説明

サッシ部品固定裏板、サッシ部品取付構造及びサッシ部品取付方法

【課題】見栄えを損なうことなくサッシ部品を窓サッシに後付けすることが可能なサッシ部品固定裏板、サッシ部品取付構造及びサッシ部品取付方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のサッシ部品取付方法は、裏板30に形成された保持用ボルト螺子孔33に保持用ボルトとしての裏板固定用ボルト44を螺合してこれを把持し、戸先框22を貫通した裏板挿入孔25に対して斜め上方又は斜め下方から裏板30を挿入し、裏板30の全体を戸先框22内に挿入した状態で保持する。その状態で、戸先框22の裏板固定用挿通孔26,26の一方に通された裏板固定用ボルト44を、裏板30に形成された裏板固定用螺子孔34,34の一方に螺合することで裏板30を仮固定しておき、保持用ボルトとしての裏板固定用ボルト44を保持用ボルト螺子孔33から取り外して他方の裏板固定用螺子孔34に螺合する。これにより、裏板30は戸先框22内に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓サッシの縦框にサッシ部品を後付けするためのサッシ部品固定裏板、サッシ部品取付構造及びサッシ部品取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、窓サッシの縦框に対してサッシ部品を後付けする場合には、取付下地である縦框を補強するために裏板を取り付ける。その一例として、縦框を室内外から挟むようにサッシ部品と裏板とを配置し、それらサッシ部品と縦框と裏板とをボルトで共締めした取付構造が従来より知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】トステム株式会社、webカタログ、[online]、[平成22年3月10日検索]、インターネット[URL:http://cextension.jp/tostem/TA6500/1083.pdf]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した従来のサッシ部品取付構造では、裏板が窓サッシの外面に露出するため、窓サッシの見栄えが損なわれるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、見栄えを損なうことなくサッシ部品を窓サッシに後付けすることが可能なサッシ部品固定裏板、サッシ部品取付構造及びサッシ部品取付方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るサッシ部品固定裏板は、窓サッシの縦框の外面にサッシ部品を後付けするために縦框の内側に後付けされるサッシ部品固定裏板であって、縦框のうちサッシ部品の取り付け面に貫通形成される裏板挿入孔に斜め上方又は斜め下方から挿入するための帯板形状をなしかつ、その長手方向に一端部から他端部に向かって順番に第1の螺子孔、第2の螺子孔及び第3の螺子孔を含む複数の螺子孔が並べて形成され、第1の螺子孔には、裏板挿入孔から縦框内に全体が挿入された状態のサッシ部品固定裏板を縦框の外側から保持するための保持用ボルトが螺合され、第2,第3の螺子孔のうちの一方の螺子孔には、縦框に貫通形成される螺子挿通孔を通してサッシ部品を取り付ける前にサッシ部品固定裏板を縦框に固定するための裏板固定用ボルトが螺合され、第2,第3の螺子孔のうちの他方の螺子孔には、サッシ部品と縦框とサッシ部品固定裏板とを共締めするためのサッシ部品固定用ボルトが螺合されるように構成されたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のサッシ部品固定裏板において、複数の螺子孔は、第3の螺子孔を挟んで第2の螺子孔の反対側に配置された第4の螺子孔を含む第1〜第4の4つの螺子孔で構成され、第2と第4の螺子孔に裏板固定用ボルトが螺合され、第3の螺子孔にサッシ部品固定用ボルトが螺合されるように構成されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のサッシ部品固定裏板において、サッシ部品固定裏板の長手方向の中間部には、第3の螺子孔と同心の円弧状にサッシ部品固定裏板の両側縁部を側方に突出させた円弧突部が形成されているところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載のサッシ部品固定裏板において、第1と第2と第4の螺子孔が同一径、同一ピッチの螺子孔であるところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明に係るサッシ部品取付構造は、窓サッシの縦框とその外面にサッシ部品を取り付けるためのサッシ部品取付構造であって、縦框のうちサッシ部品の取り付け面の裏側に位置した縦框の内面には、縦框のうち前記サッシ部品の取り付け面に貫通形成された裏板挿入孔に対して斜め上方又は斜め下方から