説明

ゴム組成物用マスターバッチおよびその製造方法

【課題】ゴム組成物の発熱性を低減し、加工性、引張強さおよび耐屈曲疲労性を改善することのできるマスターバッチを提供すること。
【解決手段】(A1)ジエン系ゴム100重量部と、(B)10〜30重量部のシリカとを含むゴム組成物用マスターバッチであって、前記ジエン系ゴム(A1)100重量部のうちの60重量部以上100重量部以下が(A1−i)ポリブタジエンゴムから構成されることを特徴とするゴム組成物用マスターバッチ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリブタジエンゴムおよびシリカを含有するゴム組成物用マスターバッチおよびその製造方法に関し、より詳細には、加硫前の加工性を改善するとともに、加硫後の発熱性を低減し、引張強さおよび耐屈曲疲労性を改善することのできるゴム組成物用マスターバッチおよびその製造方法並びに前記マスターバッチを用いるタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タイヤに対する低燃費化および省メンテナンスの要求が強くなっている。タイヤの低燃費化においては、ボリュームが多く路面に接地するトレッド部の転動抵抗を低下させることが最も有効であるが、低発熱化のために補強性充填剤として使用するカーボンブラックの粒径が大きいほど、また、配合量が多いほど、タイヤトレッドに求められる耐摩耗性が低下してしまうため、サイドウォールを構成するゴム組成物についても、シリカを配合することが、例えば下記特許文献1および2に提案されている。また、ゴム組成物にシリカを分散させる技術としてジエン系ゴムに特定の条件でシリカ含有マスターバッチを使用することが、下記特許文献3に提案されている。これらの先行技術は一定の効果を上げているが、良好な加工性を維持しつつ、低燃費性(低発熱性)、引張強さおよび耐屈曲疲労性を高次元でバランスよく改善させることが求められている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−124487号公報
【特許文献2】特開2005−126556号公報
【特許文献3】特開2005−350595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、シリカ含有マスターバッチに使用するゴム分としてポリブタジエンゴムを60重量%以上含むジエン系ゴムを使用することによりシリカの分散性が向上し、さらに発熱性が低下し、耐屈曲疲労性も向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明によれば、第1の態様において、
(A1)ジエン系ゴム100重量部と、
(B)10〜30重量部のシリカと、
を含むゴム組成物用マスターバッチであって、前記ジエン系ゴム(A1)100重量部のうちの60重量部以上100重量部以下が(A1−i)ポリブタジエンゴムから構成されることを特徴とするゴム組成物用マスターバッチが提供される。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、(A1)ジエン系ゴム100重量部に、(B)10〜30重量部のシリカを添加し、混合することを含むゴム組成物用マスターバッチの製造方法であって、ジエン系ゴム(A1)100重量部のうちの60重量部以上100重量部以下が(A1−i)ポリブタジエンゴムから構成されることを特徴とするゴム組成物用マスターバッチの製造方法が提供される。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1態様にかかるゴム組成物用マスターバッチに、当該ゴム組成物用マスターバッチ中のジエン系ゴム(A1)100重量部に対して(D)10〜100重量部のカーボンブラックを添加し、混合することを含むことを特徴とする、タイヤ用ゴム組成物の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の第1の態様にかかるゴム組成物用マスターバッチに使用されるジエン系ゴム(成分(A1))は、その総量100重量部のうちの60重量部以上100重量部以下がポリブタンジエンゴム(BR)(成分(A1−i))から構成される。本発明のマスターバッチに含まれるポリブタジエンゴム(A1−i)のうち5〜30重量部が5.0×103 〜3.0×104 の重量平均分子量を有する低分子量ポリブタジエンゴムから構成されることが好ましい。5.0×103 〜3.0×104 の重量平均分子量を有する低分子量ポリブタジエンゴムを使用することによって、当該低分子量ポリブタジエンゴムの可塑化作用により加工性を良好なレベルに維持しつつ、発熱性をよりいっそう低減することができる。ポリブタジエンゴム(A1−i)は、当該ポリブタジエンゴム(A1−i)の総量100重量部当たり5〜30重量部の重量平均分子量5.0×103 〜3.0×104 の低分子量ポリブタジエンゴムと、75〜95重量部の重量平均分子量3.5×105 〜7.0×105 のポリブタジエンゴムとから構成されることがより好ましい。重量平均分子量5.0×103 〜3.0×104 の低分子量ポリブタジエンゴムは、例えば出光化学(株)から商品名poly−bd R−45HT(重量平均分子量約1万のポリブタジエンゴム)として入手可能である。重量平均分子量5.0×103 〜3.0×104 の低分子量ポリブタジエンゴムを含むポリブタジエンゴム(A1−i)は、例えば日本ゼオン(株)から商品名BRX5000(重量平均分子量約2万の低分子量成分と重量平均分子量約57万の高分子量成分との混合物)として入手可能である。
