説明

ゴム組成物

【課題】 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから成るゴム成分を含有するゴム組成物に関するものであって、特に加硫後における密度が低い軽量な加硫ゴムを得ることができるゴム組成物を提供する。
【解決手段】 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから成るゴム成分100重量部に対し、発泡密度が0.03〜0.40g/cm3であって且つ粒径が5mm以下である独立気泡を内蔵したエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体を10〜100重量部含有させ、加硫後における密度が0.85〜1.20g/cm3であるゴム組成物とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから成るゴム成分を含有するゴム組成物に関するものであって、特に加硫後における密度が低い軽量な加硫ゴムを得ることができるゴム組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、軽量な加硫ゴムを得ることができるゴム組成物としては、例えばゴム成分と比較してその密度が低い炭酸カルシウム等の無機充填剤やカーボンブラック,ホワイトカーボン等の補強剤等の配合割合を通常よりできるだけ少なくすることにより加硫後における加硫ゴムの軽量化を図ったゴム組成物等が広く知られているが、このようなゴム組成物は、加硫後における硬さ,引張り強さや耐摩耗性等を高めるために配合される無機充填剤や補強剤等の配合割合を少なくすることにより軽量化を図っているものであるので、物理的特性,圧延性や成形性が低下してしまうと共に、配合コストも高くなってしまうという問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を解消すべく、無機充填剤や補強剤等の配合割合の調整により軽量化を図るのではなく、ゴム組成物に新たに発泡剤を配合することにより軽量化を図った、例えばエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと非共役ポリエンとからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とポリオレフィン樹脂(B)と発泡剤(C)とからなる加硫可能なゴム組成物であり、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中に、ポリオレフィン樹脂(B)を溶融状態でミクロ分散させたブレンド物であり、ポリオレフィン樹脂(B)の平均分散粒径が2μm以下であり、かつ、ポリオレフィン樹脂(B)とエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とのブレンド重量比[(B)/(A)]が5/95〜50/50であるゴム組成物(例えば、特許文献1参照。)や、ジエン系ゴム100重量部と、熱により気化、分解又は化学反応して気体を発生する液体又は固体を封入した熱膨張性熱可塑性樹脂粒子をゴム加硫時の熱によって膨張せしめて中空状とした、粒径5〜300μmの弾力性のある気体封入熱可塑性樹脂粒子1〜20重量部とを含んでなるゴム組成物(例えば、特許文献2参照。)が提案された。
【0004】
しかしながら、このようなゴム組成物は加硫時において熱膨張性熱可塑性樹脂粒子等の発泡剤が発泡することにより加硫後において無数の気泡を有する軽量な加硫ゴムを得ることができるものの、加硫する際には加硫と発泡とを同時に行うものであるため、加硫速度と発泡速度とのバランスをとることが非常に困難であるという欠点があり、そしてこのバランスが僅かにでも崩れてしまうと加硫後において気泡が収縮してしまったり気泡の大きさにばらつきが生じたりしてしまったりするので、品質が一定に維持されていないばかりか、予定通りの寸法や密度の加硫ゴムを得ることができないという欠点があった。
【0005】
【特許文献1】特開2003−192853号公報
【特許文献2】特開平11−35736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから成るゴム成分を含有するゴム組成物であって、特に加硫後における密度が低い軽量且つ品質が一定である加硫ゴムを簡単に得ることができるゴム組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから成るゴム成分100重量部と、発泡密度が0.03〜0.40g/cm3であって且つ粒径が5mm以下である独立気泡を内蔵したエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体10〜100重量部とを含有するゴム組成物であれば、加硫後における密度が低い軽量且つ品質が一定である加硫ゴムを簡単に得ることができることを究明して本発明を完成したのである。
