説明

サブミクロンメソトリオン組成物

本発明は、本発明で定義される通り、1マイクロ未満の粒子径を有し、且つ有用植物の作物における雑草を制御するために使用する、除草活性量の2-(2'-ニトロ-4'-メチルスルホニルベンゾイル)-1,3-シクロヘキサンジオン(メソトリオン)、及び農薬的に許容され得るそれらの塩を含んで成る新規懸濁濃縮物及びサスポエマルション製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草活性量の2-(2'-ニトロ-4'-メチルスルホニルベンゾイル)-1,3-シクロヘキサンジオン(メソトリオン)、及び農薬的に許容され得るそれらの塩類を含み、本明細書で規定される1マイクロ未満の平均粒子径を有する新規懸濁濃縮物及びサスポエマルション製剤に関する。
【0002】
更に本発明は、有用植物の作物、特にトウモロコシ及び穀草類の作物における草木及び雑草(weed)を制御するための、懸濁濃縮物及びサスポエマルション製剤から調製される除草性組成物、並びに有用植物の作物中の雑草の制御におけるかかる組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
作物保護剤は、水性系の形態で頻繁に投与される。水をベースとした製剤は水に害虫駆除剤技術材料を溶解、乳化及び/又は懸濁させることにより得られる。しかしながら、所定の作物保護剤を有する水性系を使用する効果は、それらの乏しい水溶性により制限されるであろう。固体の害虫駆除剤技術材料を含む水性系は、懸濁濃縮物又はサスポエマルション製剤として製剤化され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、それらの製剤タイプは固体粒子の凝集、不可逆的増粘(thickening)、漿液形成又は硬くパックされた沈殿のような固形沈殿等の多様な問題に見舞われうる。サスポエマルションの場合では、乳化オイル層の存在が、水中のオイルエマルションの不安定による製剤化失敗のリスクを増加させる。作物保護剤のための鎖を供給する相対複合体(relatively complex)のために、製剤を長期間貯蔵することができるが、貯蔵及び搬送の間、失敗の可能性を増加させ得る極度の温度変化、高せん断、及び反復振動パターンにかけられ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明の目的はメソトリオンを含む水性系を調製することであり、物質的貯蔵安定性、取り扱い易さ、及び希釈特質を、同様に製剤化された1マイクロを超える平均粒子径を有するメソトリオンを含むメソトリオン組成物と比較して改良されることを示すことである。
【0006】
本発明は、除草活性量の2-(2'-ニトロ-4'-メチルスルホニルベンゾイル)-1,3-シクロヘキサンジオン(メソトリオン)を含む、本明細書で規定される1マイクロ未満の平均粒子径、好適には800ナノメートル(nm)未満の平均粒子径を有する新規の懸濁濃縮物及びサスポエマルション製剤及び農薬的に許容され得るそれらの塩類に関する。
【0007】
更に本発明は、有用作物、特にトウモロコシ及び穀草類の有用作物における草木及び雑草を制御するための、懸濁物濃縮物及びサスポエマルション製剤から調製される除草組成物、及び有用植物の作物における雑草の制御でのかかる組成物の使用に関する。
【0008】
更に本発明の1つの態様は、1マイクロ未満の平均粒子径を有する、好適には800nm未満の平均粒子径を有するメソトリオン、及び分散剤を含む懸濁濃縮物に関する。
【0009】
他の態様では、本発明はサスポエマルション製剤に関し、以下:
(A)連続的な水性相:
(B)(i)少なくとも1種の液体、水不溶性活性成分を含む分散エマルション相;
(ii)該液体、水不溶性活性成分を乳化するために十分な量にある乳化剤;及び
(C)(i)分散固相として、1マイクロ未満、好適には800nm未満の平均粒子径を有するメソトリオン;
(ii)製剤中に存在するメソトリオン及び任意の他の固体技術材料を分散させるために十分な量の分散剤;ここでの固相は前記水性及び/又はエマルション相に分散される、
を含んで成る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
発明の詳細な説明
本明細書における用語"メソトリオン"とは、2-(2'-ニトロ-4'-メチルスルホニルベンゾイル)-1,3-シクロヘキサンジオンを意味し、幾何異性体を生じ得る任意のエノール互変異体を含む。更に所定の場合における多様な置換基は、光学異性及び/又は立体異性に寄与し得る。全てのかかる互変異体、ラセミ混合物及び異性体は本発明の範囲内に含まれる。特に断りのない限り、用語"メソトリオン"は農業的に許容され得る2-(2'-ニトロ-4'-メチルスルホニルベンゾイル)-1,3-シクロヘキサンジオンの塩を同様に含む。
【0011】
本発明において使用するための農薬的に許容され得る塩類は、農業的又は園芸的使用のための塩形態に関して、当業界において公知、且つ許容される陽イオン又は陰イオン性の塩を含む。本発明の実施のために有用な塩は、アミン、アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基、第4級アンミニウム塩基、及び金属キレートを用いて2-(2'-ニトロ-4'-メチルスルホニルベンゾイル)-1,3-シクロヘキサンジオンから形成され得る。更に二価-及び三価の遷移金属イオン、例えば、Cu+2、Zn+2、Co+2、Ni+2、Ca+2、Al+3、Ti+3、Fe+2、Fe+3、Ba+2、Cs+2、及び[CH3(CH2)7]3Nの塩も含む2-(2'-ニトロ-4'メチルスルホニルベンゾイル)-1,3-シクロヘキサンジオンの金属キレートを含む。
【0012】
考慮に入れられるアンモニウム塩形成のための適切なアミンの例は、アンモニア、並びに第一級、第二級及び第三級Cl-18アルキルアミン、Cl-4ヒドロキシアルキルアミン及びC2-4アルコキシアルキルアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、4個のブチルアミン異性体、n-アミルアミン、イソアミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、メチルエチルアミン、メチル-イソプロピルアミン、メチル-ヘキシルアミン、メチル-ノニルアミン、メチル-ペンタデシルアミン、メチル-オクタデシルアミン、エチルブチルアミン、エチル-ヘプチルアミン, エチル-オクチルアミン、ヘキシル-ヘプチルアミン、ヘキシル-オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジ-n-アミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、エタノールアミン、n-プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、N,N-ジエタノールアミン、N-エチルプロパノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、アリルアミン、n-ブテニル-2-アミン、n-ペンテニル-2-アミン、2,3-ジメチルブテニル-2-アミン、ジブテニル-2-アミン、nヘキセニル-2-アミン、プロピレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ-secブチルアミン、トリ-n-アミルアミン、メトキシエチルアミン及びエトキシエチルアミン;ヘテロ環式アミン、例えば、ピリジン、キノリン、イソキノリン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、インドリン、キヌクリジン及びアゼピン;第1級アリールアミン、例えばアニリン、メトキシアニリン、エトキシアニリン、o-、m-及びp-トルイジン、フェニレンジアミン、ベンジジン、ナフチルアミン及びo-、m-及びp-クロロアニリン;しかし特にトリエチルアミン、イソプロピルアミン及びジイソプロピルアミン、を含む。
