説明

ゴルフクラブシャフトを測定および調整する方法および装置

【課題】ゴルフクラブシャフトの好ましい角度方向を迅速かつ確実に測定するための方法および装置を提供する。
【解決手段】ゴルフクラブのシャフト110の好ましい方向または平面振動面は、インパルスが適用された場合のシャフトの振動を測定することにより、定められる。好ましくは、面外振動が、シャフト軸に対する多くの角度位置で測定され、そして主要な平面振動面は、面外振動が最も小さくなる対向角度位置の対により同定される。好ましい方向の位置はシャフト上にマークされ得、そして予め決定された方向の平面振動面を有するゴルフクラブを製造するために使用される。シャフトの直線性はまた、その振動周波数からそのばね定数を導き、次いで、シャフトが異なる角度位置での同一の名目上の量によりゆがめられる場合の回復力を測定することにより決定され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、ゴルフクラブシャフトを測定および方向合わせすることに関する。
より詳細には、本発明は、ゴルフクラブシャフトの平面振動面、特に主要平面振動面の位置を自動でかつ確実に同定するため、および所望の方向で平面振動面を位置合わせするため、ならびにゴルフクラブの性能の特徴を表すゴルフクラブシャフトのパラメーター(例えば、丸さ、剛性、および直線性)を決定するための、方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルファーがゴルフクラブをスウィングする場合、特に、ダウンスウィングの間に、ゴルフクラブのシャフトは、曲がるかまたはねじれる。シャフトが曲がる方向またはねじれる方向は、どのようにゴルファーが、クラブを導くかまたは加速させるかに依存するが、曲がる方向またはねじれる方向、および曲がる大きさまたはねじれる大きさはまた、シャフトの剛性に依存する。シャフトが柔らかい場合、シャフトは、所定のダウンスウィングの間に、シャフトが硬い場合よりも、大きく曲がるかまたはねじれる。さらに、シャフトが様々な平面で様々な横軸方向の剛性を示す(すなわち、シャフトの剛性、丸さおよび直線性が対称ではない)場合、シャフトは、どの面(方向)にシャフトが導かれるかに依存して、異なって、曲がるか、またはねじれる。
【0003】
ゴルフクラブのヘッドとゴルフボールとのインパクトの直前に、ゴルフクラブのシャフトは、トーアップ/トーダウンの方向(打つ方向に対して垂直な平面)、およびリード方向/ラグ方向(打つ方向に対して平行な平面)の両方における有意な振動運動に耐える。調査によると、ゴルフクラブのシャフトは、ゴルフボールとインパクトする直前のトーアップ/トーダウンの方向に上下に振動することが示されている。この上下の運動(「高低偏差振動(vertical
deviation oscillation)」、「垂直偏向振動(vertical deflection oscillation)」、または「ドループ振動(droop
oscillation)」として知られている)は、±1.5インチ(±3.8cm)程度の大きさであり得る。一貫性のない曲がりまたはねじれは、ゴルファーが、(複数の)クラブの間でダウンスウィングする際のシャフトの曲がりまたはねじれを再現することをより困難にし、その結果、(クラブ)セット内であまり一貫性のないインパクト再現性を生じる。インパクトの直前の非対称のシャフトの挙動に起因する何らかの一貫性のない曲がりまたはねじれは、ゴルファーが、彼または彼女のスウィングを矯正することを実質的に不可能にするので、インパクト直前の上記した振動の減少は何であっても、ゴルファーが、彼または彼女のインパクトの再現性を改善するのに役立ち、それにより性能が増す。このことは、ゴルファーの全ての技術レベルに適用される。
【0004】
さらに、(インパクト直前の)ゴルフクラブは、ショットの方向へ「飛び出す(spring)」。このことは、シャフトの「キック(kick)」と一般にいわれる。振動のキック方向が安定する方法で、シャフトを分析および方向合わせすることが可能であれば、このシャフトの位置は、ボールに対するインパクト位置を再現するゴルファーの能力を改善するであろう。換言すれば、このシャフトは、インパクト直前に、上下に「ぶれる(bob)」する傾向が少なく、それによってインパクトの再現性を改善する。
【0005】
一貫性のない曲がりまたはねじれは、シャフトが完全に対称であった場合には存在しないクラブヘッドの移動の原因となる。ゴルフクラブシャフトの製造者らは、スウィングの間の一貫性のない曲がりまたはねじれを最小限にするような、対称な剛性を有するシャフトを仕上げようと試みるが、製造上の制限の結果として、完全に対称なゴルフクラブシャフトに仕上げることは困難である。具体的には、材料または製造工程における不揃いまたはばらつきの結果として、ゴルフクラブシャフトが、好ましい角度方向(preferred
angular orientation)を有することが周知である。例えば、ゴルフクラブシャフトは、「スパイン(背骨)(spine)」(この方向が重要であり得る)を有すると時々いわれる(例えば、米国特許第4,958,834号および同第5,040,279号(これらは、本明細書中でその全体が参考として援用される))。従って、実質的に全てのゴルフクラブシャフトは、スウィングの間に、ある程度の一貫性のない曲がりまたはねじれを生じる、ある程度の非対称性を示す。
【0006】
ゴルフクラブシャフトの非対称性は、非対称な断面(シャフトの断面が丸くないか、シャフトの壁の厚さが均一ではないシャフト)、直線ではないシャフト、またはシャフトの材料特性がシャフトの断面の円周に沿って変化するシャフト、から生じ得る。完全に対称なゴルフクラブシャフトを仕上げることが実質的に不可能であり、そして目的は、ゴルフクラブのセット内のクラブの間での、およびあるブランドの(クラブ)セットの間での一貫性のなさを最小限にすることであるので、可能ならば、あるセットのゴルフクラブの各々のゴルフクラブシャフトを分析して、ゴルフクラブシャフトの非対称な曲がりまたはねじれ挙動を理解すること、ならびに、ある(クラブ)セット内のクラブの間での、およびあるブランドの(クラブ)セットの間での一貫性を最大限にするように、(クラブ)セット内のゴルフクラブを構成することは意味がある。
【0007】
例えば、上記で援用される米国特許第5,040,279号において、実質的に全てのゴルフクラブシャフトが、ある程度の非対称性を示すが、実質的にどのゴルフクラブシャフトもみな、シャフトがその近位端(すなわち、ハンドル)でクランプされそしてチップで動かされる場合に、結果として生じるシャフトの振動が実質的に平面にとどまる、少なくとも一つの方向を示すことが認識されている。すなわち、このシャフトは、単一の面に実質的にとどまり、そしてシャフトのチップは、ある線に実質的に沿って前後に振動する。
【0008】
上記で援用される米国特許第4,958,834号において、あるセット内の全てのゴルフクラブ(各々のクラブのフェースに関して同じ角度方向に方向合わせした、各々の平面振動面(planar
oscillation planes)「POP」を有する)の構成は、偶然または無作為に構成されているセットよりも、ダウンスウィングの間のシャフトの曲がりまたはねじれにおける一貫性のなさをあまり示さないことが認識されている。特に、ゴルフクラブのセットは、通常、各々のゴルフクラブシャフトの各々の好ましい角度方向が、「打つ方向」に対して(すなわち、各々のゴルフクラブフェースと実質的に直角をなして)整列される場合に最もよく機能する。
【0009】
しかし、これまで、製造者などがゴルフクラブシャフトの性能を予測することを可能にする、ゴルフクラブシャフトのパラメーターの一貫性を測定する簡便な自動化された方法はなかった。そして、同時継続中の同一出願人による米国特許出願第09/494,525号(2000年2月1日出願)(本明細書中でその全体が参考として援用される)は、ゴルフクラブシャフトの好ましい角度方向を測定するための方法および装置を示しているが、この方法および装置は、一部手動であり、そして平面振動面を同定する際に、主要平面振動面以外の平面振動面を同定し得る、繰り返し技術に依存していた。ゴルフクラブシャフトの好ましい角度方向を迅速かつ確実に測定するための方法および装置を提供し得ることが望ましい。好ましい角度方向の測定を用いて、各々のクラブフェースに関して一貫性があるように整列させた各々のゴルフクラブシャフトを有するゴルフクラブを自動的にアセンブルするための方法および装置を提供することを可能にすることもまた望ましい。ゴルフクラブシャフトのパラメーターを決定して、ゴルフクラブの性能の予測することを可能にすることがさらに望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
ゴルフクラブシャフトの好ましい角度方向を迅速かつ確実に測定するための方法および装置を提供することを試みることが本発明の目的である。
【0011】
好ましい角度方向(例えば、平面振動面、特に、主要平面振動面)の測定を用いて、各々のクラブフェースに関して一貫性があるように整列させた各々のゴルフクラブシャフトを有するゴルフクラブを(手動または自動で)アセンブルするための方法および装置を提供することを試みることもまた本発明の目的である。
【0012】
さらに、ゴルフクラブシャフトのパラメーターを決定して、ゴルフクラブの性能の予測することを試みることが本発明の目的である。
【0013】
本発明に従って、ゴルフクラブシャフトの長手方向の軸にまわりのゴルフクラブシャフトの好ましい角度方向を測定する方法が提供され、ここで、このゴルフクラブシャフトは、ゴルファーが握るための近位端、およびゴルフクラブヘッドを取り付けるための遠位端を有する。本方法に従って、このゴルフクラブシャフトの近位端は固定され、そしてゴルフクラブシャフトの遠位端の振動運動が、長手方向の軸に対して平行ではない方向で開始される。この振動運動は、分析され、そして分析した振動運動から、好ましい角度方向が計算される。次いで、このゴルフクラブシャフトは、好ましい角度方向を表すように印を付けられ得る。本発明に従うさらなる方法は、好ましい角度方向を表すシャフト上のこの印を用いて、ゴルフクラブのヘッドのフェースに関して所定の整列にあるゴルフクラブシャフトを有する、ゴルフクラブを手動または自動でアセンブルし得る。
【0014】
好ましい角度方向を決定するための、およびゴルフクラブをアセンブルするための装置、もまた提供される。
【0015】
とくに好ましい方法および装置では、ゴルフクラブシャフトの振動運動は、このシャフトの長手方向の軸のまわりの複数の角度方向で分析される。位置の数が増すにつれて、より精確な平面振動面(および特に主要平面振動面)が、検出され得る。さらに、各位置で、シャフトの振動周波数(これはシャフトの剛性の測定値である)が決定される。さらに、シャフトがその長手方向の軸からゆがむ場合、各角度方向で、ゆがみにたいする復元力、およびシャフトのゆがみの量を測定することにより、シャフトの直線性、または、より詳細には、直線ではない程度を決定し得る。丸さ、直線性、および剛性は、ゴルフクラブシャフトの性能を特徴付けるパラメーターであり、そしてシャフトの製造者は、これらのパラメーターを精確に決定する方法を探している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、可撓性のゴルフシャフトを、ばねが取り付けられた質量(mass)としてモデル化している図である。
【図2】図2は、衝撃が与えられて、シャフトが振動した後の2つの振動周期にわたって、時間の関数として、図1のシャフトの(真向きでみた)水平移動および垂直移動を示す。
【図3】図3は、位相プロットとして図2に図示された運動を示す。
【図4】図4は、14の振動周期の後の、位相プロットとして、シャフトの運動を示す。
【図5】図5は、時間の関数として図4に示される運動を示す。
【図6】図6は、ゴルフクラブシャフトの好ましい方向を決定するための本発明に従う装置の、第1の好ましい実施形態の透視図である。
【図7】図7は、図6の装置のシャフト試験アセンブリの透視図である。
【図8】図8は、図6および図7の装置のシャフト保持アセンブリおよびシャフト回転アセンブリの透視図である。
【図9】図9は、図6〜8の装置の測定アセンブリの透視図である。
【図10】図10は、図6〜9の装置のチップ質量およびセンサアセンブリの透視図である。
【図11】図11は、装置に取付けられたゴルフクラブシャフトを有する、図7に類似した表示である。
【図12】図12は、本発明に従う振動の準備の際にゴルフシャフトがゆがんでいること以外は、図11の線12−12から得られた端部の正面図である。
【図13】図13は、印付けアセンブリを備える図6〜10の装置の透視図である。
【図14】図14は、ゴルフクラブシャフトの好ましい方向を位置決めするための、本発明に従う方法の好ましい実施形態のフロー図である。
【図15】図15は、図14の方法の一部として本発明に従って行われる負荷試験のフロー図である。
【図16】図16は、図14の方法の一部として本発明に従って行われる「ロゴアップ(logo up)」比較試験のフロー図である。
【図17】図17は、図14の方法の一部として本発明に従って行われる平面振動面位置決め試験(oscillation planelocating test)のフロー図である。
【図18】図18は、ゴルフクラブシャフトの好ましい方向を決定するための、本発明に従う装置の第2の好ましい実施形態の透視図である。
【図19】図19は、図18の装置の測定アセンブリの側面立面図である。
【図20】図20は、図19の測定アセンブリの背面立面図である。
【図21】図21は,図18の装置を用いた測定の間のシャフトチップの最大面外加速または最大面外移動の回転角の関数としてのプロットである。
【図22】図22は、図18の装置を用いて測定される、代表的なゴルフクラブシャフトのチップ中心のシャフトバット(shaftbutt)の中心を貫通する長手軸からの偏差の角度の関数としてのプロットである。
【図23】図23は、ゴルフクラブを組み立てるための、本発明に従う装置の線図である。
【図24】図24は、図23の装置のアセンブリステーションの拡大図である。
【図25】図25は、個々のシャフトの試験の結果を示すために用いられるプリンタ出力のサンプルである。
【図26】図26は、本発明に従うチップ質量アセンブリの代替的な好ましい実施形態の透視図である。
【図27】図27は、本発明に従う装置における、静止位置(rest position)にあるゴルフクラブシャフトのチップに取り付けられた、図26のチップ質量アセンブリの模式的立面図である。
【図28】図28は、本発明に従う装置における、移動した位置にあるゴルフクラブシャフトのチップに取り付けられた、図26のチップ質量アセンブリの図27に類似した模式的立面図である。
【0017】
(発明の詳細な説明)
