説明

サンプル収集装置

収集装置は、体液のサンプルを受け入れる収集要素を有する。収集要素は吸収性パッドであってもよく、それは、サンプルからの検体の回収および/または吸収性材料に対するそれらの吸収度を最適化するように、界面活性剤によって処理されている。抽出装置が、容器に動作可能に連結され、かつ収集装置と容器との間の流体連通を提供するように収集装置を受け入れる。収集装置は、抽出装置に受け入れられると、ある容量のサンプルを容器内に放出するように動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年4月16日に出願された米国仮特許出願第60/907,757号に対する優先権を主張し、その開示内容はすべて参照により本明細書に援用される。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、一般に、体液のサンプルを収集するシステムに関し、特に、サンプルを受け入れる収集装置と、保管し、輸送し、試験するために容器内にサンプルを放出する抽出装置と、を用いるシステムに関する。より詳細には、本発明はまた、口腔液に存在する薬物乱用代謝物の回収が改善された、吸収性パッド等の口腔液収集要素に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
検体が存在するか試験するために、血液、尿および唾液等の体液のサンプルを収集する多くの方法があり得る。サンプル収集装置の1つのタイプは、通常、対象流体を吸収する吸収性パッドと、収集されているサンプルを保持する保持器と、を有している。サンプルが吸収性パッドによって吸収されると、パッド全体がバイアルに移送される。そして、バイアルは試験に供される。不都合なことに、これらシステムでは、依然として、サンプルを試験することができるようになる前に、バイアル内のサンプルの遠心分離等、追加の操作が必要である。他のタイプのサンプル収集装置として、パッド全体をバイアルに配置するのではなく、サンプルを吸収性パッドからバイアル内に放出する、またはしぼり出すものもある。あるいは、サンプルを、後の試験のためにバイアルに保管するのではなく、側方流動試験装置等の試験装置内に直接導入し得る。特に、通常の装置では、厳密な量の口腔液が提供されない。試験の目的に対して量が十分であることを確実にするために、かつ、口腔液が保存溶液と結合される時の実際の口腔液の濃度を確定することができるように、計量される口腔液の量は重要である。
【0004】
上述したように、体液のサンプルは唾液を含み得る。ヒトは、1日に最大1.5リットルの唾液を分泌する。唾液または「口腔液」サンプルの使用は、乱用物質または薬物検査および疾患検査に対して十分に確立されている。口腔液試料の収集は、一般に、血液、血清、尿等の他の体液の収集より、侵襲性でなくかつ厄介でなく、恥ずかしさを感じさせる(stigmatizing)ものではないと考えられている。「口腔液」という用語は、一般に、口腔試料で収集される流体に対し、「唾液」より適切な記述名であると考えられている。口腔液は、口腔内の複数の腺から分泌される。口腔液は、唾液および粘膜排出物の両方からなる。口腔液は、口腔内に存在する腺からの残屑および細胞残屑とともに、抗体および薬物代謝物を含む血液成分を含んでいる。
【0005】
先の口腔液収集装置は、口腔液分泌を刺激するか、または収集パッドの吸収性を向上させるように設計されていた。たとえば、米国特許第5,103,836号には、高張食塩水で処理されたパッドが記載されている。口腔液分泌を刺激しパッド吸収性を向上させることにより、口腔液のサンプル採取が改善されるが、収集したサンプルはまた、試験のために収集パッドからうまく回収しなければならない。大麻からのテトラヒドロカンナビノール(THC)等の検体によっては、収集パッドに固着する傾向があるものもある。これにより、口腔液に存在する検体の量の測定が不正確になり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明の態様による実施形態は、収集装置から体液のサンプルを放出する、またはしぼり出すプロセスを改善したシステムを提供する。特に、実施形態により、使用者は、収集装置を操作して、たとえば試験することができる適切な量のサンプル流体を放出することができる。さらに、実施形態により、バイアルに保管され引き渡されるサンプル流体の試験現場でのサンプル処理が容易になる。たとえば、必要な処理段階として遠心分離をなくすことができる。
【0007】
したがって、一実施形態は、サンプル収集要素を有する収集装置を有する。サンプル収集要素は、収集装置が第1構成にある時に体液のサンプルを受け入れ、収集装置が第1構成から第2構成に遷移する時にサンプルを放出する。さらに、本実施形態は、収集装置から放出されるサンプルを受け入れかつ保管するように構成される容器も有する。さらに、本実施形態は、容器に動作可能に連結される抽出装置を有し、抽出装置は、収集装置を受け入れ、かつ、収集装置と容器との間の流体連通を提供する通路を有する。収集装置は、抽出装置に受け入れられると、第1構成から第2構成に遷移し、かつ、所定容量のサンプルを放出するように、動作可能である。容器は、希釈液を有することができ、その中にサンプルが受け入れられ保管される。たとえば、希釈液は、保管および輸送中にサンプルの完全性を維持する防腐剤であってもよい。
【0008】
特定の実施形態では、収集要素は、サンプルを収集するために体液源にあてがわれる、緩衝塩で前処理されたポリオレフィン繊維パッド等の、吸収性パッドである。さらに、収集装置は、使用者に対し、十分なサンプル容量が収集されまたは吸収された時を知らせるインジケータを有することができる。そして、プランジャによって収集要素を圧縮することにより、収集要素からサンプルが放出される。プランジャによる圧縮を、後述するさまざまな技法で達成することができる。この実施形態では、第1構成は、収集装置が吸収性材料を圧縮されないままにする状態に対応し、第2構成は、収集装置が収集要素を圧縮して収集要素からサンプルを放出する状態に対応する。収集装置を、第1構成と第2構成との間の複数の状態をとるように作動させることにより、サンプルを部分的にまたは制御された方法で収集装置から放出することができる。特に、収集要素は、収集装置が第1構成から第2構成に遷移する際、種々の圧縮状態を有することができる。
【0009】
さらなる実施形態は、収集装置から容器内に放出されるサンプルの容量を示すインジケータを用いる。特に、インジケータは、容器内の流体のレベルを示す窓であってもよい。したがって、使用者は、インジケータを観察することにより、容器内に放出されているサンプル流体の量を制御することができる。
【0010】
さらなる実施形態は、収集装置および抽出装置の少なくとも一方に配置される溢流室を用いる。溢流室は、収集装置を第1構成から第2構成に遷移するように作動させた時に、余分な容量のサンプルを受け入れる溢流開口を有している。このように、容器内に導入されるサンプル流体の容量が制御される。
【0011】
上述したように、実施形態によって収集される体液サンプルは、唾液または口腔液を含み得る。したがって、本発明のさらなる態様は、試験のために口腔から口腔液試料を収集する方法に関する。本方法は、ヒト被験者における薬物乱用を検査するために口腔液サンプルを取得するように設計されることが好ましいが、本方法を用いて、他の目的でヒトから口腔液サンプルを取得するか、または動物から口腔液サンプルを取得することも可能である。さらに、本発明の実施形態における収集装置は、サンプルからの検体の回収を最適化するように処理されている、吸収性パッド等の収集要素を用いることができる。したがって、一実施形態によれば、圧縮性の洗浄剤処理された収集要素を被験者の口の口腔内に挿入して、口腔液サンプルを収集する。そして、本明細書で説明するシステムおよび装置を用いる方法で、流体サンプルを収集要素から容器内に放出し、またはしぼり出すことができる。しかしながら、こうした処理を、流体のサンプルを収集する任意のシステムまたは装置により広く適用することもできる。
【0012】
本発明のこれらの態様および他の態様は、添付図面とともに本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面の簡単な説明
【図1A】本発明の態様による実施形態例を示す。
【図1B】図1Aに示す実施形態例の収集装置の組立分解図を示す。
【図1C】図1Aに示す実施形態例の抽出装置および容器の断面図を示す。
【図1D】図1Aに示す実施形態例の容器およびキャップの断面図を示す。
【図1E】図1Aに示す実施形態例の収集装置、抽出装置および容器の断面図を示す。
【図2A】圧縮されていない収集要素を含む、本発明の態様による別の実施形態例の断面図を示す。
【図2B】圧縮されている収集要素を含む、図2Aの実施形態例の断面図を示す。
【図2C】図2Aの実施形態例の容器およびキャップの断面図を示す。
【図3A】圧縮されていない収集要素を含む、本発明の態様によるさらに別の実施形態例の断面図を示す。
【図3B】圧縮されている収集要素を含む、図3Aの実施形態例の断面図を示す。
【図3C】図3Aの実施形態例の容器およびキャップの断面図を示す。
【図3D】図3Aの実施形態例で使用可能な、溢流室なしの別の収集要素の断面図を示す。
【図4A】圧縮されていない収集要素を含む、本発明の態様による別の実施形態例の断面図を示す。
【図4B】圧縮されている収集要素を含む、図4Aの実施形態例の断面図を示す。
【図5A】圧縮されていない収集要素を含む、本発明の態様によるさらなる実施形態例の断面図を示す。
【図5B】圧縮されている収集要素を含む、図5Aの実施形態例の断面図を示す。
【図5C】溢流室を備えた、図5Aの実施形態例の断面図を示す。
【図6A】圧縮されていない収集要素を含む、本発明の態様によるさらに別の実施形態例の断面図を示す。
【図6B】圧縮されている収集要素を含む、図6Aの実施形態例の断面図を示す。
【図6C】図6Aの実施形態例における開放した溢流室の透視図を示す。
【図6D】図6Aの実施形態例における閉鎖した溢流室の透視図を示す。
【図6E】容器の破断されたシールを含む、図6Aの実施形態例の透視図を示す。
【図7A】本発明の態様による別の実施形態例の組立分解図を示す。
【図7B】図7Aの実施形態例に対する収集装置の断面図を示す。
【図7C】図7Aの実施形態例に対する容器の断面図を示す。
【図7D】図7Aの実施形態例に対する容器と組み合わせた収集装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
図1Aは、本発明の例示的な実施形態を示す。特に、体液のサンプルを収集するシステム100は、収集装置110、抽出装置130、保管容器150およびキャップ170を用いる。
【0015】
収集装置110は、体液源からサンプルを受け入れるように構成された要素112を用いる。体液のサンプルには、限定されないが、唾液、尿または血液がある。収集要素112は、吸収性材料から形成された、パッド、スポンジ等であり得る。吸収性材料には、綿またはセルロース材料等の天然吸収性材料とともに、限定されないがポリエステル等の合成繊維があり得る。したがって、収集要素112は、流体源にあてがわれる、またはそれに接触するように配置されると、その流体源からの流体の幾分かを吸収する。さらに、収集要素112を、界面活性剤(または洗浄剤)で処理することにより、サンプルからの検体の回収および/またはそれらの吸収性材料への吸収を最適化することができる。本発明によって用いることができる界面活性剤の種類には、限定されないが、Brij 35、Tween-20、Tween-60、Tween-80、PEG-80、PEG-400またはTriton X100等、非イオン性、カチオン性、アニオン性または両性界面活性剤がある。食品用界面活性剤が好ましい。PEG界面活性剤、特にPEGエステル等の非イオン性界面活性剤が特に好ましい。界面活性剤は、好ましくは、口腔液サンプルを収集するために用いられる場合、味がまったくないか非常にわずかしかないものであるべきである。吸収性材料を処理するために、収集要素112に、界面活性剤の溶液を十分にしみ込むまで吸収させ、その後、それを乾燥させる。収集要素112を処理するために用いる界面活性剤の量を、溶液における界面活性剤の濃度を変化させることによって変更することができる。界面活性剤が不快な味を有する場合、当該技術分野において既知であるように、不快な味を消すために香味料(flavorant)または甘味料(sweetener)を添加してもよい。さらに、当該技術分野において体液サンプル、特に口腔液サンプルを処理するために用いられる緩衝剤または他の薬剤を、界面活性剤を含む収集要素112の上で乾燥させてもよい。
【0016】
収集要素112は、最初は、十分な容量のサンプル流体を流体源から吸収することができるような寸法である。収集要素112にサンプル流体が存在することにより、収集要素112は寸法が拡大し得る。さらに、収集要素112は、概して、サンプルを放出する、またはしぼり出すように操作されるまで、サンプルを保持する。たとえば、収集要素112が保持するサンプルを、収集要素112を圧縮することにより吸収材料から放出することができ、それにより、収集要素112の容量が低減しサンプルを保持する能力が低下する。
【0017】
