説明

ゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システム

【課題】ヘッドとシャフトを少なくして、様々なタイプのゴルフクラブを試打することができ、最適なゴルフクラブを容易に選択することを可能にする、ゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システムを提供する。
【解決手段】本発明の着脱システムは、ヘッドのホーゼル部とシャフトのネック部とを着脱自在に嵌着可能に構成され、少なくとも1つのヘッド12と、ヘッド12が嵌着される嵌着部の中心軸線とシャフトの軸心とを同じ方向とした基準シャフト11A、及びヘッド12が嵌着される嵌着部の中心軸線とシャフトの軸心との角度が所定の角度をもつ有角度シャフト11Bの少なくとも2本のシャフトを一組有する。そして、有角度シャフト11Bと嵌着されるヘッド12との間に、嵌着部の中心軸線に対する回転方向位置を選択できる角度調整機構10を設置したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフクラブに関し、特に、ヘッドとシャフトを交換自在にできるヘッドとシャフトの着脱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブにおいて、ヘッドとシャフトとを交換自在にできるものとして、例えば、特許文献1に開示されている構成が知られている。この特許文献1に開示されている技術は、シャフトとヘッドとを係合部材を介して固定し、係合部材を回動することでシャフトとヘッドの係合関係を変更することが可能となっており、これにより、ゴルファーの体格、体調、球筋等の条件に応じて、ヘッドとシャフトの組み合わせ関係を適宜変更することが可能となる。
【0003】
すなわち、上記した特許文献1に開示されているように、シャフトとヘッドを交換可能にすることで、ゴルファーは、多数のシャフト(硬さが異なる多数のシャフト)、及び多数のヘッド(フェース角度や材質の異なる多数のヘッド)の中から最適な組み合わせを選択して、当人にとって最も適したゴルフクラブを構築することが可能になる。
【特許文献1】特開2000−237355号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に開示された技術では、最適な組み合わせを選択するためには、多数のシャフトとヘッドを準備する必要がある。具体的には、例えば、同じ番手のゴルフクラブのヘッドを考慮すると、試打を繰り返しつつヘッドのライ角やフェース角を変えて、その使用者にとって最も適したものを選択させようとするのであれば、1本のシャフトに対し、ライ角やフェース角が異なるように形成されたヘッドを多数準備しておく必要がある。
【0005】
また、このように多数のヘッドを準備しても、各ヘッドには製造のバラツキ(重量やヘッドバランスなど)があることから、試打をするゴルファーにとっては、装着したヘッドの状態を適正に判断するための基準が不明確となって正確な比較テストができ難く、結果として最適なゴルフクラブを選択することが困難になってしまう。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、ヘッドとシャフトを少なくして、様々なタイプのゴルフクラブを試打することができ、最適なゴルフクラブを容易に選択することを可能にする、ゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明は、ヘッドのホーゼル部とシャフトのネック部とを着脱自在に嵌着可能とした、ゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱セットを提供するのであり、この着脱セットは、少なくとも1つのヘッドと、前記ヘッドが嵌着される嵌着部の中心軸線とシャフトの軸心とを同じ方向とした基準シャフト、及び前記ヘッドが嵌着される嵌着部の中心軸線とシャフトの軸心との角度が所定の角度をもつ有角度シャフトの少なくとも2本のシャフトを一組有し、前記有角度シャフトと嵌着されるヘッドとの間に、前記嵌着部の中心軸線に対する回転方向位置を選択できる角度調整機構を設置したことを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、有角度シャフトにヘッドを装着するに際し、角度調整機構によって、そのヘッドを様々な状態(ライ角、ロフト角、フェース角が異なる状態)に変更することが可能になる。すなわち、1本の有角度シャフトと1つのヘッドの組み合わせにより、様々な状態のヘッドを試打することが可能になることから、ヘッドを多数準備する必要がなくなる。また、ヘッドは、一つの構造体で済むことから、品質のバラツキといった要素がなく、適正な比較テストができるようになり、更に、基準シャフトにそのヘッドを装着することで、ヘッドの状態を適正に判断する基準が明確となって、最適なゴルフクラブを容易に選択することが可能になる。
