説明

サービス提供システムと、このサービス提供システムで使用されるサーバ装置および携帯通信装置と、これらの装置のためのプログラム

【課題】 利用者が使用する端末装置と、この利用者が所持する携帯通信装置とを利用する新しいサービスを提供可能とする。
【解決手段】 画面作成部111、バーコード作成部112および画面出力部113は、端末装置2を識別する端末識別情報を表すバーコードを端末装置2に送付する。カメラ部33およびバーコードデコード部311が、バーコードから端末識別情報を読み取り、この端末識別情報を認証情報管理部312がサーバ装置1へ送付する。画面作成部111、画面出力部113およびデータ変換部116は、端末識別情報を送付した携帯通信装置3とその送付された端末識別情報により識別される端末装置2とを関係づけて、この関係づけられた携帯通信装置3および端末装置2の双方を利用した、例えば携帯通信装置3に保存されたメイルの内容を端末装置2にて表示させるなどのサービスを利用者に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置に対し、情報閲覧サービスや多者間通信サービスシステムが提供するサービスを提供するサービス提供システムと、このサービス提供システムで使用されるサーバ装置および携帯通信装置と、これらの装置のためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話装置に記憶されたメイル、スケジュール、あるいは写真等のコンテンツの閲覧には、携帯電話装置に内蔵された表示器を使用することが一般的である。しかしながら、携帯電話装置に内蔵された表示器の表示画面は小さいため、この表示画面より大きなコンテンツの閲覧に当たっては、画面スクロールやコンテンツの縮小加工の利用を余儀なくされる。
【0003】
そこで、コンテンツデータを携帯電話装置からパーソナルコンピュータに転送して、より大きな表示画面を持つ表示器でコンテンツを表示することも行われている。しかしながら、携帯電話装置とパーソナルコンピュータとをケーブルで接続した上で、必要に応じて専用ソフトなどを使用しながら、コンテンツデータの転送およびコンテンツの表示を行わなければならず、面倒であった。
【0004】
また、携帯電話にはTV電話機能に用いられている音声および映像を取得する機能がある。携帯電話におけるTV電話では、画面の大きさなどから、携帯電話上で閲覧可能な画像内容としては話し相手一人のものが限界である。また、パーソナルコンピューター上でビデオ会議サービスの様な映像・音声を利用する多者間通信サービスを利用する場合、パーソナルコンピューター以外にカメラ装置、マイク装置等の専用器材を準備する必要があった。
【0005】
特許文献1に開示された会議支援プログラムでは、電話によるビデオ会議への参加方法が示されているが、電話またはIP電話のみを持つ利用者を対象としたものである。
【特許文献1】特開2005−260800
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のように従来は、携帯電話装置のような携帯通信装置に記憶されたコンテンツを携帯通信装置とは異なる装置を利用して大きな画面により閲覧するためには、ケーブルなどのツールと、面倒な作業とが必要であった。
【0007】
またビデオ会議サービスの様な映像・音声を利用する多者間通信サービスでは、会議出席者の識別が可能な比較的大きな画像表示装置と画像・音声取得装置とを準備する必要があるため、携帯電話の表示画面では十分な画像表示サイズを確保できない。これをパーソナルコンピューター上で実現する場合には、画像・音声取得装置を別途準備するか、その機能が組み込まれたパーソナルコンピューターを利用する必要があった。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、利用者が使用する端末装置と、この利用者が所持する携帯通信装置とを利用することにより、例えば携帯通信装置に記憶されたコンテンツをこの携帯通信装置とは異なる端末装置で容易に閲覧することを可能としたり、多者間通信サービスを携帯通信装置を利用しつつ大きな画面による画像確認を可能とするといった新しいサービスを提供可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の目的を達成するために本発明は、サーバ装置により、携帯通信装置を所持するとともに端末装置を使用して前記サーバ装置にアクセスしている利用者に対してサービスを提供するサービス提供システムのおける前記サーバ装置および前記携帯通信装置を、それぞれ次のように構成した。
【0010】
サーバ装置には、前記端末装置を識別可能とする端末識別情報を前記端末装置から前記携帯通信装置に読み取り可能とする読取用情報を前記端末装置に送付する読取用情報送付手段と、
前記端末識別情報を送付した前記携帯通信装置とその送付された端末識別情報により識別される端末装置とを関係づけて、これら関係づけられた前記携帯通信装置および前記端末装置の双方を利用したサービスを前記利用者に提供する提供手段とを備えた。
【0011】
携帯通信装置には、前記端末装置に送付された前記読取用情報から前記端末識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記端末識別情報を前記サーバ装置へ送付する端末識別情報送付手段とを備えた。
【0012】
また前記の目的を達成するために本発明は、携帯通信装置を所持するとともに端末装置を使用する利用者に対してサービスを提供するサーバ装置としてコンピュータを動作させるプログラムを、前記コンピュータを、前記端末装置を識別可能とする端末識別情報を前記端末装置から前記携帯通信装置に読み取り可能とする読取用情報を前記端末装置に送付する読取用情報送付手段と、前記端末識別情報を送付した前記携帯通信装置とその送付された端末識別情報により識別される端末装置とを関係づけて、これら関係づけられた前記携帯通信装置および前記端末装置の双方を利用したサービスを前記利用者に提供する提供手段として機能させるように構成した。
【0013】
また、前記のサーバ装置により、端末装置を使用して前記サーバ装置にアクセスしている利用者に対してサービスを提供するサービス提供システムで前記利用者に所持された使用される携帯通信装置の動作を制御するコンピュータ用のプログラムを、前記コンピュータを、前記端末装置に送付された前記読取用情報から前記端末識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記端末識別情報を前記サーバ装置へ送付する端末識別情報送付手段として機能させるように構成した。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者が使用する端末装置と、この利用者が所持する携帯通信装置とを利用する新しいサービスを提供可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るユーザー認証システムが適用されたサービス提供システムの概略構成を示すブロック図である。
【0017】
この第1の実施形態に係るサービス提供システムは、サーバ装置1、端末装置2および携帯通信装置3を含む。これらサーバ装置1、端末装置2および携帯通信装置3は、コンピュータネットワーク4および移動通信網5を介して適宜に通信できる。コンピュータネットワーク4は、コンピュータどうしの通信を可能とするネットワークであれば如何なるものでも良いが、代表的にはインターネットである。移動通信網5は、携帯通信装置3の通信を可能とする通信網であれば如何なるものでも良いが、代表的にはPDC(personal digital cellular)網やCDMA(code-division multiple access)網である。なお、サーバ装置1、端末装置2および携帯通信装置3はそれぞれ、このサービス提供システムに複数が含まれ得る。
【0018】
サーバ装置1は、利用者に対して端末装置2を介したサービス提供を行う。サーバ装置1は、例えば汎用のサーバ装置を基本ハードウェアとして利用することができ、CPU11、記憶部12、時計部13および通信処理部14を含む。そしてCPU11は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、周知のウェブサーバが備える周知の機能などを実現するための制御を行う。またCPU11は、サービス提供用のプログラムを実行することにより、後述するサービス提供を行う。ここでサービス提供用のプログラムは、記憶部12に予めインストールされても良いし、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して配布されたものが記憶部12に適宜にインストールされても良い。記憶部12は、上記のプログラムの他に、各種の情報を記憶する。記憶部12としては、上記の汎用のサーバ装置に内蔵されたメモリやハードディスク装置などの記憶デバイス、上記の汎用のサーバ装置に外付けされたメモリやハードディスク装置などの記憶デバイス、さらには磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスクなどのようなリムーバブルな記録媒体などを適宜利用することができる。時計部13は、常時計時を行っており、現在日時を表す時刻情報を出力する。通信処理部14は、コンピュータネットワーク4を介したデータ通信のための処理を行う。
【0019】
端末装置2は、ブラウザ21および表示部22を含む。ブラウザ21は、コンピュータネットワーク4を介して提供される情報を閲覧するための処理を行う。表示部22は、ブラウザ21により作成された画面を表示する。この端末装置2は、典型的にはパーソナルコンピュータである。しかし、携帯通信装置やPDA(personal digital assistant)など、ブラウジング機能を備えた様々な装置が適用され得る。
【0020】
携帯通信装置3は、CPU31、記憶部32、カメラ部33、通信処理部34、表示部35および操作部36を含む。CPU31は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、周知の携帯通信装置が備える各種の周知の機能を実現するための制御を行う。またCPU31は、記憶部32に記憶されたサービス補助用のプログラムを実行することにより、サーバ装置1によるサービス提供を補助する。サービス補助用のプログラムは、予め記憶部32にインストールされていても良いし、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して配布されるものが記憶部32に適宜にインストールされても良い。記憶部32は、上記のプログラムの他に、各種の情報を記憶する。カメラ部33は、被写体を撮影して画像データを出力する。通信処理部34は、移動通信網5との無線通信や、移動通信網5を介したデータ通信のための処理を行う。表示部35は、利用者に提示するべき各種の情報をCPU31の制御の下に表示する。操作部36は、利用者による各種の指示を入力する。この携帯通信装置3は、典型的にはインターネット通信機能を備えた携帯電話装置である。しかし、PDA(personal digital assistant)など、インターネット通信機能を備えた様々な装置が適用され得る。
【0021】
図2は図1に示される各装置がユーザー認証のために備える機能部と、それらの機能部の連携の様子を示したブロック図である。なお、図2において図1と同一部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0022】
サーバ装置1においてCPU11は、図2に示す画面作成部111、バーコード作成部112、画面出力部113、認証処理部114および認証結果管理部115として動作する。また記憶部12の記憶領域の一部は、図2に示す認証情報管理データベース(認証情報管理DB)121および認証結果管理データベース(認証結果管理DB)122として使用される。
【0023】
認証情報管理データベース121は、サーバ装置1が提供するサービスのそれぞれについて、そのサービスを利用する権限を持った利用者の認証情報を記憶している。認証結果管理データベース122は、成功した認証に係わる情報を記憶する。
【0024】
画面作成部111は、端末装置2において表示させる画面を表す画面情報を作成する。この画面情報には、後述するポータルサイト画面情報やメイル表示画面情報を含む。画面作成部111は、端末識別情報およびサービス識別情報をバーコード作成部112へ出力する。バーコード作成部112は、画面作成部111から出力された端末識別情報およびサービス識別情報を受けたことに応じて、これらの情報と、認証情報管理データベース421に記憶された情報と、時計部13が出力する時刻情報とを利用して後述する接続情報を生成し、この接続情報を表すバーコードを作成する。バーコード作成部112は、作成したバーコードを画面作成部111に送信する。画面作成部111は、バーコードをポータルサイト画面情報が表すポータルサイト画面に含める。画面作成部111は、メイル表示画面情報を作成するに当たり、メイル操作要求、端末識別情報、携帯通信装置識別情報および端末種別情報をデータ変換部116へ送る。画面出力部113は、画面情報を端末装置2へ出力する。
【0025】
認証処理部114は、携帯通信装置3から送信される情報と、認証情報管理データベース121に記憶された情報と、時計部13が出力する時刻情報とを利用してユーザー認証を行う。認証結果管理部115は、認証処理部114での認証結果を画面作成部111へ送る。また認証結果管理部115は、認証処理部114での認証結果に基づいて、認証結果管理データベース122を更新する。
【0026】
データ変換部116は、画面作成部111からのメイル操作要求を携帯通信装置3に送る。データ変換部116は、メイル操作要求に応じて携帯通信装置3から送られるメイルデータを、画面作成部111から送られる各種情報に基づいて、携帯通信装置3から送られたメイルデータを必要に応じて変換する。データ変換部116は、携帯通信装置3から送られたメイルデータあるいは変換後のメイルデータをメイル操作結果として端末識別情報とともに画面作成部111に送る。
【0027】
携帯通信装置3においてCPU31は、図2に示すバーコードデコード部311、認証情報管理部312およびメイル操作部313として動作する。また記憶部32の記憶領域の一部は、図2に示す認証情報記憶部321およびメイル記憶部322として使用される。
【0028】
認証情報記憶部321は、サービス識別子に対応付けて認証情報を記憶する。サービス識別子は、サーバ装置1が提供するサービスを識別するための識別情報である。認証情報は、サービスの利用権限を認証するために利用者により管理される情報である。認証情報記憶部321は、サービス識別子および認証情報を複数組記憶することができる。認証情報記憶部321によって記憶されるサービス識別子および認証情報は、携帯通信装置3の使用者によって登録され、また任意に編集が可能である。メイル記憶部322は、携帯通信装置3が備えるメイル通信機能により送受信されるメイルデータを記憶する。