挿入可能な帯板形状をなしかつ、その長手方向に一端部から他端部に向かって順番に第1の螺子孔、第2の螺子孔及び第3の螺子孔を含む複数の螺子孔が並べて形成されたサッシ部品固定裏板が重ねられ、第2,第3の螺子孔のうちの一方の螺子孔には、縦框に貫通形成された螺子挿通孔を通してサッシ部品を取り付ける前にサッシ部品固定裏板を縦框に固定するための裏板固定用ボルトが螺合され、第2,第3の螺子孔のうちの他方の螺子孔には、サッシ部品と縦框とサッシ部品固定裏板とを共締めするためのサッシ部品固定用ボルトが螺合され、第1の螺子孔には、裏板挿入孔から縦框内に挿入された状態のサッシ部品固定裏板を縦框の外側から保持するための保持用ボルトが螺合可能であるところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載のサッシ部品取付構造において、サッシ部品1つに対してサッシ部品固定裏板が上下に2つ並べて備えられ、縦框のうちサッシ部品の取り付け面における上下方向の中央に1対の裏板挿入孔が配置されかつ中央から離れた側に螺子挿通孔が上下対称に配置されたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明に係るサッシ部品取付方法は、窓サッシの縦框の外面にサッシ部品を後付けするためのサッシ部品取付方法において、帯板形状のサッシ部品固定裏板の長手方向に第1の螺子孔、第2の螺子孔及び第3の螺子孔を含む複数の螺子孔を並べて形成しておくと共に、縦框のうちサッシ部品の取り付け面に、サッシ部品固定裏板の複数の螺子孔に対応させて複数の貫通孔を形成しておき、さらに、サッシ部品固定裏板の一端の第1の螺子孔に保持用ボルトを螺合しておき、縦框における複数の貫通孔のうち一端の貫通孔である裏板挿入孔に対してサッシ部品固定裏板を斜め上方又は斜め下方から挿入すると共に、サッシ部品固定裏板を縦框の内面に重ねた状態で縦框の外側からサッシ部品固定裏板を保持用ボルトの把持によって保持し、第2,第3の螺子孔のうちの一方の螺子孔に、縦框の貫通孔を通して裏板固定用ボルトを締め付けてサッシ部品固定裏板を縦框に固定してから、第2,第3の螺子孔のうちの他方の螺子孔に、縦框の貫通孔を通してサッシ部品と縦框とサッシ部品固定裏板とを共締めするためのサッシ部品固定用ボルトを締め付けるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0013】
[請求項1の発明]
請求項1に記載のサッシ部品固定裏板を使用してサッシ部品を窓サッシの縦框に後付けする場合は、サッシ部品固定裏板の長手方向における一端部に形成された第1の螺子孔に保持用ボルトを螺合してその保持用ボルトを把持し、縦框を貫通した裏板挿入孔に対して斜め上方又は斜め下方からサッシ部品固定裏板を挿入し、サッシ部品固定裏板の全体を縦框内に挿入した状態で保持する。その状態で、縦框の螺子挿通孔に通された裏板固定用ボルトを、サッシ部品固定裏板に形成された第2又は第3の螺子孔の一方に螺合することでサッシ部品固定裏板を縦框の内部に固定しておき、第2又は第3の螺子孔の他方に縦框の外部からサッシ部品固定用ボルトを螺合して、サッシ部品と縦框とサッシ部品固定裏板とを共締めする。このように本発明によれば、サッシ部品固定裏板が縦框の内部に配置されるので、見栄えを損なうことなくサッシ部品を窓サッシに後付けすることができる。
【0014】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、2つの螺子孔、即ち、第2と第4の螺子孔に裏板固定用ボルトが螺合されるので、サッシ部品固定裏板の取付強度が向上する。
【0015】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、サッシ部品固定裏板のうち第3の螺子孔の側方部分の強度を確保することができる。
【0016】
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、保持用ボルトとして、裏板固定用ボルトを流用することができる。具体的には、例えば、第1の螺子孔に螺合させた保持用ボルトとしての裏板固定用ボルトを把持してサッシ部品固定裏板を裏板挿入孔から縦框の内部に挿入し、その状態で別の裏板固定用ボルトを第2又は第4の螺子孔の一方に螺合させて仮固定しておく。そして、保持用ボルトとしての裏板固定用ボルトを第1の螺子孔から取り外して、第2又は第4の螺子孔の他方に螺合させることで、サッシ部品固定裏板を縦框の内部に固定する。つまり、裏板固定用ボルトとは別に保持用ボルトを用意する必要が無くなる。
【0017】
[請求項5の発明]
