説明

サイクロン集塵装置

【課題】集塵効率が向上され、圧力損失を最小化させるとともに、吸引力を一定の時間保ちながら掃除作業中において吸引力が著しく落ちることを抑えることのできるサイクロン集塵装置を提供する。
【解決手段】サイクロン集塵装置は、ゴミを遠心分離して集塵し、浄化された空気を排出させるハウジング200と、ハウジングの上部に結合されるハウジングカバー300と、ハウジングの下部に開放自在に結合される排出カバー400と、フィルタ組立体500を含む。ハウジングは、空気流入口と、空気流入口を介して流入された空気からゴミを遠心分離するサイクロン部と、全体が曲面構造を有し、空気流入口から吸込まれた空気全部をサイクロン部に流入すべくガイドする流入ガイド管と、サイクロン部の一方に設けられサイクロン部にて空気から分離されたゴミを収集する集塵部およびサイクロン部にてゴミの除去された空気が排出される排気口とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空掃除機に関し、詳細には真空掃除機に適用され、被掃除面にて吸込まれた空気からゴミを遠心分離するサイクロン集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、真空掃除機は、被掃除面のゴミを空気と共に吸込む吸入ブラシと、該吸入ブラシを介して吸込まれた空気からゴミを分離する集塵装置、および吸入駆動源である吸入モータを備えてなる。従来の集塵装置は、主にゴミ袋を使用したが、このゴミ袋は頻繁に取り替えなければならない不便さがあり、且つ非衛生さが問題になっている。従って、最近にはゴミ袋を使わず半永久的に使用できるサイクロン集塵装置が幅広く使用されている。サイクロン集塵装置は、空気とゴミが旋回気流を形成し、旋回気流に作用する遠心力によりゴミを空気から分離させる。ゴミの分離されたきれいな空気は、フィルと吸入モータを介して真空掃除機の外部に排気され、分離されたゴミは集塵部にて収集される。
【0003】
ところで、サイクロン集塵装置の場合、構造や性能に応じて微細ゴミを完全にろ過できない場合がある。さらに、サイクロン集塵装置内では一定の吸入力が維持されることで空気からゴミを適切に吸入することができるが、サイクロン集塵装置の空気流路は曲げられている構造上、内部に吸込まれる空気の圧力損失の発生によりゴミ袋を採用した集塵装置に比べて吸入力が著しく落ちてしまう問題点がある。これを克服するために、吸入モータの吸入力を増加させなければならず、これは消費電力の上昇に繋がってしまう。
【0004】
従って、最近には集塵効率が向上され、且つ吸入力が一定に維持されながらも吸入力が減少されない、圧力損失を最小化することのできるサイクロン集塵装置に対する研究が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述した問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、集塵効率を向上し、空気の吸入による圧力損失を最小化することにある。また、吸入力を一定に保ちながらも掃除中において吸入力が減少されることを防止する、改善されたサイクロン集塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するための本発明に係るサイクロン集塵装置は、吸込まれた空気からゴミを遠心分離し浄化された空気を排出させるハウジングと、ハウジングカバーと、排出カバーと、フィルタ組立体とを含む。
【0007】
ハウジングは、空気流入口、該空気流入口を介して吸込まれた空気からゴミを遠心分離するサイクロン部と、該サイクロン部の一方に設けられ前記サイクロン部にて空気から分離されたゴミを収集する集塵部と、前記サイクロン部にてゴミの除去された空気が排出される排気口を含む。ハウジングカバーは、前記ハウジングの上部に結合し、前記サイクロン部と集塵部との間にゴミ移動通路を形成する。排出カバーは、前記ハウジングの下部に開放自在に結合される。フィルタ組立体は、前記排気口が形成される前記ハウジングの一面に着脱自在に結合し、前記排気口を介して抜け出る空気から微細ゴミをろ過する。前記サイクロン部は、実質的な曲面構造を有し、前記空気流入口から吸込まれた空気全部を前記サイクロン部に流入すべくガイドする流入ガイド管を含み、前記空気流入口は前記流入ガイド管と連結され、前記空気流入口を介して吸込まれる空気が前記サイクロン部に直接流入される。
