説明

サポート材除去方法

【課題】本発明は、従来にない作用効果を発揮する画期的なサポート材除去方法を提供することを目的とする。
【解決手段】三次元造形装置で造形された立体物1の表面1aに存するサポート材2を除去するサポート材除去方法であって、液体3と砥粒4との混合物であるスラリ5をスラリ噴射体6から噴射して前記サポート材2を除去するサポート材除去方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元造形装置で造形された立体物の表面に存するサポート材を除去するサポート材除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクジェット法により立体物を造形する三次元造形装置(通称3Dプリンタ)が提案されており、この三次元造形装置で造形された立体物の表面に存するサポート材を除去する方法として、例えば、水の噴射圧で除去するウォータージェット方法が一般的とされてきたが、サポート材を十分に除去しきれず(立体物の表面にヌメリが残る)、しかも、高出力のポンプや排水処理を行う為の配管など、大掛かりな設備が必要となりコストがかかるなどの問題点があった。
【0003】
そこで、例えば特開2011−5667号に開示されるように、立体物を薬液に浸けてサポート材を除去する方法(以下、従来法)が提案されており、前述したウォータージェット方法に比してサポート材を良好に除去できるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−5667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来法は、サポート材を除去するまでに時間がかかってしまい、しかも、サポート材の量やサポート材が存する箇所(隙間やコーナー部分などの化学反応だけでは落ちにくい箇所)によって十分に除去できない場合もあり、更に、サポート材を除去処理する際は勿論、使用済み薬液を廃棄処理する際など、薬液の取扱いが厄介である。
【0006】
本発明者等は、前述した従来法の問題点に着目し、種々の実験研究を繰り返し行い、その結果、従来にない作用効果を発揮する画期的なサポート材除去方法を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
三次元造形装置で造形された立体物1の表面1aに存するサポート材2を除去するサポート材除去方法であって、液体3と砥粒4との混合物であるスラリ5をスラリ噴射体6から噴射して前記サポート材2を除去することを特徴とするサポート材除去方法に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載のサポート材除去方法において、前記スラリ噴射体6は、圧縮空気供給部11から供給される圧縮空気と、スラリ供給部12から供給され前記圧縮空気によりスラリ通過路8を通過して導引される前記スラリ5とを混合する噴射スラリ作出部7を具備した構成であることを特徴とするサポート材除去方法に係るものである。
【0010】
また、請求項2記載のサポート材除去方法において、前記スラリ通過路8には前記スラリ5の一部を排出するスラリ導出部9が設けられていることを特徴とするサポート材除去方法に係るものである。
【0011】
また、請求項3記載のサポート材除去方法において、前記スラリ導出部9は前記噴射スラリ作出部7の上流側近傍位置に設けられていることを特徴とするサポート材除去方法に係るものである。
【0012】
また、請求項1〜4いずれか1項に記載のサポート材除去方法において、前記スラリ噴射体6は、前記圧縮空気が通過する圧縮空気通過路13及び前記スラリ通過路8が設けられたスラリ噴射基体10に、前記噴射スラリ作出部7で作出されたスラリ5を噴射する噴射ノズル14が着脱自在に設けられた構成であることを特徴とするサポート材除去方法に係るものである。
【0013】
また、請求項2〜5いずれか1項に記載のサポート材除去方法において、前記スラリ通過路8にはクランク形状部8aが設けられていることを特徴とするサポート材除去方法に係るものである。
【0014】
また、請求項1〜6いずれか1項に記載のサポート材除去方法において、前記砥粒4として円柱形状の砥粒4を採用したことを特徴とするサポート材除去方法に係るものである。
【0015】
また、請求項7記載のサポート材除去方法において、前記砥粒4は直径約0.1〜0.5mm,高さ約0.1〜0.5mmであることを特徴とするサポート材除去方法に係るものである。
【0016】
