ゴルフクラブヘッド及びその製造方法
【課題】ソール部及びクラウン部中央付近とフェース部との溶接継目部分の強度が高いと共に、打球音が改変されたゴルフクラブヘッドと、その製造方法を提供する。
【解決手段】ロワーパーツ20のソール部21の前縁部上面に薄板補強片23を溶接する工程と、クラウン部10の前縁部下面に薄板補強片11を溶接する工程と、薄板補強片23を備えたロワーパーツ20に対しフェース部40をロワーパーツ20の内側から溶接する工程と、ホゼル部30を該ロワーパーツ20及びフェース部40に溶接する工程と、薄板補強片11を備えたクラウン部10を該ロワーパーツ20、フェース部40及びホゼル部30に溶接する工程と、クラウン部10、ホゼル部30及びロワーパーツ20とフェース部40とをゴルフクラブヘッド1の外側から溶接する工程と、を有するゴルフクラブヘッドの製造方法。
【解決手段】ロワーパーツ20のソール部21の前縁部上面に薄板補強片23を溶接する工程と、クラウン部10の前縁部下面に薄板補強片11を溶接する工程と、薄板補強片23を備えたロワーパーツ20に対しフェース部40をロワーパーツ20の内側から溶接する工程と、ホゼル部30を該ロワーパーツ20及びフェース部40に溶接する工程と、薄板補強片11を備えたクラウン部10を該ロワーパーツ20、フェース部40及びホゼル部30に溶接する工程と、クラウン部10、ホゼル部30及びロワーパーツ20とフェース部40とをゴルフクラブヘッド1の外側から溶接する工程と、を有するゴルフクラブヘッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の中空ゴルフクラブヘッド及びその製造方法に係り、特にウッド型又はそれに近似した形状のゴルフクラブヘッド及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドライバーやフェアウェーウッドなどのウッド型ゴルフクラブヘッドとして、中空の金属製のものが広く用いられている。一般に、中空のウッド型のゴルフクラブヘッドは、ボールをヒットするためのフェース部と、ゴルフクラブヘッドの上面部を構成するクラウン部と、ゴルフクラブヘッドの底面部を構成するソール部と、ゴルフクラブヘッドのトウ側、バック側及びヒール側の側面部を構成するサイド部と、ホゼル部とを有している。このゴルフクラブヘッドのホゼル部にシャフトが挿入され、接着剤等によって固定される。なお、最近では、ユーティリティクラブと称されるゴルフクラブヘッドも多く市販されており、このユーティリティゴルフクラブヘッドの1種として、上記ウッド型ゴルフクラブヘッドに類似した(即ち、フェース部、ソール部、サイド部、クラウン部及びホゼル部を有した)ゴルフクラブヘッドも各種市販されている。
【0003】
この中空ゴルフクラブヘッドを構成する金属としては、アルミニウム合金、ステンレスやチタン合金が用いられているが、近年は特にチタン合金が広く用いられている。金属製中空ゴルフクラブヘッドを製造する方法として、特開平6−327796の第0008段落には、ソール部及びサイド部を有したヘッド本体にフェース部材を溶接し、次にホゼル部材を溶接し、次にクラウン部材を溶接し、その後仕上げ加工する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−327796
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容積が460cc又はそれに近い大形のゴルフクラブヘッドにあっては、重量を軽減するためにソール部やサイド部、クラウン部の肉厚を小さくすることが多い。
【0006】
このように肉厚が小さいと、ソール部やクラウン部とフェース部とを溶接したときの溶接のヒケにより、ソール部及びクラウン部とフェース部との継目部分の強度が低下するおそれがある。
【0007】
特にソール部及びクラウン部の前縁部のトウ・ヒール方向(ゴルフクラブヘッドとトウ側とヒール側すなわちホゼル部側とを結ぶ方向。飛球線方向と直交方向)の中央付近は、ボールをヒットするフェース部センター領域に近いため、インパクト(ボールヒット)時に大きな応力が生じるので、ソール部及びクラウン部の前縁部の中央付近とフェース部との溶接継目部分は十分な強度が必要である。
【0008】
また、大形のゴルフクラブヘッドでボールをヒットした場合、ソール部やクラウン部の肉厚が小さいと、打球音が鈍くなり、ナイスショットしているにも拘らず、ミスショットしたものと誤認するおそれがある。
【0009】
本発明は、ソール部中央付近とフェース部との溶接継目部分の強度が高いと共に、打球音が改変されたゴルフクラブヘッドと、その製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明(請求項1)のゴルフクラブヘッドは、フェース部、ソール部、サイド部、クラウン部及びホゼル部を有する金属製の中空のゴルフクラブヘッドにおいて、該ソール部の前縁部上面及び該クラウン部の前縁部下面のトウ・ヒール方向の中央付近に、各々の前縁部に沿って延在する薄板補強片が溶接され、該薄板補強片が前記フェース部に溶接されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2のゴルフクラブヘッドは、請求項1において、ソール部の厚さが0.8〜1.5mmであり、ソール部の薄板補強片の厚さが0.8〜1.5mmであり、該クラウン部の厚さが0.6〜1.2mmであり、クラウン部の薄板補強片の厚さが0.8〜1.5mmであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3