説明

サンプリング波形測定装置

【課題】本発明の目的は、多量子井戸構造の電界吸収型光変調器を用いた光サンプリングにおいて高いS/N比と短いゲート幅を両立することにある。
【解決手段】本願発明のサンプリング波形測定装置101は、光パルス発生器11と、電界吸収型光変調器12と、受光器15と、を備え、光パルスPsが入力された際の電界吸収型光変調器12の相互吸収飽和による光ゲート動作を利用して被測定光信号Pxをサンプリングし、等価サンプリング方式で被測定光信号Pxの波形を測定するサンプリング波形測定装置101において、電界吸収型光変調器12の逆バイアス電圧を高くするバイアス調整用電気パルスVpmを、少なくとも光ゲートが開いている間、電界吸収型光変調器に入力するバイアス調整手段(16)を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分解能の等価サンプリングを行うサンプリング波形測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電界吸収型光変調器の相互吸収飽和特性を用いた光サンプリングが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図7は、サンプリング波形測定装置の一例を示す概略構成図である。図7に示すサンプリング波形測定装置は、一定周期の光パルスPsを発生する光パルス発生器11と、被測定光信号Pxと光パルスPsが入力されて光信号Pyを出力する電界吸収型光変調器12と、電界吸収型光変調器12に逆バイアス電圧を入力する逆バイアス電圧発生器13と、電界吸収型光変調器12から出射されたサンプリング後の光信号Pyを光電変換する受光器15と、を有する。光パルスPsが入力された際の電界吸収型光変調器12の相互吸収飽和による光ゲート動作を利用して被測定光信号Pxをサンプリングし、受光器15からの電気信号Dyを観察することで、等価サンプリング方式で被測定光信号Pxを測定/評価する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2008/087809
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多重量子井戸構造の電界吸収型光変調器12の消光特性は、図8に示すように、逆バイアス電圧の増加にしたがって光の透過率が減少するが、ある電圧以上では逆に透過率が増加する。電界吸収型光変調器12の相互吸収飽和を用いた光サンプリングでは、光パルスがないときの被測定光信号の透過率が増えるとサンプリング時以外の被測定光信号の漏洩が増えてノイズが増加する。測定結果の波形のS/N比を大きくするためには光パルスがない時の被測定光信号の透過率を低くする必要がある。このため、S/N比の観点からは、透過率が最小となるA点の逆バイアス電圧Vが適している。
【0005】
一方、逆バイアス電圧と光ゲート動作の時間幅の関係は、図9に示すように、逆バイアス電圧の増加に従って単調にゲート幅が減少する。このため、時間分解能の観点からは、ゲート幅が最小となるB点の逆バイアス電圧V、すなわち電界吸収型光変調器に印加可能な最大の逆バイアス電圧Vが望ましい。よって、高いS/N比と短いゲート幅が両立しないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、多量子井戸構造の電界吸収型光変調器を用いた光サンプリングにおいて高いS/N比と短いゲート幅を両立することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明のサンプリング波形測定装置は、多量子井戸構造の電界吸収型光変調器を用いて光サンプリングを行うサンプリング波形測定装置において、少なくとも光ゲートが開いている間だけ逆バイアス電圧を高くするバイアス調整手段を備えることを特徴とする。
【0008】
具体的には、本願発明のサンプリング波形測定装置は、光パルスを発生する光パルス発生器(11)と、被測定光信号及び前記光パルスが入力される電界吸収型光変調器(12)と、前記電界吸収型光変調器から出力された光信号を電気信号に変換する受光器(15)と、を備え、前記光パルスが入力された際の前記電界吸収型光変調器の相互吸収飽和による光ゲート動作を利用して前記被測定光信号をサンプリングし、等価サンプリング方式で前記被測定光信号の波形を測定するサンプリング波形測定装置(101)において、前記電界吸収型光変調器の逆バイアス電圧を高くするバイアス調整用電気パルスを、少なくとも前記光ゲートが開いている間、前記電界吸収型光変調器に入力するバイアス調整手段(16)を備えることを特徴とする。