また、請求項1〜8いずれか1項に記載のサポート材除去方法において、前記砥粒4として樹脂製の砥粒4を採用したことを特徴とするサポート材除去方法に係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のようにしたから、前述した従来法に比し、サポート材を迅速且つ確実に除去することができ、しかも、薬液処理も不要であるから、サポート材の除去処理が簡易に行えるなど、従来にない作用効果を発揮する画期的なサポート材除去方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施例で使用されるサポート材除去装置の説明図である。
【図2】本実施例に係るサポート材除去方法を示す拡大説明図である。
【図3】本実施例で使用されるサポート材除去装置に係る要部の分解斜視図である。
【図4】本実施例で使用されるサポート材除去装置に係る要部の説明断面図である。
【図5】本実施例で使用されるサポート材除去装置に係る要部の説明断面図である。
【図6】本実施例で使用されるサポート材除去装置に係る要部の説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
三次元造形装置で造形されサポート材2が表面1aに存する立体物1に、スラリ噴射体6から液体3と砥粒4との混合物であるスラリ5を噴射する。
【0021】
この際、スラリ5を構成する砥粒4は液体3により運ばれて立体物1の表面1aに存するサポート材2に衝突し、この砥粒4の衝突によりサポート材2は良好に除去される。
【0022】
具体的には、このスラリ5中の砥粒4による削り作用により、例えば立体物1の表面1aに存する塊状のサポート材2が除去されるのは勿論、立体物1の表面1aに残り易いヌメリ(薄皮のように残るサポート材2)も確実に除去することができ、しかも、従来法では落としにくい箇所(隙間やコーナー部分)にも積極的に削り作用が奏されることで確実にサポート材2は除去されることになる(この点は実験により確認済み。)。
【0023】
従って、本発明によれば、立体物1の表面1aに存するサポート材2を迅速且つ確実に、しかも、簡易に除去できることになる。
【0024】
また、本発明は、液体3と砥粒4との混合物であるスラリ5を噴射して立体物1の表面処理をする為、噴射された砥粒4や削り屑(サポート材2)は液体3に保持されて周囲への飛散が可及的に抑制されることになり、しかも、例えば微細な砥粒4であっても、質量の大きい液体3により運ばれて立体物1の表面1aに存するサポート材2に勢いよく衝突するから、この砥粒4の削り作用によりサポート材2の除去が確実に行われることになる。
【実施例】
【0025】
本発明の具体的な一実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】
本実施例は、立体物1の表面1aに存するサポート材2を除去する方法であり、後述する液体3と砥粒4との混合物であるスラリ5を噴射する表面処理装置Mを使用して行われる。尚、本実施例で処理される被処理体としての立体物1は、三次元造形装置(通称3Dプリンタ)で造形された合成樹脂製(紫外線硬化性樹脂製)の立体物1であり、この立体物1の表面1aにはアルカリ水溶性のサポート材2が積層状態に形成されている。
【0027】
具体的には、この表面処理装置Mは、図1に図示したようにケース体16内に配設されるスラリ噴射体6と、このスラリ噴射体6の下方位置に配設されるスラリ溜部15と、このスラリ溜部15からスラリ搬送部12aを介してスラリ噴射体6へスラリ5を供給するスラリ供給部12と、スラリ噴射体6へ圧縮空気搬送部11aを介して圧縮空気を供給する圧縮空気供給部11を有し、スラリ噴射体6から噴射されたスラリ5はスラリ溜部15へ送られて再利用される構成である。
【0028】
スラリ溜部15は、所定量のスラリ5を溜めることができ、この内部のスラリ5を常時撹拌するスラリ撹拌機能(図示省略)が設けられている。
【0029】
スラリ噴射体6は、図1に図示したようにスラリ噴射基体10と、このスラリ噴射基体10に着脱自在(分割自在)に設けられる噴射ノズル14とで構成されている。
【0030】
スラリ噴射基体10は、第一部材10Aと、この第一部材10Aの基端部に着脱自在(分割自在)に設けられる第二部材10Bとで構成されている。つまり、スラリ噴射体6は3つのパーツに分割される。
【0031】
第一部材10Aは、図3,4に図示したように適宜な合成樹脂製の部材(ウレタン樹脂)で形成した軸状体であり、この第一部材10Aの中央位置周面には第二部材10Bの螺子部10bと螺合する螺子部10aが設けられ、また、先端部には噴射ノズル14に被嵌連結する先端空間部10gが設けられている。