【0008】
即ち本発明は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから成るゴム成分100重量部と、発泡密度が0.03〜0.40g/cm3であって且つ粒径が5mm以下である独立気泡を内蔵したエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体10〜100重量部とを含有する、加硫後における密度が0.85〜1.20g/cm3であることを特徴とするゴム組成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るゴム組成物は、前記した構成より成るものであるから、加硫後における密度が低い軽量且つ品質が一定である加硫ゴムを簡単に得ることができるばかりでなく、発泡密度が0.03〜0.40g/cm3であって且つ粒径が5mm以下である独立気泡を内蔵したエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体10〜100重量部を含有するゴム組成物を加硫して軽量な加硫ゴムを得るものであるから、従来の熱膨張性熱可塑性樹脂粒子等を発泡させる発泡剤を含有するゴム組成物の如く加硫の際に加硫速度と発泡速度とのバランスをとるという非常に困難な作業を行う必要がないので、従来の熱膨張性熱可塑性樹脂粒子等を発泡させる発泡剤を含有するゴム組成物と比較してその加硫時における作業性を飛躍的に向上させることができると共に、予定通りの寸法や密度の加硫ゴムを簡単に得ることができるのである。
【0010】
そして、本発明に係るゴム組成物は天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから成るゴム成分100重量部に対し、発泡密度が0.03〜0.40g/cm3であって且つ粒径が5mm以下である独立気泡を内蔵したエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体10〜100重量部が含有されているであるから、加硫後における一般的な加硫ゴムの特性を大きく変えることなく密度を低くすることがでくるばかりでなく、従来のゴム組成物と比較して耐候性,耐熱劣化性,断熱性及び防滑性を向上させることができる。
【0011】
このような優れた特性を有する本発明に係るゴム組成物は、ゴム板,ゴムシートや防舷材等の一般的なゴム製品に好適に用いることができるばかりでなく、特にその優れた軽量性,耐候性,耐熱劣化性,断熱性及び防滑性により靴底やゴム靴の胛被や胴部等の材料として好適に用いることができる。
【0012】
また、本発明に係るゴム組成物に含有される発泡密度が0.03〜0.40g/cm3であって且つ粒径が5mm以下である独立気泡を内蔵したエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体としては、緩衝用パッキン,コンクリート用目地材や靴底等を製造する際に用いられるブロック状や板状の一般的なエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体を粒径が5mm以下となるように粉砕したものを用いることができるから、その原料となるエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体を比較的に簡単に入手することができるばかりでなく、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体から成る緩衝用パッキン,コンクリート用目地材や靴底等を製造する際に発生する裁断スクラップやバフ粉等のエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体を粒径が5mm以下となるように粉砕したもの用いれば、本発明に係るゴム組成物の製造コストを安価にできるばかりでなく、従来は産業廃棄物として廃棄処分されていたこれらのエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体の裁断スクラップやバフ粉等を再資源化することができるので好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るゴム組成物に用いられるそれぞれの材料について説明する。