【0009】
ジエン系ゴム(A1)は、ポリブタンジエンゴム(A1−i)を上記の量で含む限り、ポリブタジエンゴム(A1−i)に加えて他のジエン系ゴム(成分(A1−ii))を含んでもよい。他のジエン系ゴム(A1−ii)の例としては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム(SIBR)、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらのジエン系ゴムから選ばれる1種以上をポリブタジエンゴム(A1−i)と組み合わせて使用できる。
【0010】
本発明のマスターバッチの製造に使用することのできるシリカ(成分(B))としては、例えば、窒素吸着比表面積(N2SA)が100m2/g〜250m2/gの湿式−沈殿法により生成されたものを使用することができる。シリカ(B)は、ジエン系ゴム(A1)100重量部に対して10〜30重量部の量で配合される。ジエン系ゴム(A1)100重量部に対してシリカ(B)が10重量部未満であると、得られたマスターバッチに、後述するカーボンブラック(成分(D))などの配合剤、さらなるジエン系ゴム(成分(A−2))を配合して得られるタイヤ用ゴム組成物の加硫後の発熱性を十分に低減できず、また、ジエン系ゴム(A1)100重量部に対してシリカ(B)が30重量部を超えると、当該マスターバッチに、ジエン系ゴム(A2)、カーボンブラック(D)などの配合剤を配合する際の加工性が低下する。
【0011】
本発明のマスターバッチには、ジエン系ゴム(A1)へのシリカ(B)の分散性を高めるために、シリカ(B)の総量を基準として3〜15重量%のシランカップリング剤(成分(C))を配合されていることが好ましい。シランカップリング剤(C)としては、ゴム業界で一般的に使用されているものを使用できる。シランカップリング剤(C)の例としては、3,3’−ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
【0012】
本発明の第2の態様にかかるマスターバッチの製造方法は、(A1)ジエン系ゴム100重量部に、(B)10〜30重量部のシリカを添加し、混合することを含み、ジエン系ゴム(A1)100重量部のうち60重量部以上100重量部以下が(A1−i)ポリブタジエンゴムから構成されることを特徴とする。ジエン系ゴム(A−1)へのシリカ(B)の分散性を高めるために、シリカ(B)の全量を基準として3〜15重量%のシランカップリング剤(C)を混合してマスターバッチを形成することが好ましい。マスターバッチを製造する際の混合温度は90〜160℃であることが好ましい。
【0013】
本発明の第3の態様にかかるタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、上記のマスターバッチに、本発明の第1態様にかかるゴム組成物用マスターバッチに、当該ゴム組成物用マスターバッチ中のジエン系ゴム(A1)100重量部に対して(D)10〜100重量部のカーボンブラックを添加し、混合することを含む。本発明において、マスターバッチに添加することのできるカーボンブラック(D)の例としては、例えばSAF〜HAFグレードのものが挙げられる。カーボンブラック(D)を配合する場合に、カーボンブラック(D)が60〜120m2/gの窒素吸着比表面積(N2SA)を有することが好ましい。N2SAが60m2/g未満では、充填量を高めることができるが、補強効果が不足して、得られたゴム組成物の加硫後の耐屈曲疲労性が低下する。N2SAが120m2/gを超えるカーボンブラック(D)は、凝集性が高いことからゴム成分に分散させるのが困難である。マスターバッチ100重量部に対してカーボンブラック(D)の配合量が上記範囲を超えると、マスターバッチにカーボンブラック(D)を混合する際の加工性が低下する。
【0014】
本発明の第3の態様にかかるタイヤ用ゴム組成物の製造方法では、カーボンブラック(D)に加えてジエン系ゴム(成分(A2))をさらに添加してもよい。本発明の第3の態様にかかるタイヤ用ゴム組成物の製造方法においてジエン系ゴム(A2)を添加する場合に、ジエン系ゴム(A2)の配合量は、上記マスターバッチ中に含まれるジエン系ゴム(A1)100重量部に対して5〜100重量部であることが好ましい。タイヤ用ゴム組成物のこの製造方法においてマスターバッチに添加することのできるジエン系ゴム(A2)としては、マスターバッチ中に含まれるジエン系ゴム(A1)について先に記載したもののうちの1種または2種以上を使用できる。すなわち、本発明の第3の態様にかかるタイヤ用ゴム組成物の製造方法においてマスターバッチに添加することのできるジエン系ゴム(A2)の例としては、天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム(SIBR)、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらのジエン系ゴムから選ばれる1種または2種以上を使用でき、ジエン系ゴム(A2)には、ジエン系ゴム(A1)について先に述べたようなポリブタジエンゴム含有量についての条件はないが、ジエン系ゴム(A2)を添加する場合、ジエン系ゴム(A1)とジエン系ゴム(A2)とを組み合わせたものの中にポリブタジエンゴムが30〜80重量部含まれることが、得られるゴム組成物の加硫物の発熱性低減の点から好ましい。
