説明

コールセンター装置

【課題】コールセンター業務の遂行に支障をきたすことなくオペレータ端末にインストールされているソフトウェアを更新できるコールセンター装置を提供する。
【解決手段】本発明によるコールセンター装置は、インストールしたオペレーションソフトウェアに従って動作する複数のオペレーション端末と、当該複数のオペレーション端末の各々に関するオペレーション情報端末に基づいて当該オペレーション端末の各々がインストールしているオペレーションソフトウェアの更新可否を判別し、更新が可能であれば、更新が必要なオペレーション端末にオペレーションソフトウェアを含むインストーラを送信するサーバと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のオペレータ端末とサーバとを含むコールセンター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、コールセンター装置は複数のオペレータ端末を備えている。各オペレータ端末にはオペレーション業務を行うためのソフトウェア(以下、オペレーションソフトウェアと称する)がインストールされている。一般に、ソフトウェアは不具合の修正や機能改善のために更新(アップデート)される慣例があり、オペレータ端末が備えるオペレーションソフトウェアについても同様に更新が要望される。各オペレータ端末が備えるオペレーションソフトウェアを手動で1台ずつ更新するには多くの時間や労力を必要とするため、人手を介さずにオペレーションソフトウェアを更新できる装置が望まれる。例えば、特許文献1にはネットワークを介して取得したソフトウェアのバージョン番号情報に基づいてソフトウェアを自動的に更新する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−259128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、コールセンター業務には当該業務特有のサービス形態があるため、特許文献1に開示される如きソフトウェアの更新方法をコールセンター装置に適用することができなかった。通常、コールセンター装置に属するオペレータは顧客からの問い合わせなどに応答することを業務としている。例えば、オペレータが顧客からの問い合わせなどに応答している最中に自動的に通話を打ち切ってオペレーションソフトウェアを更新すると、問い合わせなどに対する返答を顧客が得られなくなってしまうという問題点がある。この場合、顧客に不満を与えてしまう。また、コールセンター装置において作動しているオペレータ端末の数が少ないときに、オペレータ端末が備えるオペレーションソフトウェアからログオフして自動的にオペレーションソフトウェアの更新を行うと、顧客に応答できるオペレータ端末の数が更に減少し、場合によっては顧客が何度か発信しても通話できなくなってしまうという問題点がある。この場合にもやはり顧客に不満を与えてしまう。また、コールセンター業務においては、顧客からの問い合わせなどへの応答回数に応じてオペレータに賃金が支払われる歩合制が導入されている場合がある。オペレーションソフトウェアの更新には相応の時間がかかるため、応答回数を考慮せず自動的にオペレーションソフトウェアを更新すると、場合によっては特定のオペレータに応答回数が偏ってしまうという問題点がある。この場合、オペレータ間で得られる賃金に差が生じるため、オペレータに不満を与えてしまう。
【0004】
本発明は上記した如き問題点に鑑みてなされたものであって、コールセンター業務の遂行に支障をきたすことなくオペレータ端末にインストールされているオペレーションソフトウェアを更新するコールセンター装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるコールセンター装置は、着信呼に応じて通話路を設定する通話路設定手段と、オペレーションソフトウェアを含むインストーラを受信したときこれを実行して前記オペレーションソフトウェアをインストールするインストーラ受信実行部と、を各々が含んで当該インストールされたオペレーションソフトウェアに従った動作をなす複数のオペレータ端末と;前記インストーラを格納するインストーラ格納部と、前記オペレータ端末の各々にインストールされているオペレーションソフトウェアのバージョン番号と前記インストーラに含まれるオペレーションソフトウェアのバージョン番号とを比較して当該インストールされているオペレーションソフトウェアの更新要否を判別する更新要否判別部と、前記インストーラ格納部に格納されているインストーラを前記複数のオペレータ端末のうちの何れかに送信するインストーラ送信部と、を含むサーバと;を含むコールセンター装置であって、前記サーバが、前記複数のオペレータ端末の各々に関連するオペレータ端末情報を記憶する端末情報記憶部と、前記オペレータ端末情報に基づいて前記複数のオペレータ端末の各々にインストールされているオペレーションソフトウェアの更新可否を判別する更新可否判別部と、前記更新可否判別部によって更新可と判別された場合に前記インストーラ送信部をして前記更新要否判別部が更新要と判別したオペレーションソフトウェアをインストールしているオペレータ端末に前記インストーラ格納部に格納されているインストーラを送信せしめるインストール制御部と、を含むことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0007】
図1は本発明によるコールセンター装置を通信路300と共に表すブロック図である。
【0008】
コールセンター装置は、サーバ100と、オペレータ端末200−0〜n(ここでのnは正整数)とを含む。サーバ100とオペレータ端末200−0〜nの各々とは通信路300を介して接続されている。通信路300は例えばLAN(Local Area Network)などである。
【0009】
サーバ100は、インストーラ格納部110と、端末情報記憶部120と、更新管理部130とを含む。
【0010】
インストーラ格納部110はインストーラを格納している。インストーラはオペレータ端末200−0〜nの各々にインストールすべきオペレーションソフトウェアを含む。インストーラがオペレータ端末200−0において実行された場合、インストーラに含まれるオペレーションソフトウェアがオペレータ端末200−0にインストールされる。インストーラがオペレータ端末200−1〜nの各々において実行された場合も同様に、インストーラに含まれるオペレーションソフトウェアがオペレータ端末200−1〜nの各々にインストールされる。オペレーションソフトウェアにはバージョン番号が対応付けられている。ここでのオペレーションソフトウェアはコールセンター業務を遂行するための機能を実現するソフトウェアである。
【0011】
端末情報記憶部120は、ソフトウェアバージョン記憶部121と、ソフトウェア更新要否記憶部122と、総着信呼数記憶部123と、総着信呼数閾値記憶部124と、端末ログオン状況記憶部125と、ログオン端末数閾値記憶部126と、応答回数記憶部127と、応答回数閾値記憶部128とを含む。端末情報記憶部120は、オペレータ端末情報をこれらの記憶部に記憶する。
【0012】
ソフトウェアバージョン記憶部121は、オペレータ端末200−0〜nの各々にインストールされているオペレーションソフトウェアのバージョン番号とオペレータ端末200−0〜nの各々とを対応付けて記憶する。例えばソフトウェアバージョン記憶部121は、オペレータ端末200−0〜nの各々にインストールされているオペレーションソフトウェアのバージョン番号を識別するオペレーションソフトウェアバージョン番号識別手段及び当該手段によって得られたオペレーションソフトウェアのバージョン番号をオペレータ端末200−0〜nの各々から取得するオペレーションソフトウェアバージョン番号手段などを備えて、当該取得したオペレーションソフトウェアのバージョン番号とオペレータ端末200−0〜nの各々とを対応付けて記憶する。
【0013】
ソフトウェア更新要否記憶部122はオペレータ端末200−0〜nの各々にインストールされているオペレーションソフトウェアの更新が必要であるか否かを表す更新要否情報を記憶している。なお、更新要否情報は後述する更新要否判別部131及びインストール完了通知受信部136によって更新される。
【0014】
総着信呼数記憶部123は、オペレータ端末200−0〜nに着信した呼の総数を示す総着信呼数を記憶する。例えば総着信呼数記憶部123は、オペレータ端末200−0〜nに着信する呼を監視する呼着信監視手段及びオペレータ端末200−0〜nに着信する呼の数を総和する着信呼数総和手段などを備えて、オペレータ端末200−0〜nに着信した呼の総数を示す総着信呼数を記憶する。
【0015】