本明細書で説明する実施形態は、概して、収集装置が第1構成にある時に体液のサンプルを受け入れ、収集装置が第1構成から第2構成に遷移する時にサンプルを放出する。実施形態によっては、収集装置を、第1構成と第2構成との間の複数の状態をとるように作動させることにより、サンプルを収集装置から部分的に、または制御された方法で放出することができる。たとえば、収集要素は、収集装置が第1構成から第2構成に遷移する際に圧縮状態が変化してもよい。
【0018】
再び図1Aを参照すると、収集要素112は、形状がほぼ円柱状であってもよいが、この特定の形状に限定されない。たとえば、唾液サンプルが収集される場合、収集要素112の形状は、頬と歯肉との間に収集要素112をあてがうのを容易にするために、ほぼ楕円の輪郭を有していてもよい。概して、後述するように、収集装置110を抽出装置130および容器150とともに用いることができるように、収集要素112の形状は、抽出装置130および容器150の形状に対応している。しかしながら、本明細書で説明する実施形態は、円柱状または他の形状を採用することができるが、本発明の実施形態が採用する形状は、円柱または特定の形状に限定されない、ということが理解される。
【0019】
図1Aにさらに示すように、収集要素112はプランジャ114の端部116に取り付けられている。収集要素112をプランジャ端部116に取り付けるために用いることができるさまざまな技法には、限定されないが、接着剤、化学結合、締結具、機械的接合等またはその任意の組合せの使用がある。たとえば、図1Bにおいて収集装置110の組立分解図によって示すように、プランジャ端部116から延在する突起またはかかり(barb)117を用いて、収集要素112を穿孔し、それを摩擦係合によりプランジャ端部116に対して保持することができる。あるいは、収集要素112をプランジャ端部116に接着剤によって取り付けることも可能であるが、突起117によって、収集要素112が安定して配置されかつプランジャ114と位置合せされ続けることも確実になり、抽出装置130および容器150とともに収集装置110を使用することが容易になる。
【0020】
図1Bに示すように、プランジャ114の端部116は、収集要素112のほぼ円柱形状に対応するように、ほぼディスク形状であってもよい。しかしながら、プランジャ端部116はこの特定の形状に限定されない。概して、さらに後述するように、プランジャ端部116は、プランジャ114を収集要素112の、たとえば上面などの面全体に圧力を加えるように作動させることができるように成形されている。
【0021】
プランジャ114はまた、プランジャ端部116から延在する長手方向ハンドル118も有している。さらに後述するように、プランジャハンドル118により、使用者は、収集装置110を作動させまたは操作して、サンプルが収集要素112から放出されまたはしぼり出されるようにすることができる。さらに、プランジャハンドル118により、使用者は、使用者と体液源とのいかなる接触も最小限にしながら、体液源に収集装置110をあてがうことができる。さらに、使用者と収集要素112との接触が最小限になり、それはサンプルの汚染を防止するのに役立つ。
【0022】
再び図1Aを参照すると、収集システム100は、収集要素112が収集するサンプルを受け入れ保管するために、ほぼ円柱状の容器またはバイアル150を用いている。容器150は、防腐剤(クロルヘキシジンまたはProclin 5000等)を含む界面活性剤含有溶液(Tween 20等)等、希釈液を収容することができ、それとともにサンプルを保管することができる。有利には、希釈液は、試験現場で処理するためのサンプルの安定化および希釈を提供する。さらに、希釈液は、マトリクス効果を最小限にするためにサンプルの前処理を提供する。たとえば、唾液サンプルを収集する例示的な実施形態では、容器150に、およそ2mlの緩衝剤を貯蔵してもよい。
【0023】
抽出装置130を用いて、収集装置110を作動させて、収集装置110から容器150内にサンプルを放出またはしぼり出す。図1Aに示す特定の実施形態では、抽出装置130を、たとえば成形プラスチックから、容器150と一体形成することができる。しかしながら、別の実施形態では、抽出装置130および容器150を別個に形成し後に接合してもよい。
【0024】
図1Cの断面図に示すように、抽出装置130は、容器150の上部に配置されている。抽出装置130は、壁133によって画定される抽出装置空洞132を有している。抽出装置空洞132は上部開口134を有しており、それを通して収集装置110が受け入れられる。図1Cには、空洞132の壁133が環状部分または段136を有し、それによって壁133が横方向内側に曲がるように示されている。その結果、空洞132の径または幅は、開口134からある距離で狭くなっており、それにより、抽出装置は、径が異なる2つのほぼ円柱状部分138および139を有する。したがって、収集要素112、抽出装置130および容器150は、ほぼ円柱形状によって画定される。第1円柱状部分138は、径が収集要素112の径より大きく、第2円柱状部分139は、径が収集要素112の径より小さい。さらに、第2円柱状部分139の径は、容器150の直径と実質的に等しい。
【0025】
さらに、環状部分136の上方の壁133はまた、溝138を有していてもよく、それにより、収集装置110の抽出装置130内への挿入が容易になる。溝138は、収集装置110の抽出装置130における位置決めを案内し、また、抽出装置130内へ移動する際に収集装置110に作用する圧力の量を低減するように、空気を壁133に沿って上方に逃がすことができる。
【0026】
図1Dの断面図に示すように、キャップ170は、容器150およびキャップ170それぞれの対応するねじ山151、171によって容器150と係合し得る。しかしながら、キャップ170は、限定されないがスナップ嵌合、緊密な摩擦係合等を含む、他の技法によって容器150と係合してもよい。
【0027】
動作時、使用者は、ハンドル118によって収集装置110を保持し、収集要素112を操作して体液源と接触させる。たとえば、収集要素112を、歯肉に接触させて口の内側にあてがうか、または収集要素112によって内側を拭き取る(swab)ことにより、唾液のサンプルを受け入れることができる。特に、収集要素112の吸収性材料が流体源と接触すると、流体の幾分かが収集要素112内に引き込まれまたは吸収される。十分な容量のサンプル流体を収集するために、収集要素112は、指定された時間、流体源と接触し続けなければならない場合もある。
【0028】
使用者は、収集要素110をあてがってサンプルを吸収した後、ハンドル118によって収集装置110を保持しながら、サンプルを容器150内に放出するために、収集要素112を抽出装置130内に挿入する。特に、収集要素112を、開口134を通って抽出装置130の第1円柱状部分138に入れる。収集要素112を、さらに抽出装置130内に向け、そこでは、壁133が収集装置110の移動を案内することができる。第1円柱状部分138の径が収集要素112の径より大きいため、収集要素112は、円柱状部分138内にある間、実質的に圧縮されないままである。さらに、プランジャ端部116の径が収集要素112の径と実質的に等しいため、プランジャ端部116により、収集要素112の円柱状部分138における壁133との接触からのいかなる横方向圧縮も最小限になる。
【0029】
収集要素112を第1円柱部分138内にさらに挿入すると、収集要素112は移動して、抽出装置130の環状部分136と当接する。環状部分136は、内径が収集要素112の径より小さいため、収集要素112の底面の外側部分と接触し、その結果、収集要素112が長手方向に圧縮され、サンプル流体が収集要素112から放出される。壁133に対するわずかな横方向の移動または圧力を利用して、空気が漏れるようにしながら、流体を容器150内に放出することができる。収集要素112は、一部は円柱状部分139内に入ることができるが、全体としては、環状部分136と当接したままであり、長手方向圧縮をもたらす。
【0030】
図1Eの断面図に示すように、収集要素112は圧縮されて環状部分136に当接する。ある時点で、収集装置110は、任意の突起117によって制限され得るように、抽出装置130内にそれ以上進むことができなくなる。収集要素112は、最大またはほぼ最大まで実質的に圧縮されている。それ以上の圧縮がないため、収集要素112からそれ以上サンプル流体は放出されない。
【0031】
図1Aに示すように、容器150は、インジケータ154を有しており、それは、使用者に対し、どれだけのサンプル流体が容器150内に放出されたかを示し、それにより、使用者は、それに従ってプランジャ114を作動させて、より最適な容量のサンプル流体を得ることができる。特に、インジケータ154は、試験のための適切な最小または最大量のサンプル流体を示す窓であってもよい。窓で流体レベルを見ることができる場合、適切な量の流体が容器150内に放出されている。たとえば、唾液サンプルを収集する例示的な実施形態では、唾液の適切な量はおよそ1ml〜2mlの範囲であり得る。さらに、容器150の側面に沿ったフロスト加工により、サンプルが容器150内に受け取られている間の連続的な監視を可能にする垂直な透明部分を形成することができる。
【0032】
収集要素112による吸収および膨張の予測された量と抽出装置130によってもたらされる圧縮の量とを考慮すると、収集要素から放出されるサンプル流体の量をおおまかに推定することができる。したがって、収集要素112と環状部分136と第2円柱状部分139の径とを、収集システム110が許容可能な量のサンプル流体をもたらすように構成することができる。
【0033】
収集装置110を、収集要素112からサンプルを放出するように作動させると、サンプルは、抽出装置130を介して収集装置110と流体連通している容器150内に入る。サンプルの放出が完了すると、収集装置110を抽出装置130から取り除くことができる。そして、キャップ170を用いて、容器150を封止し、サンプルの完全性を保護することができる。容器150が封止されると、サンプルを容器150内に保管して試験に供することができる。
【0034】
図2Aは、本発明の別の実施形態を示す。特に、収集システム200は、収集装置210、抽出装置230および容器250を有している。
【0035】
収集装置210は、体液源からサンプルを受け入れるように構成された要素212を有している。上述した収集装置システム100の収集要素112と同様に、収集要素212は、吸収性材料から形成された、処理済みまたは未処理のスポンジ、パッド等であってもよい。収集要素112と同様に、収集要素212はプランジャ214の端部216に取り付けられている。図2Aに示すように、プランジャ端部216は、収集要素212のほぼ円柱形状の上部に対応するほぼ円形底面を有する、ほぼドーム型であってもよい。
【0036】
プランジャ214は、プランジャ端部216から延在する長手方向ハンドル(図示せず)を有している。上述したハンドル118と同様に、プランジャ214のハンドルにより、使用者は、収集装置210を作動させまたは操作することができる。しかしながら、ハンドル118とは異なり、プランジャ214のハンドルは、プランジャ端部216から取外し可能である。図2Aは、プランジャハンドルなしのプランジャ端部216に取り付けられている収集要素212を含む収集装置210を示す。
【0037】
再び図2Aを参照すると、収集システム200は、収集装置210の収集要素212からサンプルを受け入れかつそれを保管するほぼ円柱状容器250を用いている。容器250は、防腐剤(たとえば、クロルヘキシジンまたはProclin 5000)を含む界面活性剤含有溶液(たとえばTween 20)等の希釈液20を収容しており、それとともにサンプルを保管することができる。
【0038】
抽出装置230を用いて、収集装置210を作動させ、収集装置210からサンプルを容器250内に放出する。図2Aに示す特定の実施形態では、抽出装置230は、レセプタクル238および抽出装置キャップ240を有している。レセプタクル238は、容器250に取外し可能に連結されている。レセプタクル238の底部嵌合部分231は、実質的に防水性のシールによって容器250の上部嵌合部分251上に嵌合する。底部嵌合部分231および上部嵌合部分251は、対応するほぼ円柱形状を有していてもよい。嵌合を、限定されないがスナップ嵌合、緊密な摩擦係合、ねじ山等を含む、さまざまな技法によって達成することができる。
【0039】
レセプタクル238は、壁233によって画定される抽出装置空洞232を有している。抽出装置空洞232はまた上部開口234を有しており、それを通して収集装置210が受け入れられる。図2Aに示すように、抽出装置空洞232は、ほぼ円柱状であり、プランジャハンドルから取り外されたプランジャ端部216に取り付けられている収集要素212を受け入れるような寸法である。プランジャ端部216はまた環状シール220を有しており、それがプランジャ端部216を壁233に沿って案内し、プランジャ端部216を越えて漏出する流体の量を最小限にする。
【0040】
抽出装置キャップ240は、レセプタクル238の上部開口234上に嵌合する。特に、抽出装置キャップ240は、ねじ山241を介してレセプタクル238と係合する。キャップ240の内部のプランジャ接触片235が、抽出装置キャップ240の内面から延在している。抽出装置キャップ240を、レセプタクル238上で回転させまたはねじ込むと、抽出装置キャップ240は移動して、レセプタクル238と下方向に係合する。それに応じて、プランジャ接触片235が抽出装置キャップ240とともに下方に移動する。さらに後述するように、プランジャ接触片235の下方移動を利用して、レセプタクル238内の収集要素212からサンプルが放出される。抽出装置キャップ240をレセプタクル238と係合させる技法は、ねじ山241に限定されず、抽出装置キャップ240がレセプタクル238に動作可能に連結されそれに対して下方に案内されるのを可能にするいかなる機構を用いてもよい、ということが理解される。