ゴルフクラブシャフトがそのハンドル端部に固定され、その長手軸に対して垂直な方向に配置され、次いで、その移動方向が、シャフトの平面振動面にあると、シャフトは、その面内で振動し、シャフトの端部で見られるように、シャフトの遠位チップは、線に沿って後方および前方に振動する。便宜上、その線はx軸といわれ得る。しかし、配置方向が平面振動面以外の面にあると、シャフトの遠位チップは、x軸に沿った成分を有する運動、およびx軸に対して垂直な軸(便宜上、y軸といわれ得る)に沿った成分を有する運動において振動する。この運動は、「軌道」運動と記載され得るが、単一の楕円または他の閉鎖した曲線をたどるよりむしろ、チップは、包絡線内で運動し、その結果、この運動が減衰されない場合(この運動が実際に減衰しない場合)、チップは、結局、その包絡線内のあらゆる点を通って動くと予測され得る。
【0018】
以下に記載されるように、シャフトのチップ振動を観察することにより、平面振動面の方向が機械的に計算され得る。平面振動面を位置づけると、ゴルフクラブが組み立てられ、平面振動面(特に主要平面振動面)が「打つ方向」に沿って(すなわち、クラブヘッドの打球面に対して実質的に垂直に)またはその方向と反対の180°に調節されるように、ゴルフクラブヘッドに対してシャフトを配置する。ゴルフクラブシャフトの平面振動面を位置づけると、打つ方向に沿ってではなく別の所定の方向に、ゴルフクラブヘッドに対してその平面振動面を整列させることもまた可能である。
【0019】
例えば、特定のゴルファーがフックまたはスライスを矯正または誘導するためにシャフトを整列させることは望ましいことであり得る。従って、右利き用ゴルフクラブについては、フックを誘導するかまたはスライスを矯正するために、(クラブヘッドに向かってシャフトを見下ろすと)シャフトが反時計回りに回転され、スライスを誘導するかまたはフックを矯正するためには、シャフトが時計回りに回転される。左利き用ゴルフクラブについては、回転の方向が逆になる。回転の量は、好ましくは、約90°未満であるべきである。
【0020】
ゴルフクラブシャフトが、任意の平面振動面に沿って1つの方向において、その平面振動面に沿って反対の方向におけるよりも、より硬いかのように機能することは経験的に観察されている。シャフトの平面振動面のこの「より硬い」側が平面振動面の「硬い」側または「前」側といわれ得る一方で、硬い側の180°反対にあるあまり硬くない側は、平面振動面の「柔らかい」側または「背部」側といわれ得る。クラブヘッド面に対して垂直な平面振動面を配置することは、偶然または無作為な整列と比較して、異なる結果を生じ得ることもまた観察されている。クラブヘッド面に対して垂直に平面振動面を整列させる(平面振動面の硬い側がクラブヘッド面に面している)ことは、クラブヘッド面に対して垂直に平面振動面を整列させる(平面振動面の柔らかい側がクラブヘッド面に面している)という異なる結果を生じることがさらに観察されている。さらに、ゴルフクラブのセットにおけるあらゆるゴルフクラブが同様に整列されていると、これらのゴルフクラブのユーザーは、このセット中の全てのゴルフクラブでさらに均一かつ一貫した結果を達成し得る可能性がより高い。このことにより、パフォーマンス強化を生じることが予測され得る。
【0021】
さらに、ゴルフクラブシャフトがいくつかの平面振動面を有し得ることが経験的に観察されている。しかし、均一な反復性の面(「PURE」)ともいわれ得る主要平面振動面(「PPOP」)が存在することが見出された。主要平面振動面に基づいて整列されたゴルフクラブは、最適なパフォーマンス強化を生じることが予測され得る。
【0022】
シャフトチップを配置し、シャフトを振動させることにより集められたデータに基づいて数学的技術を用いて正確に平面振動面の方向を導出することは可能であるが、以下に記載の反復技術により方向を導出することは計算的により単純である。反復技術は、複数の角度方向においてゴルフクラブシャフトの振動を誘導する装置を用いて、各方向のチップ振動を測定して行われ得る。この装置は、このシャフトが測定のために新たな方向に手動で回転され、前の位置での測定の完了後に、その後の位置各々へのシャフトの回転が自動的に行われ得る装置が用いられ得るという点で、部分的に手動で操作され得る。シャフトの回転が自動的に行われると、この装置は、より迅速に操作され得、より角度をつけた方向でゴルフクラブシャフトを測定することが可能である。このことにより、主要平面振動面のより正確な決定を生じることが予測され得る。
【0023】
平面振動面の好ましい方向(すなわち、主要平面振動面の場合、ゴルフクラブシャフトの「硬い」側)は、シャフトチップの単なる観察から数学的に決定することはできない。従って、本発明の好ましい実施形態において、ゴルフクラブシャフトのハンドルまたはバット端部が固定され、シャフトチップは、長手軸に対して垂直に配置され、復元力(すなわち、そのニュートラル位置に対して後方にチップを移動させる傾向がある力)は、ハンドル端部から少なくとも360°介してシャフトが回転される間に測定される。回復力が最も大きな角度は、シャフトの硬い側の指標である。この角度は、通常は、主要平面振動面の方向と正確に整列しないが、主要平面振動面の2つのあり得る方向のどちらが、主要平面振動面の硬い側に対応するかを示す。さらに、最大負荷の角度での分析を開始すると、シャフトの他の平面振動面のうちの1つではなく、主要平面振動面を見出すことが予測され得る。このことは、シャフト振動が、比較的ごく小さな角度位置で測定される実施形態(例えば、上記で議論された部分的に手動の実施形態)において特に適用される。最初の位置は、測定が比較的より角度のついた位置で行われる実施形態(例えば、位置から位置へのゴルフクラブシャフトの回転が自動的に行われる、上記の実施形態)においては、あまり重要ではない。いずれの場合においても、開始方向はまた、任意に選択され得る。
【0024】
一旦ゴルフクラブシャフトの好ましい角度方向が決定されると、好ましくは、
1以上の印がシャフト上につけられて、好ましい角度方向が示される。この印は平面振動面の位置または平面振動面に関して所定の相対的位置に付けられ得る。各印は、インクもしくは塗料を用いてつけられ得るか、または別の技術(例えば、機械的、静電気的、もしくはレーザーによる印付け技術)を用いてシャフトの表面にエッチングされ得るか、または印をつけたラベル(例えば、シールもしくはステッカー)が貼り付けられる。一旦印がつけられると、それらは、ゴルフクラブを組み立てるときにゴルフクラブヘッドに対してシャフトを整列させるために用いられ得、その結果、ゴルフクラブシャフトの印をつけた平面振動面が、クラブヘッド面に対して実質的に垂直であるか、このヘッド面に対していくらかの他の望ましい方向にある。
シャフトをクラブヘッドに対して整列させることは、手動で行われ得る。好ましくは、整列は、クラブヘッド上に同様に、ホーゼルもしくは穴の上もしくはその付近において印付けを提供することにより、容易にされる。この印に対して、シャフト上の印が、適切に「スパイン整列した」ゴルフクラブを形成するように整列され得る。あるいは、別の好ましい実施形態において、アセンブリ機械は、ゴルフクラブヘッドをゴルフクラブシャフトに合わせ、このプロセスにおいて整列印付けをそろえる。この実施形態において、ゴルフクラブヘッドは、シャフトの好ましい角度方向の決定直後にシャフトに接着され得、このシャフトはなお、平面振動面位置づけステーションのチャックにある(その場合、シャフト外部に対する視覚的印の付与は省略され得るが、この視覚的印の付与は、後ほどの修理作業(クラブが分解される)のためになお有用である)。あるいは、この実施形態の第2の改変において、シャフトは、平面振動面位置づけステーションから外され得、クラブアセンブリステーションに移動され得る。この改変は、平面振動面位置づけプロセスとクラブアセンブリプロセスとの間の任意の速度差をよりよく説明する。平面振動面位置づけプロセスがクラブアセンブリプロセスより速いと、平面振動面位置づけステーションより多くのクラブアセンブリステーションが設けられ得る。クラブアセンブリプロセスが、平面振動面位置づけプロセスより速いと、クラブアセンブリステーションより多くの平面振動面位置づけステーションが設けられ得る。いずれの場合にも、平面振動面位置づけステーションとクラブアセンブリステーションとの間にスパイン整列したシャフトを保持するためのホッパー(hopper)または他の中間ステーションを設けることは好ましい。通常は、いくつかのシャフトがホッパーに保持されることが予測されるが、いくつかの理由のために、クラブアセンブリステーションにおいて、またはこのステーションの下流工程で故障または他のボトルネックが存在すると、ホッパーは、ホッパーがいっぱいになるまで、平面振動面位置づけステーションからシャフトを受け入れるリザーバとして働き得る。
【0025】
ゴルフクラブシャフトの平面振動面の位置づけに加えて、既存のゴルフクラブの再整列のためであろうと、新しいゴルフクラブのアセンブリのためであろうと、本発明、特に、1つの角度位置から測定目的の別の角度位置へのシャフトの回転は、自動化され、より多くの角度位置における測定を可能にする上記の実施形態は、シャフト製作プロセスおよび得られたシャフトの品質をモニターするために用いられ得るシャフトの特定の特性を測定する能力を提供する。これらの測定値は、ゴルフクラブシャフト製作についての品質標準を提供し得る。
【0026】
詳細には、各々の角位置において、シャフトが歪められそして振動させられる場合、このシャフトの振動周波数が測定され得る。これは、所定の時間間隔内に、振動しているシャフトが定点を通過する回数を単に数えることによって、行なわれ得る。この計数機能を実施するための1つの様式は、光源および光検出器を提供して、所定の時間間隔の間に、この光源からのビームがこの振動しているシャフトにより遮られる回数を数えることである。代替の好ましい方法において、特定の時間間隔内で加速度計データ(以下を参照のこと)により記録された振動が、計数され得る。
【0027】
一旦、固有振動周波数が決定されると、シャフトのバネ定数(これは、その剛性の尺度である)が、シャフトを質量Mのプリズムビームとみなし、そして
【0028】
【数1】

の関係を使用して、周波数fからバネ定数kを導くことによって、近似され得る。次いで、このシャフトの剛性は、各々の角度において、kの値により特徴付けられ得、これら全ては以下でより詳細に記載する。
【0029】
各々の角位置において、負荷試験もまた、シャフトを、その長手軸に対して横方向の一定の距離dにわたって歪め、そして生じた回復力Fを測定することによって、実施され得る。上で決定された力Fおよびバネ定数kから、F/k=d+δの関係によって、偏差δ(これはシャフトの直線性の指標である)が決定され得る。次いで、このシャフトの直線性は、各々の角度におけるδの値により特徴付けられ得、これら全ては以下でより詳細に記載する。
【0030】
本発明をここで、図1〜24を参照して記載する。
【0031】
ゴルフクラブのシャフトのハンドル端部が、シャフトを水平に保持するクランプで留められる場合、このシャフトの遠位端の先端部に向かって見ると、このシャフトの剛性は、図1に示されるように、モデル化され得る。図1に示されるように、シャフト10は、異なるバネ定数k1およびk2の2つのバネを有する物質mとみなされ得、この2つのバネは、2つの異なる表面11、12に対して2つの直交方向でこの物質を連結している。シャフト10が、対称的に剛性である場合、k1およびk2は等しい。しかし、通常は、k1およびk2は異なる。実際に、シャフトをいくつかの異なる配向で留め、各時点で、水平方向回復力および垂直方向回復力を測定する場合、k1およびk2についての値の異なるセットが得られ得る。示されるように、力Fは、留められたシャフト10の先端部を移動させるため(例えば、先端部を振動させるため)に付与される力である。
【0032】
図2は、シャフト10の振動している先端部の正規化された水平方向の移動および垂直方向の移動を、2振動周期にわたって時間の関数として示し、ここで水平方向の移動(x)は、実線20で表され、垂直方向の移動(y)は、破線21で表され、初期の移動力は水平方向に対してθ=40°の角度でかけられると仮定している。図3は、シャフト10の先端部の同じ移動を、2周期にわたって、
位相プロット30としてxおよびyで示す。すなわち、図3は、シャフト10の長手軸に沿って先端部を見ている観察者がハンドル端部に向かって見た場合の、この先端部がたどる2周期の経路を示す。図4は、14周期後の位相プロット40を示す。これらの観察された運動の分析は、面振動の面の位置(すなわち、初期移動力Fがこの方向に沿って付与された場合、シャフト10が実質的にこの方向のみに沿って振動し、先端部が実質的に線に沿って前後に移動する、シャフト10の角度方向)を与える。
【0033】
図4に示されるように、十分な数の周期の後の先端部の運動の位相プロット40は、実質的に矩形である。面振動の面の方向は、この矩形の2つの直交軸のうちの1つの方向であり、ここでこの矩形の各軸は、この矩形の側面のそれぞれの間の中間であり、かつこれらの側面のそれぞれの対に対して平行である線として定義される。長方形の場合、これは、これらの側面の配向を決定するのに十分である。なぜなら、直前に記載の定義によると、これらの側面および軸の方向は同一であるからである。しかし、観察者が無数の周期を観察(これは実施不可能である、なぜなら、第1に、これは商業的に受け入れられず、そして第2に、ゴルフクラブのシャフトの振動は通常、長方形が観察され得る前に、減衰するからである)しなければ、ゴルフシャフトの先端部の運動の位相プロット40は、長方形でないかもしれない。従って、2つの軸の各々の方向は、位相プロットの準矩形の4つの頂点を通して引かれた線が、この矩形の対角線であると仮定することにより、計算され得る。
【0034】
この矩形の2つの軸を見ると、どちらの軸が長軸(これは主な面振動の面に対応し得る)であるか、およびどちらが短軸(すなわち、1つ以上の安定ではない方の面振動の面の軸)であるかを決定することが望まれる。これは、以下に記載されるように、これら2つの軸に沿った振動の周波数を測定することによって、厳密に決定され得る。歪められたシャフトに対する負荷を角度の関数として測定し、そして最大負荷の角度をシャフトが振動する方向として選択することによって決定された方向に沿ってシャフトが振動させられた場合、長軸は、主な面振動の面に対応すると予想される。この「負荷試験」は、シャフトの先端部もしくは遠位端のいずれか、またはハンドル端部もしくは近位端のいずれかを留め、留められていない端部が歪められる角度の関数として負荷を測定することによって実施され得ることに注意するべきである。しかし、面振動の面を位置決めする次の工程は、好ましくは、このハンドル端部または近位端を留めて行われ、従ってこの負荷試験は、好ましくは、同様にこの様式で行われる。この負荷試験が行われない場合、面振動の面が見出され得るが、この面振動の面は、主な面振動の面ではない可能性があることにもまた注意するべきである。
【0035】
図5は、時間の関数として、先端部の振動のプロット50を示し、ここで、振動の別個のトレース51は水平軸(x)に沿って測定され、そして振動の別個のトレース52は、垂直軸(y)に沿って測定される。これらのトレースから、周波数が決定され得る(例えば、グラフから、正から0の方向の交点を数えることによって)。しかし、これらの水平軸xおよび垂直軸yは、上記のように決定された角度だけ、面振動の面からオフセットされる。この角度がθと記される場合、図5のプロットから決定される場合、これらの軸xおよびyに沿った周波数は、ゴルフクラブのシャフトの座標系に変換され得、この座標系は、以下のように、安定な面振動の面および1つ以上の不安定な面振動の面の1つに対応する軸x’およびy’を有する。ここで、f1は、x軸からの角度θにおける(すなわち、x’軸に沿っている)周波数であり、そしてf2は、y軸からの角度θ(x軸からθ+90°)における(すなわち、y’軸に沿っている)周波数である:
【0036】
【数2】

f1がf2より大きい場合、ゴルフクラブのシャフトの安定な面振動の面の1つは、x軸に対して角度θである。f1がf2より小さい場合、ゴルフクラブのシャフトの安定な面振動の面の1つは、y軸に対して角度θ(すなわち、x軸に対してθ+90°)である。負荷試験が実施され、そして振動の初期角度を決定するために使用される場合、このように位置決めされた安定な面振動の面は、主な面振動の面であると予想され得る。
【0037】
すでに同定された面振動の面のうちのどれが主な面振動の面であるかを決定するためのこの数学的技術は、厳密かつ正確であるが、この技術は、シャフトの振動に影響し得るパラメーターの全ては含まない。従って、本発明の別の好ましい実施形態において、上で記載され、以下でより詳細に記載されるように、主な面振動の面の位置は、ゴルフクラブのシャフトの曲げに対して最も抵抗性である方向の配向を決定することによって、一次近似(すなわち、少なくとも正確な象限内)に位置決めされる。このことは、上記のように、主な面振動の面の「硬い」
側面を迅速に同定するというさらなる利点を有する。
【0038】
本発明を実施するための装置60の第1の好ましい実施形態は、図6〜13に示される。装置60は、上記の厳密な数学を実行するように作製され得るが、実際には、下記のようなより簡単な反復プロセスが、許容範囲の結果をより低コストで達成することが決定された。従って、特に好ましい実施形態において、装置60は、このより簡単なプロセスを使用する。
【0039】
この好ましい実施形態において、装置60は、シャフト試験アセンブリ70および処理ユニット61を備える。処理ユニット61は、シャフト試験アセンブリ70のセンサ74および77からの入力データを処理し、そして上記の厳密な数学的計算または下記のより簡単な反復計算のいずれかを実施し得る、任意のシステムであり得る。図6に示されるように、プロセッサ61は、好ましくは、例えば、Intel
Corporation(Santa Clara,California)から入手可能なPENTIUM(登録商標)中央処理装置(CPU)62に基づき得、Microsoft
Corporation(Redmond,Washington)から入手可能なWINDOWS(登録商標)作動システムのバージョンを実行し、そして以下のようなソフトウエアでプログラムされ得る、多目的コンピューター(例えば、パーソナルコンピュータ)である。しかし、プロセッサ61はまた、ゴルフクラブのシャフトの面振動の面(単数または複数)を位置決めするために必要な機能専用の、ハードワイヤード回路または1つ以上のプログラミングされたプログラム可能論理デバイスであり得る。いずれにしても、プロセッサ61はまた、好ましくは、記憶装置63および大容量記憶装置64、ならびに下記のセンサのためのインターフェイスを備える。
【0040】
シャフト試験アセンブリ70は、好ましくは、細長基部71を備え、この基部71は、少なくともゴルフクラブのシャフトと同程度の長さである。基部71の一端には、測定アセンブリ72があり、この測定アセンブリ72は、デフレクターアセンブリ73および変形負荷センサ74を備える。基部71の他方の端部には、シャフト保持−回転アセンブリ75があり、このアセンブリ75は、ゴルフクラブのシャフトを保持するための回転可能チャック76を備える。装置60はまた、先端質量センサアセンブリ77を備え、このアセンブリ77は、ゴルフクラブのシャフトの試験の間、このゴルフクラブのシャフトの遠位端に取り付けられ、そしてデフレクターアセンブリ73と協働する。
【0041】
図8に示されるように、シャフト保持−回転アセンブリ75は、好ましくは、回転可能チャック76を備え、この回転可能チャック76は、好ましくは、シャフトの周囲の周りに実質的に均等に半径方向内向きの力を付与することによってゴルフクラブのシャフトを保持する、従来のチャックであり得る。チャック76は、好ましくは、アクスル80の端部に取り付けられ、このアクスル80は、好ましくは、ベアリング81内に軸受される。ベアリング81は、好ましくは、支持体82に取り付けられ、その結果、アクスル80の回転軸、引いてはチャック76および試験されているゴルフクラブのシャフトの回転軸は、基部71の上の所定の高さにある。チャック76から遠位のアクスル80の端部は、好ましくは、自在継手83を介してポテンシオメーター84に接続され、このポテンシオメーター84は、下記のような角位置センサとして使用される。自在継手83により、アクスル80の軸とポテンシオメーター84のシャフトとの間の僅かな誤整列によるポテンシオメーター84の損傷が防止される。同様に、移動ナット85が、好ましくは、アクスル80上に設けられ、この移動ナット85は、アクスル80の回転を制限する回転止めとして働き、これによりポテンシオメーター84の過剰回転から生じ得る損傷を防ぐ。任意のモーター86がチャック76を回転するために設けられ得るが、手動の回転もまた使用され得る。さらに、チャック76が回転する際、チャック76の振動を最小限にするためのクランプ87を設けることが好ましい。クランプ87は、好ましくは、チャック76に対する摩擦接合を提供し、このクランプ87は、チャック76の回転を可能にするのに必要なだけ、僅かにゆるくなっている。ネジ88は、クランプ87のジョーに適合するように設けられ得る。
【0042】
図9に示されるように、測定アセンブリ72は、基部71に取り付けられた基部プレート90を備える。負荷セル91(例えば、Omega
Engineering,Inc.(Stamford,Connecticut)から入手可能なModel LCAE−2KG)は、基部プレート90に取り付けられ、そしてシャフト先端抑制アーム92は、以下に記載する目的のために、負荷セル91に、基部プレート90とは反対側に取り付けられる。測定アセンブリ72はまた、好ましくは、基部プレート90に旋回可能に取り付けられたデフレクターアーム93を備える。好ましくは、デフレクターアーム93は、その少なくとも1つの側面930が基部プレート90に対して実質的に垂直であるように、かつこのデフレクターアーム93が、基部プレート90に対して実質的に平行である軸94の周りで旋回するように、取り付けられる。
【0043】
デフレクタアーム93は、好ましくはその側面930から延びる、突出部931を好ましくは有する。突出部931は、好ましくは、軸94の逆に面する表面932を有し、これは、以下に記載する理由で、側面930に対して、チップ質量およびセンサアセンブリ77の側面100が、チップ質量およびセンサアセンブリ77の側面101に対して有すると実質的に同じ角度の関係を有する。
【0044】
図10に示されるように、チップ質量およびセンサアセンブリ77は、好ましくは、約190グラムと約220グラムとの間、そして好ましくは約200グラムの質量を有する、本体102を有して、ゴルフクラブシャフトの遠位端におけるゴルフクラブヘッドの質量をシミュレートする。別の実施形態において、異なるチップ質量が提供されて、異なる質量を有するクラブヘッドの異なる型をより近くシミュレートし得る。しかし、この後者の実施形態は、各異なる質量が、変位データを補正するためにその独自のセットの変換器を必要とし、そしてこれらのデータに基づく異なる計算を必要とする限りにおいて、より費用がかかる。
【0045】
ゴルフクラブシャフトが、本発明に従って試験されている間に撓み、そして振動される場合に、このゴルフクラブシャフトの端部に本体102が存在することは、以下に記載するように、スイングの間のクラブヘッドの影響を模倣するのみでなく、十分なデータが補正され得る前に、シャフトの振動が弱まることを防止する、「反作用質量物体」をまた提供する。変位データを補正する変換器は、好ましくは、2つの異なる軸に沿って整列した、2つの加速度計103、104(例えば、Amherst,New
YorkのKistler Instrument Corp.から入手可能な、Model 8303A)である。好ましくは、これら2つの軸は、互いに直交しているが、このことは必須ではない;これらの軸間の角度の関係が既知である限り、加速度計103、104によって記録される運動は、計算によって2つの直交成分に分解され得る。また好ましくは、これら2つの軸は、基部71に対してそれぞれ平行および垂直である。しかし、再度、このことは必須ではない。
【0046】
チップ質量およびセンサアセンブリ77は、好ましくは、ゴルフクラブシャフトのチップに取り付けるための取り付け構造体を有する。好ましくは、この取り付け構造体は、本体102に、平均的なゴルフクラブシャフトより直径がわずかに大きな穴105を備え、この穴の中にシャフトが導入され得、そして本体102をこのシャフトに締めるための止めねじ106を備える。あるいは、以下に記載されるような自動化システムにおいて特に使用するために、何らかの種類のクイックリリースクランプが提供され得る。
【0047】
さらに、本体102は、穴105を通る平面または他の表面によって分割され得、その結果、この本体は、シャフトチップを越えて滑る代わりに、シャフトの周囲に組み立てられ得る。このことは、既存のゴルフクラブのシャフトを分析する場合、およびクラブヘッドをシャフトから取り外さないことが所望される場合に、特に有用である。本体102の2つの部分(図示せず)が、シャフトの周囲に組み立てられた後に、任意の適切なクランプまたは他の固定具によって、一緒に固定され得る。例えば、これら2つの部分は、分割表面の1つの縁部においてヒンジで固定され得、1つ以上の固定具が、反対側の縁部に提供される。
【0048】
上で議論されたように、好ましくは、チップ質量およびセンサアセンブリ77の側面100、101の配向の間には、デフレクタアーム93の表面930、932の間に存在する関係と同じ関係が、存在する。このことにより、チップ質量およびセンサアセンブリ77は、表面930、932に対して側面100、101を寄りかからせることによって、全ての試験に対して同じ様式で、繰り返し整列され得る。
【0049】
ゴルフクラブシャフトを試験するために、シャフト110は、図11に示されるように、チャック76に取り付けられる。次いで、シャフト110のチップ(すなわち、遠位端)は、図11に想像線で示されるように、撓まされて、シャフトチップ制限アーム92のリップ120の下に制限され、その結果、シャフト110を真っ直ぐにしようとする回復力が、ロードセル91によって測定され得る。次いで、チャック76が、手動でかまたはモータ86によって(好ましくは、プロセッサ61の制御下で)回転され、一方で回復力が、ポテンシオメータ84(これに、既知の電圧が印加される)によって決定される角度の関数としてコンピュータ61によって記録される。周知の分圧器技術によって、変化する抵抗が変化する電圧に変換され、これが角度に転換され得る。
【0050】
上向きの回復力が最大である場合、そのシャフトの最大の非対称性の点(主要な平面振動面の硬い面を表す)が上に向いていることが、予測され得る。しかし、このことは事実ではなく、その硬い面は、最大の力が測定される場合に、上向きにある四分円内にあることが、実験的に見出された。従って、最大の力の角度は、試験のこの静止部分において記録され、そして動的であるこの試験の残りの部分が行われる。
【0051】
この試験の動的な部分において、ゴルフシャフト110のチップ(すなわち、
遠位端)は、チップ質量およびセンサアセンブリ77が適所にある状態で、振動される。この試験の静的な部分においては、このチップは、好ましくは、垂直方向に変位する一方で、この試験の動的部分においては、この変位は、好ましくは、水平方向であるが、この試験のいずれかの部分において、任意の方向が使用され得る。この試験の動的部分において水平方向の変位が好ましいことの理由は、第1に、このチップ質量に作用する重力の結果に対する効果が最小となること、および第2に、基部71を打つことなくシャフトを振動させることがより容易であることである。従って、この試験の動的部分が開始される前に、チャック76は、好ましくは、約90°回転され、その結果、主要な平面振動面の推定される配向(垂直であった)が、ここで水平になる。
【0052】
これまでに記載された装置において、以下のように、ゴルフクラブシャフト110に、チップ質量およびセンサアセンブリ77が適用され、そして水平のインパルスが付与される。ゴルフクラブシャフト110の近位端またはハンドル端部111をチャック76に保持させ、そしてデフレクタアーム93を直立させて、チップ質量およびセンサアセンブリ77の本体102の穴105を、ゴルフクラブシャフト110の遠位端またはチップ端112に配置する。次いで、チップ質量およびセンサアセンブリ77は、本体102の表面100、101がデフレクタアーム93の表面930、932に対して堅固に据えられるまで操作され、加速度計103、104をその所定の所望の配向に配置する。加速度計103によって占有されない表面100の一部は、この目的で使用され、その結果、加速度計103は、本体102の据付を妨害しない。加速度計103、104は、ワイヤ62によってプロセッサ61に接続されて示されるが、無線接続(図示せず)が提供され得る。
【0053】
好ましくは実質的に水平方向のインパルスが、ゴルフクラブシャフト110のチップ112を、図12に示されるように、デフレクタアーム93の反対の側面930の方へと変位させ、次いで好ましくは急激な動きで、デフレクタアーム93をその直立位置から旋回させることによって、チップ質量およびセンサアセンブリ77に提供され、変位したゴルフクラブシャフト110における回復力が水平方向のインパルスをゴルフクラブシャフト110のシャフトチップ112に提供し、図2〜5に関して上で記載した様式で、チップ質量およびセンサアセンブリ77と共に振動を開始させる。
【0054】
チップ112を振動させるための、デフレクタアーム93の背後のゴルフクラブシャフト110の最初の変位、およびデフレクタアーム93の旋回は、手動で達成され得るが、これらはまた、自動的に達成され得る。従って、モータ123によって適切な伝動装置またはリンキング124(これは、運動の必要な水平成分および垂直成分を提供する)を介して駆動されるフィンガー122を保有するアーム121が使用されて、ゴルフクラブシャフト110のチップ112をそのニュートラル位置1200からデフレクタアーム93の背後の位置へと移動させ得る。これは、フィンガー122によるチップ110の垂直な動きと水平な動きとの両方を含み得るか、またはフィンガー122が水平方向にのみ動き得、一方でモータ125がデフレクタアーム93を邪魔にならない位置に一時的に旋回させ、次いでデフレクタアーム93を直立位置に制限する。同様に、デフレクタアーム93を旋回させて振動を開始させることは、手動の代わりにモータ125によって実施され得る。
【0055】
さらなる代替として、シャフト110をデフレクタアーム93の背後に変位させ、次いでアーム93を解放することによってインパルスを適用する代わりに、水平プランジャーまたはラム(図示せず)を使用して、チップ質量およびセンサアセンブリ77を素早く短時間にわたって打ち得る。
