説明

シャフト式昇降装置

【課題】 洗面台や流し台などの箱体の昇降を簡潔構造で行うシャフト式昇降装置を提供すること。
【解決手段】 本発明のシャフト式昇降装置は、洗面本体31の内部にスライド可能に取り付けられる第1、第2の2本のシャフト11a、11bと、洗面本体31の内部に固定される水平支持バーに固定され、ベルトを巻き取る巻取りローラ14と、第1のシャフト11aの下端に取付けられる第1のガイドローラ15aと、第2のシャフト11bの下端に取付けられる第2のガイドローラとを備え、巻取りローラ14に一端が固定された一方の側のベルトが第1のガイドローラ15aで折返されて他端が水平支持バー33bに固定され、巻取りローラ14に一端が固定された他方の側のベルトが第2のガイドローラ15bで折返されて他端が水平支持バー33bに固定され、ベルトの巻き取り巻き戻しにより洗面部32の昇降を行うこととした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台や流し台などの箱体の昇降をシャフトの昇降で行う簡潔構造のシャフト式昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗面台や流し台などの箱体には、垂直方向に設置したねじ棒をモータ駆動により回転させ箱体の上部を所望の高さまで昇降可能にする昇降装置が設置されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】 特開平11−76080
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、洗面台や流し台などの箱体に用いられる従来の昇降装置は、垂直方向に設置したねじ棒をモータ駆動により回転させるため機構が複雑である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、洗面台や流し台などの箱体の昇降を簡潔構造で行うシャフト式昇降装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシャフト式昇降装置は、上側箱体の下面側に垂直に設けられ、前記上側箱体の下側に設置される下側箱体の内部にスライド可能に取り付けられる第1、第2の2本のシャフトと、前記下側箱体の内部に固定される水平支持バーに固定され、ベルトまたはワイヤを巻き取る巻取りローラと、前記第1のシャフトの下端に取付けられる第1のガイドローラと、前記第2のシャフトの下端に取付けられる第2のガイドローラとを備え、前記巻取りローラに一端が固定された一方の側の前記ベルトまたはワイヤが前記第1のガイドローラで折返されて他端が前記水平支持バーに固定され、前記巻取りローラに一端が固定された他方の側の前記ベルトまたはワイヤが前記第2のガイドローラで折返されて他端が前記水平支持バーに固定され、前記ベルトまたはワイヤの巻き取り巻き戻しにより前記箱体の昇降を行うこととした。
また、前記第1、第2のシャフトは、スライドベアリングにより前記下側箱体の内部で前記水平支持バーにスライド可能に取り付けられることとした。
さらに、前記シャフト式昇降装置は、前記下側箱体の両側面側にそれぞれ設けられることとした。
【発明の効果】
【0006】
本発明のシャフト式昇降装置は、上側箱体の下面側に垂直に設けられ、前記上側箱体の下側に設置される下側箱体の内部にスライド可能に取り付けられる第1、第2の2本のシャフトと、前記下側箱体の内部に固定される水平支持バーに固定され、ベルトまたはワイヤを巻き取る巻取りローラと、前記第1のシャフトの下端に取付けられる第1のガイドローラと、前記第2のシャフトの下端に取付けられる第2のガイドローラとを備え、前記巻取りローラに一端が固定された一方の側の前記ベルトまたはワイヤが前記第1のガイドローラで折返されて他端が前記水平支持バーに固定され、前記巻取りローラに一端が固定された他方の側の前記ベルトまたはワイヤが前記第2のガイドローラで折返されて他端が前記水平支持バーに固定され、前記ベルトまたはワイヤの巻き取り巻き戻しにより前記箱体の昇降を行うこととしたため、洗面台の洗面部などの上側箱体を所望の高さの位置に簡潔構造で容易に昇降させることができる。
また、前記第1、第2のシャフトは、スライドベアリングにより前記下側箱体の内部で前記水平支持バーにスライド可能に取り付けられることとしたため、洗面台の洗面部などの上側箱体をより円滑に昇降させることができる。
さらに、前記シャフト式昇降装置は、前記下側箱体の両側面側にそれぞれ設けられることとしたため、流し台などの細長形状の箱体ものでも上側箱体をより確実に昇降させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態のシャフト式昇降装置につき図を用いて説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置が洗面台に設置された斜視図を示し、図1(a)は、洗面台の洗面部が下降しているときの斜視図を示し、図1(b)は、洗面台の洗面部が上昇しているときの斜視図を示す。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置を設置する洗面台30は、下側箱体である洗面本体31の上側に上側箱体である洗面部32が設置されている。本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置10A、10B(図2、3参照)は、洗面台30に内装され、洗面部32が矢印DUに示すように垂直方向に昇降することができ、図1(a)に示す洗面部32が下降している状況から図1(b)に示す洗面部32が上昇している状況に昇降することができ、洗面本体31を所望の高さの位置にすることができる。また、洗面部32が上昇したとき、洗面台30の内部が見えないようにするために両側面と前面の隙間をふさぐコの字形の遮蔽板39が洗面部32の下面側に設けられている。
