説明

シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法

【課題】汎用な材料の冷却管が使用できるシクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法を提供する。
【解決手段】シクロプロパンカルボン酸と式(2)R6OH(2)(式(2)中、R6は、アルキル基、アラルキル基等を示す。)で示されるモノヒドロキシ化合物とを、有機溶媒、周期表4族元素化合物及び有機塩基の存在下に蒸留させることにより脱水縮合反応させる工程を有することを特徴とする式(3)


[式(3)中、R1、R2、R3、R4、R5は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基又はアリール基等を示す。]で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、脱水縮合反応では、該反応を安定に進行させるために反応系内を高い酸性状態に保つこと(例えば、酸性度の高い酸触媒の使用)が必要である。
シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法としては、シクロプロパンカルボン酸と、モノヒドロキシ化合物とを有機溶媒及びジルコニウム化合物存在下、蒸留させることにより脱水縮合反応させる方法が開示されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−293759号公報([0034][実施例1])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記方法では、酸性度の高い酸触媒を使用するため、脱水縮合反応によって生じた水は強い酸性を示し、生じた水を凝縮するための冷却管には、耐酸性に優れた材料を用いなければならず、汎用な材料による冷却管を具備する装置で製造することが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような状況下、本発明者らは鋭意検討し、下記[1]〜[5]で示される本発明に至った。
[1]式(1)

[式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基(ここでアルキル基は、炭素数1〜10であり、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシイミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基又はヒドロキシスルフィニル基で置換されていてもよい)、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基(ここでアルケニル基またはアルキニル基は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシイミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基またはシアノ基で置換されていてもよい)、置換されていてもよいアラルキル基(ここでアラルキル基は、炭素数1〜10であり、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシイミノ基、アルキルスルホニル基またはアルキルスルホニルオキシ基で置換されていてもよい)又は置換されていてもよいアリール基(ここでアリール基は、炭素数6〜10であり、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基又はアルキルスルホニルオキシ基で置換されていてもよい)を示す。]
で示されるシクロプロパンカルボン酸と式(2)
6OH (2)
(式(2)中、 R6は、炭素数1〜10のアルキル基(ここでアルキル基は、ハロゲン原子、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又は複素環基で置換されていてもよい);炭素数7〜10のアラルキル基(ここでアラルキル基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェノキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基で置換されていてもよい);又は炭素数6〜10のアリール基(ここでアリール基はアルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよい)を示す。)
で示されるモノヒドロキシ化合物とを、有機溶媒、周期表4族元素化合物及び有機塩基の存在下に蒸留させることにより脱水縮合反応させる工程を有することを特徴とする式(3)

(式(3)中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は前記と同じ意味を示す。)
で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法。
【0006】
[2] 有機塩基が脂肪族3級アミン又は芳香族アミンであることを特徴とする[1]記載の製造方法。
[3] 有機塩基がジイソプロピルエチルアミンであることを特徴とする[1]又は[2]記載の製造方法。
[4] 有機塩基が、用いられる有機溶媒に対して、0.5〜0.8の比揮発度を有する有機塩基であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の製造方法。
[5] 周期表4族元素化合物がルイス酸性化合物であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか記載の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造方法によれば、有機塩基を用いない場合と収率はほとんど変わらず、しかも、脱水縮合反応の際に生成する水を凝縮するための冷却管は、耐酸性に優れた材料を用いる必要がなく、汎用な材料による冷却管を具備する装置で製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるシクロプロパンカルボン酸とは、上記式(1)で示されるものである。式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、置換されていてもよいアラルキル基、または置換されていてもよいアリール基を示す。
【0009】
