説明

シャッター眼鏡、及び、画像表示システム

【課題】画像を見た際に疲れにくいシャッター眼鏡、及び、画像表示システムを提供する。
【解決手段】液晶シャッター眼鏡3は、入射光の透過及び遮断を切替可能な左目用選択部31及び右目用選択部32と、左目用選択部31及び右目用選択部32が配設されたフレーム部材35とを備える。この液晶シャッター眼鏡3は、左目用選択部31及び右目用選択部32を駆動させる駆動回路33及び電池34を備える。フレーム部材35は、左目用選択部31及び右目用選択部32が取り付けられるリム部351と、各一端がリム部351にそれぞれ連結した一対のテンプル部352とを備える。駆動回路33及び電池34の少なくともいずれか一方は、テンプル部352の他端側に配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター眼鏡、及び、画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクター等の画像表示装置と、液晶シャッター眼鏡等のシャッター眼鏡とを備えた画像表示システムが知られている。
この画像表示システムでは、観察者は、シャッター眼鏡を装着して、画像表示装置によりスクリーン等に投射される画像を観察することで、立体画像を視認する。
そして、シャッター眼鏡は、通常、液晶シャッター等により構成される一対のシャッター部材と、この一対のシャッター部材を駆動させる駆動回路及び駆動電源等をフレーム部材に備える。
このように、シャッター眼鏡は、多くの部品を備えるため、一般的な視度矯正用眼鏡よりも重くなり長時間装着すると疲れ易い傾向がある。
そこで、シャッター眼鏡の装着感を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシャッター眼鏡(液晶シャッタ眼鏡)では、第1眼鏡枠を構成する左右の側遮光部にシャッター眼鏡が備える電池及び電気部品を配分している。これにより、シャッター眼鏡の左右の重量バランスを均等にして、シャッター眼鏡を装着したときの使用者の疲れを軽減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−5904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシャッター眼鏡では、前側に配設されるシャッター部材(液晶シャッタ)の近傍に電池及び電気部品を配設しているため、シャッター眼鏡の重心位置が前側に片寄っている。このため、観察者がシャッター眼鏡を装着した際に、シャッター眼鏡の前側を支持する観察者の鼻に荷重が集中することになり、実際の重さ以上にシャッター眼鏡を重く感じてしまい、装着感が良好でなく、画像を見た際に疲れるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、画像を見た際に疲れにくいシャッター眼鏡、及び、画像表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシャッター眼鏡は、入射光の透過及び遮断を切替可能な一対のシャッター部材と、前記一対のシャッター部材が配設されたフレーム部材とを備えるシャッター眼鏡であって、前記シャッター部材を駆動させる駆動回路及び駆動電源を備え、前記フレーム部材は、前記シャッター部材が取り付けられるリム部と、各一端が前記リム部にそれぞれ連結した一対のテンプル部とを備え、前記駆動回路及び前記駆動電源の少なくともいずれか一方は、前記テンプル部の他端側に配設されていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、シャッター眼鏡の構成部品である駆動回路及び駆動電源の少なくともいずれか一方を、テンプル部の他端側に配設している。このため、シャッター眼鏡の全体の重量を変化させることなく、観察者が装着した際の装着状態におけるシャッター眼鏡の重心位置を、テンプル部の他端側に移動できる。このことにより、シャッター眼鏡の荷重が観察者の鼻に集中することを防止でき、観察者が感じるシャッター眼鏡の重さを軽減できる。これにより、装着感を向上でき、画像を見た際に疲れにくくすることができる。
【0008】
本発明のシャッター眼鏡では、前記駆動回路及び前記駆動電源の少なくともいずれか一方は、前記テンプル部の他端側の先端部に配設されていることが好ましい。
本発明では、駆動回路及び駆動電源の少なくともいずれか一方を、テンプル部の他端側の先端部に配設することで、これらを配設していないテンプル部の先端部以外の厚み寸法及び幅寸法を小さく構成できる。このことにより、視度矯正用眼鏡等の他の眼鏡を装着した上からシャッター眼鏡を重ねて装着しても他の眼鏡と干渉しにくくなり、装着感をさらに向上できる。
