説明

サーボ情報書込み方法、これを用いる磁気ヘッド検査装置および磁気ディスク検査装置

【課題】
磁気ヘッドアッセンブリを交換する都度、磁気ディスクにサーボ情報を書込まなくても済み、検査処理のスループットを向上させることができるサーボ情報書込み方法、これを用いる磁気ヘッド検査装置あるいは磁気ディスク検査装置を提供することにある。
【解決手段】
この発明は、サーボ情報の書込みが終わった最後のトラックあるいはこれより1つあるいは2つ手前トラックのサーボ情報書込み位置に対応する磁気ディスクの円周上でサーボ情報書込みエリア以外のエリアにマーク情報を記録して粗動移動ステージにより次の目標トラックに磁気ヘッドが移動した後に微動移動ステージにより磁気ヘッドを磁気ディスクの半径方向に戻してマーク情報を検出する。これによりサーボ情報書込み位置を検出して、この検出位置から次のトラックのサーボ情報書込位置に微動移動ステージにより磁気ヘッドを位置決めしてサーボ情報を書込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サーボ情報書込み方法、これを用いる磁気ヘッド検査装置および磁気ディスク検査装置に関し、詳しくは、セクターサーボ方式で磁気ディスクにサーボ情報を書込んで磁気ヘッドあるいは磁気ディスクの検査をする検査装置において、粗動ステージ+微動ステージを利用してサーボ情報を連続的に磁気ディスクに記録する場合に、磁気ヘッドアッセンブリ(磁気ヘッド+サスペンションスプリング)を交換する都度、磁気ディスクにサーボ情報を書込むことが必要になるが、それをしなくても済み、検査処理のスループットを向上させることができるようなサーボ情報書込み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステムのデータ記憶に使用されるハード磁気ディスク駆動装置(以下単にHDD)に搭載されている磁気ディスクは、磁気ヘッドの位置制御用などのためにサーボトラックライタによりサーボ情報(サーボ信号)が書込まれ、設定される。最近の小型ディスクでは、ディスクを1枚あるいは2枚とする場合が多く、サーボ情報の設定方式は、各ディスクのトラックに対応させてそれぞれサーボ情報を設定するセクターサーボ方式が用いられている。
セクターサーボ方式では、1枚のディスクの表裏の両面の各トラックの各セクタにごとに同一のサーボ情報が所定の位置に書込まれて各トラックに設定される。この種の技術としては、この出願人による特開平10−106194号「ディスクドライブのサーボトラック設定方法」(特許文献1)を挙げることができる。
一方、磁気ヘッドテスターおよび磁気ディスクテスターでは、ディスク上に設定されたサーボ情報に従って所定のデータがトラックに書込まれ、サーボ情報に従ってそのデータが読出されてディスクあるいは磁気ヘッドの電気的な性能のテストが行われる。
【0003】
HDDの磁気ヘッドとしては、近年、その読出側にGMRヘッド,TMRヘッドなど(以下MRヘッドで代表する。)を組み込んだ複合磁気ヘッドが用いられている。その記録密度は、数十ギガ/インチと向上の一途を辿っている。しかも、トラック数は増加し、10,000本/インチを越える。1トラックの幅は、2.0μmか、これ以下と狭くなる一方である。
ディスクの大きさは、3.3インチか、これ以下のものが主流となり、基板もガラスディスクが用いられてきており、ディスク1枚を搭載した単板型のHDDが増加している。しかも、最近では、15mm〜20mm程度のサスペンションスプリングの先端に0.数mm〜1mm角程度の大きさのスライダが付いている。薄膜磁気ヘッドとディスクの間隔は、数nmから十nmの距離までに接近してきている。
この種の高密度記録のディスクを使用する磁気ヘッドテスターおよび磁気ディスクテスターは、トラックに対して高い精度でのヘッド位置決めが要求される。そのため、粗動移動ステージに加えて微小位置決めの微動移動のピエゾステージを持つヘッドキャリッジが使用される。粗動ステージ+微動ステージを利用したこのヘッドキャリッジの駆動により磁気ヘッドが磁気ディスクのトラックにアクセスする。この種のヘッドキャリッジと位置決め制御については、出願人による特開平2003−272326号にその詳細が記載されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平10−106194号公報
【特許文献2】特開平2003−272326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁気ディスク装置における記録密度の向上に伴い、磁気ヘッドテスターあるいは磁気ディスクテスターでは、ヘッド位置決め精度の一層の向上が要求される。その上に、ディスクの回転数は、5,400rpmから7,200rpm〜15,000rpmとなり、現在ではそれ以上の高速回転のものが実用化されている。
セクターサーボ方式で磁気ディスクにサーボ情報を書込んで磁気ヘッドあるいは磁気ディスクの検査をする検査装置は、現在のトラック密度と記録密度では、磁気ヘッドアッセンブリを交換する都度、磁気ディスクにサーボ情報を書込まなくてはならない。
その理由は、磁気ヘッドアッセンブリの形状のばらつきでサーボ情報の書込位置がずれる問題があるからである。