置換されていてもよいアルキル基とは、炭素数1〜10のアルキル基であり、それらは直鎖、分岐鎖又は環状の何れであってもよく、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、メンチル等を挙げることができる。これらアルキル基を置換する置換基としては、フッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子;メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のアルコキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;メトキシイミノ、エトキシイミノ、n-プロポキシイミノ等のアルコキシイミノ基;メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、i-プロピルスルホニル、tert-ブチルスルホニル等のアルキルスルホニル基;メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、n-プロピルスルホニルオキシ、i-プロピルスルホニルオキシ、tert-ブチルスルホニルオキシ等のアルキルスルホニルオキシ基;ヒドロキシスルフィニル基等が挙げられる。
【0010】
置換されていてもよいアルケニル基としては、ビニル、1-メチルビニル、1−プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1−ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、2,2-ジクロロビニル、2,2-ジブロモビニル、2-クロロ-2-フルオロビニル、2-クロロ-2-トリフルオロメチルビニル、2-ブロモ-2-トリブロモメチルビニル等を例示することができる。また、置換されていてもよいアルキニル基としては、プロパルギル基等が挙げられる。
これらアルケニル基、アルキニル基を置換する置換基としては、フッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子;フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル等のアリール基;メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のアルコキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;メトキシイミノ、エトキシイミノ、n-プロポキシイミノ等のアルコキシイミノ基;メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、i-プロピルスルホニル、tert-ブチルスルホニル等のアルキルスルホニル基;メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、n-プロピルスルホニルオキシ、i-プロピルスルホニルオキシ、tert-ブチルスルホニルオキシ等のアルキルスルホニルオキシ基またはシアノ基等が挙げられる。
【0011】
置換されていてもよいアラルキル基としてはベンジル、ジフェニルメチル、フェニルエチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル等が挙げられる。
【0012】
これらアラルキル基を置換する置換基としては、フッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子;メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル等のアルキル基;メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のアルコキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;メトキシイミノ、エトキシイミノ、n-プロポキシイミノ等のアルコキシイミノ基;メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、i-プロピルスルホニル、tert-ブチルスルホニル等のアルキルスルホニル基;メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、n-プロピルスルホニルオキシ、i-プロピルスルホニルオキシ、tert-ブチルスルホニルオキシ等のアルキルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
【0013】
置換されていてもよいアリール基としては、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル等が挙げられる。
これらアリール基を置換する置換基としては、フッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子;メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル等のアルキル基;メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のアルコキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、i-プロピルスルホニル、tert-ブチルスルホニル等のアルキルスルホニル基;メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、n-プロピルスルホニルオキシ、i-プロピルスルホニルオキシ、tert-ブチルスルホニルオキシ等のアルキルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
【0014】
