説明

ゴルフクラブ

【課題】すでにあるフェアウェイウッドのゴルフクラブと比較して、増加した慣性モーメントと、低重心を組み込む。
【解決手段】ゴルフクラブヘッド2は、内部空洞を画定するボディ10を含む。該ボディは、前記ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソール14と、頂部に配設されるクラウンと、前記ソールと前記クラウンとの間の外面周囲に配設されるスカート16とを含む。前記ボディは、前部および後部を有する。前記クラブヘッドは、前記ボディの該前部に配設されるフェース18を含む。該フェースは、前記ゴルフクラブヘッドの基点で理想的なインパクト位置を有する打撃面を画定する。前記クラブヘッドの一部の実施形態は、高い慣性モーメント、低重心、および薄型のクラウンを有するフェアウェイウッドのためのクラブヘッドを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ゴルフクラブヘッド、より詳しくは、クラブヘッドの質量慣性モーメントと、重心位置との間の特異な関係を有する、ゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
重心(CG)および質量慣性モーメントは、いくつかある特性の中で特に、ゴルフボールとのインパクトによる、発射角度および飛行軌道等のゴルフクラブヘッドの性能に大きな影響を与える。
【0003】
質量慣性モーメントは、例えばゴルフボールとのインパクトによるゴルフクラブヘッドの重心周囲のねじれに対するクラブヘッドの耐性の大きさである。概して、所定の軸周囲の質量慣性モーメントは、軸からの質量の距離の2乗に比例する。つまり、所定の軸からの質量の距離の増加は、その軸周囲の質量慣性モーメントの増加をもたらす。より高いゴルフクラブヘッドの慣性モーメントは、ゴルフボールとのインパクト、特に、例えば「ミスヒット」等のゴルフボールとの「オフセンター」のインパクトによるゴルフクラブヘッドの回転の減少をもたらす。ミスヒットに反応したより低い回転は、クラブヘッドが寛容であるというプレイヤーの認識をもたらす。概して、「寛容度」の一測定は、ミスヒット、例えばゴルフクラブヘッド上の理想的ではないインパクト位置で、ゴルフボールを打つことから起こるヒットの飛行軌道、およびショット距離に対する影響を軽減するゴルフクラブヘッドの能力として定義することができる。ゴルフクラブヘッドのより大きい寛容度は、概して、ストレートなゴルフショットを打つ、より高い確率に等しい。さらに、より高い慣性モーメントは、通常、ゴルフボールとのインパクトによって、より大きいボールスピードをもたらし、それは、ゴルフショット距離の増加につながることができる。
【0004】
United States Golf Association(USGA)規定は、ゴルフクラブヘッドの形状、サイズおよび他の特性を制約する。USGA規定の最新版によると、ゴルフクラブヘッドは、とりわけ従来の慣習的な形状を有し、最大包絡寸法(最大2.8inchのソールからクラウンの高さ、最大5.0inchのヒールからトウの長さ、および実際のヒールからトウの長さ未満の、フェースからバックの幅)以下の包絡寸法を有し、最大460cmのヘッドの体積以下の体積を有しなければならない。460cmのこの最大体積拘束は、最大包絡寸法の体積をはるかに下回ることに留意すべきである。
【0005】
記載されるもののような制約に直面して、ゴルフクラブの製造者は、別のものを犠牲にして、1つの性能特性を改善させることを選択しなければならない場合が多い。例えば、望ましいCG位置よりも高いCG位置、およびクラブヘッドの高さの増加を招くと同時に、寛容度を助長するために、慣性モーメントの増加を提供する従来のゴルフクラブヘッドもある。高いCGおよび/または大きい高さを有するクラブヘッドは、ドライバーと同様に芝生から打つときではなく、ティー上に置かれるボールを打つとき、よい性能を示す可能性がある。したがって、寛容度のための慣性モーメントの増加を提供する従来のゴルフクラブヘッドは、多くの場合、フェアウェイウッドのクラブヘッドほどの優れた性能を示さない。
【0006】
従来のフェアウェイウッドのクラブヘッドは、概して、低いCGを有するが、かかるクラブは、通常、対応して低い質量慣性モーメントにも悩まされる。それらの低いCGのため、従来のフェアウェイウッドのクラブヘッドは、クラブヘッドが、ボール打撃フェース上の理想的なインパクト位置で、またはその近くでボールを打つとき、許容範囲の発射角度および飛行軌道を提供する。しかし、それらの低い質量慣性モーメントによって、従来のフェアウェイウッドのクラブヘッドは、高い慣性モーメントを有するクラブヘッドよりも、寛容性が低く、それは従来ドライバーであった。すでに述べたように、増加した質量慣性モーメントを有し、したがって、より寛容である従来のゴルフクラブヘッドは、それらの高いCGによって、フェアウェイウッドとしての使用に適していなかった。
【0007】
したがって、今日まで、ゴルフクラブの設計者および製造者は、寛容度の改善のための高い慣性モーメント、および芝生上に置かれるボールを打つための低重心を有するUSGA準拠のゴルフクラブヘッドを提供してこなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ゴルフクラブヘッドの、先述のおよび他の機能、ならびに有利点は、以下の詳細な説明からより明らかとなり、それは、添付の図面を参照して進められる。