【発明の効果】
【0009】
本発明におけるゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システムによれば、ヘッドとシャフトを少なくして、様々なタイプのゴルフクラブを試打することができ、最適なゴルフクラブを容易に選択することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係るゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システムの基本構成例を示す図である。このヘッドとシャフトの着脱システムは、ゴルフクラブを構成すべく、少なくとも2本のシャフト11A,11Bと、夫々のシャフト11A,11Bに対して着脱可能な少なくとも1つのヘッド12によって構成される。
【0012】
前記2本のシャフト11A,11Bは、後述するように、それぞれネック部を有しており、各ネック部にはヘッド12のホーゼル部が着脱自在となっている。そして、2本のシャフトの内、一方のシャフト11Aは、ヘッド12が嵌着される嵌着部の中心軸線とシャフトの軸心とが同じ方向となった「基準シャフト」として構成されており、もう一方のシャフト11Bは、ヘッド12が嵌着される嵌着部における中心軸線とシャフトの軸心との角度(以下、傾斜角度とする)が所定の角度をもつ「有角度シャフト」として構成されている。
【0013】
この場合、有角度シャフト11Bと嵌着されるヘッド12との間には、ヘッドの嵌着部の中心軸線に対する回転方向位置(図7参照)を選択可能にする角度調整機構10が設置される。また、セット組される2本のシャフトについては、一方が傾斜角度0°(基準シャフト)とされており、他方が所定の角度(有角度シャフト)に設定される以外、シャフトそのものの構成である硬さ、バランス、長さ等については、全く同一条件とされる。
【0014】
また、図1に示すセットの組み合わせは、ヘッドとシャフトの着脱システムの最小単位を示しており、図に示す組み合わせ以外にも、ロフト角、ライ角、フェース角が異なる別のヘッド(複数であっても良い)を準備しておいても良い。また、シャフトについても、更に別のセット組、例えば、シャフト11A,11Bと比較して硬さ、長さ、バランスが異なる2本単位のセット組を揃えておいても良い。更には、セット組されるシャフトについては、1つの基準シャフトが存在していれば良く、1本の基準シャフト以外に、夫々傾斜角度が異なる2本以上のシャフトが準備されていても良い。いずれの場合も、用意されたヘッド、シャフトの数に対し、より多品種の仕様のゴルフクラブを提供できる。
【0015】
図2は、上記したシャフト(ここでは、有角度シャフト11B)にヘッド12を嵌着してゴルフクラブ1を構成した例を示しており、(a)はフェース部を正面とした図、(b)はトウ部を正面とした図である。
【0016】
図2に示すように、ゴルフクラブ1は、金属やFRPで構成されたシャフト11Bの先部に、基準水平面に対して所定のライ角α、及び所定のロフト角βに設定されたヘッド12を止着して構成されている。なお、ここでの「ロフト角」は、いわゆる「リアルロフト」と言われるもので、具体的には、所定のライ角αに設定し、フェース角を0°としたときのロフト角である。シャフト11Bの先端には、ネック部11aが設けられており、このネック部11aにヘッド12を取り付けるようになっている。このネック部11aは、シャフト11Bに一体又は別体に形成される。ネック部11aを一体に形成する場合には、ネック部11aは、シャフト11Bに直接形成しても良く、シャフト成形時にインサート成形によりネック部11aを一体的に成形しても良い。また、シャフト11Bの基端には、天然ゴムや合成ゴムなどの柔軟性や軟質材料で構成されたグリップ13が取り付けられている。また、シャフト11Bにおいては、シャフト11Bとネック部11aの段差を埋めるためのソケット11bが一体形成されている。
【0017】
ヘッド12において、図2(a)に示すようにヘッド12を地面に付けた状態で、シャフト11Bから相対的に離れた位置にトウ部12aが位置し、シャフト11Bに近い位置にヒール部12bが位置し、上面にクラウン部12cが位置し、底面にソール部12dが位置する。また、図2(b)に示すように、ヘッド12において、ボールを打球するフェース部12eが設けられている。また、フェース部12eと反対側には、バック部12fが位置する。
【0018】