【0029】
バーコードデコード部311は、バーコードを撮影するためにカメラ部33を制御するとともに、カメラ部33で得られた画像データからバーコードが表す情報をデコードする。認証情報管理部312は、バーコードデコード部311でデコードされた情報と、この情報に基づいて認証情報記憶部321から読み出した認証情報とをサーバ装置1に送信する。メイル操作部313は、サーバ装置1からのメイル操作要求に応じて、メイル記憶部322に記憶されているメイルデータをサーバ装置1へ送る。
【0030】
次に以上のように構成されたサービス提供システムの動作について説明する。
【0031】
このサービス提供システムでは、携帯通信装置3に保存されたメイルの一覧を端末装置2にて利用者が確認できるようにするとともに、一覧から選んだ任意のメイルの本文を端末装置2にて利用者が閲覧できるようにするサービスを提供する。
【0032】
図3はメイル一覧を端末装置2にて表示させるまでの各装置の処理手順と各装置間での情報の伝送タイミングとを示す図である。
【0033】
利用者が、その利用者が所有する携帯通信装置3に保存されたメイルデータを端末装置2にて閲覧しようとする場合、利用者はステップSa1において、端末装置2のブラウザ21を起動するための操作をし、サーバ装置1が提供するポータルサイトのアドレスへのアクセスを要求する。端末装置2は、これに応じてステップSc1においてブラウザ21を起動する。ステップSc2において端末装置2は、ポータルサイトアクセスを行う。すなわち、ブラウザ21が、サーバ装置1が提供するポータルサイトへコンピュータネットワーク4を介してアクセスする。
【0034】
サーバ装置1では、端末装置2からのアクセスを受けると、ステップSd1において画面作成部111が、ポータルサイト画面の作成を開始する。そしてステップSd2において画面作成部111は、端末装置2との接続を識別するための例えばセッションキーを生成し、それを端末装置2に関する端末識別情報としてサービス内容を示すサービス識別子とともに、バーコード作成の要求のためにバーコード作成部112へ送る。ただし、端末識別情報は、端末装置2を識別できる情報であれば良く、直通専用線の回線番号等を使用しても良い。また、端末識別情報は直通専用線の回線番号等のセッションキー以外の端末を識別出来る情報であってもよい。サービス識別子は、ポータルサイトのアドレスと紐付けられたものとして画面作成部111で管理してもよいし、複数提示した中から利用者に選ばせたものでもよい。ここでは、ポータルサイトのアドレスに紐付けられたサービス識別子が予め決められているものとする。
【0035】
ステップSd3においてバーコード作成部112は、バーコード作成の要求毎に固有な要求ID番号を生成する。
【0036】
ステップSd4においてバーコード作成部112は、2次元バーコードを作成する。すなわちバーコード作成部112は、画面作成部111から送られたサービス識別子を含んだサービス情報を認証情報管理データベース121から読み出す。なお、認証情報管理データベース121には、サービスのそれぞれに関して、図4に示すようにサービス属性情報および利用者情報が記憶されている。サービス属性情報には、例えばサービス識別子、サービス表記名、あるいは認証用サーバーアドレス(URL)などを含むサービス情報と、有効期間情報とが含まれる。利用者情報には、当該サービスの利用権限を持った利用者に関する認証情報が複数含まれる。認証情報の内容は任意であって良いが、典型的には図4に示すようにユーザー名とパスワードとを含む。サービス属性情報には、その他に多重認証の可否などの認証判定条件を含めても良い。続いてバーコード作成部112は、時計部13が出力する時刻情報を発行時刻情報として取得する。そしてバーコード作成部112は、上記の端末識別情報、サービス識別子、サービス情報、発行時刻情報および要求ID番号を含んだ接続情報を生成し、この接続情報を表したバーコードを生成する。バーコードは、如何なる方式のものであっても良いが、典型的にはQRコード(登録商標)などの2次元バーコードである。バーコードが表す接続情報は、暗号化されてもよいし平文でもよい。バーコード作成部112は、作成したバーコードを画面作成部111に送る。
【0037】
ステップSd5においてサーバ装置1は、ポータルサイト画面の作成処理を行う。すなわち、まず画面作成部111が、バーコード作成部112により作成されたバーコードを含んだポータルサイト画面を表すポータルサイト画面情報を作成する。図5はポータルサイト画面の一例を示す図であり、図示のようにバーコードBCが配置されている。そして画面出力部113は、このポータルサイト画面情報を端末装置2へ送信する。
【0038】
端末装置2ではステップSc3において、ポータルサイト画面情報をブラウザ21が処理することにより、ポータルサイト画面が表示部22に表示される。
【0039】
そこで利用者は、ステップSa2において携帯通信装置3のサービス用のプログラムに基づくアプリケーションを起動する操作をした上で、ステップSa3において、表示部22に表示されているポータルサイト画面に含まれたバーコードをカメラ部33により読み取らせるための操作をする。
【0040】
さて、上記の起動操作に応じて、ステップSb1において携帯通信装置3は、サービス提供用のプログラムに基づくアプリケーションを起動する。そうするとステップSb2においてバーコードデコード部311は、読取操作に応じてカメラ部33により撮影され画像からバーコードを読み取る。すなわちバーコードデコード部311は、カメラ部33から出力される画像データからバーコードを抽出し、さらにこのバーコードをデコードして接続情報を得る。接続情報は、バーコードデコード部311から認証情報管理部312に送られる。
【0041】
ステップSb3において認証情報管理部312は、接続情報に含まれるサービス識別子に対応付けられた認証情報を認証情報記憶部321から読み出し、この認証情報の内容を反映した利用者確認画面を表示部35に表示させる。図6は利用者確認画面の一例を示す図である。この利用者確認画面には、携帯通信装置3の認証番号用の入力ボックスおよび送信ボタンが用意されている。そして認証情報管理部312は、入力ボックスに入力された暗証番号を取得したのち、送信ボタンが押下されるのを待ち受ける。そして送信ボタンが押下されたならば、取得した認証番号に基づいて利用者を認証する。なお、この認証番号は携帯通信装置3に1つのみが登録されているものであって、サービスの認証のための認証情報とは無関係である。なお、ここでの利用者の認証には、カメラ部33を用いた顔などによる生体認証を行うようにしても良い。あるいは、携帯通信装置3が指紋センサやマイクロホンなどの他の生体情報センサを備えるならば、指紋や音声などによる他の生体情報に基づく生体認証を行うことも可能である。上記の認証に成功したならば、認証情報管理部312はステップSb3からステップSb4へ進む。認証に失敗したならば、CPU31はステップSc11からステップSc12へ進む。ステップSc12においてCPU31は、認証番号が正しく入力されていないことを示すエラー画面を表示部35に表示させる。
【0042】