【0014】
本発明において使用するゴム成分は天然ゴム(NR)及び/又はジエン系合成ゴムから成るものであり、このジエン系合成ゴムとしては、例えばイソプレンゴム(IR),ブタジエンゴム(BR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)やクロロプレンゴム(CR)等を挙げることができ、本発明におけるゴム成分中に一種又は二種以上含まれていてもよい。
【0015】
そして、本発明において使用するゴム成分は、天然ゴムのみから成るものであっても、上記したジエン系合成ゴムのみから成るものであっても、天然ゴムとジエン系合成ゴムとの混合物から成るものであってもよく、本発明に係るゴム組成物が使用されるゴム製品に合わせてその配合比率を適宜選択すればよい。
【0016】
本発明において使用するエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体(以下、「EVA系発泡体」と略す。)は、発泡密度が0.03〜0.40g/cm3であって且つ粒径が5mm以下である独立気泡を内蔵するものであり、本発明に係るゴム組成物を軽量化させる役目を果たすだけでなく、本発明に係るゴム組成物に耐候性,耐熱劣化性,断熱性及び防滑性を付与する。
【0017】
本発明において使用するEVA系発泡体は、ゴム成分100重量部に対し、10〜100重量部含有されるのもであり、特に好ましくは25〜30重量部である。EVA系発泡体が10重量部未満であると本発明に係るゴム組成物全体の軽量化率が低くなってしまうので好ましくなく、一方EVA系発泡体が100部を超えるとEVA系発泡体に含有されることがある残留発泡剤による異常発泡現象が発生してしまったり、引張り強さや伸び率の低下が著しくなってしまったり、圧延性や形成が悪化してしまったりするので好ましくない。
【0018】
本発明において使用するEVA系発泡体は、その発泡密度が0.03〜0.40g/cm3であり、このような範囲の発泡密度であるEVA系発泡体は、緩衝用パッキン,コンクリート用目地材や靴底等を製造する際に用いられるブロック状や板状のEVA系発泡体として一般的に多用されているので、これらを生産する際に発生する裁断スクラップやバフ粉等として比較的入手し易いのである。この発泡密度が0.03g/cm3未満であると嵩が大きく作業性の大幅な低下を招くと共に、混練した際にシェルの強度が弱くシェル破壊が多く発生して充填効率が著しく低下するので好ましくなく、また0.40g/cm3を超えると発泡密度が高い分だけ軽量化を行うためにはより多くのEVA系発泡体を含有させなければならず、EVA系発泡体の含有量が増えるとゴム組成物の形成性やシート圧延性が大幅に低下するので好ましくない。
【0019】
本発明において使用するEVA系発泡体は、その粒径が5mm以下であることが必要であるが、このEVA系発泡体としては、ブロック状や板状等のEVA系発泡体を予めその粒径が5mm以下となるように粉砕したものを用いても、また本発明に係るゴム組成物をニーダ等で混合練和する際に初めにブロック状や板状等のEVA系発泡体のみをニーダに投入してその粒径が5mm以下となるように粉砕して得たものでもよく、更にはブロック状や板状等のEVA系発泡体のみをニーダに投入してその粒径が5mm以下となるように粉砕した後に予め素練りした等重量のゴム成分をニーダに投入し混合練和してEVA系発泡体とゴム成分とがマスターバッチ化されたものを用いてもよい。
【0020】
本発明において使用するEVA系発泡体としては、基本的にはエチレン酢酸ビニル共重合体と、発泡剤とを含有するものを加熱発泡させて形成されるものであり、エチレン酢酸ビニル共重合体としては、酢酸ビニル含有量が10〜70%程度のものが好ましく用いられ、また発泡剤としては、例えばアゾジカルボン酸アミド(ADCA)やアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ系化合物,P、P'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)等のスルホニルヒドラジド化合物や,ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物等を一種又は二種以上混合されて成るものが好ましく用いられる。
【0021】
