説明

サッシ

【課題】錠装置のマーカー部を視認しやすいサッシを提供する。
【解決手段】錠装置20は、縦枠12に対して固定される本体部21と、本体部21に対して回動自在に取付けられる操作部22と、操作部22と連動して動作し障子2に対して係合自在な施錠部材23と、本体部21に取付けられ施錠部材23の回動を規制自在な補助施錠部材24とを有し、補助施錠部材24は本体部21の上端から露出し上下方向にスライド自在とされ、錠装置20は補助施錠部材24による施錠部材23の規制状態でのみ露出するマーカー部25を有し、マーカー部25は室内側方向と、室内外方向とは異なる少なくともいずれか一方側方向とに向かって露出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠体内に障子を開閉自在に納めてなるサッシに関し、特に障子を施錠する施錠部材を有した錠装置が枠体の縦枠に設けられると共に、施錠部材をロックする補助施錠部材の状態を視認可能なマーカー部を有したサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物開口部に取付けられる枠体内に障子を開閉自在に納めたサッシが知られている。サッシにおいては、障子を施錠するため、枠体または障子に錠装置が設けられる。錠装置は、枠体または框体に取付けられる本体部と、本体部に対して回動自在に取付けられた操作部と、操作部に連動して回動し障子に対して係脱自在な施錠部材とを有している。
【0003】
また、施錠状態にある施錠部材をさらにロックするために、本体部には補助施錠部材も設けられる。補助施錠部材は、本体部に対してスライド自在に設けられ、スライドに伴って施錠状態にある施錠部材に対して係脱し、これによって施錠部材のロック及びロック解除をなすようにしている。
【0004】
補助施錠部材は、本体部に対してスライドすることで施錠部材に対するロック及びロック解除状態を切替えるため、そのままではいずれの状態にあるかを視認することが困難である。このため、補助施錠部材がスライドしてロック状態となることで露出するマーカー部を設けることが知られている。マーカー部は錠装置の本体部とは異なる色彩を有し、例えば本体部が黒色のときにマーカー部を緑色とすることで、補助施錠部材がロック状態となると緑色のマーカー部が露出して、その状態を視認することができる。このようなマーカー部を備えた錠装置を有するサッシとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−231811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のサッシにおいては、錠装置のマーカー部が室内側の正面に向かってのみ露出するように設けられていた。このため、錠装置を室内側の正面から見なければ、補助施錠部材の状態を確実に視認することができなかった。枠体に対し障子が室内外方向に開閉自在とされる開き窓のサッシにおいては、錠装置が左右の縦枠に取付けられるため、特に左右方向に大きい窓では、障子の開閉を行う際に縦枠の正面側に回り込んで補助施錠部材の状態を確認しなければならず、不便なものとなっていた。
【0007】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、錠装置のマーカー部を視認しやすいサッシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係るサッシは、枠体内に障子を開閉自在に納めてなり、前記枠体を構成する縦枠には閉じた状態の前記障子に対して施錠をなす錠装置が設けられてなるサッシにおいて、
前記錠装置は、前記縦枠に対して固定される本体部と、該本体部に対して回動自在に取付けられる操作部と、該操作部と連動して動作し前記障子に対して係合自在な施錠部材と、前記本体部に取付けられ前記施錠部材の回動を規制自在な補助施錠部材とを有し、該補助施錠部材は前記本体部の上端から露出し上下方向にスライド自在とされ、
前記錠装置は前記補助施錠部材による前記施錠部材の規制状態でのみ露出するマーカー部を有し、該マーカー部は室内側方向と、室内外方向とは異なる少なくともいずれか一方側方向とに向かって露出することを特徴として構成されている。
【0009】
また、本発明に係るサッシは、前記マーカー部は前記本体部の上端から上方に突出するように設けられて、前記補助施錠部材が前記施錠部材を規制した状態で前記補助施錠部材の上面よりも突出して露出することを特徴として構成されている。
【0010】
さらに、本発明に係るサッシは、前記マーカー部は前記本体部の上端のうち室外端部に設けられると共に、前記補助施錠部材の上面の室外側に配置されることを特徴として構成されている。
【0011】
さらにまた、本発明に係るサッシは、前記マーカー部は前記本体部の上面のうち中央領域に設けられ、前記補助施錠部材は前記マーカー部を挿通する孔部を有することを特徴として構成されている。
【0012】