【0009】
図2は、本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置が洗面台に設置されたときの前面を開口した正面図を示す。
図2に示すように、洗面台30の洗面本体31には、本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置10A、10Bが側面側に設置されている。洗面本体31には、上下して断面が箱形の2本の水平支持バー33a、33bが洗面本体31の側面と平行して設けられている。昇降装置10Aは、洗面本体31に設けられた水平支持バー33a、33bに第1、第2のシャフト11a、11bがスライドベアリング12を介して垂直方向にスライド自在に取り付けられ、第1、第2のシャフト11a、11bをベルト21a、21bにより昇降させ、洗面部32を昇降させることができる。シャフト式昇降装置10Bも同様の構成で洗面本体31に設置され、シャフト式昇降装置10Aとシャフト式昇降装置10Bとにより洗面部32の昇降を行うことができる。
【0010】
図3は、本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置が洗面台に設置されたときの側面を開口した側面図を示す。洗面台30には図2に示すようにシャフト式昇降装置10Aとシャフト式昇降装置10Bとが設置されているが、図3では、シャフト式昇降装置10Aを代表として示す。
図3に示すように、洗面台30の洗面本体31には、上下して断面が箱形の2本の水平支持バー33a、33bが洗面本体31の側面と平行して設けられ、シャフト式昇降装置10Aは、洗面本体31の内部で支持バー33a、33bに取り付けられている。図2に示すシャフト式昇降装置10Bも同様に取り付けられている。
水平支持バー33a、33bには、2本の第1、第2のシャフト11a、11bがスライドベアリング12を介して垂直方向にスライド自在に取り付けられ、第1、第2のシャフト11a、11bはそれぞれ洗面部32の下面側に設けられている。また、第1のシャフト11aには、下端に第1のガイドローラ15aがコの字形のブラケット17aを介して取付けられ、第2のシャフト11bには、下端に第2のガイドローラ15bがコの字形のブラケット17bを介して取付けられている。下側の水平支持バー33bにはモータユニット13が固定され、モータユニット13は、DCモータ13aと、DCモータ13aの回転数を減速しトルクを増大する減速器13bとにより構成され、減速器13bには巻取りローラ14が取付けられている。ベルト21の一方の側のベルト21aは、巻取りローラ14に一端が固定され、水平支持バー33bに明けられたベルト挿通穴(図示せず)を通り第1のガイドローラ15aで折返されて他端がベルト固定部16aにより水平支持バー33bに固定され、ベルト21の他方の側のベルト21bは、巻取りローラ14に一端が固定され、水平支持バー33bに明けられたベルト挿通穴(図示せず)を通り第2のガイドローラ15bで折返されて他端がベルト固定部16bにより水平支持バー33bに固定されている。
【0011】
従って、シャフト式昇降装置10Aは、垂直にスライド可能に取り付けられる2本の第1、第2のシャフト11a、11bと、モータユニット13により回動されベルト21を巻き取る巻取りローラ14と、第1のシャフト11aの下端に取付けられる第1のガイドローラ15aと、第2のシャフト11bの下端に取付けられる第2のガイドローラ15bと、巻取りローラ14に一端が固定され第1のガイドローラ15aで折返されて他方の端部が水平支持バー33bに固定される一方の側のベルト21aと、巻取りローラ14に一端が固定され第2のガイドローラ15bで折返されて他方の端部が水平支持バー33bに固定されるベルト21bとで構成され、ベルト21aとベルト21bとからなるとベルト21の巻き取り巻き戻しにより第1、第2のシャフト11a、11bが昇降し、同様構造のシャフト式昇降装置10Bとにより洗面部32の昇降を行うことができる。
巻取りローラ14は、中心を通り軸方向に形成したスリットにベルト21を挟み固定し、ベルト21を巻き取るようにすることもできる。
【0012】
図4は、本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置が洗面台に設置され洗面部が上昇したときの側面を開口した側面図を示す。洗面台30には図2に示すようにシャフト式昇降装置10Aとシャフト式昇降装置10Bとが設置されているが、図4では、シャフト式昇降装置10Aを代表として示す。
図4は、洗面部32が下降しているときに、水平支持バー33bの上部に取付けられたモータユニット13により巻取りローラ14が矢印Uの示すように回動され、ベルト21a、21bが巻取られて第1のガイドローラ15aと第2のガイドローラ15bとが上昇し、第1、第2のシャフト11a、11bが上昇することにより洗面部32が上昇したときの状況を示す。