【0009】
バイアス調整手段(16)を備えることで、光ゲートが閉じている間は被測定光信号の透過率を低くしてS/N比の低下を防ぎ、少なくとも光ゲートが開いている間は電界吸収型光変調器の逆バイアス電圧を高くしてゲート幅を狭くすることができる。これにより、本願発明のサンプリング波形測定装置は、多量子井戸構造の電界吸収型光変調器を用いた光サンプリングにおいて高いS/N比と短いゲート幅を両立することができる。
【0010】
本願発明のサンプリング波形測定装置では、前記バイアス調整手段は、前記光パルスと同期したバイアス調整用電気パルスを発生する電気パルス発生器(21)を有し、少なくとも前記光ゲートが開いている間、前記電気パルス発生器からの前記バイアス調整用電気パルスを前記電界吸収型光変調器に入力することが好ましい。
【0011】
独立した電気パルス発生器を備えることで、任意の振幅電圧で任意の形状のバイアス調整用電気パルスを発生させることができる。これにより、少なくとも光ゲートが開いている間は電界吸収型光変調器に印加可能な最大の逆バイアス電圧を印加して、高いS/N比と最短のゲート幅を両立することができる。
【0012】
本願発明のサンプリング波形測定装置では、前記バイアス調整手段は、前記光パルスが入力されバイアス調整用電気パルスを出力する第2の受光器(31)を有し、少なくとも前記光ゲートが開いている間、前記第2の受光器からの前記バイアス調整用電気パルスを前記電界吸収型光変調器に入力することが好ましい。
【0013】
第2の受光器を備えることで、光パルスと同期したタイミングで、タイミングジッタの少ないバイアス調整用電気パルスを発生させることができる。これにより、バイアス調整用電気パルスのパルス幅が短い場合でも、少なくとも光ゲートが開いている間に電界吸収型光変調器に印加可能な最大の逆バイアス電圧を印加でき、高いS/N比と最短のゲート幅を両立することができる。また、変換効率の高い第2の受光器を用いたり、第2の受光器の出力に電気増幅器を挿入したりすることにより、振幅の大きなバイアス調整用電気パルスを発生することができる。
【0014】
本願発明のサンプリング波形測定装置では、前記バイアス調整手段は、前記サンプリング用光パルスが入力された際に前記電界吸収型光変調器の電極に発生する電気パルスの極性を反転させ、所定の遅延時間後に前記電界吸収型光変調器の電極に戻すことによって、少なくとも前記光ゲートが開いている間、前記バイアス調整用電気パルスを前記電界吸収型光変調器に入力することが好ましい。
【0015】
電界吸収型光変調器の電極に発生する電気パルスを用いるため、バイアス調整用電気パルスを発生させるための手段を別途設けることなく電界吸収型光変調器のS/N比とゲート幅を調整することができる。これにより、簡易な構成で本発明に係るサンプリング波形測定装置を構成することができる。
【0016】
本願発明のサンプリング波形測定装置では、前記バイアス調整手段は、一端が前記電界吸収型光変調器の電極に接続された同軸ケーブル(41)と、前記同軸ケーブルに設けられ、前記電界吸収型光変調器に印加された直流バイアス電圧を遮断する直流遮断コンデンサ(42)と、前記同軸ケーブルの他端に接続された短絡器(43)とを備え、前記電界吸収型光変調器の電極で発生した電気パルスを前記同軸ケーブルに伝搬させた後、前記短絡器で前記電気パルスの極性を反転させて反射させ、前記バイアス調整用電気パルスとして前記電界吸収型光変調器の電極に戻すことが好ましい。
【0017】
バイアス調整手段が同軸ケーブルと短絡器と直流遮断コンデンサからなることで、簡易な構成で本発明に係るサンプリング波形測定装置を構成することができる。
【0018】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、本願発明のサンプリング波形測定装置は、多量子井戸構造の電界吸収型光変調器を用いた光サンプリングにおいて高いS/N比と短いゲート幅を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係るサンプリング波形測定装置の一例を示す構成概略図である。
【図2】バイアス調整用電気パルスと光信号のパルス形状との関係の一例であり、(a)は負のバイアス調整用電気パルスVpmを示し、(b)は光パルスPsによる電界吸収型光変調器の透過率変化を示す。