以下は、すでにあるフェアウェイウッドのゴルフクラブヘッドと比較して、増加した慣性モーメントと、低重心を組み込む、フェアウェイウッドのためのゴルフクラブヘッドの実施形態を記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下は、本願の一部を成す添付の図面を参照し、図面中、同様の番号は、終始同様の部分を示す。図面は、具体的な実施形態を図示するが、本開示の意図する範囲から逸脱することなく、他の実施形態を形成することができ、構造的変化を行うことができる。方向および指示(例えば、上方、下方、上部、下部、左、右、後方、前方、ヒール方向等)は、図面の考察を容易にするために使用することができるが、限定することを意図しない。例えば、「上方」、「下方」、「上部」、「下部」、「水平」、「垂直」、「左」、「右」等、特定の用語を使用することができる。これらの用語は、特に、図示される実施形態に関して、相対関係を取り扱う際、妥当な場合、説明の多少の明確さを提供するために使用される。しかしながら、かかる用語は、絶対的な関係、位置、および/または方向を意味することを、意図しない。例えば、物体に関して、「上部」表面は、単純に、物体を裏返すことによって、「下部」表面になることができる。それでもなお、それは、同一の物体である。
【0010】
したがって、以下の詳細な説明は、限定の意味に解釈されるものではなく、要求される財産権の範囲は、添付の請求項、およびそれらの同等物によって、定義されるものとする。
通常のアドレス位置
本願に開示されるクラブヘッド、およびそれらの物理的特性の多くは、他に指示がない限り、クラブヘッドの基準位置として、「通常のアドレス位置」を使用して記載される。
【0011】
図1〜3は、通常のアドレス位置での、フェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッドの一実施形態を図示する。図1は、クラブヘッド2の平面図を図示し、図2は、クラブヘッド2の正面図を図示し、図3は、トウ側からの側面図を図示する。予備説明として、クラブヘッド2は、ホーゼル20およびボール打撃フェース18を含む。通常のアドレス位置で、クラブヘッド2は、地面に平行な面である接地面17上に置かれる。
【0012】
本明細書において「通常のアドレス位置」は、打撃フェース18に垂直なベクトルが、第1の垂直面(すなわち、垂直面は、地面17に垂直)内に実質的にあり、クラブシャフトの中心線軸21は、第2の垂直面内に実質的にあり、第1の垂直面および第2の垂直面は、実質的に垂直に交差するクラブヘッド位置を意味する。
クラブヘッド
クラブヘッド2等の、フェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッドは、クラウン12、ソール14、およびスカート16を画定する、中空のボディ10を含む。打撃フェース、またはクラブフェース18は、ボディ10に結合する。ボディ10は、ホーゼル20を含むことができ、それは、ゴルフクラブのシャフトを収容するように構成される、ホーゼル穴24を画定する。ボディ10は、ヒール部26、トウ部28、フロント部30、およびリア部32を、さらに含む。
【0013】
また、いかなる開口部も、実質的に平面の表面によって密封されることを仮定して、クラブヘッド2は、クラブヘッド2の体積変位に等しい、立法センチメートル(cm)で通常測定される、体積を有する。
【0014】
本明細書において「クラウン」は、上下方向から見て、クラブヘッド2の周辺輪郭34の上方にあり、打撃フェース18のボール打撃面22の最上部後方にあるクラブヘッド2の上部を意味する(図1〜2を参照)。
【0015】
本明細書において「ソール」は、クラブヘッド2が通常のアドレス位置にあるとき、クラブヘッド2の最下点から上方に延在するクラブヘッド2の下部を意味する。一部の実施形態において、ソール14は、クラブヘッド2の最下点からクラウン12までの距離の約50%から60%延在するが、場合によっては、フェアウェイウッドに対して約10mmから12mmである可能性がある。
【0016】
他の実施形態において、ソール14は、ゴルフクラブヘッド2のソール14よりも短い距離、クラブヘッド2の最下点から上方に延在する。さらに、ソール14は、通常のアドレス位置にあるとき、地面17に対して実質的に水平に延在する、実質的扁平部を画定することができる。
【0017】
本明細書において「スカート」は、クラウン12と、ボール打撃面22を除くトウ部28からリア部32周囲にヒール部26までクラブヘッドの外面34に延在するソール14との間のクラブヘッド2の側部を意味する。
【0018】
本明細書において「打撃面」は、ゴルフボールに衝撃を与えるように構成される、打撃フェース18の前部表面、または外側表面を意味する(図示せず)。一部の実施形態では、以下により詳しく記載されるように、打撃フェース、またはクラブフェース18は、溶接等の従来の接合技術を使用して、ボディ10に接合される打撃プレートであることが可能である。一部の実施形態では、ボール打撃面22は、膨らみ、および起伏の湾曲部を有することができる。例えば、図1および2を参照すると、ボール打撃面22は、それぞれ半径約305mmの、膨らみ、および起伏を有することができる。
【0019】
ボディ10は、合金(例えば、チタン合金、合金鋼、アルミ合金、および/またはマグネシウム合金)、黒鉛混合物等の複合材料、セラミック材料、またはそれらのいかなる組合せから作製することができる。クラウン12、ソール14およびスカート16は、鋳造、冷間成形、一体成型、および/または鍛造等の技術を使用して、一体的に形成することができ、打撃フェース18は、既知の手段によって、クラウン、ソール、およびスカートに接合することができる。
【0020】
例えば、打撃フェース18は、米国特許出願公開第2005/0239575号、および第2004/0235584号に記載されるように、ボディ10に接合することができる。