【0032】
また、第一部材10Aの内部には、一対の断面円形状の貫通孔10c,10dが長さ方向(軸方向)に並列状態に形成されており、一の貫通孔10cは基端が後述する第二部材10Bの貫通孔10eと連設して該貫通孔10eとともに圧縮空気通過路13を構成し、他の貫通孔10dは基端が後述する第二部材10Bの貫通孔10fと連設し、先端が先端空間部10gと連設して該貫通孔10f及び先端空間部10gとともにスラリ通過路8を構成している。
【0033】
圧縮空気通過路13の先端部には、先端空間部10gに突出する先細りノズル部13aが設けられており、この先細りノズル部13aに設けられる孔13a’は、テーパー孔部13bを介して径小に絞り状態に設けられている。
【0034】
また、この圧縮空気通過路13を通過した圧縮空気は、先細りノズル部13aから後述する噴射スラリ作出部7に向けて噴射されるように設けられ、この圧縮空気によりスラリ通過路8を通過するスラリ5が導引されて、噴射スラリ作出部7で混合される。
【0035】
スラリ通過路8の所定位置には、外部に連通するバイパス孔が形成されており、このバイパス孔は、噴射スラリ作出部7へのスラリ5の供給量を増すために該スラリ5の一部を排出するスラリ導出部9として構成されている。
【0036】
即ち、噴射ノズル14に係るノズル孔14bの径が小さくなるほど、圧縮空気通過路13から噴射される圧縮空気で加速して噴射しようとする際、噴射スラリ作出部7からノズル孔14bにかけて狭くなるために噴射スラリ作出部7にて対流が生じ、スラリ5の流速が落ちて重量のある砥粒4が導引されにくい場合が生じるが、この点、スラリ通過路8にスラリ導出部9を設けることで、前述した問題点は解消される。
【0037】
また、このスラリ導出部9は、噴射スラリ作出部7と可及的に近い近傍位置に設けられており、本実施例の場合では噴射スラリ作出部7から約14mmの位置に設けている。
【0038】
符号9aはスラリ溜部15へスラリ5を戻すスラリ戻り管である。
【0039】
尚、後述する噴射ノズル14のノズル孔14bの径が大きいタイプの第一部材10Aにはスラリ導出部9は設けられていない。
【0040】
また、本実施例では複数(2つ)の第一部材10Aを設けており、これは後述する複数(2つ)の噴射ノズル14に対応する為であり、噴射ノズル14のノズル孔14bの径及び噴射スラリ作出部7のテーパー角度に応じた寸法に設定されている。
【0041】
具体的には、一方の第一部材10Aは、図5に図示したように先細りノズル部13aの周面における後述する噴射ノズル14の基端垂直面14cに対するテーパー角aは70度に設定され、圧縮空気通過路13のテーパー孔部13bのテーパー角bは40度に設定され、孔13a’の径cは1.0mmに設定されており、この孔13a’の径cは、噴射ノズル14のノズル孔14bの径hの1/2に設定されている。
【0042】
他方の第一部材10Aは、図6に図示したように先細りノズル部13aの周面における噴射ノズル14の基端垂直面14cに対するテーパー角dは70度に設定され、圧縮空気通過路13のテーパー孔部13bのテーパー角eは40度に設定され、孔13a’の径fは1.7mmに設定されており、この孔13aの径fは、噴射ノズル14のノズル孔14bの径jの1/2に設定されている。
【0043】
第二部材10Bは、図3,4に図示したように適宜な合成樹脂製の部材(ウレタン樹脂)で形成したものであり、先端部には第一部材10Aの基端部に被嵌する先端空間部10gが設けられ、この先端空間部10gには第一部材10Aに設けた螺子部10aに螺着する螺子部10bが設けられている。
【0044】
また、第二部材10Bは、内部に一対の貫通孔10e,10fが形成されており、一の貫通孔10eには圧縮空気搬送部11aが接続され、他の貫通孔10fにはスラリ搬送部12aが接続される。
【0045】
貫通孔10fは、前述したように第一部材10Aの貫通孔10dと連設してスラリ通過路8を構成するが、このスラリ通過路8には、クランク形状部8aが設けられている。
【0046】
このクランク形状部8aは、貫通孔10fをストレート状とせず、直角に曲がるコーナー部を設けて構成されている。
【0047】
この貫通孔10fを実際に設ける場合には、合成樹脂の成形品である第二部材10Bに二本の直交する孔を形成し、一方の孔を捨て穴として閉塞することで設けている。
【0048】
このスラリ通過路8にクランク形状部8aを設けることで、スラリ噴射体6全体の長さを短くして可及的にコンパクト化を達成することができる。
【0049】