【図3】実施形態2に係るサンプリング波形測定装置の一例を示す構成概略図である。
【図4】実施形態3に係るサンプリング波形測定装置の一例を示す構成概略図である。
【図5】実施形態4に係るサンプリング波形測定装置の一例を示す構成概略図である。
【図6】同軸ケーブルの往復の遅延時間の設定例であり、(a)は電界吸収型光変調器に発生する電気パルスVppを示し、(b)は電界吸収型光変調器に戻すバイアス調整用電気パルスVpmを示し、(c)は光パルスPsによる電界吸収型光変調器の透過率変化を示す。
【図7】サンプリング波形測定装置の一例を示す構成概略図である。
【図8】多重量子井戸構造の電界吸収型光変調器の消光特性の一例を示す。
【図9】逆バイアス電圧と光ゲート動作の時間幅の関係の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係るサンプリング波形測定装置の一例を示す構成概略図である。本実施形態に係るサンプリング波形測定装置101は、光パルス発生器11と、電界吸収型光変調器12と、逆バイアス電圧発生器13と、光カプラ14と、受光器15と、バイアス調整手段16を備える。
【0023】
電界吸収型光変調器12に被測定光信号Pxが入射される。光パルス発生器11は、光パルスPsを発生する。逆バイアス電圧発生器13は、電界吸収型光変調器12に直流の逆バイアス電圧を印加する。電界吸収型光変調器12は、被測定光信号Px及び光パルスPsが入力され、光信号Pyを出力する。光パルスPsが入力された際の電界吸収型光変調器12の相互吸収飽和による光ゲート動作を利用して被測定光信号Pxをサンプリングし、等価サンプリング方式で被測定光信号Pxの波形を測定する。
【0024】
サンプリング後の光信号Pyは、電界吸収型光変調器12から出射され、受光器15に入射される。受光器15は、電界吸収型光変調器12から出力された光信号Pyを電気信号に変換し、電気信号Dyを出力する。電気信号Dyを観察することで、等価サンプリング方式で被測定光信号Pxの波形評価を行うことができる。
【0025】
バイアス調整手段16は、電界吸収型光変調器12の逆バイアス電圧を高くするバイアス調整用電気パルスVpmを発生し、少なくとも光ゲートが開いている間、バイアス調整用電気パルスVpmを電界吸収型光変調器12に入力する。図2は、バイアス調整用電気パルスと光信号のパルス形状との関係の一例であり、(a)は負のバイアス調整用電気パルスVpmを示し、(b)は光パルスPsによる電界吸収型光変調器の透過率変化を示す。
【0026】
図1に示す逆バイアス電圧発生器13は、S/N比が最大となる図8のA点の逆バイアス電圧Vに設定する。バイアス調整手段16により光パルスPsに同期した負のバイアス調整用電気パルスVpmを発生し、電界吸収型光変調器12に入力する。バイアス調整用電気パルスVpmのパルス幅を光パルスPsによる透過率変化のパルス幅よりも広くし、図2(b)に示すように光パルスPsによる光ゲート動作時間がバイアス調整用電気パルスVpm内に含まれるようにすると、光パルスPsによる光ゲート動作時は逆バイアス電圧が増加することになり、ゲート幅が短縮される。
【0027】
直流の逆バイアス電圧Vと負のバイアス調整用電気パルスVpmの電圧の和が電界吸収型光変調器12に印加可能な最大の逆バイアス電圧Vとなるようにすると、図9に示すB点での最小のゲート幅となる。負のバイアス調整用電気パルスVpmを入力すると、電界吸収型光変調器12の透過率が一時的に増加するが、バイアス調整用電気パルスVpmのパルス幅を受光器15のインパルス応答の時間幅よりも狭くしておくと、受光器15の出力においてはバイアス調整用電気パルスVpmによる被測定光信号Pxの漏洩増加の影響は少ない。従って、バイアス調整用電気パルスVpmによるS/N比の低下は少なく、高いS/N比と短いゲート幅を両立することができる。
【0028】
(実施形態2)
図3は、本実施形態に係るサンプリング波形測定装置の一例を示す構成概略図である。本実施形態に係るサンプリング波形測定装置102では、バイアス調整手段16は、光パルスPsと同期したバイアス調整用電気パルスVpmを発生する電気パルス発生器21を有し、少なくとも電界吸収型光変調器12の光ゲートが開いている間、電気パルス発生器21からのバイアス調整用電気パルスVpmを電界吸収型光変調器12の電極に入力する。
【0029】