そして、本発明に係るサッシは、前記マーカー部は前記補助施錠部材に上面よりも下部の少なくとも2面に渡って設けられ、前記本体部は前記補助施錠部材のスライドに伴って前記マーカー部が露出するマーカー窓部を少なくとも2面に渡って有することを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るサッシによれば、錠装置は補助施錠部材による施錠部材の規制状態でのみ露出するマーカー部を有し、マーカー部は室内側方向と、室内外方向とは異なる少なくともいずれか一方側方向とに向かって露出することにより、マーカー部を室内側正面側や室内側左右方向から視認することができ、施錠部材がロック状態にあることを容易に判別することができる。
【0014】
また、本発明に係るサッシによれば、マーカー部は本体部の上端から上方に突出するように設けられて、補助施錠部材が施錠部材を規制した状態で補助施錠部材の上面よりも突出して露出することにより、室内側の広い範囲からマーカー部を視認することができる。
【0015】
さらに、本発明に係るサッシによれば、マーカー部は本体部の上端のうち室外端部に設けられると共に、補助施錠部材の上面の室外側に配置されることにより、補助施錠部材を上方にスライドさせることで、マーカー部が補助施錠部材によって室内側から見て完全に隠れた状態となるので、施錠状態のより確実な判別をなすことができる。
【0016】
さらにまた、本発明に係るサッシによれば、マーカー部は本体部の上面のうち中央領域に設けられ、補助施錠部材はマーカー部を挿通する孔部を有することにより、室内側の広い範囲からマーカー部を視認することができる。
【0017】
そして、本発明に係るサッシによれば、マーカー部は補助施錠部材に上面よりも下部の少なくとも2面に渡って設けられ、本体部は補助施錠部材のスライドに伴ってマーカー部が露出するマーカー窓部を少なくとも2面に渡って有することにより、室内側の広い範囲からマーカー部を視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】サッシの縦断面図である。
【図2】施錠状態でかつ施錠部材がロックされた状態における錠装置の斜視図である。
【図3】錠装置の内部構造を含む背面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】施錠部材が施錠位置にある状態から解錠位置に至る途中の状態における錠装置の内部機構の状態を表した背面図である。
【図6】施錠部材の解錠位置となった状態における錠装置の内部機構の状態を表した背面図である。
【図7】施錠部材がロック解除された状態における錠装置の斜視図である。
【図8】施錠部材の本体部内における支持構造について表した斜視図である。
【図9】第2の実施形態における錠装置の斜視図である。
【図10】第2の実施形態における錠装置の断面図である。
【図11】施錠部材がロック解除された状態における錠装置の斜視図である。
【図12】第3の実施形態における錠装置の斜視図である。
【図13】第3の実施形態における錠装置の正面図である。
【図14】補助施錠部材をロック解除状態とした際の錠装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。図1には、サッシの縦断面図を示している。この図に示すようにサッシは、上枠10と下枠11及び縦枠12を方形状に枠組みしてなる枠体1内に障子2を室内外方向に開閉自在となるように納めて構成されている。障子2は、図1において上框と下框が簡略化されて示されているが、枠体1に対し縦辺を軸に辷り出し状に開閉するものであって、この障子2と枠体1とで縦辷り出し窓を構成している。
【0020】
縦枠12には上下2か所に錠装置20が取付けられている。錠装置20は、それぞれ障子2が閉じた状態において、障子2を施錠する機能を有している。この錠装置20が上下2か所に設けられていることにより、障子2を安定的に施錠することができる。
【0021】
下側の錠装置20は、障子2に設けられた係合部材2aに対して直接係脱し、施錠状態と施錠解除状態を切替えることができる。一方、上側の錠装置20は、縦枠12の長手方向にスライド自在なスライドプレート13に対して係脱し、スライドプレート13は障子2の上端近傍に設けられた係合部材2aに対して係脱する。すなわち、上側の錠装置20は、縦方向にスライド自在なスライドプレート13を介して障子2に対し係脱し、施錠状態と施錠解除状態を切替えることができる。これによって、上側の錠装置20を障子2の上端よりも低い位置に設けることができ、施錠操作を容易にすることができる。
【0022】
以下、主に上側の錠装置20について説明するが、下側の錠装置20も概ね同様の構成を有している。図2には施錠状態でかつ施錠部材23がロックされた状態における錠装置20の斜視図を、図3には錠装置20の内部構造を含む背面図を、図4には図3のA−A断面図を、それぞれ示している。
【0023】