ステップSb4において認証情報管理部312は、上記の読み出した認証情報と、バーコードからデコードした接続情報と、携帯通信装置3固有の携帯装置識別子とをサーバ装置1へ送信する。なお認証情報管理部312は、接続情報に含まれたサーバアドレスを利用してサーバ装置1にアクセスすることができる。サーバ装置1へのアクセスは、携帯通信装置3に予め登録されたアドレスを利用して行うようにしても良い。なお、前述の生体認証を行う場合には、そのために取得した生態情報を認証情報管理部312がサーバ装置1に送信し、サーバ装置1にて履歴情報として使用しても良い。また、携帯通信装置3とサーバ装置1との間の通信は、必要に応じてSSL(secure sockets layer)等により暗号化し保護してもよい。また携帯装置識別子としては、携帯通信装置3の固有識別情報、携帯通信装置3に割り当てられた電話番号、あるいは携帯通信装置3に装着されたSIM(subscriber identity module)カードに記憶されたID情報などが適用できる。
【0043】
サーバ装置1では、ステップSd6において認証処理部114が、上記のように携帯通信装置3から送信された認証情報、接続情報および携帯装置識別子を受信する。そしてステップSd7においてサーバ装置1は、利用者認証処理を行う。すなわち、まず認証処理部114は、接続情報の有効期限を判定する。具体的には認証処理部114は、接続情報に含まれるサービス識別子を含んだサービス属性情報を認証情報管理データベース121から検索し、このサービス属性情報に含まれる有効期間情報を読み出す。そしてこの有効期間情報が表す有効期間と、接続情報中の発行時刻情報が表す発行時刻とに基づいて、当該接続情報の有効期限を判定する。認証処理部114は、時計部13が出力する時刻情報が表す現在時刻が有効期限内であるならば、認証情報が、接続情報に含まれるサービス識別子を含んだサービス属性情報と組をなす利用者情報中に含まれているか否かを検索することによって認証判定を行う。そして認証処理部114は、この認証判定の結果を表す結果情報を、端末識別情報および携帯装置識別子とともに認証結果管理部115へ送る。そうすると認証結果管理部115は、結果情報が認証成功を示すならば、多重認証であるか否かを確認する。具体的には認証結果管理部115は、接続情報に含まれる発行ID番号を認証結果管理データベース422から検索し、同じ発行ID番号が認証結果管理データベース422中の見つかった場合には多重認証であると判定する。認証結果管理部115は、多重認証であると判定した場合には、結果情報を認証失敗を示すように更新する。認証結果管理部115は、多重認証であると判定した場合には上記の更新後の結果情報を、そうでない場合には認証処理部114から送られた結果情報を、端末識別情報および携帯装置識別子とともに画面作成部111に送る。こののちに認証結果管理部115は、今回の認証に関する新しいデータレコードを認証結果管理データベース122に登録する。図7は認証結果管理データベース122に記憶される1つの認証に関するデータレコードの構成を示す図である。この図7から分かるように、認証結果管理データベース122には、成功した認証のそれぞれに関して、記録時間、発行ID番号、サービス識別子およびユーザー名を記述したデータレコードが記憶される。データレコードには、多重認証などの異常が発生した場合に原因を究明するための情報として携帯装置識別子等を含めてもよい。
【0044】
サーバ装置1は、結果情報が認証失敗を表す場合には、その旨を利用者に報知するためのエラー画面を端末装置2に送るなどのエラー処理を画面作成部111および画面出力部113により行う。これに対して結果情報が認証成功を表す場合には、ステップSd8においてサーバ装置1は、メイル一覧要求の送信処理を行う。すなわち画面作成部111が、メイル一覧の送信を要求することを示すメイル操作要求を、認証結果管理部115から送られた端末識別情報および携帯装置識別子と、端末種別情報とともにデータ変換部116へ送る。端末種別情報は、端末装置2から通知されるものであって、ブラウザ21のバージョン情報などのように端末装置2での表示能力を表す情報を含む。表示能力とは、例えば画面サイズ、表示可能文字数、表示可能色数、あるいは表示可能コンテンツ種別である。このメイル操作要求、端末識別情報、携帯装置識別子および端末種別情報は、データ変換部116にて一時的に保持されるとともに、メイル操作要求はデータ変換部116から携帯通信装置3へ転送される。このときにデータ変換部116は、メイル一覧要求とともに送られてきた携帯装置識別子を用いて該当携帯通信装置3を識別し、その携帯通信装置3と通信を行う。
【0045】
ステップSb5においてメイル操作部313は、上記のメイル操作要求を受信する。ステップSb6においてメイル操作部313は、メイル記憶部322に記憶されたメイルデータの一覧を取得する。ステップSb7においてメイル操作部313は、メイル一覧をサーバ装置1へ送信する。
【0046】
ステップSd9においてサーバ装置1は、メイル一覧の受信処理を行う。すなわち、まずデータ変換部116は、上記のように携帯通信装置3から送信されたメイル一覧を受信する。そしてデータ変換部116は、保持しているメイル操作要求に含まれた端末種別情報に基づいて、受信したメイル一覧が端末装置2で表示可能であるか否かを確認し、表示不可能であるならば表示可能なようにデータ変換する。このデータ変換は、例えば文字種変換や文字コード変換である。そしてデータ変換部116は、受信したメイル一覧または変換後のメイル一覧を含んだメイル操作結果を、メイル操作要求とともに送られた端末識別情報とともに画面作成部111に送る。
【0047】
ステップSd10においてサーバ装置1は、メイル一覧画面の作成処理を行う。すなわち、まず画面作成部111は、メイル操作結果として送られてきたメイル一覧を表す例えば図8に示すようなメイル一覧画面を作成し、これを表す情報をメイル表示画面情報として出力する。そして画面出力部113は、メイル操作結果とともに送られた端末識別情報を用いて識別される端末装置2へとメイル表示画面情報を送信する。
【0048】
ステップSc4において端末装置2は、メイル一覧画面の表示処理を行う。すなわち、ブラウザ21が、上記のようにサーバ装置1から送られたメイル表示画面情報に基づいて、メイル一覧画面を表示部22に表示させる。これにより利用者は、携帯通信装置3に保存されている保存されているメイルの一覧を端末装置2にて確認することができる。
【0049】
図9はメイル一覧に基づいて利用者が選択したメイルの本文を端末装置2にて表示させるまでの各装置の処理手順と各装置間での情報の伝送タイミングとを示す図である。
【0050】
表示部22に表示されたメイル一覧画面によりメイルの一覧を確認した利用者は、本文を閲覧したいメイルを選択し、そのメイルの本文表示を要求する操作をステップSe1にて行う。この操作に応じて、ステップSg1においてブラウザ21が、メイル本文表示要求をサーバ装置1に送信する。
【0051】
