説明

ゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物

【課題】OA機器や液晶テレビの内部部品や外装材等の、長期間に渡り熱履歴を受ける用途での使用が可能である、ゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物および成形体を提供する。
【解決手段】(A)ゴム変性ポリスチレン樹脂100質量部に対し、(B)2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジンの臭素系難燃剤15〜22質量部、(C)三酸化アンチモン2.3〜3.7質量部を含有する難燃樹脂組成物に、更に(D)オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよび/またはトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]のフェノール系酸化防止剤を難燃樹脂組成物全体に対する質量基準の添加濃度として2700〜12000ppm配合してなるゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物を構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高度な難燃性を有し、かつ長期耐熱性に優れたゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物および成形体に関する物である。
【背景技術】
【0002】
従来ゴム変性ポリスチレン系樹脂は、発泡シート等の食品包材分野や雑貨類等に使用され、長期間に渉る耐久性や耐熱性が特に必要とされない分野での用途が多かった。OA機器や液晶テレビの内部部品や外装材等、長期間に渡りある程度の熱履歴を受ける用途について、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)やPC/ABS樹脂(ポリカーボネート樹脂とABS樹脂のポリマーアロイ)が採用されているが、これらにおいても長期安定性の改良が試みられている(特許第4017053号公報)。近年は低コスト化の要求から、ゴム変性ポリスチレン系樹脂がこれらの樹脂に代わり採用される様になってきた。それに伴い、ゴム変性ポリスチレン系樹脂でも従来は特に必要とされなかった耐久性が要求される様になっている。難燃スチレン系樹脂組成物においても光の長時間照射による黄変を低く抑えようとする改良がはかられている(特開2000−034377号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4017053号公報
【特許文献2】特開2000−034377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうしたOA機器や液晶テレビの内部部品や外装材等の用途では、難燃特性が要求される事が多いが、ゴム変性ポリスチレン系樹脂をハロゲン系等の難燃剤を含む難燃組成物とした場合、長期間に渡り熱履歴を受けた際の物性低下が顕著であり、長期間に渉って物性保持が可能なゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物は知られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、特定の難燃剤および特定のフェノール系酸化防止剤を選択し、特定量の使用によって本発明を完成させた。
1.(A)ゴム変性ポリスチレン樹脂100質量部に対し、(B)構造式(I)で表わされる臭素系難燃剤15〜22質量部、(C)三酸化アンチモン2.3〜3.7質量部を含有する難燃樹脂組成物に、更に(D)構造式(II)および/または(III)で表わされるフェノール系酸化防止剤を難燃樹脂組成物全体に対する質量基準の添加濃度として2700〜12000ppm配合してなるゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物。
【化1】

【化2】

【化3】

2.JIS K 7139に基づき作成した試験片を温度70℃で2000時間加熱した際の引張歪の保持率およびシャルピー衝撃強度の保持率が50%以上を有する上記1.に記載のゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物。
3.1.5mm厚みの試験片の加熱前および温度70℃で2000時間加熱した際のUL94燃焼試験で難燃性がいずれもV−0である上記1.に記載のゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物。
4.JIS K 7139に基づき作成した試験片を温度70℃で2000時間加熱した際の引張歪の保持率およびシャルピー衝撃強度の保持率が50%以上を有し、かつ1.5mm厚みの試験片の加熱前および温度70℃で2000時間加熱した際のUL94燃焼性試験での難燃性がV−0である上記1.に記載のゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物。
5.上記1.乃至上記4.に記載のいずれかのゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物からなる成形体。
6.上記1.乃至上記4.に記載のいずれかのゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物を用いた電気・電子機器筐体または内部部品。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、構造式(I)で表わされたハロゲン系難燃剤ならびに構造式(II)および/または構造式(III)であらわされるフェノール系酸化防止剤を用いるゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物の耐久性が大幅に向上し、OA機器や液晶テレビの内部部品や外装材等の、長期間に渡り熱履歴を受ける用途での使用が有利になる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明で用いるゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS)は、スチレン単量体にゴム成分を溶解し、熱重合または過酸化物等の重合開始剤を用いて攪拌下で重合させた物であり、製造プロセスとしてはバッチ重合でも連続重合でも良い。ゴム成分としては、ブタジエンの単独重合体や、ブタジエンと共重合可能なスチレン等との共重合体が用いられ、共重合体の分子構造はランダム構造でもブロック構造でも良く、分岐構造を有しても良い。またこうしたゴム変性ポリスチレン樹脂は、樹脂組成物としてのゴム成分量や衝撃強度、流動性を調節する目的で、ゴム成分を含まないポリスチレン(GPPS)と併用し用いても良い。
【0008】
本発明で用いる臭素系難燃剤は前記構造式(I){2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン}で表わされる臭素系難燃剤であり、例えば商品名ピロガードSR245(第一工業製薬社製)として知られている物である。
【0009】
前記構造式(I)の難燃剤は融点が約230℃であり、一般的なポリスチレンおよびゴム変性ポリスチレン樹脂などのポリスチレン樹脂の加工温度で溶融するため樹脂混練での分散が容易であり、これを用いた成形品の外観は良好である。
【0010】
前記構造式(I)の難燃剤は、必要な難燃性レベルに応じて添加量を調節出来るが、ゴム変性ポリスチレン樹脂100質量部に対し15〜22質量部が必須であり、好ましくは16〜21部である。難燃剤が15部より少ないと難燃性に劣りUL94燃焼試験でのV−0レベルが確保できない。また22部より多いと、UL94燃焼試験でのV−0レベルは満足するが、引張歪や衝撃特性の保持効果が悪化し、耐熱性も低下する。また他の難燃剤を使用した場合、長期加熱後の物性保持が困難であり、難燃性も低下しやすい。
【0011】
本発明では難燃剤と共に難燃助剤を用いる。難燃助剤としては三酸化アンチモンを2.3〜3.7質量部用いるのが必須であり、好ましくは2.6〜3.5質量部である。三酸化アンチモンが2.3質量部より少ないと燃焼時間が長くなり難燃性が確保できない。また、3.7部より多いとグローイング(火種時間)が長くなり難燃性が確保できない。
【0012】
本発明で用いるフェノール系酸化防止剤は前記構造式(II){オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、構造式(III){トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]}で表わされ酸化防止剤をそれぞれ単独または併用して使用する。例えば構造式(II)は商品名IRGANOX1076、構造式(III)は商品名IRGANOX245(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)として知られている物である。これらはゴム変性スチレン系樹脂の製造段階(バッチ重合においては、ビーズを押出しペレット化する段階。連続重合においては、脱揮工程の直前あるいは脱揮行程後ペレット化する段階。)で規定量となるよう予め加えても良く、難燃剤を樹脂とコンパウンドする工程で加えても良い。
【0013】
フェノール系酸化防止剤は、一次酸化防止剤として樹脂組成物に対し0.05質量部程度使用される事が多いが、こうした添加量では本発明で示す様な長時間加熱した際の物性維持には効果が無い。前記構造式(II)および構造式(III)で表わされるフェノール系酸化防止剤の添加量は、それぞれ単独または併用の場合でもフェノール系酸化防止剤の全量が難燃樹脂組成物全体に対する質量基準の添加濃度として2700〜12000ppmであり、好ましくは3100〜10000ppmである。2700ppmより少ないと温度70℃で2000時間加熱した際の難燃性が悪化し、12000ppmより多いと難燃樹脂組成物の耐熱性が低下する。なお一般的なゴム変性スチレン系樹脂の製造段階で添加する程度の他の酸化防止剤は含まれていてもよいが、本発明の課題解決のために多量の他の酸化防止剤を使用した場合、長期加熱後の物性保持が困難であり、燃焼性も低下しやすい。
【0014】
本発明での引張歪およびシャルピー衝撃強度の測定には、JIS K 7139に基づき作成した試験片を用いた。それぞれの物性保持率は、温度70℃で2000時間加熱後の物性値の測定を行い、0時間(加熱前)の物性値に対する百分率として表わした物である。
引張歪はJIS K 7162に基づき、シャルピー衝撃強度はJIS K 7111−1に基づき測定を行った。耐熱性の指標には荷重たわみ温度(HDT)を用い、JIS K 7191−2(A法、フラットワイズ)に基づき測定を行った。
【0015】
OA機器や液晶テレビの内部部品や外装材等は、室温以上荷重たわみ温度(HDT)以下で使用されるのが通常である。室温付近の温度では、物性試験用の試験片を長期間保持しても物性低下の経時変化が緩やかであり、有意の差が出にくい。本発明では、熱劣化の促進条件として樹脂組成物の荷重たわみ温度(HDT)に近い温度70℃を採用し、2000時間加熱した際の物性保持率を耐久性の指標とした。物性保持率の目安としては、JIS K 7226(プラスチック−長期熱暴露後の時間−温度限界の求め方)に例示のある保持率50%と定めた。
【0016】
本発明の組成物は、規定組成に配合した樹脂、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤を、押出機にて溶融混練する事で得られる。例えば、押出の際には、規定組成となる様に配合した樹脂、薬剤を、タンブラーやヘンシェルミキサー等で十分に混合した後、押出機に供給してストランドとし、ペレタイザーにてペレットとすれば良い。また、樹脂以外の成分を、樹脂の供給量に合わせて連続的に別途押出機に供給し、押出しても良い。なお、この際、ポリエチレンワックスや脂肪酸金属塩、エチレンビスステアリルアミドや鉱油などを、離型剤や滑剤として使用しても良く、帯電防止剤や紫外線吸収剤、酸化チタンやカーボンブラックなどの着色剤、タルクや炭酸カルシウム、ガラス繊維などの無機充填剤、エラストマー成分(SBSや水添SBS)などの改質剤を添加しても良い。
【0017】
本発明の組成物は、耐久性が大幅に向上したゴム変性スチレン系難燃樹脂組成物であり、OA機器や液晶テレビなどの電気・電子機器の内部部品や、筐体などの外装材等、長期間に渡り熱履歴を受ける成形品に好適である。成形法には特に制限は無いが、射出成形が好適である。
【実施例】
【0018】
以下実施例により詳細を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】
ゴム変性ポリスチレン樹脂:重量平均分子量18万、ゴム量8.6%であるHIPSと、重量平均分子量24万のGPPSを、質量比8:2の割合で併用した。
【0020】
臭素系難燃剤:商品名ピロガードSR245(第一工業製薬社製、前記構造式(I))、および商品名SAYTEX8010[アルベマール日本社製、下記構造式(IV):エチレンビスペンタブロモベンゼン]を用いた。
【化4】