総着信呼数閾値記憶部124は、所定の総着信呼数閾値を記憶する。通常、総着信呼数閾値はオペレータ端末200−0〜nの内の幾つかがオペレーションソフトウェアのインストールのためにオペレータ業務を中断してもコールセンター業務の運用に支障をきたさない程度の着信呼数を閾値としたものである。通常、総着信呼数閾値記憶部124は総着信呼数閾値を予め記憶している。
【0016】
端末ログオン状況記憶部125は、オペレーションソフトウェアにログオンしているオペレータ端末200−0〜mの個数を表すログオン端末数を記憶する(ここでのmは正整数でnより小さい)。例えば端末ログオン状況記憶部125は、オペレータ端末200−0〜nの各々のログオン状況を監視するログオン状況監視手段及び当該手段によって得られたログオンしているオペレータ端末200−0〜mの個数を総和するログオン端末数総和手段などを備えて、当該総和した個数を記憶する。また、端末ログオン状況記憶部125は、オペレータ端末200−0〜nの各々とこれらがオペレーションソフトウェアにログオンしているか否かを表す情報とを対応付けて記憶している。
【0017】
ログオン端末数閾値記憶部126は、所定のログオン端末数閾値を記憶する。通常、ログオン端末数閾値はオペレータ端末200−0〜nの内の幾つかがオペレーションソフトウェアのインストールのためにオペレータ業務を中断してもコールセンター業務の運用に支障をきたさない程度のログオン端末数を閾値としたものである。通常、ログオン端末数閾値記憶部126はログオン端末数閾値を予め記憶している。
【0018】
応答回数記憶部127は、オペレータ端末200−0〜nの各々が備える通話路設定手段が通話路を設定した回数を表す応答回数を記憶する。例えば応答回数記憶部127は、オペレータ端末200−0〜nの各々の通話路設定状況を監視する通話路設定状況監視手段及び当該手段によって得られた通話路設定の回数を総和する通話路設定回数総和手段を備えて、当該総和した回数を応答回数として記憶する。
【0019】
応答回数閾値記憶部128は、所定の応答回数閾値を記憶する。応答回数閾値はオペレータ端末200−0〜nのいずれかに応答回数が偏らないようにするために予め定めた所定の閾値である。
【0020】
更新管理部130は、更新要否判別部131と、更新可否判別部132と、インストール制御部133と、強制ログオンオフ命令部134と、インストーラ送信部135と、インストール完了通知受信部136とを含む。
【0021】
更新要否判別部131は、オペレータ端末200−0〜nの各々にインストールされているオペレーションソフトウェアのバージョン番号とインストーラ格納部110に格納されているインストーラに含まれるオペレーションソフトウェアのバージョン番号とを比較して当該インストールされているオペレーションソフトウェアの更新要否を判別する。更新要否判別部131は、当該判別した更新要否をオペレータ端末200−0の各々に対応付けて記憶する。通常、更新要否判別部131は、初期設定時に、更新不要である旨をオペレータ端末200−0〜nの各々に対応付けて記憶する。
【0022】
更新可否判別部132は、オペレータ端末情報に基づいてオペレータ端末200−0〜nの各々にインストールされているオペレーションソフトウェアの更新可否を判別する。具体的な更新可否の判別処理としては、以下に示す3つの判別処理がある。更新可否判別部132は、総着信呼数記憶部123に記憶されている総着信呼数と、総着信呼数閾値記憶部124に記憶されている総着信数閾値を取得して、これらを比較し、総着信呼数が総着信数閾値を下回っている場合に更新可と判別する。更新可否判別部132は、端末ログオン状況記憶部125に記憶されているログオン端末数がログオン端末数閾値記憶部126に記憶されているログオン端末数閾値を上回っている場合に更新可と判別する。更新可否判別部132は、応答回数記憶部127にオペレータ端末200−0に対応付けて記憶されている応答回数が応答回数閾値記憶部128に記憶されている応答回数閾値を上回っている場合にオペレータ端末200−0にインストールされているオペレーションソフトウェアを更新可と判別する。更新可否判別部132は、オペレータ端末200−1〜nについてもこれと同様の処理を行う。
【0023】