図2に示すように、錠装置20は、縦枠12に対して固定される本体部21と、本体部21に対して所定範囲で回動自在に取付けられた操作部22と、本体部21から室外側に突出し操作部22の回動に連動して回動自在な施錠部材23とを有して構成されている。また、本体部21内には施錠部材23をロックすることのできる補助施錠部材24が納められ、補助施錠部材24は上面24aが本体部21の上面よりも突出し露出している。
【0024】
図2及び図3に示すように、本体部21の上端室外端部であって補助施錠部材24の上面24aより室外側には、突出状のマーカー部25が形成されている。マーカー部25は、本体部21や補助施錠部材24とは異なる色彩を有しており、補助施錠部材24が施錠部材23をロックした状態において、補助施錠部材24の上面24aよりも上方にまで突出するように形成されている。また、マーカー部25は、室内側を向く面が幅広状となり、枠体1の見付面に向く面が幅狭状となる略平板状に形成されている。
【0025】
マーカー部25はこのような構成を有しているので、補助施錠部材24が施錠部材23をロックした状態において、室内側及び枠体1の見付方向両側にそれぞれ面した状態で露出している。これによって、マーカー部25は錠装置20の室内側正面側や室内側左右方向から視認することができ、施錠部材23がロック状態にあることを容易に判別することができる。特に、マーカー部25は室内側に向く面が幅広状に形成されているので、室内側の広い範囲の方向から確実に視認することができる。
【0026】
図3に示すように、補助施錠部材24は本体部21内における上下方向中間位置に凸状の係合部24bを有し、施錠部材23に形成された凹状の被係合部23aに対して係合してロック状態とする。この状態では、施錠部材23は回動することができず、操作部22も回動させることができなくなる。補助施錠部材24を上方にスライドさせることで、係合部24bの被係合部23aに対する係合状態は解除され、施錠部材23が回動可能な状態となる。
【0027】
図4に示すように、補助施錠部材24は、下端部に係止部24cが形成されており、また本体部21内においてばね26を介してスライド自在とされている。補助施錠部材24を上方にスライドさせて施錠部材23に対するロックを解除すると、ばね26は収縮して補助施錠部材24を下方に付勢する。また、そのときに係止部24cは本体部21の支持部21aに係合し、ばね26の付勢に対抗してロック解除状態を維持することができる。
【0028】
また、図4に示すように、補助施錠部材24には、施錠部材23の回動に伴い上下にそれぞれ押圧される上当接面24e及び下当接面24fが形成されている。図5及び図6には、それぞれ施錠部材23の回動に伴う錠装置20の内部機構の状態を表した背面図を示している。なお、これら各図では操作部22は省略している。
【0029】
図5は、図3に示す施錠部材23が施錠位置にある状態から解錠位置に至る途中の状態を示している。施錠部材23には、被係合部23aに隣接して突出状の上支持部23bが形成されると共に、上支持部23bとは回転軸を挟んで反対側位置にも突出状の下押圧部23cが形成されている。
【0030】
図3の状態から施錠部材23を回動させると、下押圧部23cは補助施錠部材24の下当接面24fに当接し、回動に伴って下当接面24fを下方に押圧する。これによって、補助施錠部材24の係止部24cによる本体部21の支持部21aに対する係合状態が解除される。一方で、補助施錠部材24の上当接面24eが施錠部材23の上支持部23bによって支持されるので、補助施錠部材24はばね26の付勢に対抗して、この段階ではロック解除状態を維持する。
【0031】
図6は、図5の状態からさらに施錠部材23を回動させ、施錠部材23の解錠位置となった状態を示している。この状態においても、施錠部材23の上支持部23bは補助施錠部材24の上当接面24eを支持した状態となっているので、補助施錠部材24はそのままの位置を維持する。
【0032】
図6の状態から施錠部材23を施錠位置に向けて回動させると、再び図5の状態となり、施錠部材23の上支持部23bは補助施錠部材24の上当接面24eを支持する一方、施錠部材23の下押圧部23cは補助施錠部材24の下当接面24fを下方に押圧した状態となる。このため、補助施錠部材24の係止部24cは本体部21の支持部21aに対する係合が解除されたまま、施錠部材23が回動することとなる。そのまま施錠部材23を施錠位置まで回動させると、上支持部23bによる上当接面24eの支持が解除されるので、ばね26の付勢により補助施錠部材24は下方にスライドし、補助施錠部材24による施錠部材23のロック状態となる。
【0033】
このように、本実施形態の錠装置20においては、解錠状態から施錠状態に操作を行うと、自動的に補助施錠部材24による施錠部材23のロックがなされるように構成している。ここで、ばね26を設けないことにより、自動的にロックがなされることがなく、手動でロックを行う機構としてもよい。
【0034】