【0021】
難燃助剤:鈴裕化学社製、商品名AT−3CN(三酸化アンチモン)を用いた。
【0022】
フェノール系酸化防止剤:商品名IRGANOX1076(前記構造式(II))、商品名IRGANOX245(前記構造式(III))、および商品名IRGANOX1520L{下記構造式(V):2、4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−O−クレゾール](いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を用いた。
【化5】

【0023】
酸化チタン:商品名CR−90−2(石原産業社製)を用いた。
【0024】
(樹脂組成物の調製)
ゴム変性ポリスチレン樹脂100質量部に対して、難燃剤および難燃助剤は表1〜表3に記載の質量部を、また酸化チタンは4質量部用いた。酸化防止剤は難燃樹脂組成物全体に対して、表1〜表3に記載の濃度となるよう計量して用いた。これら全成分をヘンシェルミキサー(三井三池化工(株)製、FM20B)にて混合し、二軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEM26SS)に供給してストランドとし、水冷してからペレタイザーへ導きペレット化した。この際、シリンダー温度230℃、供給量30kg/時間とした。得られたペレットを温度70℃×3時間で加熱乾燥後、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて、JIS K 7139に記載のA型試験片(ダンベル)を成形した。この際、シリンダー温度205℃、金型温度45℃とした。シャルピー試験片は、該ダンベル片の中央部より切り出し、切削でノッチ(タイプA、r=0.25mm)を入れ、試験に用いた。樹脂組成物の荷重たわみ温度(HDT)の測定は、該ダンベル片の中央部より切り出した試験片を用い、JIS K 7191−2(A法、フラットワイズ)に基づいて行った。
【0025】
(加熱試験)
得られたダンベル片およびシャルピー片を、温度70℃に設定した送風乾燥機(機種名DF−62、ヤマト社製)に入れ、2000時間加熱後に取り出して物性を測定し、別途測定した加熱前の物性値に対する割合を百分率で求め、保持率とした。なお引張歪はJIS K 7162に基づき、シャルピー衝撃強度はJIS K 7111−1に基づき測定を行った。各所定時間での物性保持率を表1〜表3に記した。
【0026】
(燃焼性)
米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ社のサブジェクト94号の垂直燃焼試験方法(UL94)に基づき、厚さ1.5mmの燃焼試験片にて燃焼試験を行った。結果を表1〜表3に記した。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
【表3】