のゴルフクラブヘッドは、請求項1又は2において、該ソール部の薄板補強片は、トウ・ヒール方向の長さが20〜50mmであり、飛球線方向の長さが6〜20mmであり、該クラウン部の薄板補強片は、トウ・ヒール方向の長さが20〜50mmであり、飛球線方向の長さが6〜20mmであることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4のゴルフクラブヘッドは、請求項1ないし3のいずれか1項において、ソール部及びサイド部が一体となったロワーパーツに対しフェース部、ホゼル部及びクラウン部が溶接されていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明(請求項5)のゴルフクラブヘッドの製造方法は、請求項4に記載のゴルフクラブヘッドを製造する方法であって、前記ソール部の前縁部上面に前記薄板補強片を溶接する工程と、前記クラウン部の前縁部の下面に前記薄板補強片を溶接する工程と、薄板補強片を備えたロワーパーツに対しフェース部をロワーパーツ内側から溶接する工程と、ホゼル部を該ロワーパーツ及びフェース部に溶接する工程と、薄板補強片を備えたクラウン部を該ロワーパーツ、フェース部及びホゼル部に溶接する工程と、クラウン部及びロワーパーツとフェース部とをゴルフクラブヘッドの外側から溶接する工程と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によって提供されるゴルフクラブヘッドは、ソール部の前縁部上面及びクラウン部の前縁部下面のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片が溶接されている。この薄板補強片はトウ・ヒール方向に延在している。ソール部及びクラウン部のトウ・ヒール方向中央付近にあっては薄板補強片もフェース部に溶接されるので、これらの部分が補強される。また、溶接のヒケがソール部又はクラウン部それ自体に殆ど作用せず、ソール部及びクラウン部の中央付近とフェース部との溶接強度が高い。
【0016】
また、ソール部及びクラウン部の前縁部のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片が存在するので、薄板補強片が無い場合に比べてソール部及びクラウン部の固有振動数が変化し、インパクト時の打球音が改変される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)図は実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図、(b)図は(a)図のB−B線断面図である。
【図2】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
【図3】図2のIII部分の拡大図である。
【図4】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図5】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図6】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図7】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図8】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドを前後方向に縦断し、若干後方からゴルフクラブヘッドの内部を見た状態の断面図である。
【図9】別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図10】別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図11】別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図12】別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図13】別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、第1図〜第8図を参照して実施の形態に係るゴルフクラブヘッド及びその製造方法について説明する。
【0019】
第1図の通り、このゴルフクラブヘッド1は、クラウン部10と、ロワーパーツ20と、ホゼル部30と、フェース部40とを溶接して一体化したものである。第2図の通り、ロワーパーツ20は、ソール部21と、該ソール部21から立ち上がるサイド部22とを有する。サイド部22はトウ側からバック側を通ってヒール側にまで連続している。
【0020】
ホゼル部30は、略鐘形状のスカート部31と、該スカート部31から上方及び下方に突出するカラム32とを有する。カラム32の内周面のうち下端近傍には、小径の段部32a(第1図(b))が設けられている。シャフト(図示略)がこの段部32aに突き当るまでホゼル部30内に差し込まれ、接着剤で固定される。この実施の形態では、ホゼル部30は、カラム32の下端がソール部21にまで達しないように設けられているが、ソール部21にまで達するように設けられてもよい。
【0021】
これらのクラウン部10、ロワーパーツ20、ホゼル部30及びフェース部40と、次に説明する薄板補強片11,23は、それぞれチタン又はチタン合金を用いて鋳造、鍛造あるいはプレス成形等によって製造される。薄板補強片11,23は、板材を切断加工することにより製造されてもよい。ソール部21や薄板補強片11,23は、純チタン、Ti−3AL−2.5V、Ti−1.5Alなど、冷間加工性の良い材料が好ましい。ソール部21は、特に商標ロゴや模様の凹凸をつけるため、通常使うTi−6Al−4Vよりも加工性が良いことが望ましい。