ステップSh1において画面作成部111は、上記のメイル本文表示要求を受信する。ステップSh2において画面作成部111は、メイル本文表示要求を送信した端末装置2の端末識別情報に基づいて携帯装置識別子を取得する。すなわち、画面作成部111は、認証結果管理部115から結果情報とともに送られた端末識別情報と携帯装置識別子とを互いに関連付けて管理しておき、ここではメイル本文表示要求を送信した端末装置2の端末識別情報に関連付けた携帯装置識別子を取得する。そしてステップSh3においてサーバ装置1は、メイル本文要求の送信処理を行う。すなわち、まず画面作成部111が、特定のメイルの本文の送信を要求することを示すメイル操作要求を、メイル本文表示要求を送信した端末装置2の端末識別情報および端末種別情報と、ステップSh2で取得した携帯装置識別子とともにデータ変換部116へ送る。このメイル操作要求、端末識別情報、携帯装置識別子および端末種別情報は、データ変換部116にて一時的に保持されるとともに、メイル操作要求はデータ変換部116から携帯通信装置3へ転送される。このときにデータ変換部116は、メイル操作要求とともに送られてきた携帯装置識別子を用いて該当携帯通信装置3を識別し、その携帯通信装置3と通信を行う。
【0052】
ステップSf1においてメイル操作部313は、上記のメイル操作要求を受信する。ステップSf2においてメイル操作部313は、メイル操作要求に示されたメイルの本文に関するメイルデータをメイル記憶部322から取得する。ステップSf3においてメイル操作部313は、上記の取得したメイルデータをサーバ装置1へ送信する。
【0053】
ステップSh4においてサーバ装置1は、メイル本文の受信処理を行う。すなわち、まずデータ変換部116は、上記のように携帯通信装置3から送信されたメイルデータを受信する。そしてデータ変換部116は、保持しているメイル操作要求に含まれた端末種別情報に基づいて、受信したメイルデータが端末装置2で表示可能であるか否かを確認し、表示不可能であるならば表示可能なようにデータ変換する。このデータ変換は、例えば文字種変換や文字コード変換である。そしてデータ変換部116は、受信したメイルデータまたは変換後のメイルデータを含んだメイル操作結果を、メイル操作要求とともに送られた端末識別情報とともに画面作成部111に送る。
【0054】
ステップSh5においてサーバ装置1は、メイル本文画面の作成処理を行う。すなわち、まず画面作成部111は、メイル操作結果として送られてきたメイルデータが表すメイルの本文を表すメイル本文画面を作成し、これを表す情報をメイル表示画面情報として出力する。そして画面出力部113が、メイル操作結果とともに送られた端末識別情報を用いて識別される端末装置2へとメイル表示画面情報を送信する。
【0055】
ステップSg2において端末装置2は、メイル本文画面の表示処理を行う。すなわち、ブラウザ21が、上記のようにサーバ装置1から送られたメイル表示画面情報に基づいて、メイル本文画面を表示部22に表示させる。
【0056】
かくして第1の実施形態によれば、利用者は、携帯通信装置3に保存されている保存されているメイルの内容を端末装置2にて閲覧することができる。端末装置2はコンピュータネットワーク4を介して、また携帯通信装置3はコンピュータネットワーク4および移動通信網5を介してサーバ装置1と通信できれば良く、端末装置2と携帯通信装置3とをケーブルなどにより接続する必要が無いから、ケーブルなどのツールも接続作業も不要である。
【0057】
また第1の実施形態によれば、端末装置2で表示されたバーコードを携帯通信装置3で撮影すれば、端末装置2と携帯通信装置3との関連付けを行うことができる。また、携帯通信装置3により端末装置2で表示されたバーコードを撮影できなければ、この携帯通信装置3に保存されたメイルデータを端末装置2で閲覧することはできないから、携帯通信装置3の所持者と異なる第3者が無断でメイルデータを閲覧することはできない。
【0058】
さらに、端末装置2はブラウジング機能を有していれば良いから、パーソナルコンピュータのみならず、インターネット対応デジタルテレビ装置などの多様な装置を利用できる。
【0059】
また第1の実施形態によれば、携帯通信装置3への接続情報の入力をバーコードによって行っているため、端末装置2はバーコードを表示できる表示部22を持っていれば良い。携帯通信装置3についても、カメラ機能を持った携帯電話装置などを利用することができる。このように、カードリーダや近接無線装置といった専用デバイスを必要とせず、簡易な構成によりシステムを実現することができる。
【0060】
(第2の実施形態)
図10は第2の実施形態に係るユーザー認証システムが適用されたサービス提供システムの概略構成を示すブロック図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0061】
この第2の実施形態に係るサービス提供システムは、複数の端末装置2、サーバ装置6および複数の携帯通信装置7を含む。これら端末装置2、サーバ装置6および携帯通信装置7は、第1の実施形態におけるサーバ装置1、端末装置2および携帯通信装置3と同様にコンピュータネットワーク4および移動通信網5を介して適宜に通信できる。サーバ装置6はさらに、任意の通信網や専用通信回線などを介してビデオ会議システム8と通信できる。ビデオ会議システム8は、ビデオ会議端末9やサーバ装置6と、ビデオ会議データを通信する。なお図10では、コンピュータネットワーク4および移動通信網5は図示を省略している。
【0062】
サーバ装置6は、図1に示したサーバ装置1の構成と同様な構成を備える。携帯通信装置7は、図1に示した携帯通信装置3の構成と同様な構成を備える。
【0063】
図11は図10に示される各装置がユーザー認証のために備える機能部と、それらの機能部の連携の様子を示したブロック図である。なお、図11において図2と同一部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0064】
サーバ装置6におけるCPUは、図11に示すバーコード作成部112、画面出力部113、認証処理部114、認証結果管理部115、画面作成部611およびデータ変換部612として動作する。またサーバ装置6における記憶部の記憶領域の一部は、図11に示す認証情報管理データベース(認証情報管理DB)121および認証結果管理データベース(認証結果管理DB)122として使用される。すなわちサーバ装置6は、サーバ装置1における画面作成部111およびデータ変換部116に代えて、画面作成部611およびデータ変換部612を備える。
【0065】
画面作成部611は、端末装置2において表示させる画面を表す画面情報を作成する。この画面情報には、後述するポータルサイト画面情報やビデオ会議画面情報を含む。画面作成部611は、端末識別情報およびサービス識別情報をバーコード作成部112へ出力する。画面作成部611は、バーコード作成部112によって作成されるバーコードをポータルサイト画面情報が表すポータルサイト画面に含める。画面作成部611は、データ変換部612から送られるビデオ会議データに基づいてビデオ会議画面を作成する。
【0066】
データ変換部612は、携帯通信装置7から送られる映像データをビデオ会議システム8に準拠した形式の伝送データに変換するとともに、ある利用者に関するものとしてビデオ会議システム8に送信する。データ変換部612は、ビデオ会議システム8から送られるある利用者宛のビデオ会議データを、当該利用者が利用する端末装置2に適する形式に必要に応じて変換するとともに、無変換のビデオ会議データまたは変換後のビデオ会議データを画面作成部611に送る。
【0067】
携帯通信装置7におけるCPUは、図11に示すバーコードデコード部311、認証情報管理部312およびカメラ操作部711として動作する。また携帯通信装置7における記憶部の記憶領域の一部は、図11に示す認証情報記憶部321として使用される。すなわち携帯通信装置7は、携帯通信装置3におけるメイル操作部313に代えてカメラ操作部711を備える。