図7には、施錠部材23がロック解除された状態における錠装置20の斜視図を示している。なお、この図は操作部22を回動させて施錠部材23による施錠を解除した状態となっている。図7に示すように、補助施錠部材24を上方にスライドさせると、本体部21の室外端部に設けられたマーカー部25は、補助施錠部材24によって隠された状態となる。これによって、マーカー部25は室内側から視認されない状態となるので、施錠部材23がロック解除されたことを容易に判別することができる。
【0035】
図8には、施錠部材23の本体部21内における支持構造について表した斜視図を示している。この図に示すように、本体部21内には、施錠部材23を回動自在に支持すると共に、本体部21を縦枠12に固定するビスを挿通させるビス挿通孔31を備えた金属材からなる支持部材30が設けられる。
【0036】
支持部材30は、上下端部にそれぞれビス挿通孔31を有する取付部30aを備え、取付部30a間は薄板状に形成されると共に、中間位置には室内側に向かって伸びる軸支部30bを有する。軸支部30bには、軸部材32が回転自在となるように挿通され、さらに軸部材32は施錠部材23に対して固定される。これにより、施錠部材23は支持部材30に対して回動自在に支持される。
【0037】
このように、施錠部材23を回動自在に支持すると共に本体部21を縦枠12に固定するビスを挿通させる支持部材30が、一部材からなる金属材で構成されているので、火災が発生した場合などに樹脂材からなる本体部21が溶融して脱落しても、支持部材30は縦枠12に固定されたままとなるので、施錠部材23が脱落することがなく、火災時におけるサッシの防火性を高くすることができる。
【0038】
マーカー部25の構成については、他の形態を採ることもできる。図9には、第2の実施形態における錠装置20の斜視図を示している。本形態におけるサッシの態様は、図1に示したものと同じであり、錠装置20の構成のみが異なるため、サッシ全体についての説明は省略する。また、図9は施錠状態でかつ施錠部材23がロックされた状態の錠装置20を示している。
【0039】
図9に示すように、本実施形態において錠装置20は、第1の実施形態と同様に本体部21と操作部22、施錠部材23及び補助施錠部材24を備えている。そして、本体部21は、上端にマーカー部25を備えている。マーカー部25は、本体部21の上面における中央領域に配置されており、補助施錠部材24の上面24aから突出している。そのために、補助施錠部材24の上面24aには、マーカー部25を挿通させる孔部24dが形成されている。
【0040】
図10には、第2の実施形態における錠装置20の断面図を示している。この図に示すように、マーカー部25は、本体部21の上面から上方に突出するように形成されている。また、図9に示すように、マーカー部25の形状は第1の実施形態と同様であって、室内側を向く面が幅広状となり、枠体1の見付面に向く面が幅狭状となる略平板状に形成されている。
【0041】
このように、マーカー部25を本体部21の上面における中央領域に配置したことによっても、補助施錠部材24が施錠部材23をロックした状態において、マーカー部25は室内側及び枠体1の見付方向両側にそれぞれ面した状態で露出することとなる。したがって、マーカー部25を錠装置20の室内側正面側のみならず室内側斜め方向からも視認することができ、施錠部材23がロック状態にあることを容易に判別することができる。
【0042】
図11には、施錠部材23がロック解除された状態における錠装置20の斜視図を示している。なお、この図は操作部22を回動させて施錠部材23による施錠を解除した状態となっている。図11に示すように、補助施錠部材24を上方にスライドさせると、本体部21の室外端部に設けられたマーカー部25は、補助施錠部材24の孔部24dの奥に隠れた状態となる。これによって、マーカー部25は室内側から視認されない状態となるので、施錠部材23がロック解除されたことを容易に判別することができる。
【0043】
さらに、異なる形態のマーカー部25について説明する。図12には、第3の実施形態における錠装置20の斜視図を示している。本形態におけるサッシの態様は、図1に示したものと同じであり、錠装置20の構成のみが異なるため、サッシ全体についての説明は省略する。また、図12は施錠状態でかつ施錠部材23がロックされた状態の錠装置20を示している。
【0044】
図12に示すように、本実施形態において錠装置20は、第1の実施形態と同様に本体部21と操作部22、施錠部材23及び補助施錠部材24を備えている。マーカー部25は、本形態においては補助施錠部材24の上面よりも下部の側面に設けられている。補助施錠部材24の上面よりも下部は、本体部21により覆われているので、本体部21の側面には、マーカー部25を露出させるためのマーカー窓部27が形成されている。
【0045】
マーカー部25は、補助施錠部材24の2面に渡って設けられている。すなわち、補助施錠部材24のうち室内側面と、それに直交する見付方向面であって操作部22が設けられる側の面に、それぞれマーカー部25が形成されている。それに対応して、本体部21にも室内側面と、それに直交する見付方向面であって操作部22が設けられる側の面に、それぞれマーカー窓部27が形成されている。
