説明

サービス制御装置、ガイダンス提供装置、ガイダンス制御システム、及びガイダンス制御方法

【課題】着信者へのガイダンス送信を可能とするとともに、発信者及び着信者が属するグループに応じて、ガイダンスの送信要否を判定する。
【解決手段】呼処理装置を備える電話網に接続されるサービス制御装置において、前記電話網を利用して通信を行う端末が属するグループの識別情報であるグループIDを格納するグループ識別情報格納手段と、着信端末に対する発信要求信号を送信した発信端末の発グループIDを取得したときに、前記着信端末に対応する着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されているか否かを判定し、前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていないと判定した場合に、前記着信端末にガイダンスを流すと判定するガイダンス種別判定手段と、前記ガイダンス種別判定手段による判定結果に基づき、前記呼処理装置に対して指示信号を送信するガイダンス指示手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話や固定電話等の電話サービスにおいて、電話端末に音声でガイダンスを流す技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現状、一般的な電話サービスにおいて、発信端末から着信端末に対して電話をかけたときに、着信側から発信端末に対してガイダンスを流す技術が広く普及している。
【0003】
このような従来のガイダンス提供技術では、例えば、着信端末の応答がないことを電話ネットワーク側で検知し、着信側で予め設定しておいた条件に基づき、発信端末に対して所定のガイダンスが送出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−242301号公報
【特許文献2】特開2005−191952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の従来のガイダンス提供技術においては、着信者側で予め設定したメッセージを発信者に伝えることはできるものの、発信者側のメッセージをガイダンスとして自動的に着信者側に伝えることはできない。すなわち、発信者と着信者との間で会話が開始される前に、発信者側の状態や都合等をメッセージとして自動的に着信者側に伝える従来技術は存在しなかった。
【0006】
例えば、発信者側で、通話相手先である着信者との会話を録音する機能を持つ場合において、従来技術では、着信者が会話の録音を許容するか否かに関わらず、着信者が電話に出た時点で、電話接続が成立し、録音が開始されてしまう。
【0007】
発信者側が録音機能を持つような場合、着信者が会話の録音を承知した場合にのみ、通話を開始させるべきであるが、従来技術においては、発信者側から着信者側に、通話が開始する前に、録音を行う旨を通知するガイダンスを流すことができなかったため、着信者が録音を承知するか否かに関わらず、通話が開始されていた。
【0008】
上記の点に鑑みて、発信者側から着信者側に対して、通話が開始する前にガイダンスを流す技術が求められている。また、特定の会社内の通話や、異なる会社間の通話等、特にガイダンスを必要としない場合や、双方向でガイダンスを送信することが望ましい場合等があることから、発信者及び着信者が属するグループに応じて、ガイダンスの送信要否を判断し、判断結果に応じて、ガイダンスを送信する技術が必要である。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、着信者へのガイダンス送信を可能とするとともに、発信者及び着信者が属するグループに応じて、ガイダンスの送信要否を判定し、判定結果に応じて、ガイダンス送信を行う技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、呼処理装置を備える電話網に接続され、当該電話網におけるガイダンスサービスの制御を行うサービス制御装置であって、前記電話網を利用して通信を行う端末が属するグループの識別情報であるグループIDを格納するグループ識別情報格納手段と、着信端末に対する発信要求信号を送信した発信端末の発グループIDを取得したときに、前記着信端末に対応する着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されているか否かを判定し、前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていないと判定した場合に、前記着信端末にガイダンスを流すと判定するガイダンス種別判定手段と、前記ガイダンス種別判定手段による判定結果に基づき、前記呼処理装置に対して指示信号を送信するガイダンス指示手段とを備えたことを特徴とするサービス制御装置として構成できる。