【0041】
レセプタクル238は仕切り236を有しており、それは、抽出装置230の内部空洞232と容器250の内部空洞252とを分離する。仕切り236は射出成形されていてもよく、装置アセンブリの一部として追加される別個の部品であってもよい。仕切り236は、内部空洞232および252間の流体連通を提供する。収集要素212は、レセプタクル238に挿入されると、仕切り236に隣接して配置される。
【0042】
動作時、使用者は、収集装置210をあてがって、上述した収集装置110をあてがった方法と同様に体液のサンプルを収集する。収集要素212によってサンプルを収集した後、使用者は、ハンドルで収集装置210を保持しながら、収集要素212およびプランジャ端部216をレセプタクル238内に配置する。そして、使用者は、プランジャ端部216からハンドルを取り外す。1つのあり得る実施形態では、ハンドルを、収集装置210の残りの部分から破断する、または折り取ることにより、取り外すことができる。あるいは、ハンドルを、プランジャ端部216との機械的連動から外れるように逆回りさせてもよい。シール220とレセプタクル238の壁233との接触は、ハンドルが取り外されている間にプランジャ端部216を適所に保持するのに役立つことができる。
【0043】
ハンドルを取り外すと、使用者は、抽出装置キャップ240をレセプタクル開口234の上に配置し、抽出装置キャップ240を、ねじ山241を介してレセプタクル238と係合するように回転させる。ねじ山241は、抽出装置キャップ240を下方に押してレセプタクル238とさらに係合させる。これに応じて、プランジャ接触片235は下方に移動する。最初に、プランジャ接触片235は、ドーム型プランジャ端部216の上部と接触する。そして、抽出装置キャップ240および接触片235が回転し下方に移動し続けることにより、プランジャ接触片235が収集要素212に圧力を加え、仕切り236と当接させる。図2Bに示すように、抽出装置キャップ240および接触片235がさらに下方に移動することにより、収集要素212がプランジャ端部216と仕切り236との間で長手方向に圧縮される。この圧縮により、収集要素212の寸法と収集要素212が保持することができる流体の容量とが低減する。その結果、収集要素212におけるサンプル流体の幾分かが放出される。このように、ねじ付き抽出キャップ240が、放出またはしぼり出しの割合を制御する。抽出装置キャップ240の作動中、容器250内の空気が漏れ代りに収集要素212からのサンプル流体が入ることができるように、システム200からの空気が幾分か漏れる必要がある。
【0044】
抽出装置230を、収集要素212からサンプルを放出するように作動させると、サンプルは仕切り236を通って容器250に入る。シール220が、収集要素212から放出されるサンプル流体が、壁233に沿ってプランジャ端部216を越えて漏出しないことを確実にするのに役立つ。有利には、仕切り236により、容器250に入る際のサンプルの空気混入が低減する。抽出装置キャップ240を、十分な容量のサンプルが放出されるまで収集要素212を圧縮するように作動させる。容器250上のマークまたは窓等のインジケータ254を用いて、使用者に対し、十分なサンプルが放出された時を警告することができる。図2Bは、サンプル10がインジケータ254とおよそ同じ高さになるまでサンプル10を放出するように、収集要素212が圧縮されている状態を示す。容器250内のサンプル10の容量の変化をより明白にするために、容器250の径は小さくてもよい。
【0045】
容器250内に適切なサンプル容量10が受け入れられると、抽出装置230を容器230から取り除くことができる。図2Cに示すように、その後、容器キャップ270を用いて、容器250を封止しサンプルの完全性を保護することができる。容器250が封止されると、サンプルを容器250内に保管し、試験に供することができる。別の実施形態では、容器キャップ270と抽出装置キャップ240は同じであってもよく、それにより別個のキャップが不要となる。
【0046】
図3Aは、本発明のさらに別の実施形態を示す。特に、収集システム300は、収集装置310、抽出装置330および容器350を有している。
【0047】
収集装置310は、体液源からサンプルを受け入れるように構成された要素312を有している。上述した収集装置システム100の収集要素112と同様に、収集要素312は、吸収性材料から形成された、処理済みまたは未処理のスポンジ、パッド等であってもよい。
【0048】
収集装置310はまたプランジャ314を有しており、それは、プランジャ端部316から延在する長手方向ハンドル318を有している。上述したプランジャハンドル118と同様に、プランジャハンドル318によって、使用者は収集装置310を作動させまたは操作することができる。
【0049】
図3Aにさらに示すように、収集装置310は底端部部分322を有している。端部部分322から長手方向心棒324が延在しており、それは、プランジャハンドル318内を長手方向に延在する内部空洞319内に部分的に受け入れられる。プランジャ314は、長手方向に移動する時、心棒324の上を案内される。心棒324は環状リブ325を有していてもよく、それらは、心棒324を内部空洞319内に保持し、内部空洞319内で案内し、かつ/または内部空洞319から流体が漏出しないようにするのに役立つ。
【0050】
収集要素312は、プランジャ端部316と端部部分322との間に配置される。心棒324がプランジャ端部316と端部部分322との間に延在するため、収集要素312は、心棒324の周囲に配置される環状形状を有している。それに応じて、プランジャ端部316および端部部分322は、環状ディスク形状を有していてもよい。
【0051】
心棒324内を長手方向に溢流空洞326が延在している。さらに後述するように、溢流空洞326は、溢流開口327を介して、収集要素312から放出されるが必要な量を超える任意の容量のサンプル流体を受け入れる。溢流空洞326はまた、弁開口328を有している。弁開口328が開放されたままである時、溢流空洞326内の空気が弁開口328を通って漏出しそれに代って流体が入ってくることができるため、溢流空洞326は流体を受け入れることができる。しかしながら、プランジャハンドル318の内部空洞319内に、ストッパ329が固定されている。したがって、プランジャ314が心棒324の上をある距離移動すると、ストッパ329が弁開口328と係合してそれを閉鎖し、実質的にいかなる流体も溢流空洞326内に流れ込まないようにする。このように、溢流空洞326への流体流は、プランジャ314の心棒324および端部部分322に対する位置によって決まる。
【0052】
当然ながら、別の実施形態は、図3Dに示すように、溢流室を有する同様の収集装置310’を用いてもよい。図3Dでは、プランジャ314’は、端部部分322’から延在する心棒324’の上を案内される。心棒324’は、余分なサンプル流体を受け入れる内部溢流室を有していない。
【0053】
図3Aに示すように、端部部分324は2つの仕切り323を有しており、それらは、収集要素312と抽出装置330と容器350との間の流体連通を可能にする。仕切り323は射出成形されていてもよく、装置アセンブリの一部として追加される別個の部品であってもよい。
【0054】
収集システム300は、収集装置310の収集要素312からサンプルを受け入れ、それを保管するほぼ円柱状の容器350を用いている。図3Aには、容器350が、防腐剤(たとえば、クロルヘキシジンまたはProclin 5000)を含む界面活性剤含有溶液(たとえばTween 20)等の希釈液20を収容することができ、それとともにサンプルを保管することができることが示されている。容器350内のサンプル10の容量の変化をより明白にするために、容器350の径は小さくてもよい。しかしながら、図3Aに示すように、容器350の円柱形状は、じょうご状の形状353を形成するように径が拡大していてもよく、そこで容器350は抽出装置330と接合されている。このじょうご状の形状353は、容器350内のいかなる希釈液20も溢流室326に入らないようにするのに役立つ。それは、径がより大きいことにより、希釈液20を受け入れる容積が大きくなり、希釈液20がより低速に上昇することになるためである。
【0055】
収集装置310は抽出装置330内に受け取られ、そこで、収集装置310を作動させて、容器350内にサンプルを放出し、またはしぼり出す。抽出装置330は、容器350に取外し可能に連結される。抽出装置330の底部嵌合部分331は、実質的に防水性のシールにより容器350の上部嵌合部分351内に嵌合する。図3Aに示す取外し可能な嵌合は、ねじ山を用いることによって達成されるが、限定されないがスナップ嵌合、緊密な摩擦係合、仮固定接着剤等を含む他の技法を採用してもよい。
【0056】
図3Aに示す特定の実施形態では、抽出装置330は、壁333によって画定される抽出装置空洞332を有している。抽出装置空洞332は上部開口334を有しており、それを通して収集装置310が受け入れられる。抽出装置空洞332は、ほぼ円柱状であり、少なくとも収集要素312およびプランジャ端部316を受け入れるような寸法である。プランジャ端部316はまた、壁333と接触する環状シール320を有している。
【0057】
動作時、使用者は、収集装置310をあてがって、上述した収集装置110をあてがった方法と同様に体液のサンプルを収集する。収集要素312によってサンプルを収集した後、使用者は、ハンドル318で収集装置310を保持しながら、収集要素312およびプランジャ端部316を抽出装置330の抽出装置空洞332内に配置する。
【0058】
収集装置310および抽出装置330がこのように係合すると、使用者は、収集装置310のハンドル318を作動させて、プランジャ314を容器350に向かって移動させる。それに応じて、プランジャ端部316は、収集要素312に対して移動し、それに圧力を加え、最初に強制的に端部部分322に当接させる。図3Bに示すように、プランジャ314ハンドルおよびプランジャ端部316がさらに下方に移動することにより、収集要素312がプランジャ端部316と端部部分322との間で長手方向に圧縮される。プランジャ端部316および端部部分322の形状は、収集要素312の上面および底面と対応しており、それにより、収集要素312の上面および底面の両方に対して、適切に一様な圧力を加えることができる。この圧縮により、収集要素312の寸法と収集要素312が保持することができる流体の容量とが低減する。したがって、収集要素312内のサンプル流体の幾分かが放出される。このように、プランジャ314の移動が、サンプル流体の放出またはしぼり出しの割合を制御する。
【0059】
収集要素312からサンプルを放出するようにプランジャ314を作動させると、サンプルは仕切り323を通って容器350内に入る。シール320は、収集要素312から放出されるサンプル流体がプランジャ端部316を越えて壁333に沿って漏出しないことを確実にするのに役立つ。有利には、仕切り323は、容器350に入る際のサンプルの空気混入を低減する。プランジャ314の作動中、容器350内の空気が漏れて代りに収集要素312からのサンプル流体が入ってくることができるように、システム300からの空気が幾分か漏出する必要があり得る。
【0060】
プランジャ314を、十分な容量のサンプルが容器内に放出されるまで、収集要素312を圧縮するように作動させる。図3Bに示すように、十分な容量10は、容器350内の希釈液20の上方の利用可能な容量に実質的に等しくてもよい。しかしながら、プランジャ314は、必要な量を超える流体サンプルを放出し得る。この場合、図3Bに示すように、余分なサンプル流体は、溢流開口327に入る。このように、容器内に放出されるサンプル流体の容量は、およそ特定の容量まで制御されまたは制限される。
【0061】
プランジャ314は、ストッパ329が弁開口328を閉鎖するまでさらに下方に進む。ストッパ329は、溢流室326内にそれ以上流体が流れ込まないように、または溢流室326から流体が漏出しないようにする。この時点で、収集要素312からは十分な容量のサンプル流体が放出されている。
【0062】
適切なサンプル容量10が容器350内に受け入れられると、抽出装置330および収集装置310を容器350から取り除くことができる。図3Cに示すように、その後、容器キャップ370を用いて容器350を封止し、サンプルの完全性を保護することができる。容器350が封止されると、サンプルを容器350内に保管して試験に供することができる。
【0063】