すなわち、検査装置は、目標のトラックまで磁気ヘッドを粗動移動ステージで移動させ、その後にさらに微動移動ステージ(微小位置決めのピエゾステージ)で磁気ヘッドを所定の位置に位置決めしてサーボ情報を所定のトラックに対応させて書込まなければならない。しかし、微動移動ステージの移動範囲は限られ、100本〜200本程度のトラックの範囲までしか微動移動ステージは対応できない。そこで、例えば、200本程度のトラックにサーボ情報が書込まれると、その次のトラックについては、検査装置は、まず、粗動ステージで次のトラックを目標として磁気ヘッドを移動させることになる。その後に微動移動ステージで目標トラックとなっている次のトラックに磁気ヘッドを位置決めして次のトラックに対してサーボ情報を書込むことになる。
【0005】
磁気ヘッドが磁気ディスクにサーボ情報を書込むときに、現在のようにトラック幅が数μmと狭くなると粗動ステージによる目標トラックへの磁気ヘッドの位置決めが入る都度、磁気ヘッドアッセンブリの長さのばらつき、磁気ヘッドの取付位置のばらつきが次のトラックのサーボ情報の書込位置に影響を与える。
粗動ステージ+微動ステージで移動させた磁気ヘッドにより書込まれる次のトラックのサーボ情報の書込位置やトラック対応の書込間隔は、粗動ステージの位置決め位置を基準として行われかつ磁気ヘッドアッセンブリのばらつきに応じて決定される。そのため、他の磁気ヘッドアッセンブリの磁気ヘッドにより書込まれたサーボ情報との整合性が採れなくなる。言い換えれば、粗動ステージでの磁気ヘッドの移動が入る都度、磁気ヘッドアッセンブリの形状のばらつきに応じてサーボ情報が不連続になる。すなわち、サーボ情報の半径方向の間隔ずれが磁気ディスクのトラックに発生する。
【0006】
同一の磁気ヘッドアッセンブリを使用する限りは、磁気ヘッドのトラックアクセスは、微小ステージと粗動ステージとを組み合わせる関係が同じになるので、サーボ情報の書込位置が前記のような不連続なものであってもほとんど問題とならない。しかし、磁気ヘッドアッセンブリを交換した場合には、磁気ヘッドアッセンブリの形状のばらつきにより、サーボ情報が不連続な場所に入ると、異なる磁気ヘッドアッセンブリの磁気ヘッドは、その場所で磁気ヘッドの位置決めが不安定となる。そのため、磁気ヘッドあるいは磁気ディスクの正常な検査ができない問題がある。
その結果、現在のところは、検査装置は、磁気ヘッドアッセンブリを交換する都度、交換した磁気ヘッドによりトラック対応に新しくサーボ情報を設定しなければならない。しかし、それにより、磁気ヘッドあるいは磁気ディスクの検査のスループットは低下する。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、粗動ステージ+微動ステージを利用してサーボ情報を連続的に記録する場合において、磁気ヘッドアッセンブリを交換する都度、磁気ディスクにサーボ情報を書込まなくても済み、検査処理のスループットを向上させることができるサーボ情報書込み方法、これを用いる磁気ヘッド検査装置あるいは磁気ディスク検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するこの発明のサーボ情報書込み方法、これを用いる磁気ヘッド検査装置あるいは磁気ディスク検査装置の構成は、粗動移動ステージにより目標のトラックまで磁気ヘッドを移動してさらに微動移動ステージで磁気ヘッドを目標のトラックにおける複数のサーボ情報書込み位置にそれぞれ位置決めしてそれぞれの位置でそれぞれに複数個サーボ情報を磁気ディスクに書込みかつ目標トラックから所定トラック数分、複数個サーボ情報を同様にして書込み、所定トラック数分ごとに次の目標トラックに粗動移動ステージにより磁気ヘッドを移動させて磁気ディスクの多数の各トラックに対して複数個サーボ情報を書込むサーボ信号書込み方法において、
サーボ情報が書込まれた所定トラック数のトラックの最後、これより1つあるいは2つ手前のいずれかのトラックにおける、複数のサーボ情報書込み位置のうちの1つに対応する磁気ディスクの円周上でかつサーボ情報が書込まれていないエリアに所定の情報を書込み、
粗動移動ステージにより次の目標トラックに磁気ヘッドが移動した後に微動移動ステージの移動により磁気ヘッドを磁気ディスクの半径方向に移動させて所定の情報を検出し、
所定の情報が検出された磁気ヘッドの半径方向の位置を基準して微動移動ステージにより磁気ヘッドを移動させて次の目標トラックに対するサーボ情報の書込みを行うものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにこの発明にあっては、サーボ情報の書込みが終わった最後のトラックあるいはこれより1つあるいは2つ手前トラックのサーボ情報書込み位置に対応する磁気ディスクの円周上でサーボ情報書込みエリア以外のエリアに所定の情報(マーク情報)を記録して粗動移動ステージにより次の目標トラックに磁気ヘッドが移動した後に微動移動ステージにより磁気ヘッドを磁気ディスクの半径方向に戻してマーク情報を検出する。これによりサーボ情報書込み位置を検出して、この検出位置から次のトラックのサーボ情報書込位置に微動移動ステージにより磁気ヘッドを位置決めしてサーボ情報を書込む。
なお、粗動移動ステージにより次の目標トラックに磁気ヘッドを移動するときには、所定トラック数分に対応する微動移動ステージの移動量を微動移動ステージにおいて元に戻してから粗動移動ステージにより磁気ヘッドを次の目標トラックへ移動させるとよい。そして、次の目標トラックに磁気ヘッドが移動した後に微動ステージにより磁気ヘッドを磁気ディスクの半径方向に戻して所定の情報を読出して所定の情報に対応するサーボ情報書込み位置を検出するとよい。
【0009】
以上のようにすれば、粗動ステージの移動位置に関係なく、微動移動ステージだけの移動でサーボ情報の書込みが終わったトラックから次のトラックへトラックを継ぎ足すことができる。すなわち、この発明では、微動移動ステージだけの移動で磁気ヘッドを移動させて手前のトラックのサーボ情報記録位置から連続的に順次サーボ情報を次のトラックに設定していくことができる。