式(1)で示されるシクロプロパンカルボン酸(以下は、シクロプロパンカルボン酸(1)という場合がある)の具体的化合物としては、例えば、シクロプロパンカルボン酸、2-フルオロシクロプロパンカルボン酸、2,2-ジクロロシクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(ジメトキシメチル)シクロプロパンカルボン酸、2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(3-メチル-2-ブテニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2,2,2-トリクロロエチル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2-クロロ-2-フルオロビニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2-ブロモビニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2,2-ジブロモビニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(1,2,2,2-テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(1,2-ジブロモ-2,2,-ジクロロエチル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-{3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1-プロペニル}シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2-フェニル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2-フェニルビニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2-メチル-3-フェニル-2-ブテニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-{(2,2-ジフルオロシクロプロピリデン)メチル}シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-{2-(tert-ブトキシカルボニル)ビニル}シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-{2-フルオロ-2-(メトキシカルボニル)ビニル}シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-{2-フルオロ-2-(エトキシカルボニル)ビニル}シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-{2-フルオロ-2-(tert-ブトキシカルボニル)ビニル}シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-〔2-{2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エトキシカルボニル}ビニル〕シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(2-アザ-2-メトキシビニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-(4-アザ-4-メトキシ-3-メチルブタ-1,3-ジエニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-〔2-{(tert-ブチル)スルホニル}-2-(tert-ブトキシカルボニル)ビニル〕シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-{2,2,2-トリブロモ-1-(メチルスルホニルオキシ)エチル}シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-{2,2-ジブロモ-2-(ヒドロキシスルフィニル)-1-(メトキシ)エチル}シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジメチル-3-{2,2,2-トリブロモ-1-(メチルスルホニルオキシ)エチル}シクロプロパンカルボン酸、2-メチル-2-エチル-3-(1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2-ジエチル-3-(2,2-ジクロロビニル)シクロプロパンカルボン酸、2-メチル-2-フェニル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸または2,2-ジメチル-3-(2-シアノ-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸等が挙げられる。
好ましくは、2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボン酸、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸または2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸が挙げられる。
【0015】
本発明に用いられるシクロプロパンカルボン酸(1)は不斉炭素を有し、2種類以上の立体異性体が存在するが、本発明はそれらのいずれをも含むものである。
【0016】
本発明に用いられる式(2)で示されるモノヒドロキシ化合物(以下、モノヒドロキシ化合物と記すことがある)としては、置換されていてもよいアルキルアルコール、アラルキルアルコール又はアリールアルコールである。
【0017】
置換されていてもよいアルキルアルコールのアルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基であり、直鎖、分岐鎖又は環状の何れであってもよく、二重結合または三重結合を有していてもよい。また、その置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子、フリル基、フェノキシフリル基、ベンジルフリル基、ジフルオロメチル基、プロパルギルフリル基、メチルイソオキサゾリル基、トリフルオロメチルチアゾリル基、トリフルオロメトキシチアゾリル基、プロピニルピロリル基、プロピニルジオキソイミダゾリジニル基、オキソ基、プロペニル基、プロピニル基、ジオキソテトラヒドロイソインドリル基、オキソチアゾリル基等が挙げられる。
【0018】