図4Aは、本発明のさらなる実施形態を示す。特に、収集システム400は、収集装置410、抽出装置430および容器450を有している。収集装置410は上述した収集装置310に類似している。要約すると、収集装置410はプランジャ414を有しており、それは、プランジャ端部416から延在する長手方向プランジャハンドル418を有している。収集装置410はまた、端部部分422と、端部部分422から延在しプランジャハンドル418の内部空洞419内に受け入れられる長手方向心棒424と、を有している。体液のサンプルを収集するためにあてがわれる収集要素412は、プランジャ端部416と端部部分422との間に配置される。このため、動作時、図4Bに示すように、プランジャ414は心棒424に沿って案内され、収集要素412を端部部分422に対して圧縮することにより、2層の仕切り423を通して収集要素412からサンプル流体を放出する。仕切りは射出成形されていてもよく、装置アセンブリの一部として追加される別個の部品であってもよい。さらに、容器450内のサンプル流体の容量を制御するために、溢流室426が心棒424内に延在し、溢流開口427を通して収集要素412から放出される任意の余分なサンプル流体を受け入れる。溢流室426内への流れは、収集システム300に関して説明したのと同様に、弁開口428およびストッパ429によって制御される。
【0064】
収集装置310と同様に、収集装置410は、開口434を介して抽出装置430の上部抽出装置空洞432内に受け入れられ、そこで、プランジャ414を作動させて収集要素412からサンプル流体を放出することができる。しかしながら、収集システム400と上述した収集システム300との顕著な相違は、抽出装置330は容器450に取外し可能に連結されているが、抽出装置430およびその壁433は容器450の内部室を形成する、ということである。サンプル流体が収集要素412から放出されると、収集装置410は取り除かれ、抽出装置430は適所に残る。収集装置430の取外しを容易にするために、ストッパ429が弁開口428と係合すると通気孔415が開放し、プランジャ414がそれ以上下方に移動しないようにする。通気孔415により、空気が収集装置410の内部に入ることができ、収集装置が上部抽出装置空洞432から引き出される際に作用する可能性のあるいかなる真空抵抗も最小限にすることができる。
【0065】
さらに、図4Bに示すように、収集システム400内の放出された流体サンプル10は、最初は下部抽出装置空洞431に収集され、希釈液20は容器450の別個の空洞452に貯蔵されている。したがって、内部室としての抽出装置430とともに容器450は、「2層」サンプル収集容器またはバイアルを形成する。しかしながら、開口456が下部抽出装置空洞431と空洞452との間に流体連通を提供すると、サンプル流体10を後に希釈液20と混合することができる。有利には、抽出装置430が溢流室436から希釈液20を分離するため、希釈液20は溢流室436に入らず、サンプル流体10と希釈液20とのいかなる混合も起こる前に、溢流室436が取り除かれる。
【0066】
図5Aは、本発明のさらに別の実施形態を示す。特に、収集システム500は、収集装置510、抽出装置530および容器550を有している。上述した収集装置310および410と同様に、収集装置510はサンプル収集要素512を有しており、それが体液源にあてがわれることにより試験のためにサンプルが得られる。収集要素512は、吸収性材料から形成された、処理済みまたは未処理のスポンジ、パッド等であってもよい。
【0067】
収集装置510はまたプランジャ514を有しており、それは、プランジャ端部516から延在する長手方向ハンドル518を有している。上述したプランジャハンドル118と同様に、プランジャハンドル518により、使用者は収集装置510を作動させまたは操作することができる。
【0068】
図5Aにさらに示すように、収集装置510は底端部部分522を有している。端部部分522から長手方向心棒524が延在しており、プランジャハンドル518内を長手方向に延在する内部空洞519内に部分的に受け入れられる。プランジャ415は、長手方向に移動する時、心棒524の上を案内される。心棒524は環状リブ525を有していてもよく、それは、心棒524を内部空洞519内に保持し、内部空洞519内で案内し、かつ/または内部空洞519から流体が漏出しないようにするのに役立つ。
【0069】
収集要素512は、プランジャ端部516と端部部分522との間に配置される。したがって、プランジャ514を、端部部分522に向かって長手方向に移動し、収集要素512をプランジャ端部516と端部部分522との間で圧縮するように、作動させることができる。
【0070】
抽出装置530は、容器550に取外し可能に連結される。特に、抽出装置は底部嵌合部分531を有しており、それは、容器550の上部嵌合部分551上に嵌合する。上部嵌合部分511は、容器550の内部空洞552への開口を有している。底部嵌合部分531と上部嵌合部分551との間の嵌合を、限定されないがスナップ嵌合、緊密な摩擦係合、ねじ山等を含む技法によって達成することができる。底部嵌合部分531は、抽出装置空洞532の真下に配置され、それらの間に開口537が配置されている。
【0071】
しかしながら、容器550の上部嵌合部分551の上に、破断可能シールまたは膜560が配置されている。シール560を、金属箔等、任意の実質的に不浸透性材料から形成してもよいが、シール560は、破断されるか、引きちぎられるか、または破裂することができなければならない。シール560を、接着剤、機械的締結等により上部嵌合部分に取り付けることができる。シール560は、防腐剤(クロルヘキシジンまたはProclin 5000等)を含む界面活性剤含有溶液(たとえばTween 20)等、測定された量の希釈液を有することができる容器550が流体サンプルを受け入れるまで、容器550に汚染物質がないようにする。さらに、底部嵌合部分531が上部嵌合部分551上に嵌合するため、シール560は、開口537を通る抽出装置空洞532と容器550との間の流体連通を閉鎖する。さらに後述するように、シール560を用いて、流体サンプルを容器550内に放出する2段階プロセスがもたらされる。
【0072】
図5Aに示すように、抽出装置530は、シール560を破断するように構成された貫通構造542を有している。貫通構造542は、さらに後述するように、抽出装置空洞532を2つの部分、すなわち収集装置510を受け入れる受入空洞538と、流体サンプルを受け入れる中間室548と、に分割する。貫通構造542は、受入空洞538と中間室548との間の流体連通に仕切り549を提供し、それは空気混入を防止することができる。
【0073】
貫通構造542は、最初に、壁533から内側に延在している環状リブ544との摩擦係合によって適所に保持されている。しかしながら、十分な力が、環状リブ544によってもたらされる摩擦抵抗に打ち勝ち、それにより、貫通要素542が、開口537と、開口537を閉鎖し得るシール560と、に向かって長手方向に移動することができる。貫通構造542は、シール560と係合し、かつシール560内に初期切口を形成するように、穿孔要素543を有することができる。さらに、開口の形成を容易にするために、貫通構造542は、図5Aに示すように、貫通構造542が穿孔要素543から離れる方向に延在するに従い幅または直径が広がるように、概して先細りになる形状を有することができる。
【0074】
動作時、使用者は、体液源に収集装置510をあてがうことにより、収集要素512内にサンプルを受け入れる。そして、収集装置510を、抽出装置530の抽出装置空洞532内に挿入する。特に、収集装置を受入空洞538内に配置し、その際、収集装置510の端部部分522を、受入空洞538の底部を形成する貫通構造542に当接させる。上述した実施形態と同様に、使用者は、プランジャハンドル518によってプランジャ514を作動させて、収集要素512をプランジャ端部516と端部部分522との間で圧縮することにより、サンプル流体を放出しまたはしぼり出す。図5Bの実施形態では、プランジャ514を作動させて、環状リブ520が貫通構造542の一部に当接するまで収集要素512を圧縮する。そのように当接することにより、プランジャ514が貫通構造542に当接している端部部分522に対してそれ以上移動しなくなる。
【0075】
サンプル流体は、貫通構造542の仕切り549を通って放出される。しかしながら、シール560が容器550との流体連通を閉鎖しているため、サンプル流体は容器550内に即座には放出されない。代りに、サンプル流体は、シール560および貫通部分542によって抽出装置空洞532内に画定される中間室548内に放出される。
【0076】
プランジャ514を作動させてサンプル流体を中間室548内に放出し、プランジャ514がそれ以上端部部分522に対して移動することができなくなると、使用者は、プランジャハンドル518を作動させて、収集装置510を貫通構造542に対して押す。プランジャ514が収集装置510の残りの部分に対してそれ以上移動することができないため、収集装置510全体がプランジャ514とともに移動する。十分な力が加えられると、貫通要素542は、環状リブ544との摩擦係合に打ち勝ち、シール560に向かって押される。貫通要素542の移動により、穿孔要素543がシール560と係合し、シール560を破裂させる。収集装置510および貫通要素542は、シール560内をさらに進み、シール内により大きい開口を形成する。シール560が破断されると、抽出装置530内に収集装置510がさらに移動することにより、中間室548内の放出されたサンプルが開口537を通って容器550内に押される。サンプル流体が容器550内に導入されると、抽出装置530および収集装置510を容器550の上部から取り除くことができ、容器550にキャップを被せて試験に供することができる。
【0077】
したがって、図5A〜図5Bに示す収集システム500は、シール560を用いて2段階システムを形成する。第1段階において、プランジャ514をプランジャハンドルで作動させて、サンプル流体を収集要素512から中間室548内に放出する。第2段階において、プランジャハンドル518を作動させて、収集装置510全体および貫通構造542を移動させて容器550上のシール560を破断し、サンプル流体を容器550内に導入する。
【0078】
貫通構造542は、その初期位置において、所定容積の中間室548を画定する。この所定容積を超えない容量が容器550内に放出されることを確実にするために、図5Cに示すように、任意の余分なサンプル流体を受け入れるために、心棒524内に任意選択的に溢流室526を配置することができる。上述した収集システム300および400と同様に、溢流室526は溢流開口528を有している。溢流室526内への流れは、心棒524の他端にある弁開口528と、プランジャ514の内部空洞519に配置されているストッパ529と、によって制御される。
【0079】
あるいは、図6Aを参照すると、収集装置システム600は、収集装置610の内部心棒625ではなく、抽出装置630内に配置される溢流室646を用いてもよい。図6Aに示すように、収集システム600は、上述した収集システム500に多くの点で類似している。しかしながら、抽出装置630は2つの壁、すなわち内側壁633および外側壁634を有している。内側壁633は、貫通構造642から上方に延在することにより、収集装置610を受け入れる受入空洞638を画定している。内側壁633および受入空洞は、外側壁634に配置され、内側壁633と外側壁634との間には空間がある。図6Cに示すように、溢流室646は、内側壁633と外側壁644との間の室壁647によって形成される。特に、室壁647は、内側壁633の外面から半径方向外側に延在することができる。室壁647は、内側壁633の円柱状外面の周囲を円周方向に分散される複数の細長い溢流室646を形成する。溢流室646は、溢流開口645を介して中間室648と流体連通しており、それにより、中間室648内に導入される余分なサンプル流体を溢流室646内に受け入れることができる。各溢流室646は、貫通要素642において溢流開口645から上方に延在する。外側壁644から内側に弁閉鎖具635が延在しており、それはタブ状構造であってもよい。溢流開口645を開閉するために、内側壁633によって画定される受入空洞638を外側壁644に対して回転させることができる。受入空洞638が外側壁644に対して適切に位置合せされると、弁閉鎖具635は、溢流開口645のすべてを閉鎖する。
【0080】
動作時、体液のサンプルを収集するためにあてがわれた収集装置610を、抽出装置630の受入空洞648内に挿入する。収集装置610を、最初に、溢流開口645が弁閉鎖具635と整列せず、中間室648と流体連通しているように、方向付ける。適切な初期位置合せを確実にするために、抽出装置630と収集装置610との間に、溝および対応するタブ状構造等の構造を用いることができる。
【0081】
そして、図6Cに示すように、プランジャ614をプランジャハンドルによって作動させて、サンプル流体を収集要素612から中間室648内に放出する。図6Aに示すように、中間室648の容積が収容することができない余分なサンプル流体は、溢流室646によって受け入れられる。
【0082】
プランジャ614を作動させてサンプル流体を中間室648内に放出し、プランジャ614がそれ以上端部部分622に対して移動することができなくなると、図6Dに示すように、使用者は、内側壁633を回転させ、溢流開口646を弁閉鎖具635と位置合せすることにより、溢流開口646を閉鎖する。収集装置610は、プランジャハンドル618をこの相対回転を達成するように作動させることができるようにする方法で、内側壁633または貫通構造642と係合することができる。内側壁633の回転を案内するために、溝および対応するタブ状構造等の構造を用いることもできる。好ましくは、回転に、溢流開口645を閉鎖する1/4回転が必要である。