これにより、磁気ヘッドアッセンブリの形状にばらつきがあってもサーボ情報の半径方向の間隔ずれをなくすことができる。そのようなサーボ情報を連続的に磁気ディスクの全トラックに設定することができる。
その結果、磁気ヘッドアッセンブリを交換する都度、磁気ディスクにサーボ情報を書込まなくても済み、磁気ヘッドあるいは磁気ディスクの検査処理のスループットを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、この発明のサーボ信号書込み方法を適用した一実施例の磁気ヘッド
検査装置のブロック図、図2は、図1におけるONトラックサーボ回路のブロック図、図3(a)は、トラック対応のサーボバースト信号の説明図、図3(b)は、セクタに対応して設定されたサーボバースト信号の説明図、図4は、サーボバースト信号の書込み処理のフローチャート、そして図5は、サーボバースト信号の書込み方法の説明図である。
図1において、10は、磁気ヘッドテスターである。1は、検査対象となるディスクであって、スピンドル2に着脱可能に挿着されている。スピンドル2に隣接してヘッドキャリッジとしてXYステージ3が設けられている。XYステージ3は、Xステージ3aとYステージ3bからなる。
Xステージ3aは、粗動移動ステージであって、ピエゾステージ4をディスク1の半径方向(X方向)に15μm程度の距離分解能をもって十数mm程度のストロークで半径方向へ移動させる。
Yステージ3bは、このXステージ3a上に搭載され、ヘッド9に対してスキュー調整のための移動を行う。このYステージ3b上には、X方向に微小移動をする微動ステージとしてピエゾステージ4が搭載されている。このピエゾステージ4の先端側にはヘッドキャリッジのカートリッジ取付ベース5が結合されている。その結果、ピエゾステージ4が駆動されることでカートリッジ取付ベース5がX方向に移動する。それによりX方向のヘッド位置がヘッドカートリッジ6を介して微調整される。
また、ピエゾステージ4は、磁気ディスク1(以下ディスク1)にサーボ情報を書込むときには、微動移動ステージとして駆動される。そのときの距離分解能は、1nm程度であり、ピエゾステージ4は、150μm程度ストロークを持っている。
なお、X方向は、ディスク1の中心を通る半径R方向に一致している。
【0011】
ヘッドカートリッジ6は、カートリッジ取付ベース5にピエゾアクチュエータ7を介して搭載されている。ヘッドカートリッジ6には、サスペンションスプリング8が固定されている。サスペンションスプリング8の先端側にはヘッド9が搭載され、サスペンションスプリング8に支持されている。ヘッド9は、ディスク1のX軸方向に対応する半径R方向に移動してディスク1のトラックをシークして目標トラックに位置決めされる。そして、データを目標トラックから読出し、あるいは目標トラックにデータを書込む、いわゆるアクセス動作をする。
ここで、ピエゾアクチュエータ7は、ヘッド9があるトラックあるいは、あるトラックの特定領域をアクセスする際に、図1に示すONトラックサーボ回路11により制御される。ヘッド9は、位置決めされたトラック上のサーボバースト信号(サーボ情報)を読出す。ピエゾアクチュエータ7は、読出されたサーボバースト信号(以下サーボ信号)に応じて制御され、ヘッド位置を微調整してダイナミックにヘッドをトラック上に載せる、いわゆるONトラックのサーボ位置決めをする。
【0012】
ピエゾアクチュエータ7は、図ではヘッドカートリッジ6の外側に設けられているが、ヘッドカートリッジ6に内蔵されていてもよい。その場合、ピエゾアクチュエータ7はサスペンションスプリング8の手前に設けられ、スペンションスプリング8を回動可能あるいは進退可能に支持することになる。
ONトラックのサーボ位置決めは、位置決めトラックに所定間隔で設定された多数のサーボ信号を順次読んで、サーボ信号に応じて位置決めトラックにおけるヘッドずれ量(トラックのセンタからのずれ量)を補正する位置決めである。補正のためにピエゾアクチュエータ7が進退する距離は、例えば、1μmオーダか、それ以下の範囲の微小なものである。ディスク1に設定されたサーボ信号は、スピンドルの芯ぶれなどに応答してディスク半径方向の位置が振れるので、ONトラックサーボ回路11は、ピエゾアクチュエータ7対して微小な駆動電圧を加えることによりヘッド9をスピンドルの芯ぶれなどに応答して、半径方向に高速に進退動作させてトラックに追従させる。
【0013】
ヘッドカートリッジ6は、ヘッド9をヘッドキャリッジに着脱可能に装着するものである。図2に示されるように、ヘッドカートリッジ6の内部には読出アンプ6aと書込アンプ6b等が設けられている。読出アンプ6aは、MRヘッド9Aからの信号を受けてそれを増幅してデータ読出回路15(図1参照)に出力するとともにONトラックサーボ回路11に送出する。
ONトラックサーボ回路11は、図2に示すように、サーボ信号分析回路12と、ポジション復調回路(ポジション検出信号発生回路)13、そして位置制御回路14とからなる。ONトラックサーボ回路11は、データ処理・制御装置20により起動される。
サーボ信号は、トラックTRの中心線Co(図3(a)参照)のサーボ信号Cを中心としてこれからW/3トラック幅分(ただしWはリードトラック幅)上方向にずれた位置にサーボバースト信号Bが、さらにW/3トラック幅分ずれた位置にサーボ信号Aがそれぞれ設けられる。そして、下方向にはW/3トラック幅分順次ずれた位置にサーボ信号D,Eがそれぞれ設けられる。さらにW/3トラック幅分位置がずれて次のトラックとの間にサーボ信号Fが設けられる。合計でこれら6個のサーボ信号A〜Fが各トラック対応に設けられことになる。