【0046】
図13には、第3の実施形態における錠装置20の正面図を示している。この図に示すように、マーカー部25は補助施錠部材24の上下2か所にそれぞれ設けられ、それに対応してマーカー窓部27も本体部21の上下2か所に設けられている。図13では、いずれのマーカー部25もマーカー窓部27の位置にあって露出した状態となっている。
【0047】
図14には、補助施錠部材24をロック解除状態とした際の錠装置20の正面図を示している。この図に示すように、補助施錠部材24を上方にスライドさせて施錠部材23のロック状態を解除すると、補助施錠部材24のマーカー部25も上方に移動し、本体部21のマーカー窓部27の位置から外れるので、本体部21によってマーカー部25が隠された状態となり、マーカー部25が室内側から視認されない状態となるので、施錠部材23がロック解除されたことを容易に判別することができる。
【0048】
マーカー部25は、補助施錠部材24のスライド長よりも若干小さいスライド方向長さを有するように形成されており、またマーカー窓部27はマーカー部25と略同じ大きさを有するように形成されているので、補助施錠部材24をスライドさせることにより、マーカー部25は本体部21に完全に隠れた状態となって、補助施錠部材24のロック状態を確実に視認することができる。
【0049】
また、マーカー部25は補助施錠部材24の室内側面と、それに直交する見付方向面であって操作部22が設けられる側の面に形成されて、それぞれマーカー窓部27から露出するので、マーカー部25を錠装置20の室内側正面側のみならず斜め方向からも視認することができ、施錠部材23がロック状態にあることを容易に判別することができる。
【0050】
本形態の錠装置20において、マーカー窓部27は本体部21の2面にそれぞれ形成されているが、マーカー窓部27を本体部21の角部を含む2面に連続状となるように設け、補助施錠部材24のマーカー部25もそれに対応して角部を含む2面に連続状に形成することで、室内側の広い範囲からマーカー部25を容易に視認できるようにしてもよい。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【符号の説明】
【0052】
1 枠体
2 障子
2a 係合部材
10 上枠
11 下枠
12 縦枠
13 スライドプレート
20 錠装置
21 本体部
21a 支持部
22 操作部
23 施錠部材
23a 被係合部
24 補助施錠部材
24a 上面
24b 係合部
24c 係止部
24d 孔部
25 マーカー部
26 ばね
27 マーカー窓部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体内に障子を開閉自在に納めてなり、前記枠体を構成する縦枠には閉じた状態の前記障子に対して施錠をなす錠装置が設けられてなるサッシにおいて、
前記錠装置は、前記縦枠に対して固定される本体部と、該本体部に対して回動自在に取付けられる操作部と、該操作部と連動して動作し前記障子に対して係合自在な施錠部材と、前記本体部に取付けられ前記施錠部材の回動を規制自在な補助施錠部材とを有し、該補助施錠部材は前記本体部の上端から露出し上下方向にスライド自在とされ、
前記錠装置は前記補助施錠部材による前記施錠部材の規制状態でのみ露出するマーカー部を有し、該マーカー部は室内側方向と、室内外方向とは異なる少なくともいずれか一方側方向とに向かって露出することを特徴とするサッシ。
【請求項2】
前記マーカー部は前記本体部の上端から上方に突出するように設けられて、前記補助施錠部材が前記施錠部材を規制した状態で前記補助施錠部材の上面よりも突出して露出することを特徴とする請求項1記載のサッシ。
【請求項3】
前記マーカー部は前記本体部の上端のうち室外端部に設けられると共に、前記補助施錠部材の上面の室外側に配置されることを特徴とする請求項2記載のサッシ。
【請求項4】
前記マーカー部は前記本体部の上面のうち中央領域に設けられ、前記補助施錠部材は前記マーカー部を挿通する孔部を有することを特徴とする請求項2記載のサッシ。
【請求項5】
前記マーカー部は前記補助施錠部材に上面よりも下部の少なくとも2面に渡って設けられ、前記本体部は前記補助施錠部材のスライドに伴って前記マーカー部が露出するマーカー窓部を少なくとも2面に渡って有することを特徴とする請求項1記載のサッシ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−174545(P2010−174545A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19919(P2009−19919)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【出願人】(000131511)株式会社シブタニ (88)