噴射ノズル14は、図3,4に図示したように適宜な合成樹脂製の部材(ウレタン樹脂)で形成した軸状体であり、この噴射ノズル14の基端側周面には第一部材10Aに螺着する螺子部14aが形成されている。
【0050】
また、噴射ノズル14は、貫通孔が形成されており、噴射スラリ作出部7で作出された噴射スラリを噴射するノズル孔14bとして構成されている。
【0051】
噴射スラリ作出部7は、図4に図示したように先端がノズル孔14bの基端に連設し、基端が噴射ノズル14の基端垂直面14cに開口するテーパー孔を設けて構成されている。
【0052】
本実施例は、複数(2つ)の噴射ノズル14を設けており、これは前述した複数(2つ)の第一部材10Aに対応する為であり、各第一部材10Aに係る先細りノズル部13aのテーパー角a・d,圧縮空気通過路13のテーパー孔部13bのテーパー角b・e及び孔13a’の径c・fに応じた寸法に設定されている。
【0053】
具体的には、一方の噴射ノズル14は、図5に図示したように噴射スラリ作出部7を構成するテーパー孔における噴射ノズル14の基端垂直面14cに対するテーパー角gは70度に設定され、ノズル孔14bの径hは2.0mmに設定されている。
【0054】
また、図5に図示した第一部材10Aと噴射ノズル14の組み合わせから成るスラリ噴射体6の場合、先細りノズル部13aの先端面13a”と噴射ノズル14の基端垂直面14cとの間隔kは0.5mmに設定され、噴射スラリ作出部7の最大径lは10mmに設定されている。
【0055】
他方の噴射ノズル14は、図6に図示したように噴射スラリ作出部7を構成するテーパー孔における噴射ノズル14の基端垂直面14cに対するテーパー角iは45度に設定され、ノズル孔14bの径jは3.4mmに設定されている。
【0056】
また、図6に図示した第一部材10Aと噴射ノズル14の組み合わせから成るスラリ噴射体6の場合、先細りノズル部13aの先端面13a”と噴射ノズル14の基端垂直面14cとの間隔mは0.5mmに設定され、噴射スラリ作出部7の最大径nは6mmに設定されている。
【0057】
前述した第一部材10A及び噴射ノズル14における各種角度や寸法の設定により、スラリ5に乱流が生じにくく良好な噴射が実現される。この点は実験により確認済み。
【0058】
また、本実施例で使用するスラリ供給部12としては、100V電源のポンプ装置が採用されている。
【0059】
このポンプ装置は各所(例えばケーシング部分)にウレタン樹脂製としており、耐摩耗性を向上している。
【0060】
また、本実施例で使用する圧縮空気供給部11としては、100V電源のコンプレッサーが採用されている。
【0061】
また、本実施例で使用するスラリ5は、液体3と微粒子砥粒4との混合物である。
【0062】
この砥粒4として樹脂製の砥粒4が採用され、直径約0.3mm,高さ約0.3mmの円柱形状に形成されている。実験により砥粒4の大きさは、直径約0.1〜0.5mm,高さ約0.1〜0.5mmが望ましいことを確認している。
【0063】
この砥粒4を円柱形状とするのは、砥粒4の周面に角が多く存在すると母材(立体物1の表面1a)まで削ってしまい、一方、砥粒4の周面に角が無いと十分な削り作用が得られない。そこで、本実施例では円柱形状とすることで良好にサポート材2を削り作用により除去し得ることを確認した。
【0064】
符号17は、立体物1を載置する載置部である。
【0065】
以上の構成からなる表面処理装置Mを使用し、立体物1におけるサポート材2の除去方法について説明する。
【0066】
三次元造形装置で造形された立体物1に、スラリ噴射体6から液体3と砥粒4との混合物であるスラリ5を噴射する。
【0067】
この際、スラリ5を構成する砥粒4は液体3により運ばれて立体物1の表面1aに存するサポート材2に衝突せしめられ、この砥粒4の衝突によりサポート材2は良好に除去される(図2参照)。
【0068】
このスラリ5中の砥粒4による削り作用により、例えば立体物1の表面1aに存する塊状のポート材2が除去されるのは勿論、立体物1の表面1aに残り易いヌメリ(薄皮のように残るサポート材2)も確実に除去することができ、しかも、従来法では落としにくい箇所(隙間やコーナー部分)にも積極的に削り作用することで確実に除去することができる。
【0069】
本実施例は上述のようにしたから、立体物1の表面1aに存するサポート材2を迅速且つ確実に、しかも、簡易に除去できることになる。
【0070】
また、本実施例は、液体3と砥粒4との混合物であるスラリ5を噴射して立体物1の表面処理をする為、噴射された砥粒4や削り屑(サポート材2)は液体3に保持されて周囲への飛散が可及的に抑制されることになり、しかも、例えば微細な砥粒4であっても、質量の大きい液体3により運ばれて立体物1の表面1aに存するサポート材2に勢いよく衝突するから、この砥粒4の削り作用によりサポート材2の除去が確実に行われることになる。
