説明

ゴム押出成形装置及びゴム押出成形方法

【課題】同軸になる複数のゴムと、層状及び/又はブロック状になる単数又は複数のゴムとを組み合わせた断面形状になるゴム部材を、口金の詰まりや生産性の低下なしに精度よく押出成形する。
【解決手段】押出機11A〜11Dと、これらとは別個に設けられ、複数のゴムを同軸に押し出す押出部を有する同軸押出機16と、押出機11A〜11D及び同軸押出機16のゴム流路と接続する共通押出ヘッド13と、この共通押出ヘッド13に設けられ、押出機11A〜11D及び同軸押出機16からのゴムを一体的に押し出す開口を有する口金15とを備えるゴム押出成形装置1を用いて押出成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ部材を製造する際に用いて好適な、ゴム押出成形装置及びゴム押出成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤは、タイヤの各部分に対応する未加硫のゴム部材を押出成形し、所定長さとした当該ゴム部材をタイヤ成型ドラム上で所定のタイヤ構造に組み立てた後、タイヤ成型金型を用いた加硫成型を行って製造される。タイヤの製造工程中のゴム押出成形においては、最終的にタイヤとなったときにゴム部材が使われている部分に求められる特性を具備するように、特性の異なる複数層よりなるゴムを一つの口金より押出す、多層押出しが行われることがある。多層押出しのために、分割、結合可能な複数のヘッドと、結合した複数のヘッドの前面最下部に設けられた口金を備える多層押出ヘッドがある(特許文献1)。また、複数の押出機と、各押出機に対応する分離、連結可能な押出ヘッドを備え、この押出ヘッドにインサート及びダイを有する未加硫ゴム押出装置がある。この未加硫ゴム押出装置を用いて、タイヤのトレッドゴムのベースゴム、キャップゴム及び一対のサイドウォールゴムを一体に結合形成している(特許文献2)。更に、押出ヘッドにインサートと隔壁とを備え、複数種類のゴムを口金に導いて合流させ、複数のゴム層からなるゴム部材、例えばタイヤのサイドウォールゴムとゴムチェーファーとの複合ゴム部材を一体成形するゴム成形装置がある(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−237906号公報
【特許文献2】特開2001−47494号公報
【特許文献3】特開2008−62512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タイヤのサイドウォールの表面に、ライン状または文字状に白色ゴム等のカラーゴムからなる部分が形成されていて、このカラーゴムによりタイヤの美観を向上させたり情報を表示させたりするタイヤがある。このようなカラーゴムの部分をサイドウォールに有するタイヤを製造するには、タイヤの製造工程中において、カラーゴムの周囲を被覆ゴムで覆うことにより同軸に形成したゴム材を、サイドウォール部材の表面近傍に埋設することが考えられる。カラーゴムの周囲に設けられる被覆ゴムは、サイドウォール部材の黒色ゴムからカラーゴムの色が汚染されるのを防止し、また、サイドウォール部材の表面からカラーゴムに汚れや傷が付くのを防止するのを可能にするものである。
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に記載された多層押出し用の押出成形装置は、同軸のゴム材と他のゴム材とを一体的に押出成形することができなかった。その理由は、多層押出し用の押出成形装置は、複数種のゴムを、層状に重ねて、又は個々のブロックを寄せ集めた形状に一体成形する装置であって、同心円状のように、押出方向に垂直な断面において一つのゴムの周囲を覆うような形状に、すなわち同軸に一体形成するものではなかったからである。
【0006】