【0015】
本発明の第3の態様にかかるタイヤ用ゴム組成物の製造方法では、本発明のマスターバッチに、上記のとおり、カーボンブラック(D)と、必要に応じてジエン系ゴム(A2)とを添加し、好ましくは120〜170℃の温度で混合する。この混合の後、加硫剤および加硫促進剤を好ましくは130℃以下の温度で混合し、未加硫のタイヤ用ゴム組成物を得ることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法における上記成分の配合量は、加硫後の発熱性がよりいっそう低減され、引張強さおよび耐屈曲疲労性がより改善されたタイヤ用ゴム組成物が得られるように、ジエン系ゴムを100重量部として、そのうちのポリブタジエンゴムの割合が30〜80重量部となり、シリカ含量が全ジエン系ゴム分100重量部に対して5〜30重量部となり、カーボンブラック含量が全ジエン系ゴム分100重量部に対して10〜50重量部となるように選択されることが好ましい。
【0016】
本発明の第3の態様にかかるタイヤ用ゴム組成物の製造方法において、必要に応じて、上記成分に加えて、当該技術分野で一般的に使用されている任意の配合剤、例えば、シリカおよびカーボンブラック以外の他の充填剤、加工助剤、老化防止剤、オイル等を一般的な配合量で添加することができる。添加剤の配合に際して用いられる混合方法としては、一般的な方法を用いることができ、一般的には塊状、ペレット状または粉体状の配合剤を適切な混合機、例えばニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて混合することができる。各種配合剤を混合して未加硫ゴム組成物を調製した後、一般的な加圧成形または加硫方法により例えば空気入りタイヤを形成することができる。
【0017】
本発明の第3の態様の製造方法により得られるタイヤ用ゴム組成物は、タイヤの各種ゴム部材に使用できるが、加硫前に高い加工性と、加硫後に低い発熱性並びに高い引張強さおよび耐屈曲疲労性が求められる用途、例えばタイヤのサイドウォール用のゴム組成物として使用するのが好適である。
【実施例】
【0018】
以下に示す実施例および比較例を参照して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術的な範囲は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
【0019】
標準例、比較例1〜4および実施例1〜6のゴム組成物の調製
下記表1の配合に従って、1.7リットル密閉型バンバリーミキサーを用いて回転数60rpmで、第1混合工程で配合する成分を約5分間混合し、約150℃にて放出し、マスターバッチ(第1混合物)を形成した。次の第2混合工程において、マスターバッチにカーボンブラックなどの配合剤を添加して、ミキサー回転数60rpm、約5分間混合し、約160℃にて放出し、第2混合物を形成し、この第2混合物を室温まで冷却した。その後、第3混合工程として、オープンロールを用いて加硫促進剤および硫黄を添加し、標準例、比較例1〜4および実施例1〜6の各未加硫ゴム組成物を得た。
【0020】
【表1】

【0021】
表1注:
(1) RSS#4
(2) 日本ゼオン(株)製のNipol 1220
(3) 日本ゼオン(株)製のBRX5000(重量平均分子量約2万の低分子量成分と重量平均分子量約57万の高分子量成分とのプリブレンドポリブタジエンゴム(重量比(低分子量成分:高分子量成分=40:100)))
(4) 出光化学(株)製のpoly−bd R−45HTポリブタジエンゴム(重量平均分子量約1万)
(5) 東ソー・シリカ(株)製のニップシールAQ(N2SA=約210m2/g)
(6) Degussa製のSI69
(7) 東海カーボン(株)製のシースト3(N2SA=約75m2/g)
(8) 出光興産(株)ダイアナプロセスオイルAH−20
(9) 住友化学(株)製のアンチゲン6C
(10) 正同化学工業(株)製の酸化亜鉛3種
(11) 日本油脂(株)製のビーズステアリン酸
(12) FLEXSYS製のSANTOCURE TBBS
(13) 鶴見化学工業(株)製の金華印油入微粉硫黄
【0022】
試験方法
上記のとおり得られた各未加硫ゴム組成物を下記の試験に供した。
(1)加工性
標準例、比較例1〜4および実施例1〜6の各未加硫ゴム組成物から試料を採取して、各試料についてJIS K6300に準拠して、L形ローター(試験機:島津製作所製のSMV300J)を使用し、予熱時間1分、ローター回転時間4分、温度100℃でムーニー粘度を測定した。測定されたムーニー粘度は、標準例の未加硫ゴム組成物から採取された試料について求められたムーニー粘度を100として指数で表わした。数値が小さい程、ムーニー粘度が低いことを示す。ムーニー粘度は、ゴム組成物の加硫前の加工性の指標であり、ムーニー粘度の値が小さいことは、加硫前の粘度が低く、加工性に優れていることを意味する。
(2)破断伸び
標準例、比較例1〜4および実施例1〜6の各未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫して縦15cm、横15cmおよび厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。加硫ゴムシートからJIS3号ダンベル状試験片を打ち抜き、JIS K6251に準拠して、破断伸びを温度23℃で測定した。測定結果は、標準例1の破断伸びを100として指数で表わした。数値が大きい程、破断伸びが大きいことを示す。
