説明

サッシ

【課題】外観が良好で且つ気密材の損傷を防止できるサッシを提供する。
【解決手段】本発明のサッシ1において、上枠9は上外れ止め具17と、ストッパ19とを有し、上外れ止め具17は上枠9の下面9aに固定し障子5の上方移動を規制するものであると共に上枠長手方向に移動自在なものであり、ストッパ19は障子5と干渉しない位置に移動した上外れ止め具17に当接して上外れ止め具17の移動を規制するものであり、障子5は下枠35に下方から係合して障子の上方移動を規制する下外れ止め具33を有し、下枠35は切除部43を有し、ストッパ19に当接した上外れ止め具17の側面17aに障子5の側面45aを合わせたときに、下外れ止め具33が切除部43の下方に位置し、障子5を上方へ移動できるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、障子に下枠に係合する下外れ止め具を設け、下枠に切除部を設けて、下外れ止め具が切除部の下に位置するように障子を移動して、障子を枠から脱着することが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−8816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、目印がないのでどの位置で障子が外れるのか分からずに手探りで障子が外れる位置を探すので、気密材を損傷するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、外観が良好で且つ気密材の損傷を防止できるサッシの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、上枠と下枠と障子とを備え、上枠は上外れ止め具と、ストッパとを有し、上外れ止め具は上枠の下面に固定し障子の上方移動を規制するものであると共に上枠長手方向に移動自在なものであり、ストッパは障子と干渉しない位置に移動した上外れ止め具に当接して上外れ止め具の移動を規制するものであり、障子は下枠に下方から係合して障子の上方移動を規制する下外れ止め具を有し、下枠は切除部を有し、ストッパに当接した上外れ止め具の側面に障子の側面を合わせたときに、下外れ止め具が切除部の下方に位置し、障子を上方へ移動できることを特徴とする。
上外れ止め具の側面に障子の側面を合わせるというのは、障子の側面が上外れ止めの側面に略一致する位置や、障子の側目が上外れ止め具の側面から数cmの間隔をあけた位置にあることをいう。この間隔は、下外れ止め具と下枠の切除部との下枠長手方向における寸法差であり、切除部の下枠長手方向の寸法を広く取れば、それに応じてこの間隔も広くなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ストッパとの当接位置にある上外れ止め具を目安として、障子の側面を上外れ止め具の側面に合わせれば、障子が脱着自在な位置になるので、障子の取外し位置を示すシール等を枠に設ける必要がなく、外観が良い。
障子を迷うことなく脱着位置に合わせることができるので、手探りで障子が外れる位置を探すことによる気密材の損傷を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1の(a)は図2のA−A断面図であり、(b)は図4(a)のB−B断面図であり、図2は本実施の形態にかかるサッシの縦断面図であり、図3は本実施の形態にかかるサッシの横断面図であり、図4は上枠及び障子の上框部分の縦断面であり、(a)は図1のC−C位置で切断した図でり、(b)はE−E位置で切断した図であり、図5は上外れ止め具の図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は底面図であり、図6は下枠と障子との係合部分を切断して示す斜視図であり、図7は下外れ止め具の図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は底面図、(e)は(b)のF−F断面図である。
本実施の形態にかかるサッシ1は、引き違いサッシであり、枠3には、外障子(障子)5と内障子7とが設けてある。
上枠9には、外障子走行溝11と、内障子走行溝13とが設けてあり、外障子走行溝11には外障子の走行を案内する上レール15が設けてある。図4に示すように、外障子走行溝11の室内側溝壁11aには外障子5の室内側面に当接する気密材16が取付けてある。
更に、図1に示すように、上枠9は上外れ止め具17とストッパ19を有している。
上外れ止め具17は、外障子5の上方への移動を規制するものであり、上レール15と外障子走行溝11の室内側溝壁11aとの間に設けてある。この上外れ止め具17は、上枠9の下面9aに固定し、外障子5の上方移動を規制するものであると共に上枠9の長手方向に移動自在になっている。上外れ止め具17は、上レール15の上端部に設けた室外側係合部21と室内側溝壁11aの上端部に設けた室内側係合部23とに係合して上枠9の長手方向における障子脱着位置の外方に移動自在に取付けてある。
上外れ止め具17は、図5に示すように、その長手方向の一側に室内側係合部21との被係合部25aと室外側係合部23との被係合部25bが設けてあり、他側にも同様に被係合部26a、26bが設けてある。一側の被係合部25a、25bは、自然状態で互いの間隔を狭くしてあり、被係合部25a、25b間に挿入したねじ27(図4参照)の締め付けによりに間隔を広げて上枠9の係合部21、23に圧接することにより、上外れ止め具17を上枠9に固定するようになっている。
ストッパ19は、障子脱着位置の外方に移動した上外れ止め具17に当接して上外れ止め具17が上枠9の長手方向に移動するのを規制するものであり、図4(b)に示すように、室内側溝壁11aにおいて、室内側係合部23と上枠9の上壁29との間で室外側に向けて突設してある。本実施の形態では、ストッパ19は室内溝壁11aを切り絞り加工により形成している。
図6に示すように、外障子5の下框31には下外れ止め具33が固定されている。下外れ止め具33は下枠35に係合し且つ外障子5と共に下枠35の長手方向に移動自在になっている。下枠35には、外障子5の室内側面に当接する気密材37の保持部39が設けてあり、下外れ止め具33の係合部41は、気密材保持部39の下に位置している。