【0011】
また、本発明は、呼処理装置を備える電話網に接続され、当該電話網を利用する電話端末にガイダンス情報を送出するガイダンス提供装置であって、ガイダンスIDとガイダンス情報とを対応付けて格納するガイダンス情報格納手段と、前記呼処理装置から、発信端末のグループに対応する発ガイダンスIDと、着信端末のグループに対応する着ガイダンスIDとを含むガイダンス指示信号を受信し、前記発ガイダンスIDに対応する発ガイダンス情報と、前記着ガイダンスIDに対応する着ガイダンス情報とを前記ガイダンス情報格納手段から取得するガイダンス情報取得手段と、前記発ガイダンス情報と前記着ガイダンス情報との間の時間長が異なる場合に、両者の時間長が一致するように、長さ調整を行うガイダンス長調整手段と、前記発ガイダンス情報を前記着信端末に送信し、前記着ガイダンス情報を前記発信端末に送信するガイダンス情報送信手段とを備えたことを特徴とするガイダンス提供装置として構成してもよい。
【0012】
また、本発明は、呼処理装置を備える電話網に接続され、当該電話網におけるガイダンスサービスの制御を行うサービス制御装置と、前記電話網に接続され、当該電話網を利用する電話端末にガイダンス情報を送出するガイダンス提供装置とを備えたガイダンス制御システムであって、前記サービス制御装置は、前記電話網を利用して通信を行う端末が属するグループの識別情報であるグループIDを格納するグループ識別情報格納手段と、着信端末に対する発信要求信号を送信した発信端末の発グループIDを取得したときに、前記着信端末に対応する着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されているか否かを判定し、前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていないと判定した場合に、前記着信端末にガイダンスを流すと判定するガイダンス種別判定手段と、前記ガイダンス種別判定手段による判定結果に基づき、前記呼処理装置に対してガイダンス指示信号を送信するガイダンス指示手段と、を備え、前記ガイダンス提供装置は、前記呼処理装置から前記ガイダンス指示信号を受信し、当該指示信号に従って、ガイダンス情報送信を行うガイダンス情報送信手段を備えることを特徴とするガイダンス制御システムとして構成してもよい。
【0013】
また、本発明は、呼処理装置を備える電話網に接続され、当該電話網におけるガイダンスサービスの制御を行うサービス制御装置が実行するガイダンス制御方法であって、前記サービス制御装置は、前記電話網を利用して通信を行う端末が属するグループの識別情報であるグループIDを格納するグループ識別情報格納手段を備え、着信端末に対する発信要求信号を送信した発信端末の発グループIDを取得したときに、前記着信端末に対応する着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されているか否かを判定し、前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていないと判定した場合に、前記着信端末にガイダンスを流すと判定するガイダンス種別判定ステップと、前記ガイダンス種別判定ステップにおける判定結果に基づき、前記呼処理装置に対して指示信号を送信するガイダンス指示ステップとを備えたことを特徴とするガイダンス制御方法として構成することもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、着信者へのガイダンス送信が可能になるとともに、発信者及び着信者が属するグループに応じて、ガイダンスの送信要否を判定し、判定結果に応じて、ガイダンス送信を行う技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ガイダンス送出ロジックの概要を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシステムの全体構成図である。
【図3】サービス制御装置10(20)の機能構成図である。
【図4】サービス制御装置10(20)が保持するテーブル情報の一例を示す図である。
【図5】ガイダンス提供装置30の機能構成図である。
【図6】ガイダンス提供装置30が保持するテーブル情報の一例を示す図である。
【図7】システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図8】システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図9】システムの動作を示すシーケンスチャート(ガイダンス未送出の場合)である。