【0056】
加速度計103、104の各々は、2つのそれぞれの方向の1つにおける加速度を記録し、これらの方向は好ましくは、互いに直交しており、そして好ましくは、それぞれ水平および垂直である。しかし、任意の2つの方向が、既知であり、そして水平成分および垂直成分が計算され得る限り、使用され得る。これらの加速度は、経時的に2回積分されて、水平変位および垂直変位を決定し得るが、加速は一般に、変位を示し、そして直接的に使用され得、積分を実行するために必要とされる計算手段および時間を節約する。あるいは、変位は、チップ質量およびセンサアセンブリ77の端部に、加速度計103、104の代わりに、例えば、ゴルフクラブシャフト110の長手方向軸の方向に沿って光を放出する、レーザーまたは発光ダイオード(図示せず)のような光源を提供することによって、直接的に測定され得る。感光性の検出器アレイ(これもまた図示せず)が、放出される光ビームに対して実質的に垂直に配置され得、これは、検出器アレイにおけるチップ112の変位を追跡し、この変位を直接的に記録する。どのようにデータが収集されるかにかかわらず、これらのデータは、時間の関数としてプロットされ得、そして変位データおよび周波数データを導出するために使用され得、これらのデータは次いで、上記のように、主要な平面振動面が存在する好ましい角度配向を数学的に決定するために使用される。ロードセル91によって決定された推定配向により近い主要な平面振動面の方向は、ゴルフクラブシャフト110の主要な平面振動面の「硬い」面であると考えられ、これは好ましくは、クラブヘッド面に対して垂直に整列し、そして面するか、または予め決定された他の任意の配向であるべきである。しかし、ゴルフクラブシャフト110を、クラブヘッド面に対して望ましい配向の平面振動面と整列させること(その平面振動面の硬い面がこの平面に向くか、この平面の逆に向くかにかかわらず)が、クラブヘッド面に対してランダムな配向で平面振動面を有するより良好であり得る限り、そしてまた、任意の平面振動面をクラブヘッド面に対して整列させること(この平面が主要な平面振動面ではない場合でさえも)が、ランダムな配向より良好であり得る限り、ロードセル試験は、排除され得る。しかし、主要な平面振動面ではなく、ランダムな平面振動面が、各ゴルフクラブシャフトに対してセットで見出される場合には、各シャフトに対してそのように見出された平面振動面がそれぞれのクラブヘッドに対して同様に配向する場合でさえ、このセットは均一に配向しているとは仮定され得ないことを、覚えておくべきである。
【0057】
一旦、所望の平面振動面(好ましくは、主要な平面振動面)の位置が決定されると、シャフト110は、好ましくは、その平面振動面の配向を示すために、マークされる。マークは、顔料(例えば、塗料またはインク)をシャフト110の表面に塗布することによって、達成され得る。例えば、マーキングチップ131を有するインクマーカー130が、図13に示されるように、フレーム132に取り付けられ得る。好ましい配向が決定された後に、シャフト110は回転され得、その結果、好ましい配向がマーキングチップ131と整列し、このチップが次いで、シャフト110にマークを適用する。あるいは、130は塗料容器を表し得、一方で131は、ペイントブラシまたはスプレー塗布のジェットを表す。さらなる代替として、シャフト110のマーキングは、指向されたエネルギービームまたは粒子ビームを使用して、シャフト110の表面にマーキングをエッチングして、達成され得る。このような代替において、130は、高エネルギーレーザーを表し得、一方で131は、レーザービームを表すか、または130は電子銃を表し得、一方で131は電子ビームを表す。必要に応じて、シャフト110またはマーキングアセンブリのいずれかが、マーキングの間、シャフトの長手方向軸に対して平行に移動され得、その結果、シャフトのマーキングは、点ではなく線であり、その見やすさを増大させる。あるいは、上で議論されたように、整列マーキングを有するマークされたラベル(例えば、ステッカーまたは写し絵)が、シャフト110に適用され得る。
【0058】
装置60を使用して、好ましい配向(すなわち、任意の平面振動面または主要な平面振動面のいずれか)を位置付けするための、本発明に従う好ましい方法140が、図14〜17に図式化される。方法140は、好ましくは、上記の負荷試験141で開始し、これは、主要な平面振動面の配向を評価するために負荷セル91を使用し、そして主要な平面振動面の2つの側のどちらが、平面振動面の「硬い」側かを、少なくとも360°を介して回転される偏向シャフトの角度の関数として回復力を測定することによって、少なくとも同定する。(別の技術が主要な平面振動面を同定するために使用されない限り)特に主要な平面振動面というよりむしろ任意の平面振動面を見出すために調製される場合にのみ、負荷試験141は省略され得る。負荷試験141が実施される場合、この結果は、以下の平面振動面位置付け工程143のための開始点として使用される。あるいは、負荷試験141は、シャフトの対称を測定するために、独立して実施され得る。
【0059】
負荷試験141が実施された後、比較の目的のために、工場設置された配向におけるゴルフクラブシャフトの振動に関するデータを収集するために、任意の「ロゴアップ(logo
up)」試験142が実施される。従来のゴルフクラブは、代表的には、シャフト上にプリントされた製造業者のロゴが、クラブヘッドフェースに向かって面して組み立てられ、「ロゴアップ」配置と呼ばれる。幾つかの製造業者は、クラブヘッドフェースから180°離れて、「ロゴダウン」配置で、または他の配置で、ロゴを整列する。「ロゴアップ」試験142の間、このシャフトは、その元々工場設置された位置に位置付けされるが、試験142は、「ロゴアップ」試験と呼ばれる。なぜなら、最も頻繁に、この工場位置は上向きに向いたロゴを有するからである。いずれの場合においても、このロゴはシャフト円周上のランダムな位置で(すなわち、任意の平面振動面の位置を知る利点なく)プリントされるため、工場配列は、実際のロゴ位置に関係なく、純粋にランダムである。
【0060】
上記のように、平面振動面位置付け手順143は、次に実施される。手順143が実施された後、任意のレポートプリント工程144において、好ましい配向が見出されたゴルフシャフトに関する種々のパラメーターの幾つかまたは全てが、プリントされる。最終的に、任意の保存工程145において、工程141−144の間に獲得された種々のデータが(例えば、マス格納装置64に)保存される。
【0061】
負荷試験141は、図15により詳細に示される。工程150において、ゴルフクラブから除去され得るゴルフクラブシャフト110が、任意の開始角でチャック76に配置される。ゴルフクラブシャフト110のチップ112は、偏向されたシャフト110における回復力が負荷セル91によって測定されるように、シャフトチップ制止アーム92の下に、偏向され、そして制止される。このシャフトは手動で偏向されて固定され得るか、またはこの偏向および固定は、自動的に達成され得る。従って、モータ128によって、運動の必要な水平成分および垂直成分を提供する適切なギアまたはリンケージ129を介して駆動される、フィンガー127を有するアーム126は、ゴルフクラブシャフト110のチップ112を、そのニュートラルな位置1200から、シャフトチップ保持アーム92下の位置1201まで移動させるために使用され得る。
【0062】
一旦、チップ112がシャフトチップ保持アーム92下にくると、工程151において、チャック76は、好ましくは、一方向(負の回転方向と表され得る)に約200°回転される。次に、工程152において、チャック76は、反対方向(これは、正の回転方向と表され得る)に少なくとも360°回転され、一方、データは負荷セル91から獲得され、角度の関数として記録される。好ましくは、工程152において、チャック76は、約400°回転され、そして40°(好ましくは、最初の20°および最後の20°)が廃棄される。あるいは、しかし、データが少なくとも360°を通して記録される限り、工程151の逆回転は省略され得、そしてデータが360°より大きな角度を通して記録される場合、360°より大きい任意の量の回転が使用され得、そして任意の部分(初期において全て、最後において全て、または初期と最後との任意の組み合わせ)が、360°分のデータを提供するために廃棄され得る。
【0063】
工程153において、工程152において収集されたデータが試験され、そして負荷セル91によって測定された最大負荷に対応する角度Aが決定される。所望される場合、角度の関数としての負荷は、表示のために図式化され得る。次に、工程154において、開始角度Sは、平面振動面位置付け試験143における使用のために、A−90°に設定される。上記のように、これは、垂直から水平までの配向の変化を、負荷試験141と平面振動面位置付け試験143との間として考慮する。
【0064】
負荷試験141の結論後、図16に詳細に示された「ロゴアップ」試験142が実施され得る。「ロゴアップ」試験の目的は、主に、平面振動面位置付け試験143を実施したのちに得られる「後(after)」の結果に対する、「前(before)」の比較を提供することである。それ故に、上記のように、「ロゴアップ」試験142は、任意である。特に、「ロゴアップ」試験142が主に、本発明に従ってゴルフクラブのシャフトを再整列することによって得られる改善を示すために、購買後市場の状況において、すなわち、ゴルフクラブ改良者によって、宣伝的ツールとして使用され得るが、それは、比較データを示す必要がないため、おそらく「スパイン整列された(spine−aligned)」ゴルフクラブを製造するゴルフクラブ製造業者によって使用されない。
【0065】
「ロゴアップ」試験142は、工程160で始まり、ここで再びゴルフクラブから除去され得るゴルフクラブシャフト110がチャック76内に設置される。それが、以前に完全なゴルフクラブの一部であった場合、クラブがゴルファーのスウィングの開始前にボールの隣にゴルファーによって位置付けられていた際に、ゴルフクラブ内で配向されたのと同じ配向で、シャフト110は、チャック76内に設置される。ほとんどの場合において、これは製造業者のロゴフェースアップを伴うが、時折、このロゴは下向きにまたはランダムな方向に面する。もし、試験142がゴルフクラブの一部でなかったゴルフクラブシャフトに対して実施される場合、好ましくは、それはそのロゴをアップにして試験されるか、またはそのロゴをそれがアップであるかどうかに関わらず任意の位置にして試験され、これは、ゴルフクラブを組み立てる際にロゴの整列のためにシャフト製造業者によって推薦される。次いで、チップ質量およびセンサアセンブリ77は、シャフト110のチップ112に取り付けられる。
【0066】
次に、工程161において、インパルスがチップ質量およびセンサアセンブリ77に、上記の様式のうちの1つで適用され、そして直交(好ましくは、水平および垂直)の加速データが、好ましくは約4秒で収集される。これらのデータは、好ましくは、工程162で積分され、時間の関数としての直交(好ましくは、水平および垂直)の変位データを生成し、これは、好ましくは、シャフト110の整列後の結果との後の比較のために工程163で保存され、そしてこのデータはまた、好ましくは、シャフト110が一部であるゴルフクラブのオーナーに対する表示のために工程163で図式化される。最大面外変位(すなわち、好ましくは最大垂直変位)は、好ましくはまた、オーナーに対する表示のために工程163で保存される。試験142は、ここで完全である。
【0067】
このシステムは、次に平面振動面位置付け試験143に進む。図17に示されるように、試験143は、カウンターJがゼロに初期化される工程170で開始する。次に、工程171において、さらにシャフト110を保持するチャック76は、以前に計算された開始角度Sまで回転される。開始角度Sが計算されない場合、試験143は任意の角度で開始する。
【0068】
工程172において、チップ質量およびセンサアセンブリ77がそれが付着されるチップ112に以前には付着されていなかった場合、いずれの場合においても、インパルスがチップ質量およびセンサアセンブリ77に、上記の様式のうちの1つで適用され、そして直交(好ましくは、水平および垂直)の加速データが、好ましくは約4秒で収集される。これらのデータは、好ましくは、工程173で積分され、時間の関数としての直交(好ましくは、水平および垂直)の変位データを生成する。工程174において、カウンターJは1ずつ増加する。試験175において、このシステムは、J=1であるかどうかを調べるために試験する。もし、この第1のパスにおいて、J=1の場合、このシステムは工程177まで直接スキップする。
【0069】
工程177において、このシステムは、工程173からの最大面外偏差値に等しく変数YMAX(J)を設定する。次いで、このシステムは、J=1(それがループを通る第1のパスであることを意味する)であるかどうか決定する試験178に進む。好ましくは、常に、ループを通る少なくとも3つのパスが存在する。試験178において、J=1である場合、工程179において角度Sは10°ずつ増加する。工程1700において、Sを+180°と−180°との間に維持するために、S>180°である場合、SはS−360°に設定される。次に、工程1701において、水平振動および垂直振動の周波数が決定され;これは、工程173からの変位対時間のデータから行われ得る。周波数データは、通常、ゴルフクラブシャフトの剛度を測定するために使用され、これらのデータは比較のために有用である。しかし、シャフト振動の周波数が、どのような保持デバイスが使用されようとそれから突出するシャフトの長さ、および保持デバイスの特徴(例えば、長さおよび剛度)に依存することに注意のこと。それ故に、いずれの比較が行われても、同じ保持デバイスを使用すること、および同じ長さのシャフトが振動するのが自由であることを保証することに注意しなくてはならない。
【0070】
工程1701の後、このシステムは、工程172までループバックし、工程172から174が再び実施される。今度は、試験175において、Jは1ではなく、工程176において工程173からのデータは角度Sと共に保存され、このシステムは工程177まで進む。再び、工程177において、変数YMAX(J)は、工程173からの最大面外偏差値に等しくなるよう設定される。今度は、試験178において、Jは1ではなく、このシステムはJ=2であるかどうかを決定するために試験1702まで進む。この第2のパスにおいて、J=2であり、このシステムはYMAX(J)>YMAX(J−1)であるかどうかを決定するために試験1703まで進む。YMAX(J)>YMAX(J−1)でない場合、それは、この繰り返しにおいて、面外偏位がより小さいことを意味し、角度Sが好ましい配向(すなわち、平面振動面)により近いことを意味し、工程1704において、変数SIGNは、+1に設定され、変数YはYMAX(J)の値に設定され、そして変数AMPは、1.0に設定され、そしてこのシステムは工程1706に進む。試験1703においてYMAX(J)>YMAX(J−1)である場合、これは、この繰り返しにおいて、面外偏位がより大きいことを意味し、角度Sが平面振動面から離れていることを意味し、工程1705において、変数SIGNは−1に設定され、変数S(J)は、S(J−1)の値に設定され、変数YMAX(J)は、変数YMAX(J−1)の値に設定され、次いで、変数YはYMAX(J)の値に設定され、そして変数AMPは、再び、1.0に設定され、そしてこのシステムは工程1706に進む。工程1704または工程1705のいずれかにおいて、AMPは、低い精度ではあるがすぐに結果が収束するのを引き起こすために低い値まで設定され得、一方AMPをより高く設定することが精度を増加させるが収束前の繰り返しの数を増加させることに注意のこと。これは、速度と精度との間の妥協である。