【0013】
2-(2'-ニトロ-4'-メチルスルホニルベンゾイル)-1,3-シクロヘキサンジオンの金属キレート及びそれらの調製は、特に、PCT公開No.W097/27748に発表されている。好適な金属イオンは、2価の遷移金属イオンであり、特にCu+2、Co+2、Ni+2、及びZn+2であり;Cu+2であるものが特に好適である。2価-又は3価の金属イオンの起源であるべき任意の適した塩は、本発明に係るジオン化合物の金属キレートを形成するために使用され得る。特に適した塩類は:塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩及び酢酸塩を含む。本発明の好適な態様においてメソトリオンは、メソトリオンの金属キレートの形態にあり、好適にはメソトリオンの銅又は亜鉛キレート形態にある。
【0014】
多様な測定技術の制限によって、且つメソトリオン粒子径をより正確に特徴化するために、メソトリオンの粒子径を測定するためには、2つの異なる技術によって特徴化される。本明細書において使用される、"1マイクロ未満、好適には800nm未満の平均粒子径を有するメソトリオン"とは、メソトリオン組成物を言い、ここでDv50とZ平均の両方によって測定される平均粒子径は、1マイクロ未満であり、好適には800nm未満である。Dv50及びZ-平均は、粒子径分布が狭く、且つ1マイクロ未満である場合に類似であるだろう。1マイクロよりも大きな粒子の重要なフラクションが存在する場合、それらは類似でないだろう。本明細書で定義されるようなメソトリオン粒子のZ平均径は、当業者によって容易に測定され得る装置、例えばMalvern Nanosizerを用いる光子相関分光法によって測定される。メソトリオン粒子のDv50粒子径は、入手可能な分析装置、例えばMalvern Mastersierを用いて測定されるような中央値粒子径である。
【0015】
本発明は、1マイクロ未満の平均粒子径、好適には800nm未満の平均粒子径、及び分散剤を有する除草有効量のメソトリオンを含む水性懸濁濃縮物にも関する。
【0016】
本発明の他の態様は、サスポエマルション製剤に関し、以下:
(A)連続的な水性相;
(B)(i)少なくとも1種の液体、水不溶性活性成分を含んで成る分散エマルション相;
(ii)該液体、水不溶性活性成分を乳化するために十分な量にある乳化剤;及び
(C)(i)分散固相として、1マイクロ未満、好適には800nm未満の平均粒子径を有する除草有効量のメソトリオン;
(iii)製剤中に存在するメソトリオン及び任意の他の固体技術材料を分散させるために十分な量にある分散剤;ここでの固相は前記水性及び/又はエマルション相に分散される、
を含んで成る。
【0017】
本発明のサスポエマルション製剤は、任意に1つ以上の付加的活性成分を更に含み得る。該1つ以上の付加的活性成分は、害虫駆除剤であってよく、例えば除草剤、殺菌剤、殺虫剤等であってよく;又は該付加的活性成分は、薬害軽減剤(Safener)又は解毒剤として公知である化合物のクラスから選定される化合物であってよい。製剤中の追加活性化成分の濃度は、1g/1から500 g/lの範囲内にあるのが適切であり、そして好適には2 g/lから300g/lの範囲内である。
【0018】
1つの態様では、液体、水不溶性活性成分は、アセトアミド除草剤及び薬害軽減剤又は解毒剤から成る群から選定される少なくとも1つのメンバーを含む。
【0019】
好適な液体、水不溶性活性成分は、アセトアミド除草剤及び薬害軽減剤を含む。代表的なアセトアミド除草剤は、ジフェナミド、ナプロパミド、ナプロアニリド、アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメテナミド、ジメテナミド-P、フェントラザミド、メタザクロール、メトラクロール、ペソキサミド(pethoxamid)、プレチラクロール、プロプラクロール、プロピソクロール、S-メトラクロール、テニルクロール、フルフェナセット及びメフェナセットを含む。アセトアミド除草剤が 周囲温度で液体である場合、即ち、約0℃未満の融点を有する場合、油相は、本質的に又は実質的にアセトアミド除草剤そのものから成ることができる。言い換えれば、有機溶媒は、任意に一種類を含むことができるが、必須とはされない。周囲温度で液体であり、且つ有機溶媒を必要としない本発明の組成物に製剤化することができるアセトアミド除草剤の例は、アセトクロール、ブタクロール、メトラクロール、S-メトラクロール及びプレチラクロールを含む。有機溶媒が所望又は必要とされる場合、農薬製剤業界において公知である任意の適切な有機溶媒であって、アセトアミド除草剤を十分に溶解させることができる有機溶媒を使用することができる。好適な有機溶媒はアセトアミド除草剤が多く溶解するものであり、油相中及び組成物中に全体として適用され得るアセトアミド除草剤の濃度を同程度の高さにするためである。
【0020】
本明細書において使用される用語、アセトアミドとは、2つ以上のアセトアミドの混合物及びアセトアミドの光学異性体の混合物を含む。例えば、(S)-2-クロロN-(2-エチル-6-メチルフェニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミド、対、(R)-2-クロロN-(2-エチル-6-メチルフェニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミドの比率が、50-100%から50-0%、好適には70-100%から30-0%、及びより好適には80-100%から20-0%の範囲にあるメトラクロールの(R)及び(S)異性体の混合物を含む。
【0021】
好適なアセトアミドは、メトラクロールの(S)及び(R)異性体の混合物を含み、ここでの(S)-2-クロロ-N (2-エチル-6-メチルフェニル)-N (2-メトキシ-1- メチルエチル) アセトアミド、対、(R)-2-クロロ-N-(2-エチル-6-メチルフェニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミドの比率は、50-100%から50-0%、好適には70-100%から30-0%、そしてより好適には80-100%から20-0%の範囲内にある。