【図10】システムの動作を示すシーケンスチャート(着信側のみガイダンス送出の場合)である。
【図11】システムの動作を示すシーケンスチャート(双方向ガイダンス送出の場合)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
(ガイダンス送出要否判定概要)
実施の形態の構成及び動作を詳細に説明する前に、まず、本実施の形態で採用しているガイダンス送出ロジックの概要について図1を参照して説明する。
【0018】
まず、パターン1は、図1(a)に示すように、発信端末が特定のグループに属し、着信端末が一般の端末である場合であり、この場合、発信端末からの発信時に、着信端末にガイダンスを流す。これは例えば、発信端末が特定の会社の端末であり、着信端末が一般の顧客の端末であるような場合に相当する。
パターン2は、図1(b)に示すように、発信端末も着信端末も同じグループに属する場合であり、この場合、ガイダンスを送出しない。これは例えば、発信端末及び着信端末がともに同じ会社に属する場合に相当する。
【0019】
パターン3は、図1(c)に示すように、発信端末が属するグループと、着信端末が属するグループとが異なる場合であり、この場合、双方向にお互いのガイダンスを流すこととしている。これは例えば、発信端末が会社Aに属し、着信端末が会社Bに属する場合に相当する。
【0020】
パターン4は、図1(d)に示すように、着信端末において転送電話が利用されている場合であり、この場合、転送先の電話端末のサービス加入状況に応じてガイダンス要否が判定される。ガイダンスの要否は、転送先の電話端末を着信端末とみなした場合における図1(a)、(b)、(c)の場合と同様のロジックで判断される。
【0021】
(システム構成)
図2に、本発明の実施の形態に係るシステムの全体構成を示す。図2に示すように、本実施の形態に係るシステムは、発信側の呼処理装置40、発信側のサービス制御装置10、ガイダンス提供装置30、着信側の呼処理装置50、着信側のサービス制御装置20を有し、これらの装置を含む装置群が通信網に接続されることにより電話網100を構成している。また、電話網100には、発信側の電話端末(発信端末1と呼ぶ)と、着信側の電話端末(着信端末2と呼ぶ)が接続されている。
【0022】
もちろん、"発信側"と"着信側"は、本実施の形態の説明のために便宜上定めたものであり、発信側の装置と、着信側の対応する装置との間で、装置構成や機能に特に差異はない。また、図2は、本実施の形態に関わる装置のみを示しており、電話網100には、サービスを提供可能な電話網を実現する上で必要な他の既存の装置も存在することは言うまでもない。
【0023】
本実施の形態における電話網100は、携帯電話網であることを想定しており、各電話端末(携帯電話機)は無線により電話網100にアクセスし、電話端末から送信される信号は、図示していない無線基地局と無線制御装置等を経由して呼処理装置に送られる。
【0024】
ただし、電話網100として携帯電話網を用いることは一例に過ぎず、本発明は、携帯電話網に限らず、固定電話網、IP電話網等の他の電話網にも適用できる。つまり、他の電話網においても、本実施の形態で説明する機能を持ったサービス制御装置及びガイダンス提供装置を備えることにより、本実施の形態におけるガイダンス送出サービスを提供することが可能である。なお、サービス制御装置及びガイダンス提供装置を合わせて、ガイダンス制御システムと称することができる。
【0025】
呼処理装置40、50は、加入者交換機に相当する装置であり、電話端末からの発信要求に基づき、発信側の電話端末と、着信側の電話端末との間の呼接続を行い、通話パスを設定する等の呼処理を行う装置である。
【0026】
サービス制御装置10、20は、ガイダンス送出制御を含む種々のサービス制御を行うための装置である。また、ガイダンス提供装置30は、電話端末に音声でガイダンスを送出する装置である。なお、本例では、着信側と発信側のそれぞれでサービス制御装置を備えているが、着信側と発信側で共通のサービス制御装置を用いてもよい。
【0027】
図3に、サービス制御装置10(20)の機能構成図を示す。サービス制御装置10とサービス制御装置20は、同じ構成を有するため、"サービス制御装置10(20)"と記述している。
【0028】
図3に示すように、サービス制御装置10(20)は、サービス加入状況判定部11(21)、ガイダンス種別判定部12(22)、ガイダンス指示部13(23)、サービス加入情報格納部14(24)、ガイダンス種別判定結果格納部15(25)、ガイダンスID格納部16(26)を有する。
【0029】
