説明

サッシフレームの取付構造及び取付方法

【課題】窓開口を大きくした窓枠体であっても下地材を露出させることのないサッシフレームの取付構造及び取付方法を提供する。
【解決手段】躯体開口部Aの下辺にはモルタル41を介して下部下地アングル30が設けられ、躯体開口部Aの上辺には窓枠体2と略同幅の間隔を有して両側にそれぞれ上部下地アングル31が設けられ、フレーム体3は窓枠体2の左右縦辺に固定される縦フレーム材20を有し、縦フレーム材20は上下端部がそれぞれ上部下地アングル31及び下部下地アングル30に固定され、縦フレーム材20と上部下地アングル31及び下部下地アングル30に囲まれる領域に外壁パネル4が取付けられてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓枠体にフレーム体を取付けたサッシフレームをRC造またはSRC造の躯体開口部に取付けてなるサッシフレームの取付構造及び取付方法に関し、特に溶接によらず接合してなるサッシフレームの取付構造及び取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の建物躯体に対して窓枠体を効率よく取付けるため、窓枠体にフレーム体を取付けてなるサッシフレームを躯体開口部に取付ける構造が知られている。サッシフレームは、窓枠体とフレーム体とを工場で固定してユニット化し、施工現場ではフレーム体を躯体開口部に取付けられた下地材に対して固定される。そして、サッシフレームの周囲にはALCパネルやPCパネルからなる外壁パネルが設けられる。これによって、施工現場において溶接等の作業を不要とすることができ、窓枠体を効率よく取付けることができる。また、溶接が不要であるため、後でサッシフレームを交換することも可能となる。このようなサッシフレームの取付構造は、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【特許文献1】特開平6−299758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
躯体開口部に取付けられる下地材は、室外側に面する見付面を有しており、この見付面に対してフレーム体を構成する縦フレーム材が締結固定される。フレーム体と下地材の固定強度を確保するためには、下地材の見付面はある程度の幅を有することが必要である。ところで近年、サッシはできるだけ窓開口を大きくすることが求められている。窓開口をできるだけ大きくするために、窓枠体を構成する枠材の見付面は幅狭となるように形成されている。このため、窓枠体を有するサッシフレームを下地材が取付けられた躯体開口部に取付けると、窓枠体の枠材の見付面では下地材を覆いきれないこととなっていた。
【0004】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、窓開口を大きくした窓枠体であっても下地材を露出させることのないサッシフレームの取付構造及び取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係るサッシフレームの取付構造は、窓枠体にフレーム体を締結固定したサッシフレームをRC造またはSRC造の躯体開口部に締結固定してなるサッシフレームの取付構造において、
前記躯体開口部の下辺にはモルタルを介して下部下地アングルが設けられ、前記躯体開口部の上辺には前記窓枠体と略同幅の間隔を有して両側にそれぞれ上部下地アングルが設けられ、
前記フレーム体は前記窓枠体の左右縦辺に固定される縦フレーム材を有し、該縦フレーム材は上下端部がそれぞれ前記上部下地アングル及び下部下地アングルに固定され、前記縦フレーム材と上部下地アングル及び下部下地アングルに囲まれる領域に外壁パネルが取付けられてなることを特徴として構成されている。
【0006】
また、本発明に係るサッシフレームの取付構造は、前記上部下地アングルは断面略L字状に形成され、一面が前記躯体開口部に固定され、該固定される一面と直交する他面は下方に垂下されると共に、前記フレーム体が設けられる側の端部に前記縦フレーム材が締結固定されることを特徴として構成されている。
【0007】
さらに、本発明に係るサッシフレームの取付構造は、前記縦フレーム材の上下端部にはスライド部品が設けられ、該スライド部品が前記縦フレーム材に沿ってスライドすることで前記上部下地アングル及び下部下地アングルを前記縦フレーム材との間で挟持固定することを特徴として構成されている。
【0008】
さらにまた、本発明に係るサッシフレームの取付構造は、前記窓枠体の上辺には中央部に連結材が設けられ、該連結材は前記躯体開口部に対して締結固定されることを特徴として構成されている。