ヘッド12において、フェース部12eに止着されるフェース材以外については、例えば、チタン合金(Ti-6Al-4V)、鉄系合金(17-4ph,SUS304)、或いは、Custum450(カーペンター社製)などを鋳造することで一体形成することが好ましく、その前面側にフェース部12eの打球面を構成するフェース材が止着される開口が形成されている。なお、ヘッド12は、それを構成する各部材を個別に形成しておき、夫々を溶着、接着等によって固定しても良い。フェース部12eに止着されるフェース材としては、例えば、チタン合金(Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al,Ti-6Al-4V,SP700,Ti-15V-6Cr-4Al,Ti-15Mo-5Zr-3Al)、鉄系合金(Custum455,465(カーペンター社製),18Ni-12Co-4.5Mo-1.5Ti-Fe)、或いは、Ti-30Nb-10Ta-5Zrなどを、所定の板形状となるように、プレス加工(更にミーリング加工しても良い)することで一体形成することが好ましく、そのように形成されたフェース材は、前記フェース部12eに形成された開口に嵌合し、接着、溶着、ロウ付けなどによって止着される。また、フェース部12eについては、別部材となるフェース材を嵌合するのではなく、前記ヘッド12と共に一体形成しても良く、フェース部12e全体がヘッド12とは別のフェース材で構成されていても良い。
【0019】
図3は、図2に示すゴルフクラブのヘッドを示す拡大図である。
上述したように、本発明においては、有角度シャフト11Bに対してヘッド12を嵌着する際、角度調整機構10によって、嵌着部の中心軸線に対する回転方向位置が選択できるようになっている。以下、この実施形態における有角度シャフト11Bの構成、及び角度調整機構10の構成について説明する。
【0020】
前記ヘッド12は、シャフト11Bを直接又は間接的に取り付けるホーゼル部12gが設けられている。このホーゼル部12gには、角度調整機構10を構成する調整体14を介してシャフト11のネック部11aが螺着により取り付けられている。図3において、参照符号11bは、ソケットを示し、参照符号11cは、シャフト11の中心軸線を示す。また、参照符号Cは、フェース中心を示し、フェース面の高さの中心であり、フェース幅の中心である。このフェース中心は、「ロフト角」、「フェース角」を測定する時の測定点となる。
【0021】
図4は、図2に示すゴルフクラブのヘッドのネック部を示す拡大図である。シャフト11Bのネック部11aは、シャフト11Bの先端にネック部11aが被せられて構成されている。このネック部11aは、先端側から基端側に向かって縮径する大径部21を有する。この大径部21の先端側の端部にはフランジ面21aが設けられており、このフランジ面21aがホーゼル部12gの第1受け面30、又は後述する調整体14と当接する第2受け面を構成している。すなわち、ヘッドのホーゼル部に第1受け面30を、シャフトのネック部に第1受け面と対向する第2受け面21aを設け、これら第1受け面と第2受け面とで、ヘッドの嵌着部における軸線方向の動きを規制するようにしている。そして、より詳細には、第1受け面21aと第2受け面30との間に調整体14を介在するとともに、ネック部11aの先端には、そのような調整体14によって、軸線方向の動きを規制しつつ角度調整を可能にするホーゼル部12gと螺合する雄ねじ24が形成されている。
【0022】
一方、ヘッド12のホーゼル部12gには、シャフト11Bのネック部11aを挿入するための挿入穴22が形成されている。この挿入穴22は、シャフト11Bのネック部11aを挿入して螺合させるために十分な大きさを有する。この挿入穴22の内周面には、ネック部11aの雄ねじ24と螺合する雌ねじ23が形成されている。
【0023】
このような構成のシャフト11Bとヘッド12とを結合する場合、シャフト11Bのネック部11aをヘッド12の挿入穴22に挿入させると共に、シャフト11Bを回転させる。これにより、ネック部11aの雄ねじ24と挿入部22の雌ねじ23に螺合してシャフト11Bのネック部11aがヘッド12のホーゼル部12gに螺着される。
【0024】
シャフト11Bは、このように、ヘッド12が取り付けられた状態においては、ヘッドが嵌着される嵌着部の中心軸線、具体的に本実施形態の構成では、雌ねじ23が形成された部分の挿入穴22の中心軸線26と、そのシャフト11Bの中心軸線11cとが、所定の角度θをもつように構成されている(上述したような「有角度シャフト」として構成されている)。
【0025】
この場合、角度θについては、ライ角、ロフト角、フェース角の変更範囲を考慮して、0.5度〜5度に設定しておくことが好ましい。ただし、この角度θについては、この範囲に制限されることはなく、この範囲以外の値に適宜設定することも可能である。なお、この角度θが0°に設定されているものが、基準シャフト11Aとなる。
【0026】
前記ネック部11aの最先端部と挿入穴22の底面との間には、スペース25が設けられる。このスペース25は、ホーゼル部12gとネック部11aとの間に調整体14が介在しなくても、ネック部11aの最先端部と挿入穴22の底面とが接触しないように設定するものである。なお、雄ねじ24と雌ねじ23のねじ方向については、右利き用ゴルフクラブには「逆ねじ」を用い、左利き用ゴルフクラブには「正ねじ」を用いることが好ましい。このようにすることで、打球によりしっかり締め付けられ、ロフト角やライ角が安定する。