【0009】
本発明のシャッター眼鏡では、前記一対のテンプル部は、観察者が装着した際の装着状態で、前記先端部が前記他端側の下方に向かい、かつ、互いに近づくように屈曲していることが好ましい。
本発明では、一対のテンプル部の各先端部が下方に向かい、かつ、互いに近づくように屈曲していることで、観察者がシャッター眼鏡を装着した際に、観察者の後頭部の形状に倣って先端部を配設できる。このことにより、各テンプル部が観察者の左側の後頭部及び右側の後頭部にそれぞれフィットし、装着感をさらに向上できる。また、このように先端部を屈曲させることで、他の眼鏡を装着した上からシャッター眼鏡を重ねて装着しても、先端部が他の眼鏡と干渉することを確実に防止できる。
【0010】
本発明のシャッター眼鏡では、前記テンプル部は、前記リム部から斜め上方に向けて延出していることが好ましい。
本発明では、リム部から斜め上方に向けてテンプル部が延出しているので、シャッター眼鏡を観察者の後頭部と頭頂部との間の部位で支持できる。このことにより、他の眼鏡を装着した上からシャッター眼鏡を重ねて装着しても、観察者の耳における他の眼鏡との干渉を防止でき、装着感をさらに向上できる。また、テンプル部の他端側が、観察者の後頭部と頭頂部との間の部位で支持されるため、テンプル部の一端側に位置する観察者の鼻にかかるシャッター眼鏡の荷重を減らすことができ、装着感をさらに向上できる。
【0011】
本発明の画像表示システムは、上述したシャッター眼鏡と、第1画像及び第2画像を時分割で交互に表示する画像表示装置とを備えることを特徴とする。
本発明では、画像表示装置により交互に表示される第1画像及び第2画像を、上述した装着感に優れたシャッター眼鏡を装着して見ることで、画像表示装置により表示される立体視等が可能な画像を見た際の疲労感を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態における画像表示システムの使用形態を示す斜視図。
【図2】前記実施形態における液晶シャッター眼鏡の構成を模式的に示す上面図。
【図3】前記実施形態における液晶シャッター眼鏡の構成を模式的に示す側面図。
【図4】前記実施形態における液晶シャッター眼鏡の使用形態を示す側面図。
【図5】第2実施形態における液晶シャッター眼鏡の構成を模式的に示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔画像表示システムの構成〕
図1は、本実施形態における画像表示システム1の使用形態を示す斜視図である。
画像表示システム1は、反射型のスクリーンSc上に投影画像を表示するとともに、観察者に投影画像を立体視させる。この画像表示システム1は、図1に示すように、画像表示装置としてのプロジェクター2と、シャッター眼鏡としての液晶シャッター眼鏡3とを備える。
【0014】
プロジェクター2は、画像情報(画像データ)に基づく画像光を形成してスクリーンSc上に投射する。このプロジェクター2は、左目用画像(第1画像)と右目用画像(第2画像)とを時分割して一定周期で交互に投射する。すなわち、スクリーンSc上には、左目用画像と右目用画像とが交互に表示される。なお、プロジェクター2は、これら画像の切り替えタイミングを認識可能な同期信号を液晶シャッター眼鏡3に送信する。
【0015】
液晶シャッター眼鏡3は、観察者が装着するものであり、一対のシャッター部材としての左目用選択部31及び右目用選択部32(これらについては後述)のそれぞれが、光を透過させる透過状態と、光を遮断する遮断状態とを切り替え可能に構成されている。
この液晶シャッター眼鏡3は、プロジェクター2が送信した同期信号を受信することで、プロジェクター2の左目用画像及び右目用画像の表示の切り替えタイミングを認識し、この表示の切り替えと同期して、左目用選択部31及び右目用選択部32の透過状態及び遮断状態の切り替えを行う。
つまり、スクリーンScに左目用画像が表示されている間は、左目用選択部31を透過状態とし、右目用選択部32を遮断状態とする。一方、スクリーンScに右目用画像が表示されている間は、右目用選択部32を透過状態とし、左目用選択部31を遮断状態とする。
【0016】
以上の構成によって、画像表示システム1では、スクリーンSc上の投影画像(左目用画像)は、観察者の左目のみで視認される。また、スクリーンSc上の投影画像(右目用画像)は、観察者の右目のみで視認される。このため、観察者は、スクリーンSc上の投影画像を視差により立体視することとなる。
【0017】
〔液晶シャッター眼鏡の構成〕
図2及び図3は、液晶シャッター眼鏡3の構成を示す模式図である。具体的に、図2は、液晶シャッター眼鏡3の上面図であり、図3は、液晶シャッター眼鏡3の側面図(左目側の側面図)である。