【0071】
また、本実施例は、スラリ噴射体6は、圧縮空気が通過する圧縮空気通過路13及びスラリ通過路8が設けられたスラリ噴射基体10に、噴射スラリ作出部7で作出されたスラリ5を噴射する噴射ノズル14が着脱自在に設けられているから、例えば種々の寸法の噴射ノズル14を用意しておくことで、広い箇所に噴射する場合や狭い箇所に噴射する場合などの用途に応じたサポート材2の除去が行えることになる。
【0072】
また、本実施例は、スラリ通過路8にはクランク形状部8aが設けられているから、スラリ噴射体6全体のコンパクト化を達成することができる。
【0073】
また、本実施例は、スラリ通過路8には前記スラリ5の一部を排出するスラリ導出部9が設けられているから、噴射スラリ作出部7へ確実にスラリ5を導引して混合して噴射スラリを作出することができる。
【0074】
また、本実施例は、砥粒4として円柱形状の砥粒4を採用したから、立体物1の表面1aを傷付けずに確実且つ良好にサポート材5を除去することができる。
【0075】
また、本実施例は、砥粒4は直径約0.1〜0.5mm,高さ約0.1〜0.5mmであるから、具体的な数値を設定してサポート材2を確実且つ良好に除去することができる。
【0076】
また、本実施例は、砥粒4として比較的軟らかい樹脂製の砥粒4を採用したから、この点においても立体物1の表面1aを傷付けずに確実且つ良好にサポート材5を除去することができる。
【0077】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0078】
1 立体物
1a 表面
2 サポート材
3 液体
4 砥粒
5 スラリ
6 スラリ噴射体
7 噴射スラリ作出部
8 スラリ通過路
8a クランク形状部
9 スラリ導出部
10 スラリ噴射基体
11 圧縮空気供給部
12 スラリ供給部
13 圧縮空気通過路
14 噴射ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元造形装置で造形された立体物の表面に存するサポート材を除去するサポート材除去方法であって、液体と砥粒との混合物であるスラリをスラリ噴射体から噴射して前記サポート材を除去することを特徴とするサポート材除去方法。
【請求項2】
請求項1記載のサポート材除去方法において、前記スラリ噴射体は、圧縮空気供給部から供給される圧縮空気と、スラリ供給部から供給され前記圧縮空気によりスラリ通過路を通過して導引される前記スラリとを混合する噴射スラリ作出部を具備した構成であることを特徴とするサポート材除去方法。
【請求項3】
請求項2記載のサポート材除去方法において、前記スラリ通過路には前記スラリの一部を排出するスラリ導出部が設けられていることを特徴とするサポート材除去方法。
【請求項4】
請求項3記載のサポート材除去方法において、前記スラリ導出部は前記噴射スラリ作出部の上流側近傍位置に設けられていることを特徴とするサポート材除去方法。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項に記載のサポート材除去方法において、前記スラリ噴射体は、前記圧縮空気が通過する圧縮空気通過路及び前記スラリ通過路が設けられたスラリ噴射基体に、前記噴射スラリ作出部で作出されたスラリを噴射する噴射ノズルが着脱自在に設けられた構成であることを特徴とするサポート材除去方法。
【請求項6】
請求項2〜5いずれか1項に記載のサポート材除去方法において、前記スラリ通過路にはクランク形状部が設けられていることを特徴とするサポート材除去方法。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか1項に記載のサポート材除去方法において、前記砥粒として円柱形状の砥粒を採用したことを特徴とするサポート材除去方法。
【請求項8】
請求項7記載のサポート材除去方法において、前記砥粒は直径約0.1〜0.5mm,高さ約0.1〜0.5mmであることを特徴とするサポート材除去方法。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか1項に記載のサポート材除去方法において、前記砥粒として樹脂製の砥粒を採用したことを特徴とするサポート材除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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