サービス加入状況判定部11(21)は、呼処理装置40(50)から、サービス加入状況を問い合わせるサービス加入情報要求を受けて、サービス加入情報格納部14(24)からサービス加入情報を取得し、サービス加入情報応答として呼処理装置40(50)に返す機能を有する。ガイダンス種別判定部12(22)は、グループIDに基づいて、上述したパターンのうちのどのパターンでガイダンス送出を行うかを判定する機能を有する。ガイダンス指示部13(23)は、ガイダンス種別判定部12(22)による判定結果に基づき、呼処理装置40(50)に対してガイダンス処理を行うよう指示する機能を有する。
【0030】
サービス加入情報格納部14(24)は、電話網100を介して通信を行う電話端末のユーザを識別するユーザID(例えば、電話番号)と、当該電話端末のユーザが加入しているサービスに関する情報(サービス加入情報)とを対応付けて格納している。なお、上記のユーザIDは、ユーザが使用する電話端末を識別可能な情報でもある。図4(a)に、サービス加入情報格納部14(24)に格納されるテーブル情報の一例を示す。なお、このサービス加入情報格納部14(24)は、グループIDを格納するグループ識別情報格納手段の例である。
【0031】
ガイダンス種別判定結果格納部15(25)は、ガイダンス種別判定部12(22)による判定結果を格納する。ガイダンスID格納部16(26)は、グループIDとガイダンスIDとを対応付けて格納している。図4(b)にガイダンスID格納部16(26)に格納されるテーブル情報の一例を示す。
【0032】
図5に、ガイダンス提供装置30の機能構成図を示す。図5に示すように、ガイダンス提供装置30は、ガイダンス情報取得部31、ガイダンス長調整部32、ガイダンス情報送信部33、ガイダンスの音声データであるガイダンス情報をグループID毎に格納するガイダンス情報格納部34、及び、長さ調整用の音情報を格納する長さ調整用音情報格納部35を有する。
【0033】
ガイダンス情報取得部31は、グループIDに対応するガイダンス情報をガイダンス情報格納部34から取得する機能を有する。ガイダンス長調整部32は、発ガイダンス情報の長さと着ガイダンス情報の長さに相違がある場合に、これらの長さが同一になるように、長さ調整用音情報格納部35に格納された音情報を用いて長さ調整を行う機能を有する。ガイダンス情報送信部33は、ガイダンス情報を、着信端末2のみに向けて送信する機能、及び発信端末1と着信端末2の双方に送信する機能を有する。図6に、ガイダンス情報格納部34に格納されるテーブル情報の一例を示す。
【0034】
サービス制御装置10、20、及びガイダンス提供装置30はそれぞれ、メモリやハードディスク等の記憶手段及びCPUを備える一般的なコンピュータに、各機能部に対応する処理を行うためのプログラムを搭載することにより実現できる。当該プログラムは、可搬メモリやディスク等の記録媒体から上記コンピュータにインストールしてもよいし、ネットワーク上のサーバから上記コンピュータにダウンロードし、インストールすることとしてもよい。
【0035】
(システムの動作)
次の、図7〜図11のシーケンス図を参照して、本実施の形態に係るシステムの動作を説明する。
【0036】
図7に示すように、まず、発信端末1は、着信端末2に対する発信要求信号を送信する(ステップ1)。発信要求信号には、宛先である着信端末2を識別する情報(着ユーザIDと呼ぶ)とともに、発信元である発信端末1を識別する情報(発ユーザIDと呼ぶ)が含まれている。
【0037】
発信要求信号を受信した呼処理装置40は、発信端末1に関するサービス加入状況を問い合わせるためのサービス加入情報要求信号をサービス制御装置10に送信する(ステップ2)。このサービス加入情報要求信号には、発ユーザIDが含まれる。
【0038】
サービス加入情報要求信号を受信したサービス制御装置10において、サービス加入状況判定部11は、サービス加入情報格納部14を参照し、発ユーザIDに対応するサービス加入情報として、グループID(発グループIDと呼ぶ)があるか否かを判定する(ステップ3)。
【0039】
ステップ3において、グループIDがないと判定された場合、既存の発信処理が継続される。ステップ3において、グループIDがある場合、発信端末1は、本実施の形態に係るガイダンスサービスに加入して、特定のグループに属していると判断できる。そして、サービス制御装置10のサービス加入状況判定部11は、発グループIDを含むサービス加入情報応答信号を呼処理装置40に返す(ステップ4)。
【0040】
上記のサービス加入情報応答信号を受信した呼処理装置40は、応答に含まれる発グループIDを記憶手段に格納しておく(ステップ5)。
【0041】
続いて、呼処理装置40は、着ユーザIDから着信先の呼処理装置50を特定し、当該呼処理装置50に対して、記憶手段から取得した発グループIDを含む接続要求信号を送信する(ステップ6)。この接続要求信号には、発グループIDとともに、発ユーザIDと、着ユーザIDも含まれている。