【0022】
本発明において使用される適切な薬害軽減剤は、ベノキサコール;クロキントセット;クロキントセット-メキシル;ジクロルミド;フェンクロラゾール(fenchlorazole)-エチル;フェンクロリム;フルラゾール(flurazole);フルキソフェニム(fluxofenim);フリラゾール;イソキサジフェン-エチル;メフェンプリル(mefenpyr);メフェンプリル(mefenpyr)のアルカリ金属、アルカリ土類金属、スルホニウム又はアンモニウムカチオン;メフェンプリル(mefenpyr)-ジエチル及びオキサベトリニルを含む。好適な薬害軽減剤はベノキサコール及びジクロルミドを含む。液体のアセトアミドを使用する場合、薬害軽減剤は一般にアセトアミド相に溶解するだろう。しかしながら、任意に有機溶媒を使用することができる。有機溶媒が所望又は要求される場合、農薬製剤化業界において公知の任意の適切な有機溶媒(アセトアミド除草剤及び薬害軽減剤が十分に溶解性である)を使用することができる。好適な有機溶媒は、アセトアミド除草剤及び薬害軽減剤が多く溶解するものであり、油相中及び組成物中に全体として適用され得る活性成分の濃度を同程度の高さにするためである。
【0023】
本発明の懸濁濃縮物及びサスポエマルション製剤は、メソトリオンに加えて、少なくとも1種の固体、水不溶性活性成分を含み得る。本発明において使用するための適切な固体、水不溶性活性成分は、グリホサート酸、トリアジン除草剤、例えば、アトラジン、シマジン又はテルブチラジン、イソオキサゾール除草剤、例えば、イソキサフルトール及びスルホニルウレア除草剤、例えばプリミスルフロン、プロスルフロン又はニコスルフロンを含む。
【0024】
懸濁濃縮物及びサスポエマルション製剤は、追加の活性成分を更に含んでよく、それは水性相に溶解する。水溶性活性成分は、害虫駆除剤又は植物成長調節剤、例えばアセフェート、アシフルオルフェン、アクロレイン、アミトロール、アシュラム、ベナゾリン、ベンタゾン、ビアラホス、ホウ砂、ブロマシル、ブロモキシニル、ブトキシカルボキシム、ポリ硫化カルシウム、カルタップ、クロルアンベン、クロルメコート、クロロ酢酸、クロルホニウム、クロフェンセット、クロピラリド、クロキシホナック、硫酸銅、シアナミド、2,4-D、2,4-DB、ダラポン、ダミノジッド、ジカンバ、ジクロルプロップ、ジクロホップ、ジクロトホス、ジフェンゾコート、ジケグラック、ジクワット、エンドタール、エテホン、フェナック(fenac)、フェノキサプロップ、フラムプロップ、フルアジホップ、フルオログルコフェン(fluoroglycofen)、フルプロパネート、ホメサフェン、ホルメタネート、ホサミン、ホセチル、グルホシネート、グリホサート、グアザチン、ハロキシホップ、ヒドロキシキノリンスルフェート、イマザメス(imazameth)、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イミンオクタジン、アイオキシニル、カスガマイシン、MCPA、MCPB、メコプロップ、メピコート、塩化水銀、メタム(metam)、メタミドホス、メソミル、メチルアルソン酸、メビンホス、モノクロトホス、ナーバム、ナプタラム、ニコチン、ニテンピラム、ノナン酸、オメトエート、オキサミル、オキシデメトンメチル、パラコート、ホスファミドン、ピクロラム、ポリオキシン B、プロパモカルブ、スルファミン酸、2,3,6-TBA、チオシクラム、トリクロルホン、トリクロロ酢酸、トリクロピル、バリダマイシン及びバミドチオン、及び農薬的に許容され得るそれらの塩及びエステルを含む。好適な水溶性活性成分は、グリホサート又はそれらの塩、及びグルホシネート又はそれらの塩を含む。
【0025】
本明細書で使用される用語、"除草有効量"とは、植物成長を不利に制御又は修飾する除草剤化合物の量を意味する。効果を制御又は修飾することは、天然の発達、例えば、枯らす、遅延、リーフバム(leaf bum)、白化、わい化(dwarfing)等からの全ての逸脱を含む。用語植物とは、植物の全ての物質的部分を言い、種子、苗、若木、根、塊茎、幹、茎、葉及び果実を含む。
【0026】
水性相中で分散される水不溶性固体を許容する界面活性剤系、及び連続的な水性相中で乳化される液体技術材料(活性成分)は、典型的に2種以上の界面活性剤の混合物であり、その内の少なくとも一つは、非イオン性界面活性剤であり、そして任意にその内の少なくとも一つは陰イオン性界面活性剤である。
【0027】
サスポエマルション製剤中の界面活性剤は、油性液体技術材料を乳化するための乳化剤として、及び水不溶性技術材料を分散させるための分散剤として機能する。これらの界面活性剤は、一つの製剤中に適用され得る。表面活性剤は乳化剤と分散剤として作用し得る。
【0028】
適切な界面活性化合物は、活性成分、非イオン性、陽イオン性及び/又は陰イオン性界面活性剤及び良好な乳化、分散、及び湿潤特質を有する界面活性剤の混合物の性質に依存している。適切な陰イオン性、非イオン性及び陽イオン性界面活性剤の例は、例えばその内容が参照によって本明細書に組入れられた米国特許No.6,063,732カラム5、1行からカラム6、2行に挙げられている。
【0029】
更に、界面活性剤は製剤技術において慣用的に使用され、特に"Mc Cutcheon's Detergents and EmulsifiersAnnual"MC Publishing Corp., Ridgewood N.J.,1981, Stache,H.,"Tensid-Taschenbuch", Carl Hanser Verlag,MunichNienna,1981 及びM.and J.Ash,"Encyclopedia of Surfactants", Vol I-III, Chemical Publishing Co.,New York,1980-81中に発表され、また本発明に係る除草組成物の調製にも適している。
【0030】
本発明における使用のために適切な陰イオン性界面活性剤は、当業界において公知である任意のものであってよい。陰イオン性界面活性剤は、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルスルフェート及び/又はホスフェート;C8-18アルコール ポリアルコキシエーテルホスフェート、カルボキシレート、及び/又はシトラート;アルキルベンゼンホスホン酸;脂肪酸を含むC8-20アルキルカルボキシレート;C8-20アルコールスルフェート;C8-20アルコールホスフェートモノ-及びジエステル;C8-20アルコール及び(C8-20アルキル)フェノールポリオキシエチレンエーテルカルボキシレート、スルフェート及びスルホネート;C8-20アルコール及び(C8-20アルキル)フェノールポリオキシエチレンホスフェートモノ-及びジエステル;C8-20アルキルベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート及びそれらのホルムアルデヒド縮合体;リグノスルホネート;C8-20アルキルスルホスクシネート及びスルホスクシナメート(sulfosuccinamates);C8-20アシルグルタメート、サルコシネート、イセチオネート及びタウレート;水溶性せっけん及びそれらの混合物であってよい。