【0083】
溢流開口645を閉鎖すると、図6Eに示すように、プランジャハンドル618を作動させて、収集装置610全体および貫通構造642を移動して、容器650上のシール660を破断し、サンプル流体を容器650内に導入することができる。図6Eにさらに示すように、弁閉鎖具635は、溢流開口645を封止するような寸法であるだけでなく、弁閉鎖具635が溢流室646を通って移動することができるような寸法であり、それにより、収集装置610が貫通構造642を前方に押すと、内側壁633が貫通構造642とともに移動することができる。したがって、溢流室646内の任意の余分なサンプルは、弁閉鎖具635により、溢流室646を通って受入開口634に向かって押される。サンプル流体を容器650内に導入すると、容器650の上部から抽出装置630および収集装置610を取り除くことができ、容器650にキャップを被せてそれを試験に供することができる。
【0084】
図7Aは、さらに別の実施形態の組立分解図を示す。特に、収集システム700は、収集装置710、抽出装置730、容器750および容器キャップ770を有している。
【0085】
収集装置710は、体液源からサンプルを受け入れるように構成された要素712を用いている。上述した収集システム100の収集要素112と同様に、収集要素712は、吸収性材料から形成された、パッド、スポンジ等であってもよい。吸収性材料には、限定されないが綿またはセルローススポンジ等の天然吸収性材料とともに、限定されないがポリエステル等の合成繊維があり得る。したがって、収集要素712は、流体源にあてがわれ、またはそれに接触するように配置されると、その流体源からの流体の幾分かを吸収する。さらに、収集要素712を、同様に本明細書で説明するようにサンプルからの検体の回収を最適化するために処理することができる。収集要素712は、最初は、十分な容量のサンプル流体を流体源から吸収することができるような寸法である。
【0086】
収集要素712は、概して、サンプルを放出しまたはしぼり出すように操作されるまでサンプルを保持する。たとえば、収集要素712によって保持されるサンプルを、収集要素712を圧縮し、それにより、収集要素712の容量とそのサンプルを保持する能力とを低減させることによって、吸収性材料から放出することができる。図7Aに示すように、収集要素712は形状がほぼ円柱状であってもよいが、この特定の形状に限定されない。さらに後述するように、収集要素712の形状は、収集装置710を、抽出装置730および容器750とともに用いることができるように、概して抽出装置730の形状に対応している。
【0087】
図7Aにさらに示すように、収集要素712は、プランジャ714の端部716に取り付けられている。収集要素712をプランジャ端部716に取り付けるために用いることができるさまざまな技法には、限定されないが、接着剤、化学結合、締結具、機械的接合等またはその任意の組合せの使用がある。プランジャ714の端部716を、収集要素712のほぼ円柱形状に対応するようにほぼディスク形状にしてもよい。しかしながら、プランジャ端部716はこの特定の形状に限定されない。概して、プランジャ端部716は、さらに後述するように、プランジャ714を、収集要素712の、たとえば上面などの面の少なくとも一部に、より好ましくは面全体に圧力を加えるように作動させることができるように成形されている。
【0088】
プランジャ714はまた、プランジャ端部716から延在する長手方向ハンドル718を有している。さらに後述するように、プランジャハンドル718によって、使用者は、収集装置710を作動させまたは操作して、収集要素712からサンプルが放出されまたはしぼり出されるようにすることができる。
【0089】
図7Bは、収集装置710の断面図を示す。特に、内部通路719が、プランジャ端部716の中心を通ってハンドル718の一部内に延在している。有利には、インジケータ芯713を内部通路719内に挿入することができる。インジケータ芯713は、収集要素712と接触しているかまたはそこから延在する別の処理済みまたは未処理の繊維材料であってもよい。収集要素712が、サンプル流体がインジケータ芯713を湿潤させることができるほど十分にしみ込んだ状態になる、すなわち十分なサンプル流体を吸収すると、インジケータ芯713は、物理的変化を示す。言い換えれば、インジケータ芯713が物理的変化を示すと、使用者は、収集要素712が十分なサンプル流体を収集したと確定することができ、それにより、サンプル流体の収集における誤りが最小限になる。たとえば、物理的変化は、サンプル流体によってもたらされる湿気、染料移行またはpH変化によって駆動される色の変化であり得る。使用者が内部通路719内のインジケータ芯713の物理的変化を観察することができるように、プランジャハンドル118またはその該当部分が半透明であってもよい。本明細書で説明する実施形態で、十分な容量のサンプル流体の収集を示すために他のインジケータを用いてもよい、ということが企図される。たとえば、収集要素712自体が、それが十分なサンプル流体を吸収した時に観察可能な物理的変化を示してもよい。
【0090】
再び図7Aを参照すると、収集システム700は、収集装置710の収集要素712からサンプルを受け入れ保管するために、管状容器750を用いている。サンプルは、容器750の下部受入部分752内に受け入れられる。受入部分752は、容器750内のサンプルの容量の変化をより明白にするために、比較的狭い。本明細書で詳細に説明しているように、容器750は、防腐剤を含む界面活性剤含有溶液等の希釈液を収容することができ、それとともにサンプルを保管することができる。
【0091】
図7Aに示すように、受入部分752の狭い形状が拡大してじょうご状の形状753を形成することができ、それが、より大きいカップ状の上部嵌合部分751への遷移を画定する。上部嵌合部分751は抽出装置730を受け入れ、そこで、収集装置710を作動させて、サンプルを容器750内に放出しまたはしぼり出す。抽出装置730を、容器750から取り除くことができるが、別の実施形態では、抽出装置730を容器750と一体的に接合または形成することができる。抽出装置730は、抽出装置空洞732を有する樽状カップを画定する壁733を有している。抽出装置空洞732は上部開口734を有しており、それを通して収集装置710が受け入れられる。抽出装置730はまたノズル状底部開口736を有しており、それを通ってサンプルが容器750内に入る。開口736の形状および寸法は、抽出装置730から容器750内への流れを容易にする一方で、反対方向の流体の流れを最小限にする、弁のような機能を提供することができる。
【0092】
抽出装置空洞732は、少なくとも収集要素712およびプランジャ端部716を受け入れるような寸法である。抽出装置空洞732の寸法はまた、プランジャ端部716と抽出装置壁733との間にシールが形成されるように、ディスク型プランジャ端部716に対応している。さらに後述するように、シールにより、抽出装置730内でプランジャ714が下方に移動し、サンプルが収集要素712からしぼり出されることが可能になる。
【0093】
図7Cに示すように、容器750の上部嵌合部分751は、嵌合部分751の内部に沿って内側にかつ長手方向に延在する一連のリブ759を有している。リブ759は、抽出装置730の底部嵌合部分731を緊密な摩擦係合で受け入れ、抽出装置730を上部嵌合部分751内で中心に配置する。抽出装置730と容器750との間の取外し可能な嵌合を、あるいは、ねじ山、スナップ嵌合、仮固定接着剤等を採用することによって達成することができることが企図される。
【0094】
抽出装置730はまた、容器750内に配置されると、キャップ770を容器750の上に配置することができるような寸法であることが好ましい。このように、抽出装置730を、梱包および使用者への配送中に容器750内に都合よく封入することができ、抽出装置730が汚染されるかまたは置き忘れられる可能性が最小限になる。
【0095】
動作時、使用者は、上述した収集装置をあてがった方法と同様に、収集装置710をあてがって体液のサンプルを収集する。収集装置710によってサンプル流体を、収集要素712に十分にしみ込むまで吸収する。この実施形態では、収集要素712に十分にしみ込むと、インジケータ芯713が、サンプルとの接触に対応する色の変化等、物理的変化を示す。物理的変化は、使用者に対し、収集要素712が最小量の口腔液を吸収したことと、収集装置を口から取り外すことができることと、を知らせる。
【0096】
収集要素712によってサンプルを収集した後、使用者は、ハンドル718によって収集装置710を保持しながら、収集要素712およびプランジャ端部716を抽出装置730の抽出装置空洞732内に配置する。収集装置710および抽出装置730がこのように係合すると、使用者は、収集装置710のハンドル718を作動させて、プランジャ714を、容器750に向かって、すなわち下方に移動させる。図7Dは、収集装置710が、抽出装置730および容器750内に挿入されている状態を示す。これに応じて、プランジャ端部716は、収集要素712に対して移動し、それに圧力を加える。プランジャ714ハンドルおよびプランジャ端部716が下方に移動することにより、収集要素712がプランジャ端部716と抽出装置壁733の底部との間で長手方向に圧縮される。プランジャ端部716および抽出装置壁733の底部の形状は、収集要素712の上面および底面に対応しており、それにより、たとえば収集要素712の上面および底面の両方に対して一様の圧力を加えるように等、そこに対して圧力を加えるのが容易になる。この圧縮により、収集要素712の寸法および収集要素712が保持することができる流体の容量が低減する。したがって、収集要素712におけるサンプル流体の幾分かが放出される。このように、プランジャ714の移動により、サンプル流体の放出またはしぼり出しの割合が制御される。
【0097】
プランジャ714を作動させて、十分な容量のサンプルが容器内に放出されるまで、収集要素712を圧縮する。容器750上のマークまたは窓等の容量インジケータ754を用いて、使用者に対し、十分なサンプルが放出された時を警告することができる。容量インジケータ754は、提供されるべきサンプルの最小量および最大量の両方を示すマーキングを含むことができる。たとえば、容器750内のサンプルの最上部は、最小量のマーキングと最大量のマーキングとの間であるべきである。
【0098】
適切なサンプル容量が容器750内に受け入れられると、容器750から抽出装置730および収集装置710を取り除くことができる。プランジャ714と抽出装置730との間の係合または嵌合により、抽出装置730および収集装置710の取外しが容易になる。そして、容器キャップ770を用いて容器750を封止し、サンプルの完全性を保護することができる。容器750が封止されると、サンプルを容器750に保管し試験に供することができる。上述したように、抽出装置730を、キャップで覆われた容器750内に封止することができ、それにより、別の実施形態では、抽出装置730は容器750から取り除かれない。これら別の実施形態では、リブ759と抽出装置730との間のより緊密な嵌合または固定係合が必要となり得る。
【0099】
上述したように、本発明の態様による実施形態によって収集される体液サンプルには、唾液または口腔液があり得る。したがって、本発明のさらなる態様は、口腔液からの口腔液試料を試験のために収集する方法に関する。方法は、ヒト被験者における薬物乱用を検査するために口腔液サンプルを取得するように設計されることが好ましいが、この方法を用いて、他の目的でヒトから口腔液サンプルを取得するか、または動物から口腔液サンプルを取得することも可能である。
【0100】
同様に上述したように、本発明の態様による実施形態の収集装置は、サンプルからの検体の回収を最適化するように処理される収集要素を用いることができる。したがって、一実施形態によれば、圧縮性の洗浄剤処理された収集要素を被験者の口の口腔内に挿入する。収集要素を、口腔内の口腔液と、口腔液サンプルを収集するために十分な時間接触させる。これを、収集要素を咀嚼することなく行う。口腔液サンプルが収集されると、収集要素を口腔から取り除く。そして、流体サンプルを、収集要素から保存液を収容している容器内に、上述したシステムおよび装置を用いて、放出しまたはしぼり出すことができる。あるいは、口腔液を後に試験するために、収集要素自体を保存溶液内に配置してもよい。したがって、本明細書で説明する処理を、上述したシステムおよび装置で用いることができるが、流体のサンプルを収集する任意のシステムまたは装置に対してより広く適用することができる、ということが理解される。
【0101】
上述した収集装置で用いられるものを含む、さまざまなタイプの収集要素がある。収集要素は、使用される材料が口腔液を吸収し、かつサンプルを収集要素からしぼり出すために圧縮されることが可能である限り、いかなる特定の材料にも限定されない。収集要素は、口腔内に有効に配置することができる吸収性材料から作製される。吸収性材料として、セルロース等のプラスチックまたは炭水化物材料を用いることができる。しかしながら、セルロース材料が好ましい。Ultracell(North Slatington, CT)が、後述する実施例において収集要素として用いるセルロース材料を提供している。
【0102】