【0030】
(各実施例・比較例について)
実施例1〜4、5〜8および9〜10は、本発明の難燃剤および添加量ならびに酸化防止剤添加量および酸化防止剤種を用いることによって長期加熱後の物性保持率50%以上が確保でき、また燃焼性が保持されている事を示す。比較例1は、酸化防止剤無添加で長期加熱後の物性が保持出来ず、燃焼性も悪化する事を示す。比較例2および4は、酸化防止剤添加量の下限を下回ると長期加熱後の物性は保持出来るが、燃焼性が悪化する事を示す。比較例3および5は、酸化防止剤添加量の上限を超えると、物性および燃焼性は保持されるが、耐熱性を満足しない事を示す。
比較例6は、難燃剤量が規定の下限を下回った場合の難燃性低下を示し、比較例7は、難燃助剤の量が下限を下回った場合の難燃性低下を示す。比較例8は過剰な難燃助剤での難燃性低下を示し、比較例9は過剰な難燃剤で難燃性は満足するものの耐熱性が低下する事を示す。比較例10は、本発明と異なった難燃剤を用いると長期加熱後の物性が大幅に低下し、また難燃性が保持出来ない事を示す。比較例11は、本発明と異なった酸化防止剤を用いると物性および燃焼性が保持出来ない事を示す。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明により、一般式(I)で表わされたハロゲン系難燃剤ならびに一般式(II)および/または一般式(III)を用いるゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物は耐久性が大幅に向上し、OA機器や液晶テレビの内部部品や外装材等の、長期間に渡り熱履歴を受ける用途での使用が有利になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ゴム変性ポリスチレン樹脂100質量部に対し、(B)構造式(I)で表わされる臭素系難燃剤15〜22質量部、(C)三酸化アンチモン2.3〜3.7質量部を含有する難燃樹脂組成物に、更に(D)構造式(II)および/または(III)で表わされるフェノール系酸化防止剤を難燃樹脂組成物全体に対する質量基準の添加濃度として2700〜12000ppm配合してなるゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物。
【化1】

【化2】

【化3】

【請求項2】
JIS K 7139に基づき作成した試験片を温度70℃で2000時間加熱した際の引張歪の保持率およびシャルピー衝撃強度の保持率が50%以上を有する請求項1に記載のゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物。
【請求項3】
1.5mm厚みの試験片の加熱前および温度70℃で2000時間加熱した際のUL94燃焼試験で難燃性がいずれもV−0である請求項1に記載のゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物。
【請求項4】
JIS K 7139に基づき作成した試験片を温度70℃で2000時間加熱した際の引張歪の保持率およびシャルピー衝撃強度の保持率が50%以上を有し、かつ1.5mm厚みの試験片の加熱前および温度70℃で2000時間加熱した際のUL94燃焼性試験での難燃性がV−0である請求項1に記載のゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物からなる成形体。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゴム変性ポリスチレン系難燃樹脂組成物を用いた電気・電子機器筐体または内部部品。

【公開番号】特開2012−57009(P2012−57009A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199795(P2010−199795)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(399051593)東洋スチレン株式会社 (37)
【Fターム(参考)】