インストール制御部133は、更新可否判別部132によってオペレーションソフトウェアの更新が可能であると判別された場合に、インストーラ送信部135をして更新要否判別部131が更新要と判別したオペレーションソフトウェアをインストールしているオペレータ端末200−0に、インストーラ格納部110に格納されているインストーラを送信せしめる。インストール制御部133は、オペレータ端末200−1〜nについてもこれと同様の処理を行う。
【0024】
強制ログオンオフ命令部134は、オペレーションソフトウェアにログオンしているオペレータ端末200−0に当該オペレーションソフトウェアから強制的にログオフさせる強制ログオフ命令を発する。通常、強制ログオンオフ命令部134は、オペレーションソフトウェアの更新が必要かつ可能であるオペレータ端末200−0がオペレーションソフトウェアにログオンしている場合に強制ログオフ命令を発する。また、強制ログオンオフ命令部134は、インストール完了通知受信部136がインストール完了通知を受信したら、オペレータ端末200−0に強制ログオン命令を発する。強制ログオンオフ命令部134は、オペレータ端末200−1〜nについてもこれと同様の処理を行う。
【0025】
インストーラ送信部135は、インストーラ格納部110に格納されているインストーラをオペレータ端末200−0〜nの内の何れかに送信する。通常、インストーラ送信部135はオペレータ端末200−0〜nの内、オペレーションソフトウェアの更新が必要かつ可能であるものにインストーラを送信する。
【0026】
インストール完了通知受信部136は、オペレーションソフトウェアのインストール完了後にインストーラ受信実行部201−0が送信するインストール完了通知を受信する。インストール完了通知受信部136は、インストール完了通知を受信したら、ソフトウェア更新要否記憶部122をしてオペレーションソフトウェアの更新が不要である旨をインストールが完了したオペレータ端末200−0に対応付けて記憶せしめる。また、インストール完了通知受信部136は、インストール完了通知を受信したら、ソフトウェアバージョン記憶部121をしてインストールが完了したオペレータ端末200−0に対応付けて記憶しているオペレーションソフトウェアのバージョン番号を更新せしめる。インストール完了通知受信部136は、オペレータ端末200−1〜nについてもこれと同様の処理を行う。
【0027】
オペレータ端末200−0は、通話路設定手段と、インストーラ受信実行部201−0と、強制ログオンオフ制御部202−0とを含む。なお、オペレータ端末200−1〜nの各々もオペレータ端末200−0と同様の構成である。オペレータ端末200−1〜nの各々はインストールしたオペレーションソフトウェアに従った動作をなす。
【0028】
通話路設定手段は、例えば電話機(図示せず)あるいは構内交換機(図示せず)などから着信した呼に応じて通話路を設定する。通話路設定手段が通話路を設定すれば、オペレータは呼を発した顧客と通話できる。
【0029】
インストーラ受信実行部201−0は、インストーラ送信部135が通信路300を介して送信したインストーラを受信し、これを実行して当該インストーラに含まれるオペレーションソフトウェアをインストールする。
【0030】
強制ログオンオフ制御部202−0は、強制ログオンオフ命令部134から発せられた強制ログオフ命令に応じてオペレーションソフトウェアからオペレータ端末200−0をログオフさせる。同様に強制ログオンオフ制御部202−0は、強制ログオンオフ命令部134から発せられた強制ログオン命令に応じてオペレータ端末200−0をオペレーションソフトウェアにログオンさせる。
【0031】
図2はオペレーションソフトウェア更新処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。以下に図2を参照しつつオペレーションソフトウェア更新処理について説明する。
【0032】
最初に更新要否判別部131がオペレーションソフトウェアバージョン番号比較処理を実行する(S21)。図3はオペレーションソフトウェアバージョン番号比較処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。以下に図3を参照しつつオペレーションソフトウェアバージョン番号比較処理について説明する。
【0033】