その結果、サーボ信号A,B,C,D,E,Fは、それぞれ2W/3幅分、半径方向に重なり、トラックの方向には所定間隔離れてそれぞれ形成され、サーボ信号Fの中央位置がトラック間の境になる。
サーボ信号分析回路12は、読出アンプ6aから読出信号を受けて、図3(a)に示すサーボ信号A,B,C,D,E,Fをそれぞれ分けて増幅してそれぞれの振幅レベルを示す電圧信号Va,Vb,Vd,Ve,Vfを出力する。
【0014】
複数のサーボ信号としてそれぞれ設定されるサーボ信号A,B,C,D,E,Fは、前記したように上下と前後に位置ずれしてトラック方向に順次所定間隔で1トラックの各セクタ対応に多数書込まれる。
サーボ信号分析回路12は、サーボ信号をそれぞれ増幅して検波することで、サーボ信号A〜Fの各振幅レベルを示す電圧信号Va〜Vfをそれぞのタイミングでそれぞれに保持する。サーボ信号分析回路12で得られる電圧信号Va〜Vfは、それぞれポジション復調回路13に入力される。
ポジション復調回路13は、データトラックTRの中心線Coからの位置ずれ量を示す3つの位置信号を次の各式により算出して、位置制御回路14に送出する。
ポジション復調回路13は、POS(U)=(Va−Vd)/(Va+Vd),POS(V)=(Vb−Ve)/(Vb+Ve),POS(W)=(Vc−Vf)/(Vc+Vf)の3つのポジション信号をそれぞれ発生する。
図3(a)の右側に示すように、POS(U)=(Va−Vd)/(Va+Vd)は、サーボ信号AとDの中央の位置に対応する負と正のピークを持つ信号である。POS(V)=(Vb−Ve)/(Vb+Ve)は、サーボ信号BとEの中央の位置に対応する負と正のピークを持つ信号である。POS(W)=(Vc−Vf)/(Vc+Vf)は、サーボ信号CとFの中央の位置に対応する負と正のピークを持つ信号である。
なお、ポジション復調回路13は、前記の3つのポジション信号からトラック横断信号あるいはトラック位置信号Pを発生し、いずれかあるいは両者をデータ処理・制御装置20に送出する。
【0015】
位置制御回路14は、ポジション復調回路13のそれぞれの信号のピーク位置に応じてヘッド9の位置をトラックTRの中心線Coに戻す所定のレベルの駆動信号(電圧信号)をピエゾアクチュエータ7に出力する。これによりヘッド9の位置が補正されてヘッド9が目標トラックにONトラック状態で位置決めされる。
なお、点線枠で示すように、サーボ信号分析回路12とポジション復調回路13と位置制御回路14とは実際には前記の各機能回路を持つDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)回路として設けられている。
なお、トラックTRの中心線Coにヘッド9が載っているときには、位置制御回路14からの駆動信号(電圧信号)が一定電圧に保持されてトラックTRの中心線Coにヘッド9の位置が保持される。
【0016】
その結果、あるトラックに位置決めされたヘッド9は、ダイナミックにピエゾアクチュエータ7の応答速度で高速にトラックTRの中心線Coに位置付けられる。これにより、ディスク1の芯振れ等があっても高い精度で位置決めされたトラックに対してヘッド9は、データの読み、書きが可能になる。
以上は、トラックTRの中心線Coに対してヘッド9を位置決めする例(ONトラック位置決めの例)であるが、ここでは、データ処理・制御装置20が前記したDSP回路(ONトラックサーボ回路11)を所定の信号で制御することによりトラックTRの中心線Coに対して所定のオフセットを持たせた位置にヘッド9の位置を設定することができる。
ところで、ここでのディスク1のセクタ分割数としては、図3(b)に示すように多数である。ここでは、その数を、例えば、1024分割として、それぞれのセクタ位置に対応して前記A〜Fの複数のサーボ信号が各トラック対応に書込まれることでサーボ情報がディスク1に設定されるものとする。
【0017】
ここで、図1に戻り、図中、15は、データ読出回路であって、読出アンプ6aからの信号を受けて、読出データを二値化してデータ処理・制御装置20に送出する。16は、ヘッドアクセス制御回路であって、データ処理・制御装置20からの制御信号を受けてXYステージ3とピエゾステージ4とを駆動してヘッド9を目標となる所定のトラックTRあるいはそこから一定の距離の位置に位置決めする。17はサーボ信号・データ書込回路、18はテストデータ・バースト信号生成回路である。テストデータ・バースト信号生成回路18は、データ処理・制御装置20により制御されて所定のテストデータあるいはバースト信号を作成してそれをサーボ信号・データ書込回路17に送出する。サーボ信号・データ書込回路17は、受けたテストデータあるいはバースト信号に従って書込信号を生成して、ヘッドカートリッジ6の書込アンプ6b(図2参照)を駆動し、ヘッド9のインダクディブヘッド9B(図2参照)を介して所定のトラックTRあるいは所定の位置にデータ(テストデータを含む)あるいはサーボ信号を書込む。19は、ディスク駆動回路である。
なお、インダクティブヘッドによるサーボ信号の書込幅は、例えば300nm〜500nm程度であり、MRヘッドによるサーボ信号の読出幅は、例えば200nm〜330nm程度であって、書込幅と読出幅は異なる。サーボ信号の書込幅は、読出信号の幅Wより1.5倍程度大きいが、前記したような書込幅,読出幅を持つヘッドにあっては読出ヘッドと書込ヘッドのヘッドギャップの位置は、ギャップ位置ずれ量が微小であるので実質的に一致しているとみなせる。そこで、サーボ信号の読出幅の中心位置に対応させて書込位置を設定してサーボ信号を書込めばサーボ情報の設定ができる。