【0027】
図5は、ホーゼル部とネック部との間の結合状態を説明するための分解図である。ネック部11aは、より詳細には、シャフト11Bが嵌入される外延部27と、この外延部27の先端側に設けられた大径部21と、大径部21の先端側に連接されて設けられ、ホーゼル部12gの挿入穴22に挿入する挿入部(ヘッドが嵌着される「嵌着部」を構成する)28と、挿入部28の先端に形成された雄ねじ24とから主に構成されている。大径部21に形成されたフランジ面21aは、角度調整機構10を構成する調整体14、又は、場合によってはホーゼル部12gの第1受け面30と当接する受け面(第2受け面21a)となる。また、ネック部11aには、シャフト嵌合穴29が設けられている。
【0028】
ホーゼル部12gは、ネック部11aの挿入部28を挿入する挿入穴22と、挿入穴22の内周面に形成され、ネック部11aの雄ねじ24と螺合する雌ねじ23と、調整体14又はネック部11aの第2受け面21aと当接する第1受け面30とから主に構成されている。また、ホーゼル部12gの挿入穴22の底面は、ヒール部12b側に延在する連結部31が設けられている。この連結部31を設けることにより、ホーゼル部12gの強度を向上させることができる。この連結部31は、ソール部に設けても良いし、設けなくても良い。
【0029】
本実施の形態においては、挿入穴22は、ホーゼルに設けられたシャフト装着用の穴を意味する。したがって、ホーゼル部12gにおいて、挿入穴22の頂部(第1受け面30)の位置は、クラウン部12cよりも高くても良いが、クラウン部12cよりも低くすることで、ゴルファーが構えた時の形状を美しい(構え易い、違和感のない)形状にすることが可能となる。
【0030】
ネック部11aの第2受け面21aとホーゼル部12gの第1受け面30は、調整体14を介して面受けすることができる。しかも、受け面の広さや外径を、ねじ部と独立して任意に設定することができるので、繰り返し使用での変形摩耗を抑えることができ、食い込んで着脱困難になることを防止できる。
【0031】
また、この構成においては、ホーゼル部12gの挿入穴22にネック部11aの挿入部28を挿入するようになっているので、ヘッド12にシャフト11Bを取り付けたときにガタ付きを防止でき、ヘッド12に対して精度良くシャフト11Bを取り付けることができる。また、挿入部28において、外周に部分的に凸部を形成することにより、調整体14を介在させた際に挿入部28の外周で調整体14を保持することができるので好ましい。
【0032】
挿入部28に形成された雄ねじ24の先端側は、相対的に肉厚にしておくことが好ましい。これにより、ねじり応力と引っ張り応力の繰り返し印加による疲労破損を防止することができる。また、雄ねじ24は挿入部28の先端側に形成することが好ましい。これにより、挿入部28を長くしてより精度良くヘッド12にシャフト11Bを取り付けることが可能となる。なお、雄ねじ24を挿入部28の基端側に設ける場合においては、雄ねじ24の長さより挿入部28の長さを長くしておくことが好ましい。
【0033】
ネック部11aに雄ねじ24を形成する場合、第2受け面21aを基準として、すべて同一の条件でねじ加工を行うことが好ましい。また、ホーゼル部12gに雌ねじ23を形成する場合、第1受け面30を基準として、すべて同一の条件でねじ加工を行うことが好ましい。なお、ホーゼル部12gのねじ部については、別体で形成した雌ねじ又はホーゼル部を含むねじ部を接着や溶接などによりホーゼル部12gに位置合わせして取り付けても良い。
【0034】
ネック部11aにおいては、図5に示すように、内部にシャフト嵌合穴29が設けられている。このシャフト嵌合穴29は、シャフト11Bを嵌入するために十分な大きさを有する。また、このシャフト嵌合穴29は、その中心軸線が挿入部28の中心軸線に対して所定の角度をもつように形成されている。すなわち、シャフト11Bは、シャフト嵌合穴29に沿って嵌入され、挿入部28は挿入穴22に螺合するので、雌ねじ23が形成された挿入穴22の中心軸線と、ヘッド12とシャフト11Bが螺着した際のシャフト11Bの中心軸線とが所定の角度θをもつことになる。なお、挿入穴及び/又は雌ねじの領域については、ヘッドが嵌着される嵌着部となる。
【0035】
シャフト嵌合穴29をその中心軸線が挿入部28の中心軸線に対して所定の角度θをもつように形成する場合、例えば、大径部21の基端側面21bに直交する軸線を挿入部28の中心軸線に対して所定の角度をもつようにする。これにより、挿入部28がホーゼル部12gの挿入穴22に挿入される際に、挿入部28の中心軸線と挿入穴22の中心軸線とが一致し、しかもシャフト11Bがシャフト嵌合穴29に嵌入される際に、シャフト11Bの中心軸線と挿入部28の中心軸線とが所定の角度θをもつようになる。