【0042】
接続要求信号を受信した着側の呼処理装置50は、着側のサービス制御装置20に対し、着信端末2に関するサービス加入状況を問い合わせるためのサービス加入情報要求信号を送信する(ステップ7)。このサービス加入情報要求信号には、発グループIDに加えて、着ユーザIDも含まれる。
【0043】
サービス加入情報要求信号を受信したサービス制御装置20において、サービス加入状況判定部21が、着ユーザIDに基づきサービス加入情報格納部24を参照することにより、着信端末2について、転送電話が設定されているか否かを判定する(ステップ8)。
【0044】
そして、転送電話が設定されている場合には、転送処理に移る(ステップ9)。この転送処理自体は一般的なものであり、転送処理により、サービス加入情報格納部24に転送先として設定されている端末に対応する呼処理装置に接続要求(発グループID、及び転送先の着ユーザIDを含む)が送信される。この後は、転送先におけるサービス制御装置において、ステップ8以降の処理と同様のガイダンス送出制御が行われることになる。
【0045】
ステップ8において、転送電話設定が無いと判定された場合、ステップ10に進む。ステップ10において、サービス制御装置10のサービス加入状況判定部21は、サービス加入情報格納部24を参照し、着ユーザIDに対応するサービス加入情報として、グループID(着グループIDと呼ぶ)があるか否かを判定する。
【0046】
ステップ10において、着グループIDがないと判定された場合、サービス制御装置20におけるガイダンス種別判定部22は、着信端末2に対してだけガイダンスを流すと判定し(ステップ11)、ステップ15(図8)に進んで判定結果をガイダンス種別判定結果格納部25に保持する。ここでの判定結果は、図1(a)に示すパターン1に対応する。
【0047】
ステップ10において、着グループIDがある場合、図8に示すステップ12に進む。ステップ12において、サービス制御装置20のガイダンス種別判定部22は、発グループIDと着グループIDが同じかどうかの判定を行う。発グループIDと着グループIDが同じである場合、発信端末1と着信端末2のいずれにもガイダンスを流さないと判定し(ステップ13)、ステップ15に進んで決定結果をガイダンス種別判定結果格納部25に保持しておく。
【0048】
ステップ12において、発グループIDと着グループIDが同じでないと判定された場合、発信端末1と着信端末2の両方にガイダンスを流すと判定し(ステップ14)、判定結果をガイダンス種別判定結果格納部25に保持する(ステップ15)。
【0049】
その後、サービス制御装置20のサービス加入状況判定部21は、ステップ7で受信したサービス加入情報要求信号に対する応答として、サービス加入情報応答信号を着側の呼処理装置50に送信する(ステップ16)。なお、このサービス加入情報応答信号には、種々のサービス加入情報が含まれ得るが、本実施の形態におけるガイダンスサービスに関する処理には影響ないものとする。
【0050】
サービス加入情報要求信号を受信した着側の呼処理装置50は、着信端末2に向けて着信要求信号を送信する(ステップ17)。着信要求信号を受信した着信端末2は、呼び出し音を出力する。また、呼処理装置50と呼処理装置40により、発信端末1に対し、着信音が送出される(ステップ18、19)。
【0051】
その後、着信端末2のユーザが応答する(電話に出る)ことにより、着信端末2から着信応答信号が呼処理装置50に送信され(ステップ20)、呼処理装置50は、着信応答信号をサービス制御装置20に転送する(ステップ21)。
【0052】
サービス制御装置20におけるガイダンス指示部23は、着信端末2から着信応答信号を受信したことを契機に、ガイダンス種別判定結果格納部25から、ステップ15で保持した判定結果を取得し(ステップ22)、これ以降、取得した判定結果に基づく処理を行う。ステップ22以降の処理を、各判定結果毎に説明する。なお、以下で説明するシーケンスチャートでは、実施の形態での処理に関係する装置のみを示している。
【0053】
取得した判定結果が、「ガイダンスを流さない」という判定結果であった場合について、図9のシーケンスチャートを参照して説明する。
【0054】
この場合、ステップ101において、サービス制御装置20のガイダンス指示部23は、呼処理装置50に対して呼接続指示信号を送信する。呼接続指示信号を受信した呼処理装置50は、着信応答信号を発側の呼処理装置40に転送する(ステップ102)。これにより、発信端末1と着信端末2との間で呼接続がなされ、通話が開始される(ステップ103)。
【0055】
次に、「着信端末のみにガイダンスを流す」という判定結果の場合について、図10のシーケンスチャートを参照して説明する。
【0056】