請求項5のサッシ部品取付構造によりサッシ部品を後付けする場合は、サッシ部品固定裏板の長手方向における一端部に形成された第1の螺子孔に保持用ボルトを螺合してその保持用ボルトを把持し、縦框のうちサッシ部品の取り付け面を貫通した裏板挿入孔に対して斜め上方又は斜め下方からサッシ部品固定裏板を挿入し、縦框の内面に重ねた状態で保持する。その状態で、縦框に形成された螺子挿通孔に裏板固定用ボルトを通してサッシ部品固定裏板に形成された第2又は第3の螺子孔の一方に螺合し、サッシ部品固定裏板を縦框の内部に固定する。更に、第2又は第3の螺子孔の他方にサッシ部品固定用ボルトを螺合して、サッシ部品と縦框とサッシ部品固定裏板とを共締めする。このように、本発明によれば、サッシ部品固定裏板が縦框の内部に配置されるので、見栄えを損なうことなくサッシ部品を窓サッシに後付けすることができる。
【0018】
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、2つのサッシ部品固定裏板の取付間隔を変更することで、多様なサッシ部品の取り付けに柔軟に対応することが可能となる。
【0019】
[請求項7の発明]
請求項7のサッシ部品取付方法によりサッシ部品を後付けする場合は、サッシ部品固定裏板の長手方向における一端部に形成された第1の螺子孔に保持用ボルトを螺合してその保持用ボルトを把持し、縦框を貫通した裏板挿入孔に対して斜め上方又は斜め下方からサッシ部品固定裏板を挿入し、縦框の内面に重ねた状態で保持する。その状態で、縦框に形成された貫通孔に裏板固定用ボルトを通してサッシ部品固定裏板に形成された第2又は第3の螺子孔の一方に螺合し、サッシ部品固定裏板を縦框の内部に固定する。更に、縦框に形成された別の貫通孔にサッシ部品固定用ボルトを通して第2又は第3の螺子孔の他方に螺合し、サッシ部品と縦框とサッシ部品固定裏板とを共締めする。このように本発明によれば、サッシ部品固定裏板が縦框の内部に配置されるので、見栄えを損なうことなくサッシ部品を窓サッシに後付けすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係るサッシ部品固定裏板を使用してアシストハンドル装置を後付けした窓サッシの正面図
【図2】アシストハンドル装置が後付けされた戸先框の斜視図
【図3】開放操作したときのアシストハンドル装置の正面図
【図4】アシストハンドル装置が後付けされた戸先框及びサッシ部品固定裏板の側断面図
【図5】サッシ部品固定裏板の(A)正面図、(B)側断面図
【図6】裏板挿通孔、裏板固定用挿通孔、部品固定用挿通孔が穿孔された戸先框の斜視図
【図7】(A)サッシ部品固定裏板を裏板挿入孔に挿入する過程の戸先框の側断面図、(B)サッシ部品固定裏板を戸先框内面に重ねた状態の戸先框の側断面図、(C)サッシ部品固定裏板を戸先框に固定する過程の戸先框の側断面図、(D)アシストハンドル装置が固定された状態の戸先框の側断面図
【図8】(A)及び(B)参考例のサッシ部品取付構造を有する戸先框の側断面図
【図9】サッシ部品取付構造を有する戸先框の平断面図
【図10】(A)及び(B)参考例に係るサッシ部品固定裏板の平面図及び断面図
【図11】参考例に係るサッシ部品取付方法を説明するための戸先框の側断面図
【図12】参考例に係るサッシ部品取付方法を説明するための戸先框の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1に示すように、建物の壁に形成されたサッシ枠10の内側には1対の窓サッシ11,11が嵌め込まれている。これら1対の窓サッシ11,11はサッシ枠10の内側で水平方向にスライド可能な所謂「引き違い式」の窓サッシであって、例えば、矩形枠状の框20の内側にガラス板12を張った構造をなしている。框20はアルミ製又は樹脂製であって、上下方向に延びた1対の縦框21,22と、1対の縦框21,22の上端間を連結した上框23と、1対の縦框21,22の下端間を連結した下框24とで構成されている。これら縦框21,22、上框23及び下框24でガラス板12の四辺を保持している。
【0022】
框20のうち、1対の縦框21,22は中空の角筒構造をなしている。それら1対の縦框21,22のうち、窓サッシ11,11を閉じてサッシ枠10を閉塞したときに召し合わせ部となる両窓サッシ11,11の縦框21,21(以下、「戸尻框21,21」という)には、1対の窓サッシ11,11を閉塞位置で移動不能にする錠装置13(例えば、クレセント錠)が取り付けられている。
【0023】
図2に示すように、窓サッシ11のうち、窓サッシ11を閉めたときにサッシ枠10の内面10Aに接合される側の縦框22(以下、「戸先框22」という)の先端面22Sからは、サッシ枠10の内面10Aに向けて1対の突壁22T,22Tが突出している。サッシ枠10の内面10Aには縦溝(図示せず)が形成され、窓サッシ11が閉じられるとサッシの突壁22T,22Tが縦溝内に突入する。
【0024】
ところで、標準仕様の窓サッシ11,11は、戸先框22の全体が手掛け部となっており、戸先框22の先端面22Sに手を掛けて横にスライド操作することで、窓サッシ11,11を開放することができる。しかしながら、力の弱い子供や高齢者にとってはこの操作が困難となる場合があり、より軽い操作力で開放できるようにしたいという要望がある。このような要望に対応するため、開放操作する際に窓サッシ11の初動抵抗を軽減することが可能なアシストハンドル装置14(本発明の「サッシ部品」に相当する)が、窓サッシ11,11とは別部品で用意されており、窓サッシ11,11の戸先框22,22に対して後付け可能となっている。