先ず、更新要否判別部131はオペレータ端末200−0にインストールされているオペレーションソフトウェアのバージョン番号を取得する(S31)。次に、更新要否判別部131はインストーラに含まれるオペレーションソフトウェアのバージョン番号を取得する(S32)。続いて、更新要否判別部131はオペレータ端末200−0にインストールされているオペレーションソフトウェアのバージョン番号とインストーラに含まれるオペレーションソフトウェアのバージョン番号とを比較する(S33)。オペレータ端末200−0にインストールされているオペレーションソフトウェアのバージョン番号がインストーラに含まれるオペレーションソフトウェアのバージョン番号より低い場合、オペレーションソフトウェアの更新が必要であると判別する。この場合、ソフトウェア更新要否記憶部122は更新が必要である旨をオペレータ端末200−0に対応付けて記憶する(S34)。また、オペレータ端末200−0にインストールされているオペレーションソフトウェアのバージョン番号がインストーラに含まれるオペレーションソフトウェアのバージョン番号より高い場合、オペレーションソフトウェアの更新が不要であると判別する。この場合、ソフトウェア更新要否記憶部122は更新が不要である旨をオペレータ端末200−0に対応付けて記憶する(S35)。更新要否判別部131は残りのオペレータ端末200−1〜nの各々についても同様に図3に示されるオペレーションソフトウェアバージョン番号比較処理を行う。
【0034】
再び図2を参照する。オペレーションソフトウェアバージョン番号比較処理に続いて、更新可否判別部132は総着信呼数記憶部123に記憶されている総着信呼数と、総着信呼数閾値記憶部124に記憶されている総着信数閾値を取得する(S22)。更新可否判別部132は取得した総着信呼数と総着信数閾値とを比較する(S23)。更新可否判別部132は総着信呼数が総着信数閾値を上回っている場合にはオペレーションソフトウェアの更新を不可能と判別し、オペレーションソフトウェア更新処理を終了する。更新可否判別部132は総着信呼数が総着信数閾値を下回っている場合にオペレーションソフトウェアの更新を可能と判別し、次の判別処理に移行する。通常、オペレーションソフトウェアの更新中のオペレータ端末200−0においてはオペレータが顧客からの問い合わせなどに応答できないため、コールセンター装置への着信数が少ないときにオペレーションソフトウェアを更新することが望ましい。上記した処理に拠れば総着信呼数が総着信数閾値を下回っている場合にオペレーションソフトウェアの更新を可能と判別することにより、コールセンター装置への着信数が多いときを避けてオペレーションソフトウェアを更新することができる。
【0035】
次に更新可否判別部132は端末ログオン状況記憶部125に記憶されているログオン端末数と、ログオン端末数閾値記憶部126に記憶されているログオン端末数閾値とを取得する(S24)。更新可否判別部132は取得したログオン端末数とログオン端末数閾値とを比較する(S25)。ログオン端末数がログオン端末数閾値を下回っている場合にはオペレーションソフトウェアの更新を不可能と判別し、オペレーションソフトウェア更新処理を終了する。更新可否判別部132はログオン端末数がログオン端末数閾値を上回っている場合にオペレーションソフトウェアの更新を可能と判別し、次の判別処理に移行する。オペレーションソフトウェア更新のためにオペレーションソフトウェアからログオフしているオペレータ端末200−t〜n(ここでのtはm+1)の数が多いと、全ての顧客からの問い合わせなどに即座に応答できなくなってしまう可能性がある。そのため、オペレーションソフトウェアにログオンしているオペレータ端末200−0〜mの個数が所定数よりも多いことが望ましい。上記した処理に拠ればオペレーションソフトウェアにログオンしているオペレータ端末200−0〜mの個数が所定数よりも多いときにオペレーションソフトウェアを更新することにより、オペレーションソフトウェアにログオンしているオペレータ端末200−0〜mの個数を全ての顧客からの問い合わせなどに即座に応答できる程度に確保することができる。
【0036】