【0022】
クラウン部10の前縁部下面のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片11が溶接により固着されている。薄板補強片11は、この実施の形態ではスポット溶接によりクラウン部10に固着されている。このスポット溶接の位置は、薄板補強片11の長手方向に間隔をおいてに複数個所配置されることが好ましい。薄板補強片11は、その前縁部がクラウン部10の前縁部に合致されるように配置されている。
【0023】
ロワーパーツ20のソール部21の前縁部上面のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片23が溶接により固着されている。薄板補強片23は、その前縁部がロワーパーツ20の前縁部に合致するように配置されている。薄板補強片23は、この実施の形態ではスポット溶接によってソール部21に溶接されており、第3図の符号23wはこの溶接痕を示している。
【0024】
この実施の形態では、ゴルフクラブヘッド1は、ロフト角が7〜15°のドライバー用ゴルフクラブヘッドである。
【0025】
クラウン部10の厚さは0.6〜1.2mm特に0.6〜1.0mmが好適である。クラウン部10の薄板補強片11の厚さは0.8〜1.5mm特に1.0〜1.2mmが好適である。薄板補強片11のトウ・ヒール方向の長さは20〜50mm特に25〜35mmが好適であり、飛球線方向の長さ(フェース面と直交方向の長さ(幅))は6〜20mm特に8〜12mmが好適である。
【0026】
ソール部21の厚さは0.8〜1.5mm特に0.8〜1.1mmが好適である。薄板補強片23の厚さは0.8〜1.5mm特に1.0〜1.2mmが好適である。薄板補強片23のトウ・ヒール方向の長さは20〜50mm特に25〜40mmが好適であり、飛球線方向の長さ(フェース面と直交方向の長さ(幅))は6〜20mm特に8〜12mmが好適である。なお、ソール部21の薄板補強片23のトウ・ヒール方向の長さがクラウン部10の薄板補強片11のトウ・ヒール方向の長さよりも大きいことが好ましい。
【0027】
ゴルフクラブヘッド1を製造するには、まず第5図のようにクラウン部10の前縁部の下面に薄板補強片11の複数箇所をスポット溶接する。また、第4図のようにロワーパーツ20のソール部21の前縁部上面に薄板補強片23の複数箇所をスポット溶接し、第3図の状態とする。次にフェース部40をロワーパーツ20に当接させ、ロワーパーツ20の内側から、即ちフェース部40の背面側からアルゴンガスを吹き付けながらTIG溶接してロワーパーツ20とフェース部40とを一体化して第6図に示す状態とする。第8図の符号51は、このロワーパーツ20とフェース部40とを内側から溶融したときに生じた溶接金属を示している。この溶接金属51は、薄板補強片23の上側の前縁部を通っており、この溶接金属51によって薄板補強片23を含めてソール部21がフェース部40に溶接されている。
【0028】
次に、第6図の通り、ロワーパーツ20及びフェース部40の上縁に対しホゼル部30のスカート部31を当接させ、ライ角を調整しながらスカート部31をロワーパーツ20及びフェース部40の上縁にアルゴンガスを吹き付けながらTIG溶接して第7図の状態とする。このときの溶接は、ロワーパーツ20の内側及び外側の双方から行うのが好ましい。
【0029】
次に、クラウン部10をロワーパーツ20及びフェース部40の上側に重ねると共にホゼル部30のスカート部31に当接させ、ゴルフクラブヘッド1の外側からアルゴンガスを吹き付けながらTIG溶接を行ってクラウン部10をロワーパーツ20、フェース部40及びスカート部31に溶接する。このときに、併せてフェース部40の全周について外側からアルゴンガスを吹き付けながらTIG溶接する。この溶接により、フェース部40の全周がロワーパーツ20に対し再度溶接される。なお、このフェース部40の全周の溶接に際して、薄板補強片11,23のフェース側は、ヘッドの外側から内側に溶接ビードを形成させながら、全体的に溶接される。
【0030】
第8図の符号52はロワーパーツ20とクラウン部10との溶接金属を示し、53はクラウン部10とスカート部31との溶接金属を示し、54はクラウン部10とフェース部40との溶接金属を示している。なお、クラウン部10の前縁部の中央付近にあっては、薄板補強片11もフェース部40に溶接される。
【0031】
このように、クラウン部10、ロワーパーツ20、ホゼル部30及びフェース部40を溶接した後は、必要に応じ各種の研磨、塗装等の仕上げ処理を施して製品ゴルフクラブヘッドとされる。
【0032】
このように構成されたゴルフクラブヘッド1にあっては、ロワーパーツ20の前縁部上面のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片23がスポット溶接され、フェース部40の下縁の中央付近はこの薄板補強片23に溶接されている。従って、薄板補強片23を設けたソール部21の前縁部中央付近では、フェース部40をソール部21に溶接したときの溶接のヒケがソール部21に殆ど影響せず、ソール部21の前縁部の中央付近とフェース部40との溶接強度が高い。また、クラウン部10の前縁部下面のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片11がスポット溶接されている。そして、フェース部40の上縁の中央付近はこの薄板補強片11にも溶接されている。薄板補強片11を設けたクラウン部10の前縁部中央付近では、フェース部40をクラウン部10に溶接したときの溶接のヒケがクラウン部10自体に殆ど影響せず、クラウン部10の前縁部の中央付近とフェース部40との溶接強度が高い。