そのため、カラーゴムと被覆ゴムとの同軸のゴム材を、サイドウォール部材の表面近傍に埋設してなる上述のサイドウォール部材を作成するには、カラーゴムと被覆ゴムとの同軸のゴム材を同軸押出成形機で押出成形し、これとは別に当該同軸のゴム材料と組み合わされるゴム材、すなわち台部材を多層押出成形機で押出成形し、その後に押出成形された同軸のゴム材と台部材とを一体化することが考えられる。しかし、このようなサイドウォール部材の作成方法では、同軸のゴム部材が、サイドウォール部材に近似の厚さを要することから、台部材における当該同軸のゴム部材を組み合わせる部分の厚さは、極薄い厚さとならざるを得ない。このような極薄い厚さの部分を含むゴム部材を既存の押出成形機で押出成形することは、押出成形機の口金の詰まりを生じるおそれがある。また、口金の詰まりを防止するためにストレーナを押出成形機に設けるのでは生産性の低下を招く。更に、台部材における上記同軸のゴム部材を組み合わせる部分の厚さをなくすことも考えられるが、この場合は、精度がよいサイドウォール部材を得るのが難しい。
【0007】
本発明は、タイヤのサイドウォール部材やトレッド部材の一部にカラーゴムを具備するタイヤ部材のように、同軸になる複数のゴムと、層状及び/又はブロック状になる単数又は複数のゴムとを組み合わせた断面形状になるゴム部材、平易に言うと同軸のゴム部分を含むゴム部材を、精度よく口金の詰まりや生産性の低下なしに成形することができるゴム押出成形装置及び当該ゴム押出成形装置を用いたゴム押出成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のゴム押出成形装置は、ゴムを押し出す押出機と、該押出機とは別個に設けられ、複数のゴムを同軸に押し出す押出部を有する同軸押出機と、前記押出機及び前記同軸押出機のゴム流路と接続する共通押出ヘッドと、この共通押出ヘッドに設けられ、前記押出機及び前記同軸押出機からのゴムを一体的に押し出す開口を有する口金と、を備えることを特徴とする。
本発明のゴム押出成形装置においては、押出機が、多重押出機である構成とすることができる。
【0009】
また、本発明のゴム押出成形方法は、上述のゴム押出成形装置を用いてゴムを押出成形する方法であって、前記押出機により押し出されたゴムと、前記同軸押出機により同軸形状に押し出された複数のゴムとを一体成形することを特徴とする。
本発明のゴム押出成形方法においては、押出機により、複数類のゴムを押出ヘッドに押し出す構成とすることができ、また、前記押出機により押し出されたゴムと、前記同軸押出機により押し出された、カラーゴム及び被覆ゴムよりなる同軸のゴムとを一体成形してタイヤ部材を製造する構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、押出機と同軸押出機とが、共通する押出ヘッドに接続され、この押出ヘッドの口金から押出機及び前記同軸押出機からのゴムを一体的に押し出すことから、同軸になる複数のゴムと、他のゴムとを組み合わせた断面形状になるゴム部材を、口金の詰まりや生産性の低下なしに押出成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態のゴム押出成形装置の模式的な側面図である。
【図2】図1のゴム押出成形装置により成形されたゴム部材の模式的な断面図である。
【図3】比較例のゴム押出成形装置の一例の模式的な側面図である。
【図4】図3のゴム押出成形装置により成形されたゴム部材の一例の模式的な断面図である。
【図5】図3のゴム押出成形装置により成形されたゴム部材の別の例の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のゴム押出成形装置及びゴム押出成形方法の実施形態について、図面を用いつつ、より具体的に説明する。
図1に示す本発明の一実施形態のゴム押出成形装置1は、ゴムを押し出す複数の押出機11A、11B、11C及び11Dを備えている。複数の押出機11A、11B、11C及び11Dを備えていることにより、多重押出機として機能する。これらの押出機に同種の又は異種の未加硫ゴムを装入して台部材用のゴムを当該押出機の先端より押し出す。例えばゴム押出成形装置1により押出成形するゴムがタイヤのサイドウォール部材である場合には、押出機11A、11B、11C及び11Dから台部材の素材としてサイド用ゴム、ゴムチェーファー用ゴム、第2のサイド用ゴム、ビードフィラー用ゴム等のゴムを押し出す。これらの押出機11A、11B、11C及び11Dの先端は、第1押出ヘッド12と接続している。この第1押出ヘッド12は、押出機11A、11B、11C及び11Dから押し出されたゴムの流路12a、12b、12c及び12dを有している。この第1押出ヘッド12の先端には、第2押出ヘッド13が取り付けられている。
【0013】