置換されていてもよいアルキルアルコールの具体的化合物としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、アミルアルコール 、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デシルアルコール、2−フリルメチルアルコール、3−フリルメチルアルコール、(5−フェノキシ−3−フリル)メチルアルコール、(5-ベンジル-3-フリル) メタン-1-オール、{5-(ジフルオロメチル)-3-フリル } メタン-1-オール、5−プロパルギルフルフリ―ルアルコール、(5-メチルイソオキサゾル-3-イル) メタン-1-オール、1-{2-(トリフルオロメチル)-1,3-チアゾル-4-イル}プロプ-2-イン-1-オール、1-{2-(トリフルオロメトキシ)-1,3-チアゾル-4-イル}プロプ-2-イン-1-オール、1-{1-プロプ-2-イニル-5-(トリフルオロメチル)ピロル-3-イル }プロプ-2-イン-1-オール、(1-プロプ-2-イニルピロル-3-イル) メタン-1-オール、3−(ヒドロキシメチル)−1−プロピニル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−オン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロピニル)−2−シクロペンテン−1−オン、2−(ヒドロキシメチル)―4,5,6,7−テトラヒドロイソインドール−1,3−ジオン、{1−(2−プロピニル)ピロール−3−イル}メタン−1−オール、5−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−(2−プロピニル)−1,3−チアゾリン−2−オン、4−メチルヘプト−4−エン−1−イン−3−オール、クロロメチルアルコール、ジクロロメチルアルコール、トリクロロメチルアルコール、ブロモメチルアルコール、ジブロモメチルアルコール、トリブロモメチルアルコール、フルオロメチルアルコール、ジフルオロメチルアルコール、トリフルオロメチルアルコール、フルオロエチルアルコール、ジフルオロエチルアルコール、トリフルオロエチルアルコール、テトラフルオロエチルアルコール、ペンタフルオロエチルアルコール、3,3-ジブロモ-2-プロペン-1-オール、パーフルオロプロピルアルコール、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール、パーフルオロブチルアルコール、パーフルオロペンチルアルコール、パーフルオロヘキシルアルコール、パーフルオロオクチルアルコール、パーフルオロデシルアルコール、{1−(2−プロピニル)−5−(トリフルオロメチル)−4−ピラゾリル}メタン−1−オール、1−{1−(2−プロピニル)−5−(トリフルオロメチル)ピロール−3−イル}プロプ−2−イン−1−オール、1−{2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−4−イル}プロプ−2−イン−1−オール、1−{2−(トリフルオロメトキシ)−1,3−チアゾール−4−イル}プロプ−2−イン−1−オール、4−フルオロヘプト−4−エン−1−イン−3−オール等が挙げられる。
【0019】
置換されていてもよいアラルキルアルコールのアラルキルとしては、例えば、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、アントラセニルメチル、インドリルメチル等が挙げられる。
その置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルコキシ基、ハロアルキルアセチルオキシ基、フェノキシ基、フェニル基、シアノ基、ハロフェノキシ基、アミノ基、ピリジル基、チエニル基等が挙げられる。
【0020】
置換されていてもよいアラルキルアルコールの具体例としては例えば、ベンジルアルコール、2-メチル-3-フェニルベンジルアルコール、2,3,5,6-テトラフルオロベンジルアルコール、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベンジルアルコール、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メトキシベンジルアルコール、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)ベンジルアルコール、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-プロパルギルベンジルアルコール、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(ジフルオロメチル)ベンジルアルコール、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(ジフルオロメトキシ)ベンジルアルコール、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(2,2,2-トリフルオロアセチルオキシ)メチルベンジルアルコール、4-(トリフルオロメチル)ベンジルアルコール、2,3,4,5-テトラフルオロ-6-メチルベンジルアルコール、3-フェニルベンジルアルコール、2,6-ジクロロベンジルアルコール、3−フェノキシベンジルアルコール、2−ヒドロキシ−2−(3−フェノキシフェニル)エタンニトリル、2−ヒドロキシ−2−{4-(メトキシメチル)フェニル}エタンニトリル、2−{3−(4-クロロフェノキシ)フェニル}−2−ヒドロキシエタンニトリル、2-(4-アミノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2-ヒドロキシエタンニトリル、2-(4-フルオロ-3-フェノキシフェニル)-2-ヒドロキシエタンニトリル、(2−メチルフェニル)メチルアルコール、(3−メチルフェニル)メチルアルコール、(4−メチルフェニル)メチルアルコール、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアルコール、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアルコール、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアルコール、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアルコール、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアルコール、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアルコール、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアルコール、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアルコール、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアルコール、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアルコール、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアルコール、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアルコール、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアルコール、(ペンタメチルフェニル)メチルアルコール、(エチルフェニル)メチルアルコール、(n−プロピルフェニル)メチルアルコール、(イソプロピルフェニル)メチルアルコール、(n−ブチルフェニル)メチルアルコール、(sec−ブチルフェニル)メチルアルコール、(tert−ブチルフェニル)メチルアルコール、(n−ペンチルフェニル)メチルアルコール、(ネオペンチルフェニル)メチルアルコール、(n−ヘキシルフェニル)メチルアルコール、(n−オクチルフェニル)メチルアルコール、(n−デシルフェニル)メチルアルコール、(n−ドデシルフェニル)メチルアルコール、(n−テトラデシルフェニル)メチルアルコール、ナフチルメチルアルコール、アントラセニルメチルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、1−(1−ナフチル)エチルアルコール、1−(2−ナフチル)エチルアルコール、4−プロプ−2−イニルフェニル)メタン−1−オール、3−プロプ−2−イニルフェニル)メタン−1−オール、(1−プロプ−2−イニル−2−メチルインドル−3−イル)メタン−1−オール、{1−プロプ−2−イニル−2−(トリフルオロメチル)インドル−3−イル}メタン−1−オール、4-プロプ-2-エニルインダン-1-オール、4-フェニルインダン-2-オール、4-(2-チエニル)インダン-2-オール、(2,3,6-トリフルオロ-4-ピリジル) メタン-1-オールおよび前記ハロアラルキルアルコールにおいてハロゲン原子をメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどに任意に変更したアルコキシアラルキルアルコール、およびシアノアラルキルアルコール、ニトロアラルキルアルコール等が挙げられる。
【0021】
置換されていてもよいアリールアルコールとしては例えば、フェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、4−プロプ−2−イニルフェノール、3−プロプ−2−イニルフェノール、4−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシベンズアルデヒド及びこれらの芳香環がアルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン原子等で置換されたものが挙げられる。
【0022】
モノヒドロキシ化合物(2)の好ましいものとして、一級アルコール類、ベンジルアルコール類、ヒドロキシシクロペンテノンが挙げられ、より好ましくは、ハロゲン原子で置換されたベンジルアルコール類が挙げられる。
【0023】
本発明に用いられるモノヒドロキシ化合物(2)は不斉炭素を有する場合があり、2種類以上の立体異性体が存在する場合があるが、本発明はそれらのいずれをも含むものである。
【0024】
モノヒドロキシ化合物(2)の使用量はシクロプロパンカルボン酸(1)に対し通常、1当量以上であり、必要に応じ過剰に用いてもよく、溶媒として使用することもできる。また、原料回収の容易さ、価格などを考慮し、モノヒドロキシ化合物(2)の使用量をシクロプロパンカルボン酸(1)に対し1当量未満にしてもよい。通常、反応終了後、未反応の原料は、例えば蒸留、抽出、分液等の操作により回収することもできる。
【0025】
本発明は、触媒として周期表4族元素化合物を用いる。具体的な周期表4族元素化合物としては、例えば、ルイス酸性化合物が挙げられ、より好ましくは、式(4)
M(O)(X)(Y)4-2m-n (4)
(式(4)中、X,Yはそれぞれ独立してハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロペンタジエニル基またはアミノ基を示し、Mは周期表4族元素を示し、mは0または1を示し、nは0、1または2を示す。)
で示される化合物が挙げられる。
周期表4族元素化合物の具体例としては、例えば、四弗化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、四沃化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ジルコニウム アセチルアセトナート、ジルコニウム エトキシド、ジルコニウム i-プロポキシド、ジルコニウム n-ブトキシド、ジルコニウム t-ブトキシド、オキシ塩化ジルコニウム、テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、テトラキス(ジエチルアミノ)ジルコニウム、ジルコノセン ジクロライド、ジルコノセン ジメトキシド、デカメチルジルコノセン ジクロライド等が挙げられ、好ましくは、四塩化ジルコニウム、ジルコニウム t-ブトキシド、ジルコノセン ジクロライド、四弗化チタン、四塩化チタン、四臭化チタン、四沃化チタン、酢酸チタン、チタン アセチルアセトナート、チタン エトキシド、チタン i-プロポキシド、チタン n-ブトキシド、チタン t-ブトキシド、オキシ塩化チタン、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン、チタノセン ジクロライド、チタノセン ジメトキシド、デカメチルチタノセン ジクロライド、四弗化ハフニウム、四塩化ハフニウム、四臭化ハフニウム、四沃化ハフニウム、酢酸ハフニウム、ハフニウム アセチルアセトナート、ハフニウム エトキシド、ハフニウム i-プロポキシド、ハフニウム n-ブトキシド、ハフニウム t-ブトキシド、オキシ塩化ハフニウム、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム、テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム、ハフノセン ジクロライド、ハフノセン ジメトキシド、デカメチルハフノセン ジクロライド等が挙げられ、好ましくは、四塩化チタン、チタン i-プロポキシド、チタノセン ジクロライド、四塩化ハフニウム、ハフニウム t-ブトキシド、ハフノセン ジクロライド等が挙げられる。
【0026】