【0031】
例示的なポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルスルフェート及びホスフェートは、ポリアリールフェノールポリエトキシエーテルスルフェート及びホスフェート、ポリアリールフェノールポリプロポキシエーテルスルフェート及びホスフェート、ポリアリールフェノールポリ(エトキシ/プロポキシ)エーテルスルフェート及びホスフェート、及びそれらの塩を含む。用語"アリール"とは、例えば、フェニル、トリル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル、スチリル、ピリジル、キノリニル、及びそれらの混合物を含む。例示的なポリアリールフェノールポリエトキシエーテルスルフェート及びホスフェートは、ジスチリルフェノールポリエトキシエーテルスルフェート及びホスフェート、及びトリスチリルフェノールポリエトキシエーテルスルフェート及びホスフェートを含む。ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルスルフェート及びホスフェートは、約1から約50、好適には約2から約40、より好適には約5から約30の程度のアルコキシ化(例えばエトキシ化)を有してよい。商業的に入手し得るポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルスルフェート及びホスフェートは、例えば、SOPROPHOR(商標)4D384(Rhodia Corporation,Cranbury,NJ)(トリスチリルフェノール(EO)16硫酸アンモニウム塩),SOPROPHOR(商標)3D33(Rhodia Corporation, Cranbury, NJ)(トリスチリルフェノール(EO)16遊離リン酸),SOPROPHOR(商標)FLK(Rhodia Corporation,Cranbury, NJ)(トリスチリルフェノール(EO)16リン酸カリウム塩)及びSOPROPHOR(商標)RAM/384(Rhodia Corporation,Cranbury, NJ)(ポリエトキシ化オレイルアミンで中和したエーテルスルフェートをポリエトキシ化したトリスチリルフェノール)を含む。他の態様では、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルスルフェート及びホスフェートは、モノ-アリールフェノールポリアルコキシエーテルスルフェート及びホスフェート、例えばスチリルフェノールポリエトキシエーテルスルフェート及びホスフェートであってよい。
【0032】
例示的なC8-18アルコールポリエトキシエーテルホスフェート、カルボキシレート及びシトレートは、STEPFAC(商標)8180(Stepan Corporation, Northfield,IL)(トリデシルアルコール(EO)3ホスフェート)、STEPFAC(商標)8181(Stepan Corporation, Northfield,IL)(トリデシルアルコール(EO)6ホスフェート)、STEPFAC(商標)8182(Stepan Corporation, Northfield,IL)(トリデシルアルコール(EO)12ホスフェート)、EMCOL(商標)CN-6(CK Witco Corporation,Greenwich, CT)(トリデシルアルコール(EO)6カルボキシレート)を含む。C8-18アルコール、ポリエトキシエーテルホスフェート、カルボキシレート及びシトレートは、約1〜25、好適には約1〜20箇所程度のエトキシ化を有しうる。
【0033】
例示的なアルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの塩類は、ドデシルベンゼンスルホン酸、及び金属(例えば、ナトリウム又はカルシウム)、ドデシルベンゼンスルホン酸を含むアルキルベンゼンスルホン酸のアンモニア又はアミン塩を含む。アミン中和異形は、第一級アミン、ジアミン、トリアミン及びアルカノールアミンを含む。
【0034】
追加の好適な陰イオン性界面活性剤は、(C8-12アルキル)フェノールポリオキシエチレンエーテルスルフェート、及び(C8-l2アルキル)フェノールポリオキシエチレンホスフェートモノ-及びジエステルを含み、それぞれの場合において1価のカウンターイオンが付随する。1つの態様では、(C8-12アルキル)フェノールポリオキシエチレンエーテルスルフェート又は(C8-l2アルキル)フェノールポリオキシエチレンホスフェートのための1価のカウンターイオンはプロトン化したポリオキシエチレンCl2-20アルキルアミン界面活性剤である。より詳細には、ノニルフェノールポリオキシエチレンエーテルスルフェートのポリオキシエチレン獣脂アミン塩、ノニルフェノールポリオキシエチレンホスフェート、及びかかるノニルフェノールポリオキシエチレンホスフェートとポリオキシエチレン獣脂アミンとのブレンドである。
【0035】
適切な水溶性せっけんは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩又は高級脂肪酸(Cl0-C22)の置換されたアンミニウム塩、例えばオレイン酸又はステアリン酸のナトリウム塩、又はカリウム塩、或いは天然の脂肪酸混合物であり、それは特にココナツオイル又は獣脂オイルから得ることができる。更に適切なせっけんは脂肪酸メチルタウリン塩でもある。
【0036】
陰イオン性界面活性剤は、任意に塩基性化合物により中和される。塩基性化合物は、当業界において任意の公知のものであってよく、それは陰イオン性界面活性剤を中和することができる。塩基性化合物は、例えば、無機塩基、C8-18アルキルアミンポリアルコキシレート、アルカノールアミン、アルカノールアミド、及びそれらの混合物を含む。
【0037】
例示的な無機塩基は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、及びそれらの混合物を含む。C8-18アルキルアミンポリアルコキシレートは、例えばC8-l8アルキルアミンポリプロポキシレート及び/又はC8-l8アルキルアミンポリエトキシレートであってよい。例示的なC8-l8アルキルアミンポリアルコキシレートは、獣脂アミンポリアルコキシレート、ココアミンポリアルコキシレート、オレイルアミンポリアルコキシレート、及びステアリルアミンポリアルコキシレートを含む。C8-18アルキルアミンポリエトキシレートは、分子当り約2から約50モルのエチレンオキシドを有してよく、より好適には分子当り約2から約20モルのエチレンオキシドを有してよい。例示的なC8-18アルキルアミンポリエトキシレートは、獣脂アミンエトキシレート(2モルのEO又は8モルのEO)、ココアミンエトキシレート、オレイルアミンエトキシレート、及びステアリルアミンエトキシレートを含む。例示的なアルカノールアミンは、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンを含む。例示的なアルカノールアミドは、オレイン酸ジエタノールアミド及びリノール酸ジエタノールアミド、及び他のC8-l8脂肪酸のジエタノールアミドを含む。