【0009】
そして、本発明に係るサッシフレームの取付方法は、窓枠体にフレーム体を締結固定したサッシフレームをRC造またはSRC造の躯体開口部に締結固定するサッシフレームの取付方法において、
前記躯体開口部の下辺に下部下地アングルを通し状に設け、上下方向のレベル調整を行うと共に前記躯体開口部との間に生じる隙間をモルタルで埋め、
前記躯体開口部の上辺に上部下地アングルを前記窓枠体と略同幅の間隔を有して両側にそれぞれ設けて固定し、
前記下部下地アングルと上部下地アングルに前記サッシフレームが有する縦フレーム材の端部を固定し、
前記縦フレーム材と上部下地アングル及び下部下地アングルに囲まれる領域に外壁パネルを取付けることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るサッシフレームの取付構造によれば、躯体開口部の下辺にはモルタルを介して下部下地アングルが設けられ、躯体開口部の上辺には窓枠体と略同幅の間隔を有して両側にそれぞれ上部下地アングルが設けられ、フレーム体の縦フレーム材は上下端部がそれぞれ上部下地アングル及び下部下地アングルに固定されることにより、窓開口を大きくして窓枠体の上枠を細くしても、下地材を露出させることがないようにすることができる。
【0011】
また、本発明に係るサッシフレームの取付構造によれば、上部下地アングルは断面略L字状に形成され、一面が躯体開口部に固定され、固定される一面と直交する他面は下方に垂下されると共に、フレーム体が設けられる側の端部に縦フレーム材が締結固定されることにより、縦フレーム材と上部下地アングルとの連結強度を充分に確保することができる。
【0012】
さらに、本発明に係るサッシフレームの取付構造によれば、縦フレーム材の上下端部にはスライド部品が設けられ、スライド部品が縦フレーム材に沿ってスライドすることで上部下地アングル及び下部下地アングルを縦フレーム材との間で挟持固定することにより、縦フレーム材と各下地アングルとの連結に締結具を用いる必要がなく、縦フレーム材に締結具を挿通させるための孔を形成しなくてもよいので、施工現場における作業効率を向上させることができる。
【0013】
さらにまた、本発明に係るサッシフレームの取付構造によれば、窓枠体の上辺には中央部に連結材が設けられ、連結材は躯体開口部に対して締結固定されることにより、窓枠体の左右方向幅が大きい場合に、窓枠体の変形を防止することができる。
【0014】
そして、本発明に係るサッシフレームの取付方法によれば、躯体開口部の下辺に下部下地アングルを通し状に設け、上下方向のレベル調整を行うと共に躯体開口部との間に生じる隙間をモルタルで埋め、躯体開口部の上辺に上部下地アングルを窓枠体と略同幅の間隔を有して両側にそれぞれ設けて固定し、下部下地アングルと上部下地アングルにサッシフレームが有する縦フレーム材の端部を固定し、縦フレーム材と上部下地アングル及び下部下地アングルに囲まれる領域に外壁パネルを取付けることにより、窓開口を大きくして窓枠体の上枠を細くしても、下地材を露出させることがないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には、本実施形態におけるサッシフレーム1が取付けられた躯体開口部Aの正面図を示している。この図は、躯体開口部Aを室外側から見た図である。図1に示すように、本実施形態のサッシフレーム1には、躯体開口部Aの下端から上端の略全長に渡る上下方向幅を有した窓枠体2が設けられている。すなわち、本実施形態で設けられるサッシは掃き出し窓である。
【0016】
窓枠体2は、上枠10と下枠11及び左右の縦枠12、12を方形状に枠組みして構成されている。窓枠体2内には、内障子13と外障子14が引き違い状に納められており、内障子13及び外障子14は窓枠体2内を走行自在とされている。窓枠体2の両側には、それぞれ外壁パネルとしてALCパネル4が設けられる。なお、本実施形態では外壁パネルとしてALCパネルを用いているが、PCパネルであってもよい。
【0017】
図2には、サッシフレームが取付けられた躯体開口部の背面図を示している。すなわち、図2は躯体開口部を室内側から見た図である。図2に示すように、サッシフレーム1は、窓枠体2とフレーム体3とからなっており、フレーム体3は躯体開口部Aに取付けられる下部下地アングル30及び上部下地アングル31に締結固定されることで、躯体開口部Aに固定される。
【0018】
フレーム体3は、2本の縦フレーム材20、20が窓枠体2の左右方向幅の間隔を有して配置されてなり、縦フレーム材20はそれぞれ窓枠体2を構成する縦枠12に対して固定されている。