液晶シャッター眼鏡3は、図2または図3に示すように、左目用選択部31及び右目用選択部32と、駆動回路33と、駆動電源としての電池34と、フレーム部材35とを備える。
【0018】
左目用選択部31及び右目用選択部32は、所謂液晶シャッターで構成され、上述したように、光を透過させる透過状態、光を遮断する遮断状態にそれぞれ切り替わる。この左目用選択部31及び右目用選択部32は、図3に示すように、視度矯正用眼鏡における眼鏡レンズと同様に、平板状の構成を備える。
駆動回路33は、左目用選択部31及び右目用選択部32等を駆動させるのに必要なドライバーIC(Integrated Circuit)、コネクター、プリント基板等で構成される回路部品である。
電池34は、駆動回路33に電力を供給する電源電池であり、本実施形態では、ボタン電池を採用している。
【0019】
フレーム部材35は、図2及び図3に示すように、リム部351と、一対のテンプル部352とを備え、上面視において略U字状(図2)に構成されている。
リム部351は、左目用選択部31及び右目用選択部32を連結して保持する。このリム部351における、左目用選択部31及び右目用選択部32を連結する中央位置の下部には、観察者が液晶シャッター眼鏡3を装着した際に観察者の鼻が当接するパッド部(図示略)が設けられている。なお、このリム部351には、上述した同期信号を受信する赤外受光素子等の受信部(図示略)も配設されている。
【0020】
各テンプル部352は、具体的な構成は省略するが折り畳み可能に構成されている。なお、以下では、観察者が液晶シャッター眼鏡3を装着した際の状態(装着状態)、すなわち、図2及び図3に示すように、各テンプル部352が開いている状態を基準として説明する。
【0021】
各テンプル部352は、図2及び図3に示すように、一端側の基端部353がリム部351に連結している。具体的に、左側の基端部353Lは、リム部351の左側端縁部351Lに連結し、右側の基端部353Rは、リム部351の右側端縁部351Rに連結している。なお、各テンプル部352は、図3に示すように、リム部351に保持されている平板状の左目用選択部31及び右目用選択部32に対し、側面視で直交するように連結されている。
【0022】
各テンプル部352は、図2に示すように、他端側の先端部354が下方かつ互いに近づくように屈曲しており、観察者の後頭部の形状に倣って配設されている。換言すると、各テンプル部352は、先端部354が、上面視において、互いに近づくように屈曲しており、さらに、図3に示すように、側面視において下方に向けてL字状に屈曲している。
ここで、各先端部354は、装着状態において観察者が鼻でリム部351を支持した際に、観察者の側後頭部(後頭部の左側及び右側に位置する部位)に支持面355がそれぞれ当接するように、位置、形状、大きさ及び角度等が設定されている。
【0023】
また、先端部354は、テンプル部352の他の部分よりも厚み寸法T(図2)及び幅寸法W(図3)が大きく構成されている。なお、テンプル部352の厚み寸法とは、図2の上面視における厚み寸法であり、幅寸法とは、図3の側面視における幅寸法である。
そして、この先端部354は、内部に駆動回路33及び電池34を配設している。具体的に、左側の先端部354Lには、駆動回路33が配設され、右側の先端部354Rには、電池34が配設されている。なお、駆動回路33及び電池34と、左目用選択部31及び右目用選択部32とは、テンプル部352内に配設されたフレキシブル基板等により接続されている。
【0024】
これら駆動回路33及び電池34は、液晶シャッター眼鏡3の重心位置P(図2)を調整するために先端部354に配設されている。具体的に、液晶シャッター眼鏡3の重心位置Pは、図2に示すように、液晶シャッター眼鏡3の前後方向の全長をL1とすると、液晶シャッター眼鏡3の前端縁から重心位置Pまでの距離L2が、全長L1の1/3以上1/1以下の範囲となるように設定されている。
【0025】
図4は、液晶シャッター眼鏡3の使用形態を示す側面図である。具体的に、図4は、視度矯正用眼鏡等の他の眼鏡4の上から液晶シャッター眼鏡3を重ねて装着した使用形態を示す図である。
液晶シャッター眼鏡3は、図4に示すように、観察者に装着された際に、リム部351が観察者の鼻で支持され、テンプル部352の先端部354側が観察者の耳で支持される。
このように支持される液晶シャッター眼鏡3は、先端部354以外のテンプル部352の厚み寸法及び幅寸法が小さいため、他の眼鏡4に重ねて装着した場合であっても、他の眼鏡4と干渉しにくい。また、先端部354が側後頭部に位置するので、耳にかける構成の他の眼鏡4と先端部354とが干渉しない構成となっている。