【0071】
工程1706において、このシステムは、変数POP=SIGN(45−(90/π)cos−1(Y/AMP))を計算し、そして、工程1707において、Sの値は、S+POPに設定される。工程1708において、+180°と−180°との間にSの値を維持するために、S>180°である場合、SはS−360°に設定される。同様に、工程1709において、+180°と−180°との間にSの値を維持するために、S<−180°である場合、SはS+360°に設定される。次いで、このシステムは、周波数を計算するために工程1701まで戻り、もう一度工程172までループバックする。今度は、第3のパスにおいて、試験178において、Jは1ではなく、試験1702においてJは2ではなく、このシステムは、YMAX(J)>YMAX(J−1)かどうかを決定するために試験1710まで進む。YMAX(J)>YMAX(J−1)である場合、これらの値は収束し、このシステムは、最後の繰り返しにおける面外偏位YMAX(J−1)が「ロゴアップ」試験142の間の最大面外平面偏位より小さいかどうか決定するために、試験1711まで進む。YMAX(J)>YMAX(J−1)である場合、現在の配向は好ましい配向であり、工程1712にいて、好ましい配向を表す変数POPは、現在の配向を表す変数Sの値に設定される。工程1713において、シャフト周波数は、再び、工程1701におけるように計算され、試験143は1714において終結する。
【0072】
試験1711において、最後の繰り返しにおける面外偏位(YMAX(J−1))が「ロゴアップ」試験142の間の最大面外偏位より小さくない場合、工程1715において、好ましい配向を表す変数POPは、「ロゴアップ」角度に設定される。工程1713において、シャフト周波数は、再び工程1701におけるように計算され、試験143は1714で終結する。
【0073】
試験1710において、
【0074】
【数3】

である場合、この値は、収束せず、工程1716において、Yは、YMAX(J)の値に設定される。次いで、このシステムは、工程1706において、POPら、少なくとももう1回ループを通る。
【0075】
任意の「ロゴアップ」試験142が実行されない場合、試験1710が収束を示す場合、試験1711は、実行されず、そしてこの系は、試験1710から工程1712に直接進む。
【0076】
平面振動平面位置試験143を完了した後に、この系が、印刷工程144を報告するように進められ、ここで、以下のデータの値は、好ましくは、印刷される(必要な場合、決定される):角度の関数としてのロード(ロード試験141において決定される通り);ロードシンメトリーインデックス(LSI)(これは、シャフトの剛性における可変性の尺度である(LSI=100(1−((Pmax−Pmin)/Pmax))(ここで、PmaxおよびPminは、それぞれ、工程152で測定された、最大ロードおよび最小ロードである));「ロゴアップ」角度における変位プロット;POP角度における変位プロット;「ロゴアップ」角度ならびに「ハード」POP角度および「ソフト」POP角度における時間の関数としての変位(後者の二つは、正確に180°離れるべきである);「ロゴアップ」およびPOP角度における、水平周波数および垂直周波数ならびに最大面外偏倚;ならびに「ロゴアップ」角度における水平周波数に対するPOP角度における水平角度の比に等しい周波数インデックス(これは、ゴルフクラブの元の「ロゴアップ」構成と整列された構成との間のような衝突方向での剛性の比較の尺度(改善のパーセントの形態)である)。
【0077】
次に、工程145において、データが保存される。完全保存において、全てのデータが保存される。好ましくは、「クイック保存」も存在し、ここで、「ロゴアップ」およびPOP角度における完了ロード対角度データおよび完了変位データを除いて、工程144において保存された全てのデータが保存される。保存工程145に続いて、プロセス140が146において終了する。
【0078】
ゴルフクラブシャフトの主要平面振動平面を決定するための装置1870の代替の実施形態および関連する方法が、ここで、図18〜22とともに記載される。
【0079】
装置1870は、実質的に完全に自動化されている。実質的に、装置1870を使用する際に手動で実施される唯一の工程は、測定されるゴルフクラブシャフト110の長さに一致するような計測器テーブル1872の位置の調節、チャック1876におけるシャフト110の取り付け、およびシャフト110におけるチップ質量およびセンサアセンブリ1877の取り付けがある。
【0080】
シャフト試験アセンブリ1870は、好ましくは、細長基部1871を備え、
これは、試験されることが予期される、最も長いゴルフクラブシャフトと少なくとも同じ長さである。基部1871の一端には、測定計測器テーブル1872があり、これは、基部1871に沿って平行移動して、異なる長さのゴルフクラブシャフトを収容する。好ましくは、計測器テーブル1872は、基部1871のスロット1891に乗る下向きの突出(図示せず)ならびにエンクロージャー1801の支持表面1800に乗るローラー1892を備える基部1890を有する。ネジ1874は、好ましくは、選択された位置で計測器テーブル1872をロックするために提供される。
【0081】
計測器テーブル1872は、直線性を決定するために使用される、デフレクター/デフレクションロードセンサアセンブリ1878を備える。計測器テーブル1872はまた、振動開始アセンブリ1873を備え、これは、剛性の決定のためにシャフト110の振動を開始し、そしてシャフト110の平面振動平面、および振動緩衝装置アセンブリ1897(その機能は、以下に説明される)を位置付けるために使用される。
【0082】
基部1871の他端には、シャフト保持および回転アセンブリ1875があり、これは、ゴルフシャフト110を保持するための回転可能チャック1876を備える。
【0083】
図18で見られるように、シャフト保持および回転アセンブリ1875は、好ましくは、回転可能チャック1876を備え、これは、好ましくは、従来のものであり得、好ましくは、シャフトの外周を実質的に均一に、半径方向内向きの力を及ぼすことによって、ゴルフクラブシャフトを保持する。チャック1876は、好ましくは、車軸1880の端部に取り付けられ、これは、好ましくは、ベアリング1881にジャーナルがある(journalled)。ベアリング1881は、好ましくは、支持体1882に取り付けられ、その結果、車軸1880の回転軸、ならびに伸長によって、チャック1876および試験されるゴルフクラブシャフトの軸が、基部1871の上の所定の高さにある。好ましくは、チャック1876から離れた車軸1880の端部に、歯付きプーリー1883が取り付けられ、この歯付きプーリーは、歯付きベルト180によって、サーボモーター1885(この角度位置が、プロセッサ61によって正確に制御され得る)(例えば、California、Santa
ClaraのAnimatics Corporationから入手可能なModel SM2315 smart motor)の類似の歯付きプーリー1884に接続される。モーター1885は、好ましくは、支持体1882の下に取り付けられる。好ましくは、支持体1882の下の空間もまた、以下に記載される種々のセンサならびに他の電気的および電子的構成要素のための接続箱として使用される(図示されない)。また、好ましくは、支持体1882の下の空間は、埃およびゴミを入らせないようにし、そして使用者が、任意の露出した電気接続と接触しないように妨げるためのアクリルパネル(図示しない)によって囲われる。
【0084】
計測器テーブル1872は、図19および20により詳細に示される。デフレクター/デフレクションロードセンサアセンブリ1878は、ゴルフクラブシャフト110が上を通過するが、その上端とは離れているように取り付けられる、垂直伸長バー190を備える。バー190は、垂直に動き得、そして好ましくは、空気圧(pneumatic)シリンダー191のようなアクチュエータが、バー190を上向きに動かして、その上端がシャフト110と係合し、そして所定の量だけシャフト110を上向きに反らせるように提供される。ソレノイドまたは液圧シリンダーのような直線アクチュエータ、あるいはモーターのような回転アクチュエータを含む別の他の適切なアクチュエータが、使用され得る。好ましくは、バー190の上端は、シート(例えば、V字型シート193)を備え、シャフト110と係合する。New
York、AmherstのKistler Instrument Corp.製のModel9222のような圧縮ロードセンサ192がシリンダー191の下に提供され、これは、シャフト110がバー190によって上向きに反らされた場合に、シャフト110によって及ぼされる回復力を測定する。先の実施形態とともに上で考察されるように、ロード試験測定が垂直方向で行われる一方、平面振動平面位置測定が水平方向で行われるので、ロード試験データは、それらが測定される角度から90°ずれた角度で記録される。
【0085】
計測器テーブル1872の振動開始アセンブリ1873は、好ましくは、支持体1896に取り付けられた空気圧シリンダー1895の影響下で、好ましくは、シャフト110の長手方向軸に横に水平方向移動のために取り付けられた、電磁石1894を備える。任意の他の適切なアクチュエータが使用され得、これには、ソレノイドまたは液圧シリンダーのような直線アクチュエータ、あるいはモーターのような回転アクチュエータが挙げられる。
【0086】
装置1870はまた、好ましくは、一旦決定された、主要平面振動平面の位置を、ゴルフクラブシャフト110上でマークするための、近位端シャフトマーキング機構1887および遠位端シャフトマーキング機構1886を備える。遠位端シャフトマーキング機構1886は、好ましくは、1つ以上(例えば、図示されるように2つ)のペン1888を備えて、1つ以上(例えば、2つ)のマークをシャフト110の遠位端でマークし、これらは、シャフト110をゴルフクラブヘッドと所望に方向で整列させるために使用され得、一方、近位端シャフトマーキング機構1886は、好ましくは、1つ以上のペン1888を備えて、シャフト110の近位端に1つ以上のマークを作製する。両方のシャフトマーキング機構において、それぞれの空気圧シリンダーは、好ましくは、ペン1888を上げて、シャフト110と接触させるために使用される。好ましくは、マーキングプロセスのための固定シャフト110に、シャフトデフレクターバー190が、シリンダーまたは他のアクチュエータ191によって上げられて、シャフト110を垂直方向に反らせて、そしてより重要なことには、マーキングプロセスの間、そのシャフトが水平方向に移動することを維持する。次いで、別のシリンダーまたは他のアクチュエータ194は、遠位端シャフトマーキング機構1886のペン1888を起動する。近位端シャフトマーキング機構1887のシリンダーまたは他のアクチュエータ1889はまた、近位端のペン1888がシャフト110をマークし、好ましくは、バー190は、反り続け、シャフト110を保持するように起動する。あるいは、上で考察されるように、1つ以上のステッカーまたは転写物(decal)、ベアリング整列マークが、シャフト110に適用され得る。シャフト110に作製されるマークは、主に、シャフト110をゴルフクラブヘッドと整列させるために作製され、従って、マークの数および位置は、ヘッドをシャフト110へ取り付けるために使用される装置の必要性、またはヘッドをシャフト110に手動で個々に取り付ける必要性に基づいて、選択できる問題である。
【0087】
チップ質量およびセンサアセンブリ1877は、上記アセンブリ77と類似する。このプロセスを開始するために、使用者は、ゴルフクラブシャフト110がチャック1876に挿入された後に、整列表面として電磁石1894の面を使用して、チップ質量およびセンサアセンブリ1877を取り付ける。シリンダーまたは他のアクチュエータ1895は、その静止位置において、シャフト110上のチップ質量およびセンサアセンブリの取り付けのための整列表面として使用されるべき正確な位置の電磁石1894に、ニュートラル位置のシャフト110を提供するように設定される。チップ質量およびセンサアセンブリ1877が取り付けられ、そして整列された後に、電磁石1894は電圧供給される。次いで、シリンダーまたは他のアクチュエータ1895は、シャフト110を水平に反らせるために、シャフト110の長手方向軸から離れる方向に、電磁石1894を引き出すように起動される。引き出される方向での電磁石1894の進行の終わりにまたはその前に、電磁石1894は、電力を絶たれ、アセンブリ1877でのその保持を開放し、シャフト110を実質的に水平方向に振動させる。
【0088】
シャフト110が振動するにつれて、チップ質量およびセンサアセンブリ1877によって検出されるシャフトチップの運動がプロセッサ61によって記録され、そして特に、最大面外垂直加速または変位および振動周波数が書きとめられる。
【0089】
好ましくは、十分なデータが集められた後に、緩衝装置1898(例えば、フォームパッド)は、シャフト振動を停止させるために、好ましくは、支持体1900に取り付けられたシリンダー1899によって、シャフト110と係合するように移動される。
【0090】
緩衝装置アセンブリ1897が提供されるか否かに関わらず、電磁石1894は、次に、アセンブリ1877と再び係合する。サーボモーター1885がシャフト110を次の角度位置(好ましくは、現在の位置から10°)に回転する一方、電磁石1894の面との係合は、シャフト回転の間、アセンブリ1877を整列させ続ける。設定ネジ106は、好ましくは、ナイロンチップを有し、その結果、アセンブリ1877が電磁石1894によって回転から維持される場合、
シャフト110は、それにも関わらず、アセンブリ1877に対して回転し得る。電磁石1894は、電圧供給されるかまたは電圧供給されたままであり、シャフト110を反らせるように引き戻され、このシャフトは、好ましくは、再び、電磁石1894の電圧を絶つことによって、振動するように開放される。この新たな角度位置において、変位データ(シャフトチップの最大面外偏倚を含む)および周波数データが再び記録される。これは、好ましくは、均一な角度間隔(好ましくは、10°)で繰り返され、その結果、面外偏倚データおよび周波数データが、36の角度位置で利用可能である。角度間隔は好ましくは均一であるが、各角度位置において費やされる時間は、等しくなくあり得る。例えば、好ましい実施形態において、より多くのデータが、「ロゴアップ」位置および主要平面振動平面位置において取られて、グラフィカルな表示についてより詳細に提供し得る(以下を参照のこと)。