【0019】
躯体開口部Aに取付けられている下部下地アングル30は、躯体開口部Aの下辺に沿って、窓枠体2とその周囲に設けられるALCパネル4の下辺の長さに渡り、1本が通し状に設けられている。一方、上部下地アングル31は、躯体開口部Aの上辺に沿って、窓枠体2と略同幅の間隔を有して両側にそれぞれ設けられており、窓枠体2の周囲に設けられるALCパネル4の長さと略同じ長さを有するように形成されている。フレーム体3の縦フレーム材20は、上下端部においてそれぞれ下部下地アングル30と上部下地アングル31に固定される。
【0020】
サッシフレーム1の取付構造について更に詳細に説明する。図3にはサッシフレーム1を躯体開口部Aに取付けた縦断面図を、図4にはサッシフレーム1を躯体開口部Aに取付けた横断面図のうち縦フレーム材20付近の拡大図を、それぞれ示している。図3に示すように、窓枠体2の上枠10と下枠11には、窓枠体2の強度を向上させてねじれを防止するため、中空部10a、11aがそれぞれ形成されている。
【0021】
窓枠体2の上枠10は、躯体開口部Aの内周面と所定間隔を有して対向し、その間の隙間は目地材40によって埋められている。また、上枠10の左右方向中央部には、断面略L字状の連結材22が設けられており、上枠10はこの連結材22に対して固定されている。連結材22は、躯体開口部Aの内周面に当接する躯体固定面22aと、躯体固定面22aの室内端部から下方に垂下された見付面22bとを有し、躯体固定面22aはボルトとナットからなる締結具24によって躯体開口部Aの内周面に固定されている。また、上枠10は室内面が連結材22の見付面22bに当接し、ネジ止めによって固定されている。
【0022】
目地材40の室外側には、上枠10と躯体開口部Aの間にシール材46が設けられ、さらに躯体開口部Aを覆うように外壁材44が取付けられる。また、上枠10の室内側には額縁材43と内壁材45が設けられて躯体開口部Aの内周面を覆っている。また、上枠10の室内面から躯体開口部Aの内周面に沿うように断熱材42が設けられる。
【0023】
窓枠体2の下枠11は、下部下地アングル30に対してネジ止め固定されている。下部下地アングル30は、躯体開口部Aの内周面と対向する固定面30aと、固定面30aの室内端部から上方に延びる見付面30bとで断面略L字状をなしており、固定面30aと躯体開口部Aとの間の隙間はモルタル41で埋められている。固定面30aにはボルトとナットからなる締結具32が設けられ、これが躯体開口部Aにまで達することで、下部下地アングル30はモルタル41を介して躯体開口部Aに締結固定されている。
【0024】
下枠11は、室内面が下部下地アングル30の見付面30bに対してネジ止め固定されている。下枠11の室外端部には、モルタル41との間にシール材46が設けられており、下枠11の室内側には額縁材43及び内壁材45が設けられて躯体開口部Aの内周面を覆っている。また、下枠11の室内面から躯体開口部Aの内周面に沿うように断熱材42が設けられる。
【0025】
図4に示すように、窓枠体2の縦枠12は、フレーム体3を構成する縦フレーム材20に対して固定される。縦フレーム材20は断面略コ字状に形成され、その内周面及び室外面に対して縦枠12がネジ止め固定される。縦フレーム材20の窓枠体2と反対側にはALCパネル4が配置され、縦フレーム材20の室内面からALCパネル4の室内面に渡って断熱材42が設けられる。
【0026】
ALCパネル4の窓枠体2に対向する面には、段部4aが形成されており、室外側部分が縦枠12側に近接するようにされている。このALCパネル4の室外側部分の面と縦枠12の外周面との間には、シール材46が設けられる。シール材46の部分から室外側にかけて、ALCパネル4を覆うように外壁材44が設けられる。また、縦枠12の室内側には額縁材43及び内壁材45が設けられてALCパネル4や縦フレーム材20が室内側に露出しないようにしている。
【0027】
次に、フレーム体3と下部下地アングル30及び上部下地アングル31との連結構造について説明する。図5にはフレーム体3と下部下地アングル30及び上部下地アングル31の連結構造を表した正面図を、図6にはフレーム体3と下部下地アングル30及び上部下地アングル31の連結構造を表した側面図を、それぞれ示している。なお、これらの図では、目地材40やモルタル41等は省略している。これら各図に示すように、フレーム体3を構成する縦フレーム材20は、上下端部でそれぞれ上部下地アングル31と下部下地アングル30に対して締結固定されている。
【0028】