【0021】
図6および7の実施形態を参照すると、ゴルフクラブヘッド2の理想的なインパクト位置23は、打撃面22の幾何学的中心に配置される(図4を参照)。理想的なインパクト位置23は、通常、打撃面22の高さ(Hss)、および幅(Wss)の中点の交差点として、画定される。HssおよびWssの両方は、打撃フェース18の曲面(Sss)を使用して決定される。打撃フェース18の曲面は、フェースが、実質的に均一の膨らみの半径(湾曲部のフェースのヒールからトウの半径)、および実質的に均一の起伏の半径(湾曲部のフェースのクラウンからソールの半径)から、ボディ10へ移行するすべての点によって、その外面に隣接する(例えば、図4を参照)。図示される実施例では、Hssは、フェースの幾何学的中心を介して延在する、垂直面(地面に垂直)で測定される、Sssのソール部に隣接した外面から、Sssのクラウン部に隣接した外面までの距離である(例えば、この面は、x軸に実質的に垂直)。同様に、Wssは、フェースの幾何学的中心を介して延在する、水平面(例えば、地面に実質的に平行)で測定される、Sssのヒール部に隣接した外面から、Sssのトウ部に隣接した外面までの距離である(例えば、この面は、z軸に実質的に垂直)。打撃フェース18の幾何学的中心を測定するための手順に関しては、USGA“Procedure for Measuring the Flexibility of a Golf Clubhead,”Revision 2.0を参照する。
【0022】
一部の実施形態では、打撃フェース18は、参照することによって本願に組み込まれ、米国特許出願公開第2005/0239575号、および第2004/0235584号、米国特許出願第11/642,310号、および米国仮特許出願第60/877,336号に記載されるような、複合材料で作製される。他の実施形態では、打撃フェース18は、合金(例えば、チタニウム、スチール、アルミニウム、および/またはマグネシウムの合金)、セラミック材料、または混合物、合金、および/もしくはセラミック材料の組合せから作製される。
【0023】
通常のアドレス位置にあるとき、クラブヘッド2は、クラブシャフト軸21に対してライ角19で配置され、クラブフェースは、ロフト角度15を有する(図2)。図3を参照すると、ライ角19は、通常のアドレス位置での、クラブシャフトの中心線軸21と、接地面17との間の角度を意味する。図2を参照すると、ロフト角度15は、通常のアドレス位置での、打撃フェース18への接線27と、接地面に垂直のベクトル29との間の角度を意味する。フェアウェイウッドに対するロフト角度15は、通常、約13度よりも大きい。
ゴルフクラブヘッドの座標
図5〜7を参照すると、クラブヘッド2の基点座標系は、クラブヘッドの様々な特性の位置(例えば、クラブヘッドの重心(CG)50)を決定することができるように、画定することができる。クラブヘッド2の基点60は、ボール打撃面22の理想的なインパクト位置23または幾何学的中心に配設され、クラブヘッド2上に図示される。
【0024】
クラブヘッド2の基点60に関して画定されるヘッドの基点座標系は、クラブヘッド2が通常のアドレス位置にあるとき、地面17に対して略垂直方向に、クラブヘッド2の基点60に延在するz軸65、打撃面22に略平行、例えば、理想的なインパクト位置23で打撃面22に略接線のトウからヒールの方向に、クラブヘッド2の基点60に延在し、z軸65に略垂直であるx軸70、および前後方向にクラブヘッド2の基点60に延在し、x軸70、およびz軸65に略垂直であるy軸75の、3つの軸を含む。x軸70、およびy軸75は両方、クラブヘッド2が通常のアドレス位置にあるとき、地面17に対して略水平方向に延在する。x軸70は、クラブヘッド2の基点60から、ヒール26に、正の方向に延在する。y軸75は、クラブヘッド2の基点60からリア部32に向かって正の方向に延在する。z軸65は、基点60からクラウン12に向かって正の方向に延在する。
【0025】
具体的な一実施では、CG x軸座標は約1.8mmであり、CG z軸座標は約−3.3mmである。
代替の、地面からのクラブヘッドの座標系は、z軸65および接地面17の交差点に基点60を配置し、すべてのクラブヘッドの特性に対して、正のz軸座標を提供する。本明細書において「Zup」は、地面からの座標系によって決定される、CG z軸の位置を意味する。Zupは、概して、地面17より上のCG50の高さを意味する。
【0026】
別の代替の座標系は、クラブヘッド2が通常のアドレス位置にあるとき、基点として、クラブヘッドの重心(CG)50を使用する。各重心軸は、CG50を通過する。例えば、CG x軸90は、クラブヘッドが通常のアドレス位置にあるとき、接地面17に実質的に平行であり、基点x軸70に略平行に重心50を通過する。同様に、クラブヘッドが通常のアドレス位置にあるとき、CG y軸95は、接地面17に実質的に平行であり、基点y軸75に略平行に、重心50を通過し、CG z軸85は、地面17に実質的に垂直であり、基点z軸65に略平行に、重心50を通過する。
質量慣性モーメント
図5〜7を参照すると、ゴルフクラブヘッドの慣性モーメントは、通常、クラブヘッド2の重心50を介して延在する、3つのCG軸周囲に画定される。
【0027】
例えば、クラブヘッド2のCG z軸85周囲の慣性モーメントは、以下の方程式によって計算することができる。
【0028】
【数1】

【0029】
式中、xは、クラブヘッドのCG yz面から、微小質量、dmまでの距離であり、yは、クラブヘッド2のCG xz面から、微小質量、dmまでの距離である。クラブヘッド2のCG yz面は、ゴルフクラブヘッドのCG y軸95、およびクラブヘッド2のCG z軸85によって画定される面である。