収集要素は、口腔液サンプルが取得されている被験者の口内に快適に適合し、必要な試験に対して十分な量のサンプルを収集する、任意の寸法または形状であってもよい。収集されるサンプルの最大容量は、収集材料の容量によって制御される。収集要素の一例は、米国特許第5,103,836号に記載されている。後述するように、ドーナツ型収集要素も使用することができる。こうした環状収集要素を有する口腔液収集装置は、米国特許出願公開第2003/0064526A1号に記載されている。
【0103】
収集要素を、当該技術分野で既知である任意の手段を用いて非イオン性洗浄剤で前処理することができる。たとえば、非イオン性洗浄剤溶液内に収集要素を浸漬して、溶液が収集要素内にかつ上に吸収されるようにし、溶液から収集要素を取り除き、収集要素を乾燥させることにより、収集要素に非イオン性洗浄剤を施すことができる。通常、収集要素を、収集要素に完全にしみ込ませるのに十分な量の溶液を用いて、0.1%〜1%の範囲の濃度の洗浄剤溶液内に浸漬させる。あるいは、収集要素に十分にしみ込ませるように、洗浄剤溶液を収集要素の上に噴霧してもよい。余分な液体を振り落とし、収集要素を、50℃の強制空気の対流式乾燥炉内に2時間配置する。乾燥後、洗浄剤で前処理された成形収集要素が得られる。
【0104】
好ましくは、収集要素に施されるいかなる処理も食品用であり、収集要素が経口で施される場合、いかなる不快な味もない。たとえば、収集要素は、使用者に対して味がなくてもよく、または、使用者に対して味がよくなるように香味料でさらに処理されていてもよい。
【0105】
保持器があるかまたはない収集要素を、被験者の口腔内の口腔液と接触させる。収集要素を、口腔内の口腔液が分泌されかつ/または収集される部位に挿入することができる。好ましくは、収集要素を、被験者の口内の頬と歯肉縁との間に配置し、装置が固定されている間に口腔液を収集することができるようにするか、または好ましくは、収集を容易にするために口腔の周囲で装置を移動させる。収集要素を充填するために十分な口腔液を吸収するために十分な時間、収集要素を口腔液に接触させたままにする。通常、収集要素を、約30秒間から約6分間、好ましくは約2分間と約5分間の間、口腔液と接触させて配置する。
【0106】
口腔液サンプルを収集した後、収集要素を被験者の口腔から取り除く。口腔液サンプルを、収集要素を圧縮するかまたは圧搾することによるか、または収集要素を遠心分離することによる等、当該技術分野において既知の手段により、収集要素からしぼり出すことができる。そして、しぼり出された口腔液サンプルを、対象となる検体に対して分析することができる。
【0107】
口腔液サンプルをしぼり出した後に分析することの代りに、口腔液またはしぼり出された口腔液サンプルを含む収集要素を、上述したように、後の分析のために保存溶液で保存することも可能である。当該技術分野において既知であるように、保存溶液は、対象となる検体の破壊の原因となる可能性がある酵素活性を抑制するように作用し、または抗菌剤として機能することができる。防腐剤として使用することが企図される化合物には、抗菌剤、抗真菌薬、静菌剤、静真菌剤および酵素阻害薬がある。抗菌剤として、クロルヘキシジンを用いることが好ましい。あるいは、Proclin 5000を用いてもよい。
【0108】
好ましい実施形態では、本発明によって収集される口腔液サンプルを、薬物乱用検査に使用する。たとえば、口腔液サンプルを用いて、大麻(THC)、ニコチン(コチニン)、コカイン代謝物(ベンゾイルエクゴニン)、アヘン剤(モルヒネ、6−アセチルモルフィンおよびコデイン)、フェンシクリジンおよびアンフェタミン(アンフェタミンおよびメタンフェタミン)に対する検査を行うことができる。口腔液サンプルを用いるこうした薬物乱用の分析および試験方法は、当該技術分野において既知である。たとえば、E.J. Cone et al., Oral Fluid Testing for Drugs of Abuse: Positive Prevalence Rates by Intercept Immunoassay Screening and GC-MS-MS Confirmation and Suggested Cutoff Concentrations, J. Analytical. Toxicology, vol. 26, p.541-6, 2002を参照されたい。
【0109】
以下の実施例は、収集要素に対し用いるさまざまな材料および処理のさまざまな態様および利点を示す。特に、実施例は、さまざまな収集要素材料から抽出することが困難な薬物であるTHCの回収を実証する。
【実施例】
【0110】
実施例1:非イオン性界面活性剤前処理あり・なしのポリオレフィン繊維収集要素材料
以下の試験では、未処理のポリオレフィン繊維収集要素と、水溶液中0.75%非イオン性界面活性剤(PEG 400モノオレエート)1mLまたは2mLで前処理したポリオレフィン繊維収集要素と、からの、アンフェタミン、メタンフェタミン、PCP、ベンゾイルエクゴニン(BE)、モルヒネおよびTHCの回収を評価する。
【0111】
薬物回収実験を行うために、新たに収集された(同日)ヒトの口腔液に、200ng/mLのアンフェタミンおよびメタンフェタミン、160ng/mLのモルヒネ、32ng/mLのBE、40ng/mLのPCPおよび8ng/mLのTHCの濃度で薬物標準品を混入した。この実験で用いるポリオレフィン繊維収集要素は、寸法が外径12.33mm、長さが29.99mmおよび容量がおよそ3.2mLの円柱形状である(Filtrona Fibertec、 VA製)。ポリオレフィン繊維収集要素を未処理のままにするか、または収集要素に、水溶液中1mL(収集要素容量の31%)または2mL(収集要素容量の63%)の0.75%PEG400モノオレエートをしみ込ませ、37℃で一晩乾燥させることにより、前処理を行った。収集要素に、1mL(収集要素容量の31%)の薬物混入口腔液を加えた。口腔液を含んだ収集要素を、ポリプロピレンバイアル内に配置し、別のポリプロピレン管内に遠心分離した(3000RPMで10分間)。LC/MS/MSにより、100μLの結果としての遠心分離液体を分析した。対照として、100μLの元の薬物混入口腔液も分析した。分析の直前に、あらゆる抽出関連損失を補正するために、内部標準品としての役割を果たすように、サンプルのすべてに固定量の重水素化薬物を添加した。処理済みポリオレフィン収集要素から遠心分離されたサンプル内に見られる薬物検体の濃度を、唾液に見られる薬物検体の濃度と比較した。この割合を、収集要素材料からの薬物の回収率として表した。
【0112】
【表1】

【0113】
上記実験により、処理済みおよび未処理のポリオレフィン繊維収集要素条件から、モルヒネ、アンフェタミン、メタンフェタミンおよびBEに対し84%および97%の間の薬物回収率がもたらされた。PCP薬物回収率は、2mLの0.75%PEG400モノオレエート収集要素前処理により16%から33%まで上昇した。THC薬物回収率は、2mLの0.75%PEG 400モノオレエート収集要素前処理により15%から107%まで上昇した。
【0114】
実施例2:10人の口腔液で試験した、0.75%非イオン性界面活性剤前処理を行ったポリオレフィン繊維収集要素材料
以下の試験では、10人の口腔液に対し、水溶液中0.75%非イオン性界面活性剤(PEG 400)で前処理したポリオレフィン繊維収集要素からの、アンフェタミン、メタンフェタミン、PCP、ベンゾイルエクゴニン(BE)、モルヒネおよびTHCの回収を評価する。
【0115】
薬物回収実験を行うために、10人からの新たに収集された(同日)ヒトの全口腔液サンプルに、125ng/mLのアンフェタミンおよびメタンフェタミン、100ng/mLのモルヒネ、20ng/mLのBEおよび10ng/mLのPCPおよびTHCの濃度で薬物標準品を混入した。この実験で用いられるポリオレフィン繊維収集要素は、寸法が外径12.43mm、内径1.5mm、長さが11.96mmおよび容量がおよそ1.3mLの円柱形状である(Filtrona Fibertec、VA製)。ポリオレフィン繊維収集要素を、収集要素に水溶液中1.5mL(収集要素容量の114%)の0.75%PEG 400をしみ込ませ、37℃で一晩乾燥させることにより、前処理した。収集要素に、各個体の薬物混入口腔液を1.5mL(収集要素容量の114%)しみ込ませた。口腔液を含んでいる収集要素を、ポリプロピレンバイアル内に配置し、別のポリプロピレン管内に遠心分離した(3000RPMで10分間)。LC/MS/MSにより、100μLの結果としての遠心分離液体を分析した。対照として、100μLの元の薬物混入口腔液も分析した。分析の直前に、あらゆる抽出関連損失を補正するために内部標準品としての役割を果たすように、サンプルのすべてに固定量の重水素化薬物を添加した。処理済みポリオレフィン収集要素から遠心分離されたサンプル内に見られる薬物の濃度を、口腔液に見られる薬物の濃度と比較した。この割合を、収集要素材料からの薬物の回復率として表した。
【0116】
【表2】

【0117】
上記実験により、水溶液中0.75%PEG 400で前処理されたポリオレフィン繊維収集要素から、モルヒネ、アンフェタミン、メタンフェタミン、BE、PCPおよびTHCそれぞれに対し、102%、101%、101%、101%、79%および92%の平均薬物回収率がもたらされた。
【0118】
実施例3:複数のヒトボランティアに対し試験した未処理収集要素からの口腔液回収
以下の試験では、抽出装置を用いて収集要素から容器内にしぼり出された時に回収された口腔液の量を評価する。この実験で用いるポリオレフィン繊維収集要素は、寸法が外径12.22mm、長さが16.14mmおよび容量がおよそ1.8mLの円柱形状である(Fltrona Fibertec、VA製)。この実験で用いる繊維芯は、寸法が外径2.05mmの円柱形状であり、15mmの長さに切断されている。芯に対し、湿潤すると滲むマーカインクで10mmの箇所にマークした。芯をポリプロピレン棒内に配置し、インジケータ芯を収容しているポリプロピレン棒の上にポリオレフィン繊維収集要素を接着した。ヒトボランティアに対し、以下の方法を介して口腔液を収集するように指示した。両方の頬を3回拭き取った後、2分間舌の下に保持し、インジケータ芯の色が変化するまでプロセスを繰り返す。収集のタイミングは、ボランティアが拭取りを開始した時に開始し、インジケータ芯の色が変化した時に終了した。口腔液抽出装置および容器アセンブリの重量を、収集要素をしぼり出す前および後に計った。重量の差により、収集要素からしぼり出された口腔液の容量が確定された。収集要素に収集された口腔液容量の、収集要素からしぼり出された口腔液の容量に対する比を、口腔液の回収率として示す。
【0119】
【表3】

【0120】
収集要素から回収された口腔液の量は、69%から91%であり、平均が79%であった。
【0121】
実施例4:洗浄剤処理なしの、サンプル綿収集要素材料対圧縮性セルロース材料
以下の試験では、材料の前処理なしの圧縮性タイプセルロース収集要素および綿収集要素からのTHCの回収を評価し、前処理のないことのTHC回収に対する影響を示す。
【0122】
THC回収実験を行うために、新たに収集された(同日)ヒトの全唾液に、15ng/mLの濃度でTHC標準品を混入した。収集要素の各々に、400μLのTHC混入全唾液を与えた。この実験で用いる圧縮性タイプのセルロース収集要素は、寸法が外径1.3cm、内径0.5cmおよび厚さが0.9mmのドーナツ型である(Ultracell、CT製)。綿収集要素は、米国特許第5,103,836号に開示されているものと同様である。唾液を含んでいる収集要素を、800μLの保存溶液を収容しているポリプロピレンバイアルに60分間入れた。保存溶液は、クロルヘキシジン、Tween 20および青色色素から構成されている。保存溶液を、別のポリプロピレン管内に遠心分離した(3000RPMで10分間)。LC/MS/MSにより、400μLの結果としての遠心分離液体を分析した。対照として、133μLの元のTHC混入唾液も分析した。分析の直前に、あらゆる抽出関連損失を補正するために、内部標準品としての役割を果たすように、サンプルのすべてに固定量のd3−THCを添加した。保存溶液内にしぼり出されたサンプル内に見られるTHCの濃度を、唾液に見られるTHCの濃度と比較した。この割合を、収集要素材料からのTHCの回収率として表した。
【0123】
【表4】

【0124】
上記実験により、収集要素材料のいずれも洗浄剤で前処理しなかった場合、綿収集要素材料からは22%のTHC回収率、圧縮性セルロース収集要素材料からは62%の回収率がもたらされた。
【0125】
実施例5:Tween-20で前処理された綿収集要素材料対Tween-20での前処理がある・なしのセルロース収集要素材料
以下の試験では、濃度が0.1%、0.25%および0.5%のTween-20で前処理された綿収集要素材料、およびTween-20の前処理がある・なしの圧縮性セルロース材料からのTHCの回収を評価する。実験を、収集要素をTween-20で前処理する以外は、上記実施例と同様に行った。すなわち、綿収集要素を700μLの0.1%、0.25%および0.5%Tween-20溶液で前処理し、セルロース収集要素を600μLの同様の溶液で前処理した。収集要素のすべてを、38℃で一晩乾燥させた。先の実施例と同様に計算を行った。
【0126】
【表5】

【0127】
上記実験は、Tween-20の前処理を行った綿収集要素材料およびUltracell収集要素材料の両方におけるTHC回収率の上昇を実証した。さらに、Tween-20の濃度が上昇するに従い、両収集要素材料におけるTHC回収率も上昇した。