【0026】
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
液晶シャッター眼鏡3の構成部品である駆動回路33及び電池34を、テンプル部352の他端側に配設している。このため、液晶シャッター眼鏡3の全体の重量を変化させることなく、観察者が装着した際の装着状態における液晶シャッター眼鏡3の重心位置Pを、テンプル部352の他端側に移動できる。このことにより、液晶シャッター眼鏡3の荷重が観察者の鼻に集中することを防止でき、観察者が感じる液晶シャッター眼鏡3の重さを軽減できる。これにより、装着感を向上できる。
プロジェクター2によってスクリーンScに表示される画像を、この装着感に優れた液晶シャッター眼鏡3を装着して見るので、表示画像を見た際の疲労感を低減できる。
【0027】
また、駆動回路33及び電池34を、テンプル部352の他端側の先端部354に配設しているので、これらを配設していないテンプル部352の先端部354以外の厚み寸法及び幅寸法を小さく構成できる。このことにより、他の眼鏡4を装着した上から液晶シャッター眼鏡3を重ねて装着しても他の眼鏡4と干渉しにくくなり、装着感をさらに向上できる。
【0028】
さらに、一対のテンプル部352の各先端部354が下方に向かい、かつ、互いに近づくように屈曲していることで、観察者が液晶シャッター眼鏡3を装着した際に、観察者の後頭部の形状に倣って先端部354が配設されている。このことにより、各テンプル部352が観察者の左右の側後頭部にそれぞれフィットし、装着感をさらに向上できる。また、このように先端部354を屈曲させることで、他の眼鏡4を装着した上から液晶シャッター眼鏡3を重ねて装着しても、先端部354が他の眼鏡4と干渉することを確実に防止できる。
【0029】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造及び同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
なお、以下に説明する第2実施形態は、前記第1実施形態における画像表示システム1とは液晶シャッター眼鏡の構造が相違する。他の構造は、前記第1実施形態と同様である。
【0030】
図5は、本実施形態における液晶シャッター眼鏡3Aの構成を模式的に示す側面図である。具体的に、図5は、装着状態における液晶シャッター眼鏡3Aの側面図である。
本実施形態の液晶シャッター眼鏡3Aは、テンプル部352Aの構造が前記第1実施形態の液晶シャッター眼鏡3におけるテンプル部352と相違する。
【0031】
本実施形態の液晶シャッター眼鏡3Aが備える一対のテンプル部352Aは、図5に示すように、リム部351から斜め上方に向けて延出している。すなわち、各テンプル部352Aは、リム部351に保持されている平板状の左目用選択部31及び右目用選択部32(図1等参照)に対し、側面視で若干の角度を持って交差するように連結されている。さらに換言すると、各テンプル部352Aは、液晶シャッター眼鏡3Aを観察者が装着した場合に、側面視で観察者の鼻位置から後頭頂部(後頭部と頭頂部の間の部位)に向かう方向に向かって延出している。
【0032】
この一対のテンプル部352Aの各先端部354Aは、観察者の後頭頂部の形状に倣って配設されている。つまり、各先端部354Aは、装着状態において鼻でリム部351を支持した際に、観察者側に位置する支持面355Aが観察者の左右両側の後頭頂部にそれぞれ当接するように、位置、形状、大きさ等が設定されている。具体的に、各テンプル部352Aは、他端の端縁に向かって先端部354Aの幅が広がるように構成され、先端部354Aの観察者側の支持面355Aが、後頭頂部に倣った形状に構成されている。
これにより、液晶シャッター眼鏡3Aは、観察者が装着した際に、リム部351が観察者の鼻で支持され、各先端部354Aが観察者の左右両側の後頭頂部で支持される。
【0033】
上述した第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
リム部351から斜め上方に向けてテンプル部352Aが延出しているので、液晶シャッター眼鏡3Aを観察者の後頭頂部で支持できる。このことにより、他の眼鏡を装着した上から液晶シャッター眼鏡3Aを重ねて装着しても、観察者の耳における他の眼鏡との干渉を防止でき、装着感をさらに向上できる。また、テンプル部352Aの他端側が、観察者の後頭頂部で支持されるため、テンプル部352Aの一端側に位置する観察者の鼻にかかる液晶シャッター眼鏡3Aの荷重を減らすことができ、装着感をさらに向上できる。
【0034】