【0030】
CG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)は、CG z軸周囲のねじれに抵抗する、クラブヘッド2の能力を示すものである。より大きいCG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)は、トウ方向またはヒール方向の、ゴルフボールとのオフセンターのインパクト時に、より大きい寛容度を有するクラブヘッド2を提供する。つまり、トウ28と、理想的なインパクト位置23との間にあるボール打撃面18の位置で、クラブヘッド2によって打たれるゴルフボールは、クラブヘッド2が後方にねじれ、ゴルフボールがドローする(例えば、右利きのスイングに対して、右から左への曲線軌道を有する)原因となる傾向がある。同様に、ヒール26と、理想的なインパクト位置23との間にある打撃面18の位置で、ゴルフクラブヘッドによって打たれるゴルフボールは、ゴルフクラブヘッドが前方にねじれ、ゴルフボールがスライスする(例えば、右利きのスイングに対して、左から右への曲線軌道を有する)原因となる。CG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)の増加は、ゴルフクラブヘッドの前方または後方へのねじれを軽減し、ヒール、またはトウのミスヒットの悪影響を軽減する。
【0031】
クラブヘッド2のCG x軸90周囲の慣性モーメントは、以下の方程式によって計算することができる。
【0032】
【数2】

【0033】
式中、yは、クラブヘッド2のCG xz面から、微小質量、dmまでの距離であり、zは、クラブヘッド2のCG xy面から、微小質量、dmまでの距離である。クラブヘッド2のCG xz面は、ゴルフクラブヘッドのCG x軸90、およびクラブヘッド2のCG z軸85によって画定される面である。CG xy面は、クラブヘッド2のCG x軸90、およびクラブヘッド2のCG y軸95によって画定される面である。
【0034】
CG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)が、CG z軸周囲のねじれに抵抗する、クラブヘッド2能力を表すものであるとき、CG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)は、CG x軸周囲のねじれに抵抗する、クラブヘッド2の能力を表すものである。より大きいCG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)は、ゴルフボールとの高い、および低いオフセンターのインパクト時のクラブヘッド2の寛容度を改善する。つまり、理想的なインパクト位置23より上の打撃面18の位置で、ゴルフクラブヘッドによって打たれるゴルフボールは、ゴルフクラブヘッドが上方にねじれ、ゴルフボールが、望んでいたよりも高い軌道を有する原因となる。同様に、理想的なインパクト位置23より下の、打撃面18の位置で、クラブヘッド2によって打たれるゴルフボールは、クラブヘッド2が下方にねじれ、ゴルフボールが、望んでいたよりも低い軌道を有する原因となる。CG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)の増加は、高いおよび低いミスヒットの悪影響を軽減するために、ゴルフクラブヘッド2の上方、および下方のねじれを軽減する。
裁量質量
望ましいクラブヘッド2の質量慣性モーメントは、特定の位置に、クラブヘッド2の質量を分布することによって、達成することができる。裁量質量は、概して、1つ以上の質量慣性モーメントを調整し、および/またはクラブヘッド2の重心を定めるために、他の場所に分布することができる質量を提供する、様々な構造から取り除くことができる、材料の質量を意味する。
【0035】
クラブヘッド2の壁は、裁量質量の一原因を提供する。つまり、壁の厚さの減少は、壁の質量を減少させ、他の場所に分布することができる質量を提供する。例えば、一部の実施において、クラブヘッド2の1つ以上の壁は、約0.55mmから約0.65mm等の約0.7mm未満の厚さを有することができる。一部の実施形態では、クラウン12は、クラウンの約70%以上にわたって、約0.65mmの厚さを有することができる。さらに、スカート16は、同様の厚さを有することができ、ソール14の壁は、約0.8mmの厚さを有することができる。対照的に、従来のクラブヘッドは、約0.75mmを超える厚さを有し、約0.85mmを超えるものもある。
【0036】
薄壁、特に、薄型のクラウン12は、従来のクラブヘッドと比較して、相当な裁量質量を提供する。例えば、合金鋼から作製されるクラブヘッド2は、クラウンの厚さの0.1mmの減少に対して、約4グラムの裁量質量を達成することができる。同様に、チタン合金から作製されるクラブヘッド2は、クラウン12の厚さの0.1mmの減少に対して、約2.5グラムの裁量質量を達成することができる。例えば、約0.65mm未満の、薄型のクラウン12を使用して達成される裁量質量は、1つ以上の質量慣性モーメントおよび/または重心位置を調整するために使用することができる。
【0037】
薄型のクラウン12等、クラブヘッド2のボディ10上の薄壁を実現するために、クラブヘッド2のボディ10は、合金鋼、またはチタン合金から形成することができる。合金鋼に対する空中での重量鋳造(図9)、およびチタン合金に対する、真空チャンバ内での遠心鋳造(図10)等、薄壁の焼き流し鋳造は、1つ以上の薄壁を有するクラブヘッド2のボディ10を製造する一方法を提供する。