【0038】
例えば、本発明の組成物は、少なくとも1つのポリアリールフェノール ポリアルコキシエーテルスルフェート、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート、C8-18アルコールポリアルコキシエーテルリン酸塩、C8-18アルコールポリアルコキシエーテルカルボキシレート、C8-l8アルコールポリアルコキシエーテルシトレート、及び/又はアルキルベンゼンスルホン酸を含み得る。
【0039】
更に他の態様では、本発明の組成物は、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルスルフェート、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート、C8-20アルキルカルボキシレートから選定される少なくとも2つの陰イオン性界面活性剤の混合物を含み、脂肪酸、C8-20アルコールスルフェート、C8-20アルコールホスフェートモノ-及びジエステル、C8-20アルコール及び(C8-20アルキル)フェノールポリオキシエチレンエーテルカルボキシレート、スルフェート及びスルホネート、C8-20アルコール及び(C8-20アルキル)フェノールポリオキシエチレンホスフェートモノ-及びジエステル、C8-20アルキルベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、及びそれらのホルムアルデヒド縮合体、リグノスルホネート、C8-20アルキルスルホスクシネート及びスルホスクシネート、及び/又はC8-20アシルグルタメート、サルコシネート、イセチオネート、及びタウレートを含む。
【0040】
例示的な非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー;エチレンオキシド-ブチレンオキシドブロックコポリマー;エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマーのC2-6アルキル付加化合物;エチレンオキシド−ブチレンオキシドブロックコポリマーのC2-6アルキル付加化合物;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール;ポリアリールフェノールポリエトキシエーテル;ポリアルキルフェノールポリエトキシエーテル;脂肪族もしくは環式脂肪族アルコール又は飽和又は不飽和脂肪酸のポリグリコールエーテル誘導体、及びアルキルフェノールであって、前記誘導体は、3〜30個のグリコールエーテル基、及び8〜20個の炭素原子を該(脂肪族)炭化水素部分に含み、且つ、6〜18個の炭素原子をアルキルフェノールのアルキル部分に含み;ポリオキシエチレンソルビタンのモノ−、ジ−及びトリ(C12-20アルキル)エステル;アルコキシ化ベジタブルオイル;アルコキシ化アセチレンジオール;アルキルポリグリコシド及びそれらの混合物を含む。
【0041】
エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマーは、アルキル又はアルキルフェノールエーテル塩基、例えばブチルエーテル、メチルエーテル、プロピルエーテル、エチルエーテル、又はそれらの混合物を含み得る。商業的に利用できる非イオン性界面活性剤は、例えば、TOXIMUL(商標)8320(Stepan Corporation, Northfield, IL)(EO/POブロックコポリマーのブチルエーテル誘導体)、WITCONOL(商標) NS-50OLQ (CK Witco Corporation, Greenwich, CT)(EO/POブロックコポリマーのブチルエーテル誘導体)及びWITCONOL(商標)NS-108LQ (CK Witco Corporation, Greenwich, CT)(EO/POブロックコポリマーのノニルフェノールエーテル誘導体)を含む。
【0042】
他の適切な非-イオン性界面活性剤は、水溶性の、20〜250エチレングリコールエーテル基であって、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド、エチレンジアミノポリプロピレングリコール及びアルキル部位に1〜10個の炭素原子を有すアルキルポリプロピレングリコールのポリ付加物を含み、該物質は通常プロピレングリコール単位ごとに1〜5個のエチレングリコールを含む。非イオン性界面活性剤の例は、ノニルフェノールポリエトキシエタノール、ベジタブルオイルポリグリコールエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、オクチルフェノキシポリエトキシエタノールのポリ付加化合物である。ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステルが好適である。
【0043】
当業界において公知であるアルキルポリグリコシドは、本発明において使用することができる。本発明のアルキルポリグリコシドは式(I)を有すことができ:
R1O(R20)6(Z)a (I)
Rlは、約6〜約30個の炭素原子を有す一価の有機ラジカルである。Rlは、好適にはC8-22アルキル又はアルケニル基であり、より好適にはC8-11のアルキル基である。R2は約2〜約4個の炭素原子を有する二価のアルキレンラジカルである。R2は好適にはエチレン又はプロピレン、より好適にはエチレンである。bは0〜約100である。bは好適には0〜約12、より好適には0である。Zは約5〜約6個の炭素原子を有するサッカライド残基である。Zはグルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、タロース、グロース、アルトース、アロース、アピオース、ガロース(gallose)、イドース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、又はそれらの混合物であってよく;Zは好適にはグルコースであり;'a'は1〜約6の整数であり、'a'は好適には1〜約3、より好適には約2である。
【0044】
式(I)の好適な化合物は式(II)の化合物であり:
【化1】

式中nは重合の程度であり、且つ1〜3、好適には1又は2であり、そしてR5は、4〜18個の炭素原子を有する分岐又は直鎖アルキル基であるか、又は4〜18個の炭素原子を有するアルキル基の混合物である。
【0045】