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、駆動回路33及び電池34を、テンプル部352,352Aの先端位置(先端部354,354A)に配設したが、駆動回路33及び電池34を配設することで、装着状態における重心位置が後方へ移動する位置であれば、先端位置以外に配設しても構わない。また、駆動回路33及び電池34の双方を先端部354,354Aに配設することに限らず、少なくともどちらか一方を配設する構成であってもよい。
前記各実施形態では、液晶シャッター眼鏡3の構成を、上方からの平面視においてU字状の構成について例示したが、これに限らず、円輪状の構成であってもよい。
【0035】
前記各実施形態では、本発明に係る画像表示システムを、観察者に投影画像を立体視させる画像表示システム1として構成していたが、これに限らない。例えば、左目用画像及び右目用画像をコンテンツの異なる画像とし、2つの投影画像を表示するデュアル表示システムとして構成しても構わない。
このようなデュアル表示システムとして構成した場合には、液晶シャッター眼鏡3としては、左目用選択部31を左右に設けた眼鏡、及び右目用選択部32を左右に設けた眼鏡の2種類を設ければよい。
【0036】
前記各実施形態では、画像表示システム1として、フロント投射型のプロジェクター2を採用した例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを備え、当該スクリーンの裏面側から投射を行うリアタイプのプロジェクターを採用した構成としても構わない。また、テレビジョン受像機、コンピューターのモニター装置等を画像表示装置として採用した構成であっても構わない。
前記各実施形態では、本発明に係るシャッター眼鏡を、液晶シャッター方式による液晶シャッター眼鏡3として構成していたが、これに限らず、他の電気部品により入射光の透過及び遮断を切替可能なシャッター眼鏡に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、プロジェクターや眼鏡を用いて画像を立体視させる画像表示システムに利用できる。
【符号の説明】
【0038】
1・・・画像表示システム、2・・・プロジェクター(画像表示装置)、3,3A・・・液晶シャッター眼鏡(シャッター眼鏡)、31・・・左目用選択部(シャッター部材)、32・・・右目用選択部(シャッター部材)、33・・・駆動回路、34・・・電池(駆動電源)、35・・・フレーム部材、351・・・リム部、352,352A・・・テンプル部、354,354A・・・先端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光の透過及び遮断を切替可能な一対のシャッター部材と、前記一対のシャッター部材が配設されたフレーム部材とを備えるシャッター眼鏡であって、
前記シャッター部材を駆動させる駆動回路及び駆動電源を備え、
前記フレーム部材は、
前記シャッター部材が取り付けられるリム部と、
各一端が前記リム部にそれぞれ連結した一対のテンプル部とを備え、
前記駆動回路及び前記駆動電源の少なくともいずれか一方は、
前記テンプル部の他端側に配設されている
ことを特徴とするシャッター眼鏡。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッター眼鏡において、
前記駆動回路及び前記駆動電源の少なくともいずれか一方は、
前記テンプル部の他端側の先端部に配設されている
ことを特徴とするシャッター眼鏡。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシャッター眼鏡において、
前記一対のテンプル部は、
観察者が装着した際の装着状態で、前記先端部が前記他端側の下方に向かい、かつ、互いに近づくように屈曲している
ことを特徴とするシャッター眼鏡。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のシャッター眼鏡において、
前記テンプル部は、
前記リム部から斜め上方に向けて延出している
ことを特徴とするシャッター眼鏡。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のシャッター眼鏡と、
第1画像及び第2画像を時分割で交互に表示する画像表示装置とを備える
ことを特徴とする画像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−58530(P2012−58530A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202268(P2010−202268)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】