そして、本発明において使用するEVA系発泡体は、前記エチレン酢酸ビニル共重合体及び発泡剤以外にも、必要に応じて、例えば水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,水酸化カルシウム,ハイドロタルサイト,炭酸カルシウムやホウ酸亜鉛等の無機充填材、金属石鹸,金属酸化物,尿素系化合物,酸無水物や有機酸等の発泡調整剤、架橋剤、酸化防止剤、光安定剤、耐電防止剤、顔料、難燃剤、老化防止剤、加工性改良剤等を添加したものであってもよい。
【0022】
本発明に係るゴム組成物には、前記したゴム成分及びEVA系発泡体以外にも、通常は硫黄等の架橋剤が含有されており、更には必要に応じて、例えば亜鉛華やステアリン酸等の加硫助剤、グアニジン系化合物やジチオカルバメート系化合物等の加硫促進剤、カーボンブラック等の充填材、シリカ,クレー,アルミナ,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化アルミニウム,珪酸アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化チタンやホワイトカーボン(二酸化珪素)等の白色充填材、活性化剤、加工助剤、軟化剤、老化防止剤、難燃剤、着色剤、静電防止剤等のゴムに一般的に用いられる添加剤が、加硫後における密度が0.85〜1.20g/cm3の範囲内となる程度に適宜含有されていてもよい。
【実施例】
【0023】
以下、本発明に係るゴム組成物を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0024】
尚、各実施例及び/又は比較例において用いられた成分は以下の通りである。
天然ゴム:野村貿易社扱いのRSS No.1
ブタジエンゴム:JSR社製のJSR BR01
スチレンブタジエンゴム:JSR社製のJSR SBR1507
EVA系発泡体:酢酸ビニルが15%でMFR(溶融指数)が1.4のエチレン酢酸ビニル共重合体を主原料に用いた発泡密度0.15g/cm3のEVA発泡体
架橋剤:細井化学工業社製の200メッシュ粉末硫黄
亜鉛華3号:正同化学工業社製の亜鉛華3号(酸化亜鉛)
透明亜鉛華:正同化学工業社製の透明亜鉛華(炭酸亜鉛)
加硫促進剤(DM):三新化学工業社製のサンセラーDM(ジベンゾチアジル・ジスフィド)
加硫促進剤(D):三新化学工業社製のサンセラーD(N、N'−ジフェニル・グアニジン)
加硫促進剤(TS):三新化学工業社製のサンセラーTS(テトラメチルチウラム・モノスルフィド)
活性剤:日本触媒社製のDEG(ジエチレングリコール)
白色充填材(ホワイトカーボン):トクヤマ社製のトクシールGU
白色充填材(重質炭酸カルシウム):日東粉化工業社製のNS−100
白色充填材(脂肪酸処理炭酸カルシウム):白石化学工業社製の白艶華CC
白色充填材(珪酸アルミニウム):サウスイースタン社製のクラウンクレー
白色充填材(焼成珪酸アルミニウム):バーゲス社製のベーゲスアイスバーグ
白色充填材(軽質炭酸カルシウム):白石化学工業社製のシルバーW
老化防止剤:川口化学工業社製のBHT(2、6−ジ−第3ブチル−4−メチルフェノール)
加工助剤:日本ゼオン社製のクイントンA100(合成ポリテルペン樹脂)
軟化剤:新日本石油社製のコーモレックスH22(ナフテン系オイル)
ステアリン酸:日本油脂社製のステアリン酸
顔料:山陽色素社製のビグモテクブルーBSピュアー(フタロ・シアニンブルー)
【0025】
また、各実施例及び/又は比較例における各測定方法は以下の通りである。
・加硫ゴムの密度の測定方法
JISK6268「加硫ゴム−密度測定」における「A法」に従って、加硫ゴムより3gの試験片を打ち抜き、この試験片を23±2℃の雰囲気下で、化学天秤(津島製作所社製)にてその密度を測定した。
・加硫ゴムの引張り強さ及び切断時伸び測定方法
JISK6251「加硫ゴムの引張り試験法」に従って、測定温度23±2℃、引張り速度500±50mm/分の条件で引張り試験を行い、破断時の強さ(TB)及び破断時の伸び(EB)を測定した。
・加硫ゴムの硬さ測定方法
JISK6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験法」に従って、タイプAデュロメータにより硬さを測定した。
・加硫ゴムの摩耗量の測定方法
JISK6264「加硫ゴムの摩耗試験方法」に従って、アクロン摩耗試験機により500回回転させ、その磨耗量を測定した。尚、この測定は実施例1及び比較例1のみについて行った。
・加硫ゴムの引張強さ及び切断時伸びの老化残留率,並びに硬さの変化の測定方法