【0033】
加えて、薄板補強片11,23を設けたことにより、ソール部21及びクラウン部10の前縁部中央付近の強度が高い。また、クラウン部10及びソール部21の固有振動数がそれらを設けない場合に比べて変化する。そのため、薄板補強片11,23を設けることにより打球音が改変される。
【0034】
このゴルフクラブヘッド1は、クラウン部10及びソール部21の厚みが小さく、薄板補強片11,23はクラウン部10及びソール部21の前縁部の中央付近にのみ設けられているので、薄板補強片11,23を設けてもゴルフクラブヘッド1の重量増加は極く僅かである。また、この薄板補強片11,23の飛球線方向の幅が小さいので、ゴルフクラブヘッド1の重心深度が浅くなることも殆どない。
【0035】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の態様とされてもよい。例えば、クラウン側の薄板補強片11のトウ・ヒール方向の長さをソール側の薄板補強片23のトウ・ヒール方向の長さよりも短くしてもよい。このようにすれば、ゴルフクラブヘッド1の重心の高さが高くなることが防止され、薄板補強片11,23の重量の影響が小さくなる。また、ソール側の薄板補強片23とソール部21との間に隙間を空けてもよい。このようにすると、スポット溶接を部分的に複数箇所行うことと相まって、溶接時の放熱性が良くなる。上記実施の形態ではTIG溶接を行っているが、プラズマ溶接などを採用してもよい。
【0036】
薄板補強片11,23は、図示以外の形状とされてもよい。その一例を第9図〜第13図に示す。第9図は、後方ほどトウ・ヒール方向の長さが短くなる台形の薄板補強片23Aを示している。薄板補強片11も同様の形状としてもよい。
【0037】
第10図は、打ち抜き部23aと切欠部23bを設けた薄板補強片23Bを示している。打ち抜き部23aは、薄板補強片23Bの長手方向に延在する長孔よりなる。なお、複数の打ち抜き部を設けてもよい。切欠部23bは、薄板補強片23Bの両端側の短辺部に設けられている。薄板補強片11も同様の形状としてもよい。
【0038】
この第9図、第10図の薄板補強片23A,23Bは、上記薄板補強片23に比べて軽量である。
【0039】
第11図及び第12図は、後辺に複数個の切り欠き部23c,11aを設けた薄板補強片23C,11Aを示している。この薄板補強片23C,11Aは、薄板補強片23,11に比べて軽量であると共に、切り欠き部23c,11aを設けたことにより、ソール部21やクラウン部10に沿った湾曲形状に変形させ易い。なお、切り欠き部23c,11aは図示のように方形であるものに限定されず、三角形、半円形、半楕円形など各種形状としうる。
【0040】
第13図は、後方に向って凸となる三角形状の薄板補強片11Bを示している。この薄板補強片11Bは薄板補強片11に比べて軽量である。この薄板補強片11Bは三角形状であるが、前述の第9図のように台形であってもよく、円弧形、楕円弧形などであってもよい。
【0041】
図示は省略するが、第9図、第10図、第13図等の薄板補強片においても第11,12図のように後辺部に切り欠き部を設けてもよい。また、第10〜12図においても、台形等としてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 ゴルフクラブヘッド
10 クラウン部
11,11A,11B 薄板補強片
20 ロワーパーツ
21 ソール部
22 サイド部
23,23A,23B,23C 薄板補強片
30 ホゼル部
40 フェース部
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の中空ゴルフクラブヘッド及びその製造方法に係り、特にウッド型又はそれに近似した形状のゴルフクラブヘッド及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドライバーやフェアウェーウッドなどのウッド型ゴルフクラブヘッドとして、中空の金属製のものが広く用いられている。一般に、中空のウッド型のゴルフクラブヘッドは、ボールをヒットするためのフェース部と、ゴルフクラブヘッドの上面部を構成するクラウン部と、ゴルフクラブヘッドの底面部を構成するソール部と、ゴルフクラブヘッドのトウ側、バック側及びヒール側の側面部を構成するサイド部と、ホゼル部とを有している。このゴルフクラブヘッドのホゼル部にシャフトが挿入され、接着剤等によって固定される。なお、最近では、ユーティリティクラブと称されるゴルフクラブヘッドも多く市販されており、このユーティリティゴルフクラブヘッドの1種として、上記ウッド型ゴルフクラブヘッドに類似した(即ち、フェース部、ソール部、サイド部、クラウン部及びホゼル部を有した)ゴルフクラブヘッドも各種市販されている。
【0003】
この中空ゴルフクラブヘッドを構成する金属としては、アルミニウム合金、ステンレスやチタン合金が用いられているが、近年は特にチタン合金が広く用いられている。金属製中空ゴルフクラブヘッドを製造する方法として、特開平6−327796の第0008段落には、ソール部及びサイド部を有したヘッド本体にフェース部材を溶接し、次にホゼル部材を溶接し、次にクラウン部材を溶接し、その後仕上げ加工する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−327796