【0068】
カメラ操作部711は、サーバ装置1から送信されるカメラ操作要求に応じてカメラ部33を操作する。
【0069】
次に以上のように構成されたサービス提供システムの動作について説明する。
【0070】
利用者の認証や、端末装置2と携帯通信装置7との関連付けについては、第1の実施形態と同様にして行われる。そしてサーバ装置6は、端末装置2に関連付けられた携帯通信装置7から出力された映像データは、その関連付けられた端末装置2の利用者に関するものとしてデータ変換部612がビデオ会議システム8に送信する。なお携帯通信装置7は、カメラ部33が出力する画像データをカメラ操作部711がサーバ装置6へ送信する。端末装置2にて利用者がカメラ部33の操作を要求する操作を行った場合には、その要求を表すビデオ会議処理命令が、その要求を送信した端末装置2に関する端末識別情報およびこの端末装置2に関連付けられた携帯通信装置7に関する携帯装置識別子とともに、画面作成部611からデータ変換部612に送られる。データ変換部612は、ビデオ会議処理命令がカメラ操作に関する要求を表すならば、携帯通信装置7へカメラ操作要求を送信する。このカメラ操作要求に応じてカメラ操作部711は、カメラ部33を操作する。
【0071】
ビデオ会議システム8からある利用者に関するビデオ会議データが送られてきたならば、このビデオ会議データがデータ変換部612で受信される。データ変換部612は、このビデオ会議データを、このビデオ会議データが対応する利用者が利用している端末装置2に関する端末識別情報とともに画面作成部611に送る。画面作成部611は、ビデオ会議データに応じて、例えば図12に示すようなビデオ会議画面を作成し、このビデオ会議画面を表すビデオ会議画面データを端末識別情報とともに画面出力部113に送る。画面出力部113は、端末識別情報で識別される端末装置2と通信し、ビデオ会議画面データを送信する。
【0072】
なお、説明の簡略化のために省略したが、音声データについても映像データと同様に処理される。
【0073】
かくして第2の実施形態によれば、利用者は、携帯通信装置7を映像や音声の入力ツールとして、かつ端末装置2を映像や音声の出力ツールとしてそれぞれ使用してテレビ会議を行うことが可能となる。従って、テレビ会議用の専用端末を用意する必要が無い。
【0074】
なお、携帯通信装置7が内蔵する表示器を利用してテレビ会議を行うことが可能なサービスは既に実現されている。しかしながら、図12に示すような多数の相手に関する映像を並べたビデオ会議画面を携帯通信装置7に内蔵される小さな表示器に表示すると、非常に見づらくなってしまう。これに対して第2の実施形態によれば、端末装置2の大きな画面を持った表示部22を利用できるので、図12に示すようなビデオ会議画面を見やすく表示することができる。なお、端末装置2はブラウジング機能を有していれば良いから、パーソナルコンピュータのみならず、インターネット対応デジタルテレビ装置などの多様な装置を利用できる。
【0075】
また第2の実施形態によれば、端末装置2で表示されたバーコードを携帯通信装置3で撮影すれば、端末装置2と携帯通信装置3との関連付けを行うことができる。
【0076】
また第2の実施形態によれば、携帯通信装置7への接続情報の入力をバーコードによって行っているため、端末装置2はバーコードを表示できる表示部22を持っていれば良い。携帯通信装置7についても、カメラ機能を持った携帯電話装置などを利用することができる。このように、カードリーダや近接無線装置といった専用デバイスを必要とせず、簡易な構成によりシステムを実現することができる。
【0077】
なお、第2の実施形態におけるデータ変換部612は、ビデオ会議システム8との一対一の入出力を行うものであり、特許文献1のように複数コンピュータ向け配信を行うものではない。更に、特許文献1の実施例ではSIP(session initiation protocol)対応のIP電話およびPCクライアントに搭載したプログラムを前提に中継器となるPCクライアントとの相互通信の方法を示しており、SIP非対応の携帯通信装置には適用が困難であるが、第2の実施形態によれば、SIP非対応の携帯通信装置を利用したサービス提供が可能である。
【0078】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0079】
サーバ装置1,6が提供するようなサービスには限らず、関連付けられる端末装置と携帯通信装置とを利用したサービスであれば、如何なるサービスの提供にも本発明の適用が可能である。
【0080】
接続情報は、赤外線通信やBluetooth(登録商標)などのような汎用のワイヤレス通信インタフェースを介して端末装置2から携帯通信装置3が読み取るようにしても良い。
【0081】
バーコードは、サーバ装置1が作成しても良い。
【0082】
接続情報には、発行時刻情報に代えて有効期限情報を含めるようにし、サーバ装置1,6では、この有効期限情報が表す有効期限内であるか否かを確認することとしても良い。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るユーザー認証システムが適用されたサービス提供システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】図1に示される各装置がユーザー認証のために備える機能部と、それらの機能部の連携の様子を示したブロック図。
【図3】メイル一覧を図2中の端末装置2にて表示させるまでの各装置の処理手順と各装置間での情報の伝送タイミングとを示す図。
【図4】図2中の認証情報管理データベース121に記憶されるサービス属性情報および利用者情報の構成を示す図。
【図5】ポータルサイト画面の一例を示す図。
【図6】利用者確認画面の一例を示す図。
【図7】図2中の認証結果管理データベース122に記憶される1つの認証に関するデータレコードの構成を示す図。
【図8】メイル一覧画面の一例を示す図。
【図9】メイル一覧に基づいて利用者が選択したメイルの本文を図2中の端末装置2にて表示させるまでの各装置の処理手順と各装置間での情報の伝送タイミングとを示す図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るユーザー認証システムが適用されたサービス提供システムの概略構成を示すブロック図。
【図11】図10に示される各装置がユーザー認証のために備える機能部と、それらの機能部の連携の様子を示したブロック図。
【図12】ビデオ会議画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0085】
1,6…サーバ装置、2…端末装置、3,7…携帯通信装置、4…コンピュータネットワーク、5…移動通信網、8…ビデオ会議システム、9…ビデオ会議端末、11,31…CPU、12,32…記憶部、14,34…通信処理部、21…ブラウザ、22…表示部、33…カメラ部、35…表示部、36…操作部、111…画面作成部、112…バーコード作成部、113…画面出力部、114…認証処理部、115…認証結果管理部、116…データ変換部、121…認証情報管理データベース、122…認証結果管理データベース、311…バーコードデコード部、312…認証情報管理部、313…メイル操作部、321…認証情報記憶部、322…メイル記憶部、421…認証情報管理データベース、422…認証結果管理データベース、611…画面作成部、612…データ変換部、711…カメラ操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置により、携帯通信装置を所持するとともに端末装置を使用して前記サーバ装置にアクセスしている利用者に対してサービスを提供するサービス提供システムであって、