【0038】
図9を参照すると、例えば、約0.55mmから約0.65mmの合金鋼から作製される薄型クラウンは、溶鋼を加熱することによって得ることができる(902)。溶鋼は、型内で鋳造し(906)、続いて、冷却、および/または加熱処理することができる(908)。鋳鋼ボディ10は、いかなる二次的機械作業を利用する、または打撃フェース18に接合する前に、型から取り出すことができる(910)。
【0039】
あるいは、チタン合金から作製される薄型のクラウン12は、ゲーティングを修正することによって得ることができる。鋳型は、加熱することができ(1006)、次に、鋳物は、選択された回転速度で、遠心分離機内で回転することができる(1004)。溶融チタニウムは、型内で鋳造することができ(1010)、鋳造ボディは、冷却、および/または加熱処理することができる(1012)。鋳造チタンのボディ10は、二次的機械作業を利用する、または打撃フェースに接合する前に型から取り出すことができる(1014)
ウェート、およびウェートポート
様々な方法が、クラブヘッド2内に裁量質量を配設するために、使用することができる。例えば、多くのクラブヘッド2は、クラブヘッド2の重心を下げるために使用することができる所定の位置でヘッドに鋳造される、一体型ソールウェートパッドを有する。また、エポキシは、望ましいウェート分布を得るために、クラブヘッド2のホーゼル開口部を介して、クラブヘッド2の内部に加えることができる。あるいは、高密度材料から形成されるウェートは、クラブヘッド2のソール14、スカート16、および他の部分に接合することができる。裁量質量を分布する、かかる方法では、クラブヘッド2が、ウェートを移動させる可能性があるゴルフボールとのインパクト時の大きな負荷に耐えるため、取り付けは重要である。したがって、かかるウェートは、通常、クラブヘッド2に永久的に接合され、固定全質量に限定され、それは当然のことながら、クラブヘッドの重心、および慣性モーメントを永久的に固定する。
【0040】
あるいは、クラブヘッド2は、1つ以上のウェートを収容するように構成される、ボディ10内に形成される1つ以上のウェートポート40を画定することができる。例えば、1つ以上のウェートポートは、クラウン12、スカート16および/またはソール14内に配置することができる。ウェートポート40は、参照することによって本願に組み込まれる米国特許出願第11/066,720号、および第11/065,772号に記載されるような、多くのウェート、またはウェートアセンブリのいずれも収容、および保持するような、多くの様々な構成のいずれも有することができる。例えば、図8は、ソール14内のウェートポート40の一実施形態を示す切断面を図示する。図示されるウェートポート40は、ウェート80上に形成される外部ネジ山に一致する内部ネジ山46を画定する。ソール内のウェートポート用に構成される、ウェートおよび/またはウェートアセンブリは、約0.5グラムから約10グラムまで異なる質量を有することができる。
【0041】
ウェートポート40内に、1つ以上のウェートを含むことによって、カスタマイズ可能なクラブヘッドの質量ならびに対応する質量慣性モーメント、および重心50の位置を提供する。ウェートポート40の位置、ならびにウェート、および/またはウェートアセンブリの質量を調整することによって、同一のクラブヘッド2を使用して、重心50の様々な可能性のある位置および様々な可能性のある質量慣性モーメントを提供する。
【0042】
以下でより詳細に考察されるように、プレイ性のあるフェアウェイウッドのクラブヘッドは、低、後方重心を有することができる。ソール内の後方にウェートポートを配置することは、重心を望ましく配設するのに役立つ。重心を調節する他の方法(例えば、エポキシ、または熱溶解のりを使用して接合される、内部ウェートを使用)を使用することはできるが、ウェートポートの使用は、ゴルフボールとのインパクト時に放出される可聴音に対する、望ましくない効果を軽減する。
クラブヘッドの高さおよび長さ
上記で考察されるように、特定のクラブヘッドの包絡線内に質量を再分布することに加えて、クラブヘッド2の重心位置50は、クラブヘッドの外部包絡線を修正することによっても、調整することができる。例えば、クラブヘッド2のボディ10を後方に延在させることができ、全高を低下させることができる。
【0043】
ここで図7を参照すると、クラブヘッド2は、クラウン12の外側表面の、地面からの最大z軸座標として画定される、クラブヘッド2の最大高さ(Hch)を有する。同様に、クラブヘッド2の最大幅(Wch)は、クラブヘッド2が通常のアドレス位置にあるとき、x軸に平行の軸に沿って測定される、ボディのヒールおよびトウ部26、28の最大範囲の間の、距離として画定することができ、クラブヘッドの最大深さ(Dch)または長さは、クラブヘッド2が通常のアドレス位置にあるとき、y軸に平行の軸に沿って測定されるボディ10の表面の最前点と、最後点との間の距離として画定される。概して、クラブヘッド2の高さ、および幅は、USGA“Procedure for Measuring the Clubhead Size of Wood Clubs”Revision 1.0に従って、測定されるものとする。
【0044】
一部の実施形態では、フェアウェイウッドのクラブヘッド2は、約50mm未満の高さ(Hch)を有する。一部の実施形態では、クラブヘッド2は、約35mm未満の高さ(Hch)を有する。例えば、クラブヘッド2の一部の実施は、約38mm未満の高さ(Hch)を有する。他の実施では、クラブヘッド2は、約42mm未満の高さ(Hch)を有する。クラブヘッド2のさらに他の実施は、約46mm未満の高さ(Hch)を有する。