【0025】
図1に示すように、アシストハンドル装置14は、戸先框22,22の室内面22A,22Aに取り付けられている。アシストハンドル14は、戸先框22の室内面22Aに宛がって固定される固定ベース15と、固定ベース15に対して窓サッシ11のスライド方向と直交した水平軸J1を中心にして回動可能なハンドル部16と、ハンドル部16の回動に連動して固定ベース15の内部から出没するアシスト突部17とを備えている。
【0026】
図2に示すように、固定ベース15の上端寄り部分には、サッシ枠10側を向いた側面にアシスト窓15Wが形成されている。図3に示すように、通常は、アシスト突部17が固定ベース15の内部に収容された状態で、固定ベース15のアシスト窓15Wに臨んでいる。そして、ハンドル部16を把持して戸尻側に回動操作すると、アシスト突部17の先端部分がアシスト窓15Wから前方に突き出てサッシ枠10の内面10Aに当接し、サッシ枠10と戸先框22との間を押し広げる。
【0027】
さて、図4に示すように、アシストハンドル装置14は、戸先框22の内部に後付けされた1対のサッシ部品固定裏板30,30(以下、単に「裏板30,30」という)を使用して戸先框22に後付けされている。1対の裏板30,30は、金属製で同一形状をなしている。
【0028】
裏板30,30は戸先框22を構成する筒壁のうち前記室内面22Aの裏面22B(以下、「筒壁内面22B」という)に重ねて上下対称に配置されている。これら裏板30,30により、アシストハンドル装置14の取付下地である戸先框22の筒壁を補強している。
【0029】
裏板30,30は、戸先框22に沿って上下方向に延びた帯板形状をなし、その長手方向の両端縁が外側に膨らんだ円弧状になっている(図5(A)参照)。また、複数の螺子孔32,33,34が裏板30,30の長手方向に並んで貫通形成されている。
【0030】
裏板30の長手方向の一端部には、保持用ボルト螺子孔33(本発明の「第1の螺子孔」に相当する)が貫通形成されている。裏板30の長手方向の中間部には、アシストハンドル装置14を固定するためのサッシ部品固定用螺子孔32(本発明の「第3の螺子孔」に相当する)が形成されている。サッシ部品固定用螺子孔32のうち、裏板30の筒壁内面22Bに重ねられる面とは反対面の開口縁には、円筒状に突出したバーリング筒部32Tが形成されている。
【0031】
裏板30の長手方向の他端部並びに、保持用ボルト螺子孔33とサッシ部品固定用螺子孔32との中間位置には、それぞれ裏板固定用螺子孔34,34が貫通形成されている。図4に示すように、戸先框22の筒壁を外側から貫通した2つの裏板固定用ボルト44,44がこれら2つの裏板固定用螺子孔34,34に螺合することで、裏板30が戸先框22の筒壁内面22Bに重ねて固定されている。なお、2つの裏板固定用螺子孔34,34のうち、裏板30の長手方向の一端部側の裏板固定用螺子孔34が本発明の「第2の螺子孔」に相当し、裏板30の長手方向の他端部側の裏板固定用螺子孔34が本発明の「第4の螺子孔」に相当する。
【0032】
また、戸先框22の筒壁を貫通した2つのサッシ部品固定用ボルト45,45が、1対の裏板30,30にそれぞれ形成されたサッシ部品固定用螺子孔32,32に螺合することで、アシストハンドル装置14、戸先框22及び1対の裏板30,30が共締めされ、アシストハンドル装置14が戸先框22の室内面22Aに固定される。
【0033】
ここで、裏板固定用螺子孔34,34と保持用ボルト螺子孔33は同一径、同一ピッチの螺子孔であり、裏板固定用ボルト44を保持用ボルト螺子孔33に螺合させることが可能となっている。
【0034】
また、サッシ部品固定用螺子孔32は、裏板固定用螺子孔34,34及び保持用ボルト螺子孔33よりも大径となっている。そして、裏板30におけるサッシ部品固定用螺子孔32の側方部分の強度を確保するために、裏板30の長手方向の中間部には、サッシ部品固定用螺子孔32と同心の円弧状に裏板30の両側縁部を側方に突出させた円弧突部32E,32Eが形成されている。
【0035】
本実施形態の構成は以上であって、次に、裏板30,30を使用してアシストハンドル装置14を戸先框22に後付けする方法について説明する。なお、説明の便宜のため、裏板30において保持用ボルト螺子孔33に近い側を基端側といい、その反対側を先端側という。
【0036】