この第2押出ヘッド13の内部には、第1押出ヘッド12の流路12a、12b、12c及び12dと接続する流路が形成されると共に、当該流路を通るゴムを合体させるための複数の開口を有するインサート14が設けられている。このインサート14の開口は、押出機11A、11B、11C及び11Dから押し出された各ゴムが、台部材における所定の位置に置かれるような形状となっている。このインサート14の開口を通過した複数のゴムは第2押出ヘッド13内で一体となって台部材を構成する。また、第2押出ヘッド13内のゴム材に対し押出成形の最終的な断面形状、例えばサイドウォール部材のコンターを付与する口金15が設けられている。
【0014】
また、この第2押出ヘッド13には、前述した押出機11A、11B、11C及び11Dとは別の、同軸押出機16が接続されている。この同軸押出機16はクロスヘッド型の同軸押出機であり、二種の未加硫ゴムを中心とその周囲とに同軸に押し出すことができるように、中心のゴムが導かれる流路部17と、その周囲のゴムが導かれる流路部18と、これらのゴムの流路部17、18と接続するとともに上記第2押出ヘッド13と接続して固定される第3押出ヘッド19とを備えている。このような構成を有する同軸押出機16により、例えばサイドウォール部材の表面近傍に設けられる、カラーゴムとそれを覆う被覆ゴムよりなる同軸のゴム部材を、第3押出ヘッド19から第2押出ヘッド13内に押し出す。したがって第3押出ヘッド19は同軸押出機16の押出部である。
【0015】
第2押出ヘッド13は、押出機11A、11B、11C及び11Dからのゴム流路と、同軸押出機16の第3押出ヘッド19とそれぞれ接続している、共通押出ヘッドである。第2押出ヘッド13は、第3押出ヘッド19から押し出された同軸のゴム材を案内するゴム流路を備え、当該ゴム流路が、インサート14と口金15との間のゴム流路と接続している。これにより、インサート14を通過した台部材と、同軸押出機16によって押し出された同軸のゴム部材とが、一体となり、そして口金15から予め定められたゴム部材の断面形状で押出される。
【0016】
ゴム押出成形装置1の口金15の近傍にベルトコンベア20が設けられ、口金15から押出されたゴム部材30が連続的に搬送される。
【0017】
ゴム押出成形装置1を用いて押出成形したゴム部材30の一例を図2に示す。図2のゴム部材30は、サイドウォール部材の例であって、サイドウォール部材としての所定のコンターを有している。このゴム部材30は、複数のゴム31、32、33及び34よりなる台部材と、カラーゴム35及び被覆ゴム36よりなる同軸のゴム部材とが一体となった断面形状を有している。
【0018】
カラーゴム35は、サイドウォールやトレッドに用いられる通常のゴム部材の黒色とは異なる色を有するゴム材のことをいい、また、カーボンブラック含有量の相違により通常のゴム部材と明度が異なるゴム材を含む。このようなカラーゴム材には、カーボンブラックの代わりにシリカを含むゴムや顔料を含むゴムのような、公知のカラーゴム材が適合され得る。
【0019】
被覆ゴム36は、カラーゴムをマスキングしかつ、汚染防止する特性を有する材料とすることが好ましい。被覆ゴム36が、このような特性を有することにより、被覆ゴム36の汚染防止の効果を確実に得ることができる。マスキングしかつ、汚染防止する特性には、例えば、被覆ゴム36の材質が、マスキングしかつ、汚染防止する化学的特性を有する場合があり、また、被覆ゴム36の厚さが、マスキングしかつ、汚染防止する物理的特性を有する場合がある。これらの材質の調整や厚さの調整を単独で、又は併用してマスキング及び汚染防止をすればよい。被覆ゴム36の材質がマスキング及び汚染防止に十分でないと被覆ゴム36の厚さを増大させる必要があるため、汚染防止に十分な材質を選択することは好ましい。
【0020】
被覆ゴム36の材質に関して、一例では、汚染防止組成物として特開平7−228727号公報に開示されているような、ポリマ−成分中、安定剤として非汚染性のブチルゴムを10〜100重量部を有し、これに白色充填剤を10〜150重量部を含有させた汚染防止組成物、このポリマ−成分中、安定剤として非汚染性のブチルゴムを30〜100重量部とした汚染防止組成物、このブチルゴムがイソブチレン−イソプレン共重合体、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムである汚染防止組成物がある。