洗面部32の下降を行うときには、水平支持バー33bの上部に取付けられたモータユニット13により巻取りローラ14を矢印Dに示すように回動し、ベルト21a、21bが巻き戻されて第1のガイドローラ15aと第2のガイドローラ15bとが下降し、第1、第2のシャフト11a、11bが下降することにより洗面部32を下降することができる。なお、洗面部32が上昇したとき、遮蔽板39により洗面本体31と洗面部32との隙間をふさぐことができる。
【0013】
以上述べたように、シャフト式昇降装置10Aは、シャフト式昇降装置10Aは、洗面本体31に設けられた水平支持バー33a、33bに第1、第2のシャフト11a、11bがスライドベアリング12を介して垂直方向にスライド自在に取り付けられ、第1、第2のシャフト11a、11bをベルト21bにより昇降させ、同様構造のシャフト式昇降装置10Bとにより洗面部32を簡潔構造で昇降させることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置は、2個のシャフト式昇降装置10A,10Bを設置することとしたが、洗面台30の大きさと形状により、1個のシャフト式昇降装置で昇降を行うようにすることもできる。
また、第1、第2のシャフト11a、11bの下端の間に別途水平バーを取り付け、水平バーの中心に近づけた位置に第1、第2のガイドローラ15a、を取付けるとともに、ベルト固定部16a、16bも中心に近づけた位置に取付け、ベルトの取付けを垂直状況に近づけ、より円滑で効率的な昇降を行うようにすることもできる。
また、本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置は、ベルト21で昇降させるようにしたが、ワイヤ類で昇降させるようにすることもできる。
さらに、本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置では、洗面台に用いられる例につき述べたが、これに限定されることなく、その他流し台や調理台などの箱体の昇降にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置が洗面台に設置された斜視図を示し、図1(a)は、洗面台の洗面部が下降しているときの斜視図を示し、図1(b)は、洗面台の洗面部が上昇しているときの斜視図を示す。
【図2】 本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置が洗面台に設置されたときの前面を開口した正面図を示す。
【図3】 本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置が洗面台に設置されたときの側面を開口した側面図を示す。
【図4】 本発明の第1の実施の形態のシャフト式昇降装置が洗面台に設置され洗面部が上昇したときの側面を開口した側面図を示す。
【符号の説明】
【0015】
10A、10B シャフト式昇降装置
11a、11b 第1、第2のシャフト
12 スライドベアリング
15a 第1のガイドローラ
15b 第2のガイドローラ
16a、16b ベルト固定部
17a、17b ブラケット
13 モータユニット
13a DCモータ
13b 減速器
14 巻取りローラ
21 ベルト
30 洗面台
31 洗面本体
33a、33b 水平支持バー
32 洗面部
39 遮蔽板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側箱体の下面側に垂直に設けられ、前記上側箱体の下側に設置される下側箱体の内部にスライド可能に取り付けられる第1、第2の2本のシャフトと、前記下側箱体の内部に固定される水平支持バーに固定され、ベルトまたはワイヤを巻き取る巻取りローラと、前記第1のシャフトの下端に取付けられる第1のガイドローラと、前記第2のシャフトの下端に取付けられる第2のガイドローラとを備え、前記巻取りローラに一端が固定された一方の側の前記ベルトまたはワイヤが前記第1のガイドローラで折返されて他端が前記水平支持バーに固定され、前記巻取りローラに一端が固定された他方の側の前記ベルトまたはワイヤが前記第2のガイドローラで折返されて他端が前記水平支持バーに固定され、前記ベルトまたはワイヤの巻き取り巻き戻しにより前記箱体の昇降を行うことを特徴とするシャフト式昇降装置。
【請求項2】
前記第1、第2のシャフトは、スライドベアリングにより前記下側箱体の内部で前記水平支持バーにスライド可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のシャフト式昇降装置。
【請求項3】
前記シャフト式昇降装置は、前記下側箱体の両側面側にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシャフト式昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−137669(P2007−137669A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359544(P2005−359544)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(599119569)株式会社三富工業 (29)
【Fターム(参考)】