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容積が460cc又はそれに近い大形のゴルフクラブヘッドにあっては、重量を軽減するためにソール部やサイド部、クラウン部の肉厚を小さくすることが多い。
【0006】
このように肉厚が小さいと、ソール部やクラウン部とフェース部とを溶接したときの溶接のヒケにより、ソール部及びクラウン部とフェース部との継目部分の強度が低下するおそれがある。
【0007】
特にソール部及びクラウン部の前縁部のトウ・ヒール方向(ゴルフクラブヘッドとトウ側とヒール側すなわちホゼル部側とを結ぶ方向。飛球線方向と直交方向)の中央付近は、ボールをヒットするフェース部センター領域に近いため、インパクト(ボールヒット)時に大きな応力が生じるので、ソール部及びクラウン部の前縁部の中央付近とフェース部との溶接継目部分は十分な強度が必要である。
【0008】
また、大形のゴルフクラブヘッドでボールをヒットした場合、ソール部やクラウン部の肉厚が小さいと、打球音が鈍くなり、ナイスショットしているにも拘らず、ミスショットしたものと誤認するおそれがある。
【0009】
本発明は、ソール部中央付近とフェース部との溶接継目部分の強度が高いと共に、打球音が改変されたゴルフクラブヘッドと、その製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明(請求項1)のゴルフクラブヘッドは、フェース部、ソール部、サイド部、クラウン部及びホゼル部を有する金属製の中空のゴルフクラブヘッドにおいて、該ソール部の前縁部上面及び該クラウン部の前縁部下面のトウ・ヒール方向の中央付近に、各々の前縁部に沿って延在する薄板補強片が溶接され、該薄板補強片が前記フェース部に溶接されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2のゴルフクラブヘッドは、請求項1において、ソール部の厚さが0.8〜1.5mmであり、ソール部の薄板補強片の厚さが0.8〜1.5mmであり、該クラウン部の厚さが0.6〜1.2mmであり、クラウン部の薄板補強片の厚さが0.8〜1.5mmであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3のゴルフクラブヘッドは、請求項1又は2において、該ソール部の薄板補強片は、トウ・ヒール方向の長さが20〜50mmであり、飛球線方向の長さが6〜20mmであり、該クラウン部の薄板補強片は、トウ・ヒール方向の長さが20〜50mmであり、飛球線方向の長さが6〜20mmであることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4のゴルフクラブヘッドは、請求項1ないし3のいずれか1項において、ソール部及びサイド部が一体となったロワーパーツに対しフェース部、ホゼル部及びクラウン部が溶接されていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明(請求項5)のゴルフクラブヘッドの製造方法は、請求項4に記載のゴルフクラブヘッドを製造する方法であって、前記ソール部の前縁部上面に前記薄板補強片を溶接する工程と、前記クラウン部の前縁部の下面に前記薄板補強片を溶接する工程と、薄板補強片を備えたロワーパーツに対しフェース部をロワーパーツ内側から溶接する工程と、ホゼル部を該ロワーパーツ及びフェース部に溶接する工程と、薄板補強片を備えたクラウン部を該ロワーパーツ、フェース部及びホゼル部に溶接する工程と、クラウン部及びロワーパーツとフェース部とをゴルフクラブヘッドの外側から溶接する工程と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によって提供されるゴルフクラブヘッドは、ソール部の前縁部上面及びクラウン部の前縁部下面のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片が溶接されている。この薄板補強片はトウ・ヒール方向に延在している。ソール部及びクラウン部のトウ・ヒール方向中央付近にあっては薄板補強片もフェース部に溶接されるので、これらの部分が補強される。また、溶接のヒケがソール部又はクラウン部それ自体に殆ど作用せず、ソール部及びクラウン部の中央付近とフェース部との溶接強度が高い。
【0016】
また、ソール部及びクラウン部の前縁部のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片が存在するので、薄板補強片が無い場合に比べてソール部及びクラウン部の固有振動数が変化し、インパクト時の打球音が改変される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)図は実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図、(b)図は(a)図のB−B線断面図である。
【図2】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
【図3】図2のIII部分の拡大図である。
【図4】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図5】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図6】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図7】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図8】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドを前後方向に縦断し、若干後方からゴルフクラブヘッドの内部を見た状態の断面図である。