【0036】
なお、本実施の形態においては、大径部21の基端側面21bに直交する軸線を挿入部28の中心軸線に対して所定の角度をもつようにすることにより、挿入部28がホーゼル部12gの挿入穴22に挿入される際に、挿入部28の中心軸線と挿入穴22の中心軸線とが一致し、しかもシャフト11Bがシャフト嵌合穴29に嵌入される際に、シャフト11Bの中心軸線と挿入部28の中心軸線とが所定の角度θをもつように構成した場合について説明しているが、本発明においては、ネック部11a及び/又はホーゼル部12gのいずれかの部分や部材を用いて、挿入部28がホーゼル部12gの挿入穴22に挿入される際に、挿入部28の中心軸線と挿入穴22の中心軸線とが一致し、しかもシャフト11Bがシャフト嵌合穴29に嵌入される際に、シャフト11Bの中心軸線と挿入部28の中心軸線とが所定の角度をもつように構成しても良い。
【0037】
ネック部11aにシャフト11Bを装着する場合には、例えば、外延部27の基端側に形成されたシャフト嵌合穴にシャフト11Bの先端を嵌入して接着などにより固定する。なお、外延部27を中実に構成し、外延部27をシャフト11Bの中空部に嵌入して固定するようにしても良い。
【0038】
上記した構成のネック部11aをホーゼル部12gに螺着すると、ホーゼル部12gの第1受け面30にネック部11aの第2受け面21aが当接した使用状態でシャフト11Bの中心軸線が挿入部(嵌着部)28の中心軸線に対して所定の角度θをもつようになる。このように、中心軸線に角度をもたせることにより、第1受け面30と第2受け面21aとの間に介在される調整体14を交換する(厚さを変更する)ことで、前記嵌着部における中心軸線に対する回転方向位置(図7参照)を任意に変更することができる。すなわち、これにより、シャフト11とヘッド12の回転方向との間の位置を精度良く設定することができ、ライ角、ロフト角、フェース角の微調整(変更)を行うことが可能となる。その結果、多くの種類のヘッドを準備することなく、1つのヘッドに対して単に調整体14を交換するだけで、ライ角、ロフト角、フェース角を変えながら試打することが可能となり、その試打結果に基づいて、基準シャフト11Aとの間で比較検討しながら、所望のライ角、ロフト角、フェース角のゴルフクラブを顧客に提供することが可能となる。
【0039】
上記したネック部11aを構成する材料としては、低比重、強度、耐摩耗性を考慮すると、純チタン、Ti-15V-3Cr-3Sn-3Alなどのチタン合金、6061、7075などのアルミニウム合金が特に好ましいが、鉄合金や高強度樹脂を用いても良い。また、アルミニウム合金を用いる場合は、電触を防止するためにアルマイト処理をすることが好ましい。また、ネック部11aをホーゼル部12gに螺着したり、反対に緩めて外す際には、ネック部11aの外延部27の外面を把持し易い構造とするのが好ましく、具体的には、平面部や穴を設けるのが良い。特に好ましくは、六角面部を形成し、一般のスパナで把持し易くするのが、外観、強度の面から良い。
【0040】
次に、上述した角度調整機構10を構成する調整体14の構成例について説明する。
図6は、本実施の形態に係る調整体を示す断面図である。調整体14は、略リング形状を有しており、ネック部11aの挿入部28に装着される。調整体14は、互いに対向する一対のA面及びB面を有し、A面及びB面は互いに略平行である。また、調整体14は、外側面14aと、挿入部28が挿入する内側面14bと、内側面14bのA面及びB面側に設けられた案内面14cとを含む。
【0041】
調整体14の外側面14aは、厚み方向において中央が膨出した形状であることが好ましい。これにより、調整体14を着脱する操作が容易となる。また、案内面14cは、ネック部11aの挿入部28を挿入する際に挿入部28が入り易いように設けるものであり、このような機能を考慮すると、傾斜面又は曲面であることが好ましい。
【0042】
図6において、D1は内径を示し、D2は外径を示し、tは厚さを示す。内径D1は、ネック部11aの挿入部28が着脱自在に、かつ、ガタが少なくなるように設定することが好ましい。また、厚さtについては、扱い易い厚さ、例えば0.1mm〜10mm、好ましくは0.3mm〜5mmであることが好ましい。なお、厚さtの公差は±0.02(好ましくは±0.01)以下にすることが好ましい。
【0043】
調整体14を構成する材料としては、耐摩耗性を考慮して、ヘッド12を構成する材料よりも硬質の材料であることが好ましい。このため、ヘッド12を構成する材料よりも硬質の材料を加工して構成しても良く、特定の材料で加工した後に熱処理を施してヘッド12を構成する材料よりも硬質にしても良い。具体的には、純チタン、Ti-6Al-4V、Ti-15V-3Cr-3Sn-3Alなどのチタン合金、あるいは鉄系合金が好ましい。また、耐摩耗性の高い樹脂を用いても良く、その場合には、電触を防止することができる。