周期表4族元素化合物は、市販の無水物あるいは水和物をそのまま使用することができる。また、テトラヒドロフランやテトラメチルエチレンジアミンなどの配位性を有する化合物との錯体を用いることもできる。更には鉄 i-プロポキシド、アルミニウム i-プロポキシド、スズ i-プロポキシド、ガリウム i-プロポキシド等との錯体を用いることもできる。
【0027】
周期表4族元素化合物の使用量は、通常、シクロプロパンカルボン酸(1)に対し0.001〜200モル%程度であり、好ましくは0.1〜10モル%程度の範囲である。
【0028】
反応に用いられる有機溶媒は、通常、水と共沸し得る有機溶媒であり、具体的には、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンのような脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル溶媒等が例示される。
【0029】
本発明で用いられる有機塩基は、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミンなどである。
脂肪族アミンの具体例としては、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの炭素数1〜12のアルキル基が置換された脂肪族3級アミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンなどの環状炭化水素基が置換された脂環式アミン等が挙げられる。脂肪族アミンとしては、通常、3級アミンが用いられ、特にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンが好ましい。
芳香族アミンとしては、例えば、ピロール、ピリジン、ピリミジン、オキサゾリンなどが挙げられる。
有機塩基としては、2種類以上の有機塩基を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
所定の温度における有機溶媒の蒸気圧に対する有機塩基の蒸気圧、即ち比揮発度は、0.5〜0.8であることが好ましい。
【0031】
有機塩基の使用量は、通常、シクロプロパンカルボン酸(1)1重量部に対して0.00001〜2重量部であり、好ましくは0.05〜0.5重量部の範囲である。
【0032】
本発明は、シクロプロパンカルボン酸(1)とモノヒドロキシ化合物(2)とを、有機溶媒、周期表4族元素化合物及び有機塩基の存在下に蒸留させることにより脱水縮合反応させ、式(3)で示されるシクロプロパンカルボン酸エステル(以下、シクロプロパンカルボン酸エステル(3)と記すことがある)を製造する方法である。
通常、シクロプロパンカルボン酸(1)、モノヒドロキシ化合物(2)、周期表4族元素化合物、有機溶媒及び有機塩基を含む混合溶液をアルゴン、窒素等不活性ガスの雰囲気下としたのち、常圧もしくは減圧下にて、脱水縮合反応の生成物である水を蒸留によって除去する。この際、有機溶媒が水と共沸する場合には、有機溶媒が水とともに除去される。
脱水縮合反応の温度は、有機溶媒と水が共沸する場合、共沸点以上の温度であり、具体的には、有機溶媒の種類や共沸点等により異なるが、通常、20〜200℃程度の範囲である。
【0033】
かくして得られたシクロプロパンカルボン酸エステル(3)は、水又は酸性水で洗浄を行うことにより触媒および有機塩基を除去することができる。さらに、必要に応じて蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製操作を行ってもよい。
【0034】
本発明の製造方法は、シクロプロパンカルボン酸エステル(3)の収率及び選択率に優れる。また、脱水縮合反応の際に生成する水を凝縮するため冷却管は、耐酸性に優れた材料を用いる必要がなく、工業的に簡便な装置で製造することができる。
【実施例】
【0035】
以下の実施例により本発明をより詳細に説明する。特に断らない限り、部及び%は重量基準を意味する。
(実施例1)
フラスコに25.7部の2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸と、15部のベンジルアルコール、0.65部の四塩化ジルコニウム、2部のジイソプロピルエチルアミン(比揮発度0.6)および150部のキシレンを仕込んだ。この反応器にDean-Starkトラップを装着し、反応中に副生してくる水をトラップ中に分液除去しながら145〜147℃にて8時間攪拌還流した。この反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フェニルメチル 2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートの収率は、原料アルコールに対して93%であった。この留出水のpHは8.5であった。かかる溶液に、25mm×20mm×2mm、重さ6.7459gのSUS304製テストピースを20〜30℃の条件下で2週間浸漬したが、腐食による重量変化は無く、脱水縮合反応の際に生成する水を凝縮するため冷却管には、SUS304製の汎用材料で十分であることがわかった。
【0036】
(実施例2)
フラスコに132部の2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジルアルコール、不純物として1%の四塩化ジルコニウムを含んだ12部のテトラプロポキシジルコニウムのプロパノール溶液(含量70%)、3.31部のジイソプロピルエチルアミン(比揮発度0.6)、433部のキシレンおよび安定化剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール10部を仕込んだ。これを常圧下に143〜146℃で加熱攪拌し、プロパノールとキシレンの混合物214部を留去してエステル化触媒を含む溶液を得た。 得られた溶液に、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸108.2部を仕込んだ。