【図9】別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図10】別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図11】別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図12】別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【図13】別の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、第1図〜第8図を参照して実施の形態に係るゴルフクラブヘッド及びその製造方法について説明する。
【0019】
第1図の通り、このゴルフクラブヘッド1は、クラウン部10と、ロワーパーツ20と、ホゼル部30と、フェース部40とを溶接して一体化したものである。第2図の通り、ロワーパーツ20は、ソール部21と、該ソール部21から立ち上がるサイド部22とを有する。サイド部22はトウ側からバック側を通ってヒール側にまで連続している。
【0020】
ホゼル部30は、略鐘形状のスカート部31と、該スカート部31から上方及び下方に突出するカラム32とを有する。カラム32の内周面のうち下端近傍には、小径の段部32a(第1図(b))が設けられている。シャフト(図示略)がこの段部32aに突き当るまでホゼル部30内に差し込まれ、接着剤で固定される。この実施の形態では、ホゼル部30は、カラム32の下端がソール部21にまで達しないように設けられているが、ソール部21にまで達するように設けられてもよい。
【0021】
これらのクラウン部10、ロワーパーツ20、ホゼル部30及びフェース部40と、次に説明する薄板補強片11,23は、それぞれチタン又はチタン合金を用いて鋳造、鍛造あるいはプレス成形等によって製造される。薄板補強片11,23は、板材を切断加工することにより製造されてもよい。ソール部21や薄板補強片11,23は、純チタン、Ti−3AL−2.5V、Ti−1.5Alなど、冷間加工性の良い材料が好ましい。ソール部21は、特に商標ロゴや模様の凹凸をつけるため、通常使うTi−6Al−4Vよりも加工性が良いことが望ましい。
【0022】
クラウン部10の前縁部下面のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片11が溶接により固着されている。薄板補強片11は、この実施の形態ではスポット溶接によりクラウン部10に固着されている。このスポット溶接の位置は、薄板補強片11の長手方向に間隔をおいてに複数個所配置されることが好ましい。薄板補強片11は、その前縁部がクラウン部10の前縁部に合致されるように配置されている。
【0023】
ロワーパーツ20のソール部21の前縁部上面のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片23が溶接により固着されている。薄板補強片23は、その前縁部がロワーパーツ20の前縁部に合致するように配置されている。薄板補強片23は、この実施の形態ではスポット溶接によってソール部21に溶接されており、第3図の符号23wはこの溶接痕を示している。
【0024】
この実施の形態では、ゴルフクラブヘッド1は、ロフト角が7〜15°のドライバー用ゴルフクラブヘッドである。
【0025】
クラウン部10の厚さは0.6〜1.2mm特に0.6〜1.0mmが好適である。クラウン部10の薄板補強片11の厚さは0.8〜1.5mm特に1.0〜1.2mmが好適である。薄板補強片11のトウ・ヒール方向の長さは20〜50mm特に25〜35mmが好適であり、飛球線方向の長さ(フェース面と直交方向の長さ(幅))は6〜20mm特に8〜12mmが好適である。
【0026】
ソール部21の厚さは0.8〜1.5mm特に0.8〜1.1mmが好適である。薄板補強片23の厚さは0.8〜1.5mm特に1.0〜1.2mmが好適である。薄板補強片23のトウ・ヒール方向の長さは20〜50mm特に25〜40mmが好適であり、飛球線方向の長さ(フェース面と直交方向の長さ(幅))は6〜20mm特に8〜12mmが好適である。なお、ソール部21の薄板補強片23のトウ・ヒール方向の長さがクラウン部10の薄板補強片11のトウ・ヒール方向の長さよりも大きいことが好ましい。
【0027】
ゴルフクラブヘッド1を製造するには、まず第5図のようにクラウン部10の前縁部の下面に薄板補強片11の複数箇所をスポット溶接する。また、第4図のようにロワーパーツ20のソール部21の前縁部上面に薄板補強片23の複数箇所をスポット溶接し、第3図の状態とする。次にフェース部40をロワーパーツ20に当接させ、ロワーパーツ20の内側から、即ちフェース部40の背面側からアルゴンガスを吹き付けながらTIG溶接してロワーパーツ20とフェース部40とを一体化して第6図に示す状態とする。第8図の符号51は、このロワーパーツ20とフェース部40とを内側から溶融したときに生じた溶接金属を示している。この溶接金属51は、薄板補強片23の上側の前縁部を通っており、この溶接金属51によって薄板補強片23を含めてソール部21がフェース部40に溶接されている。
【0028】