【0008】
さらに、前記サイクロン部は、円筒のチャンバ外壁を含み、前記流入ガイド管の所定部分は前記チャンバ外壁と一体に形成されることが好ましい。
【0009】
さらに、前記ゴミ移動通路の入口は前記流入ガイド管と少なくとも一部が重なるよう、前記流入ガイド管方向に向って延長されるべく設けられることが好ましい。
【0010】
前記ハウジングは、前記サイクロン部でゴミの分離された空気を前記排気口にガイドする排出ガイド管を更に含み、前記排出ガイド管は前記空気と分離されたゴミが前記排出ガイド管内に流入されることを防止すべく、その上端の位置が前記ゴミ移動通路の形成された位置より高く形成されることが好ましい。
【0011】
また、前記ハウジングは、前記排出ガイド管内に設けられ、前記排出ガイド管を通過する空気と接して前記空気により発生するノイズを減少させるノイズ低減リブを更に含むことが好ましい。
【0012】
前記ハウジングカバーは、前記排出ガイド管の上端と対応する位置に前記排出ガイド管に向うよう半球状に突設され、前記サイクロン部でゴミの分離された空気を前記排出ガイド管に流入するようガイドする排出ガイドキャップを含む。
【0013】
前記排出ガイド管から抜け出る空気は前記排気口に全て移動することが好ましく、前記排出ガイド管の排出口と前記排気口との間の空気流路の断面積は、前記排気口側に行くほど次第に大きくなることが好ましい。
【0014】
さらに、前記排気口には出口メッシュが設けられていることがよく、前記出口メッシュは着脱自在に設けられることがよい。
【0015】
前記フィルタ組立体は、多孔性の網部材である第1フィルタと、該第1フィルタより気孔のサイズが小さいスポンジである第2フィルタと、前記第2フィルタより気孔のサイズが小さい第3フィルタとが順に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るサイクロン集塵装置は次の効果がある。
【0017】
第1に、空気流入口とサイクロン部とを連結する流入ガイド管を最大に曲面構造に形成すると共に、流入ガイド管とチャンバ外壁を自然に連結することによって、空気流入口を経て流入ガイド管を介した外部空気は圧力損失が最小化されてサイクロン部に流入される。従って、サイクロン部に流入された空気は吸入力の減少が最小化されながら旋回気流を形成することができる。
【0018】
第2に、排出ガイド管の上端位置をサイクロン部と集塵部とを連結するゴミ移動通路よりも高い位置に配することで、サイクロン部で空気と分離されたゴミが排出ガイド管内に流入されることを防止することができ、結果的に集塵効率が向上される利点を持つ。
【0019】
第3に、排出ガイド管の出口から排気口との間の空気が移動する空気流路の端面積を排気口に行くほど次第に大きくすることによって、排出ガイド管から抜け出た空気が排気口を介して真空掃除機の吸入モータへと向うことから流動される空気の圧力損失を最小化することができ、出口メッシュの詰まりを遅延させることから吸入力の減少も遅延させることができる。
【0020】
第4に、排気口の全体に出口メッシュを設け、あるいは、複数のフィルタを備えたフィルタ組立体を設けることで、サイクロン部にて遠心分離されない微細ゴミをろ過することができるため集塵効率が向上される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付の図面に基づいて本発明の好適な実施形態を詳述する。
【実施例】
【0022】
図1は本発明の実施形態に係るサイクロン集塵装置が備えられたキャニスタ型真空掃除機10の斜視図である。同図に示したように、キャニスタ型真空掃除機10は、掃除機本体60、掃除したい底面のゴミを吸込む吸入ブラシ20、真空掃除機10を操作する操作部40、吸入ブラシ20と操作部40とを連結する延長管30、操作部40と掃除機本体60とを連結するフレキシブルホス50、およびサイクロン集塵装置100から構成される。
【0023】