アシストハンドル装置14を戸先框22に後付けする場合には先ず、戸先框22の室内面22Aのうちアシストハンドル装置14を取り付ける部分に、裏板30の螺子孔32,33,34,34に対応させて複数の貫通孔を穿孔する。具体的には、図6に示すように、裏板30を戸先框22の内部に挿入するための裏板挿入孔25と、裏板30の裏板固定用螺子孔34,34と連通させるための裏板固定用挿通孔26,26(本発明の「螺子挿通孔」に相当する)と、裏板30のサッシ部品固定用螺子孔32と連通させるための部品固定用挿通孔27とを貫通形成する。裏板挿入孔25は、他の3つの挿通孔26,26,27が裏板30の対応する螺子孔32,34,34と一致した状態で、保持用ボルト螺子孔33と連通する位置に形成される。また、裏板挿入孔25以外の挿通孔26,26,27に、裏板30を挿入することは不可能である。
【0037】
また、本実施形態では、1つのアシストハンドル装置14を2つの裏板30,30で固定する構成なので、2つの裏板30,30の取付位置にそれぞれ、上述した複数の孔25,26,26,27をドリルで貫通形成する。本実施形態では、戸先框22の室内面22Aにおける上下方向の中央に1対の裏板挿入孔25,25が配置され、上下方向の中央(1対の裏板挿入孔25,25)から離れた側に、裏板固定用挿通孔26,26及び部品固定用挿通孔27が上下対称に配置されている。
【0038】
次いで、1対の裏板挿入孔25,25にそれぞれ裏板30,30を挿入して戸先框22の内側に固定する。以下、戸先框22に対して上下対称に固定される1対の裏板30,30のうち、下側に固定される裏板30の固定方法について図7を参照しつつ説明する。
【0039】
先ず、1つの裏板30に対して2つ用意された裏板固定用ボルト44,44のうち、一方の裏板固定用ボルト44の先端部を裏板30の保持用ボルト螺子孔33に螺合して「保持用ボルト」とし、その「保持用ボルト」としての裏板固定用ボルト44の基端部を把持して、裏板挿入孔25から戸先框22の内部に裏板30を挿入する。即ち、図7(A)に示すように、裏板挿入孔25に対して斜め上方から裏板30の先端を挿入し、そのまま戸先框22の内部に斜めに挿入する。そして、裏板30の基端側を除くほぼ全体が戸先框22内に挿入されたら、同図(B)に示すように、裏板30の基端側を中心にして裏板30が略垂直になるように回動操作し、裏板30の全体を戸先框22内に挿入すると共に戸先框22の筒壁内面22Bに重ねる。ここで、裏板30のうち裏板挿入孔25に挿入する際の先端縁が外側に膨らんだ円弧状になっているので、裏板30が裏板挿入孔25の開口縁に引っ掛かり難くなっており、裏板挿入孔25への裏板30の挿入作業をスムーズに行うことができる。
【0040】
次いで「保持用ボルト」としての裏板固定用ボルト44によって戸先框22内の裏板30を移動させ、裏板固定用螺子孔34,34と戸先框22の裏板固定用挿通孔26,26とが一致するように裏板30の位置を調節する。裏板固定用螺子孔34,34と戸先框22の裏板固定用挿通孔26,26とが一致したら、図7(C)に示すように、「保持用ボルト」として使用されていない他方の裏板固定用ボルト44を、戸先框22の外部から裏板固定用挿通孔26に挿入して、戸先框22の内部で一方の裏板固定用螺子孔34と螺合させる。これで裏板30が戸先框22に対して仮固定される。
【0041】
次いで、保持用ボルト螺子孔33に螺合された「保持用ボルト」としての裏板固定用ボルト44を取り外して、その裏板固定用ボルト44を、残った裏板固定用挿通孔26から戸先框22の内部に挿入し、残ったもう1つの裏板固定用螺子孔34に螺合させる。つまり、戸先框22内に全体が挿入された裏板30を戸先框22の外側から保持するための「保持用ボルト」としての役目を終えた裏板固定用ボルト44を、今度は、裏板30を戸先框22に固定するために使用する。これで裏板30は、2つの裏板固定用ボルト44,44により戸先框22の内部に移動不能に固定される。
【0042】
なお、戸先框22に対して上下対称に固定される1対の裏板30,30のうち、上側に固定される裏板30の固定方法は、裏板挿入孔25に対して斜め下方から裏板30を挿入する点以外は、上記した手順と同一であるので説明は省略する。
【0043】
2つの裏板30,30を戸先框22に固定したら、次に、アシストハンドル装置14の固定ベース15を戸先框22の室内面22Aに宛がい、2つのサッシ部品固定用ボルト45,45を、戸先框22の部品固定用挿通孔27,27から戸先框22内に挿入して、1対の裏板30,30にそれぞれ形成されたサッシ部品固定用螺子孔32,32と螺合させる(図7(D)参照)。
【0044】
これにより、アシストハンドル装置14(固定ベース15)と、戸先框22と、2つの裏板30,30とが共締めされ、アシストハンドル装置14が戸先框22の室内面22Aに強固に固定される。なお、戸先框22の室内面22Aに開放した裏板挿入孔25,25は、アシストハンドル装置14を固定するとアシストハンドル装置14に覆われて外から見えなくなる。
【0045】