【0128】
実施例6:セルロース収集要素を用いるTween濃度の拡張範囲
以下の試験では、濃度が0.05%、0.1%、0.25%、0.5%、1.0%のTween-20で前処理された圧縮性セルロース収集要素材料からのTHC回収を評価する。
【0129】
実験を、以下を除き先の実施例と同様に行った。すなわち、1)Ultracellセルロース収集要素のみを異なる濃度のTween-20で前処理し、2)サンプルに対し5回反復実施した。
【0130】
【表6】

【0131】
上記実験は、濃度が1%に近づくに従い横ばい状態になるように見える、最大1%TweenのTHC回収率の増大を実証した。
【0132】
実施例7:唾液が保存溶液内へ遠心分離された収集要素の、保存溶液に浸漬された収集要素との比較
以下の試験では、遠心分離の前に1時間収集要素を保存溶液に浸漬した場合と比較した、唾液が収集要素から保存溶液内に遠心分離された、濃度が1.0%のTween-20で前処理された圧縮性セルロース収集要素材料からのTHC回収を評価する。この保存溶液内への唾液の遠心分離は、収集装置が保存溶液に保管される代りに、唾液が収集装置から保存溶液内に圧搾される収集により類似している。
【0133】
この実験を、唾液を収集要素に与えた直後に、唾液を収集要素から800μLの保存溶液内に遠心分離するという追加の条件以外は、先の実施例と同様に行った。この条件に対し、400μLの唾液を加えた後に、かつ遠心分離段階の後に、収集要素の重量を計ることにより、収集要素から振り落とされることができなかった唾液に対して補正を行った。この補正係数を、保存緩衝剤サンプルに振り落とされた唾液から確定されるLC/MS/MS濃度のみに適用した。この補正係数を、1時間保存緩衝剤に浸漬された収集要素には適用しない。それは、唾液は、遠心分離段階の前に保存緩衝剤と平衡状態になると想定されるためである。
【0134】
【表7】

【0135】
防腐剤内に振り落とされた唾液サンプルに補正係数を適用した後、いずれの方法の場合もTHC回収率の間に著しい差はなかった。
【0136】
実施例8:THC回収に対するさまざまな洗浄剤の比較
以下の試験では、さまざまなカチオン性、アニオン性、両性および非イオン性洗浄剤で前処理された圧縮性タイプのセルロース収集要素からのTHCの回収を評価する。
【0137】
この実験を、以下の例外を除き先の実施例と同様に行った。
1)Ultracellセルロース収集要素のみをさまざまな洗浄剤で前処理した
2)各洗浄剤条件に対して4回反復実験を行った
3)唾液におけるTHCの濃度を48ng/mLとした
4)遠心分離の前に収集要素を保存溶液に60分間浸漬する代りに、収集要素材料に唾液を加えた後に、収集要素を保存溶液内に即座に遠心した。そして、収集要素から遠心分離することができなかった残りの唾液を補正するために、補正係数を適用した。
【0138】
試験した7つの洗浄剤は以下の通りである。
1)N−ドジシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホナート(SB−12)Sigma、D4516-5G
2)デオキシコール酸ナトリウム塩Sigma、D6750
3)Pluronic F-127、Sigma P2443
4)Brij 58、Sigma、P5884
5)ラウリル硝酸塩(SDS)、Sigma、L-4509
6)3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホン酸(CHAPS)、Pierce、28300
7)臭化セチルトリチメチルアンモニウム(CTAB)、CalBiochem、219375
【0139】
【表8】

【0140】
上記実験により、Brij 58によるセルロース収集要素の前処理によって80%のTHCの回収率がもたらされた。それは、Brij 58が、Tween-20のような非イオン性洗浄剤であるためである。他のすべての洗浄剤前処理によって、より低い回収率がもたらされた。したがって、Tween-20と同様に作用する別の洗浄剤を特定した。
【0141】
図7Aおよび図7Bの実施形態に関連して説明したように、使用者に対し、収集要素710、すなわち収集要素によって十分な量のサンプル流体が吸収された時を示すために、インジケータ芯713を用いることができる。特に、インジケータ芯713は、収集要素710と接触することができ、それにより、収集要素710に十分にしみ込んだ、すなわち収集要素710が十分な量のサンプル流体を吸収した時、インジケータ芯713もまたサンプル流体を受け取る。そして、サンプル流体により、インジケータ芯713は、使用者に知らせる、色の変化等の物理的変化を示す。以下の実施例は、インジケータ芯の実施形態の態様をさらに示す。
【0142】
実施例9:ヒトボランティアに対して試験した未処理収集要素によるインジケータ芯の試験
以下の試験では、ヒトボランティアで未処理収集要素を試験した場合にインジケータ芯の色が変化する時間の長さおよび最小容量を評価する。この実験で用いるポリオレフィン繊維収集要素は、寸法が外径12.22mm、長さが16.14mmおよび容量がおよそ1.8mLの円柱形状である(Filtrona Fibertec、VA製)。この実験で用いる繊維芯は、寸法が外径2.05mmの円柱形状であり、15mmの長さに切断されている。芯に対し、湿潤すると滲むマーカインクで10mmの箇所にマークした。芯を、ポリプロピレン棒内に配置し、インジケータ芯を収容しているポリプロピレン棒の上に、ポリオレフィン繊維収集要素を接着した。ヒトボランティアに対し、以下の方法のうちの1つを介して口腔液を収集するように指示した。すなわち、各頬を30秒間拭き取った後、インジケータ芯の色が変化するまで収集要素を頬に保持し(収集タイプ「A」)、両頬を3回拭き取った後2分間舌の下で保持し、インジケータ芯の色が変化するまでプロセスを繰り返す(収集タイプ「B」)。収集のタイミングは、ボランティアが拭取りを開始したときに開始し、インジケータ芯の色が変化した時に終了した。収集装置の重量を、口腔液収集の前および後で計った。重量の差により、収集された口腔液の容量が確定した。
【0143】
【表9】

【0144】
収集タイプAで収集された口腔液の最小量は0.6mL(収集要素の容量の30%)であり、収集タイプBで収集された口腔液の最小量は0.8mL(収集要素の容量の53%)であった。芯の色が変化する最短時間は、収集タイプAでは2分間、収集タイプBでは1分間であった。
【0145】
実施例10:ヒトボランティアに対して試験した塩およびPEG 400処理した収集要素でのインジケータ芯の試験
以下の試験は、塩およびPEG 400処理した収集要素をヒト被験者で試験した時にインジケータ芯の色が変化した時間の長さおよび最小容量を評価する。この実験で用いるポリオレフィン繊維収集要素は、寸法が外径12.22mm、長さが16.14mmおよび容量がおよそ1.8mの円柱形状である(Filtrona Fibertec、VA製)。この実験で用いる繊維芯は、寸法が外径2.05mmの円柱形状であり、15mmの長さに切断される。ポリオレフィン繊維収集要素を、以下を含む溶液で前処理した。すなわち、0.375%のPEG 400、2.5%の塩化ナトリウム、0.0715%のソルビン酸カリウム、0.0715%の安息香酸ナトリウム、0.2145%のクエン酸および0.12%の水酸化ナトリウムである。ポリオレフィン繊維収集要素に、2mL(収集要素容量の111%)の塩およびPEG 400溶液をしみ込ませることにより、かつそれらを37℃で一晩乾燥させることにより、前処理した。芯に対し、湿潤すると滲むマーカインクで10mmの箇所にマークした。芯をポリプロピレン棒内に配置し、インジケータ芯を収容しているポリプロピレン棒の上に、ポリオレフィン繊維収集要素を接着した。ヒトボランティアに対し、以下の方法のうちの1つを介して口腔液を収集するように指示した。すなわち、各頬を30秒間拭き取った後にインジケータ芯の色が変化するまで、収集要素を頬内に保持し(収集タイプ「A」)、両頬を3回拭き取った後、2分間舌の下に保持し、インジケータ芯の色が変化するまでプロセスを繰り返す(収集タイプ「B」)か、または芯の色が変化するまで、収集要素を舌の下に保持する(収集タイプ「C」)。収集のタイミングはボランティアが拭取りを開始した時に開始し、インジケータ芯の色が変化した時に終了した。収集芯の重量を、口腔液収集の前および後に計った。重量の差により、収集された口腔液の容量が確定した。
【0146】
【表10】

【0147】
上記実験で収集された口腔液の最小容量は、1分間以下で0.4mLから0.9mLの範囲であった。収集タイプ「A」により、0.9mLの最小収集容量(収集要素容量の60%)がもたらされた。収集タイプ「B」により、0.4mLの最小収集容量(収集要素容量の27%)がもたらされた。収集タイプ「C」により、0.6mLの最小収集容量(収集要素容量の40%)がもたらされた。
【0148】
本発明をいくつかの実施形態に関連して開示したが、添付の特許請求の範囲において規定されている本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、説明した実施形態に対する多数の変更、改変および変形が可能であることが当業者には明らかとなろう。たとえば、別の実施形態では、試験に必要な十分な容量のサンプル流体を、2つ以上の収集要素で収集してもよい。したがって、本発明は上述した実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲およびその等価物の文言によって規定される完全な範囲を有するように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液のサンプルを収集するシステムであって、
サンプル収集要素を有する収集装置であって、前記サンプル収集要素が、前記収集装置が第1構成にある時に前記サンプルを受け入れ、前記収集装置が前記第1構成から第2構成に遷移する時に前記サンプルを放出するように構成される、収集装置と、
前記収集装置から放出される前記サンプルを受け入れかつ保管するように構成される容器と、
前記容器に動作可能に連結される抽出装置であって、前記収集装置を受け入れ、かつ前記収集装置と前記容器との間の流体連通を提供する通路を有する、抽出装置と、
を備え、
前記収集装置が、前記抽出装置に受け入れられると、前記第1構成から前記第2構成に遷移し、かつある容量の前記サンプルを放出するように動作可能である、システム。
【請求項2】
前記抽出装置が、前記サンプルを保持している前記収集装置の少なくとも一部を受け入れる抽出装置空洞を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記収集装置が吸収性材料を備え、前記吸収性材料が、前記収集装置が前記第1構成にある時に膨張可能であり、前記収集装置が前記第2構成にある時に圧縮される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記収集装置がプランジャをさらに備え、前記吸収性材料が、前記プランジャの端部に配置され、前記プランジャが、前記吸収性材料を圧縮し、前記収集装置を前記第1構成から前記第2構成に遷移させるように動作可能である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
抽出構造をさらに備え、前記プランジャが、前記吸収性材料を前記抽出構造に対して圧縮するように、前記抽出構造に対して移動可能である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記収集装置が、端部部分と前記端部部分から延在する心棒とをさらに備え、前記プランジャが、前記心棒を受け入れる内部空洞を有し、かつ前記吸収性材料を前記端部部分に対して圧縮するように前記心棒の上で案内可能である、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記収集装置が、前記心棒内に配置された溢流室をさらに備え、前記溢流室が、前記収集装置を前記第1構成から前記第2構成に遷移するよう作動させた時に、余分な容量の前記サンプルを受け入れる溢流開口を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記溢流室が受け入れる流体の容量を確定する弁をさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記溢流室が、前記端部部分に配置された前記溢流開口から、前記心棒の反対側の端部の弁開口まで延在し、前記弁がストッパを備え、前記ストッパが、前記プランジャの前記内部空洞内に配置され、かつ前記収集装置が前記第2構成にある時に実質的に流体が前記溢流開口を流れないように前記弁開口を閉鎖する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記抽出装置が、前記抽出装置空洞を着脱可能に覆うキャップをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記キャップが、ねじ山によって前記抽出装置と係合し、前記キャップが、前記抽出装置空洞にねじ込まれる際に前記収集装置から前記サンプルを放出するように動作可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記収集装置がハンドルをさらに備え、前