掃除機本体60には吸入力を提供するための駆動源である吸入モータが設けられるモータ駆動室(図示せず)と、モータ駆動室と連結される集塵室61が備えられる。集塵室61には、吸込まれた空気に含まれたゴミを遠心力を用いて分離するサイクロン集塵装置100が着脱自在に設けられている。図1はサイクロン集塵装置100がキャニスタ型真空掃除機に設けられていると例示したが、アップライト真空掃除機にも適用できる。
【0024】
図2に基づくと、サイクロン集塵装置100は吸込まれた空気からゴミを分離および集塵する浄化された空気を排気させる上下端がオープンされたハウジング200、ハウジング200の上部に結合されるハウジングカバー300、ハウジング200の下部にオープン可能に結合される排出カバー400、およびハウジング200の背部に結合されるフィルタ組立体500を含んでなる。
【0025】
図3は図2におけるハウジングカバー300が除去された状態のサイクロン集塵装置100の平面斜視図であり、図4は図2における排出カバー400が除去された状態のサイクロン集塵装置100の背面斜視図であり、図5は図2におけるフィルタ組立体500が除去された状態のサイクロン集塵装置100の後面斜視図である。
【0026】
ハウジング200には、空気流入口210、流入ガイド管230を備えるサイクロン部220、排気口250、および集塵部270が設けられる。
【0027】
空気流入口210はハウジング200の前面に設けられ、ハウジング200の幅方向にほぼ中央部に設けられている。空気流入口210はハウジング200に一体に形成されることができ、管状でハウジング200の前面に一定の長さ突出するよう形成されることもできる。空気流入口210は真空掃除機10(図1参照)のフレキシブルホス50と連通し、吸入ブラシ20と延長管30およびフレキシブル50を介して吸込まれたゴミの含んだ空気をサイクロン集塵装置100内に流入させる入口の役割を果す。
【0028】
サイクロン部220は、ハウジング200内の一方側に設けられ、空気流入口210および流入ガイド管230を介して流入された空気からゴミを遠心分離する。円筒型のチャンバ外壁221は空気が回転気流を形成する空間であって、部分的にはハウジング200の一側壁201により形成される。流入された空気は螺旋状でハウジングカバー300(図2参照)に向うよう上部方向に移動する。空気より重いゴミは遠心力によりチャンバ外壁221に近接して集中され、空気の流れにより上部に移動される。
【0029】
流入ガイド管230は、空気流入口210とサイクロン部220とを連通すべく設置される。図示されたように、流入ガイド管230は全体が曲線構造を有し、空気流入口210を介して吸込まれる外部の空気を全部サイクロン部220に流入させる。流入ガイド管230は、空気流入口210と連結された第1ガイド部231とチャンバ外壁221に連結された第2ガイド部232を備える。第2ガイド部232は、円筒状のチャンバ外壁221と一体に形成されるよう連結されている。図示された通りに、第1ガイド部231と第2ガイド部232は曲線構造で連結されている。さらに、第1ガイド部231は第2ガイド部232に比べて割合長さが短く形成されており、直線構造でない曲線構造を有することが好ましい。従って、空気流入口210を介して吸込まれた空気は予備区間がほとんどないのでサイクロン部220に直接流入され旋回気流を形成しながら上昇する。即ち、ハウジング200の空気流入口210はただちにサイクロン部220の入口の役割を果すこととなる。
【0030】
流入ガイド管230は、空気流入口210から高さの次第に高くなる螺旋状を有するよう360°回転し連続して設置される。従って、空気流入口210を介して流入された空気は流入ガイド管230により、サイクロン部220において矢印のA2方向に示したよう、螺旋状でハウジングカバー300に向かうよう上部方向に移動する。
【0031】
このように、空気流入口210を通過した空気を直接サイクロン部220に流入させ回転気流を形成し、空気が流れる流入ガイド管230の全体を最大に曲面状に構成することによって、空気流入口210を介した空気は圧力損失が最小化されながらサイクロン部220に流入される。従って、サイクロン部220に流入された空気は吸入損失が最小化されながら旋回気流を形成することができる。