上部下地アングル31は、前述のように窓枠体2が配置される領域よりも外側にのみ設けられている。図6に示すように、上部下地アングル31は躯体開口部Aの内周面に当接する躯体固定面31aと、躯体固定面31aの室内端部から下方に垂下された見付面31bとで断面略L字状をなすように形成されており、端部において見付面31bが縦フレーム材20の室内面に当接する。そして、ボルトとナットからなる締結具33によって両者が締結固定される。下部下地アングル30も、同様に見付面30bに縦フレーム材20の室内面に当接し、締結具33によって締結固定されている。
【0029】
ここで、上部下地アングル31は、縦フレーム材20と締結具33により確実な固定をなすためには、見付面31bがある程度幅広である必要があり、下端面は窓枠体2を構成する上枠10の下端面よりも下方に位置している。しかし、上部下地アングル31は窓枠体2と略同幅の間隔を有して両側にそれぞれ設けられており、窓枠体2が配置される領域には設けられないようになっているので、上枠10を細く形成しても上部下地アングル31を露出させることがないようにすることができる。すなわち、上枠10を細くして窓開口をできるだけ大きく形成することができる。
【0030】
なお、窓枠体2を構成する下枠11は、内障子13や外障子14の荷重に耐える必要があるため、上枠10に比べて見付面を大きく形成している。したがって、下部下地アングル30は下枠11によって完全に隠すことができるので、窓枠体2が配置される領域に渡って設けることができる。
【0031】
図7には、ALCパネル4を配置した部分の縦断面図を示している。この図に示すように、ALCパネル4は上端部において室内面が上部下地アングル31の見付面31bに当接し、ALCパネル4にボルト止めされる取付金具35が上部下地アングル31の見付面31bに重なり合うことで、ALCパネル4が上部下地アングル31に対して固定される。また、ALCパネル4は下端部において室内面が下部下地アングル30の見付面30bに当接し、ALCパネル4にボルト止めされる取付金具35が下部下地アングル30の見付面30bに重なり合うことで、ALCパネル4が下部下地アングル30に対して固定されると共に、ALCパネル4の下面はスペーサ34を介して下部下地アングル30の固定面30aに支持され、締結具により締結固定されている。
【0032】
縦フレーム材20の下部下地アングル30や上部下地アングル31に対する固定は、締結具33による締結固定には限られない。図8には縦フレーム材20の下部下地アングル30に対する固定構造の他の例であって固定前の状態を表した斜視図を、図9には固定後の状態を表した斜視図を、それぞれ示している。図8に示すように、縦フレーム材20の室内面の下部には、長孔20aが形成され、また縦フレーム材20の内面に沿うようにスライド部品23が設けられる。
【0033】
スライド部品23は室内面の下端部に、縦フレーム材20の室内面と当接する室内面の他の部分よりも室外側となるように形成された挟持部23aを有している。また、縦フレーム材20の下端部は、室内面のみを残してそれ以外の部分が切り欠かれている。スライド部品23は縦フレーム材20の長孔20aと適合するネジ孔23aを有しており、このネジ孔23aと長孔20aにネジ(図示しない)が挿通されることで、スライド部品23は長孔20aの長さ分だけ上下にスライドすることができる。
【0034】
図9に示すように、スライド部品23を下方にスライドさせると、挟持部23aは下部下地アングル30の見付面30bの室外側に配置される。見付面30bの室内側には縦フレーム材20の室内面の下端部が当接しており、スライド部品23のスライドに伴って挟持部23aと縦フレーム材20の室内面とで下部下地アングル30を挟持することとなる。これによって縦フレーム材20と下部下地アングル30とが連結される。
【0035】
このように、スライド部品23と縦フレーム材20で下部下地アングル30を挟持し、縦フレーム材20と下部下地アングル30とが固定されるようにすることで、下部下地アングル30に締結具33を挿通させるための孔を形成する必要がなく、取付作業を簡易化することができる。なお、上部下地アングル31に対する固定構造も同様とすることができる。
【0036】
本実施形態のサッシフレーム1の躯体開口部Aに対する取付作業は、以下の手順で行われる。予め、サッシフレーム1は窓枠体2とフレーム体3とが一体化されることで、工場においてユニット化される。施工現場においては、まず躯体開口部Aの上辺と下辺にそれぞれ上部下地アングル31と下部下地アングル30とが取付けられる。
【0037】