気密材保持部39には切除部43が設けてあり、下外れ止め具33の係合部41が切除部43の下に位置したときに、係合部41が下枠35から上方に抜き出し可能になっている。切除部43は下外れ止め具33の係合部41が通る大きさの寸法を有し、下枠35の長手方向の幅Sが係合部41の幅Tよりも充分に大きい寸法で切除してある。
次に、上枠9に設けたストッパ19及び下枠35に設けた切除部43の位置について説明する。ストッパ19に上外れ止め具17が当接し、外障子5の竪框(召合せ框)45の側面45aを上外れ止め具17の側面17aに合わせたときに下外れ止め具33が位置する箇所に切除部43が設けてある。
【0009】
次に、本実施の形態にかかるサッシ1における作用及び効果について説明する。
外障子5を枠3に取付けた状態において、上枠3に設けた上外れ止め具17が外障子5の上に位置する場合には、上外れ止め具17が外障子5の上方への移動を規制すると共に下外れ止め具33が下枠35に係合して、外障子5が上方に移動するのが規制されるので外障子5の外れが防止される。
外障子5を外すときには、図1に実線で示すように、外障子5が全閉位置にある状態から、上外れ止め具17を固定しているねじ27を緩めて、上外れ止め具17をストッパ19に当接する位置までスライドする。この位置で上外れ止め具17は障子脱着位置の外方に位置することになる。次に、上外れ止め具17がストッパ19に当接した位置で、外障子5を上外れ止め具17を目安として、上外れ止め具17側に移動し、外障子5の側面(竪框45の側面)45aを上外れ止め具17の側面17aに合わせる。
その位置で、下外れ止め具33の係合部41が下枠35の切除部43の下に位置するので、外障子5を上に移動すると下枠35から外れるので、外障子5をけんどん方式により枠3から外すことができる。
一方、外障子5を枠3に取付けるときには、上外れ止め具17をストッパ19との当接位置まで移動し、外障子5の側面45aを上外れ止め具17の側面17aに合わせて、切除部43から下枠35に下外れ止め具33の係合部41を挿入して、枠3に外障子5を取付ける。
本実施の形態によれば、ストッパ19との当接位置にある上外れ止め具17を目安として、上外れ止め具17の側面17aに外障子5の側面45aを合わせれば、外障子5が取外し可能な位置になるので、外障子5の取外し位置を示すシール等を枠3に設ける必要がなく、外観が良い。
外障子5の脱着位置は、ストッパ19の当接位置にある上外れ止め具17に外障子5の側面45aを合わせる位置であるから、迷うことなく外障子5を脱着位置に合わせることができるので、手探りで外障子5が外れる位置を探すことによる気密材16、37の損傷を防止できる。
ストッパ19は、上枠3の室内側溝壁11aの上部を切り絞り加工により室外側に突設してあるから、外から見え難い。また、ストッパ19を簡単に形成することができる。
【0010】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、サッシ1は引き違いサッシに限らず、片引きサッシや引き分けサッシであってもよい。
図8に示すように、外障子5の側面45aは、戸先框の側面とし、ストッパ19を外障子5が全閉じ位置にあるときの外障子5の上の位置に設ける構成としてもよい。この場合に、外障子5を外すときには、外障子5を全閉位置から全開位置に移動して外れ止め具17を露出した後、外れ止め具17をストッパ19との当接位置にスライドし、戸先框45の側面45aを上外れ止め具17の側面17aに合わせて、枠3から障子5を脱着する。
内障子7に下外れ止め具33を設け、内障子7に対応して上枠9に外れ止め具17及びストッパ19を設けると共に、内障子7の下外れ止め具33に対応する位置に下枠35の切除部43を設けて、内障子7を外障子5と同様に枠3に脱着自在としてもよい。
上外れ止め具17はねじの締め付けにより上枠に固定せずに、上枠に移動可能に係合しているだけでもよい。
ストッパ19は上枠9に切り絞り加工で形成することに限らず、切り起しにより形成したり、上枠9とは別部品のものを取付けてもよい。
切除部43の幅Sは下外れ止め具33の係合部41の幅Tよりも大きければよく、その寸法は限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)は図2のA−A断面図であり、(b)は図4(a)のB−B断面図である。
【図2】本実施の形態にかかるサッシの縦断面図である。
【図3】本実施の形態にかかるサッシの横断面図である。
【図4】上枠及び障子の上框部分を示す縦断面であり、(a)は図1のC−C位置で切断した図であり、(b)はE−E位置で切断した図である。
【図5】上外れ止め具の図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は底面図である。
【図6】下枠と障子との係合部分を切断して示す斜視図である。
【図7】下外れ止め具の図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は底面図、(e)は(b)のF−F断面図である。
【図8】他の実施の形態にかかるサッシを図1(a)と同じ位置で切断して示す断面図である。
【符号の説明】
【0012】
1 サッシ
5 外障子(障子)
9 上枠
9a 下面
15 上レール
17 上外れ止め具
17a 側面
19 ストッパ
33 下外れ止め具
35 下枠
43 切除部
45a 竪框の側面(障子の側面)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠と下枠と障子とを備え、上枠は上外れ止め具と、ストッパとを有し、上外れ止め具は上枠の下面に固定し障子の上方移動を規制するものであると共に上枠長手方向に移動自在なものであり、ストッパは障子と干渉しない位置に移動した上外れ止め具に当接して上外れ止め具の移動を規制するものであり、障子は下枠に下方から係合して障子の上方移動を規制する下外れ止め具を有し、下枠は切除部を有し、ストッパに当接した上外れ止め具の側面に障子の側面を合わせたときに、下外れ止め具が切除部の下方に位置し、障子を上方へ移動できることを特徴とするサッシ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−120185(P2007−120185A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314849(P2005−314849)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】