次に更新可否判別部132は応答回数記憶部127にオペレータ端末200−0〜nの各々に対応付けて記憶されている応答回数と、応答回数閾値記憶部128に記憶されている応答回数閾値とを取得する(S26)。更新可否判別部132は取得した応答回数と応答回数閾値とを比較する(S27)。応答回数が応答回数閾値を下回っている場合にはオペレーションソフトウェアの更新を不可能と判別し、オペレーションソフトウェア更新処理を終了する。更新可否判別部132は応答回数が応答回数閾値を上回っている場合にオペレーションソフトウェアの更新を可能と判別し、次の判別処理に移行する。通常、オペレーションソフトウェア更新中のオペレータ端末200−0においてはオペレータが顧客からの問い合わせなどに応答できない。オペレーションソフトウェアの更新には相応の時間がかかるため、オペレーションソフトウェア更新中のオペレータ端末200−0と他のオペレータ端末200−1〜nなどとの間で応答回数に偏りが生じる可能性がある。コールセンター業務においては顧客からの問い合わせなどへの応答回数に応じてオペレータに賃金が支払われる歩合制が導入されている場合があるため、オペレータ間で応答回数に偏りが少ないのが望ましい。上記した処理に拠れば所定数以上の応答回数があるオペレータ端末200−0のオペレーションソフトウェアを更新することによりオペレータ間での応答回数の偏りを少なくすることができる。更新可否判別部132は残りのオペレータ端末200−1〜nの各々についても上記したのと同様の処理を行う。
【0037】
図4はオペレーションソフトウェアバージョン番号更新処理の一例を示すシーケンス図である。以下に図4を参照しつつオペレーションソフトウェアバージョン番号更新処理について説明する。
【0038】
最初にインストール制御部133がソフトウェア更新要否記憶部122から更新要否情報を取得し(S41)、オペレーションソフトウェアの更新が必要であるか否かを判別する(S42)。オペレーションソフトウェアの更新が不要であればインストール制御部133はオペレーションソフトウェアバージョン番号更新処理を終了する。オペレーションソフトウェアの更新が必要であれば、強制ログオンオフ命令部134は端末ログオン状況記憶部125に記憶されているオペレータ端末200−0のログオン状況を取得する(S43)。強制ログオンオフ命令部134は当該取得したログオン状況に基づいてオペレータ端末200−0がオペレーションソフトウェアにログオンしているか否かを判別する(S44)。オペレータ端末200−0がオペレーションソフトウェアにログオンしていなければ、強制ログオンオフ命令部134はオペレーションソフトウェアバージョン番号更新処理を終了する。オペレータ端末200−0がオペレーションソフトウェアにログオンしていれば、強制ログオンオフ命令部134はオペレータ端末200−0に強制ログオフ命令を発する(S45)。オペレータ端末200−0に含まれる強制ログオンオフ制御部202−0は強制ログオンオフ命令部134から発せられた強制ログオフ命令に応じて、オペレータ端末200−0にインストールされているオペレーションソフトウェアからオペレータ端末200−0をログオフさせる(S46)。
【0039】
続いてサーバ100に含まれるインストーラ送信部135はインストーラ格納部110に格納されているインストーラを取り出して、通信路300を介してこれをオペレータ端末200−0に送信する(S47)。オペレータ端末200−0に含まれるインストーラ受信実行部201−0はインストーラ送信部135から送信されたインストーラを受信して、これを実行する(S48)。インストーラが実行されるとこれに含まれるオペレーションソフトウェアがインストールされる。これによりオペレータ端末200−0がインストールしていたオペレーションソフトウェアが更新される。インストーラ受信実行部201−0はオペレーションソフトウェアのインストールが完了したら、通信路300を介してインストール完了通知をサーバ100に送信する(S48)。サーバ100に含まれるインストール完了通知受信部136は、インストーラ受信実行部201−0から送信されたインストール完了通知を受信する(S49)。
【0040】