下部下地アングル30は、前述のように一本が躯体開口部Aの下辺に通し状に設けられ、躯体開口部Aの内周面に対して所定間隔を有するように配置されると共に、締結具32により上下方向のレベル調整を行った上で躯体開口部Aに対して締結固定される。下部下地アングル30を締結固定したら、躯体開口部Aの内周面と固定面30aとの間に生じる隙間をモルタル41で埋める。上部下地アングル31は、前述のように二本が躯体開口部Aの上辺において窓枠体2と略同幅の間隔を有して両側に設けられ、躯体開口部Aの内周面に対して締結具32により直接、締結固定される。
【0038】
続いて、固定された下部下地アングル30と上部下地アングル31に対し、サッシフレーム1の縦フレーム材20の上下端部をそれぞれ締結固定する。これによってサッシフレーム1が躯体開口部Aに固定される。サッシフレーム1を取付けたら、縦フレーム材20と上部下地アングル31及び下部下地アングル30に囲まれる領域にALCパネル4を取付けて、締結具33により締結固定する。
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図10には、第2の実施形態におけるサッシフレーム1が取付けられた躯体開口部Aの正面図を示している。この図は、躯体開口部Aを室外側から見た図である。この図に示すように、本実施形態のサッシフレーム1には、躯体開口部Aの上下方向中間位置から上端に渡る上下方向幅を有した窓枠体2が設けられている。すなわち、本実施形態で設けられるサッシは腰窓である。なお、窓枠体2の構成は、上下方向幅が異なる以外は第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0040】
図11には、サッシフレーム1が取付けられた躯体開口部Aの背面図を示している。すなわち、図11は躯体開口部を室内側から見た図である。サッシフレーム1を構成するフレーム体3は、左右の縦フレーム材20と、窓枠体2の下辺の位置で左右の縦フレーム材20間を渡す横フレーム材21とで構成されている。横フレーム材21と躯体開口部Aの下辺との間には、ALCパネル4が配置される。
【0041】
躯体開口部Aには、下辺に下部下地アングル30が、上辺に上部下地アングル31が、それぞれ設けられる。本実施形態も第1の実施形態と同様、下部下地アングル30は、躯体開口部Aの下辺に沿って、窓枠体2とその周囲に設けられるALCパネル4の下辺の長さに渡り、1本が通し状に設けられている。一方、上部下地アングル31は、躯体開口部Aの上辺に沿って、窓枠体2と略同幅の間隔を有して両側にそれぞれ設けられており、窓枠体2の周囲に設けられるALCパネル4の長さと略同じ長さを有するように形成されている。フレーム体3の縦フレーム材20は、上下端部においてそれぞれ下部下地アングル30と上部下地アングル31に固定される。
【0042】
図12にはサッシフレーム1を躯体開口部Aに取付けた窓枠体2付近の拡大縦断面図を示している。ここでの取付構造は、第1の実施形態と概ね同様であるが、窓枠体2の下辺が躯体開口部Aではなく、フレーム体3の横フレーム材21に固定されている点が異なっている。
【0043】
横フレーム材21は、パネル固定面21aと枠固定面21bとが断面略L字状をなすように形成されている。パネル固定面21aは、ALCパネル4の室内面に当接し、取付金具35による固定がなされる。窓枠体2の下枠11は、横フレーム材21の枠固定面21bに対してネジ止め固定されている。そして、下枠11の室内面からALCパネル4の室内面に渡って断熱材42が設けられ、さらに下枠11の室内側に設けられる額縁材43及び内壁材45によって覆われている。
【0044】
本実施形態のサッシフレーム1の取付方法は、第1の実施形態と概ね同様であり、予めサッシフレーム1が工場においてユニット化され、施工現場においては、まず躯体開口部Aの上辺と下辺にそれぞれ上部下地アングル31と下部下地アングル30とが取付けられる。上部下地アングル31は躯体開口部Aに直接固定され、下部下地アングル30は躯体開口部Aの下辺に対し上下方向のレベル調整を行った上で締結固定されると共に、躯体開口部Aとの間に生じる隙間をモルタル41で埋める。続いて、固定された下部下地アングル30と上部下地アングル31に対し、サッシフレーム1の縦フレーム材20の上下端部をそれぞれ締結固定し、縦フレーム材20と上部下地アングル31及び下部下地アングル30に囲まれる領域と、縦フレーム材20と横フレーム材21に囲まれる領域に、それぞれALCパネル4を取付けて、締結具33により締結固定する。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用はこれら実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1の実施形態におけるサッシフレームが取付けられた躯体開口部の正面図である。
