込部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の第1端面の外側を覆う第1外面部と、
前記第1外面部の一側縁に連続し、前記商品の第1端面からこの第1端面と隣接する第2端面にかけて延び、この商品の前面および後面のうち一方を覆う第1被覆面部と、
前記第1外面部の他側縁に連続し、前記商品の第1端面から第2端面にかけて延び、この商品の前面および後面のうち他方を覆う第2被覆面部と、
前記第1外面部および各被覆面部のうちいずれか1面の、前記商品の第2端面に位置する端縁に連続し、この商品の第2端面の外側を覆う第2外面部と、
前記第2外面部に連続し、前記第1および第2外面部との間に緩衝用空間を形成するための内壁部と、
前記第2外面部が連続していない前記第1および第2被覆面部に設けられ、前記第2外面部または前記内壁部との係合により組立状態を維持する係合部と、
を備えることを特徴とするコーナーパッド。
【請求項2】
前記内壁部は、
前記第2外面部に連続し、前記第1および第2被覆面部のうち一方の内側面に重畳するとともに、前記第1および第2外面部の内側縁に沿って位置し、前記商品の第1および第2端面に当接する第1当接段部を形成した略L字形状の第1壁面部と、
前記第1壁面部の第1当接段部の両側に位置する一対の端縁に連続する連続壁面部と、
前記各連続壁面部に連続し、前記第1および第2被覆面部のうち他方の内側面に重畳するとともに、前記第1および第2外面部の内側縁に沿って位置し、前記商品の第1および第2端面に当接する第2当接段部を形成した略L字形状の第2壁面部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のコーナーパッド。
【請求項3】
前記内壁部は、前記第1および第2被覆面部のうち一方に前記第2外面部を連続させたもので、
前記第2外面部に連続し、前記第1および第2被覆面部のうち他方の内側面に重畳するとともに、前記第2外面部の内側縁に沿って位置する第1壁面部と、
前記第1壁面部に連続し、前記第2外面部と所定間隔をあけて略平行に位置し、前記商品の第2端面に当接する第2端面当接部と、
前記第2端面当接部に連続し、前記第1および第2被覆面部のうち一方の内側面に重畳するとともに、前記第2外面部の内側縁に沿って位置する第2壁面部と、
前記第1壁面部に隣接し、前記第1および第2被覆面部のうち他方の内側面に重畳するとともに、前記第1外面部の内側縁に沿って位置する第3壁面部と、
前記第2端面当接部に隣接するとともに前記第3壁面部に連続し、前記第1外面部と所定間隔をあけて略平行に位置し、前記商品の第1端面に当接する第1端面当接部と、
前記第2面部に隣接するとともに前記第1端面当接部に連続し、前記第1および第2被覆面部のうち一方の内側面に重畳するとともに、前記第1外面部の内側縁に沿って位置する第4壁面部と、
前記第1および第3壁面部の間、前記第1および第2端面当接部の間、および、前記第2および第4壁面部の間に設けた屈曲部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のコーナーパッド。
【請求項4】
前記第1および第2被覆面部に、内側に折り込んで商品との隙間を調整する折込部を連設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコーナーパッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−158369(P2012−158369A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19883(P2011−19883)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】