【0032】
排出ガイド管240は円形の断面積を有するパイプ状でサイクロン部220の底面の中央部にて一定高さに突設されている。排出ガイド管240を介してサイクロン部220でゴミの分離された浄化された空気が排気される。排出ガイド管240の下部には排気口250と向かい合う所定領域に円周の半分が切開され、そのオープンされたところに排出口242が形成される。該排出口242を介して抜け出た浄化された空気は矢印のA5方向の排気口250に向って排気される(図5参照)。
【0033】
一方、排出ガイド管240の上端241の位置は、サイクロン部220と集塵部270とを連結するゴミ移動通路310の形成された位置より高い位置に配することが好ましい(図7参照)。前述したように、サイクロン部220において空気より重たいゴミは遠心力によりチャンバ外壁221近くに集中され、空気の流れにより上部に移動される。なお、排出ガイド管240の上端241がゴミ移動通路310の高さと同一もしくは低く形成されれば、遠心分離されたゴミは空気の流れにより排出ガイド管240内へ容易に流入されてしまう恐れがある。従って、本発明のように、排出ガイド管240の上端241をゴミ移動通路310の位置より高く形成することによって、空気と分離されたゴミが排出ガイド管240内に流入されることを最大に抑えることができる。
【0034】
排出ガイド管240内にはノイズ低減リブ243が複数設けられている。ノイズ低減リブ243は排出ガイド管240の内壁から中心部に向って所定の長さ突出して設けられる。ノイズ低減リブ243により排出ガイド管240において浄化空気が乱類性流動されることを抑えて、乱類性流動の干渉によるノイズを減少させる。
【0035】
排気口250は、ハウジング200の後面に形成され、排出ガイド管240の排出口242から抜け出た空気は排気口250を介してハウジング200外部に排気される。更に、排出口242から抜け出た空気全部は排気口250に向うようになる。
【0036】
一方、図5に示した排出ガイド管240の排出口242から排気口250との間の空気が移動する空気流路の断面積は排気口250側に行くほど次第に大きくなることが好ましい。本実施の形態によると、排気口250はハウジング200の後面に形成されることが好ましい。一方排気口250には排気される空気に含まれた微細ゴミを除去する出口メッシュ260が設けられることが好ましい。従って、サイクロン部220で遠心分離されないゴミは出口メッシュ260によりろ過される。さらに、出口メッシュ260は着脱自在に設けられることが好ましい。
【0037】
排気口250は真空掃除機10(図1参照)の吸入モータ(図示せず)に連結されており、排気口250側に行くほど空気流路の断面積が小さくなれば出口メッシュ260のサイズも減少される。出口メッシュ260のサイズが減少するほど微細ゴミにより出口メッシュ260が早く詰まって、吸入力が著しく落ちてしまう恐れがある。しかし、本発明に係るサイクロンン集塵装置100によると、排出ガイド管240から抜け出た空気が広がり排気口250を介して吸入モータ(図示せず)に向うので、出口メッシュ260の詰まりを遅延させ吸入モータの吸入力が落ちてしまうことを抑える。さらに、図示されたように、排気口250の全体構造を単純化することにより排気の渦巻きを発生させず、流動される空気の圧力損失を最小化することで吸入力減少を節減させ得る。
【0038】
集塵部270はサイクロン部220と並列に位置すべくハウジング200内の他方に設けられ、サイクロン部220で空気から遠心分離されたゴミを収集する。集塵部270はハウジング200の幅方向にほぼサイクロン部220の1/2程度のサイズとなる。集塵部270はサイクロン部220と同様に、部分的にハウジング200の他側壁202により形成される。ハウジング200には、集塵部270と排気口250とを区分付けるための分離用隔壁272が設けられる(図4および図5参照)。図示された通りに、分離用隔壁272は製造の便宜のために排出ガイド管240と一体に形成されるが、必ずしもこれに限定されない。
【0039】