この場合、サービス制御装置20のガイダンス指示部23は、ガイダンスID格納部26から発グループIDに対応するガイダンスIDを取得し(ステップ201)、このガイダンスIDを含み、着信端末2のみにガイダンスを流すことを指示するガイダンス指示信号を呼処理装置50に送信する(ステップ202)。
【0057】
このガイダンス指示信号を受信した呼処理装置50は、当該ガイダンス指示信号をガイダンス提供装置30に送信する(ステップ203)。ガイダンス指示信号を受信したガイダンス提供装置30において、ガイダンス情報取得部31が、ガイダンスIDに基づきガイダンス情報格納部34を検索することにより、ガイダンスIDに対応するガイダンス情報を取得する(ステップ204)。そして、ガイダンス提供装置30のガイダンス情報送信部33は、着信端末2に対してガイダンス送信を行う(ステップ205、206)。
【0058】
ガイダンス提供装置30におけるガイダンス情報送信部33は、ガイダンスの送出が終了したことを検知すると、ガイダンス送出終了信号を呼処理装置50に送信する(ステップ207)。ガイダンス送出終了信号を受信した呼処理装置50は、ステップ20で受信していた着信応答信号を発側の呼処理装置40に転送する(ステップ208)。これにより、発信端末1と着信端末2との間で呼接続がなされ、通話が開始される(ステップ209)。
【0059】
なお、ガイダンス送出中に、着信端末2のユーザが、電話を切ったときには、ガイダンス送出は中止され、端末間の呼接続も行われない。
【0060】
次に、「発信端末と着信端末の双方にガイダンスを流す」という判定結果の場合について、図11のシーケンスチャートを参照して説明する。
【0061】
この場合、サービス制御装置20のガイダンス指示部23は、ガイダンスID格納部26から発グループIDに対応するガイダンスID(発ガイダンスIDと呼ぶ)を取得するとともに、着グループIDに対応するガイダンスID(着ガイダンスIDと呼ぶ)を取得する(ステップ301)。
【0062】
そして、サービス制御装置20のガイダンス指示部23は、発ガイダンスIDと着ガイダンスIDを含み、発信端末1と着信端末2の両方にガイダンスを流すことを指示するガイダンス指示信号を呼処理装置50に送信する(ステップ302)。
【0063】
このガイダンス指示信号を受信した呼処理装置50は、当該ガイダンス指示信号をガイダンス提供装置30に送信する(ステップ303)。ガイダンス指示信号を受信したガイダンス提供装置30は、発ガイダンスIDに基づきガイダンス情報格納部34を検索することにより、発ガイダンスIDに対応する発ガイダンス情報を取得し、更に、着ガイダンスIDに基づきガイダンス情報格納部34を検索することにより、着ガイダンスIDに対応する着ガイダンス情報を取得する(ステップ304)。
【0064】
そして、ガイダンス提供装置30におけるガイダンス長調整部32は、発ガイダンス情報の長さ(時間長)と着ガイダンス情報の長さを比較し、同じ長さであるかどうかを判定する(ステップ305)。なお、ここでは、両者の長さの相違が予め定めた許容値以内の相違であれば同じ長さであると見なしてよい。ここでの判定結果が「同じ」(Yes)であればステップ307に進む。
【0065】
判定結果が「同じでない」(No)である場合、ガイダンス長調整部32は、発ガイダンス情報の長さ(時間長)と着ガイダンス情報の長さの差分を求め、長さ調整用音情報格納部35から、差分時間分の長さの音声情報(例えば、音楽や予め定めた繰り返しメッセージ等)を取得し、当該音声情報を短いほうのガイダンス情報に付加し、これを新たなガイダンス情報(発ガイダンス情報又は着ガイダンス情報)とする(ステップ306)。
【0066】
このような時間の長さ調整を行うことにより、双方のうちの片方で無音状態が発生してしまうことを防止できる。
【0067】
ステップ307において、ガイダンス提供装置30のガイダンス情報送信部33は、着信端末2へ発ガイダンス情報を送信するとともに、発信端末1に着ガイダンス情報を送信する(ステップ308〜311)。
【0068】
そして、ガイダンス提供装置30のガイダンス情報送信部33は、双方のガイダンス情報の送出が終了したことを検知すると、ガイダンス送出終了信号を呼処理装置50及び、呼処理装置40に送信する(ステップ312)。ガイダンス送出終了信号を受信した呼処理装置50は、ステップ20で受信した着信応答を発信側の呼処理装置40に転送する(ステップ313)。これにより、発信端末1と着信端末2との間で呼接続がなされ、通話が開始される(ステップ314)。
【0069】
なお、ガイダンス送出中に、発信端末1又は着信端末2のユーザが、電話を切ったときには、ガイダンス送出は中止され、端末間の呼接続も行われない。
【0070】
(実施の形態の効果)