【0018】
そこで、以下では、サーボ信号の読出幅の位置でサーボ信号の書込位置を説明する。 20は、データ処理・制御装置であって、図2に示すように、データ処理・制御装置20は、MPU21とメモリ22、インタフェース23、CRTディスプレイ、そしてキーボード等により構成され、これらがバスにより相互に接続されている。
そして、メモリ22には、サーボ信号設定プログラム22a,ヘッドアクセスプログラム22b、データ読出/書込制御プログラム22c等が記憶されている。
ここで、仮に、図3(a)に示すトラックTRの1トラック幅を0.6μmとし、サーボ信号の読出幅300nmとする。図3(b)の右側に示すように、MPU21は、サーボ信号設定プログラム22aを実行して、粗動のXステージ3aを駆動して最初のトラック位置を目標トラックとしてヘッド9を原点位置から移動させて微動移動のピエゾステージ4でヘッド9を最初のトラックの最初のサーボ情報書込位置に位置決めする。次にMPU21は、微動移動のピエゾステージ4を駆動して目標トラック位置を含めて目標トラックから200トラック分のサーボ信号A〜Fを各トラック対応に順次書込む。
【0019】
MPU21は、この200トラック分のサーボ信号設定後に、粗動のXステージ3aを原点位置に戻して最初の目標トラック位置に対して120μmの程度の2ピッチ分の距離(1ピッチ60μmとして)加えた位置を次の目標トラック位置として粗動のXステージ3aを駆動してヘッド9を半径方向に移動する。そして前記と同様に微動移動のピエゾステージ4を駆動して次の200トラック分についてサーボ信号を設定する。
なお、前記において粗動のXステージ3aを戻す原点位置は、最初の目標トラックにおいて最初にサーボ信号を書込む位置と一致していてもよい。
このようにMPU21は、次の目標トラック位置を120μm加算で繰り返して粗動のXステージ3aの移動して、この移動の後にピエゾステージ4を移動してサーボ信号を書込む。サーボ信号が設定可能な200トラック単位で継ぎ足してサーボ信号を書込む制御をしてディスク1にサーボ情報を設定する。
MPU21は、このようなサーボ信号書込み制御において、粗動のXステージ3aが移動目標とする次の目標トラックについてのサーボ信号の書込の際には、サーボ信号書込み済みの手前のトラックのサーボ信号の書込み位置にピエゾステージ4によりヘッド9を移動する。そして、この位置を基準として微小移動のピエゾステージ4によりヘッド9をディスク1の半径方向に移動して次の目標トラックのサーボ情報書込位置に位置決めしてサーボ信号を書込む。これにより、サーボ信号の半径方向の間隔ずれとディスク1のトラックにサーボ信号の不連続性の発生を防止する。
【0020】
以下、このようなサーボ信号の書込みについて説明する。
なお、MPU21によるピエゾステージ4による次の200トラック分のサーボ信号の書込みは、次の目標トラックのサーボ情報書込みに続いて順次行われる。
図4は、そのサーボ信号の書込み処理のフローチャートであり、図5は、サーボバースト信号の書込み方法の説明図である。
図5から説明すると、図5(a)は、インデックス信号INDであり、図5(b)は、セクターパルスSCP、図5(c)は、サーボゲート信号SG、図5(d)は、サーボゲート信号SGが“L”の期間に読出されるサーボ信号である。そして、図5(f)は、そのサーボ信号の詳細説明図である。
なお、セクターパルスSCPは、インデックス信号INDの周期を1024分割したものとして生成される。サーボゲート信号SGは、インデックス信号INDとセクターパルスSCPとにより生成される。
図4のサーボ信号の書込み処理として、MPU21は、まず、トラック書込本数Nを初期値としてN=1に設定し、ピエゾステージ4をこれの移動基準位置に設定する(ステップ101)。ここでのピエゾステージ4の移動基準位置は、150μm程度前進移動できるストロークを持つ位置であって、数トラック分程度(2〜3μm程度)は後退可能な位置である。
【0021】
次に、MPU21は、原点位置にある粗動のXステージ3aを駆動してヘッド9を目標トラックに移動させる。続いてピエゾステージ4を駆動してヘッド9を最初の200本のサーボ信号書込みブロックの最初のトラック(目標トラック)の中心線Coに位置決めする(ステップ102)。そして、MPU21は、ピエゾステージ4によりヘッド9をディスク半径方向に2W/3(Wはサーボ信号の読出幅であり、2W/3=200nm)相当分だけヘッド9を後退させる(ステップ103)。この位置で、MPU21は、セクターパルスSCPに同期させて最初の書込タイミング位置Ta(図5(f)参照)においてヘッド9によりサーボ信号Aを1024セクタ分(=1トラック分)書込む(ステップ104)。
書込タイミングTaは、図5(f)に示すように、各セクターパルスSCPの立上がりから20μsec後のタイミングである。
なお、MPU21は、インデックス信号INDの位置のセクターパルスSCPに同期させてトラックコードTC(図示せず)をセクターパルスSCPの立上がりから20μsecまでの期間の間にヘッド9により書込む。
【0022】
前記したように読出ヘッドと書込ヘッドのヘッドギャップの位置は一致しているので、煩雑さを避けるために、ここでは、リードヘッド幅Wの移動に統一してサーボ信号の書込について説明する。