インストール完了通知受信部136は、インストール完了通知を受信したらソフトウェア更新要否記憶部122をしてインストールが完了したオペレータ端末200−0に更新不要である旨を対応付けて記憶せしめる(S50)。また、インストール完了通知受信部136は、インストール完了通知を受信したら、ソフトウェアバージョン記憶部121をしてインストールが完了したオペレータ端末200−0に対応付けて記憶しているオペレーションソフトウェアのバージョン番号を更新せしめる(S50)。強制ログオンオフ命令部134は、インストール完了通知受信部136がインストール完了通知を受信したら、オペレータ端末200−0に強制ログオン命令を発する(S51)。オペレータ端末200−0に含まれる強制ログオンオフ制御部202−0は強制ログオンオフ命令部134から発せられた強制ログオン命令に応じて、オペレータ端末200−0にインストールされているオペレーションソフトウェアにオペレータ端末200−0をログオンさせる(S52)。上記したオペレーションソフトウェアバージョン番号更新処理に拠ればオペレータ端末200−0をオペレーションソフトウェアから強制的にログオフさせてインストーラを実行し、インストーラ実行後に強制的にオペレーションソフトウェアにログオンさせることによってオペレータがインストール作業を行うことなくオペレーションソフトウェアが更新される。インストール制御部133はオペレータ端末200−1〜nの各々についても同様に図4に示されるオペレーションソフトウェアバージョン番号更新処理を行う。
【0041】
通常、オペレーションソフトウェアの更新中のオペレータ端末200−0においてはオペレータが顧客からの問い合わせなどに応答できないため、コールセンター装置への着信数が少ないときにオペレーションソフトウェアを更新することが望ましい。上記した如く本実施例に拠れば、総着信呼数が総着信数閾値を下回っている場合にオペレーションソフトウェアの更新を可能と判別することにより、コールセンター装置への着信数が多いときを避けてオペレーションソフトウェアを更新することができる。
【0042】
オペレーションソフトウェア更新のためにオペレーションソフトウェアからログオフしているオペレータ端末200−t〜nの数が多いと、全ての顧客からの問い合わせなどに即座に応答できなくなってしまう可能性がある。そのため、オペレーションソフトウェアにログオンしているオペレータ端末200−0〜mの個数が所定数よりも多いことが望ましい。上記した如く本実施例に拠れば、オペレーションソフトウェアにログオンしているオペレータ端末200−0〜mの個数が所定数よりも多いときにオペレーションソフトウェアを更新することにより、オペレーションソフトウェアにログオンしているオペレータ端末200−0〜mの個数を全ての顧客からの問い合わせなどに即座に応答できる程度に確保することができる。
【0043】
通常、オペレーションソフトウェア更新中のオペレータ端末200−0においてはオペレータが顧客からの問い合わせなどに応答できない。オペレーションソフトウェアの更新には相応の時間がかかるため、オペレーションソフトウェア更新中のオペレータ端末200−0と他のオペレータ端末200−1〜nなどとの間で応答回数に偏りが生じる可能性がある。コールセンター業務においては顧客からの問い合わせなどへの応答回数に応じてオペレータに賃金が支払われる歩合制が導入されている場合があるため、オペレータ間で応答回数に偏りが少ないのが望ましい。上記した如く本実施例に拠れば、所定数以上の応答回数があるオペレータ端末200−0のオペレーションソフトウェアを更新することによりオペレータ間での応答回数の偏りを少なくすることができる。
【0044】
上記した如く本実施例に拠れば、コールセンター業務の遂行に支障をきたすことなくオペレータ端末200−0〜nの各々にインストールされているオペレーションソフトウェアを更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】コールセンター装置を通信路と共に表すブロック図である。
【図2】オペレーションソフトウェア更新処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】オペレーションソフトウェアバージョン番号比較処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】オペレーションソフトウェアバージョン番号更新処理の一例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0046】
100 サーバ
110 インストーラ格納部
120 端末情報記憶部
121 ソフトウェアバージョン記憶部
122 ソフトウェア更新要否記憶部
123 総着信呼数記憶部
124 総着信呼数閾値記憶部
125 端末ログオン状況記憶部
126 ログオン端末数閾値記憶部
127 応答回数記憶部
128 応答回数閾値記憶部
130 更新管理部
131 更新要否判別部