次に、第6図の通り、ロワーパーツ20及びフェース部40の上縁に対しホゼル部30のスカート部31を当接させ、ライ角を調整しながらスカート部31をロワーパーツ20及びフェース部40の上縁にアルゴンガスを吹き付けながらTIG溶接して第7図の状態とする。このときの溶接は、ロワーパーツ20の内側及び外側の双方から行うのが好ましい。
【0029】
次に、クラウン部10をロワーパーツ20及びフェース部40の上側に重ねると共にホゼル部30のスカート部31に当接させ、ゴルフクラブヘッド1の外側からアルゴンガスを吹き付けながらTIG溶接を行ってクラウン部10をロワーパーツ20、フェース部40及びスカート部31に溶接する。このときに、併せてフェース部40の全周について外側からアルゴンガスを吹き付けながらTIG溶接する。この溶接により、フェース部40の全周がロワーパーツ20に対し再度溶接される。なお、このフェース部40の全周の溶接に際して、薄板補強片11,23のフェース側は、ヘッドの外側から内側に溶接ビードを形成させながら、全体的に溶接される。
【0030】
第8図の符号52はロワーパーツ20とクラウン部10との溶接金属を示し、53はクラウン部10とスカート部31との溶接金属を示し、54はクラウン部10とフェース部40との溶接金属を示している。なお、クラウン部10の前縁部の中央付近にあっては、薄板補強片11もフェース部40に溶接される。
【0031】
このように、クラウン部10、ロワーパーツ20、ホゼル部30及びフェース部40を溶接した後は、必要に応じ各種の研磨、塗装等の仕上げ処理を施して製品ゴルフクラブヘッドとされる。
【0032】
このように構成されたゴルフクラブヘッド1にあっては、ロワーパーツ20の前縁部上面のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片23がスポット溶接され、フェース部40の下縁の中央付近はこの薄板補強片23に溶接されている。従って、薄板補強片23を設けたソール部21の前縁部中央付近では、フェース部40をソール部21に溶接したときの溶接のヒケがソール部21に殆ど影響せず、ソール部21の前縁部の中央付近とフェース部40との溶接強度が高い。また、クラウン部10の前縁部下面のトウ・ヒール方向の中央付近に薄板補強片11がスポット溶接されている。そして、フェース部40の上縁の中央付近はこの薄板補強片11にも溶接されている。薄板補強片11を設けたクラウン部10の前縁部中央付近では、フェース部40をクラウン部10に溶接したときの溶接のヒケがクラウン部10自体に殆ど影響せず、クラウン部10の前縁部の中央付近とフェース部40との溶接強度が高い。
【0033】
加えて、薄板補強片11,23を設けたことにより、ソール部21及びクラウン部10の前縁部中央付近の強度が高い。また、クラウン部10及びソール部21の固有振動数がそれらを設けない場合に比べて変化する。そのため、薄板補強片11,23を設けることにより打球音が改変される。
【0034】
このゴルフクラブヘッド1は、クラウン部10及びソール部21の厚みが小さく、薄板補強片11,23はクラウン部10及びソール部21の前縁部の中央付近にのみ設けられているので、薄板補強片11,23を設けてもゴルフクラブヘッド1の重量増加は極く僅かである。また、この薄板補強片11,23の飛球線方向の幅が小さいので、ゴルフクラブヘッド1の重心深度が浅くなることも殆どない。
【0035】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の態様とされてもよい。例えば、クラウン側の薄板補強片11のトウ・ヒール方向の長さをソール側の薄板補強片23のトウ・ヒール方向の長さよりも短くしてもよい。このようにすれば、ゴルフクラブヘッド1の重心の高さが高くなることが防止され、薄板補強片11,23の重量の影響が小さくなる。また、ソール側の薄板補強片23とソール部21との間に隙間を空けてもよい。このようにすると、スポット溶接を部分的に複数箇所行うことと相まって、溶接時の放熱性が良くなる。上記実施の形態ではTIG溶接を行っているが、プラズマ溶接などを採用してもよい。
【0036】
薄板補強片11,23は、図示以外の形状とされてもよい。その一例を第9図〜第13図に示す。第9図は、後方ほどトウ・ヒール方向の長さが短くなる台形の薄板補強片23Aを示している。薄板補強片11も同様の形状としてもよい。
【0037】
第10図は、打ち抜き部23aと切欠部23bを設けた薄板補強片23Bを示している。打ち抜き部23aは、薄板補強片23Bの長手方向に延在する長孔よりなる。なお、複数の打ち抜き部を設けてもよい。切欠部23bは、薄板補強片23Bの両端側の短辺部に設けられている。薄板補強片11も同様の形状としてもよい。
【0038】
この第9図、第10図の薄板補強片23A,23Bは、上記薄板補強片23に比べて軽量である。
【0039】
第11図及び第12図は、後辺に複数個の切り欠き部23c,11aを設けた薄板補強片23C,11Aを示している。この薄板補強片23C,11Aは、薄板補強片23,11に比べて軽量であると共に、切り欠き部23c,11aを設けたことにより、ソール部21やクラウン部10に沿った湾曲形状に変形させ易い。なお、切り欠き部23c,11aは図示のように方形であるものに限定されず、三角形、半円形、半楕円形など各種形状としうる。
【0040】
第13図は、後方に向って凸となる三角形状の薄板補強片11Bを示している。この薄板補強片11Bは薄板補強片11に比べて軽量である。この薄板補強片11Bは三角形状であるが、前述の第9図のように台形であってもよく、円弧形、楕円弧形などであってもよい。
【0041】