ヘッド9により次のインデックス信号INDに応じてピエゾステージ4をディスク半径方向にW/3(=100nm相当)分だけ前進させてヘッド9を移動し、次の書込タイミングTb(図5(f)参照)でサーボ信号Bを1024セクタ分(=1トラック分)書込む(ステップ105)。書込タイミングTbは、Ta+2.4μsecの位置である。
このようにしてMPU21は、順次ピエゾステージ4をディスク半径方向にW/3相当分だけ前進させてヘッド9を移動し、インデックス信号INDに応じて書込タイミング位置Tc〜Tf(図5(f)参照)でサーボ信号C,D,E,Fまで順次1024セクタ分書込む(ステップ106)。
これで1トラック分のサーボ信号の書込むが終了する。その結果、サーボ信号A〜Fは、それぞれ2W/3幅分=200nm分半径方向において重なって形成される。
【0023】
次にMPU21は、200トラック分のサーボ信号の書込みが終了したか否かを判定して(ステップ107)、NOのときには、N=N+1としてトラック数を更新する(ステップ108)。
MPU21は、次にピエゾステージ4をディスク半径方向に5W/3相当分(=500nm分)後退させてヘッド9を移動し、サーボ信号Aの書込位置に戻して一旦位置決めする(ステップ109)。その後にピエゾステージ4を1トラック分(=600nm分)前進させてヘッド9を次のトラックの最初のサーボ信号Aの書込み位置へと移動させる。そして前記したように最初の書込タイミング位置Taで1024セクタ分、サーボ信号Aをヘッド9により書込む(ステップ110)。ここで、MPU21は、ステップ105へ戻り、ステップ105からステップ106の処理により、サーボ信号B〜Fを1024セクタ分それぞれに書込む。
【0024】
なお、ステップ109では、ピエゾステージ4をディスク半径方向に5W/3相当分後退させてヘッド9を移動して位置決めしてからステップ110で1トラック分移動するようにしている。これは、累積誤差を低減するためである。しかし、このように5W/3(=500nm分)相当分後退させた位置決めをすることなく、サーボ信号Fの位置からディスク半径方向に直接W/3(=100nm)相当分前進させてヘッド9を次のトラックの最初のサーボ信号Aの書込位置に移動させてもよい。この場合には、ステップ110の処理は、単にサーボ信号Aを最初の書込タイミング位置Taで1024セクタ分書込む処理となる。
なお、ステップ109のサーボ信号Aの書込位置はディスク半径方向に5W/3相当分(=500nm分)ヘッド9を後退させることに換えて、後退するサーボ信号Aの書込位置(そのディスク上の位置)をあらかじめメモリに記憶しておいてMPU21が記憶した書込位置に戻る処理をしてもよい。
【0025】
こうして200本分のトラックにサーボ信号A〜Fを書込むと、ステップ107の判定処理でYESとなる。このときには、ヘッド9は、最後の200本目のトラックのサーボ信号Fを書込んだ、半径方向のトラック間の位置Qの円周上にある。MPU21は、サーボ信号Fを設定したディスク1の円周上においてサーボ信号Fが設定されていない領域、例えば、データ領域に最終サーボ信号書込の位置であることを示すマーク情報Mをヘッド9により書込み、記録する(ステップ111/図5(f)参照)。
なお、マーク情報Mは、サーボ信号の書込エリア以外であればどこに書込まれてもよいが、トラックコードTCが書込まれているときにはここは避けた方がよい。
次にMPU21は、全トラックサーボ信号の書込が終了か否かを判定する(ステップ112)。ここでNOとなるときには、ピエゾステージ4をこれの移動基準位置に戻して(ステップ113)、粗動ステージを原点位置に戻す(ステップ114)。
ピエゾステージ4をこれの移動基準位置へ戻す設定は、微動移動ステージの200トラック分相当の移動量分をキャンセルして、これの移動ストロークを確保する動作である。
【0026】
次にMPU21は、そこから次の目標トラック分(今回の場合はトラック201本分=120μm+α=2ピンチ分+α)の距離移動させて次のサーボ信号書込ブロックの先頭トラック(次の目標トラック)に設定する。ただし、αは、原点位置から最初の目標トラック位置までの距離である(ステップ115)。
そして、MPU21は、ピエゾステージ4を1トラック分後退させてから前進させながらデータ読出動作をしてヘッド9によりマーク情報Mを半径方向のQ位置(トラック間の円周上の位置,図5(f)参照)で検出する(ステップ116)。
次にMPU21は、その位置から5W/3相当分(=500nm分)ピエゾステージ4をディスク半径方向に後退させて、手前の200本目のトラックの最後のトラックのサーボ信号Aを書込んだ位置P(図5(f)参照)にヘッド9を戻して一旦位置決めする(ステップ117)。
【0027】
次にMPU21は、トラック書込本数Nを初期値としてN=1に設定し(ステップ118)、ステップ110へと戻り、1トラック分(=600nm分)ピエゾステージ4をディスク半径方向に前進させてヘッド9を次のトラックの最初のサーボ信号Aの書込み位置へと移動する。そして、次のトラックの最初のサーボ信号Aを最初の書込タイミング位置Taで書込み、ステップ105へと戻り、ステップ105からステップ106の処理により、次のトラックに対してサーボ信号B〜Fを書込んでいく。
これ以降、MPU21は、同様な処理を繰り返してディスク1の全トラック分、各トラックにサーボ信号A〜Fを各トラックに対応して設定していく。
このようにしてサーボ信号が設定されると、次に磁気ヘッドテスター10は、磁気ヘッドの検査に入る。
【0028】