このように、本実施形態によれば、窓サッシ11の縦框である戸先框22にアシストハンドル装置14を後付けするために戸先框22に後付けされる裏板30が、筒形構造をなした戸先框22の内部に配置されるので、窓サッシ11の見栄えを損なうことなくアシストハンドル装置14を窓サッシ11に後付けすることができる。また、アシストハンドル装置14を固定するためのサッシ部品固定用螺子孔32が、バーリング孔になっているので、アシストハンドル装置14の取付強度を向上させることができる。また、裏板固定用ボルト44を「保持用ボルト」として流用することができるので、裏板固定用ボルト44とは別に「保持用ボルト」を用意する必要が無くなる。また、2つの裏板30,30の取付間隔を変更することで、アシストハンドル装置14以外の多様なサッシ部品の取り付けにも柔軟に対応することが可能となる。
【0046】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0047】
(1)上記実施形態では、本発明に係る「サッシ部品」の一例として、アシストハンドル装置14を例示したが、アシスト機能の無いハンドルや、窓サッシ11の戸尻框21又は戸先框22に取り付けられる補助錠装置等、他のサッシ部品を上述した取付構造により固定してもよい。
【0048】
(2)上記実施形態では、1つの裏板30にサッシ部品固定用螺子孔32が1つだけ設けられかつ、2つの裏板30,30を使用して1つのサッシ部品(アシストハンドル装置14)を固定する構造であったが、裏板30の全長を延長して1つの裏板30にサッシ部品固定用螺子孔32を複数個設け、1つの裏板30で1つのサッシ部品を固定する構成にしてもよい。
【0049】
(3)上記実施形態では、裏板30の長手方向の両端縁を外側に膨らんだ円弧状としていたが、それら両端縁を台形状や三角形状にしても、円弧状とした場合と同等の効果を奏する。
【0050】
(4)裏板30に形成された保持用ボルト螺子孔33、裏板固定用螺子孔34、サッシ部品固定用螺子孔32の配置及び数は、上記実施形態に限定するものではない。
【0051】
(5)上記実施形態では、戸先框22内に挿入された裏板30を戸先框22の外側から保持するための「保持用ボルト」として、裏板固定用ボルト44を流用可能な構成であったが、保持用ボルト螺子孔33とサッシ部品固定用螺子孔32とを同一径、同一ピッチとし、「保持用ボルト」としてサッシ部品固定用ボルト45を流用可能な構成としてもよい。また、裏板固定用ボルト44及びサッシ部品固定用ボルト45とは別に、専用の保持用ボルトを利用する構成でもよい。
【0052】
(6)裏板固定用ボルト44を「保持用ボルト」として利用する場合、裏板固定用ボルト44の長さを、戸先框22の内部に収まる範囲でできるだけ長くするとよい。その理由は、例えば、裏板30を裏板挿入孔25から戸先框22内に挿入しただけの状態(図7(B)参照)で、誤って保持用ボルトとしての裏板固定用ボルト44から手を離してしまった場合に、裏板固定用ボルト44を戸先框22の内部に収まる範囲でできるだけ長くしておくと、裏板固定用ボルト44が裏板挿入孔25の開口縁に引っ掛かって裏板30が戸先框22の内部で落下してしまうことを防ぐことができるからである。
【0053】
(7)上記実施形態では、裏板30を、縦框22のうちサッシ部品の取り付け面(室内面22A)を貫通した裏板挿入孔25から縦框22内に挿入して取り付けていたが、裏板30は、縦框22のうちサッシ部品の取り付け面とは反対の外面(上記実施形態では室外面)を貫通した開口部から縦框22内に挿入し、室内面22Aの裏面22Bに取り付けて使用することも可能である。なお、裏板30を挿入する開口部は、サッシ部品の取り付けに際して貫通形成してもよいし、縦框22に最初から貫通形成されている開口部(例えば、堀込み式の取っ手部品を取り付けるための開口部)を利用してもよい。
【0054】
(8)本発明の技術的範囲には含まれない参考例としてのサッシ部品固定裏板50(以下、「裏板50」という)、サッシ部品取付構造及びサッシ部品取付方法を、図8〜図12に基づいて説明する。図8及び図9には、戸先框22に対してサッシ部品(アシストハンドル装置14)を取り付けた場合の取付構造が示されており、図10には、この取付構造に使用される裏板50が示されている。
【0055】
図8及び図9に示すように、戸先框22の内部には、室内面22A及び室外面22Cと平行に上下方向に延びた内部壁29が備えられている。戸先框22の室外面22Cには、上下方向に延びた縦長開口28が貫通形成されている。縦長開口28には、堀込み式の取っ手部品40が着脱可能に取り付けられ、常には、取っ手部品40によって閉塞されている(図9参照)。
【0056】
図10に示すように、裏板50は帯板形状をなすと共に、長手方向の中間部には一方の側縁部を側方に突出させた角形突部50Kが形成されている。また、長手方向の両端寄り位置に、アシストハンドル装置14を固定するためのサッシ部品固定用螺子孔32,32が貫通形成されると共に、角形突部50Kが突出した部分に裏板固定用螺子孔34が貫通形成されている。ここで、サッシ部品固定用螺子孔32は、図10(A)に示すように、裏板50の長手方向の両端寄り位置の2箇所だけに設けてもよいし、同図(B)に示すように、裏板50の長手方向の両端寄り位置と中間部との3箇所に設けてもよい。なお、図9は、図10(A)に示したタイプの裏板50を使用してアシストハンドル装置14を戸先框22に取り付けた場合を示したものである。
