説明

ゴルフ用眼鏡

【課題】 アドレスを取るときに正確にボールまでの距離を視認することができると共に、スイング中はクラブヘッドがボールに当たるまで頭を残してボールを見るようにすることのできる、すなわちスイング中のヘッドアップを防止することのできるゴルフ用眼鏡を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のゴルフ用眼鏡は、ゴルフプレーヤーが装着し、スイング中のヘッドアップを防止するためのゴルフ用眼鏡において、眼鏡レンズのゴルフプレーヤーの眼球の瞳に対応する部位が縦長の透視部となっており、他の部位が視界遮蔽部となっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ用眼鏡に関し、更に詳細には、ゴルフプレーヤーが装着し、スイング中のヘッドアップを防止するためのゴルフ用眼鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、ゴルフボールを打つ場合は、ゴルフボールを見ながらスウィングし、頭を残してスウィングを継続すると、肩と体が一体となって回転するので体が止まらずにスムーズにスウィング出来るとされている。しかし、初心者はスウィングの早い段階から頭を起こして目標地点を見る「ヘッドアップ」といわれるミスを犯しやすい。
【0003】
そこで、従来、ゴルフボールのみを確実に視認すると共に、ヘッドアップを防止するために、実開昭62−160982号公報や特開2003−295127号公報で、視野狭搾用の透孔を設けたゴルフ練習用の眼鏡が提案されている。
【0004】
ゴルフプレーヤーは、アドレスしたとき、足下とボールを見て、ボールまでの距離を視認するが、上記の従来の眼鏡の視野狭搾用の透孔は、その形状が円形であったり、横長であったりして、アドレスを取ったときの足下が見えず、ボールまでの距離が視認できないという問題がある。なお、上記実開昭62−160982号公報においては、スタンスの位置決めには問題がないと記述しているが、横長透光の幅が3〜6mmであると、実際には、ボールを見た場合には足下が見えず、足下を見たときにはボールが見えず、したがって、正確なアドレス(スタンス)が取れず、また、ボールまでの距離も視認しにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭62−160982号公報
【特許文献2】特開2003−295127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、アドレスを取るときに正確にボールまでの距離を視認することができると共に、スイング中はクラブヘッドがボールに当たるまで頭を残してボールを見るようにすることのできる、すなわちスイング中のヘッドアップを防止することのできるゴルフ用眼鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的は、下記の(1)〜(10)のいずれかの構成の本発明によるゴルフ用眼鏡により達成される。
(1)
ゴルフプレーヤーが装着し、スイング中のヘッドアップを防止するためのゴルフ用眼鏡において、眼鏡レンズのゴルフプレーヤーの眼球の瞳に対応する部位が縦長の透視部となっており、他の部位が視界遮蔽部となっていることを特徴とするゴルフ用眼鏡。
(2)
前記透視部の幅が、3〜10mmである上記(1)のゴルフ用眼鏡。
(3)
前記透視部が、透明体で形成されている上記(1)または(2)のゴルフ用眼鏡。
(4)
前記視界遮蔽部が、眼鏡レンズに直接染色を施すことによって形成されたものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴルフ用眼鏡。
(5)
前記視界遮蔽部が、眼鏡レンズにシールを貼ることにより形成されたものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴルフ用眼鏡。
(6)
前記視界遮蔽部が、梨地様加工により形成されたものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴルフ用眼鏡。
(7)
眼鏡レンズにミラーコートを着けることにより、外から見て、透視部と視界遮蔽部が判断できないようにした上記(1)〜(6)のいずれかに記載のゴルフ用眼鏡。
(8)
前記眼鏡レンズの透視部が、貫通孔で形成されている上記(1)または(2)のゴルフ用眼鏡。
(9)
前記眼鏡レンズがインジェクション加工により形成されたものである上記(8)に記載のゴルフ用眼鏡。
(10)
前記ゴルフ用眼鏡は、該ゴルフ用眼鏡の眼鏡レンズが通常の眼鏡の眼鏡レンズの前面に配置されるタイプの眼鏡である上記(1)〜(9)のいずれかに記載のゴルフ用眼鏡。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるゴルフ用眼鏡は、上記したように眼鏡レンズのゴルフプレーヤーの眼球の瞳に対応する部位が縦長の透視部となっており、他の部位が視界遮蔽部となっているので、プレーヤーの横方向の視界が狭く、スイング中にヘッドアップすれば、ゴルフヘッドがボールに当たる前に、ボールが視界から外れるので、ヘッドアップしたことが容易に認識でき、ヘッドアップを防止できる。
また、透視部が上記したように縦長となっているので、足下からボールまでを見渡すことができ、これによって容易に身体とボールとの距離を見極めることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態によるゴルフ用眼鏡を模式的に示した斜視図である。
【図2】図1に示したゴルフ用眼鏡をゴルフプレーヤーが装着したときの視界の一例を示す模式図である。
【図3】通常の眼鏡を装着したときの図2と同様の図である。
【図4】本発明の他の実施の形態によるゴルフ用眼鏡の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施形態によるゴルフ用眼鏡10を模式的に示した斜視図である。
このゴルフ用眼鏡10は、練習中等において、ゴルフプレーヤーが装着し、スイング中のヘッドアップを防止するためのものである。
【0011】
このゴルフ用眼鏡10においては、図1に示されているように、眼鏡レンズ12のゴルフプレーヤーの眼球の瞳に対応する部位が縦長の透視部14となっており、他の部位が視界遮蔽部16となっている。このように、透視部14の幅を狭めることにより、図2に示したように、視界V1の幅を狭め、これによりボールBを見ることにより、少しでもヘッドアップをすると、ボールBが見えなくなるので、ヘッドアップを防止することができる。これに対して、視界遮蔽部が無い場合には、図3に示したように、視界V2が広いので、多少ヘッドアップしてもボールが見えてしまい、ヘッドアップしやすい。なお、透視部が横長の場合や円形の場合は、上記したように足下が見えず、ボールまでの距離を測ることが困難になる。
【0012】
前記透視部14の幅は、3〜10mmであることが好ましい。透視部14の幅は、広くしたり狭くしたりすることで、ボールBが見えなくなる幅を調節することができる。
【0013】
前記透視部14は、透明体で形成されていることが好ましい。ここで、透明体とは、完全な透明体の他、半透明体、サングラスのような着色透明体も含むものとする。すなわち、ボールB等が見えるものであるならどのようなものであってもよい。
【0014】
前記視界遮蔽部16は、眼鏡レンズに直接染色を施すことによって形成されたもの、眼鏡レンズに不透明シールを貼ることにより形成されたもの、あるいは傷を付ける等の梨地様加工により形成されたもの等であってよい。すなわち、プレーヤーの視界を遮ることのできるものであるなら、どのような態様のものであってもより。
【0015】
眼鏡レンズにミラーコートを着けることにより、外から見て、透視部14と視界遮蔽部16が判断できないようにすることが好ましい。このミラーコートは、サングラスにおける通常のミラーコートと同じであってよい。
なお、本ゴルフ用眼鏡のレンズには、度が入っていても入っていなくてもよい。
【0016】
前記眼鏡レンズの透視部14は、貫通孔で形成されていてもよい。このようなレンズを作製するには、成形型を用いたプラスチックのインジェクション加工等により形成することができる。
【0017】
前記ゴルフ用眼鏡10は、通常のサングラスのような眼鏡の他、該ゴルフ用眼鏡の眼鏡レンズが通常の眼鏡の眼鏡レンズの前面に配置されるタイプの眼鏡であってもよい。このようなタイプの眼鏡としては、図4に示したような、通常の眼鏡Gの上にクリップオンし、跳ね上げることができるタイプのもの20や、いわゆるオーバーサングラスといわれている通常の眼鏡の上から掛けることのできるゴーグルタイプのものであってもよい。
【0018】
以上説明したゴルフ用眼鏡は、プレーヤーの横方向の視界が狭く、スイング中にヘッドアップすれば、ゴルフヘッドがボールに当たる前に、ボールが視界から外れるので、ヘッドアップしたことが容易に認識でき、ヘッドアップを防止できる。また、透視部が上記したように縦長となっているので、足下からボールまでを見渡すことができ、これによって容易に身体とボールとの距離を見極めることができる。このような本発明のゴルフ用眼鏡は、ゴルフ練習用に用いてヘッドアップ防止に絶大な効果がある。
【符号の説明】
【0019】
10:ゴルフ用眼鏡
12:眼鏡レンズ
14:透視部
16:視界遮蔽部
20:クリップオン式ゴルフ用眼鏡
B:ボール
G:通常の眼鏡