ここで、バイアス調整用電気パルスVpmと光パルスPsとの同期は、光パルス発生器11から同期信号を電気パルス発生器21に入力する場合と、電気パルス発生器21から同期信号を光パルス発生器11に入力する場合と、別途設けた同期信号発生器(不図示)からの同期信号を光パルス発生器11と電気パルス発生器21の両方に入力する場合、のいずれでもよい。
【0030】
また、必要に応じて、可変遅延器22を、電気パルス発生器21の出力、又は光パルス発生器11の出力、又は同期信号発生器(不図示)の出力に挿入することにより、光ゲートに対するバイアス調整用電気パルスVpmの相対タイミングを調整することができる。
【0031】
逆バイアス電圧発生器13は、直流電源13a、バイアスT13b、終端器13cからなり、電界吸収型光変調器12に直流のバイアス電圧を印加するとともに、バイアス調整手段16からのバイアス調整用電気パルスVpmや光パルスPsによって電界吸収型光変調器12の電極に発生する電気パルスが反射しないようにインピーダンス整合をとって終端する。
【0032】
(実施形態3)
図4は、本実施形態に係るサンプリング波形測定装置の一例を示す構成概略図である。本実施形態に係るサンプリング波形測定装置103では、バイアス調整手段16は、光パルスPsが入力されバイアス調整用電気パルスVpmを出力する第2の受光器31を有し、少なくとも電界吸収型光変調器12の光ゲートが開いている間、第2の受光器31からのバイアス調整用電気パルスVpmを電界吸収型光変調器12に入力する。
【0033】
ここで、必要に応じて、可変遅延器32を、第2の受光器31の入力又は出力に挿入することにより、光ゲートに対するバイアス調整用電気パルスVpmの相対タイミングを調整することができる。また、必要に応じて第2の受光器31の出力に電気増幅器を挿入することにより、バイアス調整用電気パルスVpmの電圧振幅を大きくすることができる。
【0034】
(実施形態4)
図5は、本実施形態に係るサンプリング波形測定装置の一例を示す構成概略図である。本実施形態に係るサンプリング波形測定装置104では、バイアス調整手段16は、光パルスPsが入力された際に電界吸収型光変調器12の電極(不図示)に発生する電気パルスVppの極性を反転させ、反転後の電気パルスをバイアス調整用電気パルスVpmとして所定の遅延時間後に電界吸収型光変調器12の電極に戻すことによって、少なくとも電界吸収型光変調器12の光ゲートが開いている間、電気パルスVppの極性を反転させたバイアス調整用電気パルスVpmを電界吸収型光変調器12に入力することを特徴とする。
【0035】
具体的には、サンプリング波形測定装置104では、バイアス調整手段16は、一端が電界吸収型光変調器12の電極に接続された同軸ケーブル41と、同軸ケーブル41に設けられ、電界吸収型光変調器12に印加された直流バイアス電圧を遮断する直流遮断コンデンサ42と、同軸ケーブル41の他端に接続された短絡器43とを備え、電界吸収型光変調器12の電極で発生した電気パルスVppを同軸ケーブル41に伝搬させた後、短絡器43で電気パルスVppの極性を反転させて反射し、電気パルスVppの極性を反転させた電気パルスをバイアス調整用電気パルスVpmとして電界吸収型光変調器12の電極に戻す。
【0036】
電界吸収型光変調器12に光パルスPsを入力すると、電界吸収型光変調器12の電気入力端子に正の電気パルスVppが発生する。この正の電気パルスVppが同軸ケーブル41を伝搬し、短絡器43で極性が反転し、負の電気パルスが同軸ケーブル41を逆に伝搬して電界吸収型光変調器12に戻る。
【0037】
直流遮断コンデンサ42は電界吸収型光変調器12に直流バイアスを印加するためのものであり、図5では短絡器43の近くに配置されているが、電界吸収型光変調器12の近くに配置してもよい。電気パルスVppが発生してからバイアス調整用電気パルスVpmが電界吸収型光変調器12に戻るまでの時間は、同軸ケーブル41及び直流遮断コンデンサ42の往復の遅延時間となる。
【0038】
図6に、同軸ケーブルの往復の遅延時間の設定例を示す。光パルスPsによる光ゲート動作時間がバイアス調整用電気パルスVpmに内に含まれるように同軸ケーブル41の遅延時間を設定すると、ゲート幅が狭くなる効果が得られる。図6では、光パルスPsによって発生した電気パルスVppを、その次の光パルスPsによって光ゲートが開いている間に電界吸収型光変調器12に戻す例を示したが、これに限られるものではない。例えば、ある光パルスによって電界吸収型光変調器12で発生した電気パルスをn周期(nは1以上の整数。)後の光パルスによる光ゲート動作に合うように遅延して電界吸収型光変調器12に戻してもよい。
【0039】