前記サーバ装置に設けられ、前記端末装置を識別する端末識別情報を前記端末装置から前記携帯通信装置に読み取り可能とする読取用情報を前記端末装置に送付する読取用情報送付手段と、
前記携帯通信装置に設けられ、前記端末装置に送付された前記読取用情報から前記端末識別情報を読み取る読取手段と、
前記携帯通信装置に設けられ、前記読取手段により読み取られた前記端末識別情報を前記サーバ装置へ送付する端末識別情報送付手段と、
前記サーバ装置に設けられ、前記端末識別情報を送付した前記携帯通信装置とその送付された端末識別情報により識別される端末装置とを関係づけて、これら関係づけられた前記携帯通信装置および前記端末装置の双方を利用したサービスを前記利用者に提供する提供手段とを具備することを特徴とするサービス提供システム。
【請求項2】
前記携帯通信装置に設けられ、コンテンツデータを記憶する記憶手段と、
前記携帯通信装置に設けられ、前記サーバ装置からの要求に応じて前記サーバ装置へ前記コンテンツデータを送信するコンテンツ送信手段とをさらに具備し、
かつ前記提供手段は、前記携帯通信装置に対してコンテンツデータの送信を要求するとともに、これに応じて前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置へ転送することを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記提供手段は、前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置におけるコンテンツ表示能力に応じて変換する変換手段をさらに備え、
前記コンテンツ転送手段は、前記変換手段により変換されたコンテンツデータを転送することを特徴とする請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
多者間通信サービスシステムが提供するサービスを前記多者間通信サービスシステムに接続されていない端末装置にて利用可能とするものであって、
前記携帯通信装置に設けられ、前記多者間通信サービスシステムを介して伝送するコンテンツデータを前記サーバ装置へ送信するコンテンツ送信手段をさらに備え、
かつ前記提供手段は、前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置に関するコンテンツデータとして前記多者間通信サービスシステムへ転送するとともに、前記多者間通信サービスシステムから送出されたコンテンツデータを前記端末装置に転送することを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記端末識別情報として、前記サーバ装置と前記端末装置とのセッションを識別するセッション識別情報を使用することを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記読取用情報は、前記サーバ装置のアドレスを表すアドレス情報を含み、
前記読取手段は、前記端末装置に送付された前記読取用情報から前記アドレス情報を読み取り、
前記端末識別情報送付手段は、読み取られた前記アドレス情報が表すアドレスを使用して前記端末識別情報を前記サーバ装置へ送付することを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記携帯通信装置に設けられ、使用者を認証する手段をさらに備え、
前記端末識別情報送付手段は、前記使用者の認証に成功した場合に限って前記端末識別情報を前記サーバ装置に送付することを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
前記読取用情報の経時的な有効性を判断するための時間情報を前記読取用情報に含み、
前記読取手段は、前記端末装置に送付された前記読取用情報から前記時間情報を読み取り、
前記端末識別情報送付手段は、読み取られた前記時間情報を前記端末識別情報とともに前記サーバ装置へ送付し、
さらに前記サーバ装置に設けられ、前記時間情報に基づいて前記読取用情報が有効であると判断できない場合には、前記コンテンツ転送手段による前記コンテンツデータの転送を制限する制限手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項9】
前記読取用情報を識別するための読取用情報識別情報を前記読取用情報に含み、
前記読取手段は、前記端末装置に送付された前記読取用情報から前記読取用情報識別情報を読み取り、
前記端末識別情報送付手段は、読み取られた前記読取用情報識別情報を前記端末識別情報とともに前記サーバ装置へ送付し、
前記サーバ装置に設けられ、前記端末識別情報とともに送付された前記読取用情報識別情報を記憶する識別情報記憶手段をさらに備え、
前記提供手段は、前記端末識別情報とともに送付された前記読取用情報識別情報が前記識別情報記憶手段に既に記憶されている場合には、当該端末識別情報を送付した前記携帯通信装置とその送付された端末識別情報により識別される端末装置とを利用したサービスの提供を行わないことを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項10】
携帯通信装置を所持するとともに端末装置を使用する利用者に対してサービスを提供するサーバ装置であって、
前記携帯通信装置が、前記端末装置に前記サーバ装置から送付された読取用情報から端末識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記端末識別情報を前記サーバ装置へ送付する端末識別情報送付手段とを具備することを前提として、
前記端末装置を識別可能とする前記端末識別情報を前記端末装置から前記携帯通信装置に読み取り可能とする前記読取用情報を前記端末装置に送付する読取用情報送付手段と、
前記端末識別情報を送付した前記携帯通信装置とその送付された端末識別情報により識別される端末装置とを関係づけて、これら関係づけられた前記携帯通信装置および前記端末装置の双方を利用したサービスを前記利用者に提供する提供手段とを具備することを特徴とするサーバ装置。
【請求項11】
前記携帯通信装置が、コンテンツデータを記憶する記憶手段と、前記サーバ装置からの要求に応じて前記サーバ装置へ前記コンテンツデータを送信するコンテンツ送信手段とをさらに具備することを前提として、
前記提供手段は、前記携帯通信装置に対してコンテンツデータの送信を要求するとともに、これに応じて前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置へ転送することを特徴とする請求項10に記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記携帯通信装置が、多者間通信サービスシステムを介して伝送するコンテンツデータを前記サーバ装置へ送信するコンテンツ送信手段をさらに備えることを前提として、
前記提供手段は、前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置に関するコンテンツデータとして前記多者間通信サービスシステムへ転送するとともに、前記多者間通信サービスシステムから送出されたコンテンツデータを前記端末装置に転送することを特徴とする請求項10に記載のサーバ装置。