【0045】
クラブヘッド2の一部の実施例は、約75mmよりも大きい深さ(Dch)を有する。例えば、以下でより詳しく考察されるように、フクラブヘッド2は、約85mmよりも大きい深さ(Dch)を有する。
フェアウェイウッドの寛容度
クラブヘッド2の「寛容度」は、概して、ミスヒットにもかかわらず、望ましいゴルフボールの軌道をもたらす、クラブヘッド2の能力を表す。上述のように、大きい質量慣性モーメントは、クラブヘッド2の総合的な寛容度をもたらす。さらに、低重心は、より高い発射角度、およびより低いスピン軌道を与えることによって、芝生からボールを打つために使用される、クラブヘッド2のための寛容度を改善する(フェアウェイウッドのゴルフショットの距離を改善する)。後方の重心を提供することによって、多くのゴルファーに対して、スライスまたはフェードの可能性を減少させる。したがって、クラブヘッド2等の、フェアウェイウッドのクラブヘッドの寛容度は、従来のフェアウェイウッドのクラブヘッドと比較して、高い慣性モーメント、および低重心を達成するために、上述の技術を使用して改善することができる。
【0046】
例えば、クラウン12の少なくとも約70%にわたって、約0.65mm未満の厚さのクラウンを有するクラブヘッド2は、相当な裁量質量を提供することができる。0.60mm厚さのクラウン12は、0.80mm厚さのクラウン12と比較して、約8グラムほどの裁量質量を提供することができる。質量慣性モーメントを改善し、クラブヘッド2の重心を望ましく配設するために、大きい裁量質量を分布することができる。概して、裁量質量は、低重心を維持するために、クラウン方向よりも、ソール方向に配設され、後方に配設された重心を維持するために、前方よりも後方に配設されるべきである。さらに、裁量質量は、高い質量慣性モーメントを維持するために、重心から遠く、クラブヘッド2の周辺付近に配設されるべきである。
【0047】
例えば、フェアウェイウッドのための、比較的寛容なクラブヘッド2は、約46mm未満のクラブヘッドの全高(Hch)、および約19mm未満の地面からの重心位置、Zupを組み合わせることができる。クラブヘッド2の一部の実施形態例は、約16mm未満の地面からの重心位置、Zupを提供する。
【0048】
さらに、上述のような薄型のクラウン12は、クラブヘッド2が、約240cmよりも大きい体積、および/または約85mmよりも大きい前後深さ(Dch)を有することを可能にするために、十分な裁量質量を提供する。薄型のクラウン12がなければ、同様のサイズのゴルフクラブヘッドは、重量超過になるか、または、より小さい裁量質量が、CG位置を調整するために使用可能となるため、望ましくない配設の重心を有するであろう。
【0049】
さらに、裁量質量は、約300kg−mmよりも大きい、CG z軸85周囲の質量慣性モーメント、Izzを提供するように分布することができる。場合によっては、CG z軸85周囲の質量慣性モーメント、Izzは、約340kg−mmよりも大きい、または約360kg−mmよりも大きい等、約320kg−mmよりも大きいことが可能である。また、裁量質量の分布は、約150kg−mmよりも大きい、CG x軸90周囲の質量慣性モーメント、Ixxを提供することができる。場合によっては、CG x軸85周囲の質量慣性モーメント、Ixxは、約190kg−mmよりも大きい等、約170kg−mmよりも大きいことが可能である。
【0050】
あるいは、寛容なクラブヘッド2の一部の実施例は、約19mm未満の地面からの重心位置、Zup、およびCG z軸85周囲の高い質量慣性モーメント、Izzを組み合わせる。かかるクラブヘッド2では、kg−mmの単位で特定される、CG z軸85周囲の質量慣性モーメント、Izzは、ミリメートル(mm)の単位で特定される地面からの重心位置、Zupと共に、
【0051】
【数3】

【0052】
の関係を満たすことができる。
あるいは、一部の寛容なフェアウェイウッドのクラブヘッド2は、ミリメートルの単位で特定される地面からの重心位置、Zupと共に、
【0053】
【数4】

【0054】
の関係を満たす、kg−mmの単位で特定される、CG z軸85周囲の質量慣性モーメント、Izz、およびCG x軸90周囲の質量慣性モーメント、Ixxを有する。
別の代替として、寛容なフェアウェイウッドのクラブヘッド2は、
【0055】
【数5】

【0056】
の関係を共に満たす、kg−mmの単位で特定される、CG x軸周囲の質量慣性モーメント、Ixx、およびミリメートルの単位で特定される地面からの重心位置、Zupを有することができる。
【0057】
開示される原理を応用することができる、多くの可能な実施形態を考慮して、図示される実施形態は、好ましい実施例に過ぎず、範囲を限定すると考えるべきではないことを、認識されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、ゴルフクラブヘッドの一実施形態の平面図である。
【図2】図2は、図1のゴルフクラブヘッドのトウ側からの側面図である。
【図3】図3は、図1のゴルフクラブヘッドの正面図である。
【図4】図4は、図1のゴルフクラブヘッドの底面斜視図である。
【図5】図5は、ゴルフクラブヘッドの基点系および重心座標系を示し、図1と同様の、図1のゴルフクラブヘッドの平面図である。
【図6】図6は、ゴルフクラブヘッドの基点系、および重心座標系を示し、図1のゴルフクラブヘッドのトウ側からの側面図である。
【図7】図7は、ゴルフクラブヘッドの基点系、および重心座標系を示し、図3と同様の、図1のゴルフクラブヘッドの正面図である。