【0057】
以下、図10(A)に示したタイプの裏板50を使用してアシストハンドル装置14を固定する場合の取付構造及び取付方法について説明する。図8に示すように、裏板50は、戸先框22の内部壁29のうち縦長開口28との対向面に重ねられ、裏板固定用ボルト44により戸先框22の内部に固定されると共に、2つのサッシ部品固定用ボルト45,45によってアシストハンドル装置14(固定ベース15)及び戸先框22と共締めされている。裏板固定用ボルト44は、戸先框22の室内面22A側から戸先框22内に挿入され、内部壁29を貫通して裏板固定用螺子孔34と螺合している。同様に、2つのサッシ部品固定用ボルト45,45も室内面22A側から戸先框22内に挿入され、内部壁29を貫通してサッシ部品固定用螺子孔32,32に螺合している。
【0058】
上述したサッシ部品取付構造によりアシストハンドル装置14を戸先框22に後付けする場合には、先ず、戸先框22の室内面22A及び内部壁29に、裏板50の螺子孔32,32,34に対応させてそれぞれ貫通孔を穿孔する。具体的には、図8(A)に示すように、裏板50の裏板固定用螺子孔34と連通させるための裏板固定用挿通孔26,29Bと、裏板50のサッシ部品固定用螺子孔32,32と連通させるための部品固定用挿通孔27,27,29A,29Aとを貫通形成する。
【0059】
次いで、戸先框22の室外面22Cから取っ手部品40を取り外し、縦長開口28から裏板50を戸先框22内に挿入する。具体的には、裏板50の裏板固定用螺子孔34に裏板固定用ボルト44の先端部を螺合してその裏板固定用ボルト44の基端部を把持し、縦長開口28の上下幅が裏板50の全長より短い場合(図8(A)参照)には、図11(A)に示すように、縦長開口28に対して斜め上方又は斜め下方から裏板50を挿入する。なお、図8(B)に示すように縦長開口28の上下幅が裏板50の全長より長い場合は、裏板50を縦長開口28に対して傾けることなく挿入することができる。
【0060】
裏板50の全体を戸先框22内に挿入したら、裏板50を戸先框22内の内部壁29に重ねる。ここで図11(B)に示すように、裏板50を内部壁29に重ねた状態で、裏板固定用螺子孔34に螺合された裏板固定用ボルト44が、縦長開口28から突出しているので、誤って裏板固定用ボルト44から手を離してしまった場合でも、裏板固定用ボルト44が縦長開口28の開口縁に引っ掛かり、裏板50が戸先框22の内部で落下してしまうことを防ぐことができる。
【0061】
次に、裏板固定用ボルト44によって戸先框22内の裏板50を移動させ、部品固定用挿通孔27,27,29A,29Aとサッシ部品固定用螺子孔32,32とが一致するように裏板50の位置を調節する(図11(C)参照)。一致したら、アシストハンドル装置14の固定ベース15を戸先框22の室内面22Aに宛がい、2つのサッシ部品固定用ボルト45,45を、戸先框22の部品固定用挿通孔27,27,29A,29Aに挿通させて、裏板50に形成されたサッシ部品固定用螺子孔32,32と螺合させる(図127(A)参照。なお、同図ではアシストハンドル装置14が省略されている)。これにより、アシストハンドル装置14(固定ベース15)と、戸先框22と、裏板50とが共締めされる。
【0062】
次いで、図12(A)から同図(B)への変化に示すように裏板固定用螺子孔34に螺合した裏板固定用ボルト44を縦長開口28から抜き取り、戸先框22の室内面22A及び内部壁29を貫通した裏板固定用挿通孔26,29Bに挿通して、再度、裏板固定用螺子孔34に螺合する。なお、図12(B)では、アシストハンドル装置14が省略されている。これで裏板50は、裏板固定用ボルト44により戸先框22の内部に固定される(図12(C)参照)。最後に、取っ手部品40を元通りに取り付けて縦長開口28を閉塞する。以上が、参考例に係るサッシ部品取付方法の説明である。
【符号の説明】
【0063】
11 窓サッシ
14 アシストハンドル装置(サッシ部品)
21,22 縦框
22A 室内面(サッシ部品の取り付け面)
22B 筒壁内面(縦框の内面)
25 裏板挿入孔(貫通孔)
26 裏板固定用挿通孔(螺子挿通孔、貫通孔)
27 部品固定用挿通孔(貫通孔)
30 サッシ部品固定裏板
32 サッシ部品固定用螺子孔(第3の螺子孔)
32E,32E 円弧突部
33 保持用ボルト螺子孔(第1の螺子孔)
34,34 裏板固定用螺子孔(第2,第4の螺子孔)
44 裏板固定用ボルト
45 サッシ部品固定用ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓サッシの縦框の外面にサッシ部品を後付けするために前記縦框の内側に後付けされるサッシ部品固定裏板であって、