【請求項13】
サーバ装置により、端末装置を使用して前記サーバ装置にアクセスしている利用者に対してサービスを提供するサービス提供システムで前記利用者に所持された使用される携帯通信装置であって、
前記サーバ装置が、前記端末装置を識別する端末識別情報を前記端末装置から前記携帯通信装置に読み取り可能とする読取用情報を前記端末装置に送付する読取用情報送付手段と、前記サーバ装置へ前記端末識別情報を送付した前記携帯通信装置とその送付された端末識別情報により識別される端末装置とを関係づけて、これら関係づけられた前記携帯通信装置および前記端末装置の双方を利用したサービスを前記利用者に提供する提供手段とを具備することを前提として、
前記端末装置に送付された前記読取用情報から前記端末識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記端末識別情報を前記サーバ装置へ送付する端末識別情報送付手段とを具備することを特徴とする通信端末装置。
【請求項14】
前記提供手段が、前記携帯通信装置に対してコンテンツデータの送信を要求するとともに、これに応じて前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置へ転送することを前提として、
コンテンツデータを記憶する記憶手段と、
前記サーバ装置からの要求に応じて前記サーバ装置へ前記コンテンツデータを送信するコンテンツ送信手段とをさらに具備することを特徴とする請求項13に記載の携帯通信装置。
【請求項15】
前記提供手段が、前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置に関するコンテンツデータとして多者間通信サービスシステムへ転送するとともに、前記多者間通信サービスシステムから送出されたコンテンツデータを前記端末装置に転送することを前提として、
前記多者間通信サービスシステムを介して伝送するコンテンツデータを前記サーバ装置へ送信するコンテンツ送信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の携帯通信装置。
【請求項16】
携帯通信装置を所持するとともに端末装置を使用する利用者に対してサービスを提供するサーバ装置としてコンピュータを動作させるプログラムであって、
前記携帯通信装置が、前記端末装置に前記サーバ装置から送付された読取用情報から端末識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記端末識別情報を前記サーバ装置へ送付する端末識別情報送付手段とを具備することを前提として、
前記コンピュータを、前記端末装置を識別可能とする前記端末識別情報を前記端末装置から前記携帯通信装置に読み取り可能とする前記読取用情報を前記端末装置に送付する読取用情報送付手段と、
前記端末識別情報を送付した前記携帯通信装置とその送付された端末識別情報により識別される端末装置とを関係づけて、これら関係づけられた前記携帯通信装置および前記端末装置の双方を利用したサービスを前記利用者に提供する提供手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
前記携帯通信装置が、コンテンツデータを記憶する記憶手段と、前記サーバ装置からの要求に応じて前記サーバ装置へ前記コンテンツデータを送信するコンテンツ送信手段とをさらに具備することを前提として、
前記提供手段を、前記携帯通信装置に対してコンテンツデータの送信を要求するとともに、これに応じて前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置へ転送するように機能させることを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記携帯通信装置が、多者間通信サービスシステムを介して伝送するコンテンツデータを前記サーバ装置へ送信するコンテンツ送信手段をさらに備えることを前提として、
前記提供手段を、前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置に関するコンテンツデータとして前記多者間通信サービスシステムへ転送するとともに、前記多者間通信サービスシステムから送出されたコンテンツデータを前記端末装置に転送するように機能させることを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項19】
サーバ装置により、端末装置を使用して前記サーバ装置にアクセスしている利用者に対してサービスを提供するサービス提供システムで前記利用者に所持された使用される携帯通信装置の動作を制御するコンピュータ用のプログラムであって、
前記サーバ装置が、前記端末装置を識別する端末識別情報を前記端末装置から前記携帯通信装置に読み取り可能とする読取用情報を前記端末装置に送付する読取用情報送付手段と、前記サーバ装置へ前記端末識別情報を送付した前記携帯通信装置とその送付された端末識別情報により識別される端末装置とを関係づけて、これら関係づけられた前記携帯通信装置および前記端末装置の双方を利用したサービスを前記利用者に提供する提供手段とを具備することを前提として、
前記コンピュータを、
前記端末装置に送付された前記読取用情報から前記端末識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記端末識別情報を前記サーバ装置へ送付する端末識別情報送付手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項20】
前記提供手段が、前記携帯通信装置に対してコンテンツデータの送信を要求する要求手段と、前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置へ転送するコンテンツ転送手段とを具備するとともに、
前記携帯通信装置がコンテンツデータを記憶する記憶手段を備えることを前提として、
前記コンピュータを、前記サーバ装置からの要求に応じて前記サーバ装置へ前記コンテンツデータを送信するコンテンツ送信手段としてさらに機能させることを特徴とする請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】
前記提供手段が、前記携帯通信装置から送信された前記コンテンツデータを、その送信元の携帯通信装置に関係づけられた前記端末装置に関するコンテンツデータとして多者間通信サービスシステムへ転送するとともに、前記多者間通信サービスシステムから送出されたコンテンツデータを前記端末装置に転送することを前提として、
前記コンピュータを、前記多者間通信サービスシステムを介して伝送するコンテンツデータを前記サーバ装置へ送信するコンテンツ送信手段としてさらに機能させることを特徴とする請求項19に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−257179(P2007−257179A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79218(P2006−79218)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】