例示的なアルキルポリグリコシドは、APG(商標)325(Cognis Corporation, Cincinnati, OH)(アルキルポリグリコシドであって、ここでのアルキル基は9〜11個の炭素原子を含み、且つ1.6の平均重合度を有す)、PLANTAREN(商標)2000(Cognis Corporation, Cincinnati, OH)(アルキルポリグリコシドであって、ここでのアルキル基は、8〜16個の炭素原子を含み、且つ1.4の平均重合度を有す)、PLANTAREN(商標)1300(Cognis Corporation, Cincinnati, OH)(アルキルポリグリコシドであって、ここでのアルキル基は12〜16個の炭素原子を含み、且つ1.6の平均重合度を有す)、AGRIMUL(商標)PG 2067 (Cognis Corporation, Cincinnati, OH)(アルキルポリグリコシドであって、ここでのアルキル基は8〜10個の炭素原子を含み、且つ1.7の平均重合度を有す)、AGRIMUL(商標) PG 2069 (Cognis Corporation, Cincinnati, OH) (アルキルポリグリコシドであって、ここでのアルキル基は9〜11個の炭素原子を含み、且つ1.6の平均重合度を有す)、AGRIMUL(商標) PG 2076(Cognis Corporation,Cincinnati, OH)(アルキルポリグリコシドであって、ここでのアルキル基は8〜10個の炭素原子を含み、且つ1.5の平均重合度を有す)、ATPLUS(商標)438(Uniqema,Inc., Wilmington, DE)(アルキルポリサッカライドであって、ここでのアルキル基は9〜11個の炭素原子を含む)、及びATPLUS(商標)452(Uniqema,Inc., Wilmington, DE)(アルキルポリサッカライドであって、ここでのアルキル基は8〜10個の炭素原子を含む)を含む。
【0046】
陽イオン性界面活性剤は、好適にはN置換基としての、少なくとも1つのC8-C22アルキルラジカル、及び更なる置換基としての、非置換又はハロゲン化低級アルキル、ベンジル、又はヒドロキシ-低級アルキルラジカルを担持する第4級アンモニウム塩である。塩類は、好適にはハロゲン化物、硫酸メチル又は硫酸エチル、例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド又はベンジルビス(2-クロロエチル)エチルアンモニウムブロマイドの形態にある。
【0047】
界面活性剤(複数剤)の量は、特に組成物のために選定された活性成分並びにそれらの所望される絶対量及び相対量に依存する。本明細書において提供された分類又は特定の実施例から選定された安定化系の適切な量は、日常の実験によって決定することができる。検査では、該組成物による実質的な相分離、沈殿、又は凝集(flocculation)がないことが示され、その後、20-25℃で24時間貯蔵するか、又は好適な態様では、その後、上記提示より、広範な温度で、より長期間貯蔵する。典型的に組成物全体中の全ての界面活性剤の総濃度は、カウンターイオンが存在するならば、その重量を除いて、約1重量%〜約30重量%である。
【0048】
組成物中に存在する界面活性剤の相対量を計算するにおいて、界面活性剤と共に提供される水又は他の希釈剤の重量は、公知であるならば、排除されるべきである。例えば、CK Witco CorporationのWITCONATE(商標)79S は、52%のドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩を含む。1%のWITCONATE(商標)79Sを含む組成物において、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩の濃度は、0.52%として計算されるべきである。
【0049】
更にこれらの組成物は、他の補助剤、例えば湿潤剤、化学安定化剤、粘性制御剤、増粘剤、結合剤、粘着付与剤、肥料及び消泡剤を含み得る。
【0050】
本発明で使用され得る適切な重合安定化剤の例は、10,000から1,000,000ダルトンの分子量を有し、且つ制限されずにポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、モノオレフィン及びジオレフィンのコポリマー、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリウレタン又はポリアミドを含む。
【0051】
使用され得る適切な安定化金属塩の例は、カルシウム、ベリリウム、バリウム、チタン、マグネシウム、マンガン、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル及び銅の塩類を含む;最適にはマグネシウム、マンガン、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル及び銅の塩類であり;特に好適には銅の塩、例えば水酸化銅である。
【0052】
代表的な消泡剤はシリカ、ポリジアルキルシロキサン、特に、ポリジメチルシロキサン、フルオロ脂肪族エステル、又はペルフルオロアルキルホスホン/ペルフルオロアルキルホスホン酸、又はそれらの塩及びそれらの混合物である。好適にはポリジメチルシロキサンである。
【0053】
更に本発明は、i)本発明の懸濁濃縮物又はサスポエマルション製剤を、害虫駆除剤の最終濃度が活性成分(a.i.)の約 0.01%から約10%であるように水等の適切な担体中で希釈することによって得られた害虫駆除組成物に関する。
【0054】
更に本発明は、有用植物の作物中で所望されない植物成長を制御するための方法に関し、前記方法はi)本発明の懸濁濃縮物又はサスポエマルション製剤をメソトリオンの最終濃度が約0.01%〜約10%の活性成分(a.i.)であるように水等の適切な担体中で希釈することによって害虫駆除組成物を形成し、そしてii)作物、それらの種子もしくは苗、又は作物領域等の所望される領域を、前記組成物で処理することを含んで成る。
【0055】
本発明に係る組成物は、農業で慣用的に使用される全ての応用方法、例えば出芽前適用、出芽後適用及び種子粉衣に適する。本発明に係る組成物は、好適には雑草の出芽前又は出芽後制御のための使用である。
【0056】
本発明に係る組成物は、特に有用植物の作物、好適にはトウモロコシにおける雑草を制御するために適している。"作物"とは、慣用的な育成方法又は遺伝子操作の結果として、害虫及び害虫駆除剤(除草剤又は除草剤の分類を含む)に対して耐性になった作物も含むと理解される。本発明の組成物中で使用される成分は、多様な濃度で、当業者に公知の多様な方法において適用され得る。適用される組成物の比率は、特に制御される雑草のタイプ、制御を要求する程度、並びに適用のタイミング及び適用方法に依存するだろう。一般的に、該組成物は、メソトリオンが20-300 g a.i./ha、好適には40-250 g a.i./haの比率で適用されるような量で適用することができる。
【0057】
作物領域とは、既に成育している植物を栽培する、又はそれらの植物を栽培するための種子を播種した土地であり、更にそれらの栽培した植物を成育することを意図した土地である。
【0058】