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフプレーヤーが装着し、スイング中のヘッドアップを防止するためのゴルフ用眼鏡において、眼鏡レンズのゴルフプレーヤーの眼球の瞳に対応する部位が縦長の透視部となっており、他の部位が視界遮蔽部となっていることを特徴とするゴルフ用眼鏡。
【請求項2】
前記透視部の幅が、3〜10mmである請求項1のゴルフ用眼鏡。
【請求項3】
前記透視部が、透明体で形成されている請求項1または2のゴルフ用眼鏡。
【請求項4】
前記視界遮蔽部が、眼鏡レンズに直接染色を施すことによって形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフ用眼鏡。
【請求項5】
前記視界遮蔽部が、眼鏡レンズにシールを貼ることにより形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフ用眼鏡。
【請求項6】
前記視界遮蔽部が、梨地様加工により形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフ用眼鏡。
【請求項7】
眼鏡レンズにミラーコートを着けることにより、外から見て、透視部と視界遮蔽部が判断できないようにした請求項1〜6のいずれかに記載のゴルフ用眼鏡。
【請求項8】
前記眼鏡レンズの透視部が、貫通孔で形成されている請求項1または2のゴルフ用眼鏡。
【請求項9】
前記眼鏡レンズがインジェクション加工により形成されたものである請求項8に記載のゴルフ用眼鏡。
【請求項10】
前記ゴルフ用眼鏡が、該ゴルフ用眼鏡の眼鏡レンズが通常の眼鏡の眼鏡レンズの前面に配置されるタイプの眼鏡である請求項1〜9のいずれかに記載のゴルフ用眼鏡。


【図1】
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【図4】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−217495(P2012−217495A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83253(P2011−83253)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(591048597)株式会社三城ホールディングス (11)