図示は省略するが、第9図、第10図、第13図等の薄板補強片においても第11,12図のように後辺部に切り欠き部を設けてもよい。また、第10〜12図においても、台形等としてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 ゴルフクラブヘッド
10 クラウン部
11,11A,11B 薄板補強片
20 ロワーパーツ
21 ソール部
22 サイド部
23,23A,23B,23C 薄板補強片
30 ホゼル部
40 フェース部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェース部、ソール部、サイド部、クラウン部及びホゼル部を有する金属製の中空のゴルフクラブヘッドにおいて、
該ソール部の前縁部上面及び該クラウン部の前縁部下面のトウ・ヒール方向の中央付近に、各々の前縁部に沿って延在する薄板補強片が溶接され、
該薄板補強片が前記フェース部に溶接されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
請求項1において、ソール部の厚さが0.8〜1.5mmであり、ソール部の薄板補強片の厚さが0.8〜1.5mmであり、該クラウン部の厚さが0.6〜1.2mmであり、クラウン部の薄板補強片の厚さが0.8〜1.5mmであることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
請求項1又は2において、該ソール部の薄板補強片は、トウ・ヒール方向の長さが20〜50mmであり、飛球線方向の長さが6〜20mmであり、
該クラウン部の薄板補強片は、トウ・ヒール方向の長さが20〜50mmであり、飛球線方向の長さが6〜20mmであることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、ソール部及びサイド部が一体となったロワーパーツに対しフェース部、ホゼル部及びクラウン部が溶接されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載のゴルフクラブヘッドを製造する方法であって、
前記ソール部の前縁部上面に前記薄板補強片を溶接する工程と、
前記クラウン部の前縁部の下面に前記薄板補強片を溶接する工程と、
薄板補強片を備えたロワーパーツに対しフェース部をロワーパーツ内側から溶接する工程と、
ホゼル部を該ロワーパーツ及びフェース部に溶接する工程と、
薄板補強片を備えたクラウン部を該ロワーパーツ、フェース部及びホゼル部に溶接する工程と、
クラウン部及びロワーパーツとフェース部とをゴルフクラブヘッドの外側から溶接する工程と、
を有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方法。
【請求項1】
フェース部、ソール部、サイド部、クラウン部及びホゼル部を有する金属製の中空のゴルフクラブヘッドにおいて、
該ソール部の前縁部上面及び該クラウン部の前縁部下面のトウ・ヒール方向の中央付近に、各々の前縁部に沿って延在する薄板補強片が溶接され、
該薄板補強片が前記フェース部に溶接されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
請求項1において、ソール部の厚さが0.8〜1.5mmであり、ソール部の薄板補強片の厚さが0.8〜1.5mmであり、該クラウン部の厚さが0.6〜1.2mmであり、クラウン部の薄板補強片の厚さが0.8〜1.5mmであることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
請求項1又は2において、該ソール部の薄板補強片は、トウ・ヒール方向の長さが20〜50mmであり、飛球線方向の長さが6〜20mmであり、
該クラウン部の薄板補強片は、トウ・ヒール方向の長さが20〜50mmであり、飛球線方向の長さが6〜20mmであることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、ソール部及びサイド部が一体となったロワーパーツに対しフェース部、ホゼル部及びクラウン部が溶接されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載のゴルフクラブヘッドを製造する方法であって、
前記ソール部の前縁部上面に前記薄板補強片を溶接する工程と、
前記クラウン部の前縁部の下面に前記薄板補強片を溶接する工程と、
薄板補強片を備えたロワーパーツに対しフェース部をロワーパーツ内側から溶接する工程と、
ホゼル部を該ロワーパーツ及びフェース部に溶接する工程と、
薄板補強片を備えたクラウン部を該ロワーパーツ、フェース部及びホゼル部に溶接する工程と、
クラウン部及びロワーパーツとフェース部とをゴルフクラブヘッドの外側から溶接する工程と、
を有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−75827(P2012−75827A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226732(P2010−226732)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(592014104)ブリヂストンスポーツ株式会社 (652)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(592014104)ブリヂストンスポーツ株式会社 (652)
【Fターム(参考)】
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