制御されるべき雑草は、単子葉植物、好適には双子葉植物の雑草、例えば単子葉植物の雑草であるAvena、Agrostis、Phalaris、Lolium、Bromus、Alopecurus、Setaria、Digitaria、Braclaiaria、Echinochloa、Panicum、Sorghum hal./bic.、Rottboellia、Cyperus、Brachiaria、Echinochloa、Scirpus、Monochoria及びSagittaria、並びに双子葉植物の雑草であるSinapis、Chenopodium、Stellaria、Galium、Viola、Veronica、Matricaria、Papaver、Solanum、Abutilon、Sida、Xanthium、Amaranthus、Ipomoea、Polygonum及びChrysanthemumのいずれかであってよい。
【0059】
共-除草剤、殺菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤及び線虫駆除剤等の他の活性成分は、本発明の懸濁濃縮物、又はサスポエマルション製剤中に存在してよく、或いはタンク-混合パートナーとして、懸濁濃縮物又はサスポエマルション製剤と共に付加され得る。
【0060】
以下の実施例は、本発明の観点のいくつかを更に説明するが、その範囲を限定することを意図しない。本明細書及び特許請求の範囲を通して特に断わりのない限り、パーセンテージは重量による。
【実施例1】
【0061】
メソトリオンミルベース(Millbase)の再分散
安定性プロトコール:セクション3.2で発表するようなミルベースを、2オンスのジャーの中で、38℃で6週間貯蔵する。沈殿物の再分散能は、サンプルを均質にするために定格の長さで、中程度の速度で振る。沈殿物を再分散するためのより短い時間が所望される。ジャーは水平に振り、そして振動の完了は、前後方向への作動の完了として注目する。中程度の振動とは、秒当り、およそ2回の振動が完了することである。沈殿物は完全に再分散され、全ての沈殿物はジャーの底からはがれ、そしてサンプルのバルク中に塊又は凝集が存在しないべきである。
【0062】
サンプル1-1は、セクション3.2で発表するようなサブミクロンのミルベースを表す。サンプル1-2は同様の組成物を有するが、より大きな粒子を有するミルベースを含む。
【表1】

表1で発表したデータから明らかなように、本発明の範囲内にある平均粒子径を有するメソトリオンミルベース(実施例1-1)は、サブミクロンのミルベースを均質化するためにかかる時間が有意に短いことによって証明されるように、本発明の範囲内にないメソトリオンミルベースよりも再分散することが有意に容易である。
【実施例2】
【0063】
サブミクロンのミルベースにより改良された最終製品希釈性能
希釈プロトコール:3.3で発表するような最終製品製剤を、手動で50 ppm及び1000 ppmの典型使用速度を用いて水中で希釈する。サンプルを100 mlの目盛り付きシリンダー中で、100 mlの総容量に希釈する(水を加えた製剤)。その後サンプルを10回の完全な反転により回転させて、サンプルを完全に混合する。シリンダーを室温で24時間そのままで放置する。24時間後、沈殿物を完全に再分散させる反転の数に注意する。沈殿物を完全に再分散させるために要求されるより少ない回転数は、最終製品の再分散能の改善を表す。
【0064】
サンプル2-1は、上記実施例1-1で発表する平均粒子径を有すセクション3.2で発表したようなサブミクロンのミルベースを表す。サンプル2-2は、同様の組成物を有すが、実施例1-2で発表するようなより大きな平均粒子径を有すミルベースを含む。
【表2】

表2に発表するデータから、本発明の範囲内にある平均粒子径を有するメソトリオンミルベースから調製された最終製品製剤(実施例2-1)を再分散させることは、最終製品を均質化するために要求される反転が有意に少ないことからも明らかであるように、本発明の範囲外のメソトリオンミルベースを含む製剤よりも有意に容易であったことが明白である。
【実施例3】
【0065】
サンプル調製
3.1 S-メトラクロール EWの調製
S-メトラクロール EWを以下の組成に従って調製した:
:重量%
S-メトラクロール 66.67
除草解毒剤 3.33
ポリスチレン 3.68
ブロックコポリマー 1.00
シリコーン消泡剤 0.18
水 25.12
【0066】
ポリスチレン及び解毒剤をs-メトラクロール中に溶解させた。該ブロックコポリマーを水性相に溶解し、そして消泡剤を付加した。乳化有機相を形成するような方法で、この2つを1-40マイクロの粒子と組合せた。
【0067】
3.2 メソトリオンミルベースの調製
メソトリオンミルベースを以下の組成で調製した:
重量%
メソトリオン 30.00
非-イオン性界面活性剤 3.50
酢酸 (56%) 11.01
水酸化銅(100%) 5.00
シリコーン消泡剤 0.10
キサンタンガム 0.10
水 50.29
【0068】
水、酢酸、非イオン性界面活性剤、及びメソトリオンを一緒に混合した。その後、水酸化銅を付加した。消泡剤とキサンタンガムを付加して、均質になるまで混合した。必要とされる場合は、ミルベースを所望される粒子径へ粉砕した。
【0069】
3.3 最終製品の調製
最終製品を以下の組成に従って調製した:
重量%
S-メトラクロールEW 55.20
メソトリオンミルベース 12.25
プロピレングリコール 5.00
非イオン性界面活性剤 6.00
ブロックコポリマー界面活性剤 5.00
キサンタンガム 0.16
保存剤 0.15
水 残余分
【0070】
s-メトラクロールEW、プロピレングリコール、非イオン性界面活性剤、ブロックコポリマー及び多少の水を一緒に混合した。メソトリオンミルベースを付加し、そして混合した。次にキサンタンガム及び保存剤を付加し、そして均質になるまで混合した。製剤をアッセイし、そして随時水で整えた。
【0071】
本発明のわずか数例の態様が上記に詳細に発表されているが、当業者は、例示的態様の中で、本発明の新規技術及び利点から実質的に逸脱せずに、多くの改変が可能であることを容易に理解するだろう。従って、全てのかかる修飾は、特許請求の範囲によって定義されるものとして本発明の範囲内に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1マイクロ未満の平均粒子径を有す除草効果量のメソトリオン、及び農薬的に許容され得るそれらの塩、並びに分散剤を含んで成る、懸濁濃縮物。
【請求項2】
前記メソトリオン、又は農薬的に許容され得るそれらの塩が、800ナノメートル未満の平均粒子径を有する、請求項1に記載の懸濁濃縮物。
【請求項3】
前記メソトリオンがメソトリオンの金属キレートを含んで成る、請求項1に記載の懸濁濃縮物。
【請求項4】
前記メソトリオンの金属キレートが、メソトリオンの銅又は亜鉛キレートから成る群から選定される、少なくとも1つのメンバーを含んで成る、請求項3に記載の懸濁濃縮物。
【請求項5】
少なくとも1つの追加の固体、水不溶性活性成分を更に含んで成る、請求項1に記載の懸濁濃縮物。
【請求項6】