【図8】図8は、ゴルフクラブヘッドの内部特性を示し、図4の線VIII−VIIIに沿った、図1のゴルフクラブヘッドの切断図である。
【図9】図9は、合金鋼で作製されるクラブヘッドのための、焼き流し鋳造プロセスのフローチャートである。
【図10】図10は、チタン合金で作製されるクラブヘッドのための、焼き流し鋳造プロセスのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって、
内部空洞と、前記ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソール部と、頂部に配設されるクラウン部と、前記ソールと前記クラウンとの間の外面周辺に配設されるスカート部とを画定するボディであって、さらに前部と後部と、地面からの最大高さとを有するボディと、
前記ボディの前部に配設されるフェースと、
を備え、
前記ボディの高さは、約46mm未満であり、
前記クラウンは、前記クラウンの約70%超にわたって、約0.65mm未満の厚さを有し、
約19mm未満の地面からの重心位置、Zupと、約300kg−mmよりも大きい、重心z軸周囲の慣性モーメント、Izzとを有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記地面からの重心位置、Zupは、約16mm未満であることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記フェースは、約13度よりも大きいロフト角度を有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記ゴルフクラブヘッドは、約170kg−mmよりも大きい、ゴルフクラブヘッドの重心x軸周囲の慣性モーメント、Ixxを有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記ゴルフクラブヘッドの体積は、約240cmよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ゴルフクラブヘッドの前後深さ(Dch)は、約85mmよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
ゴルフクラブヘッドであって、
内部空洞と、前記ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソール部と、頂部に配設されるクラウン部と、前記ソールとクラウンとの間の外面周辺に配設されるスカート部とを画定するボディであって、さらに前部と後部と、地面からの最大高さとを有するボディと、
前記ボディの前部に配設されるフェースと、
を備え、
前記ボディの高さは、約46mm未満であり、
前記フェースは、約13度よりも大きいロフト角度を有し、
【数1】

を共に満たす、約19mm未満の地面からの重心位置、Zupと、重心z軸周囲の慣性モーメント、Izzとを有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記地面からの重心位置、Zupは、約16mm未満であることを特徴とする請求項7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記ゴルフクラブヘッドの体積は、約240cmよりも大きいことを特徴とする請求項7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記ゴルフクラブヘッドの前後深さ(Dch)は、約85mmよりも大きいことを特徴とする、請求項7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記クラウンは、前記クラウンの少なくとも約70%上に、約0.65mm未満の厚さを有することを特徴とする請求項7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
ゴルフクラブヘッドであって、
内部空洞と、前記ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソール部と、頂部に配設されるクラウン部と、前記ソールとクラウンとの間の外面周辺に配設されるスカート部とを画定するボディであって、また、前部と後部と、地面からの最大高さとを有するボディと、
前記ボディの前部に配設されるフェースと、
を備え、
前記クラウンは、前記クラウンの少なくとも約70%に対して、約0.65mm未満の厚さを有し、
前記ゴルフクラブヘッドは、約85mmよりも大きい前後深さ(Dch)と、
約19mm未満の地面からの重心位置、Zupとを有し、
kg−mmの単位で特定される重心z軸周囲の慣性モーメント、Izzと、kg−mmの単位で特定される重心x軸周囲の慣性モーメント、Ixxと、ミリメートルの単位で特定される前記地面からの重心位置、Zupは共に、
【数2】

を満たすことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記地面からの重心の地面からの位置、Zupと、kg−mmの単位で特定される、前記重心z軸周囲の前記慣性モーメント、Izzは共に、
【数3】