【0091】
チップ質量およびセンサアセンブリ1877に対する代替として、チップ質量アセンブリ261(図26に示される)が使用され得る。チップ質量アセンブリ261は、加速度計または任意の他のセンサを含まないことを除いて、チップ質量およびセンサアセンブリ1877と類似の大きさおよび質量であり、プロセッサ61との有線接続または無線接続の必要性を除外する。チップ質量アセンブリ261は、電磁石1894との相互作用のための平坦なプレート262を備える。以下に考察される理由のために、プレート262は、好ましくは、チップ質量アセンブリ261の面に対して、45°の角度で取り付けられる。
【0092】
チップ質量アセンブリ261との使用のために、装置1870は、好ましくは、一対のレーザー距離センサ263、264を備え、これらのそれぞれは、Type
OADMレーザー距離センサ(Switzerland、FrauenfeldのBaumer Electric AGから入手可能)であり得る。図27および28に示されるように、センサ263、264は、好ましくは、チップ質量アセンブリ261がシャフト110に取り付けられる場合、センサ263、264が電磁石1894からのチップ質量アセンブリ261の反対側面にあるように、取り付けられる。より好ましくは、上側センサ263は、そのビームが実質的に側面270の中心にぶつかるような高さに取り付けられ、一方、下側センサ264は、チップ質量アセンブリ261がプレート262に実質的に垂直に取り付けられる場合、そのビームが実質的に側面271の中心にぶつかるような高さで取り付けられる。設定ネジ106が図27および28において想像線で示されることに注意すべきである。なぜなら、設定ネジは、側面270に配置されるものの、センサ263からのビーム272が側面270と交差する点よりも、シャフト110の長手方向軸に沿ってさらに下の側面270であるからである。従って、設定ネジ106は、センサ263の操作と面を接しない。
【0093】
センサ263、264の各々は、レーザー供給源および光検出器を備え、そして、レーザーパルスがチップ質量アセンブリ261の表面に到達し、そして光検出器へ戻るのに要する時間を測定することによって、作動する。図27から明らかなように、チップ質量アセンブリが、純粋に水平方向に振動する場合、上部センサ263から側面270までの距離dUは、常に、下部センサ264から側面271までの距離dLに実質的に等しい。しかし、図28から理解され得るように、チップ質量アセンブリ261の振動において任意の垂直方向成分が存在する場合、たとえ振動の水平方向成分が存在しなくとも、これらの2つの距離dUおよびdLは、異なる。
【0094】
以下:
(1)シャフト110のチップの水平方向および垂直方向の移動を、それぞれ、xおよびyで表し;
(2)チップ質量アセンブリ261が静止状態にある場合に測定したdUと特の測定中に測定したdUとの差を、xUで表し;そして
(3)チップ質量アセンブリ261が静止状態にある場合に測定したdLと特定の測定中に測定したdLとの間の差を、xLで表す、
と仮定すると、
xおよびyは、xUおよびxLから以下のように導かれ得る:
x=(xL+xU)/2
y=(xL−xU)/2
チップ質量アセンブリ261は、側面270および271が、垂直方向に対して(または水平方向の振動面に対して)45°の角度になく、垂直方向に対して(または振動面に対して)傾斜するいくらかの他の角度にあるように取り付けられ得るが、xLおよびxUからxおよびyを導くための計算が、有意により複雑になることが、幾何学から明らかである。また、チップ質量アセンブリ261が振動する場合に、検出器263のビームが、側面270と交差し、そして検出器264のビームが、側面271と交差する限り、検出器263、264が、側面270、271のそれぞれの中点に対向して取り付けられる必要はないことも、明らかである。しかし、センサ263、264の他の取り付け位置を使用する場合、それらの選択された位置が、チップ質量アセンブリ261の振動の予測される範囲内の振動の程度によって上述の条件が乱され得るような位置でないように、注意すべきである。
【0095】
チップ質量アセンブリ261の側面270、271が、完全には反射すべきでないこともまた理解される。側面270、271が、完全に反射するならば、センサ263、264中のレーザー供給源によって放出されたレーザーエネルギーの全てが、それらのセンサ中の検出器から離れたところに反射されることになる。レーザーエネルギーのいくらかがレーザー供給源に戻るのに十分な鏡面反射が存在しなければならない。好ましくは、側面270、271の表面は、「白紙表面」(すなわち、レーザーエネルギーによって励起された場合に、入射ビームと同じ波長で全方向に再放出する表面)に可能な限り近いように作製される。2つのセンサ263、264は、側面270から反射または再放出されたエネルギーが、センサ264の検出器に到達せず、かつ側面271から反射または再放出されたエネルギーが、センサ263の検出器に到達しないよう、十分に離れているべきである。あるいは、これらの2つのセンサは、一方のセンサのシグナルが、もう一方のセンサによって読み取られ得ないよう、異なる波長で作動し得る。
【0096】
加速度計103、104に代わるセンサ263、264の使用は、加速度データの積分の必要なく、直接的に移動データを提供する。しかし、上記のように、本発明の目的のために、加速度測定および移動測定は、同じ結果を生じる。
【0097】
全ての角度位置での全ての測定の完了後、次いで、アセンブリ1877または261を、シャフト110から手動で取り外す。
【0098】
サーボモーター1885および種々のシリンダ/アクチュエータの起動は、好ましくは、複数の測定が迅速に行われ得るように、プロセッサ61の制御下で自動化される。測定を10°毎に行う場合、全シリーズの測定は、好ましくは、約2分またはそれ以内に完了し、そして好ましくは、約30秒以内に完了する。空気式シリンダを、アクチュエータとして使用する場合、種々の空気式シリンダは、好ましくは、コンプレッサ2000によって出力され、コンプレッサ2000は、好ましくは、エンクロージャ1801内に配置され、そしてホース2001によって種々のシリンダに接続される。エンクロージャ1801は、装置1870の他の構成要素(示さず)を収容するために使用され得る。
【0099】
測定の結果は、各々の角度位置について、チップ位置(特に、面外移動)および振動周波数の表である。主平面振動面を位置決めするために、面外移動を、角度の関数として極座標にプロットし得る。このようなプロットの例を図21に示す。各々の角度位置にて、原点からの曲線の距離は、その角度での面外移動を表す。代表的なゴルフクラブシャフトは、図21に示されるような、複数の葉型のプロットを有するが、葉の数は、種々のシャフト間で異なり得る。葉間の尖点210(ここで、プロットされた曲線が原点により近づく)は、面外移動の局所極小である。非常に異例なシャフトを除いて、尖点210の数は、偶数であることが予測され、そして特定の角度での各尖点210は、各尖点から180°離れた対(mate)を有する。このような対の各々(点線211によって示される)は、シャフトの平面振動面の1つを表し、主平面振動面は、通常、原点に最も近い尖点の対によって表される。観察されたデータをグラフにプロットすることによって、主平面振動面は、たとえその位置が、測定を実際に行った角度位置の1つでないとしても、正確に位置決めされ得ることに留意するべきである。プロセッサ61は、好ましくは、データをプロットし、そして主平面振動面を自動的に選択するようなソフトウェアでプログラムされている。
【0100】
好ましい実施形態において、このようなソフトウェアは、フーリエ級数近似を使用して、曲線212をデータ点213にあてはめる。特定の角度θで取った各点213について、原点からの距離をr(θ)として示す場合、点213を、以下の級数にあてはめる:
【0101】
【数4】

ここで、項数mが大きくなるにつれ、あてはめの近さが改善される。しかし、Nがデータ点の数である場合、項数は、以下のように制限される:
m<(N−1)/2
従って、好ましい実施形態において、点の数が36である場合、最大の項数は17である。
【0102】
上記の級数において、係数は、以下のように定義される:
【0103】
【数5】

経験的に、最小4つの項数(m=4)が、受容可能な曲線のあてはめに必要であることが、観察された。あてはめは、mが増加するにつれて、改善される。
【0104】
一旦、曲線212を点213にあてはめると、一次導関数をとり、ゼロに等しく設定して、極大値(葉のチップ)および極小値(尖点210)を見出す。次いで、各極値にて、二次導関数をとり、いずれが極小値または尖点(正の二次導関数)であるか、およびいずれが極大値(負の二次導関数)であるかを同定する。曲線のあてはめの目的のために、終点(0°および360°)が、同じ傾きおよび移動を有する場合、36個のデータ点(0°〜350°)を使用するべきであるが、37個の点(0°〜360°)が導関数に使用されるべきであることが見出された。
【0105】
一次導関数および二次導関数についての式は、以下のとおりである:
【0106】
【数6】

市販の根導出サブルーチン(いわゆる、ZREAL)(これは、Houston、TexasのVisual Numerics,Inc.からのInternational
Mathematical Subroutine Libraryの一部として入手可能である)が、好ましくは、一次導関数の根(すなわち、一次導関数がゼロと等しい点)を見出すために使用され得る。このサブルーチンは、根の数および位置に関する初期推測を提供することを必要とする。通常、8個の根(4つの極大値および4つの極小値)が存在することが知られているが、(等角で間隔が空いていると任意に推測した)8個の根の推測が、全ての根を見出さないことが、見出された。代わりに、20個の等角で間隔が空いている根が存在すると推測することが、正確な結果を生じることが、見出された。しかし、より高次のあてはめ(m≧10)について、データにおける変動が、そのあてはめられた曲線において局所極値として読み取られる揺れを生じ、さらなる根を生じるほど十分にこの曲線にあてはまることが、見出された。従って、mは、好ましくは、10未満であるべきであり;最も好ましくは、m=7である。
【0107】
一旦、根が見出されると、極値を同定し、各根で二次導関数をとり、そして二次導関数が正であるこれらの点を、極小値と同定する。対向する側へ間隔を空けた極小値の対を連結するラインは、平面振動面であり、そしてロードデータは、好ましくが、主平面振動面を同定するために上記のように使用される。
【0108】
上記のように、振動周波数もまた、各々の角度位置にて記録される。上記でまた示されたように、シャフトの剛性は、以下の関係式を使用して、振動周波数から導かれ得る:
【0109】
【数7】

ここで、k(シャフトの横方向の曲げモードでのシャフトのばね定数)は、シャフトの剛性の測定値である。M(質量)は、振動系の総質量であり、振動系は、この場合、ゴルフシャフト110+チップ質量およびセンサアセンブリ1877である。ゴルフクラブシャフト110を質量mシャフトの柱状ビーム(すなわち、一定断面のビーム(ほとんどのゴルフクラブのシャフトは、実際には、そうではない))として近似し、そしてチップ質量をmチップに設定すると、総質量Mは、上記の関係式において、M=0.23mシャフト+mチップと近似され得る。従って、周波数は、以下のように近似され得る:
f=(k/(0.23mシャフト+mチップ))0.5
kについて解くと、以下が得られる:
k=((0.23mシャフト+mチップ)f2
kを決定することによって、剛性の尺度を提供し、これによって、1つのシャフトを、別のシャフト(同じ長さのシャフトが上記のように振動すると仮定して)と比較し得る。kを決定することによって、種々の角度での負荷試験の間に集められた復元力測定値に基づいて、シャフトのチップからバットまでの偏位を決定することもまた可能である。好ましい場合、この偏位はまた、移動ゲージを使用して決定され得るか、または光学技術を使用して決定され得る。
【0110】
上記に示されるように、各々の角度では、以下:
F/k=d+δ
であり、ここで、Fは、測定された復元力であり、そしてdは、負荷試験中に付与された移動である。kもまた既知である場合、δ(シャフトバットの中心を通る長手方向軸からのシャフトチップの中心の偏位)が、決定され得る。
【0111】
代替のさらに特に好ましい実施形態において、偏差δは、最初に剛性を測定することなく(バネ定数kによって測定されるように)、改変された負荷試験の間に測定され得る。この実施形態において、シリンダー191は、シャフト110を第1移動d1まで上昇させ、そして復元力データが収集され、次いでシリンダー191は、シャフト110を第2移動d2まで上昇させ、そして復元力データが再び収集される。各々の角度位置についての2つの復元力データポイントは、振動データが収集される各々の角度位置で、シリンダー191を上下に移動させることによって得られる。より好ましくは、この復元力データポイントは、上記の負荷試験の改変バージョンの一部として得られ、ここで、シリンダー191は、位置d1まで移動され、そしてシャフト110は、少なくとも360°回転され、その間にデータが得られ、次いで、シリンダー191は、位置d2まで移動され、そしてシャフト110は、少なくとも360°再び回転され、その間に再度データが得られる。特に好ましい実施形態において、データは、シャフト110を第1の方向に少なくとも360°(例えば、約400°)回転させながら、移動d1で得られ、そしてデータは、シャフト110を第2の反対方向に同一の角移動で回転させながら、移動d2で再び得られる。これは、2つの未知数kおよびδを含む2つの等式を提供し、これらの等式により、δについて解かれる:
F1=k(d1+δ)
F2=k(d2+δ)
k=k、∴
F1/(d1+δ)=F2/(d2+δ)
F1d2+F1δ=F2d1+F2δ
δ=(F2d1−F1d2)/(F1−F2)。
【0112】
上記の負荷試験は、装着されるチップ質量(tip mass)を用いて実施されるので、このチップ質量の重量は、好ましくは、測定された復元力から差し引かれる。特定の位置で測定された負荷試験のデータは、測定されるその特定の位置から90°異なる位置で記録される。これは、この負荷試験が、垂直方向で実施されるのに対して、同じ角度位置について平面振動面位置の測定が、水平方向で実施されるという事実に起因する。
【0113】
代表的に、δが、角度の関数としてプロットされる場合、この結果は、図22において示されるように、原点215を中心としたより大きな円214および原点215の中心からずれたより小さな円216で表され得る。このより大きな円とより小さな円との直径の関係は、シャフト110のバットとチップ端との直径の関係に比例し、好ましい実施形態において、それぞれの円の直径は、それぞれの端部の直径に等しい。従って、このプロットは、シャフト110の長手軸に対するチップ端の位置、すなわち換言すれば、シャフト110が真直ぐでない程度を表す。ライン217は、曲げの方向を表す。この負荷試験からの復元力データにより、この結果が得られることが、予測される。ゴルフクラブのシャフトが、特定の方向に湾曲されている場合、負荷試験に間、この曲げの方向に力が加えられることにより、加えられる力がこの曲げの方向と反対の方向に加えられる場合よりも、より小さな復元力を生じる。従って、各々の角度に関して、この復元力が、相対的に小さい場合、180°離れた角度については、復元力は相対的に大きくなり、そして逆もまた然りである。