反応器にDean−Starkトラップを装着し、反応中に副生してくる水をトラップ中に分液除去しながら、145〜151℃にて12時間攪拌、反応させ、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸{2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル}を含む溶液を得た。この反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、{2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル}メチル2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートの収率は、原料アルコールに対して96.8%であった。この留出水のpHは10であった。かかる溶液に60mm×15mm×2mm、重さ15.086gのSUS304製テストピースを10〜30℃の条件下で1週間浸漬したが、腐食による重量変化は無く、脱水縮合反応の際に生成する水を凝縮するため冷却管には、SUS304製の汎用材料で十分であることがわかった。
【0037】
(比較例1)
実施例1において、1.97部のジイソプロピルエチルアミンを用いない以外は実施例1に準じて反応を行った。この反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フェニルメチル 2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートの収率は、原料アルコールに対して99%であった。この留出水のpHは1.0であった。かかる溶液に25mm×20mm×2mm、重さ6.8735gのSUS304製テストピースを用いて、実施例1と同様に浸漬を行ったところ、腐食による重量減は0.63%であった。
【0038】
(比較例2)
実施例2において、ジイソプロピルエチルアミンを用いない以外は実施例2に準じて反応を行った。この反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、{2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル}メチル2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートの収率は、原料アルコールに対して98.3%であった。この留出水のpHは1.0であった。かかる溶液に60mm×15mm×2mm、重さ15.161gのSUS304製テストピースを用いて、実施例3と同様に浸漬を行ったところ、腐食による重量減は0.51%であった。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の製造方法によれば、有機塩基を用いない場合と収率はほとんど変わらず、しかも、脱水縮合反応の際に生成する水を凝縮するための冷却管は、耐酸性に優れた材料を用いる必要がなく、汎用な材料による冷却管を具備する装置で製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

[式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基(ここでアルキル基は、炭素数1〜10であり、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシイミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基又はヒドロキシスルフィニル基で置換されていてもよい)、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基(ここでアルケニル基またはアルキニル基は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシイミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基またはシアノ基で置換されていてもよい)、置換されていてもよいアラルキル基(ここでアラルキル基は、炭素数1〜10であり、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシイミノ基、アルキルスルホニル基またはアルキルスルホニルオキシ基で置換されていてもよい)又は置換されていてもよいアリール基(ここでアリール基は、炭素数6〜10であり、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基又はアルキルスルホニルオキシ基で置換されていてもよい)を示す。]
で示されるシクロプロパンカルボン酸と式(2)
6OH (2)
(式(2)中、 R6は、炭素数1〜10のアルキル基(ここでアルキル基は、ハロゲン原子、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又は複素環基で置換されていてもよい);炭素数7〜10のアラルキル基(ここでアラルキル基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェノキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基で置換されていてもよい);又は炭素数6〜10のアリール基(ここでアリール基はアルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよい)を示す。)
で示されるモノヒドロキシ化合物とを、有機溶媒、周期表4族元素化合物及び有機塩基の存在下に蒸留させることにより脱水縮合反応させる工程を有することを特徴とする式(3)

(式(3)中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は前記と同じ意味を示す。)
で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法。
【請求項2】
有機塩基が脂肪族3級アミン又は芳香族アミンであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
有機塩基がジイソプロピルエチルアミンであることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
有機塩基が、用いられる有機溶媒に対して、0.5〜0.8の比揮発度を有する有機塩基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
【請求項5】
周期表4族元素化合物がルイス酸性化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。

【公開番号】特開2010−1245(P2010−1245A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161427(P2008−161427)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】