【0044】
次に、上記した調整体14の利用方法について説明する。
図7は、上記した調整体14を用いて、ヘッドの状態(ライ角、ロフト角、フェース角)を調整する手法を説明する図である。上述したように、挿入部28の中心軸線と挿入穴22の中心軸線とは一致し、シャフト11Bの中心軸線と挿入部28の中心軸線とは所定の角度θをもっているので、シャフト11Bを回転させると、シャフト11Bの中心軸線は図の矢印方向に回転する。この原理を利用することにより、ネック部11aを回転すると、360度の回転範囲内(1回転;ねじの1ピッチ分の回転)において、シャフトに対するヘッド12の関係を任意に調整することができる。すなわち、このようなネック部11aの回転により、ヘッドにおけるライ角、ロフト角、フェース角を任意に変更することができる。なお、この場合において、回転方向における位置(回転角度)については、調整体14の厚さにより調整することができる。
【0045】
図8は、調整体(厚さ)と回転角度との間の関係を説明するための図である。図8において、「1」〜「8」の方向は、ヘッド12の挿入穴22の中心軸線26に対するシャフト11Bのグリップ側の方向を示している。ここでは、それぞれ異なる厚さを有する8枚の調整体を用い、これらの調整体を交換することにより、ヘッド12に対するシャフト11Bの回転方向における取り付け位置を選択する場合について説明する。なお、調整体14の枚数については、特に制限はなく、8枚以外の枚数でヘッド12に対するシャフト11Bの回転方向における取り付け位置を選択するように構成しても良い。例えば、図8に示すように、1回転(360度)を8等分する場合、ねじの1ピッチを8等分にした寸法を調整体14のそれぞれの厚さの差に設定することで調整することが可能である。
【0046】
以下の表1は、上記のようにねじの1ピッチを8等分にした寸法を調整体14のそれぞれの厚さに設定した際のヘッドの状態を示している。すなわち、厚さの異なる調整体をネック部11aとホーゼル部12gとの間に介在させることにより、種々のライ角、ロフト角、フェース角を実現することができるので、表1に示すように、調整体14を交換するだけで、1つのヘッドでありながらライ角、ロフト角、フェース角を任意に変更することができる。換言すれば、ヘッドのライ角、ロフト角、フェース角を変えて試打する場合には、調整体14のセット(必要個数)を準備するだけで良くなり、これにより、仕様の異なる多くのゴルフクラブを準備する必要がなくなって、場所をとったり、運搬に苦労することもなく、取り扱いが大変便利となる。
【0047】
【表1】

上記した表1に示すヘッドとシャフトの着脱システムの例では、No9に示すように、図1に示す基準シャフト11Aにヘッド12を装着したゴルフクラブ(比較対象となる基準ゴルフクラブ)では、ライ角が58.0°、ロフト角が10.0°、フェース角が0°となるように設定されている。そして、このようなヘッド12を、そのまま基準シャフト11Aから上記した有角度シャフト11Bに装着するに際して、No1〜No8で示すような調整体14(以下の図9(a)又は(b)又は(c)に示すように構成される)を介在させることにより、ライ角、ロフト角、フェース角を、表1で示す数値に変更することが可能となる。
【0048】
このため、テスト者(顧客等)は、基準シャフト11Aによるゴルフクラブで試打したヘッド12の構成を、そのままの状態(ヘッドの重さやヘッドバランスなどが同一条件となっている)で有角度シャフト11Bに装着することで、ライ角、ロフト角、フェース角が変更されたゴルフクラブを、基準となるゴルフクラブとの間で正確に比較することができるようになり、より正確に自分に適したゴルフクラブのヘッドの仕様を判断することが可能になる。これにより、顧客に適した組み合わせを容易に選択することができ、満足度を高めることが可能になる。
【0049】
上述したような調整体のセットは、例えば、図9(a)〜(c)に示すようなものが挙げられる。図9(a)は追加式の調整体セットを示しており、この調整体セットにおいては、基準調整体31に角度調整体32を重ねて厚さを調整するようになっている。すなわち、この調整体セットは、ヘッド12に対するシャフト11Bの回転方向における位置を設定する基準調整体31と、前記位置から所定の割合で比例的にシャフト11Bに対するヘッド12の角度を増減させるための複数の角度調整体32とを含む。このような調整体セットを用いることにより、基準位置や仕様を正しく確認することができ、また基準からのライ角やロフト角の変化と試打した顧客のスイングとのマッチングの関係を認識し易くなる。
【0050】
この場合において、基準調整体31は、ねじ部のピッチよりも大きい厚さを有していても良い。また、ねじ部のピッチよりも大きい厚さを有するものが2つ以上含まれていても良い。これにより、調整体の扱いが容易であり、ヘッドとシャフトの交換作業をスムーズに行うことができる。