【0114】
本発明に従うプロセスおよび装置は、「スパイン整列された(spine−aligned)」ゴルフクラブを製造するために、ゴルフクラブを構築するためのより大規模なプロセスまたは装置の一部として使用され得る。従って、好ましい方向の位置(すなわち、平面振動面)に対する予め決められた位置に参照マークが付けられている(「硬質」側面を示すためにマークされていても、そうでなくてもよい)、各々のゴルフクラブシャフト110は、ゴルフクラブアセンブリステーションに通され、ここで、このシャフト上のマークが識別され、そして好ましくは、ゴルフクラブ面に対して実質的に垂直な平面振動面を有するゴルフクラブを構築するために使用される。このゴルフクラブアセンブリステーションと比較した、平面振動面位置決め装置60または1870の相対的な速度に依存して、適切である場合、より多くまたはより少ない平面振動面位置決めステーションまたはアセンブリステーションが提供される。従って、いくつかの平面振動面位置決めステーション60、1870は、単一のゴルフクラブアセンブリステーションを供給するために使用され得る。ホッパーは、ゴルフクラブアセンブリステーションに提供されて、このアセンブリステーションがスローダウンもしくは停止した場合、または新しいゴルフクラブシャフト110が到達する時点でその新しいゴルフシャフト110を受け入れる準備ができていない場合、の緩衝器として作用し得る。
【0115】
このゴルフクラブアセンブリステーションは、好ましくは、平面振動面の位置を示すゴルフクラブシャフト110上に作製されたマークを認識するための、スキャナーを備える。一旦、マークが識別されると、マークが、シャフト110に装着されるゴルフクラブヘッドの型についての予め決められた方向にあり、そしてシャフト110がゴルフクラブヘッドに構築される場合に、このゴルフクラブヘッドが予め決められた方向で保持されるように、シャフト110が回転される。
【0116】
あるいは、各々のゴルフクラブヘッドに、整列マークが提供され、ゴルフクラブシャフト110上のマークが、この整列マークと一致しなければならない。スキャナーにより、シャフト110とゴルフクラブヘッドの両方の上にある整列マークをスキャンし、そしてこの2つのマークが整列されるまで、シャフト110を回転させる。これは、マークしたシャフトとの整列のために各々異なる型のゴルフクラブヘッドを保持するための特定の方向を「知る」ための、ゴルフクラブヘッドを保持するメカニズムの必要性を排除する。あるいは、各々のゴルフクラブヘッドは、同一の方向に保持され得、そしてシャフト110がアセンブリに対して近くに導かれる場合に、シャフト110上のマークおよびゴルフクラブヘッド上のマークが、所望の整列状態となるまで、シャフト110を回転させ得、その後このシャフト110がこのゴルフクラブヘッドに接合される。
【0117】
本発明に従うゴルフクラブを構築するための装置220は、図23および図24に示される。装置220は、少なくとも1つの装置60または1870(一方の装置60が示される)、完成したシャフト110を装置60、1870から取り出し、そしてこのシャフトをホッパー222に保管するための、コンベヤー221、ホッパー222からアセンブリステーション224に各シャフト110を供給するための供給メカニズム223、およびアセンブリステーション224自体を備える。
【0118】
アセンブリステーション224において、モーター(示さず)に接続されたアーム225を備える供給器は、シャフト110をチャック230(このクランクは、近位端からシャフト110を回転可能に保持するクランク76、1876に類似している)に送達する。グリッパー231は、ゴルフクラブヘッド232を保持し、このヘッドは、整列マーク233を有しても有さなくてもよく;整列マーク233が存在しない場合、ゴルフクラブヘッド232は、既知の位置にグリッパー231によって保持され、この位置は、異なる型のゴルフクラブヘッドで異なる。スキャナー234は、チャック230が回転する場合、マーク235についてシャフト110をスキャンする。スキャナー234が、マーク235を識別する場合、プロセッサ61は、マーク235を、スキャナー236によって位置決めされた整列マーク233と整列させるように、またはゴルフクラブヘッド232について予め決められた方向に整列させるように、チャック230に指示を出す。次いで、チャック230およびグリッパー231は、それらの一方または両方を移動することによって一緒に移動され、そしてシャフト110は、他の従来の方法(いずれにせよ、必要となり得る場合、接着剤、フェルールなどを使用する)でゴルフクラブヘッド232に接合される。
【0119】
図25は、ゴルフクラブのレトロフィット(改良)の場合における、顧客に提供され得るプリントアウトのサンプルであり、このプリントアウトは、このシャフトの種々の特徴を示し、そして元のクラブの構造とその新しい構造とを比較している。このプリントアウトは、ゴルフクラブの特徴に関する、顧客のための情報を提供し、そしてまた、レトロフィットされた各クラブに関するレトロフィッターについての情報のデータバンクも提供する。
【0120】
これらのデータは、図25において特定の配置で示されるが、他の配置が可能であり、そして本発明の範囲内にある。顧客データおよびシャフト識別データは、好ましくは、領域250において提供される。好ましくは、バーコードまたは他の機械により読み取り可能な印(示さず)が、識別データ内に含まれ、これは、領域250のボックス258内に配置され得、そしてデータ格納部から特定のシャフトに関するデータを呼び出すために使用され得る。整合バーコードまたは他の印は、シャフト自体に適用され得る。特に、ラベルを使用して、上記のように、整列マークをシャフトに適用する場合、このラベルがまた、印も有し得る。
【0121】
このプリントアウトは、好ましくは、上記の負荷試験の結果を示すクラブ251を含む。特に、上で議論した負荷対称指数(load
symmetry index)(LST)が報告され、そして負荷試験の間の正規化された負荷を、剛性(フィートポンド/インチ)と相関させる。「スピニング(spining)」または平面振動面位置決め測定の結果を、252に示す。特に、2位相のプロット(253、254)が提示され、それぞれ、位置決めされた「ロゴアップ(logo−up)」位置および主平面振動面にある、シャフト振動特徴を示す。好ましくは、全ての平面振動面を表すライン259、260が示されるが、好ましくは、主平面振動面を示す、ライン259は、任意の他のライン260よりも重いか、またはそうでなければ、このライン260とは区別されることを除いて、図21と類似した、プロット255もまた提供される。同様に、図22に類似したプロット256がまた提供され、このシャフトの直線性を示し、そして振動数(剛性の尺度)を示すプロット257もまた、角度位置の関数として提供される。プロット257において、円形のデータポイントは、剛性、それ故振動数が、全ての角度で同一である、「完全な」シャフトを示し、一方、この四角のデータポイントは、測定されたシャフトに関する振動データを示す。
【0122】
本発明は、ゴルフクラブシャフトに関してこれまで記載してきたが、本発明は、任意の細長部材の、対称性/非対称性、円形度、直線性、および/または剛性を決定するために使用され、これには、野球のバット、ビリヤードのキュー、矢、釣り竿、または任意の構造部材が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
従って、好ましいゴルフクラブシャフトまたは他の細長部材の好ましい角度方向を迅速かつ確実に決定するための方法および装置、ならびに好ましい角度方向の決定を使用して、それぞれのクラブの面に対して一貫して整列されたそれぞれのゴルフクラブシャフトを有する、ゴルフクラブを自動的に構築するための方法および装置が、提供されることが理解される。当業者は、本発明が、記載される実施形態以外によって実施され、この記載される実施形態が、例示の目的で提供されるのであって、限定する目的で提供されるのではなく、本発明は、前述の特許請求の範囲によってのみ限定されることを理解する。
【0124】
本発明の上記および他の目的および利点は、添付の図面(ここで、同じ参照符号が、全体にわたって同じ部材を参照する)と共に、以下の詳細な説明を考慮すれば明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブのシャフトの、その長手軸の周りの好ましい角度方向を決定するための方法であって、該ゴルフクラブのシャフトは、ゴルファーが握るための近位端およびゴルフクラブのヘッドに取り付けるための遠位端を有し、該方法は、以下:
該ゴルフクラブのシャフトの該近位端および該遠位端のうちの第1の端を固定する工程;
該ゴルフクラブのシャフトの該近位端および該遠位端のうちの第2の端の面内振動運動を開始する工程;
以下により該振動運動を測定する工程:
該シャフトにおいて、該面に対して斜角の、少なくとも2つのエネルギー反射表面を提供する工程、
各々のエネルギービームを、該反射表面の各々に指向する工程、
該表面の各々から反射した各々の反射ビームを検出する工程、
該振動運動の間の1つ以上の固定位置からの該表面の距離を、該検出したビームから計算する工程、および
該計算した距離から該シャフトの移動を導く工程;
該測定された振動運動を分析する工程;ならびに
分析された該振動運動から、該好ましい角度方向を計算する工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記各々のエネルギービームが電磁気放射ビームである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビームが光ビームである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ビームがレーザービームである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ゴルフクラブのシャフトの前記近位端および前記遠位端のうちの前記第1の端が該近位端であり;そして
該ゴルフクラブのシャフトの該近位端および該遠位端のうちの前記第2の端が該遠位端であり;
該方法が、以下:
前記開始工程前に該遠位端に反作用質量物体を取り付ける工程、
をさらに包含し、ここで、前記反応表面は該反作用質量物体に接している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ゴルフクラブのシャフトの、その長手軸の周りの好ましい角度方向を決定するための方法
であって、該ゴルフクラブシャフトは、ゴルファーが握るための近位端およびゴルフクラブヘッドに取り付けるための遠位端を有し、該方法は、以下:
該ゴルフクラブのシャフトの該近位端を固定する工程;
該ゴルフクラブのシャフトの該遠位端に反作用質量物体を取り付ける工程;
以下により、1つの平面で、該ゴルフクラブのシャフトの該遠位端の振動運動を開始する工程:
電磁石を用いて該反作用質量物体を引き付けることにより該ゴルフクラブのシャフトの該遠位端を移動する工程、および
該電磁石を作動停止にする工程;
該振動運動を測定する工程;
該測定された振動運動を分析する工程;ならびに
該分析された振動運動から、該好ましい角度方向を計算する工程、
を包含する、方法。
【請求項7】
ゴルフクラブのシャフトの長手軸の周りの、ゴルフクラブのシャフトの好ましい角度方向を決定する装置であって、該ゴルフクラブのシャフトは、ゴルファーによって握られる近位端およびゴルフクラブのヘッドの取り付けのための遠位端を有し、該装置は、以下:
該ゴルフクラブのシャフトの該近位端および該遠位端のうちの第1の端を固定するための手段;
該ゴルフクラブのシャフトの該近位端および該遠位端のうちの第2の端の、面内振動運動を開始するための手段;
以下:
該面に対して斜角の、少なくとも2つのエネルギー反射表面に該シャフトを提供すること、
該反射表面の各々に各エネルギービームを指向すること、
該表面の各々から反射された各反射ビームを検出すること、
該振動運動の間の1つ以上の固定位置からの該表面の距離を、該検出されたビームから計算すること、および
該計算された距離から、該シャフトの移動を導くこと、
によって、該振動運動を測定するための手段;
該測定された振動運動を分析するための手段;ならびに
該分析された振動運動から、該好ましい角度方向を計算するための手段を備える、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、ここで、前記各エネルギービームが電磁放射ビームである、装置。
【請求項9】
前記ビームが光ビームである、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ビームがレーザービームである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
請求項7に記載の装置であって、ここで:
前記ゴルフクラブのシャフトの前記近位端および前記遠位端のうちの第1の端が、近位端であり;そして
該ゴルフクラブのシャフトの該近位端および該遠位端のうちの第2の端が、遠位端であり;
該装置は、該遠位端に取り付けるための反作用質量物体をさらに備え;ここで:
前記反射表面は、該反作用質量物体の上にある、
装置。
【請求項12】
ゴルフクラブのシャフトの長手軸の周りの、ゴルフクラブのシャフトの好ましい角度方向を決定する装置であって、該ゴルフクラブのシャフトは、ゴルファーによって握られる近位端およびゴルフクラブのヘッドの取り付けのための遠位端を有し、該装置は、以下:
該ゴルフクラブのシャフトの該近位端を固定するための手段;
該ゴルフクラブのシャフトの該遠位端に取り付けられる反作用質量物体;
電磁石を用いて該反作用質量物体を誘引することによって該ゴルフクラブのシャフトの該遠位端を移動することによって、該ゴルフクラブのシャフトの遠位端の面内振動運動を開始するための手段;
該電磁石を作動停止にするための手段;
該振動運動を測定するための手段;
該測定された振動運動を分析するための手段;ならびに
該分析された振動運動から、該好ましい角度方向を計算するための手段
を備える、装置。
【請求項13】
装置であって、該装置は、
ハンドル端と、クラブヘッドと嵌合するためのチップ端と、を備える、ゴルフクラブシャフトの直線性を決定し、
該シャフトの該チップ端を、該ハンドル端を通りかつ該ハンドル端に対して垂直な面に対して垂直に延びる長手方向軸に向かって横にかつ該軸から予め決定された距離だけ移動させ、
該移動の間の回復力を測定し、
該移動の間の該測定された回復力と、該予め決定された距離および横曲げモードでの該ゴルフクラブシャフトのばね定数に基づく期待回復力との間の差を決定し、そして
該差および該ばね定数から、該長手方向軸の周りの複数の角度の各々での該長手方向軸からの該チップ端の偏差を導くための装置であって、該装置は:
該ゴルフクラブシャフトの該ハンドル端を固定するため、そして該長手方向軸を規定するための、クランプ;
該ばね定数を決定するためのアナライザ;および
該角度についての偏差計算機を備える、装置。
【請求項14】
前記複数の角度での前記偏差をプロットし、それによって前記シャフトの前記直線性の視覚的表示を提供するための、プロッタをさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ばね定数アナライザが:
前記横曲げモードにおける前記シャフトの振動を開始するための振動発生器;
該振動の周波数を測定するための周波数計数器;および
該周波数から前記ばね定数を導くためのプロセッサ
を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ばね定数アナライザが:
前記横曲げモードにおける前記シャフトの振動を開始するための振動発生器;
該振動の周波数を測定するための周波数計数器;および
該周波数から前記ばね定数を導くためのプロセッサを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
装置であって、該装置は、
ハンドル端と、クラブヘッドと嵌合するためのチップ端と、を備える、ゴルフクラブシャフトの直線性を決定し、
該シャフトの該チップ端を、該ハンドル端を通りかつ該ハンドル端に対して垂直な面に対して垂直に延びる長手方向軸に向かって横にかつ該軸から第1の予め決定された距離だけ最初に移動させ、
該最初の移動の間の第1の回復力を測定し、
続いて、該シャフトの該チップ端を、該長手方向軸に向かって横に該軸から第2の予め決定された距離だけ移動させ、
該続いての移動の間の第2の回復力を測定し、そして
該第1回復力および該第2の回復力ならびに該第1の予め決定された距離および該第2の予め決定された距離から、該長手方向軸の周りの複数の角度の各々での該長手方向軸からの該チップ端の偏差を導くための装置であって、該装置は:
該ハンドル端を固定するため、そして該長手方向軸を規定するためのクランプ;および
該角度についての偏差計算機を備える、装置。
【請求項18】
前記複数の角度での前記偏差をプロットし、それによって前記シャフトの前記直線性の視覚的表示を提供するための、プロッタをさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
ゴルフクラブシャフトの長手方向軸の周りの該ゴルフクラブシャフトの好ましい角度方向を決定するための装置であって、該ゴルフクラブシャフトは、ゴルファーによって握持されるための近位端およびゴルフクラブヘッドに取り付けるための遠位端を有し、該装置は:
該ゴルフクラブシャフトの該近位端および該遠位端のうちの第1の端を固定するためのクランプ;
該ゴルフクラブシャフトの該近位端および該遠位端のうちの第2の端の、一定面におけ
る振動運動を開始するための振動発生器;
該振動運動を測定するためのセンサ;
該測定された振動運動を分析するためのアナライザ;および
該分析された振動運動から該好ましい角度方向を計算するための計算機を備え、該センサは:
該面に対して斜角で該シャフト上にある少なくとも2つのエネルギー反射表面、
個別のエネルギービームを該反射表面の各々に向ける個別ビーム発生器、
該表面の各々から反射された個別の反射ビームを検出するための個別検出器、および
該検出されたビームから、該振動運動の間の1以上の固定位置からの該表面の距離を計算するため、および該計算された距離からの該シャフトの移動を導き出すための、プロセッサを備える、装置。
【請求項20】
前記個別のエネルギービームが、電磁放射ビームである、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ビームが、光ビームである、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記ビームが、レーザービームである、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ゴルフクラブシャフトの前記近位端および前記遠位端のうちの前記第1の端が、該近位端であり;そして該ゴルフクラブシャフトの該近位端および該遠位端のうちの前記第2の端が、該遠位端であり;
前記装置がさらに、該遠位端に取り付けられた反作用質量物体を備え;
ここで、前記反射表面が、該反作用質量物体上に存在する、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
ゴルフクラブシャフトの長手方向軸についての該ゴルフクラブシャフトの好ましい角度方向を決定するための装置であって、該ゴルフクラブシャフトは、ゴルファーによって握持されるための近位端およびゴルフクラブヘッドに取り付けるための遠位端を有し、該装置は:
該ゴルフクラブシャフトの該近位端を固定するためのクランプ;
該ゴルフクラブシャフトの該遠位端に取り付けるための反作用質量物体;
該反作用質量物体を電磁石で誘引することによって該ゴルフクラブシャフトの該遠位端を移動させることおよび該電磁石を作動停止することによって、該ゴルフクラブシャフトの該遠位端の、一定面における振動運動を開始するための振動発生器;
該振動運動を測定するための検出器;
該測定された振動運動を分析するためのアナライザ;および
該分析された振動運動から該好ましい角度方向を計算するための計算機
を備える、装置。
【請求項25】
ゴルフクラブシャフトの特徴を決定するための装置の使用であって、該ゴルフクラブシャフトは、近位端および遠位端ならびに長手方向軸を有し、該装置は、該近位端を固定するため、そして磁石を用いて該遠位端の振動を開始するための手段、および少なくとも2つのエネルギービームを用いて該振動を測定するための手段;該遠位端上に取り付けるための反作用質量物体を備え、該反作用質量物体は:
該遠位端が通って挿入される穴を有する本体;
該少なくとも2つのエネルギービームを反射するための、該長手方向軸に対して個別の斜角の少なくとも2つの表面;および
該磁石を係合するように配置されたさらなる表面を備える、使用。
【請求項26】
構造部材の長手方向軸の周りの該構造部材の好ましい角度方向を決定する方法であって、
該構造部材は、近位端および遠位端を有し、該方法は:
該構造部材の該近位端および該遠位端のうちの第1の端を固定する工程;
該構造部材の該近位端および該遠位端のうちの第2の端の、一定面における振動運動を開始する工程;
該振動運動を測定する工程;
該測定された振動運動を分析する工程;および
該分析された振動運動から該好ましい角度方向を計算する工程
を包含し、該振動運動を測定する工程は:
該構造部材に、該面に対して斜角で少なくとも2つのエネルギー反射表面を提供する工程、
個別のエネルギービームを該反射表面の各々に向ける工程、
該表面の各々から反射された個別の反射ビームを検出する工程、
該検出されたビームから、該振動運動の間の1以上の固定位置からの該表面の距離を計算する工程、および
該計算された距離からの該構造部材の移動を導き出す工程によって行われる、方法。
【請求項27】
前記個別のエネルギービームが、電磁放射ビームである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ビームが、光ビームである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ビームが、レーザービームである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記構造部材の前記近位端および前記遠位端の前記第1の端が該近位端であり;そして
該構造部材の該近位端および該遠位端の前記第2の端が該遠位端であり;
前記方法が、
前記開始する工程の前に反作用質量物体を該遠位端に取り付ける工程
をさらに包含し;
ここで前記反射表面が該反作用質量物体上にある、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
構造部材の長手方向軸の周りの該構造部材の好ましい角度方向を決定する方法であって、
該構造部材は、近位端および遠位端を有し、該方法は:
該構造部材の該近位端を固定する工程;
該構造部材の該遠位端に反作用質量物体を取り付ける工程;
該反作用質量物体を電磁石で誘引することによって該ゴルフクラブシャフトの該遠位端を移動させることおよび該電磁石を作動停止することによって、該構造部材の該遠位端の、一定面における振動運動を開始する工程;
該振動運動を測定する工程;
該測定された振動運動を分析する工程;および
該分析された振動運動から該好ましい角度方向を計算する工程
を包含する、方法。
【請求項32】
構造部材の長手軸の周りの、該構造部材の好ましい角度方向を決定するための装置であっ
て、該構造部材は、近位端および遠位端を有し、該装置は、以下:
該構造部材の近位端および遠位端のうちの一方の第1の端を固定するための手段;
該構造部材の近位端および遠位端のうちの他方の第2の端の、面内振動運動を開始するための手段;
該振動運動を以下:
シャフト上に、少なくとも2つのエネルギー反射表面を、該面に対して斜めの角度で提供すること、
該反射表面の各々においてそれぞれのエネルギービームを指向すること、
該表面の各々から反射されたそれぞれの反射ビームを検出すること、
該振動運動の間の1以上の固定位置からの該表面の距離を、該検出されたビームから計算すること、および
該計算された距離から該シャフトの移動を導き出すこと、
により測定する手段;
該測定された振動運動を分析するための手段;ならびに
該分析された振動運動から該好ましい角度方向を計算する手段、
を備える、装置。
【請求項33】
前記それぞれのエネルギービームが、電磁放射のビームである、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記ビームが光ビームである、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記ビームがレーザービームである、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
請求項33に記載の装置であって、ここで:
前記構造部材の近位端および遠位端のうちの一方の第1の端が、該近位端であり;そして
該構造部材の近位端および遠位端のうちの他方の第2の端が、該遠位端であり;
該装置は、該遠位端上に取り付けるための反作用質量物体をさらに備え;ここで、 前記反射表面が、該反作用質量物体上にある、装置。
【請求項37】
構造部材の長手軸の周りの、該構造部材の好ましい角度方向を決定するための装置であって、該構造部材は、近位端および遠位端を有し、該装置は、以下:
該構造部材の該近位端を固定するための手段;
該構造部材の該遠位端上に取り付けるための反作用質量物体;
該構造部材の該遠位端の面内振動運動を、以下:
該反作用質量物体を電磁石で引きつけることにより該構造部材の該遠位端を移動させること、および
該電磁石を作動停止することにより開始するための手段;
該振動運動を測定するための手段;
該測定された振動運動を分析するための手段;ならびに
該分析された振動運動から、該好ましい角度方向を計算する手段、
を備える、装置。
【請求項38】
構造部材の長手軸の周りの、該構造部材の好ましい角度方向を決定するための装置であって、該構造部材は、近位端および遠位端を有し、該装置は、以下:
該構造部材の近位端および遠位端のうちの一方の第1の端を固定するための、クランプ;
該構造部材の近位端および遠位端のうちの他方の第2の端の、面内振動運動を開始するための、振動発生器;
該振動運動を測定するためのセンサであって、該センサが、以下:
該面に対して斜角の、該シャフト上の少なくとも2つのエネルギー反射表面、
該反射表面の各々においてそれぞれのエネルギービームを指向するためのそれぞれのビーム発生器、
該表面の各々から反射されるそれぞれの反射ビームを検出するためのそれぞれの検出器、および
該振動運動の間に1つ以上の固定された位置からの該表面の距離を、該検出されたビームから計算し、そして該計算された距離から該シャフトの移動を導き出すためのプロセッサ、を備える、センサ;
該測定された振動運動を分析するためのアナライザ;ならびに
該好ましい角度方向を、該分析された振動運動から計算するための計算機、を備える、装置。
【請求項39】
前記それぞれのエネルギービームが、電磁放射のビームである、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記ビームが光ビームである、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記ビームがレーザービームである、請求項40の装置。
【請求項42】
請求項38に記載の装置であって、ここで:
前記構造部材の近位端および遠位端のうちの一方の第1の端が、該近位端であり;そして
該構造部材の近位端および遠位端のうちの他方の第2の端が、該遠位端であり;
該装置は、該遠位端上に取り付けられる反作用質量物体をさらに備え、
該反射表面が、該反作用質量物体上にある、装置。
【請求項43】
構造部材の長手軸の周りの、該構造部材の好ましい角度方向を決定するための装置であって、該構造部材は、近位端および遠位端を有し、該装置は、以下:
該構造部材の該近位端を固定するためのクランプ;
該構造部材の該遠位端上に取り付けるための反作用質量物体;
該構造部材の該遠位端の面内振動運動を、以下:
電磁石を用いて該反作用質量物体を引きつけることにより該構造部材の該遠位端を移動させること、および
該電磁石を作動停止すること、により開始させるための、振動発生器;
該振動運動を測定するための検出器;
該測定された振動運動を分析するためのアナライザ;ならびに
該分析された振動運動から、該好ましい角度方向を計算するための計算機、
を備える、装置。
【請求項44】
構造部材の特性を決定するための装置の使用であって、
該構造部材は、近位端および遠位端ならびに長手軸を有し、該装置は、以下:
該近位端を固定するための手段、および磁石を使用して該遠位端の振動を開始させるための手段、および少なくとも2つのエネルギービームを使用して該振動を測定するための手段;ならびに該遠位端上に取り付けるための反作用質量物体、を有し、該反作用質量物体は、以下:
貫通する孔を有する本体であって、該孔に該遠位端が挿入される、本体;
該長手軸に対してそれぞれの斜角の少なくとも2つの表面であって、該少なくとも2つのエネルギービームを反射するための、表面;および
該磁石を係合するように整列される、さらなる表面、
を備える、使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−11219(P2012−11219A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197766(P2011−197766)
【出願日】平成23年9月11日(2011.9.11)
【分割の表示】特願2009−281026(P2009−281026)の分割
【原出願日】平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願人】(501448705)
【Fターム(参考)】