【0021】
上記被覆ゴム36の厚さは、一例では、上記のような汚染防止組成物を用いた場合として、0.2〜3.0mmの厚さとすることができる。被覆ゴム36の厚さの調整は、上述した同軸押出機16を用いた場合には、当該同軸押出機16における被覆ゴムの押出速度の調節等によって行うことができる。
【0022】
上記カラーゴム35と被覆ゴム36とからなる同軸のゴム部材の断面形状は、第3押出ヘッド19内の口金15の開口の形状によって定められる。
【0023】
図1のゴム押出成形装置1で押出成形して得られた図2のゴム部材30は、同軸のゴム部材を構成する被覆ゴム36の底面と接する部分に台部材を有していない。したがって、ゴム押出成形装置1は、第2押出ヘッド13において、被覆ゴム36の底面と接する部分極薄い台部材を押出成形することがないため、口金15の詰まりを防止することができる。また、口金15の詰まりの防止のためのストレーナを設ける必要がなく、よって、ストレーナを用いることによる生産性の低下が生じない。更に、口金15から台部材と同軸のゴム部材とを一体的に押出成形するので、同軸のゴム部分を含むゴム部材を、精度よく製造することができる。
【0024】
本発明の実施形態との比較のために、台部材と同軸の部材とを別個のゴム押出成形機によって押出成形する、比較例のゴム押出成形装置100を図3に示す。図3のゴム押出成形装置100は、台部材を押出成形する押出成形機110と、同軸のゴム部材を押出成形する同軸押出成形機120とを備えている。押出成形機110は、既存のゴム押出成形機と同様の構成とすることができ、複数の押出機111A、111B、111C及び111Dと、これらの押出機の先端部に接続する押出ヘッド112とを備えている。この押出ヘッド112は、押出機111A、111B、111C及び111Dから押し出されたゴムの流路12a、12b、12c及び12dを有している。この押出ヘッド112の先端には、当該流路を通るゴムを合体させるための複数の開口を有するインサート114と、このインサート14の開口を通過したゴムを一体的に押し出す口金115とが設けられている。口金115は、後工程で合体させる同軸のゴム部材のための空隙を有する台部材の断面形状を有している。このような構成を有する押出成形機110により、サイドウォール部材の台部材を押出成形する。
【0025】
同軸押出成形機120は、クロスヘッド型の同軸押出機であり、二種の未加硫ゴムを中心のゴムとその周囲のゴムとに同軸に押し出すことができるように、中心のゴムが導かれる流路部121と、その周囲が導かれる流路部122と、これらの流路部121、122と接続して同軸のゴムを押し出す押出ヘッド123とを備えている。押出ヘッド123に設けられた口金は、押し出されるゴム部材を、円形断面形状又は台部材に嵌め合わせるのに適切な断面形状にするような開口を有するものである。このような構成を有する同軸押出成形機120により、カラーゴムとそれを覆う被覆ゴムよりなる所定の断面形状を有する同軸のゴム部材を押出成形する。
【0026】
同軸押出成形機120は、押出成形機110により押出成形された台部材が搬送されるコンベアライン130、又は当該コンベアライン130とは別の押出成形ライン上に設けられる。同軸押出成形機120より押し出された同軸のゴム部材を、所望の断面形状にするために必要に応じてロール成形を行った後、台部材に形成された、同軸のゴム部材のための空隙に嵌め合わせて、台部材と同軸のゴム部材とが一体となったサイドウォール部材を形成する。一体となったゴム部材に、その後に必要に応じてプレス加工等により台部材と同軸のゴム部材との密着加工を行う。
【0027】
図3に示した比較例のゴム押出装置100により得られたゴム部材140は、図4に示すように、複数のゴム141、142及び143よりなる台部材と、カラーゴム145及び146よりなる同軸のゴム部材とが一体化されたものである。台部材を構成するゴム142は、同軸のゴム部材の底面と接する薄板部142aを有している。台部材のゴム142が薄板部142aを有していることにより、同軸のゴム部材と嵌め合わせを精度よく行うことができる。しかし、薄板部142aを押出成形機110により押出成形する際は、薄板部142aの厚さが、サイドウォール部材の台部材の場合の一例として約0.5mmであり、この厚さの台部材を押し出す口金115のギャップは約0.1mmにする必要がある。このようなギャップを有する口金115では口金115の詰まりが発生する問題があり、また、口金115の詰まりを防止するためにストレーナを設けたのでは、生産性の低下を招く。したがって、図1に示したゴム押出成形装置1を用いた押出成形が、図3に示したゴム押出成形装置100を用いた押出成形よりも優れている。