上記の実施の形態で説明した技術を用いることにより、例えば、企業から一般の顧客に電話をかけて会話を録音する際に、会話が始まる前に顧客にその旨を通知することができる。これにより、プライバシーに関わるトラブル等を防止できる。
【0071】
また、例えば、企業から商品の説明のために顧客に電話をかける際に、「○○会社の○○商品に関する電話」の様な事前説明を行うことが可能となる。これにより、企業において電話をかける担当者は、商品の説明を望まない顧客との会話を回避できるとともに、顧客は、興味のない説明を聞くことを回避できる。
【符号の説明】
【0072】
1 発信端末
2 着信端末10、20 サービス制御装置
30 ガイダンス提供装置
40、50 呼処理装置
100 電話網
11、21 サービス加入状況判定部
12、22 ガイダンス種別判定部
13、23 ガイダンス指示部
14、24 サービス加入情報格納部
15、25 ガイダンス種別判定結果格納部
16、26 ガイダンスID格納部
31 ガイダンス情報取得部
32 ガイダンス長調整部
33 ガイダンス情報送信部
34 ガイダンス情報格納部
35 長さ調整用音情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼処理装置を備える電話網に接続され、当該電話網におけるガイダンスサービスの制御を行うサービス制御装置であって、
前記電話網を利用して通信を行う端末が属するグループの識別情報であるグループIDを格納するグループ識別情報格納手段と、
着信端末に対する発信要求信号を送信した発信端末の発グループIDを取得したときに、前記着信端末に対応する着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されているか否かを判定し、前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていないと判定した場合に、前記着信端末にガイダンスを流すと判定するガイダンス種別判定手段と、
前記ガイダンス種別判定手段による判定結果に基づき、前記呼処理装置に対して指示信号を送信するガイダンス指示手段と
を備えたことを特徴とするサービス制御装置。
【請求項2】
前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていると判定された場合において、
前記ガイダンス種別判定手段は、前記発グループIDと前記着グループIDとが同一か否かを判定し、同一であると判定した場合に、前記発信端末及び前記着信端末のいずれにもガイダンスを流さないと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のサービス制御装置。
【請求項3】
前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていると判定された場合において、
前記ガイダンス種別判定手段は、前記発グループIDと前記着グループIDとが同一か否かを判定し、同一でないと判定した場合に、前記発信端末及び前記着信端末の双方にガイダンスを流すと判定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサービス制御装置。
【請求項4】
前記呼処理装置は、前記発グループIDを含む接続要求信号を発側の呼処理装置から受信し、
前記サービス制御装置は、前記接続要求信号を受信した前記呼処理装置から、前記発グループIDを含むサービス加入情報要求信号を受信することにより、前記発グループIDを取得する
ことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のサービス制御装置。
【請求項5】
呼処理装置を備える電話網に接続され、当該電話網を利用する電話端末にガイダンス情報を送出するガイダンス提供装置であって、
ガイダンスIDとガイダンス情報とを対応付けて格納するガイダンス情報格納手段と、
前記呼処理装置から、発信端末のグループに対応する発ガイダンスIDと、着信端末のグループに対応する着ガイダンスIDとを含むガイダンス指示信号を受信し、前記発ガイダンスIDに対応する発ガイダンス情報と、前記着ガイダンスIDに対応する着ガイダンス情報とを前記ガイダンス情報格納手段から取得するガイダンス情報取得手段と、
前記発ガイダンス情報と前記着ガイダンス情報との間の時間長が異なる場合に、両者の時間長が一致するように、長さ調整を行うガイダンス長調整手段と、
前記発ガイダンス情報を前記着信端末に送信し、前記着ガイダンス情報を前記発信端末に送信するガイダンス情報送信手段と
を備えたことを特徴とするガイダンス提供装置。
【請求項6】
呼処理装置を備える電話網に接続され、当該電話網におけるガイダンスサービスの制御を行うサービス制御装置と、前記電話網に接続され、当該電話網を利用する電話端末にガイダンス情報を送出するガイダンス提供装置とを備えたガイダンス制御システムであって、