以上の実施形態1から実施形態4までの説明は、通常の電界吸収型光変調器12の極性である信号側がp型、接地側がn型の場合について説明したが、これに限られるものではなく、逆極性の電界吸収型光変調器の場合にも適用することができる。この場合、実施形態2又は実施形態3のように別途電気パルス発生器21又は第2の受光器31を用いる場合は、電気パルス発生器21又は第2の受光器31は、バイアス調整用電気パルスとして、正の電気パルスを発生するようにする必要がある。実施形態4における電界吸収型光変調器12では負の電気パルスが発生し、短絡器43で極性が反転し、正の電気パルスがバイアス調整用電気パルスとして電界吸収型光変調器12に戻る。
【0040】
また、本実施例では、光パルスを電界吸収型光変調器12の後方から入力する構成を示したが、これに限られるものではなく前方から入力する構成においても本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、高分解能の光サンプリングを行うことができるので、情報通信産業及び光を用いる各種産業に適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
11:光パルス発生器
12:電界吸収型光変調器
13:逆バイアス電圧発生器
13a:直流電源
13b:バイアスT
13c:終端器
14:光カプラ
15:受光器
16:バイアス調整手段
41:同軸ケーブル
42:直流遮断コンデンサ
43:短絡器
21:電気パルス発生器
22:可変遅延器
31:第2の受光器
32:可変遅延器
101、102、103、104:サンプリング波形測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光パルスを発生する光パルス発生器(11)と、
被測定光信号及び前記光パルスが入力される電界吸収型光変調器(12)と、
前記電界吸収型光変調器から出力された光信号を電気信号に変換する受光器(15)と、を備え、
前記光パルスが入力された際の前記電界吸収型光変調器の相互吸収飽和による光ゲート動作を利用して前記被測定光信号をサンプリングし、等価サンプリング方式で前記被測定光信号の波形を測定するサンプリング波形測定装置(101)において、
前記電界吸収型光変調器の逆バイアス電圧を高くするバイアス調整用電気パルスを、少なくとも前記光ゲートが開いている間、前記電界吸収型光変調器に入力するバイアス調整手段(16)を備えることを特徴とするサンプリング波形測定装置。
【請求項2】
前記バイアス調整手段は、
前記光パルスと同期したバイアス調整用電気パルスを発生する電気パルス発生器(21)を有し、
少なくとも前記光ゲートが開いている間、前記電気パルス発生器からの前記バイアス調整用電気パルスを前記電界吸収型光変調器に入力することを特徴とする請求項1に記載のサンプリング波形測定装置。
【請求項3】
前記バイアス調整手段は、
前記光パルスが入力されバイアス調整用電気パルスを出力する第2の受光器(31)を有し、
少なくとも前記光ゲートが開いている間、前記第2の受光器からの前記バイアス調整用電気パルスを前記電界吸収型光変調器に入力することを特徴とする請求項1に記載のサンプリング波形測定装置。
【請求項4】
前記バイアス調整手段は、
前記サンプリング用光パルスが入力された際に前記電界吸収型光変調器の電極に発生する電気パルスの極性を反転させ、所定の遅延時間後に前記電界吸収型光変調器の電極に戻すことによって、少なくとも前記光ゲートが開いている間、前記バイアス調整用電気パルスを前記電界吸収型光変調器に入力することを特徴とする請求項1に記載のサンプリング波形測定装置。
【請求項5】
前記バイアス調整手段は、
一端が前記電界吸収型光変調器の電極に接続された同軸ケーブル(41)と、
前記同軸ケーブルに設けられ、前記電界吸収型光変調器に印加された直流バイアス電圧を遮断する直流遮断コンデンサ(42)と、
前記同軸ケーブルの他端に接続された短絡器(43)とを備え、
前記電界吸収型光変調器の電極で発生した電気パルスを前記同軸ケーブルに伝搬させた後、前記短絡器で前記電気パルスの極性を反転させて反射させ、前記バイアス調整用電気パルスとして前記電界吸収型光変調器の電極に戻すことを特徴とする請求項4に記載のサンプリング波形測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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