【0028】
図3に示したゴム押出成形装置100により得られるゴム部材の別の例を図5に示すと、図5のゴム部材150は、ゴム151、152、153及び154よりなる台部材と、カラーゴム155及び156よりなる同軸のゴム部材とが一体化されたものである。このゴム部材150の台部材は、ゴム151及び152と、ゴム153及び154とで分離している。このような2つに分離された台部材を押出成形機110により押出成形する際は、図4に示したゴム部材140の台部材142の薄板部142aのような薄い厚さのゴム部材を押出成形しないから、口金の詰まりが発生しない。しかし、図5のゴム部材150を得るには、2つに分離された台部材と同軸のゴム部材を、押出成形後に一体化する成形加工をする必要があり、この一体化する成形加工ではゴム部材を精度よく成形することが難しい。したがって、図1に示したゴム押出成形装置1を用いた押出成形が、図3に示したゴム押出成形装置100を用いた押出成形よりも優れている。
【0029】
本発明のゴム押出成形方法は、前述したゴム押出成形装置1を用いてゴムを押出成形する方法であって、押出機11A〜11Dにより押し出されたゴムと、同軸押出機16により同軸形状に押し出された複数のゴムとを一体成形する方法である。図1に示すように複数の押出機11A〜11Dにより、複数類のゴムを押出ヘッドに押し出すことにより、押出成形するゴム部材の所定の部分に、適切なゴム種のゴム材を位置させることができる。また、ゴム押出成形装置1を用いてゴムを押出成形する方法は、同軸のゴムとしてカラーゴム及び被覆ゴムを適用して、タイヤ部材を製造することができる。
【0030】
以上、図面を用いて本発明のゴム押出成形装置及びゴム押成形方法の実施形態を説明したが、本発明は、これらの実施形態の記載によって限定されるものではなく、幾多の変形が可能である。例えば押出成形するゴム部材としては、タイヤのショルダー部材に限られず、例えばカラーゴムをトレッドウエアインジケータ等に用いた、タイヤのトレッド部材に適用することもできる。
【符号の説明】
【0031】
1 ゴム押出成形装置
11A、11B、11C、11D 押出機
12 第1押出ヘッド
13 第2押出ヘッド(共通押出ヘッド)
14 インサート
15 口金
16 同軸押出機
17 流路部
18 流路部
19 第3押出ヘッド(押出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムを押し出す押出機と、該押出機とは別個に設けられ、複数のゴムを同軸に押し出す押出部を有する同軸押出機と、前記押出機及び前記同軸押出機のゴム流路と接続する共通押出ヘッドと、この共通押出ヘッドに設けられ、前記押出機及び前記同軸押出機からのゴムを一体的に押し出す開口を有する口金と、を備えることを特徴とするゴム押出成形装置。
【請求項2】
前記押出機が、多重押出機である請求項1記載のゴム押出成形装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のゴム押出成形装置を用いてゴムを押出成形する方法であって、前記押出機により押し出されたゴムと、前記同軸押出機により同軸形状に押し出された複数のゴムとを一体成形することを特徴とするゴム押出成形方法。
【請求項4】
前記押出機により、複数類のゴムを押出ヘッドに押し出す請求項3記載のゴム押出成形方法。
【請求項5】
前記押出機により押し出されたゴムと、前記同軸押出機により押し出された、カラーゴム及び被覆ゴムよりなる同軸のゴムとを一体成形してタイヤ部材を製造する請求項3又は4に記載のゴム押出成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−988(P2013−988A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134765(P2011−134765)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】