図3および図7に示されたように、ハウジングカバー300がハウジング200と結合されると、ハウジングカバー300とハウジング200との間にはサイクロン部220と集塵部270とを連結するゴミ移動通路310が形成される。サイクロン部220で空気から分離されたゴミは遠心力により飛び出されてゴミ移動通路310を経て集塵部270に移動する。一方、ゴミ移動通路310の入口は流入ガイド管230と少なくとも一部が重なるよう、流入ガイド管230の方向に設けることが好ましい。好ましくは、ゴミ移動通路310の入口が集塵部270から最大に遠ざかるようゴミ移動通路310の入口を流入ガイド管230方向に最大延長させて配置することが好ましい。これによると、ゴミがサイクロン部230で空気と分離されたゴミがゴミ移動通路310に自然に移動され、空気からゴミの分離効率をさらに向上させることができる。
【0040】
ハウジングカバー300には、サイクロン部220の排出ガイド管240と対応する位置に下方に突出される半球状の排出ガイドキャップ320が設けられる。排出ガイドキャップ320はサイクロン部220から上昇した空気を排出ガイド管240に流入されるべくガイドする。従って、サイクロン部220にて空気は回転気流を形成しながらハウジングカバー300まで上昇し、空気中に含まれたゴミは遠心力により分離されゴミ移動通路310に向かい、ゴミの分離された空気は排出ガイドキャップ320によりガイドされ排出ガイド管240内に流入される。
【0041】
再度、図2および図4に基づくと、排出カバー400はハウジング200の下端にヒンジ軸410結合され、ヒンジ軸410を中心にして矢印のG方向にオープンされるか、あるいは矢印のG’方向に閉められる。排出カバー400をオープンすると、集塵部270とサイクロン部220の底面はオープンされており、集塵部270にろ過されたゴミは重力によって落下し排出される。ハウジング200の下部には排出カバー400をオープンできるよう排出ボタン420が設けられる。
【0042】
図6に示したように、フィルタ組立体500は、ハウジング200の後面に形成されたフィルタ装着部290に着脱自在に結合される。フィルタ組立体500は、空気の流動経路上、排気口250と真空掃除機10(図1参照)の駆動モータ室(図示せず)との間に配される。従って、サイクロン部220から抜け出て排気口250に設けられた出口メッシュ260を経た空気はフィルタ組立体500を介してモータ駆動室(図示せず)に抜け出る。フィルタ組立体500は出口メッシュ260によりろ過されない空気中に含まれた微細ゴミをろ過する役割をし、気候のサイズが異なるのでろ過される異物のサイズによるフィルタリング領域が相異なる第1ないし第3フィルタ520、530、540を含む。
【0043】
第1フィルタ520は粒子サイズが割合に大きなゴミをろ過するためのフィルタ組立体500の内側に位置されている。第1フィルタ520はフィルタ組立体の胴体510に着脱自在に結合され、空気の通過する気孔サイズが大きな網部材から形成されることが好ましい。第3フィルタ540は、フィルタ組立体胴体510と一体に設けられ、粒子サイズが小さいため第1および第2フィルタ520,530にてろ過されない極めて微細のゴミをろ過するためのものであって、フィルタ組立体500の外側に配される。第3フィルタ540は気孔のサイズの小さい不織布で形成されることが好ましい。第2フィルタ530は、フィルタ組立体胴体510に着脱自在に結合し、第1フィルタ520でろ過されない異物をろ過するためのものであり、第1フィルタ520の網部材より気孔サイズが小さく、第3フィルタ540の不織布より気孔サイズが大きいスポンジ材質であることがよい。係るフィルタ組立体500によりサイクロン集塵装置100は集塵効率を高めることができる。
【0044】
一方、本実施の形態に係るフィルタ組立体500は、3つのフィルタ520、530、540を備えることと例示したが、必要に応じて個数調節ができる。例えば、第1フィルタ520を削除することもでき、更なるフィルタを追加することもできる。
【0045】
以下、図7に基づいて前記構成を有する本発明の好適な実施の形態に係るサイクロン集塵装置の動作を説明する。
【0046】
吸入モータ(図示せず)が駆動されれば、吸入ブラシ20(図1参照)を介して被掃除面のゴミが空気と共に吸込まれる。吸込まれた空気は矢印のA1方向にサイクロン集塵装置100の空気流入口に入り込む。