【0051】
また、調整体セットについては、例えば、図9(b)に示すように、別体式で構成しても良い。この調整体セットは、図9(a)に示す基準調整体+角度調整体の厚さのものを一体に形成し、厚さ毎に、それぞれ別体33a〜33hとして構成されている。或いは、調整体セットについては、例えば、図9(c)に示すように、1点のみ調整体を設けない位置を決めておき、その他の角度について図9(a)又は図9(b)に示すような方式で構成しても良い。さらに、調整体については、外観上識別し易くする方が顧客サービスの上で好ましいので、「色分け」や「外観面に印をつける」などを実施することが好ましい。
【0052】
そして、上述したような角度調整機構10は、第1受け面30及び第2受け面21aによる軸長方向の位置止めにより角度調整を実施するため、有角度シャフト11Bとヘッド12の嵌着部の中心軸線方向の動きを確実に規制することができ、テスト中に緩んだり、ガタが発生することを防止でき、制度の高い比較テストが可能となる。また、軸長方向の位置止めであることから、嵌着部が固着することを防止でき、ヘッドを着脱し易く、操作し易いヘッドとシャフトの着脱システムとすることが可能となる。
【0053】
特に、上記した構成の角度調整機構10は、第1受け面30及び第2受け面21aによる軸長方向の位置止めをするに際し、螺合による回転方向の締め付け(雄ねじ24と雌ねじ23の螺合関係)により、ヘッド12の着脱操作がし易く、繰り返し使用しても固着の発生を防止でき、安定した条件で精度の高いテストが可能になる。また、調整体14を第1受け面と第2受け面との間に介在させることにより、ヘッドとシャフトの回転方向の位置を所望の方向に設定してライ角、ロフト角、フェース角を所望の状態に調整できると共に、繰り返し使用に耐えて精度を維持することができる。
【0054】
上述したゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システムは、図1に示したように、基準シャフト11Aと有角度シャフト11B、及び1つのヘッド12が最小単位のセットとされるが、勿論、仕様の異なるヘッドを複数個、準備しても良い。例えば、ロフト角が12°に設定されている別のヘッドを準備し、これを基準シャフト11Aに装着したり、有角度シャフト11Bに装着すると、以下の表2で示すようなゴルフクラブについて試打を実施することが可能となる
【0055】
【表2】

すなわち、表1、表2で示すように、2つのシャフト(基準シャフト11A、有角度シャフト11B)と、異なる構成の2つのヘッドを準備するだけで、合計で18種類のテストを実施することが可能となる。
【0056】
更に、シャフトについても、更に、異なる仕様のものを準備しておくことで、少ないヘッドとシャフトによって、飛躍的に多種類のテストを実施することが可能になる。例えば、シャフト組として、仕様の異なる(硬さやバランスが異なる)複数セットを準備することで、少ない構成で、より多数のテストを実施することが可能になる。具体的には、例えば、ロフト角が異なる4つのヘッドを準備し、かつシャフト組については、硬さやバランスが異なる4つのセット(各セットは、基準シャフトと有角度シャフトで構成されるため、合計8本となる)を準備するだけで、合計144通りのテストを実施することが可能となる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。
【0058】
例えば、有角度シャフトにおけるホーゼル部とネック部との間の結合構成については、ねじ部における雌ねじが形成された挿入領域の中心軸線と、ヘッド及びシャフトが螺着した際のシャフトの中心軸線とが所定の角度をもつように設定されていれば良い。例えば、図10に示すように、ネック部11aに挿入穴41が形成され、挿入穴41の内周面に雌ねじ23が形成され、ホーゼル部12gに突出部42を設け、その外周面に雄ねじ24が形成されており、ネック部11aとホーゼル部12gとの間で螺合する構成であっても良く、図11に示すように、ネック部11aの挿入部28に挿入穴41が形成され、挿入穴41の内周面に雌ねじ23が形成されており、ホーゼル部12gに挿入部28を挿入できる大きさの挿入穴22が形成され、その挿入穴22内に突出部42を設け、その外周面に雄ねじ24が形成されており、ネック部11aをホーゼル部12gの挿入穴22に挿入して、ネック部11aとホーゼル部12gとの間で螺合する構成であっても良い。
【0059】