記ハンドルの少なくとも一部が取外し可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記収集装置および前記抽出装置の少なくとも一方に配置された溢流室をさらに備え、前記溢流室が、前記収集装置を前記第1構成から前記第2構成に遷移するように作動させた時に、余分なサンプルを受け入れる溢流開口を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記溢流室が受け入れる流体の容量を確定する弁をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記抽出装置が、前記容器の内部部品を形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記抽出装置が、前記収集装置および前記容器に取外し可能に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記収集装置と前記容器との間の前記通路に少なくとも1つの仕切りをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記抽出装置と前記容器との間に破断可能シールをさらに備え、前記収集装置から前記サンプルを受け入れる受入室が、前記抽出装置内の前記シールと前記収集装置との間に形成され、前記抽出装置が、前記シールを破断しかつ前記受入室から前記容器内に前記サンプルを放出する破断部品を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記収集装置および前記抽出装置の少なくとも一方に配置された溢流室をさらに備え、前記溢流室が、前記収集装置を前記第1構成から前記第2構成に遷移するように作動させた時に、余分な容量の前記サンプルを受け入れる溢流開口を有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記サンプルが前記受入室から前記容器内に放出される前に、前記溢流開口を閉鎖するように動作可能な弁をさらに備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記弁が、前記収集装置が前記抽出装置に対して指定された角度回転する時、前記溢流開口を閉鎖する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記容器が、前記収集装置から前記容器内に放出されるサンプルの容量を示すインジケータを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記インジケータが、前記容器内の流体のレベルを示す窓である、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記収集装置が、前記第1構成と前記第2構成との間の複数の状態をとるように動作可能であり、前記サンプルの前記容量の一部が放出される、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記容器が、希釈液をさらに収容する、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記サンプル収集要素が十分な容量のサンプル流体を収集した時を示すインジケータをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記インジケータが、前記サンプル収集要素が十分な容量のサンプル流体を収集した時、色が変化する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記インジケータが、前記サンプル収集要素と接触する芯であり、前記芯が、前記サンプル収集要素によって受け入れられた前記サンプルと接触した時に物理的変化を示す、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
体液のサンプルを収集する方法であって、
収集装置によって体液のサンプルを受け入れるステップであって、前記収集装置が、第1構成および第2構成を有し、かつ、前記収集装置が前記第1構成にある時に前記サンプルを保持し、前記収集装置が前記第1構成から前記第2構成に遷移する時に前記サンプルを放出するように構成される、ステップと、
前記収集装置を抽出装置に動作可能に連結するステップであって、前記抽出装置が、前記収集装置と容器との間の流体連通を提供する通路を有し、前記容器が、前記収集装置から放出される前記サンプルを受け入れかつ保管するように構成される、ステップと、
前記収集装置を、前記第1構成から前記第2構成に遷移させてある容量の前記サンプルを放出するように作動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項30】
前記収集装置を、前記サンプルを放出するように作動させる前記ステップが、前記収集装置の吸収性材料を圧縮するステップを含み、前記吸収性材料が、前記収集装置が前記第1構成にある時に膨張可能であり、前記収集装置が前記第2構成にある時に圧縮される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記収集装置を作動させる前記ステップが、プランジャにより前記吸収性材料を圧縮するステップを含み、前記プランジャが、前記吸収性材料を圧縮し、かつ前記収集装置を前記第1構成から前記第2構成に遷移させるように、移動可能である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記プランジャにより前記吸収性材料を圧縮する前記ステップが、前記プランジャを心棒の上で案内することにより、前記プランジャと端部部分との間で前記吸収性材料を圧縮するステップを含み、前記端部部分が、前記抽出装置に隣接し、心棒が、前記端部部分から前記抽出装置から離れる方向に延在し、前記プランジャが、前記心棒を受け入れる内部空洞を有する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記収集装置が、前記心棒内に配置された溢流室をさらに備え、前記溢流室が、前記収集装置を前記第1構成から前記第2構成に遷移するように作動させた時に、余分な容量の前記サンプルを受け入れる溢流開口を有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記溢流室が受け入れる流体の容量を確定する弁をさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記溢流室が、前記端部部分に配置された前記溢流開口から、前記心棒の反対側の端部の弁開口まで延在し、前記弁がストッパを備え、ストッパが、前記プランジャの前記内部空洞内に配置され、かつ前記収集装置が前記第2構成にある時に実質的に流体が前記溢流開口を流れないように前記弁開口を閉鎖する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記収集装置を抽出装置に動作可能に連結する前記ステップが、前記サンプルを保持している前記収集装置の少なくとも一部を抽出装置空洞内に受け入れるステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記収集装置を作動させる前記ステップが、前記抽出装置空洞を着脱可能キャップで覆うステップと、前記キャップの作動により前記抽出装置空洞内に受け入れられている前記吸収性材料を圧縮するステップと、をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記収集装置を作動させる前記ステップが、前記抽出装置空洞をねじ山を介して前記キャップで覆うステップと、前記キャップを前記抽出装置空洞の上にねじ込むことにより、前記抽出装置空洞内に受け入れられている前記吸収性材料を圧縮するステップと、をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記収集装置が、前記吸収性材料から延在するハンドルをさらに備える、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
前記ハンドルの少なくとも一部を取り外すステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記収集装置および前記抽出装置の少なくとも一方に配置された溢流室をさらに備え、前記溢流室が、前記収集装置を前記第1構成から前記第2構成に遷移するように作動させた時に、余分なサンプルを受け入れる溢流開口を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記溢流室が受け入れる流体の容量を確定する弁をさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記収集装置を抽出装置に動作可能に連結する前記ステップが、前記抽出装置を前記収集装置および前記容器に取外し可能に連結するステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項44】
前記抽出装置が、前記容器の内部部品を形成する、請求項29に記載の方法。
【請求項45】
前記収集装置と前記容器との間の前記通路に少なくとも1つの仕切りをさらに備える、請求項29に記載の方法。
【請求項46】
前記抽出装置と前記容器との間のシールを破断するステップをさらに含み、前記収集装置から前記サンプルを受け入れる受入室が、前記抽出装置内の前記シールと前記収集装置との間に形成され、前記抽出装置が、前記シールを破断しかつ前記受入室から前記容器内に前記サンプルを放出する破断部品を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項47】
前記収集装置および前記抽出装置の少なくとも一方に配置された溢流室をさらに備え、前記溢流室が、前記収集装置を前記第1構成から前記第2構成に遷移するように作動させた時に、余分な容量の前記サンプルを受け入れる溢流開口を有する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記サンプルが前記受入室から前記容器内に放出される前に前記溢流開口を閉鎖するように弁を閉鎖するステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
弁を閉鎖する前記ステップが、前記弁を弁閉鎖要素と位置合せするように、前記抽出装置を指定された角度回転させるステップを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
インジケータにより、前記収集装置から前記容器内に放出されたサンプルの容量を確定するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項51】
前記インジケータが、前記容器内の流体のレベルを示す窓である、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
前記収集装置を作動させる前記ステップが、前記収集装置を、前記第1構成と前記第2構成との間の複数の状態をとり前記サンプルの前記容量の一部を放出するように作動させるステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項53】
前記容器内に希釈液を提供するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項54】
試験のために口腔から口腔液試料を収集する方法であって、
a)圧縮性の洗浄剤処理された収集要素を前記口腔内に挿入するステップと、
b)前記収集要素を、口腔液サンプルを収集するために十分な時間、前記収集装置を咀嚼することなく、前記口腔内の口腔液と接触させるステップと、
c)前記収集要素を前記口腔から取り除くステップと、
を含む、方法。
【請求項55】
前記口腔から前記収集要素を取り除いた後、試験のために前記収集要素から前記収集された試料を後に回収するために、前記収集要素を保存するステップを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記収集要素を保存する前記ステップが、前記収集要素が前記口腔から取り除かれた後、前記収集要素を保存溶液内に保管するステップを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記収集要素を圧縮して前記収集された試料を前記収集要素から回収するステップをさらに含む、請求項54または55に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公表番号】特表2010−525330(P2010−525330A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504228(P2010−504228)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/060522
【国際公開番号】WO2008/131033
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(502431489)オラシュアテクノロジーズ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】