132 更新可否判別部
133 インストール制御部
134 強制ログオンオフ命令部
135 インストーラ送信部
136 インストール完了通知受信部
200−0〜n オペレータ端末
201−0〜n インストーラ受信実行部
202−0〜n 強制ログオンオフ制御部
300 通信路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信呼に応じて通話路を設定する通話路設定手段と、オペレーションソフトウェアを含むインストーラを受信したときこれを実行して前記オペレーションソフトウェアをインストールするインストーラ受信実行部と、を各々が含んで当該インストールされたオペレーションソフトウェアに従った動作をなす複数のオペレータ端末と;
前記インストーラを格納するインストーラ格納部と、前記オペレータ端末の各々にインストールされているオペレーションソフトウェアのバージョン番号と前記インストーラに含まれるオペレーションソフトウェアのバージョン番号とを比較して当該インストールされているオペレーションソフトウェアの更新要否を判別する更新要否判別部と、前記インストーラ格納部に格納されているインストーラを前記複数のオペレータ端末のうちの何れかに送信するインストーラ送信部と、を含むサーバと;を含むコールセンター装置であって、
前記サーバが、
前記複数のオペレータ端末の各々に関連するオペレータ端末情報を記憶する端末情報記憶部と、
前記オペレータ端末情報に基づいて前記複数のオペレータ端末の各々にインストールされているオペレーションソフトウェアの更新可否を判別する更新可否判別部と、
前記更新可否判別部によって更新可と判別された場合に前記インストーラ送信部をして前記更新要否判別部が更新要と判別したオペレーションソフトウェアをインストールしているオペレータ端末に前記インストーラ格納部に格納されているインストーラを送信せしめるインストール制御部と、を含むことを特徴とするコールセンター装置。
【請求項2】
前記端末情報記憶部は、前記複数のオペレータ端末に着信呼の総数を示す総着信呼数を記憶する総着信呼数記憶部と、所定の総着信呼数閾値を記憶する総着信呼数閾値記憶部とを含み、
前記更新可否判別部は、前記総着信呼数が前記総着信数閾値を下回っている場合に更新可と判別することを特徴とする請求項1に記載のコールセンター装置。
【請求項3】
前記端末情報記憶部は、前記オペレーションソフトウェアにログオンしているオペレータ端末の個数を表すログオン端末数を記憶する端末ログオン状況記憶部と、所定のログオン端末数閾値を記憶するログオン端末数閾値記憶部とを含み、
前記更新可否判別部は、前記ログオン端末数が前記ログオン端末数閾値を上回っている場合に更新可と判別することを特徴とする請求項1に記載のコールセンター装置。
【請求項4】
前記端末情報記憶部は、前記通話路設定手段が通話路を設定した回数を表す応答回数を記憶する端末ログオン状況記憶部と、所定の応答回数閾値を記憶する通話回数閾値記憶部とを含み、
前記更新可否判別部は、前記応答回数が前記応答回数閾値を上回っている場合に更新可と判別することを特徴とする請求項1に記載のコールセンター装置。
【請求項5】
前記サーバは、インストールしたオペレーションソフトウェアにログオンしているオペレータ端末に当該オペレーションソフトウェアから強制的にログオフさせる強制ログオフ命令を発する強制ログオンオフ命令部を含み、
前記オペレータ端末は、前記強制ログオフ命令に応じて当該オペレーションソフトウェアから当該オペレータ端末をログオフさせる強制ログオンオフ制御部を含み、
前記インストール制御部は、前記オペレータ端末が前記オペレーションソフトウェアからログオフした場合に前記インストーラ送信部をして前記更新要否判別部が更新要と判別したオペレーションソフトウェアをインストールしているオペレータ端末に前記インストーラ格納部に格納されているインストーラを送信せしめることを特徴とする請求項1に記載のコールセンター装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−233987(P2008−233987A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68574(P2007−68574)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】