前記縦框のうち前記サッシ部品の取り付け面に貫通形成される裏板挿入孔に斜め上方又は斜め下方から挿入するための帯板形状をなしかつ、その長手方向に一端部から他端部に向かって順番に第1の螺子孔、第2の螺子孔及び第3の螺子孔を含む複数の螺子孔が並べて形成され、
前記第1の螺子孔には、前記裏板挿入孔から前記縦框内に全体が挿入された状態の前記サッシ部品固定裏板を前記縦框の外側から保持するための保持用ボルトが螺合され、
前記第2,第3の螺子孔のうちの一方の螺子孔には、前記縦框に貫通形成される螺子挿通孔を通して前記サッシ部品を取り付ける前に前記サッシ部品固定裏板を前記縦框に固定するための裏板固定用ボルトが螺合され、
前記第2,第3の螺子孔のうちの他方の螺子孔には、前記サッシ部品と前記縦框と前記サッシ部品固定裏板とを共締めするためのサッシ部品固定用ボルトが螺合されるように構成されたことを特徴とするサッシ部品固定裏板。
【請求項2】
前記複数の螺子孔は、前記第3の螺子孔を挟んで前記第2の螺子孔の反対側に配置された第4の螺子孔を含む前記第1〜第4の4つの螺子孔で構成され、
前記第2と第4の螺子孔に前記裏板固定用ボルトが螺合され、前記第3の螺子孔にサッシ部品固定用ボルトが螺合されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のサッシ部品固定裏板。
【請求項3】
前記サッシ部品固定裏板の長手方向の中間部には、前記第3の螺子孔と同心の円弧状に前記サッシ部品固定裏板の両側縁部を側方に突出させた円弧突部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のサッシ部品固定裏板。
【請求項4】
前記第1と第2と第4の螺子孔が同一径、同一ピッチの螺子孔であることを特徴とする請求項2又は3に記載のサッシ部品固定裏板。
【請求項5】
窓サッシの縦框とその外面にサッシ部品を取り付けるためのサッシ部品取付構造であって、
前記縦框のうち前記サッシ部品の取り付け面の裏側に位置した前記縦框の内面には、前記縦框のうち前記サッシ部品の取り付け面に貫通形成された裏板挿入孔に対して斜め上方又は斜め下方から挿入可能な帯板形状をなしかつ、その長手方向に一端部から他端部に向かって順番に第1の螺子孔、第2の螺子孔及び第3の螺子孔を含む複数の螺子孔が並べて形成されたサッシ部品固定裏板が重ねられ、
前記第2,第3の螺子孔のうちの一方の螺子孔には、前記縦框に貫通形成された螺子挿通孔を通して前記サッシ部品を取り付ける前に前記サッシ部品固定裏板を前記縦框に固定するための裏板固定用ボルトが螺合され、
前記第2,第3の螺子孔のうちの他方の螺子孔には、前記サッシ部品と前記縦框と前記サッシ部品固定裏板とを共締めするためのサッシ部品固定用ボルトが螺合され、
前記第1の螺子孔には、前記裏板挿入孔から前記縦框内に挿入された状態の前記サッシ部品固定裏板を前記縦框の外側から保持するための保持用ボルトが螺合可能であることを特徴とするサッシ部品取付構造。
【請求項6】
前記サッシ部品1つに対して前記サッシ部品固定裏板が上下に2つ並べて備えられ、前記縦框のうち前記サッシ部品の取り付け面における上下方向の中央に1対の前記裏板挿入孔が配置されかつ前記中央から離れた側に前記螺子挿通孔が上下対称に配置されたことを特徴とする請求項5に記載のサッシ部品取付構造。
【請求項7】
窓サッシの縦框の外面にサッシ部品を後付けするためのサッシ部品取付方法において、
帯板形状のサッシ部品固定裏板の長手方向に第1の螺子孔、第2の螺子孔及び第3の螺子孔を含む複数の螺子孔を並べて形成しておくと共に、前記縦框のうち前記サッシ部品の取り付け面に、前記サッシ部品固定裏板の複数の螺子孔に対応させて複数の貫通孔を形成しておき、さらに、前記サッシ部品固定裏板の一端の前記第1の螺子孔に保持用ボルトを螺合しておき、
前記縦框における前記複数の貫通孔のうち一端の貫通孔である裏板挿入孔に対して前記サッシ部品固定裏板を斜め上方又は斜め下方から挿入すると共に、前記サッシ部品固定裏板を前記縦框の内面に重ねた状態で前記縦框の外側から前記サッシ部品固定裏板を前記保持用ボルトの把持によって保持し、
前記第2,第3の螺子孔のうちの一方の螺子孔に、前記縦框の前記貫通孔を通して裏板固定用ボルトを締め付けて前記サッシ部品固定裏板を前記縦框に固定してから、前記第2,第3の螺子孔のうちの他方の螺子孔に、前記縦框の前記貫通孔を通して前記サッシ部品と前記縦框と前記サッシ部品固定裏板とを共締めするためのサッシ部品固定用ボルトを締め付けることを特徴とするサッシ部品取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−214218(P2011−214218A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80286(P2010−80286)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100827)アイシン機工株式会社 (122)
【Fターム(参考)】