図2に戻り、MPU21は、ヘッドアクセスプログラム22bを実行してインタフェース23を介してトラック横断信号(あるいはトラック位置信号P)をポジション復調回路13から受ける。このトラック横断信号に応じて、図1に示すヘッドアクセス制御回路16に制御信号を送出してXYステージ3のXステージ3aとYステージ3bとを制御し、目標トラックTRにヘッド9を位置決めする。さらにピエゾステージ4を駆動してX方向の位置を微調整して目標となるトラックTRにヘッド9を位置決めする制御をする。
なお、ヘッドの半径R方向の位置決めをトラック位置信号Pによるときには、ディスク1のトラックにあらかじめトラック位置に応じてトラック位置を示す位置決め情報(トラックコードTC)を前記したように記憶しておくことになる。トラック位置を示す位置決め情報は、サーボ信号の位置に配置してこの中に含めることができる。
【0029】
目標となるトラックTRにヘッド9が位置決めされると、次に、ヘッド9によりテストデータの読出あるいは書込が行われる。このときには、データ読出/書込制御プログラム22cがMPU21により実行されて、MPU21は、ディスク1回転+1/3回転程度、ヘッドが位置決めされたトラックTRをアクセスをした後にデータの読出制御あるいは書込制御に入り、連続的にデータの読出/書込が行われる。この場合のデータの読出、書込は、ONトラックサーボ回路11によりONトラック位置決め制御(ONトラックサーボ制御)が行われている状態で行われる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上説明してきたが、実施例の微動移動ステージは、これの基準位置に戻すことで所定トラック数分に対応する微動移動ステージの移動量分を相殺している。その後に粗動移動ステージが磁気ヘッドを次の目標トラックへ移動させている。さらに、微動ステージは、磁気ヘッドを磁気ディスクの半径方向に戻して半径方向に前進させて磁気ヘッドによりマーク情報M(所定の情報)の検出している。しかし、この発明は、このような手順に限定されるものではなく、粗動移動ステージと微動移動ステージの移動により磁気ヘッドを磁気ディスクの半径方向に前後移動させてマーク情報Mを読出せばよい。
また、実施例では、マーク情報Mは、所定数のトラックの最後のトラックにおける最後のサーボ信号書込み位置に対応する磁気ディスクの円周上においてサーボ信号書込みエリア以外のエリアに書込まれている。しかし、マーク情報Mの記録は、微動移動のステージが検出できる手前のどのトラックのどのサーボ信号書込み位置に対応して行われてもよい。ただし、最後のトラックか、これより1つあるいは2つ手前トラックのサーボ信号の書込み位置であることが好ましい。
【0031】
マーク情報M(所定の情報)の書込み位置が次のトラックから3トラック程度手前であっても次のトラックへの位置決め誤差は少ないので適用可能である。したがって、この発明は、マーク情報M(所定の情報)の書込み位置については、最後のトラックにおける最後のサーボ信号書込み位置に限定されるものではないが、3トラックを越える手前のトラックになると現在のところ誤差が大きくなるので好ましくない。
そこで、この発明におけるマーク情報M(所定の情報)の検出は、サーボ情報の書込が終了したトラックの最後、これより1つあるいは2つ手前のいずれかのトラックまで磁気ヘッドを戻してから次のトラックの方向へ磁気ヘッドを移動することで行うことになる。
さらに、実施例のピエゾステージ4は、ピエゾアクチュエータによることなく、微小に前後移動するアクチュエータであればよく、他の進退アクチュエータが用いられてもよい。また、実施例におけるXステージとYステージは、入れ替えることができる。この発明は、どちらかのステージをディスクの半径方向に一致させてもよい。
さらに、実施例では、磁気ヘッドテスターを例を中心に説明しているが、この発明は、磁気ディスクテスターにおいても適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、この発明のサーボ信号書込み方法を適用した一実施例の磁気ヘッド検査装置のブロック図である。
【図2】図2は、図1におけるONトラックサーボ回路のブロック図である。
【図3】図3(a)は、トラック対応のサーボバースト信号の説明図、図3(b)は、セクタに対応して設定されたサーボバースト信号の説明図である。
【図4】図4は、サーボバースト信号の書込み処理のフローチャートである。
【図5】図5は、サーボバースト信号の書込み方法の説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1…ディスク、2…スピンドル、
3…XYステージ、3a…Xステージ、3b…Yステージ、
4…ピエゾステージ、5…カートリッジ取付ベース、
6…ヘッドカートリッジ、6a…読出アンプ、6b…書込アンプ、
7…ピエゾアクチュエータ、
8…ジンバルスプリング、9…磁気ヘッド、
9a…MRヘッド、9b…インダクティブヘッド、
10…磁気ヘッドテスター、
12…サーボ信号分析回路、13…ポジション復調回路、
14…位置制御回路、15…データ読出回路、
16…ヘッドアクセス制御回路、17…サーボ信号・データ書込回路、
18…テストデータ・バースト信号生成回路、
20…データ処理・制御装置、21…MPU、
22…メモリ、22a…サーボ信号設定プログラム、
22b…ヘッドアクセスプログラム、
22c…データ読出/書込制御プログラム、
23…インタフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗動移動ステージにより目標のトラックまで磁気ヘッドを移動してさらに微動移動ステージで磁気ヘッドを前記目標のトラックにおける複数のサーボ情報書込み位置にそれぞれ位置決めしてそれぞれの位置でそれぞれに複数個サーボ情報を磁気ディスクに書込みかつ前記目標トラックから所定トラック数分、前記複数個サーボ情報を同様にして書込み、前記所定トラック数分ごとに次の目標トラックに前記粗動移動ステージにより前記磁気ヘッドを移動させて前記磁気ディスクの多数の各トラックに対して前記複数個サーボ情報を書込むサーボ信号書込み方法において、