【0047】
流入された空気は、流入ガイド管230(図3参照)に沿ってサイクロン部220に流入される。サイクロン部220に流入された空気はサイクロン部220からハウジングカバー300まで、矢印のA2のように回転しながら上昇する。なお、空気中に含まれたゴミは遠心力により矢印のA3方向に飛び出されてゴミ移動通路310を介して集塵部270に収集される。
【0048】
ゴミの除去された空気は、ハウジングカバー300の上端にぶつかり、排出ガイドキャップ320により排出ガイド管240内に流入され矢印のA4方向へと下降する。排出ガイド管240の排出口242からの空気は矢印のA5方向に出口メッシュ260の設けられた排気口250(図5参照)を介して抜け出る。排気口250を通じて抜け出た空気はフィルタ組立体500により微細ゴミがろ過されてから、サイクロン集塵装置100の外部へと排気される。
【0049】
一方、集塵部270にゴミが一定容量積もると、ユーザは排気ボタン420を押して排出カバー400をオープンし、集塵部270内に積もったゴミを除去すればよい(図2参照)。
【0050】
図8は繰り返された実験により得られた本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置100の吸入流量の変化を示したグラフである。なお、横軸は集塵部270に積もったゴミの容量(g)を示し、縦軸は単位時間当り吸入流量(m/min)を示す。集塵部270に積もったゴミの容量はサイクロン集塵装置100のサイズに応じて可変する。同一吸入力の条件下で吸入流量が高いことは吸入力が減少することなく維持されていることを意味する。
【0051】
図示されたように、同一な吸入力の条件下で一般のサイクロン集塵装置の吸入流量(B1,B2)より本実施の形態に係るサイクロン集塵装置100の吸入流量(B3)が高いことが分かる。一方、一般のサイクロン集塵装置は掃除機の駆動初期に吸入力が著しく低下されるが、本発明のサイクロン集塵装置100は基本性能対比して吸入力が減少することなく一定レベルの吸入力を保つことができる。
【0052】
図示されていないが、前述の構成を有する本実の形態におけるサイクロン集塵装置はアップライト型真空掃除機に選択的に採用して使用できる。
【0053】
以上、図面に基づいて本発明の好適な実施形態を図示および説明してきたが本発明の保護範囲は、前述の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係るサイクロン集塵装置が適用された真空掃除機の概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るサイクロン集塵装置の前方斜視図である。
【図3】図2のハウジングカバーを取り除いたときのサイクロン集塵装置の平面斜視図である。
【図4】図2の排出カバーを取り除いたときのサイクロン集塵装置の背面斜視図である。
【図5】図2のフィルタ組立体が除去された状態で排気口に出口メッシュが結合された様子を示すサイクロン集塵装置の後面斜視図である。
【図6】図2のフィルタ組立体が結合される様子を示すサイクロン集塵装置の後面斜視図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るサイクロン集塵装置の動作を説明するための図2のハウジング前面を切開した斜視図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るサイクロン集塵装置の吸入力を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
【0055】
100 サイクロン集塵装置
200 ハウジング
210 空気流入口
220 サイクロン部
230 流入ガイド管
240 排出ガイド管
250 排気口
260 出口メッシュ
270 集塵部
300 ハウジングカバー
310 ゴミ移動通路
320 排出ガイドキャップ
400 排気かバー
500 フィルタ組立体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流入口、該空気流入口を介して吸込まれた空気からゴミを遠心分離するサイクロン部と、該サイクロン部の一方に設けられ前記サイクロン部にて空気から分離されたゴミを収集する集塵部と、前記サイクロン部にてゴミの除去された空気が排出される排気口を含むハウジングと、