を満たすことを特徴とする請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記重心z軸周囲の前記慣性モーメント、Izzは、300kg−mm、320kg−mm、340kg−mm、および360kg−mmの1つ以上を超えることを特徴とする請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記重心x軸周囲の前記慣性モーメント、Ixxは、150kg−mm、170kg−mm、および190kg−mmの1つ以上を超えることを特徴とする請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記ボディ内に形成される、1つ以上のウェートポートと、前記1つ以上のウェートポートの1つ内に、少なくとも部分的に保持されるように構成される、少なくとも1つのウェートと、をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記フェースは、約13度を超えるロフト角度を有することを特徴とする請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記ゴルフクラブヘッドは、約240cmよりも大きい体積を有することを特徴とする請求項17に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記ボディは、合金鋼、チタン合金、黒鉛混合物、およびそれらの組合せから成る材料の群から選択された材料から実質的に形成されることを特徴とする請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記ボディは、焼き流し鋳造として実質的に形成されることを特徴とする請求項19に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項21】
前記最大高さは、約46mm、約42mm、および約38mmの1つ以上に満たないことを特徴とする請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項22】
ゴルフクラブヘッドであって、
内部空洞と、前記ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソール部と、頂部に配設されるクラウン部と、前記ソールとクラウンとの間の外面周辺に配設されるスカート部とを画定するボディであって、また、前部と後部と、地面からの最大高さとを有するボディと、
前記ボディの前部に配設されるフェースと、
を備え、
前記クラウンは、前記クラウンの少なくとも約70%に対して、約0.65mm未満の厚さを有し、
前記ゴルフクラブヘッドは、約85mmよりも大きい前後深さ(Dch)と、
約19mm未満の地面からの重心位置、Zupとを有し、
kg−mmの単位で特定される重心x軸周囲の慣性モーメント、Ixxと、ミリメートルの単位で特定される前記地面からの重心位置、Zupは共に、
【数4】

を満たすことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項23】
前記前記地面からの重心位置、Zupと、kg−mmの単位で特定される、前記重心z軸周囲の前記慣性モーメント、Izzは共に、
【数5】

を満たすことを特徴とする請求項22に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項24】
前記重心z軸周囲の前記慣性モーメント、Izzは、300kg−mm、320kg−mm、340kg−mm、および360kg−mmの1つ以上を超えることを特徴とする請求項22に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項25】
前記重心x軸周囲の前記慣性モーメント、Ixxは、150kg−mm、170kg−mm、および190kg−mmの1つ以上を超えることを特徴とする請求項22に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項26】
前記ボディ内に形成される、1つ以上のウェートポートと、前記1つ以上のウェートポートの1つ内に、少なくとも部分的に保持されるように構成される、少なくとも1つのウェートと、をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項27】
前記フェースは、約13度を超えるロフト角度を有することを特徴とする請求項22に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項28】
前記ゴルフクラブヘッドは、約240cmよりも大きい体積を有することを特徴とする請求項27に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項29】
前記ボディは、合金鋼、チタン合金、黒鉛混合物、およびそれらの組合せから成る材料の群から選択された材料から実質的に形成されることを特徴とする請求項22に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項30】
前記ボディは、焼き流し鋳造として実質的に形成されることを特徴とする請求項29に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項31】
前記最大高さは、約46mm、約42mm、および約38mmの1つ以上に満たないことを特徴とする請求項22に記載のゴルフクラブヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−160377(P2009−160377A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−264880(P2008−264880)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(502330377)テイラー メイド ゴルフ カンパニー, インコーポレーテッド (15)
【Fターム(参考)】