前記サーボ情報が書込まれた前記所定トラック数のトラックの最後、これより1つあるいは2つ手前のいずれかのトラックにおける、前記複数のサーボ情報書込み位置のうちの1つに対応する前記磁気ディスクの円周上でかつ前記サーボ情報が書込まれていないエリアに所定の情報を書込み、
前記粗動移動ステージにより前記次の目標トラックに前記磁気ヘッドが移動した後に前記微動移動ステージの移動により前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクの半径方向に移動させて前記所定の情報を検出し、
前記所定の情報が検出された前記磁気ヘッドの前記半径方向の位置を基準して前記微動移動ステージにより前記磁気ヘッドを移動させて前記次の目標トラックに対する前記サーボ情報の書込みを行うサーボ信号書込み方法。
【請求項2】
前記所定の情報の検出は、前記微動ステージにより前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクの半径方向において前記サーボ情報が書込まれた前記所定トラック数のトラックの方向に戻して前記所定の情報を読出すことで行われ、
前記所定の情報が検出された前記磁気ヘッドの前記半径方向の位置を基準して前記磁気ヘッドを前記次の目標トラックのサーボ情報書込位置へ移動させる請求項1記載のサーボ情報書込み方法。
【請求項3】
前記所定の情報の検出は、前記微動移動ステージの移動により、前記所定の情報が書込まれた前記所定トラック数のトラックの最後、これより1つあるいは2つ手前のいずれかのトラックまで戻して前記所定の情報を読出すことで行われる請求項2記載のサーボ情報書込み方法。
【請求項4】
前記所定の情報は、前記最後のトラックの複数のサーボ情報書込み位置の1つに対応する前記磁気ディスクの円周上に書込まれる請求項3記載のサーボ情報書込み方法。
【請求項5】
前記所定の情報は、前記最後のトラックにおける最後のサーボ情報書込み位置に対応する前記磁気ディスクの円周上に書込まれ、前記次の目標トラックに対する前記サーボ情報の書込みは、前記最後のサーボ情報書込み位置から前記次の目標トラックにおける最初のサーボ情報書込み位置に前記磁気ヘッドを位置決めして行われる請求項4記載のサーボ情報書込み方法。
【請求項6】
前記次の目標トラックに対する前記サーボ情報の書込みは、前記最後のサーボ情報書込み位置から前記最後のトラックにおける最初のサーボ情報書込み位置に前記磁気ヘッドを移動し、さらに1のトラック分の距離だけ前記半径方向に前記磁気ヘッドを移動して前記次の目標トラックにおける最初のサーボ情報書込み位置に前記磁気ヘッドを位置決めして行われる請求項5記載のサーボ情報書込み方法。
【請求項7】
前記微動ステージのストロークは、前記所定トラック数のトラック分か、これ以上のものであり、前記粗動移動ステージによる前記次の目標のトラックまでの前記磁気ヘッドの移動は、前記粗動移動ステージの移動基準となる原点位置を基準として行われる請求項6記載のサーボ情報書込み方法。
【請求項8】
前記複数個のサーボ情報は、前記半径方向にリードヘッドのトラック幅の1/3相当分ずらせて1トラック当たり6個割当られる請求項7記載のサーボ情報書込み方法。
【請求項9】
請求項1記載のサーボ情報書込み方法によりサーボ情報が書込まれた磁気ディスクとこの磁気ディスク上の所定のトラックにアクセスする磁気ヘッドとを有し、前記所定のトラックに磁気ヘッドを位置決めして前記磁気ヘッドの検査をする磁気ヘッド検査装置。
【請求項10】
請求項1記載のサーボ情報書込み方法によりサーボ情報が書込まれた磁気ディスクとこの磁気ディスク上の所定のトラックにアクセスする磁気ヘッドとこの磁気ヘッドにより前記サーボ情報を読出して前記サーボ情報に応じてONトラックサーボ制御をすることにより前記所定のトラックに前記磁気ヘッドを位置決めする制御回路とを有し、前記制御回路により前記所定のトラックに前記磁気ヘッドをONトラックサーボ制御の状態で位置決めして前記磁気ヘッドの検査をする磁気ヘッド検査装置。
【請求項11】
請求項1記載のサーボ情報書込み方法によりサーボ情報が書込まれた磁気ディスクとこの磁気ディスク上の所定のトラックにアクセスする磁気ヘッドとを有し、前記所定のトラックに磁気ヘッドを位置決めして前記磁気ディスクの検査をする磁気ディスク検査装置。
【請求項12】
請求項1記載のサーボ情報書込み方法によりサーボ情報が書込まれた磁気ディスクとこの磁気ディスク上の所定のトラックにアクセスする磁気ヘッドとこの磁気ヘッドにより前記サーボ情報を読出して前記サーボ情報に応じてONトラックサーボ制御をすることにより前記所定のトラックに前記磁気ヘッドを位置決めする制御回路とを有し、前記制御回路により前記所定のトラックに前記磁気ヘッドをONトラックサーボ制御の状態で位置決めして前記磁気ディスクの検査をする磁気ディスク検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−80923(P2009−80923A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224916(P2008−224916)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】