前記サービス制御装置は、
前記電話網を利用して通信を行う端末が属するグループの識別情報であるグループIDを格納するグループ識別情報格納手段と、
着信端末に対する発信要求信号を送信した発信端末の発グループIDを取得したときに、前記着信端末に対応する着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されているか否かを判定し、前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていないと判定した場合に、前記着信端末にガイダンスを流すと判定するガイダンス種別判定手段と、
前記ガイダンス種別判定手段による判定結果に基づき、前記呼処理装置に対してガイダンス指示信号を送信するガイダンス指示手段と、を備え、
前記ガイダンス提供装置は、前記呼処理装置から前記ガイダンス指示信号を受信し、当該指示信号に従って、ガイダンス情報送信を行うガイダンス情報送信手段を備える
ことを特徴とするガイダンス制御システム。
【請求項7】
前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていると判定された場合において、前記サービス制御装置の前記ガイダンス種別判定手段は、前記発グループIDと前記着グループIDとが同一か否かを判定し、同一でないと判定した場合に、前記発信端末及び前記着信端末の双方にガイダンスを流すと判定し、
前記ガイダンス提供装置は、
ガイダンスIDとガイダンス情報とを対応付けて格納するガイダンス情報格納手段を備え、
前記呼処理装置から、前記発信端末のグループに対応する発ガイダンスIDと、前記着信端末のグループに対応する着ガイダンスIDとを含むガイダンス指示信号を受信し、前記発ガイダンスIDに対応する発ガイダンス情報と、前記着ガイダンスIDに対応する着ガイダンス情報とを前記ガイダンス情報格納手段から取得し、
前記発ガイダンス情報と前記着ガイダンス情報との間の時間長が異なる場合に、両者の時間長が一致するように、長さ調整を行い、
前記ガイダンス情報送信手段により、前記発ガイダンス情報を前記着信端末に送信し、前記着ガイダンス情報を前記発信端末に送信する
ことを特徴とする請求項6に記載のガイダンス制御システム。
【請求項8】
呼処理装置を備える電話網に接続され、当該電話網におけるガイダンスサービスの制御を行うサービス制御装置が実行するガイダンス制御方法であって、
前記サービス制御装置は、前記電話網を利用して通信を行う端末が属するグループの識別情報であるグループIDを格納するグループ識別情報格納手段を備え、
着信端末に対する発信要求信号を送信した発信端末の発グループIDを取得したときに、前記着信端末に対応する着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されているか否かを判定し、前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていないと判定した場合に、前記着信端末にガイダンスを流すと判定するガイダンス種別判定ステップと、
前記ガイダンス種別判定ステップにおける判定結果に基づき、前記呼処理装置に対して指示信号を送信するガイダンス指示ステップと
を備えたことを特徴とするガイダンス制御方法。
【請求項9】
前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていると判定された場合において、
前記ガイダンス種別判定ステップにおいて、前記サービス制御装置は、前記発グループIDと前記着グループIDとが同一か否かを判定し、同一であると判定した場合に、前記発信端末及び前記着信端末のいずれにもガイダンスを流さないと判定する
ことを特徴とする請求項8に記載のガイダンス制御方法。
【請求項10】
前記着グループIDが、前記グループ識別情報格納手段に格納されていると判定された場合において、
前記ガイダンス種別判定ステップにおいて、前記サービス制御装置は、前記発グループIDと前記着グループIDとが同一か否かを判定し、同一でないと判定した場合に、前記発信端末及び前記着信端末の双方にガイダンスを流すと判定する
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のガイダンス制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−217172(P2011−217172A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84183(P2010−84183)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】