前記少なくとも1つの追加の固体、水不溶性活性成分が、トリアジン除草剤、イソオキサゾール除草剤及びスルホニルウレア除草剤から成る群から選定される少なくとも1つのメンバーを含んで成る、請求項1に記載の懸濁濃縮物。
【請求項7】
前記少なくとも1つの追加の固体、水不溶性活性成分が、トリアジン除草剤を含んで成る、請求項6に記載の懸濁濃縮物。
【請求項8】
水性相に溶解した水溶性活性成分を更に含んで成る、請求項1に記載の懸濁濃縮物。
【請求項9】
前記水溶性活性成分が、グリホサート、グルホシネート及び農業的に許容され得るそれらの塩から成る群から選定される少なくとも1つのメンバーを含んで成る、請求項8に記載の懸濁濃縮物。
【請求項10】
請求項1に記載の懸濁濃縮組成物を水中で希釈することによって得られた害虫駆除組成物。
【請求項11】
共-除草剤、殺菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤及び線虫駆除剤から成る群から選定される少なくとも1つのメンバーを更に含んで成る、請求項10に記載の害虫駆除組成物。
【請求項12】
有用植物の作物において所望されない植物の成育を制御するための方法であって、有用植物、それらの種子もしくは苗、又は請求項10に記載の害虫駆除組成物を有するそれらの作物領域を処理することを含んで成る方法。
【請求項13】
前記害虫駆除組成物が、発芽前又は発芽後に適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記有用植物の作物がトウモロコシである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
以下:
(A)連続的な水性相;
(B)(i)少なくとも1種の液体、水不溶性活性成分を含んで成る分散したエマルション相;
(ii)該液体、水不溶性活性成分を乳化するために十分な量にある乳化剤;及び
(C)(i)分散固相として1マイクロ未満の粒子径を有する除草有効量のメソトリオン;
(iv)メソトリオン及び製剤中に存在する任意の他の固体技術材料を分散させるために十分な量にある分散剤;
を含んで成るサスポエマルション製剤であって、
ここでの該固相は前記水性及び/又はエマルション相に分散している、サスポエマルション製剤。
【請求項16】
前記メソトリオン、又は農業的に許容され得るそれらの塩が、800ナノメートル未満の平均粒子径を有する、請求項15に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項17】
前記メソトリオンがメソトリオンの金属キレートを含んで成る、請求項15に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項18】
前記メソトリオンの金属キレートがメソトリオンの銅又は亜鉛のキレートから成る群から選定された少なくとも1つのメンバーを含んで成る、請求項17に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項19】
前記液体、水不溶性活性成分が、アセトアミド除草剤及び薬害軽減剤から成る群から選定される少なくとも1つのメンバーを含んで成る、請求項15に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項20】
前記液体、水不溶性活性成分が、アセトアミド除草剤を含んで成る、請求項19に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項21】
前記アセトアミドが、メトラクロール(S)と(R)異性体の混合物を含んで成り、ここで(S)-2-クロロ-N(2-エチル-6-メチルフェニル)-N(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミド、対、(R)-2-クロロ-N-(2-エチル-6-メチルフェニル)-N-(2-メトキシ-1-メチルエチル)アセトアミドの比率は、50-100%〜50-0%の範囲にある、請求項20に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項22】
少なくとも1つの薬害軽減剤を更に含む請求項15に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項23】
前記薬害軽減剤がベノキサコール及びジクロルミドから成る群から選定された少なくとも1つのメンバーを含んで成る、請求項22に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項24】
少なくとも1つの追加の固体、水不溶性活性成分を更に含んで成る請求項15に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項25】
前記少なくとも1つの追加の固体、水不溶性活性成分が、トリアジン除草剤、イソオキサゾール除草剤及びスルホニルウレア除草剤から成る群から選定される少なくとも1つのメンバーを含んで成る、請求項24に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項26】
水性相中に溶解した水不溶性活性成分を更に含んで成る、請求項15に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項27】
前記水不溶性活性成分が、グリホサート、グルホシネート及び農薬的に許容され得るそれらの塩をから成る群から選定される少なくとも1つのメンバーを含んで成る、請求項26に記載のサスポエマルション製剤。
【請求項28】
請求項15に記載のサスポエマルション製剤を水中で希釈することによって得られる害虫駆除組成物。
【請求項29】
共-除草剤、殺菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤及び線虫駆除剤から成る群から選定される少なくとも1つのメンバーを更に含んで成る、請求項28に記載の害虫駆除組成物。
【請求項30】
有用植物の作物において所望されない植物成育を制御するための方法であって、有用植物、それらの種子もしくは苗、又は請求項28に記載の害虫駆除組成物を有するそれらの作物領域を処理することを含んで成る方法。
【請求項31】
前記害虫駆除組成物が発芽前又は発芽後に適用される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記有用植物の作物がトウモロコシである、請求項30に記載の方法。

【公表番号】特表2007−513160(P2007−513160A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542660(P2006−542660)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/039929
【国際公開番号】WO2005/055714
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】