前記ハウジングの上部に結合し、前記サイクロン部と集塵部との間にゴミ移動通路を形成するハウジングカバーと、
前記ハウジングの下部に開放自在に結合される排出カバーと、
前記排気口が形成される前記ハウジングの一面に着脱自在に結合し、前記排気口を介して排出される空気から微細ゴミをろ過するためのフィルタ組立体と、を含み、
前記サイクロン部は実質的な曲面構造を有し、前記空気流入口から吸込まれた空気全部を前記サイクロン部に流入すべくガイドする流入ガイド管を含み、前記空気流入口は前記流入ガイド管と連結され、前記空気流入口を介して吸込まれる空気が前記サイクロン部に直接流入されることを特徴とするサイクロン集塵装置。
【請求項2】
前記サイクロン部は円筒のチャンバ外壁を含み、
前記流入ガイド管の所定部分は前記チャンバ外壁と一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載のサイクロン集塵装置。
【請求項3】
前記ゴミ移動通路の入口は前記流入ガイド管と少なくとも一部が重なるよう、前記流入ガイド管方向に向って延長されるべく設けられることを特徴とする請求項2に記載のサイクロン集塵装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記サイクロン部でゴミの分離された空気を前記排気口にガイドする排出ガイド管を更に含み、前記排出ガイド管は前記空気と分離されたゴミが前記排出ガイド管内に流入されることを防止すべく、その上端の位置が前記ゴミ移動通路の形成された位置より高く形成されることを特徴とする請求項1に記載のサイクロン集塵装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記排出ガイド管内に設けられ、前記排出ガイド管を通過する空気と接して前記空気により発生するノイズを減少させるノイズ低減リブを更に含むことを特徴とする請求項4に記載のサイクロン集塵装置。
【請求項6】
前記ハウジングカバーは、前記排出ガイド管の上端と対応する位置に前記排出ガイド管に向うよう半球状に突設され、前記サイクロン部でゴミの分離された空気を前記排出ガイド管に流入するようガイドする排出ガイドキャップを含むことを特徴とする請求項4に記載のサイクロン集塵装置。
【請求項7】
前記排出ガイド管から抜け出る空気は前記排気口に全て移動することを特徴とする請求項4に記載のサイクロン集塵装置。
【請求項8】
前記排出ガイド管の排出口と前記排気口との間の空気流路の断面積は、前記排気口側に行くほど次第に大きくなることを特徴とする請求項7に記載のサイクロン集塵装置。
【請求項9】
前記排気口には出口メッシュが設けられていることを特徴とする請求項8に記載のサイクロン集塵装置。
【請求項10】
前記出口メッシュは着脱自在に設けられることを特徴とする請求項9に記載のサイクロン集塵装置。
【請求項11】
前記フィルタ組立体は、多孔性の網部材である第1フィルタと、該第1フィルタより気孔のサイズが小さいスポンジである第2フィルタと、前記第2フィルタより気孔のサイズが小さい第3フィルタとが順に配置され、前記排気口を通過した空気が前記第1フィルタ、第2フィルタ、第3フィルタの順で通過することを特徴とする請求項1に記載のサイクロン集塵装置。
【請求項12】
前記サイクロン部および集塵部は前記ハウジング内に並列に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサイクロン集塵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−334391(P2006−334391A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359151(P2005−359151)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(595072848)三星光州電子株式会社 (134)
【Fターム(参考)】