また、上記した実施形態では、有角度シャフト11Bに設けられる角度調整機構10は、ヘッドのホーゼルに第1受け面30を、シャフトのネック部に第2受け面21aを形成し、両者の間にねじの螺合関係の位置を変更する調整体14を介在させるように構成したが、本発明は、ヘッドが嵌着される嵌着部の中心軸線とシャフトの軸心との角度が所定の角度をもつ有角度シャフトに関し、その角度を利用して、嵌着部の中心軸線に対する回転方向位置を選択してヘッドの状態を調整できるように構成されていれば、特定の構造に限定されることはない。例えば、角度調整機構に関しては、上記した調整体14を用いることなく、シャフトとヘッドの嵌着部において、夫々円周方向に沿って互いに嵌合する凹凸部を形成し、その凹凸面の周方向の当て付け関係によって角度調整が行えるように構成しても良い。或いは、ヘッド側に1つの軸長方向溝を形成し、シャフト側に角度調整を可能にする複数箇所の軸長方向溝と、回り止めのキー溝を形成し、両者を位置合わせして嵌合し、固定用のねじを締め付けることで、角度調整が行えるように構成しても良い。
【0060】
その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係るゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システムの基本構成例を示す図。
【図2】本発明の実施の形態に係るゴルフクラブ(有角度シャフト)を示す図であり、(a)はフェース部を正面とした図、(b)はトウ部を正面とした図。
【図3】図2に示すゴルフクラブのヘッドを示す拡大図。
【図4】図2に示すゴルフクラブのヘッドのネック部を示す拡大図。
【図5】ホーゼル部とネック部との間の結合状態を説明するための分解図。
【図6】角度調整機構を構成する調整体を示す断面図。
【図7】図6に示す調整体を用いて、ヘッドの状態(ライ角、ロフト角、フェース角)を調整する手法を説明する図。
【図8】調整体(厚さ)と回転角度との間の関係を説明するための図。
【図9】(a)〜(c)は、調整体セットの例を示す図。
【図10】ホーゼル部とネック部との間の結合構成の他の例を説明するための分解図。
【図11】ホーゼル部とネック部との間の結合構成の他の例を説明するための分解図。
【符号の説明】
【0062】
1 ゴルフクラブ
10 角度調整機構
11A 基準シャフト
11B 有角度シャフト
11a ネック部
11c,26 中心軸線
12 ヘッド
12g ホーゼル部
13 グリップ
14 調整体
21a 第2受け面
22 挿入穴
23 雌ねじ
24 雄ねじ
28 挿入部(嵌着部)
29 シャフト嵌合穴
30 第1受け面
31 基準調整体
32 角度調整体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドのホーゼル部とシャフトのネック部とを着脱自在に嵌着可能とした、ゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱セットであって、
少なくとも1つのヘッドと、前記ヘッドが嵌着される嵌着部の中心軸線とシャフトの軸心とを同じ方向とした基準シャフト、及び前記ヘッドが嵌着される嵌着部の中心軸線とシャフトの軸心との角度が所定の角度をもつ有角度シャフトの少なくとも2本のシャフトを一組有し、
前記有角度シャフトと嵌着されるヘッドとの間に、前記嵌着部の中心軸線に対する回転方向位置を選択できる角度調整機構を設置したことを特徴とする、ゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システム。
【請求項2】
前記角度調整機構は、ヘッドのホーゼル部に第1受け面を、シャフトのネック部に前記第1受け面と対向する第2受け面を夫々有し、前記第1受け面と第2受け面とで前記嵌着部の中心軸線方向の動きを規制することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システム。
【請求項3】
前記基準シャフトと前記有角度シャフトを有するシャフト組みは、仕様の異なる複数セットからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システム。
【請求項4】
前記ヘッドは、仕様の異なる複数のヘッドからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システム。
【請求項5】
前記ヘッドに第1ねじ部を有するホーゼル部を設け、前記シャフトに前記第1ねじ部と螺合する第2ねじ部を有するネック部を設け、
前記角度調整機構は、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とを螺合させて前記ヘッドと前記シャフトとを螺着した際に、前記第1受け面と前記第2受け面との間に介在された調整体を具備することを特徴とする、請求項2から4のいずれか1項に記載のゴルフクラブのヘッドとシャフトの着脱システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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