JISK6257「加硫ゴムの老化試験法」に従って、温度70±1℃、96時間(精度は0〜−2時間)の条件で空気加熱老化試験を行い、引張強さ及び切断時伸びの老化残留率,並びに硬さの変化を測定した。
【0026】
実施例1及び比較例1
実施例1は、下記表1に示すゴム組成物の成分を用いて以下の手順にて加硫ゴムを作製した。尚、下記表1に示すゴム組成物の成分における単位は重量部である。
先ず、予めムー二粘度50〜60に素練りしておいた天然ゴム及びブタジエンゴムより成るゴム成分全量をニーダに投入して80〜85℃で1分間素練りした後に、予めその粒径が3mm以下に粉砕されたEVA系発泡体を全量投入し85〜90℃で3分間混合練和した。次に、顔料,加硫促進剤,透明亜鉛華を全量投入し85〜90℃で3分間混合練和した後に、活性剤,白色充填材,加工助剤を全量投入すると共にステアリン酸を半分投入して85〜90℃で3分間混合練和し、しかる後にダンパーから排出する。次いで、オープンロールを用いて排出された成分に架橋剤全量とステアリン酸の残りとを70〜80℃で5分間混合した後に、プレス加硫により150℃で10分間加硫して加硫ゴムを得た。
比較例1は、下記表1に示すゴム組成物の成分を用いて実施例1におけるEVA系発泡体の投入手順を行わないこと、及び透明亜鉛華の代わりに亜鉛華3号を投入したこと以外は実施例1と同じの手順にて加硫ゴムを作製した。
そして、作製された実施例1及び比較例1について前記方法により密度,引張り強さ及び切断時伸び,硬さ,磨耗量,引張強さ及び切断時伸びの老化残留率,並びに硬さの変化を測定した結果について同じく下記表1に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
実施例2及び比較例2
実施例2は、下記表2に示すゴム組成物の成分を用いて以下の手順にて加硫ゴムを作製した。尚、下記表2に示すゴム組成物の成分における単位は重量部である。
先ず、予めムー二粘度50〜60に素練りしておいた天然ゴム及びスチレンブタジエンゴムより成るゴム成分全量をニーダに投入して80〜85℃で1分間素練りした後に、予めその粒径が3mm以下に粉砕されたEVA系発泡体を全量投入し85〜90℃で3分間混合練和した。次に、顔料,加硫促進剤,透明亜鉛華を全量投入し85〜90℃で3分間混合練和した後に、活性剤,白色充填材,加工助剤,老化防止剤,軟化剤を全量投入すると共にステアリン酸を半分投入して85〜90℃で3分間混合練和し、しかる後にダンパーから排出する。次いで、オープンロールを用いて排出された成分に架橋剤全量とステアリン酸の残りとを70〜80℃で5分間混合した後に、プレス加硫により150℃で10分間加硫して加硫ゴムを得た。
比較例2は、下記表2に示すゴム組成物の成分を用いて実施例2におけるEVA系発泡体の投入手順を行わないこと、活性剤及び加工助剤を投入しなかったこと、及び透明亜鉛華の代わりに亜鉛華3号を投入したこと以外は実施例2と同じの手順にて加硫ゴムを作製した。
そして、作製された実施例2及び比較例2について前記方法により密度,引張り強さ及び切断時伸び,硬さ,引張強さ及び切断時伸びの老化残留率,並びに硬さの変化を測定した結果について同じく下記表2に示す。
【0029】
【表2】

【0030】
表1及び表2の結果からも明らかなように、発泡密度が0.03〜0.40g/cm3であって且つ粒径が5mm以下である独立気泡を内蔵したエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体を含有する本発明に係るゴム組成物は、従来のゴム組成物と比較して加硫後における密度が格段に低く大幅に軽量化が図られていると共に、しかも引張強さ及び切断時伸びの老化残留率,並びに硬さの変化等が向上していることから、その耐久性も改善されているのである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから成るゴム成分100重量部と、発泡密度が0.03〜0.40g/cm3であって且つ粒径が5mm以下である独立気泡を内蔵したエチレン酢酸ビニル共重合体系発泡体10〜100重量部とを含有する、加硫後における密度が0.85〜1.20g/cm3であることを特徴とするゴム組成物。


【公開番号】特開2006−152058(P2006−152058A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−342045(P2004−342045)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000137672)株式会社ミツウマ (1)
【Fターム(参考)】