【図2】サッシフレームが取付けられた躯体開口部の背面図である。
【図3】サッシフレームを躯体開口部に取付けた縦断面図である。
【図4】サッシフレームを躯体開口部に取付けた横断面図のうち縦フレーム材付近の拡大図である。
【図5】フレーム体と下部下地アングル及び上部下地アングルの連結構造を表した正面図である。
【図6】フレーム体と下部下地アングル及び上部下地アングルの連結構造を表した側面図である。
【図7】ALCパネルを配置した部分の縦断面図である。
【図8】縦フレーム材の下部下地アングルに対する固定構造の他の例であって固定前の状態を表した斜視図である。
【図9】図8の固定後の状態を表した斜視図である。
【図10】第2の実施形態におけるサッシフレームが取付けられた躯体開口部の正面図である。
【図11】サッシフレームが取付けられた躯体開口部の背面図である。
【図12】サッシフレームを躯体開口部に取付けた縦断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 サッシフレーム
2 窓枠体
3 フレーム体
4 ALCパネル
10 上枠
11 下枠
12 縦枠
13 内障子
14 外障子
20 縦フレーム材
21 横フレーム材
22 連結材
23 スライド部品
30 下部下地アングル
31 上部下地アングル
31a 躯体固定面
31b 見付面
41 モルタル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠体にフレーム体を締結固定したサッシフレームをRC造またはSRC造の躯体開口部に締結固定してなるサッシフレームの取付構造において、
前記躯体開口部の下辺にはモルタルを介して下部下地アングルが設けられ、前記躯体開口部の上辺には前記窓枠体と略同幅の間隔を有して両側にそれぞれ上部下地アングルが設けられ、
前記フレーム体は前記窓枠体の左右縦辺に固定される縦フレーム材を有し、該縦フレーム材は上下端部がそれぞれ前記上部下地アングル及び下部下地アングルに固定され、前記縦フレーム材と上部下地アングル及び下部下地アングルに囲まれる領域に外壁パネルが取付けられてなることを特徴とするサッシフレームの取付構造。
【請求項2】
前記上部下地アングルは断面略L字状に形成され、一面が前記躯体開口部に固定され、該固定される一面と直交する他面は下方に垂下されると共に、前記フレーム体が設けられる側の端部に前記縦フレーム材が締結固定されることを特徴とする請求項1記載のサッシフレームの取付構造。
【請求項3】
前記縦フレーム材の上下端部にはスライド部品が設けられ、該スライド部品が前記縦フレーム材に沿ってスライドすることで前記上部下地アングル及び下部下地アングルを前記縦フレーム材との間で挟持固定することを特徴とする請求項1記載のサッシフレームの取付構造。
【請求項4】
前記窓枠体の上辺には中央部に連結材が設けられ、該連結材は前記躯体開口部に対して締結固定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサッシフレームの取付構造。
【請求項5】
窓枠体にフレーム体を締結固定したサッシフレームをRC造またはSRC造の躯体開口部に締結固定するサッシフレームの取付方法において、
前記躯体開口部の下辺に下部下地アングルを通し状に設け、上下方向のレベル調整を行うと共に前記躯体開口部との間に生じる隙間をモルタルで埋め、
前記躯体開口部の上辺に上部下地アングルを前記窓枠体と略同幅の間隔を有して両側にそれぞれ設けて固定し、
前記下部下地アングルと上部下地アングルに前記サッシフレームが有する縦フレーム材の端部を固定し、
前記縦フレーム材と上部下地アングル及び下部下地アングルに囲まれる領域に外壁パネルを取付けることを特徴とするサッシフレームの取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−243187(P2009−243187A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92198(P2008−92198)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000150615)株式会社長谷工コーポレーション (94)
【出願人】(390018717)旭化成建材株式会社 (249)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】