(3)発熱性(tanδ(60℃))
標準例、比較例1〜4および実施例1〜6の各未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫して縦15cm、横15cmおよび厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。この加硫ゴムシートから試験片を作製し、東洋精機製作所の粘弾性スペクトロメータを用いて、JIS K6394に準じて歪10±2%、周波数20Hz、雰囲気温度60℃の条件下でtanδを求めた。試験結果は、標準例について求められたtanδ(60℃)の値を100として指数で表わした。指数の数値が小さい程、発熱性がより低減されたことを示す。
(4)耐屈曲疲労性
標準例、比較例1〜4及び実施例1〜6の各未加硫ゴム組成物を所定の金型により150℃で30分間プレス加硫して試験片を作製した。この試験片を用いて、JIS K6260に従い屈曲亀裂試験を行った。室温で、ストローク40mm、屈曲速度毎分300±10回で合計10万回屈曲させた後の亀裂(クラック)長さを測定した。測定結果は、標準例の亀裂長さをL0 とし、標準例に対して比較しようとする例の亀裂長さをL1 としたときの、100×L0 /L1 の値を計算し、L0 を100として指数で表わした。数値が大きいほど耐屈曲疲労性に優れていることを示す。
【0023】
【表2】

【0024】
上記表2の結果から、標準例と比較して、シリカを第2混合工程で添加すると得られるゴム組成物の粘度が高くなり(比較例1)、ゴム成分として天然ゴムのみを含むマスターバッチを調製すると発熱性が増大し(比較例2)、シリカの配合量が本発明で規定される量よりも少ないと破断伸びが低下し(比較例3)、シリカの配合量が本発明で規定される量よりも多いと発熱性が増大すること(比較例4)が判る。一方、本発明の範囲に含まれる実施例1〜6では、加工性を改善しつつ、破断伸び、発熱性および耐屈曲疲労性が改善され、さらに、低分子量ポリブタジエンゴムを添加すると加工性をよりいっそう改善でき、発熱性をよりいっそう低減できることが判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A1)ジエン系ゴム100重量部と、
(B)10〜30重量部のシリカと、
を含むゴム組成物用マスターバッチであって、前記ジエン系ゴム(A1)100重量部のうちの60重量部以上100重量部以下が(A1−i)ポリブタジエンゴムから構成されることを特徴とするゴム組成物用マスターバッチ。
【請求項2】
前記ポリブタジエンゴム(A1−i)のうちの5〜30重量部が5.0×103 〜3.0×104 の重量平均分子量を有する低分子量ポリブタジエンゴムから構成されることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物用マスターバッチ。
【請求項3】
前記ゴム組成物用マスターバッチが、シリカ(B)の総量を基準として、(C)3〜15重量%のシランカップリング剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のゴム組成物用マスターバッチ。
【請求項4】
(A1)ジエン系ゴム100重量部に、(B)10〜30重量部のシリカを添加し、混合することを含むゴム組成物用マスターバッチの製造方法であって、前記ジエン系ゴム(A1)100重量部のうちの60重量部以上100重量部以下が(A1−i)ポリブタジエンゴムから構成されることを特徴とするゴム組成物用マスターバッチの製造方法。
【請求項5】
前記ポリブタジエンゴム(A1−i)のうちの5〜30重量部が5.0×103 〜3.0×104 の重量平均分子量を有する低分子量ポリブタジエンゴムから構成されることを特徴とする、請求項4に記載のゴム組成物用マスターバッチの製造方法。
【請求項6】
前記ジエン系ゴム(A1)に、シリカ(B)の総量を基準として、(C)3〜15重量%のシランカップリング剤を添加し、混合することをさらに含むことを特徴とする、請求項4または5に記載のゴム組成物用マスターバッチの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物用マスターバッチに、当該ゴム組成物用マスターバッチ中のジエン系ゴム(A1)100重量部に対して(D)10〜100重量部のカーボンブラックを添加し、混合することを含むことを特徴とする、タイヤ用ゴム組成物の製造方法。
【請求項8】
前記ゴム組成物用マスターバッチ中のジエン系ゴム(A1)100重量部に対して(A2)5〜100重量部のジエン系ゴムを、前記ゴム組成物用マスターバッチに添加し、混合することをさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。

【公開番号】特開2009−29961(P2009−29961A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196323(P2007−196323)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】